JP2008298930A - 反射スクリーン及び反射スクリーンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射された投射光の輝度や視野角を容易に変更可能な反射スクリーン及び反射スクリーンの製造方法を提供すること。
【解決手段】基板2面内の左右方向に沿って形成されると共に上下方向に沿って複数配列された凸部3と、凸部3の表面の一部を被覆すると共に凸部3の表面のうち投射光が入射する領域の少なくとも一部に形成された複数の鏡面反射膜4及び拡散反射膜5とを有し、複数の鏡面反射膜4及び拡散反射膜5とが、左右方向に沿って交互に配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】基板2面内の左右方向に沿って形成されると共に上下方向に沿って複数配列された凸部3と、凸部3の表面の一部を被覆すると共に凸部3の表面のうち投射光が入射する領域の少なくとも一部に形成された複数の鏡面反射膜4及び拡散反射膜5とを有し、複数の鏡面反射膜4及び拡散反射膜5とが、左右方向に沿って交互に配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、反射スクリーン及び反射スクリーンの製造方法に関するものである。
プロジェクタなどの投射型表示装置からの投射光を表示する反射スクリーンが知られている。このような反射スクリーンとして、スクリーンの横方向に延在するレンチキュラーレンズと上下方向に延在するリニアフレネルレンズとを組み合わせたものや、スクリーンの表面に半球形状の凸部を複数配列してこの凸部のうち投射光の入射方向に向かう一部の表面に投射光を反射させる反射面が形成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−311507号公報
特開2006−215162号公報
しかしながら、上記従来の反射スクリーンにおいても、以下の課題が残されている。すなわち、前者の反射スクリーンでは、異なる複数のレンズを組み合わせているため、反射された投射光の輝度や上下方向及び左右方向の視野角を変更することが困難である。また、後者の反射スクリーンでは、凸部が半球形状であるため、輝度や視野角を変更する際の自由度が小さいという問題がある。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、反射された投射光の輝度や視野角を容易に変更可能な反射スクリーン及び反射スクリーンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかる反射スクリーンは、基板上に形成された複数の凸部を有し、投射光を反射する反射スクリーンであって、前記基板面内の一方向に沿って形成されると共に該一方向と異なる他方向に沿って複数配列された凸部と、該凸部の表面の一部を被覆すると共に該凸部の表面のうち前記投射光が入射する領域の少なくとも一部に複数の鏡面反射面及び拡散反射面を形成する被覆膜とを備え、前記複数の鏡面反射面と前記複数の拡散反射面とが、前記一方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする。
この発明では、鏡面反射面及び拡散反射面の面積を変更することで、容易に輝度や視野角を調整できる。すなわち、鏡面反射面の面積や形成位置を変更することで、反射された投射光の主に一方向と直交する方向における輝度や視野角を設定できる。また、拡散反射面の面積や形成位置を変更することで、反射された投射光の一方向における輝度や視野角を設定できる。そして、凸部を一方向に延在させることで、凸部をほぼ半球形状にした場合と比較して、鏡面反射面及び拡散反射面の面積を広くすることができ、反射される投射光の強度を増大させることができる。
また、本発明にかかる反射スクリーンは、前記複数の鏡面反射面と前記複数の拡散反射面とが、前記他方向に沿って交互に配置されていることが好ましい。
この発明では、他方向において鏡面反射面または拡散反射面が配列されることを防止することで、主に一方向と直交する方向に投射光が反射される領域と主に他方向と直交する方向に投射光が反射される領域とが他方向に沿って筋状に輝度ムラが発生することを回避し、反射された投射光の表示画質が向上する。
この発明では、他方向において鏡面反射面または拡散反射面が配列されることを防止することで、主に一方向と直交する方向に投射光が反射される領域と主に他方向と直交する方向に投射光が反射される領域とが他方向に沿って筋状に輝度ムラが発生することを回避し、反射された投射光の表示画質が向上する。
また、本発明にかかる反射スクリーンは、前記一方向と前記他方向とが、互いに直交していることが好ましい。
この発明では、鏡面反射面及び拡散反射面の面積により一方向及び他方向における反射された投射光の輝度や視野角を調整できる。
この発明では、鏡面反射面及び拡散反射面の面積により一方向及び他方向における反射された投射光の輝度や視野角を調整できる。
また、本発明にかかる反射スクリーンは、前記凸部が、光吸収性を有し、前記被覆膜が、光反射性を有すると共に前記凸部の表面のうち前記投射光が入射する領域を被覆して前記鏡面反射面を形成する鏡面反射膜と、光拡散性を有すると共に前記凸部の表面のうち前記投射光が入射する領域を被覆して前記拡散反射面を形成する拡散反射膜とを備えることとしてもよい。
この発明では、凸部のうち被覆膜が形成された領域が投射光を反射して反射スクリーンの正面にいる鑑賞者に視認させる。一方、凸部のうち被覆膜が形成されていない領域に入射した光は、吸収されて鑑賞者に視認されない。そして、凸部形成材料が光吸収性を有するため、凸部形成工程の後で凸部の表面に光吸収性を有する膜を形成する必要がなく、製造工程の簡略化が図れる。
この発明では、凸部のうち被覆膜が形成された領域が投射光を反射して反射スクリーンの正面にいる鑑賞者に視認させる。一方、凸部のうち被覆膜が形成されていない領域に入射した光は、吸収されて鑑賞者に視認されない。そして、凸部形成材料が光吸収性を有するため、凸部形成工程の後で凸部の表面に光吸収性を有する膜を形成する必要がなく、製造工程の簡略化が図れる。
また、本発明にかかる反射スクリーンは、前記凸部が、光拡散性を有し、前記被覆膜が、光吸収性を有すると共に前記凸部の表面のうち前記鏡面反射面及び拡散反射面を除く他の領域を被覆する吸収被覆膜と、光反射性を有すると共に前記凸部の表面のうち前記投射光が入射する領域を被覆して前記鏡面反射面を形成する鏡面反射膜とを備えることとしてもよい。
この発明では、凸部のうち被覆膜で覆われていない領域が投射光を反射して反射スクリーンの正面にいる鑑賞者に視認させる。一方、凸部のうち被覆膜が形成された領域に入射した光は、吸収されて鑑賞者に視認されない。そして、凸部形成材料が光反射性を有するため、凸部形成工程の後で凸部の表面に光反射性を有する膜を形成する必要がなく、製造工程の簡略化が図れる。
この発明では、凸部のうち被覆膜で覆われていない領域が投射光を反射して反射スクリーンの正面にいる鑑賞者に視認させる。一方、凸部のうち被覆膜が形成された領域に入射した光は、吸収されて鑑賞者に視認されない。そして、凸部形成材料が光反射性を有するため、凸部形成工程の後で凸部の表面に光反射性を有する膜を形成する必要がなく、製造工程の簡略化が図れる。
また、本発明にかかる反射スクリーンは、基板が、光吸収性を有する材料で構成されていることが好ましい。
この発明では、基板表面に光吸収性の材料からなる膜を別途形成することと比較して、製造工程を簡略化できる。
この発明では、基板表面に光吸収性の材料からなる膜を別途形成することと比較して、製造工程を簡略化できる。
また、本発明にかかる反射スクリーンの製造方法は、投射光を反射する反射スクリーンの製造方法であって、基板上に凸部形成材料を液滴吐出法により滴下して、前記基板面内の一方向に沿う凸部を前記一方向と異なる他方向に沿って複数配列する凸部形成工程と、前記凸部の一部の表面に、被覆膜形成材料を液滴吐出法により塗布して前記凸部の一部を被覆する被覆膜を形成し、前記凸部の表面のうち前記投射光が入射する領域の少なくとも一部に複数の鏡面反射面及び拡散反射面を形成する被覆膜形成工程とを備えることを特徴とする。
この発明では、上述と同様に、鏡面反射面及び拡散反射面の面積を変更することで、容易に輝度や視野角を調整できる。また、凸部形成材料の滴下パターンを変更することで、凸部の形状や配置パターンが変更可能となる。このため、凸部の形成時に金型を用いる必要がないので、製造コストの削減が図れると共に設計変更が容易となる。そして、凸部形成材料や被覆膜形成材料の滴下量や滴下パターンなどを調整することで、凸部や被覆膜の微細形状を精度よく形成できる。
また、本発明にかかる反射スクリーンの製造方法は、前記凸部形成工程の前に、前記基板表面に撥液化処理を施す撥液化工程を有することが好ましい。
この発明では、基板表面に撥液性を付与することで、滴下した凸部形成材料が基板表面においてヌレ拡がることを防止できる。これにより、凸部を精度よく形成できる。
この発明では、基板表面に撥液性を付与することで、滴下した凸部形成材料が基板表面においてヌレ拡がることを防止できる。これにより、凸部を精度よく形成できる。
また、本発明にかかる反射スクリーンの製造方法は、前記凸部形成工程で、紫外線硬化樹脂を滴下する工程を有することが好ましい。
この発明では、溶媒を用いずに液状体となる紫外線硬化樹脂を滴下して凸部を形成することで、滴下した凸部形成材料を硬化して凸部とする際の体積収縮を抑制できる。これにより、凸部をより精度よく形成できる。
この発明では、溶媒を用いずに液状体となる紫外線硬化樹脂を滴下して凸部を形成することで、滴下した凸部形成材料を硬化して凸部とする際の体積収縮を抑制できる。これにより、凸部をより精度よく形成できる。
また、本発明にかかる反射スクリーンの製造方法は、前記被覆膜形成工程で、紫外線硬化樹脂を塗布する工程を有することが好ましい。
この発明では、溶媒を用いずに液状体となる紫外線硬化樹脂を滴下して被覆膜を形成することで、滴下した被覆膜形成材料を硬化して被覆膜とする際の体積収縮を抑制できる。これにより、被覆膜をより精度よく形成できる。
この発明では、溶媒を用いずに液状体となる紫外線硬化樹脂を滴下して被覆膜を形成することで、滴下した被覆膜形成材料を硬化して被覆膜とする際の体積収縮を抑制できる。これにより、被覆膜をより精度よく形成できる。
以下、本発明における反射スクリーン及び反射スクリーンの製造方法の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。ここで、図1(a)は反射スクリーンを示す正面図、図1(b)は図1(a)のA−A矢視断面図、図1(c)、(d)は図1(a)のB−B矢視断面図、図2は反射スクリーンの製造工程を示す工程図である。
〔反射スクリーン〕
まず、本実施形態における反射スクリーンについて説明する。この反射スクリーン1は、いわゆる斜方入射用の反射スクリーンであり、スクリーンの下方の斜め前方からスクリーンに向けて投射光を照射するフロント型のプロジェクタに用いられる。そして、反射スクリーン1は、図1に示すように、基板2と、基板2の表面に形成された複数の凸部3とを有している。
基板2は、平面視でほぼ矩形の可撓性を有する薄板であり、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂材料で構成されている。そして、基板2は、黒色に着色されている。なお、基板2は、少なくとも表面が黒色で着色されていればよい。また、基板2の表面には、撥液化処理が施されている。
まず、本実施形態における反射スクリーンについて説明する。この反射スクリーン1は、いわゆる斜方入射用の反射スクリーンであり、スクリーンの下方の斜め前方からスクリーンに向けて投射光を照射するフロント型のプロジェクタに用いられる。そして、反射スクリーン1は、図1に示すように、基板2と、基板2の表面に形成された複数の凸部3とを有している。
基板2は、平面視でほぼ矩形の可撓性を有する薄板であり、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂材料で構成されている。そして、基板2は、黒色に着色されている。なお、基板2は、少なくとも表面が黒色で着色されていればよい。また、基板2の表面には、撥液化処理が施されている。
凸部3は、ほぼ半円柱形状を有しており、基板2の左右方向に沿って形成されている。また、凸部3は、反射スクリーン1の上下方向に沿って間隔をあけて複数配列されている。そして、凸部3は、例えばアクリル系やエポキシ系などのモノマータイプの紫外線硬化樹脂で構成されており、黒色に着色されている。また、凸部3は、その幅が例えば40〜50μm程度となっている。
そして、凸部3の表面のうちプロジェクタ(図示略)から照射される投射光の入射方向に臨む半分は、鏡面反射膜(被覆膜)4及び拡散反射膜(被覆膜)5で被覆されている。
そして、凸部3の表面のうちプロジェクタ(図示略)から照射される投射光の入射方向に臨む半分は、鏡面反射膜(被覆膜)4及び拡散反射膜(被覆膜)5で被覆されている。
鏡面反射膜4は、例えば銀などの金属微粒子が均一に配置されることで構成されている。そして、凸部3のうち鏡面反射膜4で被覆された領域が、鏡面反射面を形成する。
拡散反射膜5は、例えば凸部3と同様にアクリル系やエポキシ系などのモノマータイプの紫外線硬化樹脂で構成されており、白色に着色されている。そして、凸部3のうち拡散反射膜5で被覆された領域が、拡散反射面を形成する。
これら鏡面反射膜4及び拡散反射膜5は、それぞれ凸部3の表面の複数箇所に設けられている。そして、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5は、凸部3の延在方向である基板2の左右方向に沿って交互に設けられている。さらに、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5は、それぞれ凸部3の配列方向である基板2の上下方向に沿って配列されている。
拡散反射膜5は、例えば凸部3と同様にアクリル系やエポキシ系などのモノマータイプの紫外線硬化樹脂で構成されており、白色に着色されている。そして、凸部3のうち拡散反射膜5で被覆された領域が、拡散反射面を形成する。
これら鏡面反射膜4及び拡散反射膜5は、それぞれ凸部3の表面の複数箇所に設けられている。そして、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5は、凸部3の延在方向である基板2の左右方向に沿って交互に設けられている。さらに、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5は、それぞれ凸部3の配列方向である基板2の上下方向に沿って配列されている。
〔反射スクリーンの製造方法〕
次に、以上のような構成の反射スクリーン1の製造方法について説明する。
まず、黒色に着色された基板2の表面に撥液化処理を施す(撥液化工程)。ここでは、基板2の表面にCF4(四フッ化炭素)プラズマを照射する(図2(a))。これにより、基板2の表面が撥液化する。
次に、以上のような構成の反射スクリーン1の製造方法について説明する。
まず、黒色に着色された基板2の表面に撥液化処理を施す(撥液化工程)。ここでは、基板2の表面にCF4(四フッ化炭素)プラズマを照射する(図2(a))。これにより、基板2の表面が撥液化する。
続いて、基板2の表面に凸部3を複数形成する(凸部形成工程)。ここでは、凸部3を構成する黒色に着色された紫外線硬化樹脂(凸部形成材料)6を、インクジェット法(液滴吐出法)を用いて基板2の表面に滴下する(図2(b))。このとき、滴下された紫外線硬化樹脂6は、基板2の表面に撥液化処理が施されているため、ヌレ拡がらずに基板2上に塗布される。そして、滴下した紫外線硬化樹脂6に対して、例えば波長が365nmの低エネルギーの紫外線を照射し、滴下した紫外線硬化樹脂6を硬化させる。これにより、ほぼ半円柱形状の複数の凸部3が形成される。このとき、波長が365nmの低エネルギーの紫外線を照射しているため、基板2の表面の撥液性は維持される。
次に、凸部3の表面の一部に鏡面反射膜4及び拡散反射膜5をそれぞれ形成する(被覆膜形成工程)。ここでは、鏡面反射膜4を構成する例えば銀などの金属微粒子を分散媒中に分散させた液状体(被覆膜形成材料)7を、インクジェット法を用いて凸部3の表面の複数箇所に間隔をあけて滴下する(図2(c))。このとき、滴下された液状体7は、基板2の表面の撥液性が維持されているため、基板2の表面にヌレ拡がらずに凸部3の表面にヌレ拡がるように塗布される。なお、鏡面反射膜4を構成する液状体7の滴下量は、凸部3の表面のうち投射光の入射方向に臨む領域を覆うように適宜調整されている。そして、滴下した液状体7を、乾燥させて分散媒を除去する。これにより、凸部3の表面の一部を被覆する鏡面反射膜4が複数箇所に形成される。
続いて、拡散反射膜5を構成する白色に着色された紫外線硬化樹脂(被覆膜形成材料)8を、インクジェット法を用いて凸部3の表面のうち鏡面反射膜4が形成された領域の間に滴下する(図2(d))。このとき、滴下された紫外線硬化樹脂8は、基板2の表面の撥液性が維持されているため、上述と同様に基板2の表面にヌレ拡がらずに凸部3の表面にヌレ拡がるように塗布される。なお、拡散反射膜5を構成する紫外線硬化樹脂8の滴下量は、凸部3の表面のうち投射光の入射方向に臨む領域を覆うように適宜調整されている。そして、滴下した紫外線硬化樹脂8に対して上述と同様に低エネルギーの紫外線を照射し、滴下した紫外線硬化樹脂8を硬化させる。これにより、凸部3の表面の一部を被覆する拡散反射膜5が複数箇所に形成される。なお、被覆膜形成工程は、拡散反射膜5を形成した後に鏡面反射膜4を形成する工程としてもよい。
以上のようにして、図1に示すような反射スクリーン1を製造する。
以上のようにして、図1に示すような反射スクリーン1を製造する。
〔反射スクリーンの動作〕
例えば室内の天井に配置された照明器具などから反射スクリーン1に向かう外光は、基板2の表面や凸部3のうち鏡面反射膜4及び拡散反射膜5で被覆されていない領域のように、黒色に着色された領域に入射することによって吸収される。これにより、投射光と異なる外光が鑑賞者に視認されない。
一方、プロジェクタから射出して反射スクリーン1に向かう投射光は、図1(b)〜(d)に示すように、凸部3のうち鏡面反射膜4及び拡散反射膜5で被覆された領域のように入射することによって鏡面反射または拡散反射する。すなわち、鏡面反射膜4に入射した投射光は、凸部3がほぼ半円柱形状であると共に鏡面反射膜4が凸部3のうち反射スクリーン1の下半分の領域に形成されていることから、図1(b)、(c)に示すように、主に凸部3の延在方向に対して直交する方向である基板2の上下方向で鏡面反射される。また、拡散反射膜5に入射した投射光は、図1(b)、(d)に示すように、凸部3の延在方向である基板2の左右方向及び上下方向で拡散反射される。なお、図1(b)〜(d)の矢印は、投射光の入射方向及び反射方向を示している。これにより、投射光が反射スクリーン1で反射されて鑑賞者により視認される。
例えば室内の天井に配置された照明器具などから反射スクリーン1に向かう外光は、基板2の表面や凸部3のうち鏡面反射膜4及び拡散反射膜5で被覆されていない領域のように、黒色に着色された領域に入射することによって吸収される。これにより、投射光と異なる外光が鑑賞者に視認されない。
一方、プロジェクタから射出して反射スクリーン1に向かう投射光は、図1(b)〜(d)に示すように、凸部3のうち鏡面反射膜4及び拡散反射膜5で被覆された領域のように入射することによって鏡面反射または拡散反射する。すなわち、鏡面反射膜4に入射した投射光は、凸部3がほぼ半円柱形状であると共に鏡面反射膜4が凸部3のうち反射スクリーン1の下半分の領域に形成されていることから、図1(b)、(c)に示すように、主に凸部3の延在方向に対して直交する方向である基板2の上下方向で鏡面反射される。また、拡散反射膜5に入射した投射光は、図1(b)、(d)に示すように、凸部3の延在方向である基板2の左右方向及び上下方向で拡散反射される。なお、図1(b)〜(d)の矢印は、投射光の入射方向及び反射方向を示している。これにより、投射光が反射スクリーン1で反射されて鑑賞者により視認される。
以上のように、本実施形態における反射スクリーン1及び反射スクリーンの製造方法によれば、鏡面反射膜4で被覆される領域の面積を変更することにより、基板2の上下方向における反射された投射光の輝度を調整できる。また、拡散反射膜5で被覆される領域の面積を変更することにより、基板2の左右方向における反射された投射光の輝度を調整できる。
ここで、凸部3が基板2の左右方向に延在するように形成されているため、鏡面反射面及び拡散反射面の面積を広くすることができ、反射される投射光の強度をより増大させることができる。
ここで、凸部3が基板2の左右方向に延在するように形成されているため、鏡面反射面及び拡散反射面の面積を広くすることができ、反射される投射光の強度をより増大させることができる。
また、インクジェット法を用いて凸部3や鏡面反射膜4及び拡散反射膜5を形成するため、金型を用いる必要がなく、設計変更が容易に行えると共に製造コストの削減が図れる。そして、紫外線硬化樹脂6、8や液状体7の滴下量や滴下パターンなどを調整することで、凸部3や鏡面反射膜4及び拡散反射膜5の微細形状を精度よく形成できる。
さらに、基板2の表面に撥液性を付与しており、滴下した紫外線硬化樹脂や液状体がヌレ拡がらないため、凸部3や鏡面反射膜4及び拡散反射膜5を精度よく形成できる。そして、凸部3や拡散反射膜5を紫外線硬化樹脂で形成することにより、硬化時の体積収縮が抑制され、精度よく凸部3や拡散反射膜5を形成できる。さらに、基板2を黒色に着色しているため、基板2の表面に光吸収性の材料からなる膜を別途形成することと比較して、製造工程を簡略化できる。
さらに、基板2の表面に撥液性を付与しており、滴下した紫外線硬化樹脂や液状体がヌレ拡がらないため、凸部3や鏡面反射膜4及び拡散反射膜5を精度よく形成できる。そして、凸部3や拡散反射膜5を紫外線硬化樹脂で形成することにより、硬化時の体積収縮が抑制され、精度よく凸部3や拡散反射膜5を形成できる。さらに、基板2を黒色に着色しているため、基板2の表面に光吸収性の材料からなる膜を別途形成することと比較して、製造工程を簡略化できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、鏡面反射膜及び拡散反射膜は、凸部の延在方向に沿って交互に形成されると共に凸部の配列方向に沿って配列されているが、例えば図3及び図4に示すようなパターンなど、他のパターンとしてもよい。ここで、図3及び図4は、反射スクリーンを示す正面図である。
反射スクリーン10は、図3に示すように、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5が凸部3の延在方向に沿って交互に設けられていると共に凸部3の配列方向に沿って交互に設けられている。すなわち、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5は、基板2の上下方向及び左右方向のそれぞれに沿って交互に設けられている。上述したように、鏡面反射膜4は投射光を上下方向に反射し、拡散反射膜5は投射光を上下方向及び左右方向に反射する。そのため、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5をそれぞれ上下方向に沿って配列すると、この上下方向に沿って筋状に輝度ムラが発生することがある。そこで、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5を上下方向に沿って交互に配列することで、上下方向に沿った筋状の輝度ムラが発生することを回避できる。
また、反射スクリーン20は、図4に示すように、拡散反射膜5の面積が鏡面反射膜4の面積よりも広くなっている。拡散反射膜5は、上述したように、投射光を上下方向及び左右方向に拡散反射する。そのため、拡散反射膜5の面積を鏡面反射膜4の面積よりも広くすることで、反射した投射光の上下方向及び左右方向における輝度及び視野角をそろえることができる。
例えば、鏡面反射膜及び拡散反射膜は、凸部の延在方向に沿って交互に形成されると共に凸部の配列方向に沿って配列されているが、例えば図3及び図4に示すようなパターンなど、他のパターンとしてもよい。ここで、図3及び図4は、反射スクリーンを示す正面図である。
反射スクリーン10は、図3に示すように、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5が凸部3の延在方向に沿って交互に設けられていると共に凸部3の配列方向に沿って交互に設けられている。すなわち、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5は、基板2の上下方向及び左右方向のそれぞれに沿って交互に設けられている。上述したように、鏡面反射膜4は投射光を上下方向に反射し、拡散反射膜5は投射光を上下方向及び左右方向に反射する。そのため、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5をそれぞれ上下方向に沿って配列すると、この上下方向に沿って筋状に輝度ムラが発生することがある。そこで、鏡面反射膜4及び拡散反射膜5を上下方向に沿って交互に配列することで、上下方向に沿った筋状の輝度ムラが発生することを回避できる。
また、反射スクリーン20は、図4に示すように、拡散反射膜5の面積が鏡面反射膜4の面積よりも広くなっている。拡散反射膜5は、上述したように、投射光を上下方向及び左右方向に拡散反射する。そのため、拡散反射膜5の面積を鏡面反射膜4の面積よりも広くすることで、反射した投射光の上下方向及び左右方向における輝度及び視野角をそろえることができる。
また、凸部の形状は、ほぼ半円柱形状となっているが、凸部を構成する紫外線硬化樹脂の滴下パターンに応じて適宜変更してもよい。
そして、凸部の延在方向は、基板面内の左右方向に限られない。また、複数の凸部の延在方向と配列方向とは、互いに直交していなくてもよい。
そして、凸部の延在方向は、基板面内の左右方向に限られない。また、複数の凸部の延在方向と配列方向とは、互いに直交していなくてもよい。
また、凸部や拡散反射膜は、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化樹脂で構成されているが、他のエネルギー光を照射することにより硬化する材料で構成されてもよい。これによっても、塗布した凸部形成材料や被覆膜形成材料の硬化時における体積収縮を抑制できる。
そして、凸部や拡散反射膜は、紫外線硬化樹脂をインクジェット法により滴下した後これを硬化させることによって形成されているが、黒色や白色の微粒子など溶媒に溶解させた液状体や微粒子を分散媒中に分散させた液状体を塗布した後にこれを乾燥させることによって形成されてもよい。
さらに、凸部は、黒色に着色された紫外線硬化樹脂で構成されているが、光吸収性を有していれば、他の色に着色されていてもよい。
そして、凸部や拡散反射膜は、紫外線硬化樹脂をインクジェット法により滴下した後これを硬化させることによって形成されているが、黒色や白色の微粒子など溶媒に溶解させた液状体や微粒子を分散媒中に分散させた液状体を塗布した後にこれを乾燥させることによって形成されてもよい。
さらに、凸部は、黒色に着色された紫外線硬化樹脂で構成されているが、光吸収性を有していれば、他の色に着色されていてもよい。
また、凸部が光吸収性を有すると共に被覆膜が光反射性を有する鏡面反射膜と光拡散性を有する拡散反射膜とを備えているが、凸部が光拡散性を有すると共に被覆膜が鏡面反射膜と光吸収性を有する光吸収膜とを備える構成としてもよい。この場合、凸部のうち鏡面反射膜及び光吸収膜で覆われていない領域が、光拡散面を構成する。
そして、凸部が光吸収性を有しているが、凸部を透光性材料で構成すると共に、凸部のうち鏡面反射膜及び拡散反射膜で覆われていない領域に光吸収性を有する光吸収膜を形成する構成としてもよい。
そして、凸部が光吸収性を有しているが、凸部を透光性材料で構成すると共に、凸部のうち鏡面反射膜及び拡散反射膜で覆われていない領域に光吸収性を有する光吸収膜を形成する構成としてもよい。
また、基板の表面にCF4プラズマを照射することにより基板の表面を撥液化させているが、他の方法により基板の表面を撥液化させてもよい。
そして、基板は、表面に撥液化処理が施されているが、凸部を精度よく形成できれば、撥液化処理を施さなくてもよい。
また、基板は、黒色に着色された材料で構成されているが、光吸収性を有していれば他の色に着色されてもよい。そして、基板は、光吸収性を有する材料で構成しているが、その表面に対して別途光吸収性を付与すれば、他の材料で構成してもよい。
さらに、斜方入射用の反射スクリーンとしているが、プロジェクタなどの投射型表示装置からの投射光を反射して画像を表示する反射スクリーンであればよい。
そして、基板は、表面に撥液化処理が施されているが、凸部を精度よく形成できれば、撥液化処理を施さなくてもよい。
また、基板は、黒色に着色された材料で構成されているが、光吸収性を有していれば他の色に着色されてもよい。そして、基板は、光吸収性を有する材料で構成しているが、その表面に対して別途光吸収性を付与すれば、他の材料で構成してもよい。
さらに、斜方入射用の反射スクリーンとしているが、プロジェクタなどの投射型表示装置からの投射光を反射して画像を表示する反射スクリーンであればよい。
1,10,20 反射スクリーン、2 基板、3 凸部、4 鏡面反射膜(被覆膜)、5 拡散反射膜(被覆膜)、6 紫外線硬化樹脂(凸部形成材料)、7 液状体(被覆膜形成材料)、8 紫外線硬化樹脂(被覆膜形成材料)
Claims (10)
- 基板上に形成された複数の凸部を有し、投射光を反射する反射スクリーンであって、
前記基板面内の一方向に沿って形成されると共に該一方向と異なる他方向に沿って複数配列された凸部と、
該凸部の表面の一部を被覆すると共に該凸部の表面のうち前記投射光が入射する領域の少なくとも一部に複数の鏡面反射面及び拡散反射面を形成する被覆膜とを備え、
前記複数の鏡面反射面と前記複数の拡散反射面とが、前記一方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする反射スクリーン。 - 前記複数の鏡面反射面と前記複数の拡散反射面とが、前記他方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の反射スクリーン。
- 前記一方向と前記他方向とが、互いに直交していることを特徴とする請求項1または2に記載の反射スクリーン。
- 前記凸部が、光吸収性を有し、
前記被覆膜が、光反射性を有すると共に前記凸部の表面のうち前記投射光が入射する領域を被覆して前記鏡面反射面を形成する鏡面反射膜と、光拡散性を有すると共に前記凸部の表面のうち前記投射光が入射する領域を被覆して前記拡散反射面を形成する拡散反射膜とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の反射スクリーン。 - 前記凸部が、光拡散性を有し、
前記被覆膜が、光吸収性を有すると共に前記凸部の表面のうち前記鏡面反射面及び拡散反射面を除く他の領域を被覆する吸収被覆膜と、光反射性を有すると共に前記凸部の表面のうち前記投射光が入射する領域を被覆して前記鏡面反射面を形成する鏡面反射膜とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の反射スクリーン。 - 基板が、光吸収性を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の反射クリーン。
- 投射光を反射する反射スクリーンの製造方法であって、
基板上に凸部形成材料を液滴吐出法により滴下して、前記基板面内の一方向に沿う凸部を前記一方向と異なる他方向に沿って複数配列する凸部形成工程と、
前記凸部の一部の表面に、被覆膜形成材料を液滴吐出法により塗布して前記凸部の一部を被覆する被覆膜を形成し、前記凸部の表面のうち前記投射光が入射する領域の少なくとも一部に複数の鏡面反射面及び拡散反射面を形成する被覆膜形成工程とを備えることを特徴とする反射スクリーンの製造方法。 - 前記凸部形成工程の前に、前記基板表面に撥液化処理を施す撥液化工程を有することを特徴とする請求項7に記載の反射スクリーンの製造方法。
- 前記凸部形成工程で、紫外線硬化樹脂を滴下する工程を有することを特徴とする請求項7または8に記載の反射スクリーンの製造方法。
- 前記被覆膜形成工程で、紫外線硬化樹脂を塗布する工程を有することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の反射スクリーンの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2007143011A JP2008298930A (ja) | 2007-05-30 | 2007-05-30 | 反射スクリーン及び反射スクリーンの製造方法 |
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JP2007143011A Withdrawn JP2008298930A (ja) | 2007-05-30 | 2007-05-30 | 反射スクリーン及び反射スクリーンの製造方法 |
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-
2007
- 2007-05-30 JP JP2007143011A patent/JP2008298930A/ja not_active Withdrawn
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