JP2008298599A - 薄膜評価装置および薄膜評価方法 - Google Patents

薄膜評価装置および薄膜評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜の深さ方向の結晶/配向性評価を含む薄膜評価を簡単に行うこと。
【解決手段】薄膜評価装置1は、グロー放電発光による薄膜試料Sの組成評価と、XRDによるIn−Plane測定を用いた結晶/配向性評価とを併せて行う機能を有している。そのため、グロー放電発光による薄膜試料Sの掘削および組成評価を行い、それにより表出した薄膜試料Sの異なる深さの面にIn−Plane測定を行うことができる。したがって、薄膜の深さ方向の結晶/配向性評価を含む薄膜評価を簡単に行うことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜材料の構造を評価する薄膜評価装置および薄膜評価方法に関する。
従来、表面分析等の分野において、基板上に成長させた薄膜を評価する薄膜評価が行われている。
薄膜評価を行う場合、薄膜の深さ方向については、組成分布評価が行われるのが一般的である。
例えば、薄膜材料表面を、アルゴンガスによる高周波グロー放電を用いて掘削し、その際に表れる発光を利用して、組成分析すること等が行われている。
このような組成分布評価においては、薄膜材料のある深さにおける組成分布が得られ、深さ方向における元素の偏り等、薄膜の形成状態を検査することができる。
なお、このような薄膜の表面分析に関する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
特開平6−003295号公報
しかしながら、薄膜評価の深さ方向における分析内容としては、上記組成分布評価のみでは十分でなく、特定の深さにおける結晶/配向性評価を併せて行う必要が生じることがある。
ここで、従来、このような結晶/配向性評価を行う必要が生じた場合、薄膜断面試料を分析用に作成し、その微小エリアを電子回折(TEM)によって観察していた。
そして、このような観察手法の場合、膨大な手間をかけて評価用試料を作成することが必要となり、また、高度な観察技術、および、多大な分析時間を要する等、簡単に薄膜の評価を行うことができなかった。
このように、従来の技術においては、薄膜の深さ方向の結晶/配向性評価を含む薄膜評価を簡単に行うことが困難であった。
本発明の課題は、薄膜の深さ方向の結晶/配向性評価を含む薄膜評価を簡単に行うことである。
以上の課題を解決するため、第1の発明は、
薄膜試料の構造を分析するための薄膜評価装置であって、薄膜試料が設置されるステージ(例えば、図1のステージA)と、前記ステージに設置された薄膜試料にX線を照射するX線照射手段(例えば、図2のX線源33a)と、前記薄膜試料に反射した反射X線を検出する反射X線検出手段(例えば、図2のX線検出器33b)と、前記ステージに設置された薄膜試料を覆い、グロー放電用のガスを充填するための試料室を形成するチャンバ(例えば、図1のチャンバC)と、前記チャンバ内に充填されたガスにグロー放電を行わせるグロー放電手段(例えば、図2の放電掘削部31)と、前記グロー放電手段によってグロー放電したガスと前記薄膜試料とが反応して発生した光を分光計測する分光計測手段(例えば、図2の原子発光強度検出部32)とを備えることを特徴としている。
このような構成により、グロー放電発光による薄膜試料の組成評価と、X線回折による結晶/配向性評価とを併せて行うことができる。
したがって、薄膜の深さ方向の結晶/配向性評価を含む薄膜評価を簡単に行うことが可能となる。
また、第2の発明は、
前記X線照射手段および反射X線検出手段による薄膜試料のX線分析動作と、前記グロー放電手段および分光計測手段による薄膜試料のグロー放電分析動作とを対応付けて制御する統合制御手段(例えば、図2の制御部20)をさらに備えることを特徴としている。
このような構成により、対象とする薄膜試料に対して、グロー放電発光による組成評価と、X線回折による結晶/配向性評価を適宜切り替えて、薄膜の深さ方向の結晶/配向性評価を含む薄膜評価をより簡単に行うことができる。
また、第3の発明は、
前記統合制御手段は、前記薄膜試料に対し、前記X線分析動作と前記グロー放電分析動作とを交互に切り換えて実行することを特徴としている。
このような構成により、薄膜試料の組成評価および結晶/配向性評価を正確に行うことができる。
また、第4の発明は、
前記統合制御手段は、前記薄膜試料に対し、前記グロー放電分析動作を行いながら、同時に前記X線分析動作を実行することを特徴としている。
このような構成により、薄膜試料における組成評価および結晶/配向性評価を効率的に行うことができる。
また、第5の発明は、
前記統合制御手段は、前記グロー放電分析動作において、薄膜試料の掘削速度を異なる速度に切り替え可能であることを特徴としている。
このような構成により、薄膜試料における組成評価および結晶/配向性評価を、正確性と効率性とをバランスさせながら行うことができる。
また、第6の発明は、
前記X線照射手段は、前記チャンバ外から前記ステージに向けてX線を照射し、前記反射X線検出手段は、前記チャンバ外における反射X線の方向で該反射X線を検出し、前記チャンバは、前記X線照射手段と前記ステージとを結ぶ位置および該ステージと前記反射X線検出手段とを結ぶ位置に、X線を透過可能な窓部を有することを特徴としている。
このような構成により、薄膜の深さ方向の結晶/配向性評価を含む薄膜評価を簡単に行うことができる。
また、第7の発明は、
前記窓部において光を透過させる状態および光を遮光する状態とを切り替える遮光手段(例えば、図1の遮光板D)をさらに備えることを特徴としている。
このような構成により、グロー放電発光による光を分光計測する際に、チャンバ外部から迷光が進入することを防止できる。
また、第8の発明は、
薄膜試料の構造を分析するための薄膜評価方法であって、
グロー放電によって薄膜試料の対象面を掘削し、発生した光を分光計測する分光計測ステップと、異なる深さの対象面が表出した薄膜試料の対象面にX線を照射し、対象面において反射した反射X線を検出するX線回折分析ステップとを含むことを特徴としている。
なお、X線回折分析ステップにおいて、異なる深さの対象面が表出した薄膜試料の対象面にX線を照射し、対象面において反射した反射X線を検出することには、同一の薄膜試料の同一箇所を順次掘削し、対象面の深さを異ならせて分析すること、同一の薄膜試料の異なる箇所をそれぞれ異なる深さに掘削し、それらの対象面を分析すること、および、異なる薄膜試料を異なる深さに掘削し、それらの対象面を分析することのいずれも含まれる。
これにより、薄膜の深さ方向の結晶/配向性評価を含む薄膜評価を簡単に行うことができる。
以下、図を参照して本発明に係る薄膜評価装置の実施の形態を説明する。
本実施形態に係る薄膜評価装置は、X線回折を利用したXRD(X-Ray Diffratometer)の機能と、グロー放電発光による表面分析機能とを有し、高周波信号によりプラズマ化されたArガス等で試料を掘削し、このとき発生される試料元素からの発光を分光計測すると共に、その掘削された表面について、XRDによるIn−Plane測定を行うことにより、評価用試料の深さ方向における組成評価および結晶/配向性評価とを併せて行うことを可能としている。
(構成)
まず、構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る薄膜評価装置1の主要部を示す模式図である。
また、図2は、薄膜評価装置1の機能構成を示すブロック図である。
図1および図2において、薄膜評価装置1は、薄膜試料Sが設置されるステージAと、絶縁パッキングPと、高周波発振機Hと、チャンバCと、レンズLと、測定パラメータ入力部10と、制御部20と、測定部30と、処理部40と、記憶部50と、表示部60とを備えている、
ステージAは、その高さ方向の位置、ステージ面(薄膜試料S設置面)内における回転方向の角度位置およびステージAの傾斜角を変化させる制御機構を有している。また、ステージAは、ステージ面に平行な方向へ2次元的に移動する平行移動機構を有している。
絶縁パッキングPは、絶縁性の素材で構成されており、薄膜試料Sに密着され、チャンバC内の機密性を高めている。
高周波発振機Hは、薄膜試料Sが形成された基板Bと、チャンバCとの間において、高周波の交流電圧を発生させる。
チャンバCは、掘削の対象とされる薄膜試料Sを覆い、プラズマ化されたArガスが充填されるための空間を形成する。
また、チャンバCには、X線源33aから照射されたX線が透過される入射X線窓Mと、薄膜試料Sに反射した反射X線が透過される反射X線窓Nとが形成されている。これら入射X線窓Mおよび反射X線窓Nは、例えば、透明なベリリウム製の素材によって構成される。
さらに、チャンバCの入射X線窓Mおよび反射X線窓Nそれぞれには、これら窓において光を遮光する状態と透過させる状態とを切り替え可能な遮光板Dが備えられている。これら遮光板Dは、XRD機能によりX線が薄膜試料Sに照射される際には光を透過させる状態となり、X線照射時以外およびグロー放電発光の光を計測する際には、光を遮光する状態となる。これにより、グロー放電発光による光を分光計測する際に、チャンバC外部から迷光が進入することを防止できる。
なお、このように、分光計測の際にチャンバC外部から進入する迷光の影響を防ぐには、チャンバCの入射X線窓Mおよび反射X線窓Nに遮光板Dを設置する上記構造の他、X線源33aおよびX線検出器33bを含む系全体を遮光容器に格納した構造とすることも可能である。
レンズLは、プラズマ化されたArガスが薄膜試料Sを掘削することによって発生するグロー放電発光をチャンバC外の分光器32aに伝搬させる。
測定パラメータ入力部10は、Arガスによって薄膜試料Sを掘削する際のガス圧、ガス流量、高周波電圧のパワー、周波数およびグロー放電時間といった、グロー放電発光を発生させるための各種パラメータや、X線源33a、X線検出器33bが設置されたアームの位置、あるいは、ステージAの高さ、位置、傾斜角を設定するための各種パラメータを入力するユーザインターフェースである。
制御部20は、薄膜評価装置1のXRDの機能および表面分析機能における各種制御を行うものであり、グロー放電パラメータ制御部21と、XRDパラメータ制御部22とを備えている。
グロー放電パラメータ制御部21は、測定パラメータ入力部10によって入力された各種パラメータ、具体的には、Arガスによって薄膜試料Sを掘削する際のガス圧、ガス流量、高周波電圧のパワー、周波数およびグロー放電時間に基づいて、グロー放電掘削を行うための制御を行う。
XRDパラメータ制御部22は、測定パラメータ入力部10によって入力された各種パラメータ、具体的には、X線源33a、X線検出器33bが設置されたアームの位置、あるいは、ステージAの高さ、位置、傾斜角に基づいて、XRDによるIn−Plane測定を行うための制御を行う。
測定部30は、グロー放電発光による分光計測およびXRDによるX線検出を行うものであり、具体的には、グロー放電掘削部31と、原子発光強度検出部32と、回折X線強度検出部33とを備えている。
グロー放電掘削部31は、高周波発振機Hを設定された周波数およびパワーで発振させたり、Arガスの流入を制御したりする。
原子発光強度検出部32は、分光器32aによって分光されたグロー放電発光の光を分光計測器32bによって波長毎に計測し、その計測結果を処理部40に出力する。
なお、分光器32aが、チャンバCの試料室と離れて設置されている場合、光ファイバによって、分光器32aとチャンバCとが接続される。
回折X線強度検出部33は、X線源33aからステージA上の薄膜試料Sに照射したX線の反射光を、X線検出器33bによって検出する。そして、原子発光強度検出部32は、検出した反射X線の強度を、検出位置と対応付けて処理部40に出力する。
ここで、X線検出器33bは、X線検出素子を1つだけ備えてX線をポイント検出する形態(0次元型)、X線検出素子を一列に並べてライン状にX線を検出する形態(一次元型)、アレイ検出器やイメージングプレートのようにX線検出素子を二次元的に配列した形態(二次元型)のいずれも採用可能である。X線検出器33bが高次元型になる程、X線回折測定に要する時間の短縮や、同一測定時間内に得られる情報量の増加が実現できる。
処理部40は、測定部30から入力された各種測定結果を、有意な形態の分析データとして可視化する処理を行うものである。
具体的には、薄膜試料Sのグロー放電発光による光を分光して得られた波長毎の計測結果を、波長とその強度とを軸とするグラフとして表したり、XRDによるIn−Plane測定によって得られた反射X線の強度と、それが検出された位置とを対応付けて、逆格子空間マップとして表したりする。
記憶部50は、ハードディスク装置あるいは不揮発性の半導体メモリ等の記憶装置によって構成され、処理部40によって有意な形態の分析データとされた各種分析結果を記憶する。
表示部60は、液晶表示ディスプレイ等の表示装置によって構成され、処理部40によって可視化された分析結果のデータをグラフ、マップあるいは表といった形式で表示する。
(動作)
次に、薄膜評価装置1の動作を説明する。
本実施形態に係る薄膜評価装置1は、薄膜試料Sに対し、グロー放電発光による分光計測と、XRD機能によるIn−Plane測定とを行うものである。
このとき、薄膜評価装置1は、In−Plane測定を行っている薄膜試料Sの表面に対し、(1)グロー放電を停止させる停止モード、(2)グロー放電を規定の強さで行う通常掘削モード、(3)グロー放電を通常掘削モードより弱い強さで行う低速掘削モードの3つのモードを切り換えて実行することが可能である。
なお、図3〜5は、薄膜試料Sを異なる深さに掘削し、In−Plane測定を行う際の手順を示す模式図であり、図3は薄膜試料S表面をIn−Plane測定している状態、図4は薄膜試料Sを一段掘削した表面をIn−Plane測定している状態、図5は薄膜試料Sを図4の場合よりさらに一段掘削した表面をIn−Plane測定している状態を示している。
以下、図3〜5を適宜参照しつつ、薄膜評価装置1の各モードにおける動作を説明する。
(停止モードの動作)
停止モードにおいて、制御部20は、まず、薄膜試料S表面に対するIn−Plane測定(図3参照)を行う(ステップS1)。
続いて、制御部20は、入力されたグロー放電時間だけ薄膜試料Sに対するグロー放電を行い、その放電時間に対応する深さまで薄膜試料Sを掘削すると共に、このとき発生するグロー放電発光の光を分光計測機32bによって検出する(ステップS2)。
次に、制御部20は、グロー放電による掘削を停止し、薄膜試料Sの掘削面を定常の状態に保つ(ステップS3)。
このとき、グロー放電による掘削を停止する方法としては、グロー放電を停止する、放電ガスの試料室への流入を停止する、照射X線の通過経路を避けた薄膜試料Sの直上をマスクする機構により薄膜試料Sと放電ガスの接触を遮断する、といったことが可能である。
次に、制御部20は、XRD機能により、X線源33aから薄膜試料SにX線を照射し、その反射X線をX線検出器33bによって検出(図4参照)する(ステップS4)。
続いて、制御部20は、入力されたグロー放電時間だけ薄膜試料Sに対するグロー放電を再び行い、その放電時間に対応する深さまで薄膜試料Sを掘削すると共に、このとき発生するグロー放電発光の光を分光計測機32bによって検出する(ステップS5)。
さらに、制御部20は、XRD機能により、X線源33aから薄膜試料SにX線を照射し、その反射X線をX線検出器33bによって再び検出(図5参照)する(ステップS6)。
この後、制御部20は、指定された深さまで薄膜試料Sを同様に掘削していき、併せて、XRD機能によるIn−Plane測定を行っていく。
このような動作により、薄膜試料Sの組成評価および結晶/配向性評価を正確に行うことができる。
(通常掘削モードの動作)
通常掘削モードにおいて、制御部20は、停止モードと同様に、まず、薄膜試料S表面に対するIn−Plane測定(図3参照)を行う(ステップS101)。
続いて、制御部20は、規定の強さ(規定のガス圧、ガス流量、高周波電圧のパワー、周波数およびグロー放電時間)で薄膜試料Sに対するグロー放電を行いながら、同時に、XRD機能により、X線源33aから薄膜試料SにX線を照射(図4〜5)する(ステップS102)。
また、制御部20は、薄膜試料Sの掘削に伴って発生したグロー放電発光の光を分光計測機32bによって検出すると共に、薄膜試料Sからの反射X線をX線検出器33bによって検出する(ステップS103)。
そして、制御部20は、指定された深さまで薄膜試料Sを掘削しながらXRDによるIn−Plane測定を行うと、グロー放電による薄膜試料Sの掘削およびXRD機能によるIn−Plane測定を停止する(ステップS104)。
このような動作により、薄膜試料Sにおける組成評価および結晶/配向性評価を効率的に行うことができる。
(低速掘削モードの動作)
低速掘削モードにおいて、制御部20は、停止モードと同様に、まず、薄膜試料S表面に対するIn−Plane測定(図3参照)を行う(ステップS201)。
続いて、制御部20は、通常掘削モードにおける規定の強さより弱く薄膜試料Sに対するグロー放電を行いながら、同時に、XRD機能により、X線源33aから薄膜試料SにX線を照射(図4〜5)する(ステップS202)。
ここで、グロー放電の強さを規定より弱める場合、ガス圧を規定より下げる、ガス流量を規定より減らす、高周波電圧のパワーを規定より下げるといった方法により実現することができる。
また、制御部20は、薄膜試料Sの掘削に伴って発生したグロー放電発光の光を分光計測機32bによって検出すると共に、薄膜試料Sからの反射X線をX線検出器33bによって検出する(ステップS203)。
そして、制御部20は、指定された深さまで薄膜試料Sを掘削しながらXRDによるIn−Plane測定を行うと、グロー放電による薄膜試料Sの掘削およびXRD機能によるIn−Plane測定を停止する(ステップS204)。
このような動作により、薄膜試料Sにおける組成評価および結晶/配向性評価を、正確性と効率性とをバランスさせながら行うことができる。
なお、上記通常掘削モードおよび低速掘削モードにおいては、グロー放電の強さによって規定される掘削速度(所定時間あたりの掘削距離)を、In−Plane測定によるデータ測定の所要時間(例えば、所定の逆格子空間マップを作成するのに必要な時間等)を加味して設定することが可能である。
つまり、薄膜試料Sの表面に対し、一連の方向についてIn−Plane測定を行うのに要する時間に比べ、グロー放電による掘削速度が速すぎる場合、取得されたデータ(逆格子空間マップ等)の正確性が保たれない可能性があるため、その正確性を一定に保つ範囲で掘削速度を決定することができる。
以上のように、本実施形態に係る薄膜評価装置1は、グロー放電発光による薄膜試料Sの組成評価と、XRDによるIn−Plane測定を用いた結晶/配向性評価とを併せて行う機能を有している。
そのため、グロー放電発光による薄膜試料Sの掘削および組成評価を行い、それにより表出した薄膜試料Sの異なる深さの面にIn−Plane測定を行うことができる。
したがって、薄膜の深さ方向の結晶/配向性評価を含む薄膜評価を簡単に行うことが可能となる。
また、これにより、新規機能性膜を開発する際に、材料デザインが設計通りになっているか否か(例えば、格子定数、結晶配向の精度等)を正確に判定することが可能となる。そのため、新規機能性膜の開発において、材料開発期間の短縮を始め、多大な効果を期待できる。
(応用例1)
上記停止モードにおいては、薄膜試料Sの同一の箇所を異なる深さに掘削しながら、グロー放電発光による分光計測およびXRDによるIn−Plane測定を行うこととしたが、ステージAの平行移動機構を用いて、薄膜試料Sの異なる箇所を順次掘削し、その掘削面について、In−Plane測定を行うことが可能である。
このような手法とした場合、薄膜試料Sの面内方向におけるマッピング測定を行うことができる。
(他の実施形態)
上記停止モードにおいて、薄膜試料Sの同一の箇所を異なる深さに掘削しながら、グロー放電発光による分光計測およびXRDによるIn−Plane測定を行う場合を例に挙げて説明したが、それぞれ異なる深さに掘削した複数の薄膜試料Sを予め用意しておき、これらをステージに順次設置して、XRDの機能のみを用いてIn−Plane測定を行うこととしても良い。
このような手法とした場合、グロー放電発光による掘削機能を有しない通常のXRDにおいて、結晶/配向性評価を簡便に行うことができる。
薄膜評価装置1の主要部を示す模式図である。 薄膜評価装置1の機能構成を示すブロック図である。 薄膜試料S表面をIn−Plane測定している状態を示す模式図である。 薄膜試料Sを一段掘削した表面をIn−Plane測定している状態を示す図である。 薄膜試料Sをさらに一段掘削した表面をIn−Plane測定している状態を示す図である。
符号の説明
1 薄膜評価装置、10 測定パラメータ入力部、20 制御部、21 グロー放電パラメータ制御部、22 XRDパラメータ制御部、30 測定部、31 グロー放電掘削部、32 原子発光強度検出部、32a 分光器、32b 分光計測器、33 回折X線強度検出部、33a X線源、33b X線検出器、40 処理部、50 記憶部、60 表示部、A ステージ、P 絶縁パッキング、H 高周波発振機、C チャンバ、D 遮光板、M 入射X線窓、N 反射X線窓、L レンズ

Claims (8)

  1. 薄膜試料の構造を分析するための薄膜評価装置であって、
    薄膜試料が設置されるステージと、
    前記ステージに設置された薄膜試料にX線を照射するX線照射手段と、
    前記薄膜試料に反射した反射X線を検出する反射X線検出手段と、
    前記ステージに設置された薄膜試料を覆い、グロー放電用のガスを充填するための試料室を形成するチャンバと、
    前記チャンバ内に充填されたガスにグロー放電を行わせるグロー放電手段と、
    前記グロー放電手段によってグロー放電したガスと前記薄膜試料とが反応して発生した光を分光計測する分光計測手段と、
    を備えることを特徴とする薄膜評価装置。
  2. 前記X線照射手段および反射X線検出手段による薄膜試料のX線分析動作と、前記グロー放電手段および分光計測手段による薄膜試料のグロー放電分析動作とを対応付けて制御する統合制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の薄膜評価装置。
  3. 前記統合制御手段は、前記薄膜試料に対し、前記X線分析動作と前記グロー放電分析動作とを交互に切り換えて実行することを特徴とする請求項2記載の薄膜評価装置。
  4. 前記統合制御手段は、前記薄膜試料に対し、前記グロー放電分析動作を行いながら、同時に前記X線分析動作を実行することを特徴とする請求項2記載の薄膜評価装置。
  5. 前記統合制御手段は、前記グロー放電分析動作において、薄膜試料の掘削速度を異なる速度に切り替え可能であることを特徴とする請求項4記載の薄膜評価装置。
  6. 前記X線照射手段は、前記チャンバ外から前記ステージに向けてX線を照射し、
    前記反射X線検出手段は、前記チャンバ外における反射X線の方向で該反射X線を検出し、
    前記チャンバは、前記X線照射手段と前記ステージとを結ぶ位置および該ステージと前記反射X線検出手段とを結ぶ位置に、X線を透過可能な窓部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の薄膜評価装置。
  7. 前記窓部において光を透過させる状態および光を遮光する状態とを切り替える遮光手段をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の薄膜評価装置。
  8. 薄膜試料の構造を分析するための薄膜評価方法であって、
    グロー放電によって薄膜試料の対象面を掘削し、発生した光を分光計測する分光計測ステップと、
    異なる深さの対象面が表出した薄膜試料の対象面にX線を照射し、対象面において反射した反射X線を検出するX線回折分析ステップと、
    を含むことを特徴とする薄膜評価方法。
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