JP2008298258A - 摺接構造体 - Google Patents

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宏昭 岡野
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Abstract

【課題】機械部品としての十分な強度を具備し、摺動性にすぐれた摺接構造体を提供する。
【解決手段】一方を他方に対して摺動可能に支持する第1部材と第2部材とを含む摺接構造体であって、第1部材は、マトリックスを構成する金属基地中に、固体潤滑粒子5〜40体積%、硬質粒子5〜40体積%を含み、第2部材は、窒化珪素を母材とする基地中に、窒化硼素粒子を5〜50体積%含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種産業用機械の軸受部、排水・揚水用ポンプ類の軸受部、内燃機関用バルブガイド等の耐摩耗摺動部、樹脂混練・成形機の構成部材であるシリンダ、スクリュー、ノズル等の耐摩耗摺動部の摺動構造に関するものである。
摺動部材と、該摺動部材を摺動可能に支持するガイド部材とを含む摺動構造体が知られている。
例えば、軸受装置においては、摺動部材である軸と、ガイド部材である軸受部材を有しており、軸と軸受部材が摺接する軸側の摺動面には、耐摩耗性、負荷応力や環境温度変化等に耐え得る強度・靭性、耐熱衝撃性等が要求される。
そこで、軸側の摺動面を超硬合金(Co基合金等の金属マトリックスと約75体積%以上の硬質材からなる)から形成し、これを摺動可能に支持する軸受部材側のガイド面を炭化珪素セラミックスから形成して、耐摩耗性を持たせるようにした摺接構造体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この組み合わせになる摺接構造体は良好な耐摩耗性を有しているが、両部材とも靭性に乏しく機械的・熱的応力よる亀裂・破損を生じ易い。
このため、軸受部材側の炭化珪素セラミックスを窒化珪素に代替した摺接構造体も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、摺動部材を、金属粉末と固体潤滑材を添加した材料から構成した摺接構造体も提案されている。しかしながら、異種材料同士を単に混合して焼結しただけでは、耐摩耗性や機械強度が十分ではなく、また摺動性の改善効果も十分ではない。
そこで、特許文献3及び特許文献4では、これら材料を単に混合するのではなく、メカニカルアロイングすることで、金属粉末の材料内に異種材料を微細に分散させた均質な複合粉末を得、これを焼結することで摺動部材を形成している。特許文献3及び特許文献4では、金属材料として銅または銅合金を用い、固体潤滑材としてMoS2、WS2、黒鉛等を用い、これらの混合物をメカニカルアロイングしている。
上記により得られた摺動部材は、均質で摺動特性も良好である。
特公昭63−67048号公報 特開2001−220605号公報 特開平04−41601号公報 特開平07−90302号公報
しかしながら、上記摺動部材には、さらなる耐摩耗性、強度、摺動性が要求されている。
本発明は、機械部品としての十分な強度を具備し、摺動性にすぐれた摺接構造体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の摺接構造体は、
一方を他方に対して摺動可能に支持する第1部材と第2部材とを含む摺接構造体であって、
第1部材は、マトリックスを構成する金属基地中に、固体潤滑粒子5〜40体積%、硬質粒子5〜40体積%を含み、
第2部材は、窒化珪素を母材とする基地中に、窒化硼素粒子を5〜50体積%含んでいる。
固体潤滑材は、窒化硼素、硫化物及び黒鉛からなる群より選択される1種又は2種以上の材料とすることができる。
硬質材は、炭化物、硼化物及び窒化物系セラミックス材料からなる群より選択される1種又は2種以上の材料とすることができる。
マトリックスを構成する金属は、Co基合金、Ni基合金又はTi基合金とすることができる。
窒化珪素からなるセラミックスは、高い破壊靭性値を有すると共に、熱衝撃特性にすぐれているので、これに、固体潤滑作用を有する窒化硼素(以降BN)を添加した材料から第2部材を構成した。固体潤滑作用を有する材料は多種あるが、BNを採用した理由として、窒化珪素の焼結温度で分解しないためである。これを摺接構造体の第2部材に用いることで、すぐれた摺動性を具備するだけでなく、熱的・機械的衝撃に対する安定性を可及的に高めることができる。
上記第2部材により摺動可能に支持される第1部材は、マトリックスを構成する金属基地中に固体潤滑粒子と硬質粒子の両方が分散している。
この第1部材の形成にあたっては、異種材料同士を単に混合して焼結するだけでは、耐摩耗性や機械強度が低く、また摺動性の改善効果も十分期待できない。これは、焼結後に金属基地中に固体潤滑粒子が焼結阻害材として金属粒界に存在するためである。そこで、本発明では、第1部材は、マトリックスを構成する金属粉末に、固体潤滑材の粉末、硬質材の粉末を混合し、メカニカルアロイングした粉末を熱間成形している。これにより、マトリックスを構成する金属基地中に固体潤滑粒子5〜40体積%及び硬質粒子5〜40%が微細均一に分散した焼結体を得ることができる。
メカニカルアロイングは、高エネルギボールミリングにより、単なる混合(ブレンド)とは異なり、被処理物に衝撃、剪断、圧縮等が作用する効果として、マトリックスを構成する金属の粒子内に固体潤滑材及び硬質材が微細粒子として分散した複合粉末を形成する。マトリックスを構成する金属粉末に、固体潤滑材の粉末と硬質材の粉末とを同時に配合してメカニカルアロイングし、その複合粉末を焼結して形成される摺動面は、マトリックスを構成する金属基地中に固体潤滑粒子と硬質粒子が微細に共存分散している効果として、改良されたすぐれた摺動性、耐摩耗性及び強度を兼備している。
本発明の摺接構造体は、窒化硼素を添加した窒化珪素セラミックスからなる第2部材と、マトリックスを構成する金属基地中に微細な固体潤滑粒子及び硬質粒子を含んだ摺動性にすぐれる第1部材とを組み合わせることで、熱的・機械的に衝撃に対する安定性にすぐれ、極めて高い摺動性及び耐摩耗性を具備している。
本発明の摺接構造体(10)は、各種産業用機械の軸受部、排水・揚水用ポンプ類の軸受部、内燃機関用バルブガイド等の耐摩耗摺動部、樹脂混練・成形機の構成部材であるシリンダ、スクリュー、ノズル等の耐摩耗摺動部などの種々の摺接部材に適用することができる。
以下、摺動側の部材である摺動部材(20)の表面に摺動面(22)として第1部材を用い、摺動部材(20)を摺動可能に支持するガイド部材(30)の表面にガイド面(32)として第2部材を形成した実施例について説明する。なお、摺動側の部材と支持側の部材を逆にして、第1部材を支持側、第2部材を摺動側とすることも勿論可能である。
図1は、摺接構造体(10)として、軸受装置(例えば排水ポンプの軸受部)に本発明を適用した実施例を示している。図1に示すように、摺接構造体(10)は、回転軸である摺動部材(20)と、該摺動部材(20)を回転自在に支承するガイド部材(30)から構成され、摺動部材(20)とガイド部材(30)との摺接部分には、夫々摺動面(22)及びガイド面(32)が形成されている。
図示の実施例では、摺動面(22)は、ベース部材(24)を介して摺動部材(20)に形成しているが、摺動面(22)は、摺動部材(20)に直接形成することもできる。
ガイド部材(30)は、ガイド面(32)を保持する保持部材(34)と、該保持部材(34)の内面に形成されたガイド面(32)を具える。
上記摺接構造体(10)において、摺動部材(20)が回転、往復移動等、ガイド部材(30)に対して相対的に移動したとき、ガイド面(32)に対して摺動面(22)が摺り合った状態で動作する。
以下、摺動面(22)とガイド面(32)の作製方法等について詳述する。
摺動面(22)は、マトリックスを構成する金属基地中に、固体潤滑粒子と硬質粒子を含んだ摺動性にすぐれる硬質の層である。
マトリックスを構成する金属は、耐焼付き性、耐食性、高温強度等の点から、Co基合金、Ni基合金又はTi基合金が好ましい。上記マトリックスを構成する金属の合金元素は、Cr、Mo、B、Ni、Fe、W、Al、V等であり、これらの元素により母材合金の強度、耐食性等はより高められる。そのようなマトリックスを構成する金属の例として(元素含有量はすべて重量%)、Co基合金では、Cr:15〜35%、Mo:5〜20%、B:0.1〜5%、Fe:3%以下、Ni:5%以下、C:3%以下、Si:2%以下、残部Co及び不可避不純物からなる合金、又は、Cr:20〜40%、Ni:3%以下、W:4〜20%、Fe:5%以下、C:2.5%以下、Si:2%以下、残部Co及び不可避不純物からなる合金、Ni基合金では、Cr:5〜30%、B:5%以下、Fe:5%以下、C:2%以下、Si:10%以下、残部Ni及び不可避不純物からなる合金、また、Ti基合金の例として、Al:2〜10%、V:1〜10%、残部Ti及び不可避不純物からなる合金が、それぞれ挙げられる。
固体潤滑材は、硫化物、窒化物、酸化物、弗化物、黒鉛、弗素樹脂等が知られているが、比較的融点が高く、高温使用環境において安定な摺動性を確保することができるものとして、六方晶系窒化硼素(BN)、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、または黒鉛等が好ましく使用される。固体潤滑材の効果を得るためには、5体積%以上の含有を必要とする。
MoS2又はWS2を使用する場合、これらの固体潤滑材成分は、その一部が母材合金の構成元素との反応を生じるので、潤滑性を重視する場合は、その消耗量を補償するために、10体積%以上含有するのが好ましい。潤滑効果は、含有量の増加により高められるが、40体積%を越えて存在すると、複合粉末の焼結性が低下し、強度の低い製品焼結体が得られるため、40体積%を上限とする。
なお、BNは、反応性が低く、含有量の増加に伴う焼結性の低下傾向が他の固体潤滑材に比し大きいので、機械強度を重視する場合は30体積%以下とするのが好ましい。
固体潤滑粒子は、潤滑効果を高めるため、平均粒径10μm以下での含有が望ましい。さらには、平均粒径5μm以下が望ましい。
硬質材は、耐摩耗性を付与する成分であり、その材種として炭化物、硼化物、窒化物、珪化物、酸化物等が挙げられる。炭化物、硼化物は、高い硬度を有すると共に、摺動性にすぐれる点で好適である。
炭化物には、炭化チタン(TiC)、炭化タングステン(WC)、炭化バナジウム(VC)、炭化ニオブ(NbC)、炭化モリブデン(Mo2C)、炭化クロム(Cr32)、炭化タンタル(TaC)、炭化ジルコニウム(ZrC)など、硼化物には、硼化チタン(TiB2)、硼化モリブデン(MoB)、硼化ジルコニウム(ZrB2)、硼化バナジウム(VB2)、硼化ニオブ(NbB2)、硼化タンタル(TaB2)、硼化クロム(CrB)、硼化タングステン(WB)等が好ましい例として挙げられる。
硬質材の含有量は、耐摩耗効果を十分に発現させるために、5体積%以上であることを要する。目的とする製品部材が、土砂摩耗などの激しい摩耗環境に供されるものである場合における炭化物、硼化物の含有量は好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上である。尤も、増量に伴って耐摩耗性は高められるが、その反面強度の低下を付随するので、強度を特に必要とする用途では、30体積%以下とするのが適当である。
硬質粒子は、耐摩耗性を高めるため、平均粒径10μm以下での含有が望ましい。さらには、平均粒径5μm以下が望ましい。
上記マトリックスを構成する母材合金粉末と固体潤滑材と硬質材からなる混合物をメカニカルアロイングするミリングの方式には、ボールミル、遊星ボールミル、アトライター等を例示できる。この中で、アトライター方式は、混合のエネルギーが大きく短時間でメカニカルアロイングを達成し得る点で好ましい。メカニカルアロイングは、雰囲気ガスとの反応による被処理物の変質劣化を避けるために、不活性ガス雰囲気(Arガス、N2ガス等)中で実施することが望ましい。
一般にメカニカルアロイングでは、ミリング装置の内壁面やボール表面に被処理物が付着し合金化し易い。これは歩留りを著しく低下させる原因となるので、その抑制防止策として、ステアリン酸、パラフィン等を添加することが要求される。しかしながら、本発明では、そのような添加材を使用することなく、高歩留りのメカニカルアロイングを達成することができる。これは被処理物中に、予め固体潤滑材が配合されていることによる効果である。尤も、このことはメカニカルアロイング性の低下を招くが、例えばCo基合金に硬質材TiC10体積%を配合した混合物(固体潤滑材なし)のアロイングは約24時間で達成されるのに対し、これに固体潤滑材として六方晶系BNを複合配合した混合物では約40時間を要する。しかし、その歩留りを比較すると、前者では約80%に留まるのに対し、後者のそれはほぼ100%であり、処理時間の延長の不利を補って余りある歩留り向上効果が得られる。
メカニカルアロイングにより得られる複合粉末のマトリックスを構成する金属粉の平均粒径は、例えば約250μm以下、マトリックスを構成する金属内に分散する固体潤滑材および硬質材の平均粒径は約10μm以下であり、その粒度は原料粉末の粒度およびボールミリング処理条件により制御される。複合粉末は、これをカプセルに真空封入することによりビレット化され、熱間成形により摺動面(22)に形成される。
熱間成形として、ホットプレス(熱間静水圧加圧焼結:HIP処理等)が最も望ましく、その他、熱間押出し加工により、目的とする複合材料に仕上げられる。カプセルは、例えば軟鋼等の鉄製、または銅製、アルミニウム製、あるいはガラス製等であってよい。また、別法として、複合粉末を加圧成形(一軸プレス、冷間静水圧加圧成形等)し、その圧粉体を常圧焼結(真空焼結)する方法を採用することもできる。
HIP処理は、加圧・加熱下に適当時間保持することにより行われる。処理温度は約900〜1200℃、加圧力は約70〜150MPaの範囲で適宜設定される。処理時間は約1〜10Hrである。
摺動面(22)は、摺動部材(20)にベース部材(24)を介して形成することもでき、この場合、ベース部材(24)は、摺動部材(20)の用途・使用環境条件に応じて適宜選択することができる。ベース部材(24)として、ステンレス鋼、Ti基合金を例示することができる。これら材料は、海水などに対する耐食性に優れ、排水ポンプ等の軸受装置に用いる材料として好ましい。ステンレス鋼では、特にオーステナイト系(例えばSUS304、SUS316等)、二相ステンレス鋼(例えばSUS329J1)等が好適である。
ガイド面(32)は、固体潤滑作用を有する窒化硼素粉末、焼結助剤及び窒化珪素粉末を混合し、焼結することにより作製される。ガイド面(32)は、軸受の場合、円筒内面を形成するよう構成され、保持部材(34)は、ガイド面(32)を保持するように形成される。
焼結助剤は、例えばMgO、Al23、Y23、ZrO等がよく使用される。
ガイド面(32)は、摺動面(22)が摺接する位置に形成され、窒化硼素粉末と窒化珪素粉末及び焼結助剤を窒化珪素粉末の10〜20体積%を焼結してなるセラミックスから構成することができる。
具体的には、上記セラミックスは、窒化硼素粉末、焼結助剤及び窒化珪素粉末を所定量混合し増粒し、増粒した粉末を成形、焼結しセラミックス焼結体を得ることができる。高い潤滑能を得るためには窒化珪素を母材とする基地中に、窒化硼素粒子を5体積%以上の含有することを必要とする。潤滑効果は、含有量の増加により高められるが、50体積%を越えて存在すると、焼結性が低下し、ガイド面(32)の強度が低下するので、50体積%を上限とする。なお、機械部品に使用する場合は、30体積%以下が好ましい。
図2は、本発明の摺接構造体(10)を適用した軸受装置の他の例を示している。この例では、摺動部材(20)である回転軸の周面に摺動性にすぐれる摺動面(22)を形成したものであり、ガイド部材(30)と摺動関係をもたせた構成を有している。
本実施例では、回転軸である摺動部材(20)には、周面を一周する凹陥溝(26)を設け、該凹陥溝(26)に摺動面(22)を形設している。摺動面(22)は、例えば、HIP法による焼結体として、または溶接肉盛層として形成される。
<第1部材の作製>
以下に示すマトリックスを構成する金属を準備した。
Co基合金A:Cr 15.50,Mo 5.20,B 0.72,Ni 1.03,Fe 0.94,C 1.14,Si 0.33,Co Bal(各体積%;以下同じ)。
Co基合金B:Cr 31.35,W 8.39,Ni 1.98,Fe 2.06,C 1.71,Si 1.27,Co Bal
Ni基合金 :Cr 15.77.B 2.70,Fe 3.68,C 0.64,Si 4.72,Ni Bal。
Ti基合金 :Al 6.12,V 4.23,Ti Bal。
固体潤滑材及び硬質材の粉末粒径は、次のとおりである。
(固体潤滑材)
六方晶系窒化硼素(BN) 平均粒径10μm
二硫化モリブデン(MoS2) 平均粒径2.0μm
二硫化タングステン(WS2) 平均粒径2.0μm
黒鉛(グラファイト) 平均粒径1.0μm
(硬質材)
炭化チタン(TiC) 平均粒径1.51μm
炭化タングステン(WC) 平均粒径4.1μm
硼化チタン(TiB2) 平均粒径3.0μm
硼化モリブデン(MoB) 平均粒径5.0μm
上記材料を、表1に示すようにメカニカルアロイング法により混合し(比較例101は単にブレンド)、混合粉末をHIP(熱間静水圧加圧焼結)法により成形し、た第1部材の供試材を作製した。なお、メカニカルアロイング法(MA)、ブレンド及びHIPの条件は、以下のとおりである。
「メカニカルアロイング(MA)」
アトライタ装置に、表1の体積%で秤量した粉末1kgと、ボール(SUJ-2 軸受鋼製、球径3/8インチ)17.5kgを装入し、Arガス流通下に高エネルギボールミリングを実施。攪拌棒の回転速度は290rpm、攪拌時間は48時間。
:48Hr。
「ブレンド」
比較例101に実施したブレンドは、ボールを入れない遊星ミルによる単なる混合。
得られた粉末に以下の要領でHIP(熱間静水圧加圧焼結)法を施し、第1部材の供試部材(発明例1〜23及び比較例101〜104及び106)を得た。
温 度:1000℃
圧 力:1000kgf/cm2
処理時間:2時間
なお、比較例105及び107については、成形不良により、供試部材を得ることはできなかった。この理由として、比較例105は、固体潤滑材の含有量が60体積%と高く、焼結阻害が発生し、成形できなかったため、また、比較例107は、硬質材の含有量が60体積%と高く、脆弱となり形状をとどめることができなかったためと考えられる。
図3は、第1部材の発明例1の組織写真である。図に示すように、マトリックスを構成する金属であるCo基合金(図中灰色部分)に、硬質粒子であるTiC(図中黒色部分)が微細均一に分散していることが判る。
また、第2部材は、平均粒径10μmの窒化硼素(六方晶系窒化硼素:BN)を表1の割合で添加した窒化珪素セラミックスを、ボールミルにて水を混合し24時間処理し、得られた粉末を窒素雰囲気で1750℃で焼結することにより作製した。(発明例1〜23及び比較例101〜107)。
得られた発明例1〜23及び比較例101〜104及び106に対し、第1部材には、耐摩耗試験、曲げ強さ試験を行なった。また、摺動試験は、第1部材に第2部材を押し付けることで測定した。各試験条件は、以下の通りである。
<耐摩耗試験>
大越式迅速摩耗試験機による。第1部材から作製した平面試験片を相手材となる回転円盤に押付け、試験片表面に生じた摩耗痕の深さ、幅等から摩耗量(mm-2/kgf)を算出した。なお、相手材(回転円盤)は、SUJ-2 軸受鋼製(硬度HRC60)、摩耗距離:400m、摩耗速度:3.38m/sec、最終荷重:6.2kgfである。
結果を表1(耐摩耗性)に示している。
<曲げ強さ試験>
3点曲げ試験(JIS B 1601)に準拠。
第1部材から作製した試験片:サイズ3×4×40(mm)
スパン距離:30mm
試験温度:室温
結果を表1(曲げ強さ)に示している。
<摺動試験>
摩耗摩擦試験機(高千穂精機(株)製「TRAS-300」)により、摩擦係数(μ)を測定。第1部材に対し、夫々対応する第2部材を荷重:2.0kgf/cm2、回転数:500rpmにて、試験時間:60分の条件で実施した。
結果を表1(摺動性/摩耗係数)に示している。
第1部材について、比較例101及び102は、耐摩耗性に劣り、特に、比較例101は、曲げ強さに劣っている。これらは、何れも、第2部材との摺動試験を行なったときに、強度不足により破損した。
また、第1部材と第2部材の摺動試験において、発明例は、何れも比較例と比してすぐれた摺動性を有していることがわかる。
上記より、発明例は、耐摩耗性にすぐれ、高強度を有しており、また、すぐれた摺動性を有しているため、摺接構造体を構成する部材として好適であることがわかる。
本発明の摺動部材は、各種産業用機械の軸受部材、排水・揚水用ポンプ類の軸受部材、内燃機関用バルブガイド等の摺動部材、樹脂混練・成形機の構成部材であるシリンダ、スクリュー、ノズル等の摺動部材として好適に使用される。
本発明の摺接構造体の断面図である。 本発明の摺接構造体の異なる形態を示す断面図である。 発明例1の組織写真である。
符号の説明
(10) 摺接構造体
(20) 摺動部材
(22) 摺動面
(30) ガイド部材
(32) ガイド面

Claims (6)

  1. 一方を他方に対して摺動可能に支持する第1部材と第2部材とを含む摺接構造体であって、
    第1部材は、マトリックスを構成する金属基地中に、固体潤滑粒子5〜40体積%、硬質粒子5〜40体積%を含み、
    第2部材は、窒化珪素を母材とする基地中に、窒化硼素粒子を5〜50体積%含んでいる
    ことを特徴とする摺接構造体。
  2. マトリックスを構成する金属は、Co基合金、Ni基合金又はTi基合金の何れかであり、
    固体潤滑粒子は、窒化硼素、硫化物又は黒鉛からなる群より選択される1種又は2種以上からなり、
    硬質粒子は、炭化物、硼化物及び窒化物系セラミックス材料からなる群より選択される1種又は2種以上からなる請求項1に記載の摺接構造体。
  3. 固体潤滑粒子及び硬質粒子は、平均粒径が10μm以下である請求項1又は請求項2に記載の摺接構造体。
  4. 第1部材は、摺動側の部材の表面に形成され、第2部材は、支持側の部材の表面に形成される請求項1乃至請求項3の何れかに記載の摺接構造体。
  5. 第1部材は、固体潤滑材、硬質材及びマトリックスを構成する金属の粉末を混合し、メカニカルアロイングした粉末を熱間成形して得られる請求項1乃至請求項4の何れかに記載の摺接構造体。
  6. 熱間成形は、熱間静水圧加圧焼結である請求項5に記載の摺接構造体。
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JPH10310832A (ja) * 1997-05-09 1998-11-24 Kubota Corp 摺動性にすぐれた耐摩耗複合材料

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