JP2008297390A - タイヤのベーストレッド用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

タイヤのベーストレッド用ゴム組成物およびタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性を低下させることなく、加工性および低燃費性を向上させ得るベーストレッド用ゴム組成物、ならびに該ゴム組成物をベーストレッドに用いたタイヤを提供する。
【解決手段】蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムを0.5〜50重量%と天然ゴムを50〜99.5重量%含むゴム成分と、該ゴム成分100重量部に対してチッ素吸着比表面積が25〜125m2/gでかつDBP吸油量が70ml/100g以上であるカーボンブラックを5〜70重量部含むタイヤのベーストレッド用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、脱蛋白天然ゴムを用いたタイヤのベーストレッド用ゴム組成物、および該ゴム組成物をベーストレッドに用いたタイヤに関する。
タイヤのベーストレッド用のゴムとしては、天然ゴムのほか、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどが用いられているが、低燃費性、すなわち低発熱性を向上させる点から天然ゴムと他のゴムとが併用されることが一般的である。
この低燃費性のベーストレッドをさらに低燃費化するために、配合するカーボンブラックの量を減らす方向とカーボンブラックの粒径を大きくすることが考えられている。
しかし、配合するカーボンブラックの量を減らしたりカーボンブラックの粒径を大きくしたりすると得られるゴムの強度が低下してしまう。ベーストレッドゴムの強度低下はタイヤの耐久性の低下や横剛性の低下の原因になり、望ましくない。
一方、天然ゴムは、加硫ゴムとして機械的強度が高く、耐久性に優れていることから上述のようにタイヤのベーストレッドに多く使用されているが、この天然ゴムの優れた特性である耐久性などを低下させることなく、低燃費性の向上が急務となっている。
一方、通常の天然ゴム中には、蛋白質や脂質等の非ゴム成分が5〜10重量%ほど存在している。これらの非ゴム成分、とくに蛋白質は分子鎖の絡み合いの原因となると言われており、ゲル化を引きおこす要因となり、ゲル化がおこるとゴムの粘度が上昇し、加工性が悪化するという欠点がある。一般的に、天然ゴムの加工性を改良するために、練りロール機や密閉式混合機で素練りし、分子量を下げるという方法が用いられているが、このような素練りは分子主鎖をランダムに切断してしまうため、燃費特性の悪化を引きおこす。
そこでゲル化の要因の一つとしてあげられている蛋白質を除去する方法が知られており、得られた脱蛋白天然ゴムをタイヤのコンポーネント用のゴムとして使用することが提案されている(特許文献1〜2参照)。しかし、これらの文献に記載されたゴム組成物はキャップトレッドゴムへの適用を目指しており、粒径の小さなカーボンブラックを用いているため、ベーストレッド用のゴムに要求される低発熱性において充分ではなく、この点で改善の余地がある。
特開平6−329838号公報 特開2005−47993号公報
本発明は、天然ゴムの優れた特性である耐久性などを低下させることなく、加工性や低燃費性を向上させ得るベーストレッド用ゴム組成物、ならびに該ゴム組成物をベーストレッドに用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムを0.5〜50重量%と天然ゴムを50〜99.5重量%含むゴム成分と、該ゴム成分100重量部に対してチッ素吸着比表面積が25〜125m2/gでかつDBP吸油量が70ml/100g以上であるカーボンブラックを5〜70重量部含むベーストレッド用ゴム組成物に関する。
前記脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率は、0.1重量%以下であることが好ましい。
前記ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの割合は、2〜35重量%であることが好ましい。
また、硫黄を全ゴム組成物中に0.8重量%以上含むことが好ましい。
さらに本発明は、前記ベーストレッド用ゴム組成物からなるベーストレッドを有するタイヤにも関する。
本発明によれば、総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムと天然ゴムを併用し、さらにチッ素吸着比表面積が25〜125m2/gでかつDBP吸油量が70ml/100g以上である、すなわち粒径の大きい特定のカーボンブラックを配合することにより、耐久性を低下させることなく、加工性および低燃費性を向上させ得るベーストレッド用ゴム組成物、ならびに該ゴム組成物をベーストレッドに用いたタイヤを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のトレッド用ゴム組成物は、総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムと天然ゴムと粒径の大きい特定のカーボンブラックとを含む。
本発明で使用する脱蛋白天然ゴムは、天然ゴム中に5〜10重量%程度含まれ、ゲル化を引きおこす蛋白質を除去し、蛋白質の指標としての総チッ素含有率を0.3重量%以下にした脱蛋白天然ゴムをゴム成分の一部として配合することで、転がり抵抗と加工性を改善している。なお、天然ゴムを脱蛋白する処理としては、特開平6−329838号公報、特開2005−47993号公報などに記載されている従来から公知の方法を採用することができる。
本発明では、脱蛋白天然ゴムの蛋白質含有量の指標として総チッ素含有率を用いる。脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率は0.3重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下である。総チッ素含有率が0.3重量%をこえると、ゲル化を引き起こす要因となり、ムーニービス粘度が上昇することで押出し工程における加工性が悪化する。なお、脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率は低い方が好ましく、できればチッ素を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常0.01重量%である。
脱蛋白天然ゴムの重量平均分子量は、生ゴム強度が高く、加硫後のタイヤにおける耐久性に優れる点から、140万以上が好ましい。なお、脱蛋白天然ゴムの重量平均分子量の上限値はとくに制限はない。
また、脱蛋白天然ゴムはゲル分が減少した天然ゴムであり、トルエン不溶分として測定される脱蛋白天然ゴムのゲル含有率は、未加硫ゴムの粘度の上昇を抑制でき、加工性に優れる点から、10重量%以下が好ましい。なお、脱蛋白天然ゴムのゲル含有率は低い方が好ましく、できればゲル分を含有しないことが望ましいが、製法などの制限から、下限は通常0.01重量%である。
本発明においてゴム成分として使用される脱蛋白天然ゴム以外のゴム成分はスチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)である。
天然ゴムとしては、たとえばRSS#3などのグレードのものが、引張り特性が良好な点から好ましい。
ゴム成分中における脱蛋白天然ゴムの割合は0.5〜50重量%であり、好ましくは2〜35重量%、さらに好ましくは2.5〜15重量%である。脱蛋白天然ゴムの割合が0.5重量%を下回ると転がり抵抗の低減化効果が小さくなり、一方、95量%をこえると配合によるコストアップが無視できなくなる。
本発明のゴム組成物には特定のカーボンブラックを配合する。
本発明に用いられるカーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は25m2/g以上、好ましくは30m2/g以上であり、また125m2/g以下、好ましくは75m2/g以下である。カーボンブラックのN2SAが前記の範囲にあるときキャップトレッドで配合されるカーボンブラックよりも粒径が大きく、ベーストレッドに必要な良好な転がり抵抗低減化効果が得られる。
前記カーボンブラックのDBP(ジブチルフタレート)吸油量は、70ml/100g以上、好ましくは80ml/100g以上であり、また、好ましくは130ml/100g以下である。DBP吸油量が前記範囲にあるとき、良好な補強効果が得られる。
前記カーボンブラックの平均一次粒子径は20nm以上で45nm以下、特に25〜42nmであることが、補強性と低転がり抵抗性を両立させる点から好ましい。
前記カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF等があげられるが、とくに制限されるものではない。具体的には、N220(N2SA=114;DBP=114)、N330(N2SA=79;DBP=105)、N351(N2SA=73;DBP=120)、N550(N2SA=41;DBP=115)、N660(N2SA=28;DBP=84)などがあげられる。
前記カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して好ましくは5〜70重量部、さらに好ましくは15〜50重量部、特に好ましくは30〜45重量部である。5重量部を下回るとゴム強度が著しく低下する原因となり、一方、70重量部をこえると転がり抵抗を低減化させる効果が小さくなる。
本発明のゴム組成物はシリカを含んでいてもよい。シリカとしては湿式法または乾式法により製造されたシリカがあげられるが、とくに制限はない。
本発明に用いられるシリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は好ましくは100〜300m2/g、さらに好ましくは120〜280m2である。シリカのN2SAがこの範囲にあるとき、良好な補強効果と良好な分散性が得られ、ゴム組成物の発熱性をさらに抑えることができる。
前記シリカの配合量は、ゴム成分100重量部に対して好ましくは5〜150重量部、さらに好ましくは10〜80重量部、特に好ましくは15〜40重量部である。シリカの配合量が前記の範囲にあるとき、より一層充分な低発熱性が得られ、また良好な加工性、作業性が達成できる。
本発明のゴム組成物はシランカップリング剤を含むことが好ましい。本発明で好適に使用できるシランカップリング剤は、従来からシリカ充填剤と併用される任意のシランカップリング剤とすることができる。具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系等があげられる。カップリング剤添加効果とコストの両立からビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらシランカップリング剤は1種、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記シランカップリング剤の配合量は、前記シリカ100重量部に対して0〜20重量部が好ましい。シランカップリング剤の配合量が前記範囲にあるとき、適正なコストでカップリング効果が得られ、より一層良好な補強性や耐摩耗性が達成できる。分散効果、カップリング効果がさらに向上することから、シランカップリング剤の配合量は、シリカ100重量部に対して2〜15重量部であることがより好ましい。
また加硫剤として硫黄を使用する。硫黄の配合量は、キャップトレッドゴム組成物よりも多く、好ましくは全ゴム組成物中の0.8重量%以上、さらに好ましくは1.0〜2.0重量%である。硫黄量が少なくなるとゴム強度が低くなる傾向にある。
なお、本発明のゴム組成物には、前記の天然ゴム、脱蛋白天然ゴム、特定のカーボンブラック、さらに要すればシリカ、シランカップリング剤以外に、必要に応じて、オイル、ワックス、軟化剤、老化防止剤、ステアリン酸、硫黄以外の加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等のタイヤのベーストレッドの製造に通常用いられる配合剤を適宜配合することができる。
オイルとしてはプロセスオイル、植物油脂、またはそれらの混合物が使用できる。
プロセスオイルとしては、たとえばパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどがあげられる。
植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、サフラワー油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油などがあげられる。
本発明のタイヤは、本発明のベーストレッド用ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、必要に応じて前記配合剤を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのベーストレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造する。
本発明のタイヤにおいて、加硫後のゴム組成物は、粘弾性測定(温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で測定)におけるtanδが0.08以下、さらには0.07以下、特に0.04〜0.07であることが、転がり抵抗の低減化効果が良好なことから好ましい。
また加硫後のゴム組成物は、JIS K6253で測定したゴム硬度(室温)が30〜60、さらには35〜55、特に40〜50の範囲にあることが、操縦安定性が良好なことから好ましい。
なお、本明細書で規定する総チッ素含有率、ゲル含有率、重量平均分子量、tanδ(粘弾性測定)およびゴム硬度の測定法はつぎのとおりである。
(総チッ素含有率)
ケルダール試験法(特開平6−329838号公報に詳しく記載されている方法)によりチッ素含有率を測定する。
(ゲル含有率)
生ゴムを1mm×1mmに切断したサンプル70mgを計り取り、これに35mlのトルエンを加え1週間冷暗所に静置する。ついで、遠心分離してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで洗浄した後、乾燥し重量(mg)を測定し、つぎの式によりゲル含有率(%)を求める。
ゲル含有率(%)=(乾燥後の重量)/(最初のサンプル重量)×100
(重量平均分子量測定)
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法により測定し(溶媒;テトラヒドロフラン)、重量平均分子量を求める。
(粘弾性測定)
ゴム組成物を175℃で15分間加硫して得た厚さ2mmの加硫ゴムを幅4mm、長さ40mmに打抜いて作製した試験片について、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下でtanδを測定する。
(ゴム硬度)
ゴム組成物を175℃で15分間加硫して得た厚さ2mmの加硫ゴムを幅4mm、長さ40mmに打抜いて作製した試験片について、JIS K6253の方法に準じて測定する。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
各種薬品の説明
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN550(N2SA:41m2/g、DBP吸油量:115ml/100g)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(N2SA:210m2/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−エトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
プロセスオイル:ジャパンエナジー(株)製のJOMOプロセスX140
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤TTBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N'−ジフェニルグアニジン)
下記に示す調製例1〜3により脱蛋白天然ゴムA〜Cを調製した。
調製例1(脱蛋白天然ゴムA)
ソクテック社(マレーシア)製の高アンモニアタイプの天然ゴムラテックス(固形分60.2%)150mlをゴム固形分が10%になるように2Lの蒸留水で希釈し、0.12%のナフテン酸ソーダで安定化させ、リン酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調節した。ついで、脱蛋白酵素アルカラーゼ2.0M(ノボノルディスクバイオインダストリー(株))7.8gを100mlの蒸留水に分散させて、前記希釈天然ゴムラテックスに加えた。ラテックスのpHを再度9.2に調整した後、37℃で24時間維持して脱蛋白処理を行なった。脱蛋白処理を完了したラテックスに対して、陰イオン性界面活性剤ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製のKP4401)を1重量%の割合で添加し、10,000rpmで30分間遠心分離を行なった。遠心分離後、上層に分離したクリーム状のゴム分を取り出し、さらに水で希釈することにより、ゴム固形分60%の脱蛋白処理された天然ゴムラテックスを得た。この脱蛋白天然ゴムラテックスをガラス板上にキャストし、室温で乾燥した後、さらに減圧下に乾燥した。得られた乾燥ゴムをアセトン/2−ブタノン混合溶媒(3:1)で抽出処理して不純物(ホモポリマーなど)を除去し、脱蛋白天然ゴムA(DPNR−A)を得た。
この脱蛋白天然ゴムAの総チッ素含有率は0.034重量%であった。
調製例2(脱蛋白天然ゴムB)
脱蛋白酵素アルカラーゼの量を2.0gに変更したほかは調製例1と同様にして脱蛋白天然ゴムB(DPNR−B)を得た。
この脱蛋白天然ゴムBの総チッ素含有率は0.25重量%であった。
調製例3(脱蛋白天然ゴムC)
脱蛋白酵素アルカラーゼの量を0.1gに変更したほかは調製例1と同様にして脱蛋白天然ゴムC(DPNR−C)を得た。
この脱蛋白天然ゴムCの総チッ素含有率は0.35重量%であった。
調製例4(市販の天然ゴムNR)
市販のハイアンモニア天然ゴムラテックス(野村貿易(株)製、Hytex)をガラス板上に流延し、室温で乾燥し後、減圧下で乾燥した。得られた乾燥ゴムをアセトン/2−ブタノン混合溶媒(3:1)で抽出処理して不純物(ホモポリマーなど)を除去し、天然ゴム(NR)を得た。
この天然ゴム(NR)の総チッ素含有率は0.52重量%であった。
実施例1〜5および比較例1〜3
表1に示す配合処方にしたがって、神戸製鋼(株)製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて硫黄および加硫促進剤以外の成分を混練りし、得られた混練りゴムにオープンロール上で硫黄および加硫促進剤を加えて練り込み、各種供試ゴム組成物を得た。これらのゴム組成物について、粘弾性測定におけるtanδ、ゴム硬度、およびつぎの特性を調べた。結果を表1に示す。
(ムーニービス粘度指数)
JIS K6300に定められたムーニービス粘度の測定法にしたがい、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)を130℃で測定する。
比較例1のムーニービス粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式で指数表示した。指数が大きいほど、ムーニービス粘度が低く、加工性に優れている。
ムーニービス粘度指数=(比較例1のムーニービス粘度)/(各配合のムーニービス粘度)×100
(加工性)
未加硫ゴム組成物をロールにて厚さ1.0mmのシートに押出し、この未加硫押出しシートの表面状態を目視で観察する。耳切れが発生しておらずさらに地肌に問題のないものを○、耳切れが発生しているか地肌に問題のあるものを×とする。
(転がり抵抗指数)
試験片をつぎの方法により作製する。
実施例および比較例で調製したゴム組成物を175℃で15分間加硫して得た厚さ2mmの加硫ゴムを幅4mm、長さ40mmに打抜き、試験片を作製する。
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各試験片のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、つぎの計算式で指数表示する。指数が大きいほど転がり抵抗特性に優れる。
転がり抵抗指数=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(ゴム強度)
試験片をつぎの方法により作製する。
実施例および比較例で調製したゴム組成物を175℃で15分間加硫して得た加硫ゴムから、JIS K6251に準じて3号ダンベルに打抜き、試験片を作製する。
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各試験片の複素弾性率*Eを測定し、比較例1の*Eを100として、つぎの計算式で指数表示する。指数が大きいほどゴム強度に優れる。
ゴム強度=(比較例1の*E)/(各配合の*E)×100
Figure 2008297390
表1の結果から、総チッ素含有量0.3重量%以下の脱蛋白天然ゴムではムーニー粘度指数、加工性、転がり抵抗性およびゴム強度の性能改善が認められるが、総チッ素含有量0.3重量%をこえる脱蛋白天然ゴム(DPNR−C。比較例3)ではそれらの改善が見られないだけでなく、ゴム強度が低下してしまい、また、カーボンブラックの配合量を少なくした比較例2ではムーニービス粘度指数、加工性および転がり抵抗性は向上するがゴム強度が低下してしまうことが分かる。

Claims (5)

  1. 蛋白質の指標としての総チッ素含有率が0.3重量%以下である脱蛋白天然ゴムを0.5〜50重量%と天然ゴムを50〜99.5重量%含むゴム成分と、
    該ゴム成分100重量部に対してチッ素吸着比表面積が25〜125m2/gでかつDBP吸油量が70ml/100g以上であるカーボンブラックを5〜70重量部含むベーストレッド用ゴム組成物。
  2. 前記脱蛋白天然ゴムの総チッ素含有率が0.1重量%以下である請求項1記載のベーストレッド用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分中の脱蛋白天然ゴムの割合が2〜35重量%である請求項1または2記載のベーストレッド用ゴム組成物。
  4. 硫黄を全ゴム組成物中に0.8重量%以上含む請求項1〜3のいずれかに記載のベーストレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のベーストレッド用ゴム組成物からなるベーストレッドを有するタイヤ。
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