JP2008296299A - 回転シリンダ - Google Patents
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Abstract
【課題】 立形NC旋盤の主軸に装着してクーラントなどの流体をピストンロッドの供給路からコネクチングロッドの流路を介してチャック側へ供給するようにした回転シリンダであっても、クーラントなどの流体の供給を停止しているときに、コネクチングロッドの流路内に留まるクーラントなどの流体に混入されている切粉などの浮遊物がメカニカルシールや分配器の摺動箇所に浸入しないようにした簡易な構成の回転シリンダを提供する。
【解決手段】 ピストンロッド12の供給路Rに流体を供給方向への流れを許容し供給方向と逆方向の流れを逆止可能な逆止弁50を設け、クーラントなどの流体の供給を停止しているときに、逆止弁50がピストンロッド12の供給路Rを閉鎖することで、コネクチングロッドC側からピストンロッド12の供給路R側へ流体に混入した浮遊物Zの侵入が防止される。
【選択図】 図1
Description
即ち、立形NC旋盤においては、回転シリンダからチャック側へ供給されてチャックから排出されたクーラントを、フイルタを通した後、再び回転シリンダからチャック側へ供給するように循環させており、通常は、そのクーラントにワークの加工により飛散した微細な切粉(金属粉)などが混入している。また、回転シリンダからチャック側へクーラントを供給するのは、チャックの把持爪でワークを把持するときやワークの加工中にワークの加工部分や工具を冷却したり清掃するときであり、それ以外のときはクーラントのチャックへの供給を停止させるようになっている。回転シリンダのピストンロッドの供給路に接続されるホースはポンプを介してクーラント収容用のタンクに連結されているが、ピストンロッドの供給路へのクーラントの供給を停止したとき、、クーラントはタンクに戻ることなくピストンロッドの供給路やコネクチングロッドの流路に留まるようになっている。その為、上下方向の長いコネクチングロッドの流路内のクーラントに混入している切粉などの浮遊物がチャック側から下方の回転シリンダに向かって沈殿してピストンロッドの供給路に入ることになるので、切粉などがメカニカルシールの回転部材と固定部材のシール面に侵入し、その状態で主軸が回転することでメカニカルシールのシール面が激しく磨耗し、メカニカルシールの機能を早期に低下させる問題点がある。
また、メカニカルシールを備えない回転シリンダであっても、上下方向の長いコネクチングロッドの流路内のクーラントに混入している切粉などの浮遊物がチャック側から回転シリンダに向かって沈殿してピストンロッドの供給路に入り、切粉などが分配器の摺動箇所に侵入して分配器の機能を早期に低下させる問題点がある。
そこで本発明の課題は、上記問題点に鑑み、立形NC旋盤の主軸に装着してクーラントなどの流体をピストンロッドの供給路からコネクチングロッドの流路を介してチャック側へ供給するようにした回転シリンダであっても、クーラントなどの流体の供給を停止しているときに、コネクチングロッドの流路内に留まるクーラントなどの流体に混入されている切粉などの浮遊物がメカニカルシールや分配器の摺動箇所に侵入しないようにした簡易な構成の回転シリンダを提供することにある。
請求項2に記載の発明は、ピストンロッドの供給路を開閉可能な弁体を移動可能に設け、ピストンロッドからコネクチングロッド側へ流体が供給されたとき流体が弁体を移動させて供給路を開放し、流体の供給が停止されたとき弁体が戻り移動して供給路を閉鎖するように逆止弁を構成して成ることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、ピストンロッドの供給路の上端開口部を貫通孔を備えた蓋部材で塞ぎ、蓋部材に蓋部材の上側で貫通孔を開閉可能な弁体を上下動自在に設け、ピストンロッドからコネクチングロッド側へ流体が供給されたとき流体が弁体を上昇させて供給路を開放し、流体の供給が停止されたとき弁体が自重で降下して供給路を閉鎖するように逆止弁を構成して成ることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、ピストンロッドの中心部に供給路に連通する分配孔を設け、分配孔に分配軸を相対回転可能に挿入して分配器を構成し、ピストンロッドに分配孔と分配軸との間への流体の侵入を防止するメカニカルシールを設け、メカニカルシールを介してコネクチングロッド側へ流体を供給するように構成して成ることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、工作機械における上下方向の主軸の下端部に装着可能なシリンダ本体と、シリンダ本体に上下摺動可能に内蔵されているピストンと、ピストンに設けられ、主軸内のチャック作動用のコネクチングロッドに連結可能で、コネクチングロッドに設けられた通路にピストン作動用とは別の流体を供給可能な供給路を有するピストンロッドと、シリンダ本体またはピストンロッドに相対回転可能に設けられ、ピストン作動用の圧流体と供給路用の流体を供給可能な分配器とを備えているチャック操作用の回転シリンダにおいて、ピストンロッドに、供給路の開口部の上方を覆う受部材を供給路からコネクチングロッド側への流体の流れを許すように設けたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明によれば、弁体を移動可能に設け、ピストンロッドからコネクチングロッド側へ供給される流体が弁体を移動させて供給路を開放し、流体の供給が停止されたとき弁体が戻り移動して供給路を閉鎖するように逆止弁を構成したので、流体の給排によって供給路を開閉でき、弁体の開閉機構を簡易にできる効果を奏する。
また、請求項3に記載の発明によれば、ピストンロッドの供給路の開口部を貫通孔を備えた蓋部材で塞ぎ、蓋部材に蓋部材の上側で貫通孔を開閉可能な弁体を上下動自在に設け、ピストンロッドからコネクチングロッド側へ流体が供給されたとき流体が弁体を上昇させて供給路を開放し、流体の供給が停止されたとき弁体が自重で降下して供給路を閉鎖するように逆止弁を構成したので、流体の供給停止により弁体が自重で降下して閉鎖でき、弁体の開閉機構を簡易にできる効果を奏する。
また、請求項4に記載の発明によれば、ピストンロッドの中心部に供給路に連通する分配孔を設け、分配孔に分配軸を相対回転可能に挿入して分配器を構成し、ピストンロッドに分配孔への圧流体の侵入を防止するメカニカルシールを設け、メカニカルシールを介してコネクチングロッド側へ流体を供給するようにしたので、メカニカルシールによって分配孔と分配軸の間に流体が侵入して漏れるのを防止でき、そのメカニカルシールのシール面への切粉侵入を防止してシール機能を長期に亘って保持できる効果を奏する。
また、請求項5に記載の発明によれば、ピストンロッドに、供給路の開口部の上方を覆う受部材を供給路からコネクチングロッド側への流体の流れを許すように設けたので、ピストンロッドの供給路への流体の供給を停止したときに、コネクチングロッドの流路に留まっている流体に混入している切粉などの浮遊物が沈殿する場合でも、その切粉などを受部材によって受止めることでピストンロッドの供給路に入るのを阻止でき、内部の摺動箇所が切粉などの侵入によって磨耗したり損傷するのを防止できて回転シリンダの寿命を長くできる効果がある。
回転シリンダAについて説明する。1はシリンダ本体で、略断面コ字形のケーシング2と前板3とで構成され、両者は複数本のボルト4によって締着されてピストン室5を形成している。ケーシング2の下壁2aの中心部に摺動孔6が形成されている。上板3の中心部に摺動孔8が形成されている。シリンダ本体1は複数の取付ボルト(図示省略)によって主軸Bの下端部に取着されている。ピストン室5内にはピストン10が摺動自在に嵌合されている。このピストン10にはピストンロッド12が一体に設けられている。ピストンロッド12の上下端部が上記摺動孔8,6に摺動自在に嵌合されている。ピストンロッド12の上端部には、主軸Bの内部に配置されるチャックD作動用のコネクチングロッドCに連結可能なネジ部が形成され、コネクチングロッドCの下端部のネジ部が螺合されている。コネクチングロッドCの上端部はチャックDのドローバーFに連結され、コネクチングロッドCを上下方向に往復動させるとチャックDの把持爪Eが開閉駆動するようになっている。
分配軸31の後端部には環状の取付鍔31aが一体に形成されている。この取付鍔31aの後面に上記給排通路32,33と排出通路34,35と供給通路36の下端が回転方向の位相を違えて夫々開口されている。
また、ピストンロッド12の大径孔13には、ピストンロッド12の供給路Rにクーラントを供給方向(上方向)への流れを許容し供給方向と逆方向の流れを逆止可能な逆止弁50が備えられている。
回転シリンダAは、主軸Bが回転されることでシリンダ本体1やピストンロッド12が主軸Bと一体に回転されるが、分配軸31やフランジ51は廻り止めされた状態に維持される。主軸Bが回転して旋削加工しているときに、ポンプによりタンクからクーラントが回転シリンダAの分配軸31の供給通路36に供給され、このクーラントがメカニカルシール40の貫通孔43a,42aを通して逆止弁50の弁孔47aに供給される。そのクーラントは、図3に示すように、弁体48を自重に抗して上昇させて弁孔47aを開放させ、コネクチングロッドCの通路49を介してチャックD側へ供給され、チャックDからワークに向けて吹付けられる。逆止弁50の弁孔47aは弁体48が自重落下して蓋部材47に当接することで閉鎖されているが、クーラントの供給により弁体48が押し上げられることで容易に開放される。
ワークの旋削加工が終了すると、タンクから油圧ポンプにより圧流体が下側のピストン室5bに供給され、ピストン10及びピストンロッド12が上方に移動することで、コネクチングロッドCを介してチャックDの把持爪Eからワークが開放されることになる。その後、搬送機構によりワークがチャックDから取外されるが、必要に応じて、ワークの取外し中に、チャックD側から把持爪Eに向かってクーラントが吹付けられて切粉などを吹き飛ばす。
このような回転シリンダAにあっては、長いコネクチングロッドCの流路49にクーラントが留まる状態が継続され、長いコネクチングロッドCの流路49内のクーラントに混入している切粉などの浮遊物Zが沈殿すると、切粉などの浮遊物Zが受部材48e上に受止められて受部材48e上に堆積し、連通孔47aeからピストンロッド12の供給路Rに落下するのが阻止され、その結果、沈殿する切粉などの浮遊物Zによる回転シリンダAの損傷を防止できる。
尚、上記実施例においては、ピストンロッド12の分配孔14に分配軸31を相対回転可能に挿入し、分配軸31とピストンロッド12との間にメカニカルシール40を設けた回転シリンダAについて説明したが、シリンダ本体1の下端部に突出するように設けた軸部に分配筒16を相対回転可能に設けた回転シリンダにも同様に実施でき、この場合は、沈殿する切粉などの浮遊物がピストンロッド12の供給路Rに落下するの防止することで、切粉などの浮遊物が分配器の摺動部分に侵入するの阻止できて回転シリンダの寿命を長くできる。
B 主軸
C コネクチングロッド
D チャック
R 供給路
1 シリンダ本体
10 ピストン
12 ピストンロッド
16 分配筒
17 分配器
31 分配軸
36 供給通路(供給路)
40 メカニカルシール
42a 貫通孔(供給路)
43a 貫通孔(供給路)
41a 貫通孔(供給路)
48 弁体
48e 受部材
50 逆止弁
Claims (5)
- 工作機械における上下方向の主軸の下端部に装着可能なシリンダ本体と、シリンダ本体に上下摺動可能に内蔵されているピストンと、ピストンに設けられ、主軸内のチャック作動用のコネクチングロッドに連結可能で、コネクチングロッドに設けられた通路にピストン作動用とは別の流体を供給可能な供給路を有するピストンロッドと、シリンダ本体またはピストンロッドに相対回転可能に設けられ、ピストン作動用の圧流体と供給路用の流体を供給可能な分配器とを備えているチャック操作用の回転シリンダにおいて、ピストンロッドの供給路に流体を供給方向への流れを許容し供給方向と逆方向の流れを逆止可能な逆止弁を設けて成ることを特徴とする回転シリンダ。
- ピストンロッドの供給路を開閉可能な弁体を移動可能に設け、ピストンロッドからコネクチングロッド側へ流体が供給されたとき流体が弁体を移動させて供給路を開放し、流体の供給が停止されたとき弁体が戻り移動して供給路を閉鎖するように逆止弁を構成して成ることを特徴とする請求項1記載の回転シリンダ。
- ピストンロッドの供給路の上端開口部を貫通孔を備えた蓋部材で塞ぎ、蓋部材に蓋部材の上側で貫通孔を開閉可能な弁体を上下動自在に設け、ピストンロッドからコネクチングロッド側へ流体が供給されたとき流体が弁体を上昇させて供給路を開放し、流体の供給が停止されたとき弁体が自重で降下して供給路を閉鎖するように逆止弁を構成して成ることを特徴とする請求項1または2記載の回転シリンダ。
- ピストンロッドの中心部に供給路に連通する分配孔を設け、分配孔に分配軸を相対回転可能に挿入して分配器を構成し、ピストンロッドに分配孔と分配軸との間への流体の侵入を防止するメカニカルシールを設け、メカニカルシールを介してコネクチングロッド側へ流体を供給するように構成して成ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の回転シリンダ。
- 工作機械における上下方向の主軸の下端部に装着可能なシリンダ本体と、シリンダ本体に上下摺動可能に内蔵されているピストンと、ピストンに設けられ、主軸内のチャック作動用のコネクチングロッドに連結可能で、コネクチングロッドに設けられた通路にピストン作動用とは別の流体を供給可能な供給路を有するピストンロッドと、シリンダ本体またはピストンロッドに相対回転可能に設けられ、ピストン作動用の圧流体と供給路用の流体を供給可能な分配器とを備えているチャック操作用の回転シリンダにおいて、ピストンロッドに、供給路の開口部の上方を覆う受部材を供給路からコネクチングロッド側への流体の流れを許すように設けたことを特徴とする回転シリンダ。
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- 2007-05-30 JP JP2007142762A patent/JP4905857B2/ja active Active
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