JP2008294223A - Iii−v化合物半導体膜を成長する方法 - Google Patents

Iii−v化合物半導体膜を成長する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水素の取込量を低減可能な、窒素と他のV族原子とを構成元素として含むIII−V化合物半導体膜を成長する方法を提供する。
【解決手段】工程S103で厚さ1.5μmのn型のAlGaAsクラッド層を成長する。工程S105でAlGaAsクラッド層上に活性層を成長する。具体的には、工程S105−1で厚さ140nmのアンドープGaAsガイド層を成長し、工程S105−2で、レーザ光の照射をしながら厚さ7nmのアンドープのGaInNAs井戸層を成長し、工程S105−3で厚さ8nmのアンドープのGaAs障壁層を成長し、工程S105−4で、レーザ光の照射をしながら厚さ7nmのアンドープGaInNAs井戸層を成長し、工程S105−5で厚さ140nmのアンドープのGaAsガイド層を成長する。工程S107で、活性層上に、厚さ1.5μmのp型のAlGaAsクラッド層を成長する。
【選択図】図5

Description

本発明は、III−V化合物半導体膜を成長する方法に関する。
特許文献1では、GaAs層上にGaInNAs層を成長するとき、III族原料を供給する前に窒素の原料を先行導入して、GaAs層の表面のAsの一部を、窒素に置換する。すなわち、GaAs層とGaInNAs量子井戸層との界面は、GaAs層の表面のAsの一部をNに置換した(GaNAs)からなる。
特許文献2では、第1のIII−V化合物半導体上に、第2のIII−V化合物半導体の窒素原料に対する反応性を制御する第3のIII−V化合物半導体からなる中間層を形成した後、引き続いて第2のIII−V化合物半導体を形成する。
特許文献3では、V族原料として窒素原料とヒ素原料とを併用した気相成長法により、Ga1−XInAs1−Y(0<X<1,0<Y<1)で表わされる化合物半導体の結晶を成長する。ヒ素原料は有機V族化合物ガスである。
特開平11−340577号公報 特開2001−185497号公報 特開平11−238685号公報
有機金属気相成長法を用いて、GaNAs、GaInNAs等を成長する時、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルインジウム(TMIn)などの有機III族原料と、アルシン(AsH)などのV族水素化物またはターシャリブチルアルシン(TBAs)、トリメチル砒素などの有機V族原料と、ジメチルヒドラジン(DMHy)などの有機窒素原料を用いる。
有機窒素原料、例えばDMHyが熱分解して、該窒素が結晶に取り込まれる。結晶中の窒素原子は、本来は、III族元素(Ga、In)と結合すべきである。しかしながら、結晶中の多くの窒素原子(N)は、水素と結合されたままである。故に、結晶中には、多数のN−H結合が存在する。このため、結晶中には、N−H結合に起因する、ダングリングボンドと呼ばれる欠陥が生じる。その結果、GaInNAsに代表される希釈窒素系III−V化合物層を含む活性層を有する発光素子では、例えば、期待される程度に十分な強度の発光強度が得られていない。また、欠陥の増殖により、発光素子の寿命が、期待される値に比べて短い。一方、窒素を含まないGaInAs結晶には水素はほとんど含まれないので、上記のような問題は発生していない。また、GaInNAsの窒素組成が高くなるにつれて、GaInNAs結晶中の水素濃度が増加する。したがって、水素の混入源は有機窒素原料であると考えられる。
本発明は、このような事情を鑑みて為されたものであり、水素の取り込み量を低減可能な、窒素と他のV族原子とを構成元素として含むIII−V化合物半導体膜を成長する方法を提供することを目的とする。
本発明に係る一側面は、III−V化合物半導体膜を成長する方法である。この方法は、(a)成長中におけるレーザ光の照射が可能なレーザ光源を有する気相成長炉に基板をセットする工程と、(b)有機窒素原料、他のV族原料およびIII族原料を供給すると共に、前記レーザ光源からのレーザ光を基板に照射しながら、前記基板上に、窒素と他のV族原子とを構成元素として含むIII−V化合物半導体膜を成長する工程とを備える。
この方法によれば、レーザ光を基板に照射しながら、窒素と他のV族原子とを構成元素として含むIII−V化合物半導体膜を基板上に成長するので、成長されたIII−V化合物半導体膜中の水素濃度を低減できる。
本発明に係る方法では、前記有機窒素原料は、ヒトラジン、モノメチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジンの少なくとも一つを含むことが好ましい。これらの有機窒素原料はN−H結合を含み、レーザ照射により、N−H結合を保ったまま窒素(N)が結晶中に取り込まれる頻度を少なくできる。
本発明に係る方法では、III−V化合物半導体を成長する前記工程では、キャリアガスとして、不活性ガスを流すことが好ましい。この方法によれば、キャリアガスとして水素ガスを流すことなく、不活性ガスを流すので、レーザ照射により結合が切断された水素が、結晶から放出されやすくなる。不活性ガスとしては、例えば、ヘリウムといった希ガスまたは窒素等を用いることができる。
本発明に係る方法では、前記III−V化合物半導体は、GaInNAs、GaNAs、GaNPAs、GaInNPAs、GaInNAsSb、GaNAsSb、GaNPAsSb、GaInNPAsSbのいずれかを含むことができる。V族元素として窒素および他の元素を含み、窒素濃度が比較的小さいIII−V化合物半導体においても水素濃度の低減が達成される。
本発明に係る方法は、前記III−V化合物半導体膜の成長に先立って、III族構成元素としてガリウムおよびV族構成元素としてヒ素を含む化合物半導体膜を前記基板上に前記気相成長炉で成長する工程、および/または、前記III−V化合物半導体膜の成長の後に、III族構成元素としてガリウムおよびV族構成元素としてヒ素を含む化合物半導体膜を前記基板上に前記気相成長炉で成長する工程を更に備えることができる。これらの工程によれば、量子井戸構造の作製に好適なエピタキシャル構造が得られる。
本発明に係る方法では、前記レーザ光源はエキシマレーザであることができる。また、本発明に係る方法では、前記エキシマレーザは、ArFエキシマレーザであることが好ましい。本発明に係る方法では、40mJ/cmを越えるエネルギのレーザ光を照射しながらIII−V化合物半導体を成長すると、成長されたIII−V化合物半導体中の水素濃度が低減される。前記III−V化合物半導体膜における水素濃度は、1×1019cm−3未満であることができる。さらに、本発明に係る方法では、60mJ/cmを越えるエネルギのレーザ光を照射しながらIII−V化合物半導体を成長すると、成長されたIII−V化合物半導体中の水素濃度が大幅に低減される。前記III−V化合物半導体膜における水素濃度は、1×1018cm−3以下であることができる。
本発明に係る方法は、前記III−V化合物半導体膜をアニールする工程を更に備えることができる。この発明によれば、水素濃度の低減により、アニールによるフォトルミネッセンス波長の変動が小さい。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、水素の取込量を低減可能な、窒素と他のV族原子とを構成元素として含むIII−V化合物半導体膜を成長する方法が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明のIII−V化合物半導体膜を成長する方法に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、III−V化合物半導体膜を成長する方法に用いる気相成長炉を概略的に示す図面である。図1には、気相成長装置11が示されている。成長室13内には、基板Wを装着するためのサセプタ15が設けられており、サセプタ15上の基板Wはヒータ17により成長温度に加熱される。所望の半導体膜を成長するための原料ガスGおよびキャリアガスGが供給口19を介して成長室13に供給される。消費されなかった原料および反応生成物は、排気口21を介して排気装置および除害装置に送られる。気相成長装置11は、エキシマレーザといったレーザ光源23を含む。窒素および他の元素をV族として含むIII−V化合物半導体膜を成長するときに、レーザ光源23からのレーザ光Lは、成長室13に設けられた窓25を通して基板Wの表面に照射される。
供給口19は、原料源27に接続されている。窒素および他の元素をV族として含むIII−V化合物半導体膜を成長するために、有機窒素化合物源27aとして、ジメチルヒドラジンといった窒素原料を供給する。有機ガリウム源27bは、トリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)といったガリウム原料を供給する。III族元素源27cは、トリメチルインジウム(TMIn)といった有機インジウム源等のIII族原料を供給する。V族元素源27dは、アルシン(AsH)などのV族水素化物またはターシャリブチルアルシン(TBAs)、トリメチル砒素などの有機V族化合物を供給する。原料源27は、この他に、必要に応じてドーパントガスの供給源を含むことができる。
図2に示される工程に従って、窒素および他の元素をV族として含むIII−V化合物半導体膜であるGaInNAs半導体膜を成長する方法を説明する。図2(a)に示されるように、成長中におけるレーザ光の照射が可能なレーザ光源を有する気相成長炉に半導体基板31をセットする。半導体基板31としては、例えばn型GaAs基板を用いることができる。図2(b)に示されるように、III族構成元素としてガリウムおよびV族構成元素としてヒ素を含む化合物半導体膜33を半導体基板上に気相成長炉11で成長する。一実施例では、化合物半導体膜33として、TEGaおよびTBAを供給して、アンドープGaAs膜を成長する。GaAs膜の厚さは、例えば0.2μmである。図2(c)に示されるように、有機窒素原料、他のV族原料およびIII族原料を供給すると共に、レーザ光源23からのレーザ光Lを基板31に向けて照射しながら、窒素と他のV族原子とを構成元素として含むIII−V化合物半導体膜35を化合物半導体膜33上に成長する。この照射により、III−V化合物半導体膜35の成長面はレーザ光Lを受ける。この成長中に、レーザ光Lの照射は、レーザビームを基板の表面の全体にわたって走査することによって行われることが好ましい。一実施例では、III−V化合物半導体膜35として、TEGa、TMIn、DMHyおよびTBAを供給して、GaInNAs膜を成長する。GaInNAs膜の厚さは、例えば8nmである。図2(d)に示されるように、III族構成元素としてガリウムおよびV族構成元素としてヒ素を含む化合物半導体膜37を半導体基板31上に気相成長炉11で成長する。一実施例では、化合物半導体膜37として、TEGaおよびTBAを供給して、アンドープGaAs膜を成長する。GaAs膜の厚さは、例えば0.1μmである。これらの工程により、量子井戸構造のためのエピタキシャル膜積層が形成される。必要な場合には、この後に、図2(e)に示されるように、成長炉11においてIII−V化合物半導体膜35のアニールを行う。このアニールはヒ素雰囲気中で行われる。アニール温度は、例えば摂氏500度〜700度であることができる。一実施例では、ヒ素雰囲気を形成するためにTBAを供給する。上記のGaInNAs膜は井戸または活性層であると考えられ、またGaAs膜は障壁層またはクラッド層であると考えられる。
引き続く詳細な説明から理解されるように、この方法によれば、レーザ光Lを基板31に照射しながら、窒素と他のV族原子とを構成元素として含むIII−V化合物半導体膜35を成長するので、成長されたIII−V化合物半導体膜35中に水素濃度を低減できる。
(実施例)
本発明の実施の形態のための実施例を示す。GaAs基板上にGaAs膜、GaInNAs活性層およびGaAs膜を成長した。GaAs基板は、Siドープされたn型基板であり、この基板は(100)の面方向を有する。成長温度は摂氏490度であり、この温度は、例えば摂氏450度〜550度であることができる。成長圧力は50Torr(6666.1パスカル)である。成長速度は各層とも、一時間当たり約1μmである。GaInNAs結晶の成長中に、成長室13の外部から、窓25(ガラスポート)を通して、ArFエキシマレーザを成長面上に照射した。ArFエキシマレーザの発振波長は、193nmである。成長膜の組成は、Ga0.67In0.330.01As0.99であった。ArFエキシマレーザを照射することにより、結晶中への窒素の取込量が増加するので、上記の窒素組成を得るために、結晶中への窒素の取込量の増加分を考慮して、有機窒素原料のDMHyの流量を変更した。
一例の流量は、以下のようなものである。
TEGaの流量:3×10−5 モル/分
TMInの流量:2×10−6 モル/分
TBAの流量 :3×10−4 モル/分
DMHyの流量:3×10−2 モル/分
図3は、GaInNAs結晶中の水素濃度と、照射するエキシマレーザの強度との関係を示す図面である。この実験および関連する実験によれば、レーザ強度が40mJ/cmを越えると、結晶中に取り込まれる水素濃度が減少する。また、レーザ強度が60mJ/cm以上では、有意に、結晶中に取り込まれる水素濃度は減少する。具体的には、
照射レーザの強度 水素濃度
0mJ/cm: 1×1019cm−3
40mJ/cm: 1×1019cm−3
60mJ/cm: 8×1017cm−3
100mJ/cm:5×1017cm−3
である。水素濃度の測定にはSIMS法を用いた。
さらに、成長されたGaInNAsにアニールを行った後に、フォトルミネッセンス(PL)スペクトルを測定した。アニール前のピークPL波長は1250nmであり、アニール後のPL波長は1245nmである。アニールにより、実質的な波長変動は無いと考えられる。このアニールは、気相成長炉11を用いて、例えば摂氏650度、20分の条件で行った。
図4は、照射するエキシマレーザの強度と、GaInNAs結晶のPLスペクトル強度との関係を示す図面である。この実験および関連する実験によれば、レーザ強度が40mJ/cmを越えると、結晶のPL強度が大きくなる。また、レーザ強度が60mJ/cm以上では、有意に、結晶のPL強度が大きくなる。アニール前のピークPL強度に比べてアニール後のピークPL波強度は10倍程度に大きくなる。
具体的には、
照射レーザの強度 PL強度(相対比)
0mJ/cm: 1
40mJ/cm: 1
60mJ/cm: 8
100mJ/cm:10
このように、有機窒素化合物を用いて、希釈窒素系III−V化合物を成長するときにエキシマレーザを照射することにより、この結晶中に混入した水素濃度が劇的に減少した。PL強度が増加したのは、この水素濃度の減少に伴って、GaInNAs結晶中の欠陥が減少したことによると推測される。
したがって、レーザ照射アシストによる半導体エピタキシャル成長に関して鋭意検討した結果、GaInNAsといった希釈窒素系III−V化合物層の成長に際して、エキシマレーザを照射することが非常に有効な方法であることを見出した。
上記の実験では、V族原料にTBAを用いたており、関連する実験によれば、アルシン(AsH)等を用いたときも同様の効果が得られた。
また、関連する実験から、DMHy以外の他の窒素原料(例えば、ヒトラジン、モノメチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン)を用いたときも同様の効果が得られた。故に、良好なGaInNAs結晶を成長するために、有機窒素原料としては、ヒトラジン、モノメチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジンの少なくとも一つを用いることができる。これらの有機窒素原料はN−H結合を含むけれども、レーザ照射により、N−H結合を保ったまま結晶中に取り込まれる窒素(N)の量が少なくなる。
さらに、成長中のキャリアガスとして水素を用いていた。水素に替えて窒素をキャリアガスとして用いたところ、PL強度としては大きな変化は見られなかったものの、水素濃度は1×1017cm−3まで減少した。発光素子の特性が改善される。故に、キャリアガスとして、水素に限定されることなく不活性ガスを用いることができる。不活性ガスとしては、例えば、ヘリウムといった希ガスまたは窒素等が例示される。キャリアガスとして水素ガスを流すことなく、不活性ガスを流すので、レーザ照射により結合が切断された水素が、結晶から放出されやすくなる。
III−V化合物半導体膜としては、GaInNAsに限定されるこなく、GaNAs、GaNPAs、GaInNPAs、GaInNAsSb、GaNAsSb、GaNPAsSb、GaInNPAsSb等であることもできる。これらのIII−V化合物半導体は、V族元素として窒素および他の元素を含むと共に比較的小さい窒素組成を有しており、GaInNAsと同様に水素濃度の低減が達成される。
参考のために、同じ成長炉を用いて、レーザ照射無しに半導体膜を成長した。GaAs基板上に、同様にして、0.1μmのGaAs層、レーザ照射無しに8nmのGaInNAs活性層および0.1μmのGaAsキャップ層を成長した。このGaInNAsの組成は、Ga0.67In0.330.01As0.99であった。この結晶をSIMS分析したところ、GaInNAs結晶中の水素濃度は1×1019cm−3であった。レーザ照射されたGaInNAs膜のPL強度は、このGaInNAs結晶のPL強度に比べて約10倍である。成長後に、実施例1の結晶成長と同じ成長室において、TBAを流した状態で摂氏650度、20分の条件でアニールを行った。この結晶をSIMS分析したところ、GaInNAs結晶中の水素濃度は1×1019cm−3であった。このアニールにより、GaInNAs半導体の結晶性が向上し、アニール前に比べてフォトルミネッセンスの強度がほぼ一桁向上した。しかしながら、20nm程度のPLピーク波長のシフト量が観測された。アニール後において、レーザ照射されたGaInNAs膜のPL強度は、このGaInNAs結晶のPL強度に比べて約10倍である。
図5は、半導体発光素子を作製する方法における主要な工程を示す図面である。工程S101において、SiドープのGaAs基板を準備する。引き続く結晶成長には、有機金属気相成長(MOVPE)法を用いる。Ga原料ガスとしてはTEGaを用いる。Al原料ガスとしては、TMAl(トリメチルアルミニウム)を用いた。In原料ガスとしては、TMInを用いる。As原料ガスとしてはTBAsを用いる。N原料ガスとしては、DMHyを用いる。必要な場合は、厚さ200nmのn型のGaAsバッファ層をGaAs基板上に成長する。工程S103において、GaAsバッファ層上に、厚さ1.5μmのn型のAlGaAsクラッド層を成長する。工程S105において、AlGaAsクラッド層上に活性層を成長させた。具体的には、工程S105−1において厚さ140nmのアンドープのGaAsガイド層を成長し、工程S105−2において、レーザ光の照射をしながら厚さ7nmのアンドープのGaInNAs井戸層を成長し、工程S105−3において厚さ8nmのアンドープのGaAs障壁層を成長し、工程S105−4において、レーザ光の照射をしながら厚さ7nmのアンドープのGaInNAs井戸層を成長し、工程S105−5において厚さ140nmのアンドープのGaAsガイド層を成長する。さらに、工程S107において、活性層上に、厚さ1.5μmのp型のAlGaAsクラッド層を成長する。工程S109において、AlGaAsクラッド層上に、p型のGaAsコンタクト層を成長する。必要な場合には、工程S111において、有機金属気相成長炉内においてターシャルブチルアルシンを供給した状態で20分間のアニールを行う。アニール温度は摂氏650度である。工程113においてアノードおよびカソードを形成する。このようにして発光ダイオードおよび半導体レーザを作製することができる。
以上説明したように、水素の取込量を低減可能な、窒素と他のV族原子とを構成元素として含むIII−V化合物半導体膜を成長できる。これによって、半導体レーザ、発光ダイオード、電界吸収型変調素子、半導体センサー等の半導体光素子の光学特性が改善される。
GaInNaAs結晶の結晶性向上に向けて鋭意検討した結果、比較的大きなエネルギのレーザ光を成長中に照射することにより、結晶性が向上することを見出した。つまり、GaInNAs成長中にArFエキシマレーザ(波長193nm)を照射することにより、DMHy原料がレーザ光のエネルギを吸収し分解が促進されたものと考えている。所定の窒素濃度の結晶を得るために導入するDMHy量が、レーザ照射することにより、これまでの流量に比べて減少している。このため、レーザ照射により窒素原料の分解が促進されている。その際、DMHy中のN−H結合も切断され、希釈窒素系III−V化合物中に取り込まれる水素も減少したものと考えられる。希釈窒素系III−V化合物中の水素は、様々な欠陥を生成し、デバイス特性に悪影響を及ぼす。本実施の形態のようにレーザ照射により、希釈窒素系III−V化合物の結晶中に混入する水素濃度が大幅に減少したことにより、希釈窒素系III−V化合物結晶中の欠陥が減少し、希釈窒素系III−V化合物の光学特性が向上されたと考えられる。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本実施の形態では、例えば、約1300nmの波長をもつGa0.67In0.330.01As0.99層に関して、その成長方法を説明したけれども、本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。また、本実施の形態では、GaInNAs層を井戸層に用いた発光素子について例示的に説明しているけれども、同じ材料構成であるGaInNAs層を用いた受光センサーに応用することもできる。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1は、III−V化合物半導体膜を成長する方法に用いる気相成長炉を概略的に示す図面である。 図2は、窒素および他の元素をV族として含むIII−V化合物半導体膜であるGaInNAs半導体膜を成長する方法を示す図面である。 図3は、GaInNAs結晶中の水素濃度と、照射するエキシマレーザの強度との関係を示す図面である。 図4は、照射するエキシマレーザの強度と、GaInNAs結晶のPLスペクトル強度との関係を示す図面である。 図5は、半導体発光素子を作製する方法における主要な工程を示す図面である。
符号の説明
11…気相成長装置、13…成長室、15…サセプタ、17…ヒータ、19…ガス供給口、21…排気口、23…レーザ光源、25…窓、27…原料源、27a…有機窒素化合物源、27b…有機ガリウム源、27c…III族元素源、27d…V族元素源、31…半導体基板、33…化合物半導体膜、35…III−V化合物半導体膜、37…化合物半導体膜、W…基板、L…レーザ光

Claims (10)

  1. III−V化合物半導体膜を成長する方法であって、
    成長中におけるレーザ光の照射が可能なレーザ光源を有する気相成長炉に基板をセットする工程と、
    有機窒素原料、他のV族原料およびIII族原料を供給すると共に、前記レーザ光源からのレーザ光を基板に照射しながら、前記基板上に、窒素と他のV族原子とを構成元素として含むIII−V化合物半導体膜を成長する工程と
    を備える、ことを特徴とする方法。
  2. 前記有機窒素原料は、ヒトラジン、モノメチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジンの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載された方法。
  3. III−V化合物半導体を成長する前記工程では、キャリアガスとして、不活性ガスを流す、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された方法。
  4. 前記レーザ光源はエキシマレーザである、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載された方法。
  5. 前記レーザ光のエネルギは、40mJ/cmを越える、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された方法。
  6. 前記レーザ光のエネルギは、60mJ/cm以上である、ことを特徴とする請求項5に記載された方法。
  7. 前記III−V化合物半導体膜における水素濃度は1×1019cm−3未満である、ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載された方法。
  8. 前記III−V化合物半導体は、GaInNAs、GaNAs、GaNPAs、GaInNPAs、GaInNAsSb、GaNAsSb、GaNPAsSb、GaInNPAsSbのいずれかを含む、ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載された方法。
  9. 前記III−V化合物半導体膜の成長に先立って、III族構成元素としてガリウムおよびV族構成元素としてヒ素を含む化合物半導体膜を前記基板上に前記気相成長炉で成長する工程を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載された方法。
  10. 前記III−V化合物半導体膜をアニールする工程を更に備える、ことを特徴とする請求項9に記載された方法。
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JP (1) JP2008294223A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012104722A (ja) * 2010-11-11 2012-05-31 Advanced Power Device Research Association 窒化物系化合物半導体素子の製造方法および窒化物系化合物半導体素子

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