JP2006303258A - p型窒化物半導体の成長方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 活性層であるInGaNのInモル分率が高い場合でも、その上に、活性層の結晶品質を低下させることなく、かつアニーリング処理等の活性化処理を必要とすることなく、低抵抗のp型窒化物半導体を成長させることができる方法を提供する。
【解決手段】 活性層であるInを含む窒化物半導体1を反応容器10内に収容し、窒化物半導体をその結晶品質が低下しない温度に保持しながら、成長させるp型窒化物半導体2の前駆体とp型ドーパントを反応容器内に供給し、同時に窒化物半導体1の表面にパルスレーザ3を照射する。また、パルスレーザの照射部分4の温度をp型窒化物半導体2の成長に必要な温度まで高めながら、窒化物半導体1をその結晶品質が低下しない温度に保持する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、先に成膜した活性層の結晶品質を低下させることなく、その上にp型窒化物半導体を成長させ同時に活性化処理を行なう方法に関する。
図2(A)は、InGaN系発光ダイオードの断面構造図の一例である。この発光ダイオード(LED)は、InGaNを活性層、n-AlGaNをn型クラッド層、p-AlGaNをp型クラッド層とするダブルヘテロ構造である。
すなわちこのLEDは、サファイア基板の上に、GaNバッファ層、n-GaN、n-AlGaN、InGaN、p-AlGaN及びp-GaNの各層が積層した構造となっている。
各薄膜の成長には、MOCVD法(有機金属気相成長法)またはMOMBE法(有機金属分子ビームエピタキシー法)が用いられる。また原料ガスとしては、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)、SiH、DEZ、CpMg、NHがそれぞれGa,Al,In,Si,Zn,Mg,Nの原料として使用される。
また各層を成膜する際には、まず(1)基板上にGaNの薄いバッファ層を成長させ、次いでその上に、(2)n-GaN、n-AlGaN、InGaN、p-AlGaN、p-GaNの各層を順次成膜する。さらに、(3)p-AlGaNとp-GaNは、成長させたままでは抵抗が大きくp型を示さないため、これらを低抵抗のp型にする処理(以下、「活性化処理」と呼ぶ)を行ない、さらに、(4)エッチングおよび電極を形成して完成する。
なお、図2(A)の構造のn型とp型が逆転したもの、すなわち図2(B)のように、GaNバッファ層の上に、p-GaN、p-AlGaN、InGaN、n-AlGaN、及びn-GaNの順で各層が積層した構造のInGaN系LEDも知られている。
また上述した活性層(InGaN)の成長方法に関しては、例えば特許文献1、2が開示され、p型窒化物半導体の活性化処理に関しては、例えば特許文献3、4と非特許文献1、2が開示されている。
特許文献1の「半導体結晶膜の成長方法」は、図3に模式的に示す装置を用い、MOCVD法(有機金属気相成長法)でサファイア基板51の上面に半導体被膜を成長させるものである。
この方法では、サファイア基板51をサセプター54の上に載せ、反応容器56内をHで置換し、基板51の温度を約650℃以上に保持し、副噴射管53から水素と窒素を、反応ガス噴射管52からアンモニアガスと水素とTMG(トリメチルガリウム)ガスとTMI(トリメチルインジウム)ガスを供給して、サファイア基板1の表面にInGaNの半導体被膜を成長させている。
なお、この図において、55はシャフト、57はヒータ、58は排気口、59は放射温度計である。
特許文献2の「半導体結晶膜の成長方法」は、結晶成長用基板を反応容器内で約400℃以上、約650℃未満の温度に保持し、反応容器内にIn,Ga,Nの前駆体を順次又は同時に供給し、基板表面に高出力パルスレーザを照射させてその照射部分にInGaNを成長させ、MOCVD(有機金属気相成長法)またはMOMBE(有機金属分子ビームエピキタシー法)により、赤(R)、緑(G)、青(B)を発光するInGaNを成長させるものである。
特許文献3の「窒化ガリウム系化合物半導体のp型化方法」は、水素が含まれ、かつp型ドーパントがドープされた窒化ガリウム系化合物半導体をエッチングして、その表面に凹凸を形成する工程と、凹凸を形成した後、その窒化ガリウム系化合物半導体を400℃以上でアニーリングすることにより、その窒化ガリウム系化合物半導体から水素を出す工程とを有するものである。
また、この実施例において、Mgを含む窒化ガリウム(GaN)を1030℃の成長温度で成長させ、その後、活性化処理としてアニーリング装置に入れ、常圧、窒素雰囲気中で700℃に保持する熱処理(アニーリング)を行って、p型の窒化ガリウム(図2のp-GaNに相当)を作製している。
特許文献4の「p型窒化ガリウムの成長方法」は、有機金属気相成長法により、Inを含む窒化ガリウム系化合物半導体の上に、特定量のMgをドープしたGaNを成長させるものであり、特定量のMgをドープした窒化ガリウムを成長させることで、その後の熱処理を必要とせずにp型の窒化ガリウムを作製することに成功している。
非特許文献1は、活性化処理としてアニーリングを行なう場合に関する研究論文であり、図4に示すように、アニーリング温度と電気抵抗との関係において、紫外線を照射することにより、アニーリング温度を下げられることを報告している。
非特許文献2は、成長させたままのp-GaNの高抵抗の原因と考えられている水素(アンモニアが解離してできる)とアクセプタのMgとの複合体(Mg-H複合体)を、YAGレーザの第2高調波で切断して水素を解離でき、その解離エネルギーは約2.33eVであることを報告している。
特開平4−164895号公報、「半導体結晶膜の成長方法」 特開2003−60237号公報、「半導体結晶膜の成長方法」 特許第2785253号、「窒化ガリウム系化合物半導体のp型化方法」 特許第2827794号、「p型窒化ガリウムの成長方法」
Y.Kamiura,Y.Yamashita and S.Nakamura,"Photo-Enhanced Activatiob of Hydrogen-Passivated Magnesium in P-Type GaN Films", Jpn. J. Appl. Phys. Vol.37(1998) pp.L970-L971 Yung-Chen Cheng et.al.,"Laser-Induced Activation of p-Type GaN with the Second Harmonics of a Nd:Yag Laser", Jpn. J. Appl. Phys. Vol.40(2001) pp.2143-2145
図5は、主な半導体のバンドギャップと格子定数の関係図である。この図は、波長λ(μm)は青(約0.46〜49μm)、緑(約0.50〜55μm)、赤(約0.61〜78μm)の順で波長が長くなり、かつこの順でInGaN(正確にはInGa1−yN)のInの成分比率yが高くなることを示している。
すなわち、既に実現している青(B)、緑(G)の2原色のLEDに比較して、0.65μm前後の波長の赤(R)を発光する赤色LEDでは、InGaN中のInのモル分率yを約0.35以上に高める必要がある。
なお、バンドギャップE(eV)と波長λ(μm)の間には、E(ev)=1.24/λ(μm)の関係がある。
図6は、InGaN中のInのモル分率yと平衡温度との関係図である。この図に示すように、0.65μm前後の波長の赤(R)を発光する赤色LEDを形成するために、InGaN中のInのモル分率yを約0.35以上に高めると、その平衡温度は常圧(1atm)で約650℃となる。 そのため、InGa1−yNの半導体被膜を成長させる過程で、基板や形成されたInGaNを約650℃以上に加熱すると、InGaNが熱分解してしまう問題点があった。
そのため、InGaN系LEDで現在までに製品化されているのは、緑色の540nm程度までであった。
図7は、特許文献1の「半導体結晶膜の成長方法」により成長させた青色発光ダイオードの断面構造図である。この方法で成長させた活性層であるInGaN(In0.06Ga0.94N)中のInのモル分率yは0.06であり、赤色LEDに必要な約0.7に比べて低く(0.06)、赤(R)を発光する赤色LEDを形成することができない欠点があった。
すなわち、この例では窒素の前駆体としてアンモニアを用いているが、アンモニアはN−Hの結合エネルギーが大きいため、基板上で反応させるためには、基板温度をできるだけ上げる必要がある。ところが、赤を発光させるInGaNは、Inの組成が高く、上述したように、InNのモル分率yが高くなると、分解温度が約650℃程度まで下がっているため、この方法では、基板温度が高すぎ、赤発光のInGaNは成長させることができなかった。
これに対し、特許文献2の「半導体結晶膜の成長方法」では、上述したように、基板表面に高出力パルスレーザを照射させてその照射部分にInGaN(活性層)を成長させることにより、約400℃以上、約650℃未満の温度において、Inのモル分率yを高めることに成功している。
しかし、InGaN系発光ダイオードを製造するためには、活性層を挟んでn型クラッド層とp型クラッド層を形成する必要があり、このうち p型クラッド層を構成するp型窒化物半導体は従来の方法では1000℃以上の高温で成長させる必要があり、さらに、その後、窒素雰囲気中で700℃に保持する等のアニーリング処理を行なう必要があった。
そのため、活性層としてInのモル分率yが高いInGaN(活性層)を成長できても、その後のp型窒化物半導体の成長(1000℃以上の高温)において、InGaNが熱分解あるいは偏析することにより、結晶品質が低下してしまう問題点があった。
また、p型窒化物半導体の成長の後、窒素雰囲気中で700℃に保持する等のアニーリング処理が必要となるため、結晶品質が低下するばかりでなく、工程数が多く、時間およびコストがかかる問題点があった。
さらに、非特許文献1、2のように、紫外線やYAGレーザを照射してアニーリング温度を下げたとしても、工程数が多く、時間およびコストがかかる問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、活性層であるInGaNのInモル分率が高い場合でも、その上に、活性層の結晶品質を低下させることなく、かつアニーリング処理等の活性化処理を必要とすることなく、低抵抗のp型窒化物半導体を成長させることができる方法を提供することにある。
本発明によれば、活性層であるInを含む窒化物半導体を反応容器内に収容し、前記窒化物半導体をその結晶品質が低下しない温度に保持しながら、成長させるp型窒化物半導体の前駆体とp型ドーパントを反応容器内に供給し、同時に前記窒化物半導体の表面にパルスレーザを照射する、ことを特徴とするp型窒化物半導体の成長方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、パルスレーザの照射部分の温度をp型窒化物半導体の成長に必要な温度まで瞬間的に高めながら、前記窒化物半導体をその結晶品質が低下しない温度に保持する。
前記パルスレーザの光子エネルギーは、成長させるp型窒化物半導体のバンドギャップより大きく、かつ前記p型ドーパントと水素の複合体の解離エネルギーより大きい。
前記パルスレーザは、波長が193nm以上、355nm以下のエキシマレーザ又はYAGレーザである、ことが好ましい。
また前記p型窒化物半導体の前駆体は、TMI(トリメチルインジウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、アンモニア、TMNH(トリメチルアミン)TMGa(トリメチルガリウム)、TEG(トリエチルガリウム)及び/又はN(ヒドラジン)の組み合わせであり、
前記p型ドーパントは、Be,Zn,Mg,Cd,Sr,Caのいずれか又はその組み合わせである。
上記本発明の方法によれば、活性層であるInを含む窒化物半導体を結晶品質が低下しない温度(例えば約650℃以下)に保持しながら、窒化物半導体の表面にパルスレーザを照射するので、窒化物半導体の品質低下を防止しながら、パルスレーザの照射部分のみを瞬間的かつ局部的に加熱し、p型窒化物半導体の成長に必要な温度(例えば1000℃以上)に到達させることができる。
これにより、窒化物半導体の品質低下を防止しながら、p型窒化物半導体の表面反応および表面原子の拡散を促進させ、結晶品質の良いp型窒化物半導体を成長させることができる。
また、成長させるp型窒化物半導体のバンドギャップより大きく、かつp型ドーパントと水素の複合体の解離エネルギーより大きい光子エネルギーをもつパルスレーザを照射することにより、p型窒化物半導体の吸収率が高いため、効率よく照射部分のみを瞬間的かつ局部的に加熱でき、同時にp型ドーパントと水素の複合体を解離させて、成長膜中への水素の混入を抑制し、p型の不純物と水素の複合体の形成を阻害することで、活性化処理なしでp型窒化物半導体を形成できる。
従って、以下の効果が得られる。
(1)成長温度は低い(例えば約650℃以下)にもかかわらず、瞬間的に1000℃以上に到達することができるため、表面反応および表面原子の拡散を促進させ、結晶品質の良いp型窒化物半導体を得ることができる。
(2)瞬間的な温度上昇であるため、活性層に含まれるInの分解および偏析を抑制することができる。
(3)表面に発生するキャリアにより、成長膜中への水素の混入を抑制するため、p型の不純物と水素の複合体の形成を阻害することで、活性化処理なしでp型窒化物半導体を形成できる。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の方法によりp型窒化物半導体を成長させる半導体成長装置の模式図である。
この半導体成長装置は、反応容器10、レーザ照射装置12、レーザコントローラ14、ステージコントローラ16及び制御装置18を備える。
反応容器10は、内部に窒化物半導体1を収容し、排気装置10a(例えば真空ポンプ)及びガス導入装置10bにより内部を所定の圧力及びガス雰囲気に調整できる気密容器である。内部圧力は、成長させるp型窒化物半導体2に応じて加圧又は減圧するようになっている。
レーザ照射装置12は、この例ではレーザ発振器12a、光学系12b、ビームホモジナイザ12c、及びミラー12dからなる。
レーザ発振器12aは、レーザコントローラ14により制御され、所定のパルスレーザ3を発生・放射する。
このパルスレーザ3は、光学系12bとビームホモジナイザ12cを通り、ミラー12dで下向きに反射され、反応容器10に設けられた開口(図示せず)を通して、窒化物半導体1の表面に照射される。
パルスレーザ3は、ミラー12dの揺動又は光学系12bの移動により、パルスレーザの照射部分4を窒化物半導体1の表面に沿って走査する。
また、ステージコントローラ16により、窒化物半導体1を二次元的に移動できるようになっている。ステージコントローラ16はさらに、窒化物半導体1を加熱して所定の温度に保持する加熱保持装置(図示せず、例えばヒータ)を備える。
制御装置18は、入力装置、記憶装置、表示装置を備えるコンピュータであり、レーザコントローラ14及びステージコントローラ16を制御する。
なお、レーザコントローラ14、ステージコントローラ16及び制御装置18を単一の制御装置(例えばコンピュータ)で構成してもよい。
本発明の方法によれば、活性層であるInを含む窒化物半導体1を反応容器10内に収容し、反応容器10内で図示しない加熱保持装置により窒化物半導体1の結晶品質が低下しない温度に保持される。結晶品質が低下しない温度は、窒化物半導体1(例えばInGaN)中のInのモル分率が高い場合(例えば約0.7以上)、約400℃以上、約650℃未満であるのがよい。
また、窒化物半導体1をその結晶品質が低下しない温度に保持しながら、成長させるp型窒化物半導体2の前駆体とp型ドーパントをガス導入装置10bにより反応容器10内に供給し、同時にレーザ照射装置12により窒化物半導体1の表面にパルスレーザ3を照射する。
さらに、レーザコントローラ14により、パルスレーザ3の照射部分4の温度をp型窒化物半導体2の成長に必要な温度まで高めながら、窒化物半導体1をその結晶品質が低下しない温度に保持するように、レーザ発振器12aの出力を制御する。
窒化物半導体1は、Inを含む窒化物半導体であり、例えば、InGa1−yNの半導体被膜であり、活性層(発光層)として機能することが好ましい。
なお、InGaN中のInのモル分率yは、約0.65μmの波長の赤(R)を発光するように十分高い(例えば約0.35以上)ことが好ましいが、本発明はこれに限定されず、青(約0.46〜49μm)、緑(約0.50〜55μm)を発光するInのモル分率yであってもよい。
p型窒化物半導体の前駆体は、TMI(トリメチルインジウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、アンモニア、TMNH(トリメチルアミン)TMGa(トリメチルガリウム)、TEG(トリエチルガリウム)及び/又はN(ヒドラジン)の組み合わせであるのがよい。
またp型ドーパントは、Be,Zn,Mg,Cd,Sr,Caのいずれか又はその組み合わせであるのがよい。
パルスレーザ3は、その光子エネルギーが、成長させるp型窒化物半導体2のバンドギャップより大きく、かつp型窒化物半導体2にドープずるp型ドーパントと水素の複合体の解離エネルギーより大きいものを用いる。
p型窒化物半導体2がp-GaNである場合、そのバンドギャップは、約3.5eVである。また、p型ドーパントがMgである場合、Mg-H複合体の解離エネルギーは約2.33eVである。
従って、p型窒化物半導体2がp-GaNである場合、パルスレーザ3は、その光子エネルギーが約3.5eVより大きいもの、すなわち波長が193nm以上、355nm以下のエキシマレーザ又はYAGレーザであるのがよい。
例えば、エキシマレーザのうちArF(波長193nm、光子エネルギー6.4eV)、KrF(波長248nm、光子エネルギー5.0eV)、XeCl(波長308nm、光子エネルギー4.0eV)、XeF(波長351nm、光子エネルギー3.5eV)、F(波長157nm、光子エネルギー7.9eV)、YAGレーザのうち第3高調波(波長355nm、光子エネルギー3.5eV)、第4高調波(波長266nm、光子エネルギー4.7eV)、第5高調波(波長213nm、光子エネルギー5.8eV)を用いることができる。
本発明の方法では、窒化物半導体1の表面にパルスレーザ3を集光して照射し、その照射部分にp型窒化物半導体2を成長させる。その他の方法は、MOCVD(有機金属気相成長法)またはMOMBE(有機金属分子ビームエピキタシー法)と同様である。
上述した本発明の方法によれば、Inを含む窒化物半導体1を反応容器10内で例えば約400℃以上、約650℃未満の温度に保持するので、窒化物半導体1を構成するInGa1−yNの熱分解を防止することができる。
また、活性層であるInを含む窒化物半導体1を結晶品質が低下しない温度(例えば約650℃以下)に保持しながら、窒化物半導体1の表面にパルスレーザ3を照射するので、窒化物半導体1の品質低下を防止しながら、パルスレーザの照射部分4のみを瞬間的かつ局部的に加熱し、p型窒化物半導体2の成長に必要な温度(例えば1000℃以上)に到達させることができる。
また、成長させるp型窒化物半導体2のバンドギャップより大きく、かつp型ドーパントと水素の複合体の解離エネルギーより大きい光子エネルギーをもつパルスレーザ3を照射することにより、p型窒化物半導体2の吸収率が高いため、効率よく照射部分4のみを瞬間的かつ局部的に加熱でき、同時にp型ドーパントと水素の複合体を解離させて、成長膜中への水素の混入を抑制し、p型の不純物と水素の複合体の形成を阻害することで、活性化処理なしでp型窒化物半導体2を形成できる。
なお、本発明は上述した実施例及び実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。例えば、図2(B)のように、GaNバッファ層の上に、p-GaN、p-AlGaNを成膜する場合にも、同様に適用することができる。
本発明によりp型窒化物半導体を成長させる装置の模式図である。 InGaN系発光ダイオードの断面構造図である。 特許文献1の半導体結晶膜の成長方法の模式図である。 紫外線照射時のアニーリング温度と電気抵抗との関係図である。 主な半導体のバンドギャップと格子定数の関係図である。 InGaN中のInNのモル分率yと平衡温度との関係図である。 特許文献1に方法によるInGaN系発光ダイオードの断面構造図である。
符号の説明
1 窒化物半導体、2 p型窒化物半導体、
3 パルスレーザ、4 照射部分、
10 反応容器、10a 排気装置、10b ガス導入装置、
12 レーザ照射装置、12a レーザ発振器、12b 光学系、
12c ビームホモジナイザ、12d ミラー、
14 レーザコントローラ、16 ステージコントローラ、
18 制御装置

Claims (5)

  1. 活性層であるInを含む窒化物半導体を反応容器内に収容し、前記窒化物半導体をその結晶品質が低下しない温度に保持しながら、成長させるp型窒化物半導体の前駆体とp型ドーパントを反応容器内に供給し、同時に前記窒化物半導体の表面にパルスレーザを照射する、ことを特徴とするp型窒化物半導体の成長方法。
  2. パルスレーザの照射部分の温度をp型窒化物半導体の成長に必要な温度まで瞬間的に高めながら、前記窒化物半導体をその結晶品質が低下しない温度に保持する、ことを特徴とする請求項1に記載のp型窒化物半導体の成長方法。
  3. 前記パルスレーザの光子エネルギーは、成長させるp型窒化物半導体のバンドギャップより大きく、かつ前記p型ドーパントと水素の複合体の解離エネルギーより大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のp型窒化物半導体の成長方法。
  4. 前記パルスレーザは、波長が193nm以上、355nm以下のエキシマレーザ又はYAGレーザである、ことを特徴とする請求項3に記載のp型窒化物半導体の成長方法。
  5. 前記p型窒化物半導体の前駆体は、TMI(トリメチルインジウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、アンモニア、TMNH(トリメチルアミン)、TMGa(トリメチルガリウム)、TEG(トリエチルガリウム)及び/又はN(ヒドラジン)の組み合わせであり、
    前記p型ドーパントは、Be,Zn,Mg,Cd,Sr,Caのいずれか又はその組み合わせである、ことを特徴とする請求項1に記載のp型窒化物半導体の成長方法。

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