JP2008294077A - 配線基板の製造方法及び配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂−金属コンポジット層の厚さが10〜 200nmと薄い場合であってもめっき被膜の密着強度を向上させる。
【解決手段】樹脂−金属コンポジット層にめっき処理を行った後に樹脂基板を熱処理し、樹脂マトリックスを収縮させる。
析出しためっき金属が収縮した樹脂に取り囲まれるため、めっき被膜の密着強度がさらに向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板の製造方法と、その製造方法で製造された配線基板に関する。本発明の配線基板は、液晶ディスプレイ、電子回路基板など、種々の分野に利用することができる。
成形が容易であること、強度などの特性値の自由度が高いこと、軽量であることなどの特徴から、従来の金属分野への樹脂の進出が目覚ましく行われている。ところが樹脂は、導電性を有しないこと、硬度が低いこと、などの短所も有するために、金属などと複合化することでこれらの短所を解消することが行われている。
例えば樹脂に導電性を付与する方法として、樹脂中に導電性金属あるいは炭素繊維などの粉末を混合する方法がある。しかし高い導電性を付与するためには、導電性物質の添加量を多くする必要があり、物性面での不具合やコストが高くなるという不具合がある。そこで、樹脂の表面に金属あるいは ITOなどの導電性酸化物の皮膜を形成する方法などが知られている。導電皮膜の形成には、蒸着、スパッタリングなどの物理的方法、あるいは無電解めっきなどの化学的方法が知られている。しかし物理的方法では、真空槽が必要になるなど、装置が大掛かりになるためスペース面あるいは生産性における制約が大きいという問題があり、その結果コストが上昇するという欠点がある。
また樹脂表面に無電解めっきにより金属皮膜を形成した場合には、金属皮膜と樹脂との密着強度が低く、金属皮膜が剥離し易いという問題があった。そのため樹脂素材に対して化学的エッチング処理を行って表面を粗面化し、その後無電解めっき処理する工程が一般に行われている。しかしエッチングによって粗面化する方法では、表面平滑性が低下するとともに、クロム酸、過マンガン酸、硫酸などの毒劇物を用いる必要があり、廃液処理などに問題がある。
そこで特開2002−309377号公報には、樹脂素材をオゾン溶液に接触させた後、界面活性剤とアルカリ成分とを含む溶液で処理し、その後に無電解めっきを行うことが記載されている。この方法によれば、オゾンによる酸化によって樹脂素材表面の二重結合が切断され、極性基が生成される。またアルカリ成分によって脆化層が除去され、界面活性剤が極性基に吸着する。そして無電解めっきに先立つ触媒処理時には、極性基に吸着している界面活性剤に触媒が吸着するため、無電解めっき時に金属が極性基に結合しやすくなり、無電解めっき皮膜の密着強度が向上する。
さらに特開2005−042029号公報には、樹脂基板と、樹脂基板の表面に一体的に形成され樹脂マトリックス中に微細な金属粒子が均一に分散してなる樹脂−金属コンポジット層と、からなる樹脂−金属コンポジット層をもつ樹脂基板とその製造方法が提案されている。
この樹脂−金属コンポジット層をもつ樹脂基板によれば、樹脂−金属コンポジット層によって導電性、耐摩耗性、耐光性、難燃性などの特性を付与することができ、また樹脂−金属コンポジット層を透明あるいは半透明とすることができるため、液晶ディスプレイ、電子回路基板など、種々の用途に用いることができる。そしてこの製造方法によれば、真空槽などの設備を不要として樹脂−金属コンポジット層を容易に形成することができるので、工数が小さく短時間で製造できる。
ところで一般的な配線基板においては、基板上における配線どうしの間隔は 100μm以上存在しているが、小型高密度部品の配線基板は、基板上における配線どうしの間隔を 100μm以下とする必要がある。
特開2005−042029号公報に記載の技術を用いて樹脂−金属コンポジット層を形成し、その表面に無電解めっきによってこのように間隔の狭い配線を形成した場合には、配線どうしの間に存在する樹脂−金属コンポジット層を後工程のエッチングで除去する必要がある。
ところが特開2005−042029号公報に記載の技術では、樹脂−金属コンポジット層の厚さが20〜 200nm程度と薄い場合には、めっき皮膜の密着強度が低いという問題があった。そこで樹脂−金属コンポジット層の厚さを 200nmを超える厚さとする必要がある。しかしこの技術においては、無電解めっき後にはめっき皮膜が樹脂間に入り込んだ構造となっている。そのため 200nmを超える厚さの樹脂−金属コンポジット層が形成された場合には、エッチングによっても配線間のめっき皮膜及び樹脂−金属コンポジット層を完全に除去することが困難であり、絶縁不良の問題が生じる。
特開2002−309377号公報 特開2005−042029号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、特開2005−042029号公報に記載の技術を用いて樹脂基板に樹脂−金属コンポジット層を形成し、それを用いて配線基板を製造するにあたって、樹脂−金属コンポジット層の厚さが10〜 200nmと薄い場合でもめっき皮膜の密着強度を向上させることを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の配線基板の製造方法の特徴は、樹脂基板を用意する準備工程と、樹脂基板をオゾン溶液で処理し表面に極性基をもつ改質層を形成するオゾン処理工程と、改質層に金属化合物溶液を接触させ触媒金属のコロイド及びイオンの少なくとも一方を極性基に吸着させ改質層に触媒金属微粒子を分散させて樹脂−金属コンポジット層を形成する吸着工程と、樹脂−金属コンポジット層に所定パターンでめっき処理を行い所定パターンの配線部を形成するめっき工程と、配線部が形成された樹脂基板を熱処理し樹脂基板の樹脂マトリックスを収縮させる熱処理工程と、をこの順で行うことにある。
また本発明の配線基板の特徴は、本発明の製造方法で製造された配線基板であって、硬化温度の異なる少なくとも二種の熱硬化性樹脂の混合物又は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合物からなる樹脂基板と、樹脂基板の表面に一体的に形成され樹脂マトリックス中に微細な金属粒子が均一に分散してなる樹脂−金属コンポジット層と、樹脂−金属コンポジット層に所定パターンで形成されためっき皮膜よりなる配線部と、からなり、樹脂−金属コンポジット層の厚さは10〜 200nmであることにある。
樹脂基板をオゾン溶液で処理すると、樹脂基板の表面にナノ(nm)レベル以下の細孔が生じる。吸着工程では、触媒金属のコロイド及びイオンの少なくとも一方がこの細孔に浸入するため、めっき工程においてめっき処理液が細孔に入り込み、細孔にもめっき皮膜が形成される。したがって樹脂−金属コンポジット層の厚さが10〜 200nmと薄くても、アンカー効果によってめっき皮膜の密着強度が向上する。
さらに本発明の製造方法では、めっき工程後に熱処理工程を行うことによって、樹脂基板の樹脂マトリックスが収縮する。これによって微細な細孔に形成されためっき金属が収縮した樹脂に取り囲まれ、めっき皮膜の密着強度がさらに向上する。
また本発明の製造方法によれば、真空槽などの設備を不要として樹脂−金属コンポジット層を容易に形成することができるので、工数が小さく短時間で製造できる。したがって、上記した優れた特性をもつ配線基板を安価にかつ確実に製造することができる。
本発明に用いられる樹脂基板は、熱処理によって樹脂マトリックスが収縮するものである。このような樹脂基板としては、硬化温度の異なる少なくとも二種の熱硬化性樹脂の混合物からなるもの、あるいは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合物からなるものを用いることができる。
硬化温度の異なる少なくとも二種の熱硬化性樹脂の混合物としては、例えばシアナト基を有する芳香族系シアネート化合物と、エポキシ基を有する芳香族エポキシ樹脂と、を含む樹脂を用いることができる。硬化温度は芳香族エポキシ樹脂が芳香族シアネート化合物より低く、硬化温度の差によって熱処理時に樹脂マトリックスを収縮させることができる。
シアナト基を有する芳香族系シアネート化合物の好ましい例としては、例えばビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート))、4,4'-メチレンビス( 2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4'-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、それらが一部トリアジン化したプレポリマー等を挙げることができる。これらのシアネート化合物は各々単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エポキシ基を有する芳香族系エポキシ樹脂とは、分子中にエポキシ基を有し、かつ分子中に芳香環骨格を有するエポキシ樹脂をいう。エポキシ基を有する芳香族系エポキシ樹脂の好ましい例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、さらにはこれらの臭素化エポキシ樹脂やリン変性エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は各々単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記した樹脂基板は、完全硬化しない程度の半硬化状態として用いることもできる。半硬化状態とするには、上記した樹脂基板を 150℃で30分間加熱する半硬化熱処理工程を行う。この程度の加熱によって、シアナト基とエポキシ基との反応がある程度進行してオキサゾリンあるいはトリアジン環が生成する。半硬化状態とすることで、オゾン溶液による浸食度合いが変化し、樹脂−金属コンポジット層の厚さと密着性との関係が変化してより好ましい範囲となる場合がある。
本発明にいう樹脂基板としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合物からなるものを用いることもできる。熱処理時に熱可塑性樹脂が可塑化した状態で熱硬化性樹脂が硬化することで、樹脂マトリックスを収縮させることができる。
この場合の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが例示され、熱可塑性樹脂としてはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、AS、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
樹脂基板には、無機充填材を添加してもよい。無機充填材としては、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。特にシリカが好ましい。無機充填材は平均粒径5μm以下のものが好ましい。平均粒径が5μmを超える場合、回路パターンを形成する際にファインパターンの形成を安定的行うのが困難になる場合がある。また無機充填材は耐湿性を向上させるため、またはマトリックス樹脂との密着性を高めるため、シランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理してあるものが好ましい。
更に樹脂基板には上記成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて各種添加剤が含まれていてもよい。
オゾン処理工程では、樹脂基板をオゾン溶液で処理して表面に極性基をもつ改質層を形成する。この改質層は、樹脂基板の表面に形成されるナノ(nm)レベル以下の細孔を有する層である。オゾン溶液で処理するには、オゾン溶液中に樹脂基板を浸漬する方法、樹脂基板にオゾン溶液をスプレーする方法などがある。樹脂基板をオゾン溶液中に浸漬する方法によれば、スプレーによる接触に比べてオゾン溶液からオゾンが離脱し難いので好ましい。
オゾン溶液中のオゾン濃度は、樹脂基板表面の活性化に大きく影響を及ぼし、 10ppm程度から活性化の効果が見られるが、20ppm 以上とすればその活性化の効果が飛躍的に高まり、より短時間の処理が可能である。また濃度が低いと劣化が先行する場合があるので、オゾン濃度は高い方が好ましい。オゾン溶液中のオゾンによる酸化によって、改質層にはOH基、 C=O基、COOH基などの極性基が生成する。
オゾン溶液は、通常は水を溶媒とするが、有機又は無機の極性溶媒を溶媒とすることも好ましい。これにより処理時間をさらに短縮することが可能となる。有機極性溶媒としては、メタノール,エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、蟻酸,酢酸などの有機酸類、あるいはこれらを水やアルコール系溶媒と混合したものが例示される。また無機極性溶媒としては、硝酸、塩酸、フッ化水素酸などの無機酸が例示される。
なおオゾン処理工程における処理温度は、原理的には高いほど反応速度が大きくなるが、温度が高くなるほどオゾン溶液中のオゾンの溶解度が低くなり、40℃を超える温度においてオゾン溶液中のオゾン濃度を40ppm 以上とするには、処理雰囲気を大気圧以上に加圧する必要があり、装置が大がかりなものとなる。処理温度は、室温程度でも可能である。
オゾン処理工程におけるオゾン溶液と樹脂基板との接触時間は、樹脂種によって異なるが、2〜30分とするのが好ましい。2分未満では、オゾン濃度を20ppm 以上としてもオゾン処理による効果の発現が困難となり、30分を超えると樹脂基板の劣化が生じるようになる。
またオゾン処理工程において、高濃度オゾン溶液を樹脂基板表面に接触させた状態で紫外線を照射することも好ましい。照射される紫外線は、 310nm以下の波長のものが好ましく、 260nm以下、さらには 150〜 200nm程度のものが望ましい。また紫外線照射量は、50mJ/cm2 以上とすることが望ましい。このような紫外線を照射できる光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、エキシマレーザー、バリア放電ランプ、マイクロ波無電極放電ランプなどを用いることができる。
樹脂基板をオゾン溶液中に浸漬した状態で紫外線を照射するには、紫外線光源をオゾン溶液中に入れた状態で照射してもよいし、オゾン溶液の液面上方から照射してもよい。またオゾン溶液の容器を透明石英など紫外線透過性の材料から形成したものとすれば、オゾン溶液の容器外部から照射することもできる。
オゾン処理工程の後に、改質層に少なくともアルカリ成分を含むクリーナコンディショナ溶液を接触させるC/C処理工程をさらに行うことが望ましい。アルカリ成分は、改質層の表面を分子レベルで水に可溶化する機能をもち、改質層表面の脆化層を除去して極性基をより多く表出させるため、吸着工程において金属微粒子をより多く生成することができる。このアルカリ成分としては、改質層の表面を分子レベルで溶解して脆化層を除去できるものを用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどを用いることができる。
またクリーナコンディショナ溶液には、界面活性剤をさらに含むことが望ましい。この界面活性剤は、改質層に存在する極性基にその疎水基が吸着しやすいと考えられ、極性基の大部分に吸着させることができる。したがって吸着工程において、金属粒子をより多く生成することができる。
この界面活性剤としては、COOH、 C=O及びC-OHからなる少なくとも一つの極性基に対して疎水基が吸着しやすいものが用いられる。界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンドデシルエーテルなどが例示される。
界面活性剤とアルカリ成分とを含むクリーナコンディショナ溶液の溶媒としては、極性溶媒を用いることが望ましく、水を代表的に用いることができるが、場合によってはアルコール系溶媒あるいは水−アルコール混合溶媒を用いてもよい。またクリーナコンディショナを改質層と接触させるには、クリーナコンディショナ溶液中に樹脂基板を浸漬する方法、改質層にクリーナコンディショナ溶液を塗布する方法などで行うことができる。
クリーナコンディショナ溶液中の界面活性剤の濃度は、0.01〜10g/Lの範囲とすることが好ましい。界面活性剤の濃度が0.01g/Lより低いと金属粒子の生成量が低下し、10g/Lより高くなると、改質層に界面活性剤が会合状態となって余分な界面活性剤が不純物として残留するため、金属粒子の生成量が低下するようになる。この場合には、樹脂基板を水洗して余分な界面活性剤を除去すればよい。
またクリーナコンディショナ溶液中のアルカリ成分の濃度は、pH値で10以上が望ましい。pH値が10未満であっても効果は得られるが、表出する極性基が少ないために、所定量の金属粒子を生成するための時間が長大となってしまう。pH値が10以上で、表面脆化層の除去処理が早くなる。
クリーナコンディショナ溶液と改質層との接触時間は特に制限されないが、10℃で1分以上とするのが好ましい。接触時間が短すぎると、極性基に吸着する界面活性剤量が不足する場合がある。しかし接触時間が長くなり過ぎると、極性基が表出した層まで溶解する場合がある。1〜10分間程度で十分である。また温度は高い方が望ましく、温度が高いほど接触時間を短縮することが可能であるが、10〜70℃程度で十分である。
吸着工程は、改質層に金属化合物溶液を接触させ触媒金属のコロイド及びイオンの少なくとも一方を含む金属化合物溶液を改質層に浸入させて樹脂−金属コンポジット層を形成する工程である。改質層では樹脂の分子鎖の切断などによって極性基が形成されているので、その極性基に触媒金属のコロイドあるいはイオンが吸着することで、樹脂−金属コンポジット層が形成される。
金属化合物溶液としては、金属錯イオンを含むアルカリ性のもの、あるいは金属コロイドを含む酸性のものが知られ、いずれも用いることができるが、金属粒径が小さいアルカリ性のものが好ましい。改質層への浸透性、分散性が良いため、めっき皮膜の密着強度がより向上するからである。なお触媒金属とは、無電解めっき時の触媒となるものであり、Pdが一般的であるがAgなども用いることができる。
改質層に金属化合物溶液を接触させるには、改質層が形成されている樹脂基板の表面に金属化合物溶液をスプレーなどで塗布してもよいし、金属化合物溶液中に樹脂基板を浸漬することもできる。これによって金属化合物溶液が改質層の表面から内部に拡散浸透し、極性基に金属化合物のイオンあるいはコロイドが吸着し、還元反応により金属化合物がナノレベルの微細な金属粒子となって樹脂−金属コンポジット層が形成される。
樹脂−金属コンポジット層の厚さは10〜 200nmの範囲が好ましい。厚さが10nm未満では導電性の発現が困難となり、 200nmを超えると後述のエッチング時に配線間の樹脂−金属コンポジット層を除去することが困難となり絶縁不良の問題が生じる。10〜 200nmの範囲とすることで、エッチングによって樹脂−金属コンポジット層を容易に除去することができ、L/S=10/10μm以下の微細配線形成が可能となる。
めっき工程では、樹脂−金属コンポジット層に所定パターンでめっき処理を行うことにより配線部を形成する。所定パターンを形成するには、先ずレジストを形成しその後にめっき処理を行えばよい。また配線部はCuをめっきしてもよいし、Niなどをめっきしてもよい。Niなどをめっきした場合は、さらにCuをめっきする工程を行う。なお、めっき工程後に上記した熱処理工程を行ってもよい。
配線部を形成するには、予め樹脂基板にレジストでパターンを形成し配線部のみに樹脂−金属コンポジット層を形成することができる。この場合はレジストを残した状態で配線基板を製造することができる。また、樹脂基板に樹脂−金属コンポジット層を全面に形成し、さらに無電解めっきを行い、レジスト工程でパターンを形成し電解めっきを行い、レジストを除去し配線部以外の無電解めっきを除去する方法、あるいは樹脂−金属コンポジット層を全面に形成し、無電解めっき、電解めっきを行いその後、レジスト工程でパターンを形成しレジストのない部分のめっきを除去し、その後レジストを除去する方法も可能である。これらの場合でも、本発明によれば樹脂−金属コンポジット層が薄いので、エッチングによってパターンの不要部の樹脂−金属コンポジット層を容易に除去することができ、絶縁不良を未然に防止することができる。
めっき処理の条件は制限されず、従来のめっき処理と同様に行うことができる。またエッチングには、研磨など物理的な除去法、酸エッチング、逆電解法で溶解する方法などを利用することができる。
めっき工程の後に、配線部が形成された樹脂基板を熱処理し、樹脂基板の樹脂マトリックスを収縮させる熱処理工程を行う。これにより樹脂基板内での硬化反応が進行し、樹脂マトリックス中に触媒金属の粒子が強固に保持されるため、めっき皮膜の密着強度がさらに向上する。この熱処理工程における加熱温度は、樹脂基板を構成する樹脂種によって異なるが、一般には 100〜 210℃であり、樹脂マトリックスが収縮する温度で行う。
めっき工程において無電解めっき工程と電気めっき工程とを行う場合には、熱処理工程は無電解めっき工程の後に行ってもよいし、電気めっき工程の後に行ってもよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
(1)<半硬化熱処理工程>
芳香族シアネート化合物(「BA230S75]ロンザジャパン社製)と、芳香族系エポキシ樹脂を含む樹脂(「エピュート828EL」ジャパンエポキシレジン社製)、球状シリカ及び溶媒としてメチルエチルケトンからなる樹脂基板を用意し、 150℃で30分間加熱して半硬化状態とした。
(2)<オゾン処理工程>
この半硬化状態の樹脂基板を、 40PPMのオゾンを含有するオゾン水溶液に浸漬し、室温で4分間浸漬するオゾン処理工程を行った。処理工程前後の樹脂基板の表面をFT−IRで分析したところ、処理工程後の樹脂基板の表面には、カルボニル基(-C=O)及びヒドロキシル基(−OH)に起因する吸収ピークが観察された。
(3)<C/C処理工程>
オゾン処理工程後の樹脂基板を、65℃に加温されたクリーナコンディショナ溶液(「OPC370コンディクリーンM」奥野製薬工業社製)に5分間浸漬した。
(4)<触媒吸着工程>
C/C処理工程後の樹脂基板を水洗・乾燥後、Pd錯イオンを含むアルカリ性のキャタリスト(「OPC50インデューサA及びC」奥野製薬工業社製)に40℃で5分間浸漬し、次いでPd還元液(「OPC150クリスターMU」奥野製薬工業社製)に室温で6分間浸漬した。
得られた配線基板の断面をTEMにより分析したところ、表面から70nmの深さの範囲にPdが集中して分布していることが認められ、厚さ70nmの樹脂−金属コンポジット層が形成されていることが確認された。
(5)<無電解めっき工程>
上記で得られた基板を32℃に保温されたCu化学めっき浴中に浸漬し、20分間Cuめっき皮膜を析出させた。析出したCuめっき皮膜の厚さは 0.5μmである。
(6)<熱処理工程>
上記で得られた基板を 105℃で30分間加熱し、その後 150℃で30分間加熱した。
(7)<パターン形成工程>
次いでフォトレジスト、露光、現像処理でパターン形成した。
(8)<電気めっき工程>
次いで銅めっき浴中にて、電流密度3A/dm2を45分間印加し、配線パターン上にさらに厚さ25μmのCuめっき皮膜を形成した。その後フォトレジストを薬剤にて除去した後に、 180℃で 120分間加熱し、基板を完全硬化させプリント配線基板を得た。その後、エッチング液を使い配線間などの不要な化学Cuめっき部分を除去した。このプリント配線基板には、L/S=10/10μmの微細配線パターンが形成された。
(実施例2)
半硬化熱処理工程における加熱時間を15分間としたこと以外は実施例1と同様にして、プリント配線基板を得た。
(実施例3)
半硬化熱処理工程における加熱時間を45分間としたこと以外は実施例1と同様にして、プリント配線基板を得た。
(比較例)
樹脂基板として、エポキシ樹脂(「ABF−GX13」味の素社製)から形成された樹脂基板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、プリント配線基板を得た。
<試験・評価>
実施例1〜4及び比較例のプリント配線基板について、めっき皮膜の密着力をJIS H 8504に規定されるピール強度によって測定した。結果を表1及び図1に示す。
Figure 2008294077
表1及び図1から、実施例1〜3のプリント配線基板は比較例に比べてめっき皮膜の密着強度が高いことが明らかである。比較例では熱処理工程において収縮が生じていないので、この効果は熱処理工程において収縮が生じた効果であり、芳香族シアネート化合物と芳香族系エポキシ樹脂を含む樹脂から形成された樹脂基板を用いた効果であることが明らかである。
また実施例1〜3の比較より、半硬化熱処理工程における処理時間には最適範囲が存在することが示唆される。半硬化熱処理時間が短すぎるとオゾン処理時の酸化反応によって樹脂基板の強度が低下すると考えられる。また逆に半硬化熱処理が長すぎると、めっき後の熱処理工程における樹脂マトリックスの収縮程度が小さくなると考えられる。
すなわち本実施例の配線基板の製造方法によれば、樹脂−金属コンポジット層の厚さが 200nm以下であっても、めっき皮膜は実用上十分な密着強度を有している。したがって配線間の不要な樹脂−金属コンポジット層をエッチングによって容易に除去することができ、絶縁不良の問題なく微細配線パターンを形成することができる。
またオゾン処理によるため、実施例の配線基板の配線部における表面粗さは、Ra値で0.05μm、Rz値で 1.0μmであり、平滑性が高く、高周波特性にも優れている。
プリント配線基板におけるめっき皮膜の密着強度を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 樹脂基板を用意する準備工程と、
    該樹脂基板をオゾン溶液で処理し表面に極性基をもつ改質層を形成するオゾン処理工程と、
    該改質層に金属化合物溶液を接触させ触媒金属のコロイド及びイオンの少なくとも一方を該極性基に吸着させ該改質層に触媒金属微粒子を分散させて樹脂−金属コンポジット層を形成する吸着工程と、
    該樹脂−金属コンポジット層に所定パターンでめっき処理を行い所定パターンの配線部を形成するめっき工程と、
    該配線部が形成された該樹脂基板を熱処理し該樹脂基板の樹脂マトリックスを収縮させる熱処理工程と、をこの順で行うことを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 前記樹脂基板は、硬化温度の異なる少なくとも二種の熱硬化性樹脂の混合物からなる請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記樹脂基板は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合物からなる請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  4. 請求項1に記載の製造方法で製造された配線基板であって、
    硬化温度の異なる少なくとも二種の熱硬化性樹脂の混合物又は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合物からなる樹脂基板と、該樹脂基板の表面に一体的に形成され樹脂マトリックス中に微細な金属粒子が均一に分散してなる樹脂−金属コンポジット層と、該樹脂−金属コンポジット層に所定パターンで形成されためっき被膜よりなる配線部と、からなり、
    該樹脂−金属コンポジット層の厚さは10〜 200nmであることを特徴とする配線基板。
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