JP2008293316A - Ed表示機能付きicカード - Google Patents

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Abstract

【課題】熱転写法による印字性及び印画性に優れ、耐久性が良好なED表示機能付きICカードを提示することである。
【解決手段】基材上に、金属の溶解/析出を生じさせる一対の電極を有するエレクトロンデポジション(EDと略す)表示部を有するED表示機能付きICカードであって、ED表示部の少なくとも一部に接するように軟質下敷き層を設けることを特徴とするED表示機能付きICカード。
【選択図】図1

Description

本発明はICカードに関し、特に金属の溶解/析出を生じさせる一対の電極を有するED表示機能付きICカードに関する。
近年、ICカードの普及により、各個人が複数枚のカードを所有するようになっている。ICカードは銀行カードやクレジットカードの他に、現金をチャージして物を購入するという、現金の代わりの電子マネーとしての機能や、店舗で購入した金額に対して一定の割合のポイントを付与し、その店でお金と同等の役割をするポイントカードとしての機能を持つようになってきた。
電子マネーやポイントカードとしての機能を持つようになると、カードの中にどれくらいの価値のお金又はポイントがあるか記憶していることは難しく、表示機能が必要となってきた。
従来からの表示手段としては磁気データで表示することが行われてきている。しかしながら、常に内部情報が表示されるため、セキュリティの面から好ましくないという欠点がある(例えば、特許文献1参照。)。
このような電子情報の閲覧手段として液晶ディスプレイやLCD、有機LED等をカードに使用することが知られている(例えば、特許文献2参照。)が、消費電力が嵩む、目が疲労する、などの欠点があるほか、表示素子そのものの構成が複雑でコストが高いと言う問題があった。
これら欠点を補う手段として、外光を利用し、像保持に電力を消費せず、色品質に問題のない、金属または金属塩の溶解/析出を利用したエレクトロデポジション(ED)方式が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、本発明者らが検討した結果、カードとして個人認証用の顔画像を形成しようとした場合にED表示部が印画ヘッドと干渉して顔画像部にカスレが生じたり、これらのED表示ユニットをICカード化する手段を効率化して安定生産を可能にする技術が求められてきた。
また、ED表示部は、金属の溶解/析出を用いるため、厚さを薄くしないと画像の解像度が低下するという問題があった。しかし、厚さを薄くすると耐久性が劣化し、解像度と耐久性の両立が困難であるという新たな課題が見出された。
さらに、ED表示部とその周囲との材料との間での、曲げた時の変形量、すなわち剛性に差があるため、ED表示部の周囲に熱転写法の溶融転写による文字を形成したり、昇華転写による階調画像を形成する際に、印字ムラや転写ヌケが生じ、問題が生じていた。
特開2005−107658号公報 特開平10−162111号公報 特開2005−283986号公報
本発明の目的は、熱転写法による印字性及び印画性に優れ、耐久性が良好なED表示機能付きICカードを提示することである。
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
1.基材上に、金属の溶解/析出を生じさせる一対の電極を有するエレクトロンデポジション(EDと略す)表示部を有するED表示機能付きICカードであって、ED表示部の少なくとも一部に接するように軟質下敷き層を設けることを特徴とするED表示機能付きICカード。
2.前記軟質下敷き層が、ED表示部の投影面積と同等もしくはそれ以上の範囲であることを特徴とする前記1記載のED表示機能付きICカード。
本発明により、熱転写法による印字性及び印画性に優れ、かつED表示部が破損しにくい耐久性に優れたED表示機能付きICカードを提示することができた。
以下、本発明のED表示機能付きICカードの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものである。
先ず、本発明により形成されたED表示機能付きICカードの表示前及び表示後の表裏の外観図を図6に示す。
図6(a)は、本発明のED表示機能付きICカードのデータ入力前のブランクカードの表面状態を示し、表面にはカードフォーマット(罫線および住所、氏名、期限、備考等の項目名)が印刷されており、印字部(文字情報部及び顔画像部)には未だ情報の印字がなく、ED表示部にも表示がない。同図(b)は該カードの裏面を示し、裏面にはフォーマット(罫線及び発行者名等)が印刷された筆記層が形成されている。図6(c)は、内蔵するICにデータが入力され、ED表示部にはICに記録された内容の一部が表示され、カード表面の印字部(文字情報部及び顔画像部)には熱転写方式により個人識別情報(顔画像情報、文字情報等)が印字された状態を示す。
本発明のED表示機能付きICカードは、基本的に変更の無い個人識別情報を印字情報として表示すると共に、変更され得る情報を、外部からの入出力装置によりデータを変更し、ED表示部に表示することができる機能を有するICカードである。このED表示部は、後述するように固体表示素子であり、印字情報を感熱転写法により印字するとき、ED表示部とその周辺の受像層との感熱ヘッドの接触性や密着性が異なり、印字にバラツキが生じる等の問題があり、ED表示部の少なくとも一部に接するように軟質下敷き層を設けることにより、印字性を大きく向上することができたものである。尚、ここで言うED表示部の少なくとも一部に接する様にとは、ED表示部の観察側と反対側の底部に接するように軟質下敷き層を設けることを意味する。
以下、本発明の構成を図をもって説明する。
図1は、ED表示機能付きICカードの本発明の軟質下敷き層の平面配置図である。
図1(a)は、従来のED表示機能付きICカードの例であり、ED表示部、ICチップ、アンテナコイル、IC補強板等から構成されている。
図1(b)は、本発明の軟質下敷き層が、ED表示部の投影面積よりも広い範囲で設けられた例を示す。図1(c)は、面積の異なる軟質下敷き層を少なくとも2層重ねた例を示し、図1(d)は、ED表示部と同等の面積の軟質下敷き層が少なくとも1層設けられた例を示し、図1(e)は、面積の異なる軟質下敷き層を少なくとも3層重ねた例を示す。
図2は、ED表示機能付きICカードの本発明の軟質下敷き層の断面配置図である。該断面配置図は図1におけるA−A′線断面を示す。
図2(a)は、従来のED表示機能付きICカードの断面図であり、ED表示部の下には軟質下敷き層が設けられていない。図中、第1基材(表面基材)と第2基材(裏面基材)との間にED表示部、IC部(ICチップ、メモリー等)、アンテナコイル、IC補強板等を有し、該ICカード製造時にIC部を供給するインレットシート、それらを接着する硬化性樹脂層、第1基材表面には受像層(不図示)、第2基材の表面には筆記層(不図示)が設けられている。
図2(b)〜(g)は、本発明の軟質下敷き層が設けられたED表示機能付きICカードの断面配置図であり、図2(b)は、ED表示部に接する様にED表示部と同等の面積で軟質下敷き層が設けられている。図2(c)は、ED表示部よりも広い面積で軟質下敷き層が設けられている。図2(d)〜(f)は、ED表示部に接する様に軟質下敷き層が2層重ねで設けられている。図2(g)は、ED表示部に接する様に軟質下敷き層が3層重ねで設けられている例を示す。
〈ED表示部〉
本発明に用いられるED表示部の構成について説明する。
図3は、本発明のICカードに用いられるED表示部の概略構成断面図である。
図3中、ED表示部は、少なくとも一方は観察側として、透明支持体上には透明電極が形成されており、もう一方の透明支持体には対向電極が形成され、その間には、金属の溶解/析出を生じさせる電解質が充填されている。両電極間を電荷駆動することにより、金属の溶解/析出を生じ、析出部が黒化することにより画像を形成することができ、画像形成のための白色散乱層,駆動するTFT、電解液をシールするシール剤、間隙をコントロールする画像領域スペーサ、シールスペーサ等で構成されている。
用いられる金属としては、種々のものを用いることができるが、駆動電圧が低く、形成される画像のコントラストが高いことから銀が好ましく用いられる。
ED表示部に用いられる、透明支持体、電解液、シール剤、スペーサ材料については、特開2005−283986号等に記載の材料を用いることができる。
[軟質下敷き層]
本発明の軟質下敷き層とは、ED表示部と第2基材(ED表示部がある側とカードの反対側に位置するカード基体、裏面基体)との間に位置し、ED表示部と少なくとも一部が接するように設けられた軟質の樹脂層である。
ED表示部の周辺に文字情報や顔画像情報を感熱プリンターで印字、印画する時に、ED表示部とその近傍の基体との間に段差や硬さの差を生じ、印字性が低下するという問題があったが、ED表示部の下部に本発明の軟質下敷き層を設けることにより、ED表示部分を沈みこませて、その近傍の基体部分がプリンタヘッドに追従させやすくして印字性を向上させる効果があることを見出したものである。
ここでいう軟質とは同膜厚とした場合に、基体より引張弾性率が低い事を意味する。軟質下敷き層は引張弾性率(ASTM D790)が200以上2000N/mm2未満であることが好ましい。また基体は、引張弾性率が2000以上10000N/mm2以下であるものが好ましい。
また、この軟質下敷き層がED表示部の下側に存在することにより、ED表示部に受ける衝撃力を緩和し、ED表示部の破損を防ぐといった別の効果も得ることができた。
軟質下敷き層を形成する材料としては、ポリオレフィン類が好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエン等の柔軟性を有し、熱伝導性の低いものが適する。
本発明の軟質下敷き層は、ED表示部と接する状態に有ることが必要であるが、更に、ED表示部の投影面積と同等もしくはそれ以上の領域に形成されることが好ましい。ED表示部の投影面積の2倍以内に形成されることが更に好ましい。
軟質下敷き層の厚さは、5μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、更には10μm以上20μm以下であることが更に好ましい。
これらの軟質下敷き層はフィルムとして供給することが好ましい。
このようにして形成された硬質下敷き層を有する本発明のED表示機能付きICカードは、ED表示部を有し、その耐久性が高く、高機能性カードとして種々の用途に使用することができる。
以下、本発明のED表示部に接する様に軟質下敷き層が設けられたED表示機能付きICカードに用いられるその他の材料について説明する。
〈カード用基材〉
カード用基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。本発明に用いられる基材の厚みは、30〜300μmであることが好ましく、望ましくは50〜200μmである。
本発明においては、基材の熱による収縮、反りなどによるカード基材搬送性の観点から基材としては、150℃/30minにおける熱収縮率が縦(MD)で1.2%以下、横(TD)で0.5%以下であることが好ましい。又基材上に後加工する上で密着性向上のため易接処理を行っていても良く、ICチップ保護のために帯電防止処理を行っていても良い。具体的には、帝人デュポンフィルム株式会社製のU2シリーズ、U4シリーズ、ULシリーズ、東洋紡績株式会社製クリスパーGシリーズ、東レ株式会社製のE00シリーズ、E20シリーズ、E22シリーズ、X20シリーズ、E40シリーズ、E60シリーズQEシリーズを好適に用いることができる。
本発明のICカードにおいては、基材は1枚で有っても良いが、2枚の基材を用いてその間にIC部及びED表示部をサンドイッチした構造としたものが好ましい。
本発明において、ICカードの表面の基材は、当該カード利用者の顔画像を形成するため受像層が形成されていることが好ましい。本発明のICカード基体表面には画像要素が設けられ、顔画像等の個人認証識別画像や属性情報画像、フォーマット印刷等から選ばれる少なくとも一つが設けられたものであってもよく、また全く印刷部分のないホワイトカードであってもよい。
〈IC部〉
本発明のED表示機能付きICカードに用いられるIC部としては、非接触型ICが好ましく用いられる。IC部はICチップ、アンテナコイル、メモリー等から構成される。
本発明においては、構成図の説明で示した様に、予め、必要な部品をシートに配置したインレットシートを用いて基材上の所定位置に部品を配置し、その後周囲、上下を硬化性樹脂を用いて硬化することにより形成することが好ましい。インレットシートを用いることにより、部品の相対的位置を正確に規定することができ、振動等を含む部品の移動を抑え、形成後の耐久性(断線等)の向上を図ることができる。
〈硬化性樹脂〉
本発明のICカードの作製においては、2枚の基材の間にIC部、ED表示部および硬質下敷き層等を配置、保持するため、好ましくは硬化性樹脂が用いられる。
本発明に好ましく用いられる硬化性樹脂としては、塗工後硬化が可能な材料であれば特に限定されるものではないが、熱硬化型、湿気硬化型、二液硬化型或いは光硬化型等の樹脂を挙げることができ、これらの組合せで有っても良い。
a)湿気硬化型樹脂としは、特開2000−036026号、特開2000−219855号、特開2000−211278号、特開2002−175510号に開示されている。湿気硬化型樹脂の1例として、分子末端にイソシアネート基含有ウレタンポリマーを主成分とし、このイソシアネート基が水分と反応して架橋構造を形成するものがある。湿気硬化型樹脂としては、例えば住友スリーエム社製TE030、TE100、日立化成ポリマー社製ハイボン4820、カネボウエヌエスシー社製ボンドマスター170シリーズ、Henkel社製Macroplast QR 3460、積水化学工業社製エスダインシリーズ等があげられる。また、湿気硬化型樹脂は素材の安全性から遊離MDI量が1.0%以下の物を使用することが好ましい。
b)二液混合型樹脂として、例えば、低温時の硬化性を得るために特開昭63−63716号に開示されるような、エポキシ樹脂とメルカプタン系硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂組成物や、複素環状ジアミン硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂組成物が用いられてきた。また、高強度を得るためには芳香族ポリアミン硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂が用いられてきた。作業環境特性、支持体との接着性、接着安定性を得るために特開平10−120764号に開示されているような、ビスフェノール型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤として(C)ポリアミドアミン、(D)芳香族変性アミン、及び(E)脂肪族変性ポリアミンとの組み合わせによりエポキシ樹脂組成物が用いられている。また、特開2000−229927号には、エポキシ樹脂とアミンイミド化合物系硬化剤との組み合わせからなる硬化速度が早いエポキシ樹脂が得られている。特開平6−87190号、特開平5−295272号には特殊変性シリコーンプレポリマーを硬化剤と用いた記載がされており樹脂の柔軟性を改良した材料が開示されている。
この発明で用いることができるエポキシ接着剤とは、例えば、セメダイン株式会社製、セメダインEP−001、株式会社スリーボンド社製、3950シリーズ、3950,3951,3952、コニシ株式会社製ボンドMOSシリーズ、MOS07、MOS10、東邦化成工業株式会社ウルタイト1500シリーズ、ウルタイト1540等を用いることが好ましい。
c)光硬化型樹脂としては、特開平10−316959号、特開平11−5964号等で開示されている。光硬化型樹脂としては公知の光硬化型樹脂であれば特に制限はないが、i)エポキシ基を1分子内に2個以上含んだ化合物、ii)10〜150℃の温度でカチオンを発生する化合物を少なくとも含む樹脂を用いることが好ましい。カチオン重合により高分子化の起こるタイプ(主にエポキシタイプ)のエポキシタイプの紫外線硬化性プレポリマー、モノマーは、1分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。エポキシ基を1分子内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70質量%以上であるのが好ましい。市販品として、EMI社性一液型エポキシUV硬化型接着剤の3505、3506、3507、3514、3553シリーズなどがある。
d)熱硬化性接着剤とは、熱すると硬化が進み硬化後の分子は一般に3次元の網状となるもので、この性質を利用したものを別名ホットメルト型と呼ばれる。ホットメルト型としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリエステル系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマー系、ポリオレフィン系などが挙げられるが、熱可塑性接着剤は一般に分子が直線状で、熱をかけると軟化し冷えると硬化する性質を利用した接着剤であるため、耐熱性の観点から、熱硬化性樹脂を用いた方が良い。
硬化された樹脂としては、硬いものであっても、柔軟性を持つものであっても良いが、形成されたICカードの耐久性の観点からは、弾性率が200〜1000MPaの樹脂であることが好ましく、更には弾性率が200〜700MPaの柔軟性の有る樹脂が好ましい。
[熱転写記録法で昇華もしくは熱拡散性染料画像を受容する受像層]
本発明のED表示機能付きICカードにおいては、基材表面には熱転写法により画像形成可能な受像層を有するものである。
基材表面に設けられた受像層は、バインダと各種の添加剤で形成することができる。
受像層は、昇華型熱転写方式により階調情報含有画像(例えば、顔画像情報)を形成すると共に、昇華型熱転写方式または溶融型熱転写方式により文字情報を形成することができるものである。受像層は、昇華型熱転写方式に用いられる昇華性色素の染着性とともに熱溶融性インクの接着性も良好でなければならない。かかる特別な性質を受像層に付与するには、後述するように、バインダ及び各種の添加剤の種類及びそれらの配合量を適宜に調整することが必要である。
以下、受像層を形成する材料について詳述する。
受像層用のバインダとしては、通常に知られている昇華型感熱転写記録受像層用のバインダを適宜に用いることができる。主なバインダとしては、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂などさまざまのバインダを使用することができる。
ただし、この発明によって形成される画像につき、実際的要求(たとえば発行されるICカードに所定の耐熱性が要求されるなど)が存在するのであれば、そのような要求項目を満たすようにバインダの種類あるいは組み合わせを考慮することが必要になる。画像の耐熱性を例にすると、60℃以上の耐熱性が要求されるのであれば、昇華性色素のにじみを考慮して、Tgが60℃以上であるバインダを使用するのが好ましい。
また、受像層を形成するに際して、必要に応じて、例えば金属イオン含有化合物を含有させるのが好ましい場合がある。特に熱移行性化合物がこの金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する場合である。
前記金属イオン含有化合物を構成する金属イオンとしては、例えば周期律表の第I〜第VIII族に属する2価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Zn等が好ましく、特にNi、Cu、Co、Cr、Zn等が好ましい。これらの金属イオンを含有する化合物としては、金属の無機または有機の塩および該金属の錯体が好ましい。
また、受像層には、離型剤を添加することが好ましい。有効な離型剤としては、用いるバインダと相溶性のあるものが好ましく、具体的には変性シリコーンオイル、変性シリコーンポリマーが代表的であり、例えばアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂などが挙げられる。このなかでもポリエステル変性シリコーンオイルはインクシートとの融着を防止するが、受像層の2次加工性を妨げないという点で特に優れている。受像層の2次加工性とは、マジックインキでの筆記性、できた画像を保護する際に問題となるラミネート性などを指す。この他離型剤としてはシリカ等の微粒子も有効である。2次加工性を問題としない場合は融着防止策として硬化型シリコーン化合物の使用も有効である。紫外線硬化型シリコーン、反応硬化型シリコーンなどが入手可能であり、大きな離型効果が期待できる。
この発明における受像層は、その形成成分を溶媒に分散あるいは溶解してなる受像層用塗工液を調製し、その受像層用塗工液を前記基材の表面に塗布し、乾燥する塗工法によって製造することができる。
基材の表面に形成される受像層の厚みは、一般に1〜50μm、好ましくは2〜10μm程度である。この発明においては、基材と受像層との間にクッション層あるいはバリヤー層を設けることもできる。クッション層を設けると、ノイズが少なくて、画像情報に対応した画像を再現性良く転写記録することができる。クッション層を構成する材質としては例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂、特開2002−222403号等に記載の光硬化型樹脂等が挙げられる。クッション層の厚さは通常、1〜50μm、好ましくは3〜30μmである。
本発明においては、受像層上にフォーマット印刷からなる情報坦持体層を設けることができる。フォーマット印刷からなる情報坦持体層とは、具体的には、罫線、社名、カード名称、注意事項、発行元電話番号等を表す。
フォーマット印刷からなる情報坦持体層の形成には、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている一般的なインキを用いて形成することができ、光硬化型インキ、油溶性インキ、溶剤型インキなどにカーボンなどのインキにより形成される。
また、場合により目視による偽造防止の為に透かし印刷、ホログラム、細紋等が採用されてもよく、偽造変造防止層としては印刷物、ホログラム、バーコード、マット調柄、細紋、地紋、凹凸パターンなどで適時選択さ、可視光吸収色材、紫外線吸収材、赤外線吸収材、蛍光増白材、金属蒸着層、ガラス蒸着層、ビーズ層、光学変化素子層、パールインキ層、隣片顔料層、帯電防止層などから表シートに印刷等で設けることも可能である。
[筆記層]
筆記層は、ICカードの裏面に筆記することができるようにした層である。このような筆記層としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、ケイソウ土、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機微細粉末を熱可塑性樹脂(ポリエチレン等のポリオレフィン類や、各種共重合体等)のフィルムに含有せしめて形成することができる。特開平1−205155号公報に記載の「書き込み層」をもって形成することができる。前記筆記層は支持体における、複数の層が積層されていない第1のシート材に形成される。筆記層にワックス等の滑り性を良好にする素材を添加すると、擦られた場合の破損や摩耗を防ぐために有効である。添加剤としては、ポリエチレンワックスが好ましく用いられる。
以上に記載の各材料を用いて本発明のED表示機能付きICカードを形成することが可能である。
図4は、本発明のED表示機能付きICカードを従業員証として用いたときのED表示部および顔画像、文字情報等の印字部の平面配置図である。
本発明のED表示機能付きICカードは、ED表示部およびIC部が内蔵され、文字情報、顔画像情報等の個人識別情報が印字されている。これらの構成要素を種々配置した例を示す。
図4(a)は、ICカードの長辺方向の中心線に対し、文字情報は全面に配置されているが、ED表示部は左側に、IC部、顔画像情報は右側で、ED表示部とは反対側に配置されており、図4(b)は、IC部がED表示部と同じ側に移動したものであり、図4(c)は、ED表示部、IC部、顔画像情報が何れも一方の側に配置された例を示す。
本発明においては、ED表示部と、顔画像情報等の階調情報の印字領域は、カードの長辺方向の中心から各々反対側に配置されていることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、以下において「部」は「質量部」を示す。
実施例1
《ED表示機能付きICカードの作製:図1(b)−図2(c)を参照》
以下の様にして試料No.3(本発明試料)の作製を行った。
〈ED表示部の作製〉
(電解質液の調製)
ジメチルスルホキシドの2.5g中に、ヨウ化ナトリウムを90mg、ヨウ化銀を75mgを加えて完全に溶解させた。この溶液に、ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA245)を150mg加えて120℃に加熱しながら1時間攪拌し、電解質液を得た。カールフィッシャー法による含水率は0.2%であった。
(電極101の作製)
厚さ100μmで10mm×35mmのポリエチレンテレフタレート透明基材上に、ITO膜を公知の方法で形成し透明電極101(観察側)を得た。
(電極102の作製)
厚さ100μmで10mm×35mmのポリエチレンテレフタレート透明支持体50上に、TFT素子を公知の方法に従って作製した。更に銀ペーストインキ(東洋紡績株式会社製 DW−250H−5)を用い、乾燥時の厚み10μmで、TFT素子に接合して100μm×100μm角の電極をスクリーン印刷し、120℃の真空オーブン中で30分加熱して、銀電極とした。各電極間のスペース部分には絶縁膜をスクリーン印刷して、電極102を得た。
(ED表示素子の作製)
電極102の上に、周辺部を、平均粒子径30μmのガラス製球形ビーズ(シールスペーサ)を体積分率が10%含むオレフィン系シール剤で高さ100μmの縁取りをした。縁取りした中に、ゼラチン2質量%を含む水溶液中に酸化チタン20質量%を超音波分散機にて分散させた水混和液を、ワイヤーバーで100μm塗布し、その後15℃で30分間乾燥して水を蒸発させた後、45℃雰囲気中で1時間乾燥させて、白色散乱層を作製した。
上記調製した電解質液に、スペーサとして平均粒子径が10μmのポリアクリル製の球形ビーズを体積分率として4体積%になるように加えて攪拌した溶液を、上記電極102の白色散乱層上に塗布し、その上から透明電極101の電極面を対向させて、9.8kPaの圧力で押圧し、ED表示素子を作製した。
〔ED表示機能付きICカード試料No.3の作製〕
〈第2基材(裏シート)の作製〉
裏面基材として帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W低熱収グレード188μm(PET)を使用した。
(筆記層の作製)
前記基材(188μm)に下記組成の第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが5μm、15μm、0.2μmになる様に積層することにより筆記層を形成した。
〈第1筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 8部
イソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕 1部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロナールMD1200〕 4部
シリカ 5部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
水 90部
〈第3筆記層形成用塗工液〉
ポリアミド樹脂〔三和化学工業(株)製:サンマイド55〕 5部
メタノール 95部
(筆記層へのフォーマット印刷)
オフセット印刷法により、図6(a)に示す様なフォーマット印刷(罫線、発行者名、発行者、電話番号等)を行った。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
〈第1基材(表シート)の作製〉
(表シートの作製)
裏基材と同じフィルム(188μm)に下記組成物からなる受像層を順次塗工乾燥してなる第1基材(表面シート1)用ロールを形成した。
(受像層)
上記基材上に下記組成の第1受像層形成用塗工液、第2受像層形成用塗工液及び第3受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが0.2μm、2.5μm、0.5μmになる様に積層することにより受像層を形成した。
〈第1受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製:エスレックBL−1〕 9部
イソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕 6部
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕 2部
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
〔フォーマット印刷と枚葉断裁と穿孔〕
ロール状に形成された第1基材の受像層上にオフセット印刷法により、フォーマット印刷(従業員証、住所、氏名等)を行った(図4(a)参照。)。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
(透明樹脂層形成)
下記組成物からなる印刷インキを用いロールミルにより混合し、印刷インキを作製した。オフセット印刷法により受像層上に印刷を行った。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
(枚葉断裁とED表示用孔の形成)
フォーマット印刷を行ったロール状第1基材を複数枚(8枚)のカードが形成できる単位で枚葉に断裁すると共にED表示用孔を穿孔した。
〔インレットシートの作製〕
帝人デュポンフィルム(株)製Sシリーズテトロンフィルム40μmの上に厚さ10μmのアルミニウム箔を蒸着させた後、アンテナコイルやリード線の形態のようにエッチング処理をした。こうして得られたインレットシートの上にICチップ、ICチップ用補強板、ED表示部及び軟質下敷き層(材質:ポリプロピレン(PP),形状:図1(b)−図2(c)、配置:図4(a)、厚さ10μm、)等を配置すると同時に結線を行いICモジュール用インレットシートとした。尚、インレットシート、軟質下敷き層には結線用のスルーホールを形成し、導電性接着剤を用いて接続した。
〔硬化性樹脂の調製〕
第1基材及び第2基材の間に用い、インレットシートをサンドイッチする硬化性樹脂として下記のものを用いた。
〈硬化性樹脂〉
二液硬化型弾性エポキシ樹脂(株式会社スリーボンド社製3950セット(A液、B液)、B液には更に3質量%のメルク社製イリジオン211を添加)を用いた。
〔ED表示機能付きICカードの作製〕
上記硬化性樹脂、上記で作製したインレットシートを用いて、ED表示機能付きICカードを、下記の方法により作製した。
〈第1基材、第2基材の接着〉
長尺シート状の第2基材(裏面シート)上に硬化性樹脂をTダイ塗布方式により、硬化後の膜厚が100μmとなるように塗布した。
一方、第1基材には、ED表示用孔に対応する突起を有する載置台を用い、その上に枚葉シート状の第1基材(表面シート)を配置し、第1基材上に硬化性樹脂層を硬化後膜厚が300μmとなるように塗布した。硬化性樹脂を塗布した後、載置台を取り除くことにより、該ED表示用孔部分は硬化性樹脂が取り除かれて空孔が形成されている。予め作製したインレットによりICモジュール、ED表示部、軟質下敷き層等を第1基材のED表示用孔に合わせて配置した。
硬化性樹脂が塗布された第2基材及び硬化性樹脂とインレットシートが供給された第1基材の両者を貼合し、加熱/加圧ロール(圧力0.3MPa、ロール表面温度90℃)を通しラミネートを行った。その後、冷却して、カード断裁機により断裁し、55mm×85mmサイズのED表示機能付きICカード(ブランクカード)を得た。
〔カードへの画像記録〕
ICカードへの顔画像等の個人識別情報やその他の文字情報を下記の方法により記載した。
(昇華型感熱転写記録用インクシートの作製)
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のイエローインク層形成用塗工液、マゼンタインク層形成用塗工液、シアンインク層形成用塗工液を各々の厚みが1μmになる様に設け、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクシートを得た。
〈イエローインク層形成用塗工液〉
イエロー染料(三井東圧染料(株)製MSYellow) 3部
ポリビニルアセタール〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
5.5部
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン〔東亞合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕 1部
ウレタン変性シリコンオイル〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
0.5部
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〈マゼンタインク層形成用塗工液〉
マゼンタ染料(三井東圧染料(株)製 MS Magenta) 2部
ポリビニルアセタール〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
5.5部
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン〔東亞合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕 2部
ウレタン変性シリコンオイル〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
0.5部
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〈シアンインク層形成用塗工液〉
シアン染料(日本化薬(株)製 カヤセットブルー136) 3部
ポリビニルアセタール〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
5.6部
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン〔東亞合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕 1部
ウレタン変性シリコンオイル〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
0.5部
メチルエチルケトン 20部
(溶融型感熱転写記録用インクシートの作製)
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のインク層形成用塗工液を厚みが2μmになる様に塗布乾燥してインクシートを得た。
〈インク層形成用塗工液〉
カルナバワックス 1部
エチレン酢酸ビニル共重合体 1部
〔三井デュポンケミカル社製:EV40Y〕
カーボンブラック 3部
フェノール樹脂〔荒川化学工業(株)製:タマノル521〕 5部
メチルエチルケトン 90部
〔顔画像の形成〕
受像層と昇華型感熱転写記録用インクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.23W/ドット、パルス幅0.3〜4.5m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより、階調性のある人物画像を受像層に形成した。この画像においては上記色素と受像層のニッケルが錯体を形成している。
〔文字情報の形成〕
受像層と溶融型感熱転写記録用インクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.5W/ドット、パルス幅1.0m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより文字情報をICカードの受像層上に形成した。
〔ICカード表面に透明保護層(転写箔)の作製〕
(転写箔の作製)
0.1μmのフッ素樹脂層の離型層を設けた厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型層上に下記組成物を積層し転写箔の作製を行った。
活性光線硬化性化合物:
A−9300(新中村化学社製) 35部
EA−1020(新中村化学社製) 11.75部
反応開始剤:
イルガキュア184日本チバガイギー社製 5部
添加剤不飽和基含有樹脂 48部
その他の添加剤:
界面活性剤F−179(大日本インキ社製) 0.25部
〈中間層形成塗工液〉膜厚1.0μm
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学(株)製:エスレックBX−1〕 3.5部
タフテックスM−1913(旭化成) 5部
硬化剤:
ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 1.5部
メチルエチルケトン 90部
塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
〈接着層形成塗工液〉膜厚0.5μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
〔転写箔の付与〕
画像、文字が記録された前記受像層上に前記構成からなる転写箔を用いて、表面温度200℃に加熱した、直径5cmゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力15MPaで1.2秒間熱をかけて、転写箔を転写し透明保護層を形成した。
以上の様にして、ED表示機能付きICカード試料No.3を作製した。
〔試料No.1、2(比較)及び試料No.4〜10(本発明)の作製〕
試料No.1、2(比較例)は、試料No.3におけるインレットシートに載置した軟質下敷き層を用いなかった以外は試料No.3の第1基材、第2基材を所定位置に配置して比較のICカードを形成し、透明保護層を形成した。
本発明の試料No.4〜10は、試料No.3の軟質下敷き層を表1に記載の軟質下敷き層に変更(材料、膜厚及び図1,2,4に示す配置)した以外は試料No.3と同様にして作製した。
以上のようにして得られた各ED表示機能付きICカードの一覧を表1に示す。
各ICカードを下記の様にして評価した。
〈文字欠け評価〉
文字情報を形成した後の印字性を5段階で評価した。
5:ED表示部周辺に文字カスレが全くなくきれいである
4:ED表示部周辺に文字カスレはないが、文字の細りにより文字がやや見にくい
3:ED表示部周辺に文字カスレが見られる
2:ED表示部周辺で文字全体が全く形成されていない部分が一部ある
1:ED表示部周辺だけでなく文字が全く形成されていない部分がある
4と5が実用可のレベルである。
〈顔画像部白抜け評価〉
顔画像情報を形成した後の記録性を3段階で評価した。
3:顔画像部に白抜けが全くなくきれいである
2:顔画像部に白抜けはないが、部分的に色のムラが見られる
1:顔画像部に白抜けが見られる
2と3が実用可のレベルであるが、3が好ましいレベルである。
〈耐衝撃性試験〉
得られたED表示機能付きICカードを、図5に示すような衝撃性試験装置を用い、台上で、ED表示部に対し円筒を用いて鋼球(直径2cm、質量50g)を自由落下させたとき、ED表示部が機能しなくなる高さ(cm)をそのカードの耐衝撃性として評価した。
評価した結果を表1に示す。
Figure 2008293316
ED表示部の下に本発明の軟質下敷き層を設けることにより、文字情報や顔画像情報の印字性が向上し、且つED表示部の耐衝撃性が向上することが分かる。ED表示部と顔画像情報の表示部はカードの長辺に対し、左右に配置することが好ましいことが分かる。
ED表示機能付きICカードにおける本発明の軟質下敷き層の平面配置図である。 ED表示機能付きICカードにおける本発明の軟質下敷き層の断面配置図である。 本発明に用いられるED表示部の概略構成断面図である。 本発明のED表示機能付きICカードを従業員証として用いたときのED表示部および顔画像、文字情報等の印字部の平面配置図である。 本発明に用いられる衝撃性試験装置を示す。 ED表示機能付きICカードの表示前及び表示後の外観図である。

Claims (2)

  1. 基材上に、金属の溶解/析出を生じさせる一対の電極を有するエレクトロンデポジション(EDと略す)表示部を有するED表示機能付きICカードであって、ED表示部の少なくとも一部に接するように軟質下敷き層を設けることを特徴とするED表示機能付きICカード。
  2. 前記軟質下敷き層が、ED表示部の投影面積と同等もしくはそれ以上の範囲であることを特徴とする請求項1記載のED表示機能付きICカード。
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