JP2008292898A - 表示媒体 - Google Patents

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元彦 酒巻
Yasunori Saito
泰則 斎藤
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Abstract


【課題】製造時において切断等による成形工程を経ても、水分等に対する封止性に優れた表示媒体を提供することである。
【解決手段】1対の基板と、前記1対の基板上に対向して配置された1対の電極と、前記1対の電極間に挟まれ光導電層及び液晶層が少なくとも積層された表示素子と、前記表示素子の周縁に配置され該表示素子を封止する封止部材と、を有する表示媒体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、表示媒体に関する。
近年、電子的に画像の記録が可能で且つ記録した画像を一定期間保持することができる記録・表示媒体が種々開発されている。これらの記録・表示媒体は紙のように薄型であることから「電子ペーパー」と呼ばれている。
例えば、光書き込み型の電子ペーパーは、複写機に使用されている有機光導電材料からなる光導電層と液晶表示材料からなる液晶層とが積層されて構成されており、表裏1対の透明電極に電圧を印加しながら光を照射すると、光の強弱が瞬間的に反射濃度に変換されて画像が記録され表示される。
ところで、表示体であるコレステリック液晶を用いた電子ペーパーは、水蒸気の侵入により、表示特性の劣化や電子ペーパー内部のショートや表示書き換え不能になる問題点がある。
これに対しては、通常、液晶を使用した電子ペーパーの基板の表面あるいは内部に水蒸気の侵入を防ぐ目的で水蒸気バリア膜を設ける場合が多いが、そのことにより表面からの湿度に対するバリア性は確保できるものの、電子ペーパーの上下基板の端面はむき出しのままであることから、上下基板の端面からの水蒸気の侵入はこれだけでは押さえることができない。
上記端面からの水蒸気の侵入に対しては、表示域外から基板端面までの距離を離すなどの対策を取ることにより、表示域への水蒸気の影響が到達しないように対策を行なってきた。しかし、この方法によれば、端面から表示域までの距離を離すためには表示域に対して空白の部分が多くなり、その分外形サイズが大きくなる欠点があった。
そのため、例えばICカードのように外形サイズが規格で決まっているものの中に表示体である電子ペーパーを埋め込む場合、表示域に対して外形が大きくなるために、ICカードの表示が小さくなるという問題があった。
これに対し、前記ICカードの場合にはその作製方法がカードの下基材に表示媒体と信号の通信を受け持つRFIDタグとICを配置し、その後周辺サイドのスペーサを介して上基板を重ねていく方法であることから、カードの作製工程でスペーサに水蒸気進入防止膜を設ける、または電子ペーパーの端面側にアルミ箔の水蒸気侵入防止膜(ガスバリア層)を密着させるといった提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、電子ペーパーとしての用途では、その製造に関しては、特に柔軟な電子パーパー媒体を任意の形に製造したり効率的に製造したりするため、例えばロールあるいはシート状により加工された電子ペーパー媒体を所望の形に切断して(打ち抜いて)成形することが有効であることから、前記上下基板の端面がむき出しのまま用いられることとなる。
これに対しては、前記打ち抜きの端面にシール材(封止部材)を設ける方法が考えられるが、実際にはシール材を端面に塗布し硬化させる必要があるため、硬化までにシール材が垂れて流れてしまうなど保持が困難であり、期待されるシール性能が発揮できないという問題がある。
また電子ペーパーの端面側にアルミ箔の水蒸気侵入防止膜(ガスバリア層)を密着させる方法も考えられるが、実際には前記上下基板の端面だけではなく、上下基板面にアルミ箔が被覆されるため電子ペーパーの厚さが厚くなることや、アルミ箔は角部において折り曲げて密着させることが困難なため、期待されるシール性能が発揮できないという問題がある。
したがって、前記打ち抜き等の切断を行って電子ペーパーを作製する場合には、特に表示素子中に水分の浸入が起こりやすくなるが、生産性を含めた封止性に優れた電子ペーパー媒体を安定的に得るには不十分であるのが現状である。
特開2005−18348号公報
本発明の目的は、製造時において切断等による成形工程を経ても、水分等に対する封止性に優れた表示媒体を提供することである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、1対の基板と、
前記1対の基板上に対向して配置された1対のガスバリア層と、
前記1対のガスバリア層上に配置された1対の電極と、
前記1対の電極間に挟まれ光導電層及び液晶層が少なくとも積層された表示素子と、
前記表示素子の周縁に配置され該表示素子を封止する封止部材と、
を有する表示媒体である。
請求項2に係る発明は、第1の基板上に配置された電極表面に、光導電層及び液晶層を含む層を帯状に塗布して連続した表示素子層を形成する表示素子層形成工程と、
前記連続した表示素子層を各表示媒体における表示素子ごとに分離する分離部を形成する分離部形成工程と、
前記分離された各表示素子の周縁に封止部材を塗布する封止部材塗布工程と、
前記第1の基板の表示素子が形成された側の面に、表面に電極が配置された第2の基板を該電極が対面するように重ね合わせる重ね合わせ工程と、
前記分離部で各表示媒体ごとに切断する切断工程と、
を少なくとも経て製造される請求項1に記載の表示媒体である。
請求項3に係る発明は、前記分離部形成工程が、前記連続した表示素子層に各表示素子ごとに分離するハーフカット状の切れ込みを入れた後、該切れ込みにより特定された分離部に相当する表示素子層を剥離する工程である請求項2に記載の表示媒体である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、製造時において切断等による成形工程を経ても、水分等に対する封止性に優れた表示媒体を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、製造安定性、生産性に優れ、切断等による成形工程を経ても、水分等に対する封止性に優れた表示媒体を提供することができる。
請求項3に係る発明によれば、製造安定性、生産性により優れ、切断等による成形工程を経ても、水分等に対する封止性に優れた表示媒体を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の表示媒体は、1対の基板と、該1対の基板上に対向して配置された1対のガスバリア層と、該1対のガスバリア層上に配置された1対の電極と、該1対の電極間に挟まれ光導電層及び液晶層が少なくとも積層された表示素子と、前記表示素子の周縁に配置され該表示素子を封止する封止部材と、を有することを特徴とする。
基板が柔軟である表示媒体の製造方法としては、例えば、表示媒体が複数の機能層の積層により製造される場合には、生産性を考慮して、最初に大面積で柔軟な基板上に積層塗布により連続した未成形の表示媒体ベースを作製し、次いでこれを打ち抜き等の切断により成形して、所望の形状、大きさの光書き込み型表示媒体とする方法が好適に用いられる。
特に、光導電層と液晶層とが積層されて構成される書き込み型の表示媒体においては、製造のしやすさ、形状選択の自由度が大きい等の観点から上記の製造方法によることが望ましい。
具体的には、樹脂フィルムを基板とした表示素子は、ロールツーロール方式などでガスバリア層及びITOを設けたPET(ポリエチレンテレフタレート)基板上に液晶層や有機感光体層などを積層塗布し、これに他のITOを設けたPET基板を張り合わせた後、打ち抜きを行って作製される。前記ロールツーロール方式は、連続して表示素子を構成する機能層を塗布することができるため、生産性が非常に高いが、パターン塗布は技術的に困難なため、上記方式により得られた電子ペーパーの打ち抜き端面部分は、表示素子が常に剥き出しとなる。
一方、前記のように、打ち抜き後の表示素子の端面をシール材(封止部材)により封止するのは、表示媒体の厚みが薄いことから困難であり、シール材を保持させることができたとしても、均一に封止することができない。
上記より本発明者等は、表示媒体の作製過程において封止部材を表示素子の周囲に配置することについて検討を行った。その結果、ロールツーロール方式で形成した連続した表示素子層について、切断の前に予め表示媒体ごとの表示素子の分離を行い、その時点で封止部材を表示素子の周囲に配置し、その後基板同士の重ね合わせ、表示媒体ごとの切断を行うことで、各表示媒体における封止性と生産性とを両立できることが見出された。
以下、本発明の表示媒体について実施形態により説明する。
図1は、本実施形態の表示媒体を示す模式的に示す構成図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるA方向から見た断面図である。表示媒体50は、透明な1対の基板10、12と、基板10、12に各々形成された1対の電極20、22に挟まれた液晶層24a及び光導電層24bが積層された表示素子24からなり、図1(a)に示すように、表示素子24の周縁には封止部材30が設けられ、封止部材30は図1(b)に示すように、表示素子24の端部に接触し表示媒体50の端面から進入する水分等を防ぐように封止している。
封止部材30は、後述するような方法により基板10、12間に設けられるため、表示媒体24の周囲は封止部材30によりすべて覆われている。また、封止部材30は、図に示すように、基板10、12との間や表示素子24との間には隙間がない。したがって、封止部材としては無駄なく配置され封止効果が高いため、基板端面と表示素子端部との間を狭くすることができ、表示領域をできるだけ広くすることができる。
封止部材30が設けられる領域は、表示素子24の周縁、すなわち周囲全体とする必要があり、その幅(基板端面から表示素子までの距離)は0.1〜5mmの範囲程度とすることが望ましく、0.5〜1.5mmの範囲程度とすることがより望ましい。また、封止部材30の厚さは表示素子24の厚さと同等であり、10〜500μmの範囲とすることが望ましい。
まず本実施形態の表示素子24の構成について説明する。
基板10、12は、柔軟で絶縁性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、及びポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを用いて構成される。また、光導電層に有機材料を用いる場合には高温で熱処理をする工程がないので、フレキシブル基板が得られること、成形が容易なこと、コストの点などから光透過性のプラスチック基板を用いることが有利である。
基板10、12の厚みは、0.01mm〜0.5mmの範囲内であることが好ましい。
電極20、22は、ITO(Indium Tin Oxide)を用いているが、ITO以外にも、Auなどの金属薄膜、SnO2、ZnOなど酸化物、ポリピロールなどの導電性高分子の薄膜など、透光性の電気導電体を用いることができる。また、本実施形態においては一対の電極20、22は、基板10、12上にスパッタリングされて形成されているが、必ずしもスパッタリングによる必要はなく、印刷、CVD、蒸着などにより形成することもできる。
電極20、22の形態及び駆動方式としては、例えば両電極共に表示領域に共通の電極とし、駆動方式は特開2003−140184号公報と特開2000−111942号公報とに記載の駆動方式を用いて駆動させる。しかし、基板10側の電極12と基板12側の電極22の一方を表示媒体に表示する画像の各画素に共通の電極とし、他方を各画素に個別の電極とするセグメント駆動方式、電極20と電極22とを互いに直交する方向に各々帯状に形成して、互いに対峙する位置を1つの画素に対応する領域とする単純マトリクス駆動方式、電極20及び電極22の一方を各画素に共通の電極とし、他方を互いに直交する帯状の走査電極及び信号電極からなるものとして、これにTFT等の能動素子を設けるアクティブマトリックス駆動方式等であってもよい。
液晶層24aには、本実施形態では、カイラルネマチック液晶(コレステリック液晶)をゼラチンバインダー中に分散させたPDLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造を好適に採用できるが、この構造に限ることなく、コレステリック液晶をリブを介し電極間距離を固定したセルに配置する方式やカプセル液晶化することにより実現してもよい。また、液晶もコレステリック液晶に限ることなく、スメクチックA液晶、ネマチック液晶、ディスコティック液晶などが利用できる。
また、カイラルネマチック液晶、表面安定化カイラルスメクチックC液晶、双安定ねじれネマチック液晶、微粒子分散液晶などのメモリー性液晶を用いることにより、本実施形態の表示媒体50を、光記録媒体や画像記録媒体として利用することができる。
なお、液晶の光学的特性変化を補助する補助部材として、偏光板、位相差板、反射板などの受動光学部品と併用したり、液晶中に2色性色素を添加したりしてもよい。
なお、液晶層24aの膜厚は1〜50μmの範囲で用いられることが好ましい。
液晶材料としては、シアノビフェニル系、フェニルシクロヘキシル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゾエート系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、スチルベン系、トラン系など公知の液晶組成物が利用できる。液晶材料には2色性色素などの色素、微粒子などの添加剤を加えてもよく、高分子マトリクス中に分散したものや、高分子ゲル化したものや、マイクロカプセル化したものでもよい。また、液晶は高分子、中分子、低分子のいずれでもよく、またこれらの混合物でもよい。
光導電層24bとしては、(a)無機半導体材料として、アモルファス・シリコンや、ZnSe、CdSなどの化合物半導体からなる層、(b)有機半導体材料として、アントラセン、ポリビニルカルバゾールなどからなる層、(c)光照射によって電荷を発生する電荷発生材料及び電界によって電荷移動を生ずる電荷輸送材料の混合物や積層体からなるいわゆるOPC層などが挙げられる。本実施形態では、後述するように光導電層24bを塗布により形成することが望ましいため、(b)、(c)の材料を用いることが好適である。
前記電荷発生材料としては、例えば、ペリレン系、フタロシアニン系、ビスアゾ系、ジチオピトケロピロール系、スクワリリウム系、アズレニウム系、チアピリリウム・ポリカーボネート系化合物などが挙げられる。また、前記電荷輸送材料としては、例えば、トリニトロフルオレン系、ポリビニルカルバゾール系、オキサジアゾール系、ピラリゾン系、ヒドラゾン系、スチルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェニルメタン系、ジアミン系化合物や、LiClO4を添加したポリビニルアルコ−ルやポリエチレンオキシドのようなイオン導電性材料などが、また電荷発生材と電荷輸送材との複合体として、積層体、混合物、マイクロカプセルなど、が利用できる。
なお、光導電層24bの膜厚は1〜100μmの範囲で用い、露光光照射時と露光光非照射時の抵抗比は大きい方が望ましい。
さらに、必要に応じて遮光層等を設けてもよい。
遮光層は、外部光源等からなる読出光等の光やOPC層を透過した露光光の波長の少なくとも一部を吸収し、電気抵抗が高い材料が用いられる。遮光層に必要な光学濃度は、光導電層24bの感度と読出光の強度に依存するため一概に規定できないが、少なくとも遮光層すべき波長範囲において、1以上、より好ましくは2以上が望ましい。また、遮光層の電気抵抗は、遮光層内の電流によって解像度の低下を引き起こさないように、少なくとも体積抵抗率で108Ω・cm以上とすることが望ましい。さらに、液晶層24aに加わる分圧の変化分を大きくするためには、遮光層の静電容量が大きい程よいので、誘電率が大きく膜厚が薄い方が好ましい。
このようにして形成した遮光層の層厚は、0.5〜3.0μmの範囲とすることが好ましい。
ここで、光導電層24に画像情報に対応する露光光を照射すると同時に、電極10、12に矩形電圧を印加することで、メモリー性を有する液晶層24aに画像パターンを記録することができる。この画像パターンは、外光を取り込んで反射させることで可視化される。すなわちこの場合には、本実施形態の表示媒体を反射型の画像記録媒体として利用することができる。
表示素子24の周縁の設けられる封止部材30としては、特に本実施形態では水分の透過を妨げる樹脂等を用いることが好ましく、例えば、熱硬化型樹脂、UV硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、もしくは耐透気性樹脂を使用することができる。これらの樹脂は、後述するように、封止部にスクリーン印刷もしくはディスペンサによって供給されることができる。
UV硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、多官能性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、不飽和ポリエステル/スチレン、ポリエン/チオール、ポリスチリルメタクリレート、UV硬化ラッカーまたはこれらの少なくとも2つの共重合体もしくは混合物が好ましい。
熱硬化型樹脂としては、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル、ポリイミド、メラミン樹脂、マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、ケイ素樹脂、アルキッド樹脂、またはこれらの少なくとも2つの共重合体もしくは混合物が好ましい。エポキシ系樹脂としては、1液性および2液性のいずれが使用されてもよいが、2液性が使用される場合には、2接着剤成分を混錬したあと、400mmHg以下の真空度で15分〜30分脱気して気泡を除去する必要がある。エポキシ系樹脂は、常温硬化性およびUV硬化性の何れが使用されてもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、アイオノマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどのアクリル樹脂、ポリビニルアセタール、フェノール、変性エポキシ樹脂、アモルファスポリエステル、またはこれらの少なくとも2つの共重合体もしくは混合物が好ましい。
耐透気性樹脂としては、アクリロニトリル成分、ビニルアルコール成分、ビニルブチラール成分、セルロース系成分、アラミド成分、ハロゲン化ビニリデン成分の少なくとも1成分を60モル%以上含有する重合体もしくはこれらの少なくとも2つの混合物が好ましい。アクリロニトリル成分重合体としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−ブタジエンコポリマーなどを使用することができる。ビニルアルコール成分重合体としては、例えば、ポリビニルアルコールを使用することができる。ビニルブチラール成分重合体としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラールおよびエポキシ樹脂の混合物が使用できる。ハロゲン化ビニリデン成分重合体としては、例えば、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、VDC−VC共重合体、PVDC−アクリロニトリル共重合体、PVDC−アクリル酸エステル共重合体、あるいは、塩化ビニリデンと共重合可能な数種のモノマーを含む多元共重合体、PTFEなどが使用できる。
また、熱硬化型樹脂とUV硬化型樹脂との混合物を硬化樹脂として使用するなど、異種の樹脂を混合した樹脂を、封止部に使用してもよい。また、変性アクリレートオリゴマおよびエポキシオリゴマの混合物、紫外線硬化型アクリル系接着剤が使用されてもよい。アクリル系接着剤としては、紫外線硬化性アクリル系樹脂、特に、紫外線照射により重合硬化するアクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するものが好ましい。他に、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、フェノキシエーテル系架橋樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド、マレイン酸樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、または、これらの少なくとも2つの共重合体もしくは混合物などが、封止部材として使用されてもよい。
次に、本実施形態の表示素子の好適な製造方法について説明する。
本実施形態の表示素子は、第1の基板上に配置された電極表面に、光導電層及び液晶層を含む層を帯状に塗布して連続した表示素子層を形成する表示素子層形成工程と、前記連続した表示素子層を各表示媒体における表示素子ごとに分離する分離部を形成する分離部形成工程と、前記分離された各表示素子の周縁に封止部材を塗布する封止部材塗布工程と、前記第1の基板の表示素子が形成された側の面に、表面に電極が配置された第2の基板を該電極が対面するように重ね合わせる重ね合わせ工程と、前記分離部で各表示媒体ごとに切断する切断工程と、を少なくとも経て製造されることが望ましい。
すなわち、前記のように本実施形態における光導電層、液晶層は、塗布により形成することが可能であるため、例えば、ロール状に巻かれた長尺の基板を用いて、ロールツーロール方式等により電極を設けた基板(第1の基板)上に帯状に光導電層、液晶層等を順次積層塗布して連続した表示素子層形成し、次いで、これに同様に電極を設けた基板(第2の基板)を重ね合わせて接着し、最後に打ち抜き等の切断により各表示素子ごとに分断されて製造されることが、生産性の点から望ましい。
本実施形態によれば、上記連続的に行われる工程中に封止剤を塗布する工程を導入して、効率的な封止剤の配置と優れた封止性とを両立させることができる。以下、各工程について図面を用いて説明する。
図2は、前記本実施形態の表示媒体の製造方法に沿って、各工程ごとの状態を示す模式図である。図2において、(a)は第1基板上に表示素子層を形成した後の状態、(b)及び(c)は分離部を形成している状態、(d)は封止部材を塗布した状態、(e)は第2基板を重ね合わせた状態を各々示す。なお、図2(a)〜(e)は、連続的な表示媒体の配列の一部を示したものであり、図示しないが図における左右には同様の構成の表示媒体の配列がさらに連なっている。
(表示素子層形成工程)
本工程は、電極が配置された第1の基板上に、帯状の表示素子層を形成する工程である。なお、ここで「表示素子層」とは、最終的に分断(分離)されて各表示媒体における表示素子となる連続した表示素子ベースをいう。
まず、ロール状に巻きつけ可能な長尺の第1の基板60を用意する。この基板60上に、図2(a)に示すような各表示素子の複数の電極70をパターニングして配置する。この電極70が配置された基板60の表面に、図2(a)に示すように、各電極60の作用部分を覆うように帯状の表示素子層80を形成する。なお図2(a)においては、一本の帯状の表示素子層80を示しているが、表示素子層80は、基板60の幅方向に複数本のストライプ状に形成されてもよい。
表示素子層80としては、前記光導電層、液晶層を含む複数層が連続的に塗布により形成される。
光導電層としては、前記のように塗布により膜形成が行われることから、前記OPC層であることが望ましく、OPC層としては電荷輸送層の上部及び下部に各々電荷発生層(CGL)を設けたいわゆるデュアルCGL構造とすることが望ましい。
各層の塗布液は、前述の電荷発生層、電荷輸送層に好適に用いられる材料を各々溶剤に溶解または分散させて作製する。
この場合、溶剤としては水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
液晶層は、本実施形態ではバインダ中に前述の液晶材料を分散して構成される。液晶材料には色素、微粒子などの添加物を加えてもよい。また、架橋性高分子や水素結合性ゲル化剤などを用いてゲル化したものでもよく、また、高分子液晶、中分子液晶、低分子液晶のいずれでもよく、またこれらの混合物でもよい。
液晶材料は固相、液相のいずれでもよい。また、液晶材料はバインダ中で孤立分散していても、連通してバインダ中で連続相をなしていてもよい。
バインダは表示材料を分散保持するためのもので、透光性を有し、適度な強度を持つ素材を用いる。このような素材としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂などの樹脂や、ガラス、セラミックなどが利用できる。バインダは必ずしも無色である必要はなく、表示効果を考慮して所望の色に着色してもよい。バインダの硬さは、ある程度軟質の方が貼合時に変形して気泡が残留しにくいため好ましい。
液晶層を形成するための塗布液としては、液晶材料が固相の場合には、バインダまたはその溶液へ撹拌・混合することでこれをバインダ中に分散することにより得られる。表示材料が液晶の場合には以下の方法でバインダ中に分散できる。
(1)液晶材料を芯材料としたマイクロカプセルを形成してこれをバインダ中に分散する方法、
(2)液晶材料と非相溶なバインダ溶液中に分散してこれを乾燥する方法、
(3)バインダと液晶材料とを溶媒・加熱等の相溶化手段を用いて一旦均一に溶解し、次いで熱や光などの外部刺激を加えて表示材料とバインダとを相分離させる方法、
などがある。
(1)のマイクロカプセルを作製する方法としては、相分離法、液中乾燥法、融解分散冷却法、スプレードライング法、パンコーティング法、気中懸濁被覆法、粉床法などの各種界面沈積法や、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法などの界面反応法などを用いることができる。マイクロカプセルの殻の材料としては、ゼラチン−アラビアゴム系、ポリビニルアルコール基剤系、ポリアミド基剤系、ポリウレタン、ポリウレア基剤系、尿素ホルムアルデヒド基剤系などを用いることができる。
(2)の方法としては、ポリビニルアルコール、アルキルセルロース、ゼラチンなど水溶性高分子の水溶液中に、液晶材料のような非水溶性の表示材料を分散して、これを塗布・乾燥する方法が一例として挙げられる。
(3)の相分離方法としては、
(a)溶媒誘起相分離法:樹脂と液晶材料とを共溶媒に溶解して均一溶液として溶媒乾燥によって相分離を誘起する方法、
(b)熱誘起相分離法:樹脂と液晶材料とを加熱・溶融して均一溶液として冷却によって相分離を誘起する方法、
(c)重合相分離法:重合性モノマーやオリゴマーと液晶材料との混合溶液を、光、熱、電子線、硬化剤添加などで重合を開始せしめ、相分離を誘起する方法、などが利用できる。
光導電層及び液晶層の積層順は特に制限されないが、第1の基板60上に、光導電層、液晶層の順に形成されることが望ましい。また、前記遮光層や接着層を設けたり、密着力を向上させるために液晶層上にアンカーコート層を設けたり、絶縁層を設けるなど、種々の表示機能層を設けてもよい。
遮光層は、基板60側からの透過光を遮光する目的で設ける。遮光層の素材は、黒色の素材であれば特に限定されるものではないが、例えば、
1)カーボンブラック、アニリンブラックなどの有機顔料、CuO、MnO、Cr、Fe−Cr系顔料、Cu−Fe−Mn系顔料などの無機顔料などの黒色顔料を、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などの樹脂バインダ中に分散した黒色塗料、
2)黒色染料で染色された樹脂、
3)カーボンブラックなど黒色素材の蒸着膜
などが利用できる。
この遮光層を水系塗料で形成する場合、そのバインダとしては水溶性樹脂、水/有機溶剤可溶樹脂、水系のエマルジョン・ディスパージョン・ラテックスなどが利用できる。
前記接着層の素材としては、アクリレート系、ウレタン系、シアノアクリレート系、シリコーン系、イソプレンなどのゴム系、エチレン−酢酸ビニル共重合体など、公知の接着剤が利用できる。接着剤のタイプは、2液硬化型、熱硬化型、湿気硬化型、紫外線硬化型、ホットメルト型、感圧型(粘着剤)など特に限定しない。
さらに本実施形態においては、特に電極が配置された基板上に、ガスバリア層を設けることが望ましい。このガスバリア層は、表示素子の両面側からの気体の透過を抑制し、液晶層等の安定性を高める役割を有する。
ガスバリア層の形成としては、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜層の作製には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、あるいはCVD等の化学蒸着法等が適宜用いられる。例えば真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料としてSiO2 とAlの混合物、あるいはSiO2 とAl2 3 の 混合物等が用いられる。加熱には、抵抗加熱、誘導加熱、電子線加熱等を採用することができ、また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、 水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を採用することも可能である。更に、基材にバイアスを印加したり、基材を加 熱したり冷却する等、成膜条件も任意に変更することができる。上記蒸着材料、反応ガス、基材バイアス、加熱・冷却等は、スパッタリング法やCVD法を採用 する場合にも同様に変更可能である。
このようにして形成したガスバリア層の層厚は、通常10〜5000Åの範囲、好ましくは50〜2000Åの範囲とすることが望ましい。
表示素子層80を構成する各層の形成方法としては、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、などの塗布法を用いることができる。
上記により形成された表示素子層80の膜厚は、10〜100μmの範囲程度とすることが望ましい。
(分離部形成工程)
本工程は、前記表示素子層を設けた第1の基板に第2の基板を重ね合わせる前に、各表示媒体ごとの表示素子層80を分離する分離部を形成する工程である。この工程により、第2の基板を張り合わせる前に表示素子層80に分離部を設けることで、後述するように、有効に封止部材を配置することができる。
前記分離部を設ける方法としては、表示素子層80を電極70の作用部分を有効な範囲とできるように各表示素子ごとに分離できる方法であれば特に制限されないが、図2(b)に示すように、各表示素子に対応する電極70間にカットライン82を形成し、このカットライン82に沿って表示素子層80を傷つけないように電極70が存在しない部分の表示素子層を剥離し、図2(c)に示すように各表示媒体に相当する表示素子80Aごとに表示素子層80を分離することが望ましい。
上記分離された表示素子80Aごとの間隔dは、5〜50mmの範囲とすることが望ましく、5〜10mmの範囲とすることがより望ましい。
ここで、図2(b)、(c)に示した工程の詳細について、望ましい態様を説明する。
まず、図2(a)に示したカットライン82の形成方法は、表示素子層80を損傷することなく、また後述する封止部材の配置を考慮して各電極70の端部から均等な距離の直線として形成できる方法であれば特に制限されない。そして、第1の基板60上に形成された電極70や前記ガスバリア層等に損傷を与えないためには、カットライン82をハーフカット状の切れ込みとすることが望ましい。
なお、上記ハーフカット状の切れ込みとは、基板60に到達しない程度の剥離用の溝をいう。
図3は、上記切れ込みを形成している状態を示す模式的断面図であり、(a)は刃物による切れ込み形成、(b)はレーザー光による切れ込み形成の状態を各々示す。
図3(a)においては、トムソン刃などの刃100を切れ込みを入れる位置に矢印Pのように移動させて切れ込みが形成される。なお、92は剥離部材である粘着材であり、表示素子層80に接触する面で表示素子層80に接着している。そして刃100により切れ込み(カットライン)が形成された後、粘着材92を図面上方に引き上げることにより、切れ込みに沿って粘着材92に接着した表示素子層80が剥離される。
この場合、剥離される位置は接着力が最も弱い層−層間、層−基板間であると考えられ、図3に示す形態においては、基板−表示素子層間の接着力が最も弱いため、刃100による前記切れ込みが基板60に到達していない場合でも、粘着材92の接着力によって表示素子層80は基板60との界面で剥離する。また、基板表面に前記ガスバリア層が形成されてる場合には、表示素子層80がガスバリア層との界面で剥離するように、ガスバリア層−基板間の接着力よりガスバリア層−表示素子層間の接着力の方が小さくなるように設計することが望ましい。
また、図3(b)に示すように、カットライン82の切れ込みをレーザー光を用いて行ってもよい。図においては、レーザー加工機102からのレーザー光Qを切れ込みを入れる位置に照射することにより、切れ込みが形成される。
切れ込みの形成は、前記刃100を用いる方法によってもよいし、レーザー加工機102を用いる方法によってもよいが、レーザー光を用いる場合には、表示素子層80表面が加熱されるため材料構成に配慮する必要がある。
なお、実際の分離部形成においては、前記剥離の際に分離部以外の表示媒体部分の表示素子層が一緒に剥がれてしまう可能性があるため、図4に示すように、例えば刃を用いた切れ込み形成の際に、刃と押さえ部とが一体に構成された切れ込み部材104を用い、切れ込み形成と同時に表示素子として基板60上に存置させる側(図における矢印S側)の表示素子層80を押さえ、その状態で粘着材92により分離部とする側(図における矢印T側)の表示素子層80を剥離することが望ましい。
この場合にも、前記切れ込みの深さとしては、前記のようにハーフカット状とすることが望ましく、例えば、図4(a)に示すような基板60上にガスバリア層74を有する構成では、図に示すように刃の先端がガスバリア層74の表面にちょうど到達するように切れ込みを形成することが望ましい。
ただし、上記のように切れ込みを形成した場合には、実際には薄層であるガスバリア層や電極を傷つける場合がある。このため、切れ込み部材104の刃がガスバリア層に到達することを前提に、図4(b)に示すように、基板60上に積層構造としたガスバリア層76を設けておくことが望ましい。
(封止部材塗布工程)
本工程では、前工程で分離された各表示素子の周縁に封止部材を塗布する。この工程により、表示素子の周り全体に効率的かつ有効に封止部材を配置することができる。すなわち、まだ第2の基板が重ね合わされる前に封止部材を塗布できるので、封止部材を所望の位置に配置することができ、また、封止部材を設ける面積や封止部材の厚さも自由に変えることができるため、封止部材を無駄にすることがない。
図2(d)に示すように、封止部材90を配置する位置は、前記分離した各表示素子80Aの周縁である。特に封止効果を有効とするため、封止部材90は表示素子80Aの全周にわたって表示素子80Aの端面と接触するように配置することが望ましい。また、封止部材90の幅(表示素子80Aの端面からの距離)としては、後述する各表示媒体ごとの切断(打ち抜き)位置と封止効果とを考慮して、0.3〜5.0mmの範囲とすることが望ましく、0.5〜4.5mmの範囲とすることがより好適である。
具体的に図を用いて説明する。
図5は、封止部材を塗布する前後の状態を示す模式的断面図であり、図5(a)は分離部の表示素子層が剥離された状態、図5(b)は封止部材が塗布された状態を各々示す。なお、図5においては、基板60上にガスバリア層74が設けられている。
図5(a)では、前工程により基板上の分離部の表示素子層が剥離されているが、図に示すように、図4と同様な刃による切れ込みを形成したときに、切れ込みが基板60にまで到達して、ガスバリア層74や基板60に若干損傷(図における基板60表面のくさび状部分)を与えている。このような損傷は、このまま第2の基板を重ね合わせて表示媒体としても、耐久性低下の原因となることがある。
図5(b)は、図5(a)における分離部に封止部材90を配置した状態を示すが、封止部材90は液状で塗布されるため、表示素子80Aの端面を完全に覆っている。さらに、図に示すように、上記封止部材90の塗布により前記基板60表面の損傷(くさび状部分)も封止部材90で埋められ、本実施形態の封止部材形成工程によれば、ガスバリア層74等の損傷部も併せて封止することができる。
封止部材90の塗布は、前述の封止部材として好適に用いられる樹脂等を溶剤を用いて溶液(液状の樹脂の場合はそのまま)として塗布液とし、前記のようにスクリーン印刷もしくはディスペンサなどを用いて行うことができる。
(重ね合わせ工程)
本工程では、前記各表示素子の周縁に封止部材を配置した第1の基板と、対向する電極が配置された第2の基板とを重ね合わせる。重ね合わせは、図2(e)に示すように、各々の基板上の対向する電極70、72を、その作用部(図における取り出し部分電極以外の長方形の部分)が一致するように行う。
上記重ね合わせ時には、圧力を加えて圧着してもよいし、熱と圧力とで熱圧着してもよい。また、接着剤を用いて接着する方法を用いてもよい。特に、表示素子のバインダ、および第1の基板60または第2の基板62が樹脂よりなる場合に、熱圧着を用いると樹脂が軟化して残留気泡を低減できる。気泡が入らないように真空中で貼合してもよい。
なお、重ね合わせる第2の基板62には、電極以外に前記光導電層等の機能層が形成されていてもよい。
上記重ね合わせの後、必要により加熱あるいは光照射等により、前記封止部材90を硬化させる。なお、この硬化は、前記重ね合わせ工程における加熱等で同時に行うことが可能であれば、改めて行う必要はない。
加熱を行う場合には、90〜130℃の範囲で5〜30分間程度行うことが望ましい。
(切断工程)
本工程は、基板同士の重ね合わせ、封止部材の硬化を終えた後の複数の表示媒体が配列された表示媒体ベースを、所望の大きさ、形状に切断、打ち抜き等により成形し、最終的に図1に示すように表示媒体とする工程である。
前記打ち抜きによる場合、打抜き法としては、金型抜き打ち法、トムソン刃を用いる方法、押し切り刃を用いる方法等が挙げられる。
上記切断工程において、裁断刃等により圧力がかかった状態で表示媒体ベースが切断されるため、得られた表示媒体の切断面付近では、特に表示素子における層での破壊(はがれ、破れなど)が発生しやすい。しかし、本実施形態では、前記のように各表示素子の周囲に封止部材部分を設けているため、この部分に裁断刃をあてて切断を行えば、表示素子部分には比較的圧力がかからないという利点がある。
以上のようにして、本実施形態の表示素子を得ることができるが、さらにこの表示素子を真空ヒートプレス等によりラミネートした構造としてもよい。
本発明の表示媒体は、例えば光書込型の表示媒体として用いることができるが、これに限定することはなく、例えば、電極をストライプ状に加工して単純マトリクス型の表示素子としてもよい。あるいは表示と反対側の面の基板上に薄膜トランジスタ、薄膜ダイオードなどの能動素子を設けてアクティブマトリクス駆動型の表示媒体としてもよい。また、電圧応答型の表示材料を例にとって説明したが、熱応答型の表示材料を用いてサーマルヘッドやレーザー光線で書き込むタイプの表示媒体に関しても本発明は有効である。
<試験例>
以下に、本発明の試験例を示す。本発明はこの試験例により限定されるものではない。なお、下記において「部」「%」は各々「質量部」「質量%」を表す。
(表示媒体の作製)
まず、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デユポン社製フィルム、以下、PETと略記する)を用い、以下に示す方法でガスバリア層と第1電極とを形成し、巻き芯に巻き取りロール状としたガスバリア層と第1電極とをこの順番で有する帯状の第1基板を準備した。なお、以下の層形成、貼りあわせ等は、ロールツーロール方式により行った。
前記PET上に、スパッタリング法により、ガスバリア層を形成した。形成したガスバリア層の上に、ITO(インジウムチンオキシド)を蒸着法によりパターニングを行い、1つの表示媒体に相当する表示作用部分の大きさが50mm×40mmの第1電極を形成した。
次に、この上に光導電層として第1電荷発生層、電荷輸送層、第2電荷発生層の3層を形成した。まず、フタロシアニン顔料系電荷発生材料を分散したポリビニルブチラール樹脂のアルコール溶液を、不要部分をマスキングした後スピンコートにより連続コートして、幅が55mm、厚さが0.1μmの帯状の第1電荷発生層を形成した。次いで、ジアミン系電荷輸送材料とポリカーボネート樹脂のクロロベンゼン溶液を同様にコートして、前記と同幅の3μm厚の電荷輸送層を形成した。最後に再度、フタロシアニン顔料系電荷発生材料を分散したポリビニルブチラール樹脂のアルコール溶液を同様にコートして、同幅の0.1μm厚の第2電荷発生層を形成して、帯状の光導電層を得た。
次に、市販のカーボンブラックの水分散体WAカラーブラックA01(大日精化社製)とポリビニルアルコール溶液とを混合して黒色塗料を準備し、これをアプリケーターにより乾燥膜厚が3μmとなるように光導電層上へ塗布して遮光層を形成した。
次いで、2液ウレタン系接着剤DICDRY(大日本インキ化学工業社製)を遮光層上に同様に3g/m塗布して接着層とした。
一方、液晶材料としてはコレステリック液晶を用いた。コレステリック液晶は、ネマチック液晶E7(メルク社製)にカイラル剤R811(メルク社製)を12.8%と、カイラル剤R1011(メルク社製)を3.2%とを添加して準備して、青緑色の選択反射を有するコレステリック液晶を得た。
このコレステリック液晶10部に対して、ポリイソシアネート化合物タケネートD−110N(武田薬品工業社製)を1部と酢酸エチルを100部とを加えて油相組成物を調製し、これを1%ポリビニルアルコール水溶液1000部の中に投入し、撹拌・乳化して約10μm径のo/wエマルジョンを作製した。これを60℃で3時間加熱してポリウレタンを壁材とするマイクロカプセルを得た。マイクロカプセルを遠沈回収後、12%ポリビニルアルコール水溶液を加えてマイクロカプセル液晶塗料とした。
次に、この液晶塗料を用いて、前記と同様に形成した帯状の第2基板に、上記マイクロカプセル液晶塗料を乾燥膜厚で30μmとなるように塗布して、帯状の液晶層を形成し、表示素子層を作製した。
得られた帯状の表示素子層に、前記パターニングされた電極間の位置ごとにトムソン刃により、前記塗布された方向と直交する方向に間隔が5.0mmの2本の直線状のハーフカットを形成し、次いで、ハーフカット間の表示素子層を剥離して分離部を形成して、各表示媒体ごとの表示素子とした。
封止部材としては、紫外線硬化型エポキシ変成、熱硬化型樹脂エポキシ変性樹脂、これらに無機微粒子としてSiO微粒子などを混練したものを用意し、これを前記分離された各表示素子の周囲にディスペンサーにより塗布した。このときの塗布幅は、電極端部から1.0mmとした。
次いで、巻き取りロール状としたPET上にガスバリア層と第2電極とを、前記と同様に形成した帯状の第2基板を、前記封止部材を塗布した第1基板と重ねて110℃に加熱したラミネーターを通して貼合して表示媒体ベースを完成した。
得られた表示媒体ベースを用い、金型打ち抜き器により53mm×46mmの大きさの長方形に打ち抜き、表示媒体を作製した。
(表示媒体の評価)
作製した表示媒体を、60℃、90%RHの環境下に30日間放置した。その後、以下のようにこの表示素子の駆動テストを行った。
図6に示すように、パルスジェネレータと高圧アンプから構成された電圧印加部2に、表示媒体1の電極7と電極8とを接続した。また、明部と暗部を有するマスクパターンと、波長650nmのLED光源からなる露光部3を準備して、マスクパターンを基板5に密着させて、これをLED光源で露光した。露光と電圧印加のタイミングをはかる制御部4の機能は、このテストでは人が行い、手動で電圧印加部2と露光部3とを操作した。表示素子9へ露光しながら、電極7と電極8との間に電圧300V、周波数10Hzのバーストパルスを200ms印加して、マスクパターンの像を表示媒体1へ書き込んだ。書き込まれた像の暗部には気泡に起因したざらつきもなく良好な黒色表示を得ることができた。また明部と暗部の表示コントラスト比は12:1であった。
比較として、前記表示媒体の作製において、封止部材の塗布を行わずに第2基板との貼りあわせを行った以外は、同様にして作製した表示媒体を用い、前記と同様の評価を行った。
その結果、表示素子外周部分より水蒸気が侵入し、画像書き込み不能領域が表示素子外周部より中央部に進行し、書き込み不能となった。
本発明の表示媒体の一例を示す概略構成図である。 本発明の表示媒体の製造工程の一例を示す模式図である。 表示素子層に切れ込みを形成する工程の一例を示す模式断面図である。 表示素子層に切れ込みを形成する工程の他の一例を示す模式断面図である。 封止部材を配置する工程の一例を示す模式断面図である。 本発明の表示媒体の評価方法の一例を示す模式図である。
符号の説明
1、50 表示媒体
2 電圧印加部
3 露光部
4 制御部
5、6、10、12、60、62 基板
7、8、20、22、70、72 電極
9、24 表示素子
30、90 封止部材
80 表示素子層
82 カットライン
74 ガスバリア層
92 粘着材
100 刃
102 レーザー加工機
104 切れ込み部材

Claims (3)

  1. 1対の基板と、
    前記1対の基板上に対向して配置された1対のガスバリア層と、
    前記1対のガスバリア層上に配置された1対の電極と、
    前記1対の電極間に挟まれ光導電層及び液晶層が少なくとも積層された表示素子と、
    前記表示素子の周縁に配置され該表示素子を封止する封止部材と、
    を有することを特徴とする表示媒体。
  2. 第1の基板上に配置された電極表面に、光導電層及び液晶層を含む層を帯状に塗布して連続した表示素子層を形成する表示素子層形成工程と、
    前記連続した表示素子層を各表示媒体における表示素子ごとに分離する分離部を形成する分離部形成工程と、
    前記分離された各表示素子の周縁に封止部材を塗布する封止部材塗布工程と、
    前記第1の基板の表示素子が形成された側の面に、表面に電極が配置された第2の基板を該電極が対面するように重ね合わせる重ね合わせ工程と、
    前記分離部で各表示媒体ごとに切断する切断工程と、
    を少なくとも経て製造されることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
  3. 前記分離部形成工程が、前記連続した表示素子層に各表示素子ごとに分離するハーフカット状の切れ込みを入れた後、該切れ込みにより特定された分離部に相当する表示素子層を剥離する工程であることを特徴とする請求項2に記載の表示媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009145504A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Fujifilm Corp ウエブ状電極材料およびその製造方法
JP2018502332A (ja) * 2015-03-20 2018-01-25 歐浦登(順昌)光學有限公司 一体型全密閉液晶スクリーンとその製造方法

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