JP2001166125A - 特に薄膜間等の微小な、区画構造物とその製造方法 - Google Patents

特に薄膜間等の微小な、区画構造物とその製造方法

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JP2001166125A
JP2001166125A JP2000106495A JP2000106495A JP2001166125A JP 2001166125 A JP2001166125 A JP 2001166125A JP 2000106495 A JP2000106495 A JP 2000106495A JP 2000106495 A JP2000106495 A JP 2000106495A JP 2001166125 A JP2001166125 A JP 2001166125A
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Hisahide Wakita
尚英 脇田
Mariko Kawaguri
真理子 河栗
Yasuhiko Yamanaka
泰彦 山中
Takeshi Karasawa
武 柄沢
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に、多層構造のセルの配列が正確なカラー
液晶表示装置、その他区画構造物を効率よく製造する。
また、多層構造の液晶表示装置の、層間フィルムの破損
による不良を改善し、層間フィルムでの電圧ロスを低く
し、反射率等を向上させる。 【解決手段】 各層の各画素の液晶セル等には、前もっ
て発色素を配置し、その後液晶を注入する。各層の液晶
は共通の孔から注入し、各層の封止には液晶の熱収縮に
よる封止用樹脂の吸引を利用する。多層に重なった区画
構造等の形成に、紫外線の照射で昇華し、非照射部は熱
で硬化する材料と該気化した分子を透過させる材料膜を
利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜間の多数かつ
微小な区画構造に関し、特に液晶を使用した表示装置や
その部品としてのパネルやカラーフィルター等に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の液晶表示装置(含む、プラズマア
ドレス液晶表示装置(PALC)等)においては、数μ
m角や一辺の辺が数μmの三角あるいは複数の帯状かつ
幅がこれまた数μmというような微小な区画が多数それ
も縦横に320×240、1024×768、1280
×1024等幾行、幾列にも並んだ、更には多段にもな
った構造物が使用される。具体的には、液晶表示装置に
おける各画素やその液晶層あるいはカラーフィルター、
PALCにおける液晶層、更にはゲストホストセルを使
用したカラー液晶表示装置の画素部等である。
【0003】ところで、これらの多数かつ微小な区画に
ついては、従来より種々の内容、方式の物があり、その
用途に応じて様々の問題があり、そのため解決策として
種々の技術が開発されている。以下、順にその内容につ
いて説明する。
【0004】まず、第1に、液晶パネルにおける基板間
隔がある。
【0005】通常、液晶パネルは、基板間隔を一定に保
持するため画素部はボール状のスペーサーを散布し、周
辺部はシール樹脂中にボール状またはファイバー状のス
ペーサーを混練して、接着している。ところで、液晶表
示装置の場合、基板の間隙(=ほぼ液晶層の厚み)は高
度の精密性が要求される。すなわち、例えば、STN液
晶では0.05ミクロンの厚みむらが表示むらとなって
しまう。その対策として、特許公報2504111号は
図1に示すように、一方の基板20上にフォトレジスト
で作成した線状のスペーサー40上に対向基板30を押
しつけた状態で加熱することにより、フォトレジストの
スペーサを溶融させて基板を接着しつつ併せてセル厚
(基板間隙)を出す方法を開示している。しかしこの方
法では、レジスト層がスペーサーを兼ねており、熱圧着
により溶融させて接着したときに、レジスト層が押しつ
ぶされて、厚みが変化してしまい、基板と部材の間隙を
均一に、正確に制御することが困難である。
【0006】次に、液晶パネル等で用いるカラーフィル
ターであるが、これには、いく通りもの製作方法があ
る。
【0007】現在、最も一般的に用いられている方法
は、着色顔料を分散させたレジストを、赤、緑、青、場
合によっては更に黒(ブラックマトリクス)の順に順
次、塗布、露光、現像、そして除去するフォトリソグラ
フィーを、3、4回繰り返す方法である。しかし、この
方法は、必要な工程が多い。
【0008】より簡易な方法として、例えばインクジェ
ット法により、基板上ブラックマトリクスに囲まれた部
分に着色樹脂液を吐出式の印刷等で塗布してから定盤で
プレスしてレベリングしたのち硬化させる、インクジェ
ット方式がある。しかし、このインクジェット方式は、
工程は簡単であるが、着色した樹脂が混ざらないために
は、吐出する樹脂液の量を極めて正確に制御する必要が
あり、また、インクジェットのノズルが詰まりやすい。
【0009】また、オフセット等の印刷技術により基板
上に着色インクを塗り分けて、硬化させる方法もある。
しかし、印刷法は、表面の凹凸が生じやすく、平坦性に
問題がある。
【0010】その他特開昭62−3224号では、スト
ライプ状のスペーサーで仕切られた液晶セルに異なる色
の色素を含んだ液晶を注入することにより、カラーフィ
ルターのない液晶パネルを開示している。しかし、この
方法では、色素としてゲストホスト液晶が上げられてい
るが、ゲストホスト液晶は二色性色素を用いると電圧を
印加すると、色の彩度が変化してしまう。また、仕切り
となるスペーサーと対向基板との接着方法は記述されて
いない。
【0011】次に、反射形カラー液晶表示装置である
が、これは反射板により外部光を反射してカラー表示を
行う。このため、バックライト用の電力消費がなく、ひ
いてはノート型パソコン、PDA等の携帯型機器の表示
装置として使用されている。ところで、このタイプのも
のの輝度等の表示性能を高めるためには、従来のごとく
偏光板やカラーフィルターを用いると光が減衰するので
困難である。
【0012】すなわち、偏光板を使用すると最大でも1
/2しか光が透過せず、カラーフィルターを用いると原
則として1/3の光しか利用しえず、結局両方を併せて
全体で1/6しか光を利用しえない。
【0013】そこで、この解決策として、反射板上にシ
アン、マゼンタ、イエローからなる3層のゲストホスト
液晶を積層し、減法混色により表示する方式が考えられ
る。しかし、単に液晶パネルを3枚重ねた場合には、画
素が細かくなるとガラスの厚みが相対的に大きくなるた
め視差が生じ、このため表示面を斜め方向から見たとき
に色ずれを生じる。
【0014】この対策として、1枚の基板上に3層の液
晶層を重ねる構造の液晶表示装置が特開平8−3280
31号に開示されている。これは、100〜300μm
程度の層間膜を介して液晶層を形成し、層間膜の上下に
電極を形成したものである。そして、各層間膜はスペー
サによって支持され、液晶層はビーズスペーサにより所
定の間隙を保持している。更に各間隙にシアン、マゼン
タ、イエローのゲストホスト液晶が分離して注入されて
いる。
【0015】なお、この公報には、各液晶層への液晶の
具体的な注入の方法は開示されていないが、通常の液晶
パネルと同じく、真空室内で、パネルの端部に設けた各
層毎の注入口にそれぞれの色のゲストホスト液晶を接触
させ、液晶面を常圧に戻して対応するゲストホスト液晶
を注入するものと考えられる。従って、液晶の注入は各
色毎に合計3度行われることとなる。
【0016】しかしながら、このような従来の反射型そ
して積層型の液晶表示装置では、各液晶層の上下の境界
の、フィルムの上下に透明電極を形成するため、各層毎
に2枚、フルカラー表示ならば原則合計6枚の透明電極
が必要となる。
【0017】このため、反射形液晶表示装置では、1枚
の透明電極につき光が入射時と反射時の2回通過するた
め、どうしても電極での光の減衰が大きくなり表示が暗
くなる。
【0018】そこで、各層間膜の電極を1枚ずつとし、
上下の液晶層に電圧を印加するための電極を兼ねさせる
ことで透明電極の枚数を減らし、反射率を高めることが
考えられる。ところでこの場合、各液晶層には層間膜を
介して電圧が印加されることとなるため、層間膜での電
圧ロスが問題となる。そして液晶層の厚みあるいはギャ
ップは、3〜5μm程度であるため、層間膜での電圧ロ
スを低く抑えるためには、層間膜の厚みはギャップに比
べて相対的に小さい厚み(数μm程度以下)にする必要
がある。
【0019】しかし、層間膜として1μm程度の厚みの
フィルムを用いた場合、今度はフィルムが損傷しやすく
なる。例えば、5インチ程度の大きさのパネルの場合に
は、どうしても数個程度の極微細な穴、破れが生じる。
さて、3層の液晶層には、それぞれ異なる色のゲストホ
スト液晶を分離して注入する必要があるが、穴や破れが
あると、ここから本来の層の液晶以外の液晶が、すなわ
ち他の色の液晶が広がり、注入不良そして表示不良が生
じる。ひいては、パネルの歩留まりを非常に悪化させ
る。
【0020】また、たとえ層間膜の厚みを1μm程度と
した場合でも、層間膜における電圧ロスは避けられな
い。液晶は、配向方向によって誘電率が異なり、一般的
な誘電異方性が正の液晶では、電極間に電圧を印加する
と分子が垂直に配向し、比誘電率が高くなる。特に動作
電圧が小さい液晶では、比誘電率がε⊥=4程度に対
し、ε//=11程度となり、この差が大きくなる傾向が
ある。一般的には、樹脂フィルムの比誘電率は3程度で
あるため、電圧印加時、層間膜に比べ液晶の比誘電率が
高くなり、層間膜での電圧ロスが非常に大きくなる。
【0021】次に、これら区画を仕切ったり上下の境界
を形成する膜であるが、導電、絶縁、光透過、光遮断、
偏光、反射など多種多様の機能を有する物がある。更に
膜としての役割も、外界との直接接触の遮断、ある特定
の物質分子のみの透過、あるいは電子デバイスの積層構
成要素など極めて多岐にわたって使用されている。そし
て、電子デバイスの構成要素として使用される膜は、単
なる平坦なものを積層する場合は少なく、ステップ、ホ
ール、トレンチなど様々で複雑な形状をしている。例え
ば、薄膜トランジスタ等のように、埋め込み層を有する
膜を形成するには、製膜、フォトリソグラフィ、エッチ
ングのプロセスが繰り返され、場合によっては、ある深
さ領域のみに特定の物性を持たせるため、イオン注入や
拡散などの手法が併用される。
【0022】ここで、フォトリソグラフィプロセスによ
って製造される積層構造膜を、図2及び図3を参照しな
がら説明する。図2は1層の構造の膜の概念を示す一部
破断斜視図であり、図3は3層の積層構造の膜の概念を
示す一部破断斜視図である。
【0023】図2に示す1層の構造膜は、対向して配置
された基板20と天蓋部30とが市松模様のスペーサ4
0を挟み、これらによって囲われた領域に空隙4を形成
したものである。一方、図3に示した3層の積層構造膜
は、対向して配置された基板20と天蓋部30との間
に、間隔をあけて第1,第2の中間仕切層50,60が
介在し、基板部1と第1の中間仕切層50との間、両中
間仕切層50,60の間、そして第2の中間仕切層60
と天蓋部30との間に格子状のスペーサ40が挟まれ、
これによって囲われた領域に空隙を形成したものであ
る。
【0024】この1層の構造膜が液晶表示素子の表示部
用画素部であるときは、基板20の上表面と天蓋部30
(対向基板)の下面等に、そして3層の積層構造膜の場
合には中間仕切層50,60の上面等にそれぞれ透明導
電性薄膜(図示せず)等が形成され、空隙内には液晶が
充填される。そして、例えばスペーサ40の上面には液
晶を空隙内に注入するための注入孔49が形成される。
また、3層の積層された構造膜が液晶表示素子の表示画
素部であるときには、各層毎にシアン、マゼンタおよび
イエローの色素の液晶が空隙内に充填され、減法混色に
よってカラー表示される。
【0025】さて、このような空隙を有する積層構造膜
は、あらかじめ何らかの材料と方法によって作製された
スペーサ40の上下両面に、基板20や天蓋部30等を
貼り付けることによって製造される。この方法によれ
ば、例えばフォトリソグラフィの技術を応用することに
より、空隙はかなりの程度、形状を自由に設計し、また
形成することができる。ただし、この空隙を有している
積層構造膜をフォトリソグラフィプロセスによって製造
するには、スピンコーティング、ベーキング、UV露
光、薬液による現像、リンス、乾燥、接着層形成等数多
くの工程が必要である。
【0026】しかも各工程が複雑なうえ、ウェットプロ
セスがたび重なって繰り返されるため、各種の不良が発
生しやすい。例えば、後工程において貼り合せを伴う
と、硬質材料の場合には密着性に難が生じ、軟質材料の
場合には平坦性に難が生じる。更に、複数層に空隙を形
成するには、一括して形成するのは困難であるため、各
層毎に同じ工程を繰り返さなければならず、作業性が劣
化し、その上積層した各層の空隙のエッジがずれること
もある。そしてこれは、カラーの液晶表示素子の画質の
低下につながる。
【0027】次に、特開平11−30781号では、基
板と封止膜とに挟まれた固形膜の所定部を気化させ、基
板、封止膜そして固形膜に囲まれた領域に空隙を形成す
る液晶表示素子の製造方法が開示されている。なお、こ
の固形膜の材料は、エネルギー線等が照射されることに
よって液状となり、更に加熱及び減圧によって気化する
ものである。ただし、気化する際分子は封止膜を透過せ
ず、別途形成された排出口から排出される。このため、
排出口の形成等が必要であるだけでなく、周囲を減圧し
なければならないため、作業が大変面倒である。また、
積層された各多層のエッジのずれは、この製造方法にお
いても生じる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】このため、薄膜間等の
多数かつ微小そして積層されることの多い区画構造にお
いて、以下の課題の要望があった。
【0029】液晶表示装置等のパネルとして、上下(表
裏)2枚、あるいは多層構造の場合には何枚もの基板間
隔を正確に保持することが可能、しかも工程等も簡単な
技術の開発。
【0030】液晶表示装置用の厚みが均一そして平坦な
カラーフィルターを簡単な工程で形成する技術の開発。
【0031】カラーフィルターに限らず、微細な区画構
造物で各区間内に性質の異なる物質が充たされている物
を簡単な工程で形成する技術の開発。
【0032】なお、かかる物としては、体温に応じて所
定の領域が発色したり、変色したりするタイプの体温
計、酸素、炭酸ガス等特定のガスの濃度に応じて所定の
領域が発色したり、変色したりするタイプのガス検知器
等がある。なお、これらにおいては、温度等に応じて発
色するしかも発色温度が異なる小さい液晶のセルやガス
濃度等に応じて発色し更に発色濃度が異なる小さい液晶
のセルを板等に一定の規則で配置し、更に必要に応じて
表面はガス透過性樹脂を使用している。
【0033】多層構造の液晶表示装置において、各層の
ずれ等が発生し難く、輝度が良好しかも液晶の注入工程
も少なく、更に消費電力の優れることとなる技術の開
発。
【0034】同じく、多層構造の液晶表示装置におい
て、単純かつ簡単な工程かつ基板等の密着性や平坦性に
問題が生じ難く、カラー表示特性等が優れることとなる
技術の開発。
【0035】光の照射等により流動体化する、特に気化
する、好ましくは直接気化(本来の意味での昇華)する
性質を有する、更にはその後の加熱で硬化する樹脂を使
用する。そして作業雰囲気を減圧等することなく多層そ
して複雑な形状の空隙を形成可能な技術の開発。
【0036】層間絶縁膜が薄くても、液晶の注入不良が
発生しない積層構造の液晶表示装置の開発。
【0037】層間膜での電圧降下が少なく、反射率やコ
ントラスト比などの優れた液晶表示装置の開発。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決することを目的としてなされたものであり、以下の
点に着目したものである。
【0039】第1に、一定の物理的、化学的条件で発色
作用をなすこととなる所定の発色素、発色作用物質(色
素、染料、カイラル剤、顔料、侵入してきた所定の物質
との反応で発色する物質等)を各微小な区画構造の所定
の位置に配置しておき、その後(通常は)無色の樹脂等
を充填し、更に一定の条件を加えて、該樹脂を発色させ
併せて必要の応じて硬化等させる。
【0040】第2に、フォトリソグラフィ用の露光材で
使われる近紫外線等の電磁波の照射や更にこれに加えて
80℃以上の温度で昇華したり(含む、固体から液体を
経て気化する場合)、逆に昇華しなかったりする物質に
フォット(遮光用)マスクをかけての紫外線露光、更に
はその後の加熱等で露光部や被露光部の物質を昇華させ
ることによりセルを形成する。
【0041】これにより、表示装置等はその規則や規格
に従って一辺が数十〜数百μm、勿論大きければ数mm
程度の正方形の画素等の微小な区画が縦横幾列、更にケ
ースにより幾段にも配列されているが、その区画、具体
的には液晶セルやカラーフィルターのセルの製造を可能
としている。勿論、幅数十〜数百、小さければ2〜3μ
mの帯が幾列にも並んだストライプ構造やデルタにも対
応可能としている。
【0042】また、かかる材料を上下(基板に直交す
る)方向に何枚も重ねた状態で、基板上方よりマスクを
介して一度に各層の材料を露光することにより、上下各
層のセルをずれなく、そしてビーズスペーサー無しに上
下間隔も正確に形成することが可能となる。なおこの
際、上下各セル間の色彩等の異なる液晶分子が相互に混
ざり合うのを防止したり、天蓋を形成したりするため、
天蓋部や仕切層を設けるが、この仕切層等を形成する物
質は、単に上述の紫外線を透過させるだけでなく、上述
の昇華した物質の分子(一旦液化後の気化を含む)をも
通過させる性質を有している材料にて形成する。更にこ
の際、導電性をも有する物質として、液晶装置の電極を
兼ねるようにしている。
【0043】第3に、間隙内に充填された物質が液晶層
やカラーフィルターとしての役を担うため、色素、カイ
ラル剤等を各セル(液晶等の満たされる間隙内)に配置
する手段として、特にいわゆるモザイクやデルタの配列
の場合には、上述の昇華性物質中に色素等を封入したマ
イクロカプセルをあらかじめ混入しておき、更に後から
セル内へ注入する無色の液晶にマイクロカプセルを破壊
する物質を入れている。
【0044】第4に、これらに併せて各セル内への液晶
の注入は、各画素毎に各層に共通の注入孔を設け、更に
液晶注入後封口用樹脂にて共通の注入孔を封止する際、
基板と液晶との熱膨張率の差に注目し、このため高温時
に液晶を注入後、封口用樹脂を塗布し、室温に下げるこ
とをなしている。
【0045】具体的には、各発明は以下のようにしてい
る。
【0046】1の発明は、液晶表示装置のカラーフィル
ターに使用するため、各画素等の区分けをなす仕切り壁
の上(反基板側)に、更に上部に突き出た上部仕切り壁
を形成する。このためカラーフィルター上面に感光性レ
ジストを塗布し、ガラス側からガラスに吸収されにくい
波長の長い紫外線を仕切り壁をマスクとして照射し、こ
の感光性レジストを露光させたりする。この様にして形
成された、上部仕切り壁で区分けされた区画内に液晶等
が充填される。
【0047】また他の発明は、基板上にフォトリソグラ
フィや印刷でカラーフィルター等の配列、寸法等の規格
にのっとて通常は等高の支持壁が形成され、その上部に
樹脂フィルム層が形成され、更に上下の基板と樹脂フィ
ルム層、側部の支持壁で区分けされた区画内へ真空注入
等で発色作用を成すこととなる樹脂が充填され、硬化さ
れる。この際、基板が撓んだりしない様に、樹脂が着き
にくい処理をしたガラス板等で基板を土台に押し付け、
併せてガラス板上等から紫外線を照射したり加熱したり
して、樹脂を硬化させたりする。
【0048】また他の発明においては、基板側からの仕
切り壁をマスクとしての近紫外線(ガラスに吸収され難
い)等を照射するフォトリソグラフィにより、各区画の
仕切り壁の上部にのみ熱可塑性樹脂層を形成し、この熱
可塑性樹脂層を接着剤として各区画の仕切り壁の上部に
樹脂フィルム膜等を接着する。なおこの際、樹脂フィル
ム膜が撓まないようにするには、金属ロール等を使用す
る。
【0049】また他の発明においては、液晶表示装置に
使用するため、カラフィルターの各部材質や状態はその
ことを考慮してなされている。
【0050】また他の発明においては、印刷等によりス
トライプ等の支持壁が形成され、支持壁で区分けされた
区画内に、一定の条件で所定の発色作用をなす発色素が
印刷等で配置される。この際、各区画は表示面の画素や
カラーフィルターの規格に対応している。
【0051】また他の発明は、電極を有する基板上に各
画素に対応しての電極を付着するかそれ自身が電極を兼
ねた透明な樹脂フィルムが基板及び樹脂フィルム相互に
対して所定の間隙を設けて(ただし、等間隔とは限らな
い)所定数積層され、更に基板と樹脂フィルム及び樹脂
フィルム相互の間隙に色素やカイラル剤等の所定の発色
素を含む液晶が充填されてなる画素が形成されたカラー
表示用の液晶表示装置において、上下(基板に直交す
る)方向から見て樹脂フィルム及び中間の仕切り層とし
ての樹脂フィルムの数だけ重なって、そして基板と樹脂
フィルム及び樹脂フィルム相互の間隙にそれらの距離を
一定に保持すると共に個々の画素の周囲を囲むように支
持部材が設けられ、これにより各画素毎に区分してい
る。また、各画素の上下の液晶層は、樹脂フィルムによ
り区分けされている。
【0052】これにより、万一樹脂フィルムに穴や破れ
がある場合でも、その画素のみ不良になるだけであり、
表示部全体に液晶の注入不良が発生することを防ぎ、製
品の耐久性等歩留まりを向上させている。また、液晶表
示装置においては、支持部材がブラックマトリクスを兼
ねることも可能となる。
【0053】また他の発明においては、樹脂フィルムが
透明な導電性樹脂や画素に対応して導電性樹脂を付着し
た樹脂からなる。このため、樹脂フィルムが画素電極を
兼ねることができ、絶縁体の樹脂フィルム上に電極を形
成した場合に比べて樹脂フィルムでの電圧降下を抑え、
高い表示性能を得ることができる。なお、現時点の導電
性樹脂は、厚くすると透明性が劣化するため、その厚み
は数μm程度以下とすることが望ましいが、この場合で
も、各画素の液晶は機械的、物理的に独立している(往
来がない)ため製造での歩留まり低下、耐久性の劣化を
抑えることができる。
【0054】また他の発明は、樹脂フィルムが各画素毎
に電気的に分割されているため、各画素毎の駆動が可能
となり、マトリクス表示が可能となる。なおこの場合に
は、必要に応じてのコンタクトホールが支持部材内に設
けられたりするのは勿論である。
【0055】また他の発明は、各画素内の液晶は他の画
素の液晶と孤立しているが、製造時に限っては同一画素
内の上下に積層した各発色用の異なる液晶層とは共通の
液晶注入孔を有している。
【0056】また他の発明は、各画素の各発色用の液晶
層は共通の液晶注入孔を有し、更に各層毎にその入口部
に上部(注入側)の樹脂フィルムより下部へ入り込んだ
放射線や紫外線硬化型、二液混合硬化型、多少の加熱で
硬化する型等の封止用樹脂を有している。これにより、
各層毎に所定の色のゲストホスト液晶になる無色の液晶
等を共通の孔から充填すると共に、注入後発色性の異な
ることとなった各液晶がその共通の注入孔を介して往来
するのを硬化した封止用樹脂が防止する。なおこの場
合、封止用樹脂は最上(天蓋)部の樹脂フィルム等に塗
布され、硬化することにより、単に注入孔を封止するだ
けでなく、該樹脂フィルムの機械的保護、内部への水分
の侵入の防止等の作用を発揮する。
【0057】また他の発明は、電極を有する基板上に電
極を付着するか自身が電極を兼ねた透明な樹脂フィルム
が基板及び樹脂フィルム相互に対して必要な液晶層厚さ
等から定まる所定の間隙を設けて表示する色彩やその原
色から定まる所定数積層され、更に基板と樹脂フィルム
及び樹脂フィルム相互の間隙に所定の発色素を含む液晶
が充填されてなる画素が形成されたカラー表示用の液晶
表示装置の製造方法において、基板と樹脂フィルム及び
樹脂フィルム相互を一定間隙に保持すると共に、各画素
の水平仕切り壁となり他の画素から区分けする支持部材
を、基板上樹脂フィルムの重なって形成された数だけ繰
り返して、そして露光等を利用して上下(基板に直交す
る)方向から見た場合重ねて形成する。
【0058】またこのため、各層の支持部材が形成され
る毎にその上部に各液晶層の上下方向の境界壁となる樹
脂フィルムを形成する。また、基板と樹脂フィルムまた
は樹脂フィルム相互の間隙に液晶を注入するのに先立っ
て、予めその間隙内に所定の色素等を配置されている。
また、同一画素内の上下の各層に各発色用の液晶層が充
填されることとなるよう、各画素毎に共通の液晶注入孔
を開設される。そして、その注入孔より原則として無色
の液晶が注入される。更に間隙内に注入された液晶にこ
の色素等を溶解させる。
【0059】これにより、その各発色用の各層に各層毎
に所定の色のゲストホスト液晶となる液晶を個々に充填
する(ただし、充填時に発色性が有るとは限らない)こ
ととなり、樹脂フィルムの破れによる各画素、各層の液
晶の混合、そして製品の歩留まり低下等を抑えることが
可能となる。
【0060】また他の発明は、発色素はマイクロカプセ
ル内に入れて配置する。更にこのマイクロカプセルは、
液晶内に混入された化学物質により液晶注入後あるいは
更にその後の加熱や昇温時に破壊され、発色素は液晶内
に拡散する。なおこの際、加熱、振動等の処理もなされ
うる。
【0061】また他の発明は、電極を有する基板上に電
極を付着するか自身が電極を兼ねた透明な樹脂フィルム
が基板及び樹脂フィルム相互に対して所定の間隙を設け
て所定数積層され、更に基板と樹脂フィルム及び樹脂フ
ィルム相互の間隙に所定の二色性色素やカイラル剤等の
発色素を含む液晶が充填されてなる画素が形成されたカ
ラー表示用の液晶表示装置の製造方法において、露光後
の加熱により昇華性となる(現時点では、こちらが普
通)か昇華性を失うこととなる感光性材料の層と樹脂フ
ィルムとを交互に所定数積層した後、フォトリソグラフ
ィーと画素部分の感光性材料の昇華により画素用の各発
色用の液晶層となる上下に複数積層した間隙とその周辺
の支持部材を基板上に形成する。
【0062】これにより、わざわざ支持部材を形成する
ステップがなくなり、製造工程が簡略化される。また、
上下の各間隙には液晶注入に先立って発色素が配置され
ているため、この発色素は注入された液晶に溶け、発色
作用をなす。また、上下の間隙に共通の注入孔より特別
な用途等を除き原則は無色の液晶を充填することによ
り、容易に発色用の液晶層を形成することが可能とな
る。
【0063】また他の発明においては、感光性材料は露
光後の加熱で昇華性を有しているものであり、このため
フォトリソグラフィーの際、画素部が露光されることと
なる。
【0064】また他の発明においては、各層用の感光性
材料中に予め所定のそして非昇華性、そして勿論非蒸発
性の2色性色素等を混入しておき、画素部の液晶充填部
を昇華させ間隙を形成するに併せて、この各間隙内に発
色素を残置させる。
【0065】また他の発明においては、各層共通の各画
素毎の液晶注入孔は、液晶が充填される空隙を形成する
ため感光性材料が昇華する際の分子の通過孔を兼ねてい
る。
【0066】また他の発明においては、各画素毎の各液
晶層に共通した注入孔を各層毎に樹脂で封止するのに、
液晶と基板等との熱膨張率の差を利用する。すなわち、
基板上画素部の各間隙内への液晶の注入は一定の加熱さ
れた温度下で行われ、その後少くも注入孔部に封止用樹
脂が塗布され、この後基板温度が室温へ下げられる。そ
して、液晶の相対的な収縮のもと封止用樹脂は注入孔内
各層の入口部まで吸引される。この状態で封止用樹脂の
固化がなされる。このため、各画素内で相互に作用の異
なる発色素を含む各層の液晶は相互に混ざり合うことが
ない。
【0067】対向して配置された基板部と天蓋部との間
の全面や周辺部を除く全面等にスペーサが挟まれ、その
後、画素形成部等の所定領域のスペーサ材料のみが除去
されることにより、基板部、天蓋部及び除去されなかっ
たスペーサによって囲われた空隙を有することとなった
積層構造体において、スペーサは、紫外線等特定のエネ
ルギーが与えられることにより分解して昇華する(念の
ため記すが、液化後の蒸発を含む)材料等であり、天蓋
部は、この昇華した気体分子を透過させる材料である。
【0068】このため、空隙はマスクを介しての紫外線
照射等で特定のエネルギーを与えることにより、微細な
寸法でも精度よくかつ容易に形成される。
【0069】尚、ここに「特定のエネルギー」は、ある
波長以下の紫外線や100℃等ある温度以上の熱あるい
はそれら両方等であり、製品が通常使用される際の周辺
環境から晒されたり使用時に晒されるものではないのが
好ましい。従って、製品の使用後のこのエネルギーの付
与で、製造時に昇華せず除っていたスペーサ材料が昇華
することがないのは勿論である。なおまたこの材料は、
一旦加熱硬化等すれば、その後は昇華しなくなる性質を
有しているのが尚好ましい。その結果、この樹脂内に予
め混入されている物質も、昇華部では形成されたセル内
面に付着し、硬化部では硬化樹脂に閉じ込められたまま
となる。
【0070】また他の発明では、対向して配置された基
板部と天蓋部との間に、少くも1、原則として2若しく
は5(3原色層が2段)の中間仕切層を介在させ、基板
部、中間仕切層、天蓋部の各間に紫外線の照射等特定の
エネルギーにより昇華する物質からなるスペーサが挟ま
れ、更にこのスペーサは紫外線による照射等で特定領域
のみ昇華で除去されている。このため、上下方向は基板
部、天蓋部又は中間仕切層、側部は昇華しなかった部分
のスペーサとによって囲われた空隙が積み重なって形成
された積層構造体である。
【0071】なお、天蓋部及び中間仕切層は、前記特定
のエネルギーを通過させるとともに、昇華したスペーサ
材料の分子を透過させる材料よりなる。勿論、酸素、炭
酸ガス、一酸化炭素等の分子量の小さいガスは極性基の
有無等により多少の差異は有ろうが、透過することが多
いであろう。従って、ガスの濃度センサーとしての用途
もある。この一方で、液晶分子や色素等は透過しないの
は、勿論である。
【0072】なお、基板部は薄い板ガラスが基材である
のが普通であるが、製品の用途によっては天蓋部や中間
仕切層と同じ材料であっても良いのは勿論である。この
場合には、昇華促進兼空隙内への液晶充填用細孔を設け
なくても、最下部(基板側)の昇華した気体分子の外部
への脱出が速やかになされることとなる。
【0073】また、他の発明によれば、特定のエネルギ
ーの付与は、マスクを介しての紫外線等の照射となるた
め、多層のスペーサ材料が同一形状で重なった態様で露
光することとなる。積層方向に連続する形状、特にエッ
ジの揃った多数の空隙が一度に形成される。
【0074】また他の発明によれば、積層構造体は、ス
ペーサ構成材料が露光等で昇華して形成された空隙内
に、色素を含んだ透明樹脂や液晶等スペーサの材料と異
なる材料(注、主成分はスペーサーの材料と同じである
が、発色素等の混入物のため色彩等が異なる場合をも含
む)が充填されている。
【0075】また他の発明においては、基板部上に特定
のエネルギーの付与により昇華する材料やこれを主材と
する材料からなるスペーサ層を形成するスペーサ層形成
ステップと、スペーサ層上に、上記特定のエネルギーを
通過させ、更に昇華した分子を透過させる材料の天蓋部
を積層する天蓋部形成ステップと、画素やカラーフィル
ター形成部等のスペーサ材料の所定領域に、特定のエネ
ルギーを与えることにより、当該部のスペーサ材料を昇
華させ、更にその昇華した気体分子が天蓋部を透過して
外部へ排出されることにより、上下の基板部と、天蓋部
及び側部の昇華せずに除ったスペーサ材料によって囲わ
れた空隙を形成する空隙形成ステップとを有している。
なお、以上の他必要に応じて昇華した気体の放散促進兼
形成された空隙内への液晶等の注入用の細孔を設けるス
テップを有していたり、天蓋部として導電性樹脂と強度
の比較的高い樹脂とを重ねた膜を選定するステップを有
していたり、昇華しなかったスペーサー層の材料を硬化
させるステップを有していたりもする。
【0076】また他の発明は、基板部上面に、特定のエ
ネルギー付与により昇華する材料のスペーサと、上記特
定のエネルギーを通過させ、昇華した分子を透過させる
材料の中間仕切層とからなる層を複数回形成するステッ
プと、形成された最上層のスペーサの上面に上記特定の
エネルギーを通過させ、昇華した気体分子を透過させる
材料で天蓋部を形成する天蓋部形成ステップと、スペー
サの所定領域に、上記特定のエネルギーを与えて当該部
の、スペーサ材料を昇華させ、更にその昇華した気体分
子が中間仕切層及び天蓋部から透過して外部へ排出され
ることにより、上下の基板部、天蓋部、中間仕切層と側
部の昇華しなかったスペーサ材料とで囲われた空隙を積
層して形成する空隙形成ステップとを有している。以上
の他、必要に応じてスペーサ材料中にあらかじめ色素や
カイラル剤等を極く少量混入する混入ステップや形成さ
れた空隙内に液晶を真空注入方で注入する注入ステップ
等を有している。
【0077】また他の発明によれば、天蓋部の上方若し
くは接しての上部に基板上のカラーフィルターや画素の
形状、寸法、配置等に対応しての切り欠きの有るマスク
が設置され、更にその上方より紫外線等が照射され、こ
れによりスペーサ材料の所定部ー露光され、分解して昇
華したり、照射後の加熱で昇華したりする。この際、昇
華したスペーサ材料の分子は中間仕切層及び天蓋部を透
過する等して排出され、多層の空隙が正確に重なったそ
して特にエッジが揃った空隙が形成される。
【0078】また他の発明によれば、積層等された区画
構造物の微小な空隙内にスペーサの材料とは異なる材料
が充填されている。具体的には、例えば液晶を充填する
ことにより、液晶表示素子の構成要素としての積層区画
構造物を容易に製造することができる。
【0079】また他の発明によれば、カラーフィルター
や液晶表示装置(のパネル)のみならず、様々の微細、
そして多数の区画からなる、あるいはそれらを有する1
層あるいは多層の構造物(含む、膜等)としている。
【0080】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい実施
の形態に基づいて説明する。
【0081】(第1の実施の形態)本実施の形態は、単
層型のカラー液晶表示装置に関し、フォットソングラフ
ィによりストライプ型の画素の区画を形成し、更に画素
内に染料を印刷塗布した後液晶を注入するものである。
【0082】本実施の形態を、図を参照しつつ説明す
る。
【0083】図4は、本実施の形態の液晶表示素子の製
造方法の概略を示す図である。以下、本図を基にその手
順を説明する。
【0084】(a)基板20上に、ストライプ状にパタ
ーニングした透明電極21を形成し、更に配向膜(以
下、図示しない)22を塗布してラビングする。
【0085】(b)東京応化工業(株)の黒色顔料分散
レジスト41を厚さ5ミクロンに塗布しマスク23で近
紫外線(UVA)による露光をした。
【0086】(c)現像して電極21の隙間に幅15ミ
クロン、高さ5ミクロンのストライプ状の支持柱42を
電極の幅と同じ0.33mmピッチで作成し、200度
Cのオーブンで1時間硬化させた。
【0087】(d)JSR(株)のアクリル系ポジ型レ
ジストPC403からなるレジスト膜43を全面に塗布
し、基板20の下面側からガラスに吸収されにくい長波
長の紫外線で露光する。
【0088】(e)支持柱42が遮光マスクとして機能
し、現像により支持柱42の頭頂部にのみレジストから
なる接着層44が残る。なお、このPC403は、本来
はマイクロレンズ作成用の、熱溶融型レジストである
が、加熱を持続すると硬化、微細加工が可能な接着材と
して有効であることを本発明者らは発見したものであ
る。これに限らないが、ポジ型レジストは熱可塑性を有
するので接着層になりうる。この場合、アクリル系やス
チレン系の熱溶融型レジストが接着層としては望まし
い。
【0089】それから、化学繊維の染色に用いられるメ
チン染料、ベンゾキノン染料などのうち、分子構造が棒
状でないものを選択し、ブレンドすることにより、二色
性のない赤、緑、青の3種の色素を得た。これらの色素
を、ジエチレングリコールジメチルエーテルに10重量
%溶かしたのち、スクリーン印刷で支持柱の間に塗布し
てから乾燥させて、赤(R)色素71、緑(G)色素7
2、青(B)色素73をストライプ状(図の奥行き方向
に伸びている)に付着させた。
【0090】(f)内(下)面側にITOの列電極31
及びラビングした配向膜32を形成した対向基板30
を、支持柱の上に載せた状態で真空パック袋にいれて均
一に加圧し、150度Cのホットプレート上で加熱する
と、数分で接着層44は溶融してつぶれ、2時間加熱す
ると接着層44は硬化した。このため、上下の基板20
〜30は、手では剥がれ難いほど強固に接着した。ま
た、セル厚は、6±0.05ミクロンと、極めて正確に
作製できた。
【0091】(g)パネル端を切断した注入口から通常
の真空注入により、各微細セル空間に同じカイラルネマ
チック液晶を注入した。その後、パネルを100℃に加
熱して各色素を液晶に溶解させた。これにより、RGB
に着色した液晶層81,82,83で各セル空間は満た
され、更に液晶はラビングによりねじれネマチックに配
向した。更に長時間経過しても、各色の液晶が混じり合
うことはなかった。従来のようにゲストホスト液晶を入
れ分けた場合は、電圧を印加していくと、明るさだけで
なく、彩度が小さくなってしまい、表示できる色に限り
があった。しかしながら、このパネルの上下に偏光板を
添付したところ、電圧によって各セルの階調を変えて
も、色彩度に変化はなく、フルカラー表示が可能であっ
た。
【0092】また、フルカラー表示ではRGB3色ある
ので、従来例では、各液晶を入れ分けるために、パネル
切断を複数回行わなければならず、切断部を大きくしな
いといけなかった。本実施例のように、基板を貼り合わ
せる前に、色素をあらかじめ基板上に塗布しておくと、
色素の量はセル空間に比べる数%と少量なので、簡単な
印刷法で塗布が可能であり、かつ注入時に同じ透明な液
晶を一度に注入すれば、異なる色となる液晶を各セルに
容易に満たすことができ、カラーフィルターを作成する
場合よりも工程が簡単であり、しかもフィルター上の凹
凸の問題などもない。
【0093】インクジェットのような方法で着色液晶を
直接入れ分けようとすると、極めて正確に吐出量を制御
しないと液晶が混ざってしまったり、足りなくなって、
気泡が生じたりする。本実施の形態では、微細セル空間
が横に並んだパネルであったが、シアン、マゼンタ、黄
色の液晶層を積層して、減法混色による表示を行う液晶
パネルでも、あらかじめ色素を付着させてから、同一の
液晶を導入する本発明の製造方法は同様の効果を有す
る。また、液晶パネル以外でも、微細セル空間に異なる
色の溶液を入れる構造物において、有効である。
【0094】また、本実施の形態では、支持柱を硬化さ
せてから、フォトレジストを接着層として裏面露光によ
り支持柱の上にのみ残したので、セル厚を正確に制御で
き、かつ、配向膜が露出して均一な配向を得ることがで
きた。また、微細な支持柱の上に正確に接着層を形成で
きたため、接着が確実になり、各セル空間同士での漏れ
をなくせた。
【0095】なお、液晶の着色剤として色素以外にもカ
イラル剤を用いて円偏光二色性による発色を生じさせて
も良い。この場合、RGBの各セルへ塗布するカイラル
剤は同じ種類でも良く、その量を変化させることにより
カイラル剤がネマチック液晶に溶けたときねじれピッチ
の様子が異なり色を異ならせることもできる。
【0096】なお、上記(b)と(d)のステップで各
感光材料の露光の波長依存性に工夫をこらしても良いの
は勿論である。
【0097】更に、ブラックマトリックスとして作用す
る様、可視光では黒だが紫外線は透過する様にしていて
も良い。
【0098】(第2の実施の形態)本実施の形態は、カ
ラーフィルターの製造に関する。
【0099】図5に、本発明のカラーフィルターの製造
方法の手順を示す。以下、本図を基にその内容を説明す
る。 (a)ガラス基板20上に、黒色顔料レジストで高さ
1.5ミクロンで画素を囲むブラックマトリクスで支持
柱42を形成する。
【0100】(b)R、G、Bの色素71、72、73
を、ジエチレングリコールジメチルエーテルと増粘剤と
して少量のアクリルオリゴマーに溶かし、スクリーン印
刷で基板20上に塗布し、乾燥して付着させた。
【0101】(c)基板20を真空チャンバーに入れ
て、紫外線硬化型のアクリル樹脂溶液38を滴下してか
ら、研磨した厚み5ミリのガラスの定盤23の表面に、
分子が極性を有さないため他の物質が付着し難いフッ素
系単分子膜39を塗布する離型処理を施した定盤でプレ
スして、支持部材と定盤の隙間がなくなるまで加圧し、
アクリル樹脂溶液の厚みを一定にした。なお、このアク
リル樹脂溶液は常温では色素の溶解速度が非常に小さく
なるように分子量を大きくし、更に色素との相溶性をい
くつかのモノマーとオリゴマーを調合して作成した。そ
の結果、この段階では色素はアクリル樹脂溶液にほとん
ど拡散していない。
【0102】(e)プレスした状態でパネルを90度に
加温して、色素をアクリル樹脂の溶液によく溶解してか
ら、紫外線を照射してRGB各色の色素により着色した
アクリル樹脂を硬化させた。
【0103】(f)定盤を剥がして、RGBのカラーフ
ィルター91、92、93を作製した。なおカラーフィ
ルターは、研磨ガラスでプレスすることで極めて平坦性
に優れた表面にできた。
【0104】なお、支持柱をストライプ状にした場合
は、先の実施の形態と同様に、定盤で加圧してから、ア
クリル樹脂液晶を注入してもよい。
【0105】また、支持壁も印刷で形成しても良い。こ
の場合には衣料に応用されているが、熱膨張剤を内包し
たマイクロカプセルの利用等がなされても良い。
【0106】本実施の形態では、その実施の形態と同様
に微細セルを形成後、色素を先に付着させてから、微細
セル内に樹脂を充たし、更にこの充たした樹脂に色素を
溶解させるため、従来の樹脂を直接吐出するインクジェ
ット法に比較して、工程が容易であり、また印刷法に比
較して平坦性に優れる。
【0107】なお、本実施の形態では、アクリル樹脂溶
液への色素の溶解を加温により促進したが、これは光、
超音波等の他の手段であってもよい。
【0108】また、アクリル樹脂の調合でなく、色素は
マイクロカプセルに閉じこめておき、所定の時期、段階
でカプセル壁が溶けるか壊れて内部の色素が溶解するよ
うにしてもよい。
【0109】そしてこのことは、先の実施の形態でも同
様である。
【0110】(第3の実施の形態)本実施の形態は、カ
ラー表示用の液晶パネルの製作に関する。
【0111】図6は、本実施の形態のカラーフィルター
の製造手順を示す図である。以下、本図を参照しつつそ
の内容を説明する。
【0112】(a)ブラックマトリクスの支持柱42間
にR、B、Gの色素71、72、73を塗布した。
【0113】(b)紫外線硬化型アクリル樹脂溶液38
を滴下してから、その表面に、粘着性のある厚み6ミク
ロンのポジ型フィルムレジスト43を金属ローラ301
により支持部材上にラミネートして接着させた。なおこ
こに、ラミネートを金属のような硬いロールで行うの
は、ゴムロールではフィルムレジストが支持柱の間でた
わんで厚みむらがひどくなることによる。
【0114】(c)90度Cに加温して色素をアクリル
樹脂溶液に溶解させてから、裏面側からの紫外線により
露光して、着色したアクリル樹脂溶液を硬化させ、かつ
フィルムレジストを露光させた。
【0115】(d)現像するとブラックマトリクス上の
レジストのみが高さ約6ミクロンで残り、各色用のカラ
ーフィルター91、92、93と同時にスペーサ40が
形成された。
【0116】(e)この基板上に電極36、配向膜22
を形成し、真空中で液晶を滴下してから、対向基板30
を貼り合わせた。
【0117】以上の説明で判るように、本実施の形態で
は非常に簡易な工程で、均一性の高いカラー表示用の液
晶パネルを製作することができた。
【0118】(第4の実施の形態)本実施の形態は、各
画素が相互に孤立したそして3層の液晶層からなる反射
型の液晶表示装置に関する。
【0119】図7は、本実施の形態の反射形液晶表示装
置の中央部の画素の平面図である。本図に明らかなよう
に、各画素はほぼ正方形であり、その一辺は約300μ
mである。また、図8の(a)、(b)、(c)は、そ
れぞれ図7のA−A、B−B、C−Cの断面図である。
【0120】さて、この図7に示す画素1は、図8を見
ればわかるように、3つの液晶層85、86、87が重
なってなる。そして、これら3つの液晶層は、相互に樹
脂フィルム51、61で仕切られ、更に基板20上の
(図上)最上部の液晶層87上には、この上界面を形成
する樹脂フィルム33が設けられている。なお、この樹
脂フィルム33は、その下層の樹脂フィルム51、61
と同じ材料である。
【0121】また、各画素の間には、その各液晶層の周
囲を取り囲んでその内部の液晶が他の画素内の液晶と相
互に往来しないよう区分し、併せて樹脂フィルム51、
61、33を基板20上に支持する支持部材401、4
02、403が設けられている。
【0122】また、各画素内には、直径数μmのドット
状の支持部材411、412、413が設けられ、画素
周辺の支持部材401、402、403と共に、薄い樹
脂フィルム51、61、33を一定間隔に保持してい
る。
【0123】各樹脂フィルム51、61、33は、導電
性を有する透明な樹脂からなり、これ自体が画素電極を
兼ねている。また、樹脂フィルム51、61、33は、
支持部材401、402、403上で各画素毎に分割さ
れている。なお、図1では樹脂フィルム8のみを破線で
示している。
【0124】また、各画素を区分けする支持部材40
1、402、403には、各画素毎にコンタクトホール
421、422、423が設けられており、電極を兼ね
た樹脂フィルム51、61、33はそれぞれコンタクト
ホール421、422、423内に充填された導電性樹
脂(同じく421、422、423にて示す)により基
板20上の駆動素子の端子25、26、27に電気的に
接続されている。
【0125】図8の(c)に示すように、樹脂フィルム
51は対応するコンタクトホール421で端子25のみ
に接続し、同様に樹脂フィルム61、33は各々コンタ
クトホール422、423で端子26、27のみに接続
している。
【0126】このようにすることで、1枚の基板20上
に形成された駆動素子(図示せず)で、各画素の各色用
の電極を兼ねる各樹脂フィルム51、61、33に印加
する電圧を制御し、各色用の液晶層85、86、87そ
れぞれの表示動作を制御することができる。
【0127】また、各画素は、図8に示すように3つの
液晶層85、86、87に共通の注入孔48を有してい
る。そしてこの注入孔48は、各画素の各液晶層用間隙
に真空下で液晶を注入したのち、封止用樹脂45により
封止される。そしてこの封止用樹脂45は、注入孔48
内各液晶層85、86、87の入口部にまで充填されて
あり、これにより各層毎に色が異なるゲストホスト液晶
が相互に混じり合わないようにしている。
【0128】また、注入口48の横には、図7に示すよ
うに支持部材414が設けられており、封止用樹脂45
で注入口48を封止する際に、画素1の中央に封止用樹
脂が広がらないようにしている。
【0129】また、図8に示すように、封止用樹脂45
上には、蒸着によりアルミニウム製の反射膜34が設け
られている。
【0130】ところで、各液晶層85、86、87のゲ
ストホスト液晶であるが、これは、各液晶層を形成する
こととなる樹脂フィルム相互等の間隙の内に、あらかじ
め所定の二色性色素を置いておき、二色性色素を含まな
い無色の液晶を各画素の各層共通の注入孔48から注入
し、封止用樹脂を用いて各層の注入孔を封止した後、こ
の二色性色素を注入した液晶に溶解させて形成するもの
である。
【0131】そして、これにより、液晶注入時に色が異
なるゲストホスト液晶が混じり合うことを防止するだけ
でなく、容易に3層の液晶層に各色のゲストホスト液晶
を入れ分けることを可能としているものである。
【0132】このように各画素毎に液晶層を区分し、更
に各層に液晶を充たした後色素を溶解させることによ
り、樹脂フィルムの穴や破れによりゲストホスト液晶が
他の画素の色彩の層にまで広がり、歩留まりを下げると
いったことが防止できる。
【0133】次に、この液晶表示装置の表示について説
明する。
【0134】3層の液晶層85、86、87にはそれぞ
れシアン、マゼンタ、イエローの二色性色素を含むゲス
トホスト液晶が充填されていることとなる。
【0135】外部光は、基板20側から入射し、液晶層
85、86、87の順で透過したのち、反射膜34で反
射し、今度は逆に液晶層87、86、85の順に通過し
て液晶表示装置の観察者の目に入る。この際、各液晶層
内の二色性色素は液晶分子と共に配向し、このため液晶
分子の配向方向によって光の吸収、透過の程度を変化さ
せることができる。従って、駆動素子によって液晶を動
作させると、これにあわせて、光の着色、透過が制御さ
れ、減法混色によりフルカラー表示を行うことが可能と
なる。
【0136】また、樹脂フィルムを導電性樹脂としたこ
とにより、従来に比較して樹脂フィルムでの電圧降下を
低減し、低電圧で高反射率、高コントラスト比を得るこ
とが可能となる。
【0137】次に、本実施の形態の液晶表示装置の製造
方法について、図9と図10を用いて説明する。
【0138】図9は、図7のC−C断面における製造の
進展に伴う構造の変化を示すものである。図10は、同
じく図7のA−A断面における製造の進展に伴う構造の
変化を示すものである。
【0139】以下、まず図9を基にC−C断面の製造に
伴う変化を説明する。
【0140】(a)基板20上には、予め1画素あたり
3個の駆動素子及びそれらの端子25、26、27並び
に電極31を形成する。次に、各画素を区画する支持部
材及び各画素内のドット状の支持部材を形成する箇所
に、それらのマスクパターンに相当する裏面露光マスク
23を形成する。この裏面露光マスクは、カーボン(黒
色)を含有するレジスト材料又はクロム等の金属膜であ
る。そして、基板上に支持部材となるポジ形レジストを
塗布し、この裏面露光マスクをフォトマスクとして露光
し、このマスクと同じ位置に支持部材及びドット状の支
持部材を形成する。
【0141】なおこの際、図8の(b)に401、40
2、403、411、412、413で示すように、積
層して形成した際に、ひとりでに各層で同じ位置に支持
部材がくるように形成されるのは勿論である。
【0142】(b)最下層の液晶層を形成することとな
る間隙を作り、併せてその上部に電極を具備する樹脂フ
ィルムを形成し、これを各画素毎に分割するため、基板
20面の平坦化を行う。すなわち、まず基板20上に、
加熱で昇華する物質24を溶剤に溶かしてスクリーン印
刷により塗布し、余分な部分は取り去って、基板20上
面に平坦な膜を形成する。またこの際、この昇華性物質
24中には、シアンの二色性色素を混入しておく。
【0143】(c)平坦な基板20上面に透明な導電性
樹脂をスピンコートにより塗布し、樹脂フィルム510
を形成する。なおこの際、コンタクトホール421、4
22、423内にもこの導電性樹脂が充填され、基板2
0上の端子25、26、27と樹脂フィルム510が導
通することとなる。
【0144】(d)樹脂フィルム510を、フォトリソ
グラフィー及びエッチングにより支持部材401上で各
画素毎に分割するとともに、1層目の樹脂フィルムとは
電気的に接続しないコンタクトホール422、423周
辺の樹脂フィルムをも取り除く。これにより、各画素毎
に下部の液晶層の電極を兼ねる樹脂フィルム51が形成
できる。
【0145】次に、基板20全体に紫外光を照射して露
光後、全体を昇華性物質24が昇華する温度に加熱し
て、この物質24を昇華させる。この際、樹脂フィルム
51は、昇華性物質を透過する材料を使用することによ
り、昇華した物質は樹脂フィルム51を透過して外部へ
排出され、併せて樹脂フィルム51と基板20との間に
液晶を充填するための間隙85を形成する。このとき、
昇華性物質に混入した二色性色素(図示せず)は昇華し
ないため、間隙の内壁に付着したままとなる。
【0146】(e)以上の工程を3度繰り返して、基板
面に直交する方向に重なった3つの支持部材401、4
02、403を形成し、各支持部材上に同様に樹脂フィ
ルム51、61、33を積層し、これらの間に液晶層を
形成するための間隙85、86、87を同様に形成す
る。ここで、上、中2つの樹脂フィルム61、33は、
各々コンタクトホール422、423を使用して基板上
の駆動素子の端子26、27にそれぞれ接続される。ま
た、間隙86、87の内部には、上述と同様の方法で、
各々マゼンタ、イエローの二色性色素が付着している。
【0147】以上のもとで基板上各画素相当部に、重な
って形成された各樹脂フィルム51、51、33に、液
晶を注入するための共通の注入孔(本図では示さず)を
形成し、昇華性物質がなくなって形成された間隙内に液
晶を注入し、更に各液晶層を孤立化して封止することと
なる。
【0148】以下、これについて図10を参照しつつ説
明する。本図の(a)は、図9の(e)と同じ段階での
A−A断面を示すものである。
【0149】(b)この状態で、表示面に直交する方向
から、各画素毎に各層共通の注入孔を設ける位置の樹脂
フィルムにスポット状のレーザ光を照射し、3つの樹脂
フィルム層を貫通する小さな径の注入孔48を開設す
る。なお、この注入孔の開設は、フォトリソグラフィー
とドライエッチング(例えば酸素プラズマのリアクティ
ブイオンエッチング)を組み合わせる等他の方法によっ
てもよいのは勿論である。
【0150】次に、真空下において、色素を全く含まな
い液晶を基板上に滴下して、3層のギャップ85、8
6、87内に液晶を充填する。なおこの際、基板は摂氏
60度に加熱しておく。 さて、樹脂フィルム51、6
1、33は通気性を有しているため、間隙内の空気は樹
脂フィルムを透過して排出され、間隙内に空気を残さず
完全に液晶を満たすことができる。ここで、二色性色素
は間隙に充填された液晶と接してその内部へわずかに溶
解するが、基板温度が摂氏60度と低いため液晶を充填
するのに要する比較的短い時間では、そう多くは溶解し
ない。また、液晶は注入孔から各画素の各層の間隙でそ
の内部に向かって流れるため、この二色性色素がわずか
に溶解した液晶が注入孔の方向から外部へ流れ出すとい
うこともない。従って、共通の注入孔を通じて、異なる
色のゲストホスト液晶が混じり合うことはない。
【0151】以上の説明で判るように、共通の注入孔を
設けることにより、混色等生じることなく液晶を全ての
層に同時に注入することが可能となる。
【0152】液晶が各間隙内に完全に充填したところ
で、最上層のフィルム33上に残った余分な液晶をウエ
スにより吸収させて取り除いたのち、基板全体に透明な
封止用樹脂45をスピンコートにより塗布する。
【0153】(c)この状態で、基板温度を摂氏60度
から、常温に下げると、間隙内に充填した液晶が基板よ
りも多少余計に収縮するため、封止用樹脂が液晶用の共
通の注入孔48から間隙内入口部に僅かに浸入した状態
となる。この時点で、封止用樹脂を硬化させる。これに
より、本(c)に示すように各液晶層のそれぞれの注入
口に封止用樹脂が入り込み、各層間の液晶が混じり合わ
ないように、確実に封止することが可能となる。
【0154】次に、この封止用樹脂の硬化であるが、2
液混合硬化型の混合樹脂を室温にて半日〜1日程度放置
しておいても良いし、放射線や紫外線の照射により短時
間で硬化する樹脂を使用して、供給孔内で紫外線等の照
射により固定させても良い。
【0155】なお、ここで封止用樹脂を注入口のみなら
ず、基板全体に塗布するのは、液晶層を保護する保護膜
兼樹脂フィルムを透過して空気中の酸素や水分が液晶中
に入り込むのを防止する通気遮蔽膜とするためである。
【0156】次に、液晶が等方相となる温度(摂氏10
0度程度)に基板を加熱する。これにより、各間隙内壁
にあらかじめ残留させていた二色性色素がその間隙内の
液晶に完全に溶解することとなる。なお、この二色性色
素は、液晶に溶解させた状態で3層積層時の色が適切に
なるように、昇華性物質に混入する際にその量をあらか
じめ調整しておくのは勿論である。
【0157】最後に、基板の反対側に存在する固化した
封止用樹脂22上に、アルミニウムを蒸着させて反射膜
(本図では示さず)を形成し、反射形液晶表示装置を完
成させる。
【0158】なお、本実施の形態では、1、2、3層目
の液晶層のゲストホスト液晶をそれぞれシアン、マゼン
タ、イエローとしたが、この色の順序は異なっていても
よいのは勿論である。
【0159】また、各層の樹脂フィルムを画素毎に分割
するのは、昇華の後にしてもよいのは勿論である。
【0160】また、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)等のフィルムを支持部材上に貼り合わせたのち、フ
ィルム上に電極を形成する方法で、電極を具備する樹脂
フィルムを形成してもよいのも勿論である。
【0161】また、二色性色素の各画素毎の各間隔への
付着は、次のようにしても良い。
【0162】樹脂フィルムを積層後液晶注入前の状態
で、各層毎に所定の二色性色素を封入したマイクロカプ
セルを各画素毎の各間隙に配置しておくようにする。こ
の際、液晶にはマイクロカプセルの隔壁を分解する材料
をわずかに添加しておく。このもとで、先の実施の形態
と同様の方法で液晶を充填すると、マイクロカプセルは
液晶に触れて破裂し中の二色性色素がマイクロカプセル
外へ出る。液晶封入口を封止後、基板を加熱して、二色
性色素を液晶に溶解させる。
【0163】なお、このマイクロカプセルやそれを分解
する材料等については、日常目にする感圧複写紙(圧で
分解する)、医薬品(胃酸等で分解する)等にも広く採
用されている周知技術なので、その説明は省略する。
【0164】(第5の実施の形態)本実施の形態は、先
の第4の実施の形態の工程を簡略化したものである。
【0165】本実施の形態では工程の簡略化のため、液
晶を充填する間隙を形成する昇華性物質として、露光及
びその後の加熱により昇華する材料物質(以下、昇華性
フォトレジスト)を用い、更に昇華させなかった昇華性
フォトレジストを支持部材及びドット状の支持部材とし
て用いる。その結果、支持部材等の形成と、液晶を注入
するための間隙の形成を一度に行うこととなり、製造工
程の簡略化が図れる。
【0166】以下、本実施の形態の液晶表示装置の製造
方法において、先の実施の形態と異なる部分について、
図11を用いて説明する。
【0167】(a)1画素あたり3個の駆動素子及びそ
の端子25、26、27並びに電極31を形成した基板
20上に、露光そしてその後の加熱により昇華するフォ
トレジスト240を溶剤に溶解し、スピンコート法を用
いて塗布する。
【0168】なお本実施の形態では、この昇華性フォト
レジストは、例えば、特願平9−127057号に開示
されている、ポリフタルアルデヒドにオニウム塩である
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモン
を1重量%加えてシクロヘキサノンに溶解させたものを
使用した。この物質は、露光(254nm、5mJ/c
m2)の後100℃に加熱すると、露光した箇所のみが
昇華する。従って、塗布後、コンタクトホールを形成す
る箇所のみマスクせずに露光し、その後加熱して、本図
の(a)に示すような、コンタクトホール421、42
2、423を形成する。
【0169】(b)この状態の基板上に、透明な導電性
樹脂をスピンコートにより塗布し、樹脂フィルムを形成
する。この際、コンタクトホール421、422、42
3内にも導電性樹脂が充填されることとなる。そして、
先の第1の実施の形態と同様に、この樹脂フィルムは各
画素毎に分割し、併せて、1層目の樹脂フィルムと接続
しないコンタクトホール422、423周辺部の樹脂フ
ィルムをも取り除く。これにより、第1層目の液晶層の
画素電極を兼ねる樹脂フィルム51を形成する。
【0170】(c)以上の工程を3回繰り返して、本図
の(c)に示すような、昇華性フォトレジストと樹脂フ
ィルムが基板上に交互に積層された構造を形成する。こ
こに、各樹脂フィルムは、コンタクトホール422、4
23内でそれぞれ端子26、27に接続されている。ま
た、各層の昇華性フォトレジストには、先の実施の形態
と同様に、予め所定の二色性色素を混入している。
【0171】(d)画素を形成する部分の昇華性フォト
レジストに紫外線を照射し、その後加熱して画素部分の
昇華性フォトレジストのみを昇華させ、画素を取り囲む
部分、すなわち支持部材を形成する部分と画素内のドッ
ト状の支持部材を形成する部分の昇華性フォトレジスト
を残存させる。
【0172】以上のようにして、一部の昇華性レジスト
を残して樹脂フィルムを支持する支持部材401、40
2、403として用い、併せて液晶層を形成するための
間隙85、86、87を同時に形成する。このため、先
の実施の形態の支持部材の形成工程が不必要となり、製
造工程が簡素化される。
【0173】以上により、先の実施の形態と同じく、フ
ィルムに局所的な穴や破れが発生し難く、またたとえ破
れ等が生じた場合でも、穴等が生じた画素が不良となる
のみで、他の画素は無関係である。このため製造におけ
る歩留まり低下を防止することが可能となる。
【0174】また、先の実施の形態に比較して、製造工
程を簡略化することができる。
【0175】(第6の実施の形態)本実施の形態は、反
射型でなく、液晶表示装置をいわば映画のフィルムのよ
うに、すなわち投射型ディスプレイに使用するものであ
る。
【0176】図12に、本実施の形態としての液晶表示
装置の構成を示す。本図において、150は液晶型表示
装置本体であり、151は液晶部であり、152は強力
な光源であり、153はフィルムである。
【0177】そして、光源からの強力な光は液晶部15
1を通過してフィルムに映像を表示する。またこのた
め、液晶型映像表示装置は、わざわざは図示していない
が、制御部等を有しており、この一方、先の2つの実施
の形態と異なり液晶部の反射板は有していない。
【0178】(第7の実施の形態)本実施の形態は、液
晶として高分子分散型のものを使用するものである。
【0179】ここに本実施の形態の高分子分散型の液晶
とは、固体の樹脂マトリックス中にほぼ球状の液晶分子
滴が存在し、この滴内の液晶分子が電圧の有無により基
板の方向、基板に直交する方向に回転し、これにより光
を透過したり、反射あるいは断としたりするものであ
る。
【0180】すなわち、各液晶分子が基板に平行あるい
は直交するいずれかの場合には、液晶分子と樹脂マトリ
ックスとの屈折率が同じであるため光が通過し、他方の
場合には異なるため光が散乱し、透過しないものであ
る。
【0181】以下、このための手段について説明する。
【0182】各画素の各間隙層にはあらかじめ所定の色
素を内包した微小カプセルが配置してある。この間隙内
は、高分子分散型液晶と樹脂マトリックス前駆体の混合
物とが真空下で注入されてくるが、この際この注入物質
内には、この微小カプセルを破壊する物質が混入されて
いるため、微小カプセルが破壊されて、注入物質内に色
素が拡がっていく。
【0183】各画素の各層に高分子分散型液晶と樹脂マ
トリックス前駆体の混合物を充たした後、水銀ランプで
紫外線を60秒照射し、樹脂マトリックス前駆体を固化
して樹脂マトリックスとし、併せてその内部に球状の高
分子分散液晶滴を形成する。
【0184】この後、表示装置全体を100℃に加熱
し、液晶滴へ完全に色素を分散させる。
【0185】さて、本実施の形態の場合、各液晶層は基
本的には固体であるため、ユーザーの乱暴な取扱いのた
め電極を兼ねた樹脂フィルムが少々破れたり、細孔が生
じたりしたとしても、内部の液晶が混ざり合うことは一
切ない。
【0186】このため、製造等に多少手間はかかるが極
めて耐衝撃性や耐久性の優れた液晶表示装置となる。
【0187】(第8の実施の形態)本実施の形態は、昇
華性物質を利用して液晶等の入る間隙を形成するもので
ある。
【0188】本実施の形態における構造膜およびその製
造方法を図13及び図14を参照しながら説明する。図
13は、この構造膜(物、体)の概念を示す断面図であ
り、図14は、この構造膜を製造する工程を示す断面図
である。
【0189】この1層の構造膜は図13に示すように対
向して配置された基板部20と天蓋部30との間に、例
えば市松模様のスペーサ40が挟まれ、これらによって
囲まれた領域に空隙80を形成したものである。この基
板部20、天蓋部30及びスペーサ40は、通常用いら
れているフォトリソグラフィプロセスを使用しえ、不良
発生の危険性も少ない材料から構成される。したがっ
て、基板部20及び天蓋部30の材料の種類及び厚さ
は、使用目的に応じて同一である場合または異なる場合
がありうる。
【0190】ただし、スペーサ40は、フォトレジスト
に類似する粘性液体が凝固したものであり、その材料に
は、特定の波長の電磁波が与えられることにより溶質を
気体に気化させるための物質が添加されている。なお、
この溶媒としては有機溶剤を主成分とする液体が採用さ
れる。溶質は溶媒と反応せずに溶解し、酸による分解が
可能なポリマーが採用される。
【0191】そして、特定の波長としては例えば化学的
作用の大きい紫外線のような短波長の電磁波を使用し、
電磁波を吸収する物質としては、感光性の光酸発生剤を
採用する。このようなスペーサ材料は、特定の波長の電
磁波に照射されると酸が発生し、その酸によってポリマ
ーが分解してモノマーとなり、分子の小さな気体に気化
する。なおここでの昇華とは、液体が気体になる気化を
も含めた意味とする。
【0192】一方、スペーサ40上に積層される天蓋部
30は、スペーサの材料に与える電磁波を通過し、かつ
前記気化した分子を透過させるとともに、気化していな
い部分のスペーサ40を保持するような材料で構成され
ている。例えば、極めて薄い樹脂フィルムである。
【0193】次に、この構造の膜の製造方法について図
14を参照しながら説明する。
【0194】(a)この構造膜を製造するには、スペー
サ40の材料には光酸発生剤が含まれているため、例え
ばいわゆるイエロールームや暗室など必要な対策を講じ
た部屋で作業する。また、基板部20の表面はダストな
どがなく、かつ付着性に影響を及ぼすような汚れがない
ように十分な洗浄と乾燥を行っておく。
【0195】そして、基板部20上の全面にスペーサの
材料層240を積層する。この材料層は、粘性液体であ
り、これを基板部20上に滴下し、スピンコーティング
により基板上の全面に積層した。なお、基板端部の壁は
煩雑となりまた自明であるため図示していない。スピン
コーティングは、具体的にはスペーサの材料層240を
積層した基板部20を低速で例えば5秒間回転した後、
高速で例えば20秒間回転することにより、均一に積層
することができた。そして、スペーサの材料層を積層し
た基板部は、ホットプレート(図示せず)上に載せら
れ、スペーサの材料層をベーキング(前段)した。
【0196】その後、スペーサの材料層240上に天蓋
部30をラミネート手法などによって貼り付ける。な
お、積層構造膜の使用目的や所望の特性などに応じて、
スペーサの材料層240表面を処理し、薬液を塗布しあ
るいは接着剤層を設けても良い。本(a)は、この状態
である。
【0197】(b)天蓋部30の上面にマスク23を隙
間をあけた状態または接合した状態で重ね合わせる。マ
スク23には、空隙4を形成する所定領域に対応して窓
穴部230が形成されている。そして、その上方から特
定の紫外線を照射する。特定の光はマスク23の窓穴部
230から露出している部分のスペーサの材料層のみを
照射する。特定の光が照射されたスペーサの材料層は、
エネルギーが与えられ、ポリマーが分解されてモノマー
241となり、分子量も小さくなる。
【0198】(c)マスクを取り除いた後、このモノマ
ー241は、ヒーター、ホットプレート、熱線照射若し
くはオーブンなどによってベーキング(後段)されるこ
とにより、または紫外線、マイクロ波もしくは放射線な
どの電磁波が照射されることにより、薄い樹脂フィル製
の天蓋部30を通過して外部に排出される。
【0199】(d)この所定領域のスペーサの材料層が
除去され、基板部20、天蓋部30及びスペーサ40に
よって囲まれた空隙80が形成され、積層構造膜が完成
する。
【0200】なお、スペーサ40は、特定の波長の電磁
波が与えられないため、モノマーとならず、気化しない
どころか、加熱等で硬化する。このため、この積層構造
膜は通常、変形することがない。
【0201】気化した気体を天蓋部30から通過させる
ためには、直接、間接の加熱以外に、例えば振動、加圧
若しくは減圧などの物理的若しくは機械的作用を利用し
ても良い。また、条件によっては紫外線をスペーサ越し
にポリマーに照射して気化させると同時に、その気化し
た気体を天蓋部から透過させて外部へ排出し、空隙を形
成することも可能である。
【0202】なお、このような構造膜を液晶表示素子の
構成要素として使用するときは、基板部の表面と、天蓋
部の上面に導電性薄膜(図示せず)が形成され、注入孔
からスペーサ内の空隙へ液晶が充填される。更に、この
注入孔は空隙内の気体を逃すのを兼ねて設けられていて
も良い。あるいは、それが普通であろう。
【0203】(第9の実施の形態)本実施の形態は、多
層の積層構造膜に関する。
【0204】その一例として、3層の積層構造膜及びそ
の製造方法を、図15及び図16を参照しながら説明す
る。図15は、この3層の構造膜の断面を概念的に示す
図である。図16は、この3層の構造膜を製造する工程
を示す図である。
【0205】この3層の積層構造膜は、対向して配置さ
れた基板部20と天蓋部30との間に、間隔をあけて第
1,第2の中間仕切層50、60が介在し、基板部20
と第1の中間仕切層50との間、両中間仕切層50、6
0の間、そして第2の中間仕切層60と天蓋部30との
間に格子状のスペーサ40が挟まれ、これらによって囲
われた領域に3層の空隙80を形成したものである。
【0206】ところで、この第1、第2の中間仕切層5
0、60は、スペーサ40の材料を昇華させるため与え
る特定の波長の電磁波を通過させ、かつスペーサ40を
構成する材料が昇華した分子を透過させると共に、気化
していない部分のスペーサ40を安定に保持する材料で
構成され、例えば極めて薄い樹脂フィルムを使用するこ
とが好ましい。
【0207】したがって、第1、第2の中間仕切層5
0、60は、天蓋部30と全く同一の物質かつ厚さであ
る場合と異なる場合とがありうる。その他、基板部2
0、スペーサ40及び天蓋部30の材料の種類及び厚さ
については、先の第8の実施の形態と同じであるため、
その説明は省略する。
【0208】つぎに、この積層構造の製造方法について
図16を参照しながら説明する。
【0209】先の第8の実施の形態にて説明したよう
に、スペーサ40の材料には光酸発生剤が含まれている
ため、この3層の積層構造膜はいわゆるイエロールーム
や暗室など必要な対策を講じた部屋で製造する。また、
基板部の表面はダストなどがなく、かつ付着性に影響を
及ぼすような汚れがないように十分な洗浄と乾燥を行っ
ておく。
【0210】そして、基板部20上の全面に下側のスペ
ーサの材料層241を積層する。そのため、粘性液体の
スペーサの材料を基板部20上に滴下し、先の実施の形
態と同様にスピンコーティングする。下側のスペーサの
材料層を積層した基板部は、ホットプレート(図示せ
ず)上に載せられ、下側のスペーサの材料層をベーキン
グ(前段)する。
【0211】その後、下側のスペーサの材料層241上
に第1の中間仕切層50をラミネート手法などによって
貼り付ける。積層構造膜の使用目的や所望の特性などに
応じて、下側のスペーサの材料層の表面を処理し、薬液
を塗布しあるいは接着剤層を設ける。このような方法を
3度繰り返すことによって本(a)に示すように、第1
の中間仕切層50上に中間のスペーサの材料層242、
第2の中間仕切層60、上側のスペーサの材料層243
を積層する。そして、上側のスペーサの材料層243上
に天蓋部33をラミネート手法などによって貼り付け
る。
【0212】(b)空隙を形成する部位に対応して窓穴
部231を形成した露光用のマスク23を、天蓋部33
に間隔をあけた状態または接合した状態で重ね合わせ
る。そして、その上方から紫外線のような特定の波長の
電磁波を照射する。
【0213】紫外光は、マスクの窓穴部231から天蓋
部33と第2、第1の中間仕切層50、60とは透過
し、窓穴部231直下の部分のスペーサの材料層24
1、242、243を露光する。そして、その部分のス
ペーサの材料層のポリマーは、分解されてモノマーとな
り、分子量が小さくなる。
【0214】(c)この部分のモノマーは、マスク23
を取り除いた後、ベーキング(後段)電磁波の照射、物
理的若しくは機械的作用によって、第1、第2の中間仕
切層50、60及び天蓋部33を通過して外部へ排出さ
れる。このための部分は積層方向に連続した3層の空隙
81、82、83がエッジを揃えて一度に形成される。
なお、この3層の積層構造のスペーサ40は変形しな
い。
【0215】そして、この3層の構造膜を液晶表示素子
として使用するときは、基板部20の表面、天蓋部33
の上面、そして第1と第2の中間仕切層50、60の上
面に導電性薄膜(図示せず)が形成されており、注入孔
(図6参照)から3層の各空隙81、82、83内にシ
アン、マゼンタ及びイエローの色素の液晶が充填され
る。
【0216】またこのため、別途導電膜の形成等も必要
であり、更にこの導電膜は紫外線を透過させるものであ
る。更にまた、液晶注入用の孔も別途形成されることと
なる。なおこのため、導電膜は必ずしも昇華する分子を
透過する性質は必要ない。
【0217】(実施例)先の第8及び第9の実施の形態
のいずれの場合であっても、スペーサの材料や天蓋部の
材料などを、以下の実施例1から実施例13に示す様
に、多数の組合せで選定することができる。ただし、い
ずれの実施例においても、天蓋部は材質がPETであ
り、その膜厚さは0.9μmであり、また露光は高圧水
銀ランプの紫外線であり、そのエネルギー密度は約13
mwである。このため、これらについての各実施例毎の
記載は省略する。なお、光の照射時間は当然1層の場合
と3層の積層構造の場合とでは異なるため、それについ
ては区別して記載する。
【0218】(実施例1)スペーサの材料は、ポリマー
としてポリフタルアルデヒド(Polyphthala
ldehyde)(溶媒に対して約5wt(重量)
%)、溶媒としてシクロヘキサン(cyclohexa
none)であり、光酸発生剤としてトリアリルズルホ
ニウム ヘキサフルオロアンチモン(triaryls
ulfonium hexafluoroantimo
nate)(ポリマーに対して約10wt%)を採用す
る。
【0219】スピンコーティングの条件は、前半を30
0rpm、5秒(sec)、後半を600rpm、20
秒である。スペーサの材料の塗布層厚は、約2000Å
である。ベーキング(前段)は、温度100℃のホット
プレート上にて3〜5分である。
【0220】紫外線の照射時間は、1層の場合は10〜
20秒であり、3層の積層構造の場合は20〜30秒で
ある。なお、エネルギー密度はいずれの場合も、15m
W/cm2 である。
【0221】ベーキング(後段)は、温度130℃のホ
ットプレート上にて約30秒である。この内容を、下記
のようにまとめる。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約5wt%)/溶媒…シクロヘキサン(cyclo
hexanone)/光酸発生剤…トリアリルズルホニ
ウム ヘキサフルオロアンチモンtriarylsul
fonium hexafluoroantimona
te(ポリマーに対して約10wt%) [スピンコーティングの条件]前半…300rpm、5
sec/後半…600rpm、20sec [スペーサの材料の塗布層厚]約2000Å [ベーキング(前段)]温度100℃のホットプレート
上にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…10〜20sec/3層…
20〜30sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度130℃のホットプレート
上にて約30sec (実施例2)本実施例2の積層膜構造は、スペーサ材料
として下記のものを用い、スピンコーティング条件、ベ
ーキング(前段)温度、光照射の照射時間及び照射強
度、ベーキング(後段)温度等の製造条件を以下に列挙
する通りとする他は、先の実施例1と同様の方法にて製
造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約4wt%)/溶媒…プロピレン カーボネイト
(propylene carbonate)/光酸発
生剤…トリアリルスルホニウム ヘキサフルオロアンチ
モン(triarylsulfonium hexaf
luoroantimonate)(ポリマーに対して
約8wt%) [スピンコーティング条件]前半…300rpm、5s
ec/後半…600rpm、20sec [スペーサの材料の塗布層厚]約300Å [ベーキング(前段)]温度100℃のホットプレート
上にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…10〜20sec/3層…
20〜30sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度130℃のホットプレート
上にて約30sec 以上の製造条件により、前記実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0222】(実施例3)本実施例3の積層膜構造は、
スペーサ材料として下記のものを用い、スピンコーティ
ング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射時間
及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条件を
以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同様の
方法にて製造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約4wt%)/溶媒…プロピレン カーボネイト
(propylene carbonate)/光酸発
生剤…ジフェニールヨードニウム ヘキサフルホロフォ
スフェイト(diphenyliodonium he
xafluorophosphate)(ポリマーに対
して約8wt%) [スピンコーティングの条件]前半…300rpm、5
sec/後半…600rpm、200sec [スペーサの材料の塗布層厚]約2000Å [ベーキング(前段)]温度100℃のホットプレート
上にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…約100sec/3層…約
150sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]後温度130℃のホットプレー
ト上にて約60sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0223】(実施例4)本実施例4の積層膜構造は、
スペーサ材料として以下のものを用い、スピンコーティ
ング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射時間
及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条件を
以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同様の
方法にて製造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約4wt%)/溶媒…プロピレン カーボネイト
(propylene carbonate)/光酸発
生剤…8アニリノ−1ナフタリンエスルフォニック酸マ
グネシウム(8−anilino−1−naphtha
lenesulfonic acid magnesi
um)(ポリマーに対して約8wt%) [スピンコーティング条件]前半…300rpm、5s
ec/後半…600rpm、20sec [スペーサの材料の塗布層厚]約500Å [ベーキング(前段)]温度100℃のホットプレート
上にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…100〜150sec/3
層…130〜160sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度150℃のホットプレート
上にて約60sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0224】(実施例5)本実施例5の積層膜構造は、
スペーサ材料として下記のものを用い、スピンコーティ
ング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射時間
及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条件を
以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同様の
方法にて製造した。 [スペーサの材質]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約6wt%)/溶媒…ジエチレン グリコールジメ
チル エーテル(diethylene glycol
dimethyl ether)/光酸発生剤…トリ
アリルスルフォニウム ヘキサフルオロアンチモン(t
riarylsulfonium hexafluor
oantimonate)(ポリマーに対して約15w
t%) [スピンコーティング条件]前半…300rpm、5s
ec/後半…600rpm、20sec [スペーサの材料の塗布層厚]約3000Å [ベーキング(前段)]温度90℃のホットプレート上
にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…5〜10sec/3層…1
0〜15sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度110℃のホットプレート
上にて約60sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0225】(実施例6)本実施例6の積層膜構造は、
スペーサ材料として下記のものを用い、スピンコーティ
ング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射時間
及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条件を
以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同様の
方法にて製造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約15wt%)/溶媒…ジエチレン グリコール
ジメチル エーテル(diethylene glyc
ol dimethyl ether)/光酸発生剤…
トリアリルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモン
(triarylsulfonium hexaflu
oroantimonate)(ポリマーに対して約5
wt%) [スピンコーティング条件]前半…400rpm、5s
ec/後半…750rpm、30sec [スペーサの材料の塗布層厚]約1.1μm [ベーキング(前段)]温度120℃のホットプレート
上にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…約60sec/3層…約7
0sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度80℃のホットプレート上
にて約60sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0226】(実施例7)本実施例7の積層膜構造は、
スペーサ材料として下記のものを用い、スピンコーティ
ング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射時間
及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条件を
以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同様の
方法にて製造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約5wt%)/溶媒…ジエチレン グリコールジメ
チル エーテル(diethylene glycol
dimethyl ether)/光酸発生剤…ダイ
フェニリオドニウム ヘキサフルオロ燐(diphen
yliodonium hexafluorophos
phate)(ポリマーに対して約10wt%) [スピンコーティング条件]前半…300rpm、5s
ec/後半…600rpm、20sec [スペーサの材料の塗布層厚]約2000Å [ベーキング(前段)]温度90℃のホットプレート上
にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…120〜180sec/3
層…150〜200sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度110℃のホットプレート
上にて約30sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0227】(実施例8)本実施例8の積層膜構造は、
スペーサ材料として下記のものを用い、スピンコーティ
ング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射時間
及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条件を
以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同様の
方法にて製造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約17wt%)/溶媒…ジエチレン グリコール
ジメチル エーテル(diethylene glyc
ol dimethyl ether)/光酸発生剤…
ダイフェニリオドニウム ヘキサフルオロ燐(diph
enyliodonium hexafluoroph
osphate)(ポリマーに対して約9wt%) [スピンコーティング条件]前半…400rpm、5s
ec/後半…1000rpm、25sec [スペーサの材料の塗布層厚]約6000Å [ベーキング(前段)]温度90℃のホットプレート上
にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…200〜250sec/3
層…220〜260sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度110℃のホットプレート
上にて約15〜20sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0228】(実施例9)本実施例9の積層膜構造は、
スペーサ材料として下記のものを用い、スピンコーティ
ング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射時間
及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条件を
以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同様の
方法にて製造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約17wt%)/溶媒…ジエチレン グリコール
ジメチル エーテル(diethylene glyc
ol dimethyl ether)/光酸発生剤…
ダイフェニリオドニウム ヘキサフルオロ燐(diph
enyliodonium hexafluoroph
osphate)(ポリマーに対して約9wt%) [スピンコーティング条件]前半…300rpm、5s
ec/後半…600rpm、20sec [スペーサの材料の塗布層厚]約1.5μm [ベーキング(前段)]温度90℃のホットプレート上
にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…200〜250sec/3
層…220〜250sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度110℃のホットプレート
上にて約60sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0229】(実施例10)本実施例10の積層膜構造
は、スペーサ材料として下記のものを用い、スピンコー
ティング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射
時間及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条
件を以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同
様の方法にて製造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約5wt%)/溶媒…サイクロヘキサン(cycl
ohexanone)/光酸発生剤…トリアリルスルホ
ニウム ヘキサフルオロ燐(triarylsulfo
nium hexafluorophosphate)
(ポリマーに対して約9wt%) [スピンコーティング条件]前半…300rpm、5s
ec/後半…600rpm、20sec [スペーサの材料の塗布層厚]約2000Å [ベーキング(前段)]温度100℃のホットプレート
上にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…15〜30sec/3層…
20〜30sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度130℃のホットプレート
上にて約30sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0230】(実施例11)本実施例11の積層膜構造
は、スペーサ材料として下記のものを用い、スピンコー
ティング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射
時間及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条
件を以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同
様の方法にて製造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約4wt%)/溶媒…プロピレン カーボネイト
(propylene carbonate)/光酸発
生剤…トリアリルフォニウム ヘキサフルオロ燐(tr
iarylsulfonium hexafluoro
phosphate)(ポリマーに対して約7wt%) [スピンコーティング条件]前半…300rpm、5s
ec/後半…600rpm、20sec [スペーサの材料の塗布層厚]約400Å [ベーキング(前段)]温度100℃のホットプレート
上にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…20〜30sec/3層…
30〜40sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度130℃のホットプレート
上にて約30sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0231】(実施例12)本実施例12の積層膜構造
は、スペーサ材料として下記のものを用い、スピンコー
ティング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射
時間及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条
件を以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同
様の方法にて製造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約6wt%)/溶媒…ジエチレン グリコールジメ
チル エーテル(diethylene glycol
dimethyl ether)/光酸発生剤…トリ
アリルスフォニウム ヘキサフルオロ燐(triary
lsulfonium hexafluorophos
phate)(ポリマーに対して約13wt%) [スピンコーティング条件]前半…300rpm、5s
ec/後半…600rpm、20sec [スペーサの材料の塗布層厚]約3500Å [ベーキング(前段)]温度90℃のホットプレート上
にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…10〜20sec/3層…
15〜25sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度130℃のホットプレート
上にて約60sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0232】(実施例13)本実施例13の積層膜構造
は、スペーサ材料として下記のものを用い、スピンコー
ティング条件、ベーキング(前段)温度、光照射の照射
時間及び照射強度、ベーキング(後段)温度等の製造条
件を以下に列挙する通りとする他は、先の実施例1と同
様の方法にて製造した。 [スペーサの材料]ポリマー…ポリフタルアルデヒド
(Polyphthalaldehyde)(溶媒に対
して約15wt%)/溶媒…ジエチレン グリコール
ジメチル エーテル(diethylene glyc
ol dimethyl ether)/光酸発生剤…
トリアリルスルホニウム ヘキサフルオロ燐(tria
rylsulfonium hexafluoroph
osphate)(ポリマーに対して約5wt%) [スピンコーティング条件]前半…400rpm、5s
ec/後半…750rpm、30sec [スペーサの材料の塗布層厚]約1.2μm [ベーキング(前段)]温度120℃のホットプレート
上にて3〜5min [光照射の照射時間]1層…約60〜70sec/3層
…60〜80sec [ 光照射の照射強度] 15mW/cm2 [ベーキング(後段)]温度80℃のホットプレート上
にて約60sec 以上の製造条件により、先の実施例1と同様の構造を有
した積層構造膜を製造することができた。
【0233】以上、本発明を幾つかの実施の形態に基づ
いて説明してきたが、本発明は何もこれらに限定されな
いのは勿論である。すなわち、例えば以下のようにして
もよい。
【0234】1)液晶表示装置は、光反射型でなく表示
側背面にバックライトを有する型であり、室内でのワー
ドプロセッサーやパソコンの表示に使用している。
【0235】2)各画素毎の各層共通の注入孔でなく、
各層毎に各画素共通の注入孔とし、内部へ高分子分散型
液晶を充たす毎にマトリックスを固体化するようにして
いる。
【0236】3)反射板は、高価ではあるがアルミより
も反射特性に優れる銀としている。
【0237】4)画素の支持隔壁、注晶封止用樹脂部が
ブラックマトリクスを兼ねる。このため、封止用樹脂に
は予め導電性が生じない程度で炭素粉末を混入してい
る。この場合、封止用樹脂は画素部には形成せず、コン
タクトホール及び支持隔壁の上にのみ形成する。
【0238】5)所要工程は増加するが、コンタクトホ
ール内には、導電性の良好な金属微粒子をも充填するよ
うにしている。
【0239】6)各画素の液晶層は、3色のフルカラー
表示でなく、案内や宣伝広告等に使用するため2色表示
としている。
【0240】7)スペーサ材料としては、紫外線があた
っていないところを高温で焼くことにより硬化し、硬化
後は紫外線があたっても分解しない材料を使用したが、
他の原理の物質を使用している。例えば、現時点では価
格等に問題があるかもしれないが、将来の技術の発達の
もと、赤外線で加熱され、加熱された部分はあらかじめ
含有している化学物質の作用で架橋し、硬化する。所定
のエネルギーとして光や近紫外線でなく、UVCやX線
で架橋したり、分解したり、添加剤が活性化して昇華
(含む、液化後の気化)したり、しなくなったりする物
質を使用する。
【0241】
【発明の効果】以上の説明で判るように、本発明によれ
ば、支持柱で仕切った複数のストライプ状等のセル空間
に、異なる色の液晶を入れてカラー化した液晶パネルに
おいて、液晶に二色性を生じない色素を溶解させること
で彩度の変化を抑えて、フルカラー化を可能にする。
【0242】このとき、支持柱の上にのみフォトレジス
トからなる接着層を裏面露光により形成して、微細セル
のセル厚を正確に制御し、かつ、接着を確実にしてセル
間での液晶のもれを防げる。
【0243】また、仕切りで区切った複数の微細なセル
空間に異なる色の溶液を充填するとき、セルを形成する
前に異なる色の色素等を部材表面に付着させ、各色素の
共通溶媒をセル空間に閉じこめてから、色素を共通溶媒
に溶解させることにより、工程が容易になる。特に、カ
ラーフィルターでこの方法を用いると、表面の平滑性に
優れ、工程が簡易になる。なお、カラーフィルターでな
くても微細な区画構造物であれば、そして特に各区画内
に異なる性質を有する物質が充たされている構造物なら
ば、その種類によらず工程が簡単になる。なおまた、か
かる物としては、上述の体温計等の他に、回折光学素子
も考えられる。
【0244】また、樹脂フィルムに微小な穴や破れがあ
る場合でも、破れがある画素以外では、ゲストホスト液
晶が所定の層以外の層に注入されることを防ぎ、液晶層
が積層された構造の液晶表示装置において製造の歩留ま
りを向上させることができた。
【0245】また、樹脂フィルムでの電圧降下を抑え
て、反射率やコントラスト比など表示性能を向上させる
ことができた。
【0246】また、製造も容易となる。
【0247】また、採用する液晶のタイプによっては製
品の耐衝撃性、耐久性も向上する。
【0248】また、ビーズスペーサ等が不必要となるた
め、その散布の工程も不必要となり、更にその存在によ
る表示の不良、画素内での移動等による他部への損傷も
なくなる。
【0249】また、基板部と天蓋部との間に挟まれるス
ペーサ材料が、紫外光のような特定のエネルギーを与え
られることによって気体に気化する物質であり、天蓋部
がその気体を透過する材料であるため、紫外光の照射等
のみで空隙を極めて容易に形成することができる。
【0250】また、多層の空隙は、エッジを揃えて一括
して形成されるため、生産性が向上するだけでなく、品
質も向上する。従って、本積層構造膜が、空隙内に液晶
などを充填する液晶表示素子の構成要素とされる場合
は、カラー表示の画質などを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の液晶素子の断面図である。
【図2】 従来の液晶表示装置等における1層の区画構
造の膜の一部破断斜視図である。
【図3】 従来の液晶表示装置等における3層の積層の
区画構造の膜の一部破断斜視図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態としてのカラー表
示用液晶表示装置の製作手順を示す図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態としてのカラーフ
ィルターの製作手順を示す図である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態としてのカラーフ
ィルターの製作手順を示す図である。
【図7】 本発明の第4の実施の形態としてのカラー表
示用液晶表示装置の画素部の平面図である。
【図8】 上記画素部の断面図である。
【図9】 上記画素部のC−C断面の形成の手順を示す
図である。
【図10】 上記画素部のA−A断面の形成の手順を示
す図である。
【図11】 本発明の第5の実施の形態としてのカラー
表示用液晶表示装置の製作手順を示す図である。
【図12】 本発明の第6の実施の形態としてのカラー
表示用液晶ディスプレイの使用状態を示す図である。
【図13】 本発明の第8の実施の形態としての間隙を
示す図である。
【図14】 上記実施の形態の間隙の形成手順を示す図
である。
【図15】 本発明の第9の実施の形態としての3層の
間隙を示す図である。
【図16】 上記実施の形態の間隙の形成手順を示す図
である。
【符号の説明】
1 画素 20 基板 21 透明導電膜 22 配向膜 23 露光マスク、紫外線マスク 24 昇華性物質(液化後の気化を含む) 240 露光昇華性物質 25 駆動素子の端子 26 駆動素子の端子 27 駆動素子の端子 30 対向基板(膜等を含む) 300 感光性樹脂製膜 301 金属ローラ 31 ITO膜、電極 33 最上部樹脂膜 34 反射膜 38 紫外線硬化製アクリル樹脂 39 分離用高分子膜 40 スペーサ 401 支持部材(下) 402 支持部材(中) 403 支持部材(上) 41 レジスト 411 支持部材(下) 412 支持部材(中) 413 支持部材(上) 414 支持部材 42 支持柱 421 コンタクトホール 422 コンタクトホール 423 コンタクトホール 43 感光接着性レジスト 44 支持柱頭部接着層 45 封止用樹脂 48 液晶注入孔 49 スペーサの孔 50 第1中間水平仕切層 51 第1中間水平仕切層樹脂膜 60 第2中間水平仕切層 61 第2中間水平仕切層樹脂膜 71 色素(赤等) 72 色素(緑等) 73 色素(青等) 80 空隙 81 液晶層(赤等) 82 液晶層(緑等) 83 液晶層(青等) 85 液晶層(下)又はそのための間隙(空
隙) 86 液晶層(中)又はそのための間隙 87 液晶層(上)又はそのための間隙 91 カラーフィルター(赤等)(の本体部) 92 カラーフィルター(緑等) 93 カラーフィルター(青等)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 泰彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 柄沢 武 大阪府吹田市江坂町2−1−26−510 Fターム(参考) 2H048 BA11 BA43 BA45 BA47 BA48 BA55 BA57 BA62 BA64 BA66 BB02 BB08 BB44 2H089 MA04X NA09 NA25 QA01 QA12 TA05 TA12 TA13 UA05 2H091 FA02Y FB02 FC10 GA07 GA08 GA09 LA12 MA07 2H096 AA27 BA11 EA02 FA01 GA08 HA10

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に印刷等で格子状や帯状等の所定
    の配列の支持壁を形成する支持壁形成ステップと、 下部は上記基板で、側部は上記支持壁で仕切られた複数
    の各空隙毎に一定の条件を与えることにより、所定の法
    則にのっとって所定の色彩を有する若しくは有すること
    となる樹脂液を充填する充填ステップと、 上記充填した樹脂液に発色作用をなさせる発色ステップ
    と、 上記発色した樹脂液を硬化させる硬化ステップとを有し
    ていることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記発色ステップは、 予め付着させていた発色素を樹脂液に溶解させることに
    よりなされる溶解ステップであることを特徴とする請求
    項1記載のカラーフィルターの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記硬化ステップは、 上記基板がたわんだりしないようガラス定盤等で水平な
    台に押圧等したりしながら上記充填した樹脂液を上記ガ
    ラス定盤越しに電磁波を照射したり、加熱したりして硬
    化させ、併せて上記一定の条件を与えて予め付着させて
    いた発色素を樹脂液に溶解させて発色させる発色硬化ス
    テップであることを特徴とする請求項1若しくは請求項
    2記載のカラーフィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記支持壁形成ステップに先立って、 上記支持壁形成材料が近紫外線等の所定の電磁波を吸収
    するレジストであり、 前記発色硬化ステップ終了後上記支持壁の形成された基
    板上に熱可塑性を有するフォトレジスト層を形成後、基
    板側より上記近紫外線等の所定の電磁波を照射し、露光
    した部分のフォトレジストを除去することにより、上記
    支持壁上に更に支持壁を形成する上部支持壁形成ステッ
    プとを有していることを特徴とする請求項1、請求項2
    若しくは請求項3記載のカラーフィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】 基板上に格子状や帯状等の所定の配列の
    支持壁を形成する支持壁形成ステップと、 上記形成された支持壁上に樹脂フィルムを接着する樹脂
    フィルム接着ステップと、 上下は上記樹脂フィルムと基板とで、側部は上記支持壁
    で仕切られた複数の各空隙毎に一定の条件を与えること
    により、所定の法則にのっとって所定の色彩を有するこ
    ととなる樹脂液を充填する充填ステップと、 上記充填した樹脂液に発色作用をなさせる発色ステップ
    と、 上記発色した樹脂液を硬化させる硬化ステップとを有し
    ていることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記樹脂フィルム接着ステップは、 金属ローラで樹脂フィルムを撓まない様に延伸しつつ接
    着する金属ローラ使用樹脂フィルム接着ステップである
    ことを特徴と請求項5記載のカラーフィルターの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記発色ステップは、 予め付着させていた発色素を樹脂液に溶解させることに
    よりなされる溶解ステップであることを特徴と請求項5
    若しくは請求項6記載のカラーフィルターの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記硬化ステップは、 上記基板がたわんだりしないようガラス定盤等で水平な
    台に押圧等したりしながら上記充填した樹脂液を上記ガ
    ラス定盤越しに電磁波を照射したり、加熱したりして硬
    化させ、併せて上記一定の条件を与えて予め付着させて
    いた発色素を樹脂液に溶解させて発色させる発色硬化ス
    テップであることを特徴とする請求項5、請求項6若し
    くは請求項7のカラーフィルターの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記支持壁形成材料が近紫外線等の所定
    の電磁波を吸収するレジストであり、 上記支持壁の形成された基板上に熱可塑性を有するフォ
    トレジスト層を形成後、基板側より上記近紫外線等の所
    定の電磁波を照射し、露光した部分のフォトレジストを
    除去することにより、前記支持壁上に熱可塑性を有する
    フォトレジスト層を形成する接着用フォトレジスト層形
    成ステップと、 上記支持壁上のフォトレジスト層を接着剤として、上記
    支持壁と上記樹脂フィルムとを接着する接着ステップと
    を有していることを特徴とする請求項5、請求項6、請
    求項7若しくは請求項8記載のカラーフィルターの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 上記カラーフィルターがカラー表示液
    晶表示装置のカラーフィルターに使用された際に、基板
    が液晶表示装置の基板、対向基板若しくは反射板のいず
    れかであり、 樹脂フィルムが、配向膜若しくは電極となる導電性樹脂
    であることを特徴とする請求項1〜請求項9いずれかに
    記載のカラーフィルターの製造方法。
  11. 【請求項11】 上記カラーフィルターの支持壁が、材
    料として感光を含む所定のエネルギーを与えられること
    により昇華性を有する物質であることを特徴とする請求
    項1〜請求項10のいずれかに記載のカラーフィルター
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 複数の平面部材を所定の配列の格子
    状、帯状等の仕切り材を介して貼り合わせ、更に上下の
    部材及び側部の仕切り材で区切られた多数のセル内に各
    セル毎に一定の条件で発色作用をなすこととなる所定の
    色に対応した発色素を含んだ溶液若しくは溶液の硬化物
    を有する区画構造物の製造方法において、 上記セル空間の形成前に、上記所定の発色素を各発色素
    毎に対応するセル内に付着させておく発色素付着ステッ
    プと、 上記各セル空間へ各発色素を溶かす共通溶媒を複数のセ
    ルに注入する注入ステップと、 上記注入ステップの後、上記複数のセル空間が区切られ
    てから上記発色素に上記一定の条件を加えて、セル空間
    内で上記透明性樹脂に溶解させて発色作用をなさせる溶
    解ステップとを有していることを特徴とする区画構造物
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記発色素付着ステップは、 発色素やカイラル剤をマイクロカプセルに閉じこめた状
    態で上記平面部材の上記共通溶媒に面する表面に付着さ
    せておく付着ステップであることを特徴とする請求項1
    2記載の区画構造物の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記溶解ステップは、 上記共通溶媒に所定の温度条件等で上記マイクロカプセ
    ル壁を破壊する物質をあらかじめ含有させており、該所
    定の温度条件等に昇温することにより、上記マイクロカ
    プセルの壁が破壊され、内部の発色素が共通溶媒に溶け
    る化学熱利用溶解ステップであることを特徴とする請求
    項12若しくは請求項13記載の区画構造物の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 前記発色素付着ステップに先立って、
    上記基板上に帯状の支持壁を形成する帯状仕切り材形成
    ステップを有し、 前記発色素付着ステップは、 上記帯状の仕切り材形成後、形成された帯状の所定のセ
    ル内に所定の発色素を印刷で付着させる印刷付着ステッ
    プであることを特徴とする請求項12、請求項13若し
    くは請求項14記載の区画構造物の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記発色素付着ステップに先立って、 上記区画構造物が液晶表示装置のカラーフィルターや液
    晶層のセルとして使用される際、上記支持壁がブラック
    マトリクス若しくはフォトリソグラフィで液晶室側壁部
    を形成する際の遮光マスクとして作用するよう支持壁材
    料を選定し、また仕切壁の配列、寸法等をそのように形
    成するブラックマトリクス兼用支持壁形成ステップを有
    していることを特徴とする請求項12、請求項13若し
    くは請求項14記載の区画構造物の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記帯状仕切り材形成ステップは、 上記区画構造物が液晶表示装置のカラーフィルターとし
    て使用される際、上記支持壁がブラックマトリクス若し
    くはフォトリソグラフィで液晶室側壁部を形成する際の
    遮光マスクとして作用するよう支持壁材料を選定し、ま
    た仕切壁の配列、寸法等をそのように形成するブラック
    マトリクス兼用支持壁形成ステップを有していることを
    特徴とする請求項15記載の区画構造物の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記発色素付着ステップに先立って、 発色素として、液晶に溶解させても2色性を生じない物
    質を選定する発色素選定ステップを有し、 前記樹脂として、液晶やこれを含む樹脂を選定する樹脂
    選定ステップを有している請求項12〜請求項17のい
    ずれかに記載の区画構造物の製造方法。
  19. 【請求項19】 電極を有する基板上に、電極を付着す
    るか自身が電極を兼ねた透明な樹脂フィルムが基板及び
    樹脂フィルム相互に対して所定の間隙を設けて所定数積
    層され、更に基板と樹脂フィルム及び樹脂フィルム相互
    の間隙に一定の条件で発色作用をなす発色素を溶解した
    ことにより発色作用をなす液晶が充填されてなる画素が
    形成されたカラー表示用の液晶表示装置において、 上下方向に重なる態様で積層して形成されることにより
    上記基板と樹脂フィルム及び樹脂フィルム相互を一定間
    隙に保持すると共にそれらの間隙に形成された各発色素
    を溶解した液晶層を取り囲むことにより各画素を区分け
    することとなる支持部材を有していることを特徴とする
    液晶表示素子。
  20. 【請求項20】 上記樹脂フィルムは、 導電性を有する材料からなる導電性樹脂フィルムである
    ことを特徴とする請求項19記載の液晶表示素子。
  21. 【請求項21】 前記導電性樹脂フィルムは、 各画素毎に電気的に独立とされた画素対応導電性樹脂フ
    ィルムであることを特徴とする請求項20記載の液晶表
    示素子。
  22. 【請求項22】 上記各画素を構成することとなる各液
    晶層は、 製造時には、各画素毎に各層共通の液晶注入孔を有して
    いたことを特徴とする請求項19、請求項20若しくは
    請求項21記載の液晶表示素子。
  23. 【請求項23】 前記液晶注入孔の各層の液晶への入口
    部かつ当該層上部の樹脂フィルムより下方に封止用樹脂
    栓を有していることを特徴とする請求項22記載の液晶
    表示素子。
  24. 【請求項24】 前記支持部材は、 少くも近紫外線を吸収するレジストであることを特徴と
    する請求項19、請求項20、請求項21、請求項22
    若しくは請求項23記載の液晶表示素子。
  25. 【請求項25】 電極を有する基板上に、電極を付着す
    るか自身が電極を兼ねた透明な樹脂フィルムが基板及び
    樹脂フィルム相互に対して所定の間隙を設けて所定数積
    層され、更に基板と樹脂フィルム及び樹脂フィルム相互
    の間隙に所定の発色素を含む液晶が充填されてなる画素
    が形成されたカラー表示用の液晶表示装置の製造方法で
    あって、 上記基板と樹脂フィルム又は樹脂フィルム相互の間隙を
    一定に保持し、併せて各画素の各発色用液晶層の周囲若
    しくは少くも両側を取り囲むことにより各画素を区分け
    することとなる支持部材を、樹脂フィルムが基板上に重
    なって形成された数だけ繰り返してそして重ねて形成す
    る支持部材形成ステップと、 上記支持部材が形成される毎にその上部に樹脂フィルム
    を形成する樹脂フィルム形成ステップと、 前記支持部材形成ステップ及び樹脂フィルム形成ステッ
    プにより各画素毎に各色用の液晶層用間隙が基板上に重
    なって形成される際、該各画素毎の各色用の液晶層用間
    隙内に一定の条件の下で液晶に溶融する性質を有する所
    定の発色素を液晶注入前に予め配置しておく発色素配置
    ステップと、 上記基板、所定数重なった樹脂フィルム、所定数重なっ
    た支持部材により各発色用の液晶層が重なって形成され
    た各画素毎に各層共通の液晶注入孔を設ける注入孔開設
    ステップと、 上記開設された注入孔より各画素の各発色用液晶層に設
    けられた間隙に無色の液晶を注入する液晶注入ステップ
    と、 前記液晶注入ステップにより上記間隙内に注入された液
    晶に、上記液晶層用間隙が孤立化された後上記所定の発
    色素を上記一定条件の下で溶融させる発色素溶融ステッ
    プとを有していることを特徴とする液晶表示装置の製造
    方法。
  26. 【請求項26】 前記発色素配置ステップは、 色素、カイラル剤等の発色素をマイクロカプセル内に閉
    じ込めた状態で配置するマイクロカプセル利用配置ステ
    ップであり、 前記色素溶融ステップは、 上記液晶内に混入された化学物質や所定の温度等により
    上記マイクロカプセルを物理的や化学的に破壊すること
    を利用した物理化学作用利用発色素溶融ステップである
    ことを特徴とする請求項25記載の液晶表示装置の製造
    方法。
  27. 【請求項27】 電極を有する基板上に、電極を付着す
    るか自身が電極を兼ねた透明な樹脂フィルムが基板及び
    樹脂フィルム相互に対して所定の間隙を設けて所定数積
    層され、更に基板と樹脂フィルム及び樹脂フィルム相互
    の間隙に所定の発色素を含む液晶が充填されてなる画素
    が形成されたカラー表示用の液晶表示装置の製造方法で
    あって、 電極を有する基板若しくは既に形成された電極を付着す
    るか自身が電極を兼ねた樹脂フィルム上に露光後の加熱
    により昇華性となるか昇華性を失うこととなる感光性材
    料を塗布することと、既に塗布された当該感光性材料の
    薄膜上に電極を付着するか自身が電極を兼ねたそして一
    定の気体の透過性を有する樹脂フィルムを形成すること
    を交互に繰り返すことにより、上記感光性材料と上記樹
    脂フィルムとが交互に基板上に所定数づつ積層された構
    造を形成する交互積層形成ステップと、 前記交互積層形成ステップと併せて若しくは調整をとり
    つつ、上記積層された構造内に所定の発色素を配置する
    発色素配置ステップと、 上記感光性材料の薄膜と樹脂フィルムが交互に積層され
    た基板上面に、液晶を充填する間隙を形成する等のため
    基板上の画素部か非画素部に対応した位置に遮光用マス
    クを配置し、該遮光用マスクの配置された側、そして基
    板面に直交する方向から露光用の電磁波を照射し、しか
    る後遮光用マスクを除去する電磁波照射ステップと、 前記電磁波照射ステップにて露光した若しくは露光しな
    かった上記各層の画素部の感光性材料を加熱して昇華さ
    せ、画素部分に液晶を充填するための積層された間隙を
    形成し、非画素部分は各樹脂フィルムを支持し、併せて
    各画素用の各発色用の液晶層毎にこれを他の画素用の液
    晶層から区分けする支持部材を形成する昇華画素部形成
    ステップと、 前記昇華画素部形成ステップにて形成された各画素毎
    に、上下に積層された各発色用の各液晶層に共通の液晶
    注入孔を設ける注入孔開設ステップと、 上記開設された注入孔より、基板と樹脂フィルムまたは
    樹脂フィルム相互の画素毎に区分けされ、各発色用に積
    層された各間隙に液晶を注入する液晶注入ステップと、 上記間隙内に予め配置していた所定の発色素を、上記液
    晶層用間隙が孤立化された後上記注入された液晶内に溶
    融させる発色素溶融ステップとを有していることを特徴
    とする液晶表示装置の製造方法。
  28. 【請求項28】 電極を有する基板上に、電極を付着す
    るか自身が電極を兼ねた透明な樹脂フィルムが基板及び
    樹脂フィルム相互に対して所定の間隙を設けて所定数積
    層され、更に基板と樹脂フィルム及び樹脂フィルム相互
    の間隙に所定の発色素を含む液晶が充填されてなる画素
    が形成されたカラー表示用の液晶表示装置の製造方法で
    あって、 電極を有する基板若しくは既に形成された電極を付着す
    るか自身が電極を兼ねた樹脂フィルム上に、露光後の加
    熱により昇華性となる感光性材料を塗布することと、既
    に塗布された当該感光性材料の薄膜上に電極を具備する
    そして一定の気体透過性を有する樹脂フィルムを形成す
    ることを交互に繰り返すことにより、上記感光性材料と
    上記樹脂フィルムとが交互に基板上に所定数づつ積層さ
    れた構造を形成する交互積層形成ステップと、 前記交互積層形成ステップと併せて若しくは調整をとり
    つつ、上記積層された構造内に所定の発色素を配置する
    発色素配置ステップと、 上記感光性材料の薄膜と樹脂フィルムが交互に積層され
    た基板上面に基板上の画素部に対応した位置に遮光用マ
    スクを配置し、該遮光用マスクの配置された側、そして
    基板に直交する方向から露光用の電磁波を照射し、しか
    る後遮光用マスクを除去する電磁波照射ステップと、 前記電磁波照射ステップにて露光した上記各層の画素部
    の感光性材料を加熱して昇華させ、画素部分に液晶を充
    填するための積層された間隙を形成し、非画素部分は各
    樹脂フィルムを支持し、併せて各画素用の各発色彩用の
    液晶層毎にこれを他の画素用の液晶層から区分けする支
    持部材を形成する昇華画素部形成ステップと、 前記昇華画素部形成ステップにて形成された各画素毎
    に、上下に積層された各発色用の各液晶層に共通の液晶
    注入孔を設ける注入孔開設ステップと、 上記開設された注入孔より、基板と樹脂フィルムまたは
    樹脂フィルム相互の各画素毎に区分けされ、各発色用に
    積層された間隙に無色の液晶を注入する液晶注入ステッ
    プと、 上記間隙内に予め配置していた所定の発色素を、上記液
    晶層用間隙が孤立化された後上記注入された液晶内に溶
    融させる発色素溶融ステップとを有していることを特徴
    とする液晶表示装置の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記発色素配置ステップは、 上記感光性材料の薄膜を基板上に塗布するに先立ち、該
    感光性材料内に非昇華、蒸発性、そして当該薄膜が第何
    層になるかに対応した所定の発色素を混入しておく発色
    素混入ステップであり、 前記発色素溶融ステップは、 前記昇華画素部形成ステップにて画素部の上記感光性材
    料が昇華した後残留している当該感光性材料にあらかじ
    め混入されていた所定の発色素を前記液晶注入ステップ
    にて注入された液晶内に溶融させる残留発色素溶融ステ
    ップであることを特徴とする請求項27若しくは請求項
    28記載の液晶表示装置の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記注入孔開設ステップに換えて、 前記電磁波照射ステップ後、昇華画素部形成ステップに
    先立って昇華する分子を外部へ逃がし、併せて液晶が注
    入される孔を各画素毎に各層共通に設ける兼用孔形成ス
    テップを有していることを特徴とする請求項27、請求
    項28若しくは請求項29記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  31. 【請求項31】 前記液晶注入ステップは、 基板をある所定値に加熱保持した状態で行う加熱保持下
    液晶注入ステップであり、 前記加熱保持下液晶注入ステップ終了後、上記液晶注入
    孔部に封止用樹脂を塗布し、その後基板温度を下げ、基
    板に比較して熱膨張率の大な液晶を相対的に大きく収縮
    させることにより、該封止用樹脂を各画素の各色用液晶
    層の入口部まで吸込む封止用樹脂吸込ステップと、 上記吸い込まれた封止用樹脂をその状態で固化させる封
    止用樹脂固化ステップとを有していることを特徴とする
    請求項27、請求項28、請求項29若しくは請求項3
    0記載の液晶表示装置の製造方法。
  32. 【請求項32】 対向して配置された基板部と天蓋部と
    の間にスペーサが挟まれ、その後画素の配列等に対応し
    て所定領域のスペーサの材料のみが除去されることによ
    り、上下の基板部と天蓋部及び側面の除去されなかった
    スペーサ材料によって囲われた数多くの空隙を有するこ
    ととなった区画構造物において、 上記スペーサは、 紫外線の照射後の加熱等特定のエネルギーが与えられる
    ことにより気化する材料からなる昇華性材料製スペーサ
    であり、 前記天蓋部は、 上記特定のエネルギーを通過させるとともに、上記気化
    したスペーサ材料の分子を透過させる透過性材料製天蓋
    部であることを特徴とする区画構造物。
  33. 【請求項33】 対向して配置された基板部と天蓋部と
    の間に少くも1の中間仕切層を介在させ、基板部、中間
    仕切層、天蓋部の各間にスペーサが挟まれ、その後画素
    の配列等に対応して所定領域のスペーサの材料のみが除
    去されることにより、上下の基板部や天蓋部あるいは中
    間仕切層又は上下の中間仕切層と側部の除去されなかっ
    たスペーサ材料とによって囲われた複数層かつ数多くの
    空隙を有することとなった積層構造物において、 上記スペーサは、 紫外線の照射後の加熱等特定のエネルギーが与えられる
    ことにより昇華する材料からなる昇華性材料製スペーサ
    であり、 前記天蓋部及び中間仕切層は各々、 上記特定のエネルギーを通過させるとともに、上記昇華
    したスペーサ材料の分子を透過させる透過性材料製天蓋
    部及び透過性材料製中間仕切層であることを特徴とする
    積層区画構造物。
  34. 【請求項34】 前記スペーサの材料は、 特定のエネルギーとして特定波長の電磁波が必要である
    感光性材料であることを特徴とする請求項32記載の区
    画構造物又は請求項33記載の積層区画構造物。
  35. 【請求項35】 上記空隙内に、 液晶、色素を含んだ樹脂等、上記スペーサの材料と異な
    る物質を有していることを特徴とする請求項32、請求
    項33若しくは請求項34に記載の区画構造物或いは積
    層区画構造物。
  36. 【請求項36】 基板部上に、紫外線の照射後の加熱等
    特定のエネルギーが与えられることにより昇華する若し
    くは昇華しなくなる材料のスペーサ層を形成するスペー
    サ層形成ステップと、 上記スペーサ層の上面に、上記特定のエネルギーを通過
    させるとともに、上記昇華したスペーサ材料の分子を透
    過させる材料で天蓋部を積層する天蓋部形成ステップ
    と、 スペーサ材料層のカラーフィルターや画素やブラックマ
    トリクス等に対応した所定領域に、上記特定のエネルギ
    ーを与える若しくは与えないことにより、当該部のスペ
    ーサ材料を昇華させ、更にその昇華した分子が天蓋部を
    透過して若しくは更にこれに加えて先立って天蓋部に設
    けられた細孔を通過して外部へ排出されることにより、
    上下の基板部と天蓋部及び側部の昇華せず残ったスペー
    サ材料によって囲われたそして上記カラーフィルター等
    に対応しての数多くの空隙を形成する空隙形成ステップ
    とを有していることを特徴とする区画構造物の製造方
    法。
  37. 【請求項37】 基板部上に、紫外線の照射後の加熱等
    特定のエネルギーが与えられることにより昇華する若し
    くは昇華しなくなる材料のスペーサ層を形成する下部ス
    ペーサ層形成ステップと、 前記スペーサ層の上面に、上記特定のエネルギーを通過
    させるとともに、上記昇華したスペーサ材料の分子を透
    過させる材料で中間仕切層を形成し、更に該形成された
    中間仕切層の上面に上記紫外線の照射後の加熱等特定の
    エネルギーが与えられることにより昇華する若しくは昇
    華しなくなる材料のスペーサ層を形成することを少なく
    とも1回行う積層ステップと、 上記形成された各スペーサ層上のうち最上面に、上記特
    定のエネルギーを通過させるとともに、上記昇華したス
    ペーサ材料の分子を透過させる材料で天蓋部を積層する
    天蓋部形成ステップと、 上記スペーサ材料層のカラーフィルターや画素やブラッ
    クマトリクス等に対応した所定領域に、上記特定のエネ
    ルギーを与える若しくは与えないことにより、当該部の
    スペーサ材料を昇華させ、更にその昇華した分子が中間
    仕切層及び天蓋部から透過して若しくは更にこれに加え
    て先立って天蓋部や中間仕切層に設けられた細孔を通過
    して外部へ排出されることにより、上下は基板部、天蓋
    部又は中間仕切層と、側部は昇華せず残ったスペーサ材
    料とによって囲われたそして上記カラーフィルター等に
    対応しての数多くの空隙を上下方向に積層して形成する
    空隙形成ステップとを有していることを特徴とする積層
    区画構造物の製造方法。
  38. 【請求項38】 上記スペーサの材料として、 上記特定のエネルギーを与えることにより昇華すること
    となる物質を選定する感光昇華性スペーサ材選定ステッ
    プを有していることを特徴とする請求項36記載の区画
    構造物若しくは請求項37記載の積層区画構造物の製造
    方法。
  39. 【請求項39】 前記空隙形成ステップにおける特定の
    エネルギーを与える処理として、 上記天蓋部上に設置された遮光用マスクの上部より、特
    定波長とエネルギー密度の電磁波を照射する照射小ステ
    ップを有していることを特徴とする請求項36、請求項
    37若しくは請求項38に記載の区画構造物或いは積層
    区画構造物の製造方法。
  40. 【請求項40】 上記形成された空隙内に液晶、熱硬化
    性樹脂等スペーサと異なる材料の物質を充填する充填ス
    テップを有していることを特徴とする請求項36、請求
    項37、請求項38若しくは請求項39に記載の区画構
    造物或いは積層区画構造物の製造方法。
  41. 【請求項41】 少くも基板層と中央層とを有し、中央
    層は仕切り壁にて区切られた微小なセル空間に異なる種
    類又は量の溶質を共通溶媒に溶かして形成されたことに
    より、異なる種類若しくは濃度となった溶液若しくは溶
    液の硬化物を充たしてある微小な区画構造物の製造方法
    において、 上記異なる種類又は量の溶質を上記セル空間を形成する
    部材表面の対応する位置に付着させる付着ステップと、 付着ステップ後上記セル空間を形成するセル空間形成ス
    テップと、 付着ステップ後でセル空間形成ステップの前若しくは後
    に上記セル空間内へ上記共通溶媒を導入する共通溶媒導
    入ステップと、 上記仕切られたセル空間内で溶質を上記溶媒へ溶かす溶
    解ステップとを有していることを特徴とする区画構造物
    の製造方法。
  42. 【請求項42】 前記溶解ステップは、 溶質を、熱、光、振動、化学反応等一定の刺激により共
    通溶媒に溶解させる刺激起因溶解ステップであることを
    特徴とする請求項41記載の区画構造物の製造方法。
  43. 【請求項43】 前記付着ステップは、 上記溶質をマイクロカプセルに閉じ込めた状態で付着さ
    せるマイクロカプセル利用付着ステップであることを特
    徴とする請求項41若しくは請求項42記載の区画構造
    物の製造方法。
  44. 【請求項44】 前記刺激起因溶解ステップは、 上記マイクロカプセルの壁が上記溶媒内で破壊されて内
    部の溶質が溶媒内へ溶け出すマイクロカプセル破壊利用
    刺激起因溶解ステップであることを特徴とする請求項4
    1、請求項42若しくは請求項43記載の区画構造物の
    製造方法。
  45. 【請求項45】 上記溶質としては、異なる色となる発
    色素を選定する溶質色素選定ステップを有していること
    を特徴とする請求項41、請求項42、請求項43若し
    くは請求項44記載の区画構造物の製造方法。
  46. 【請求項46】 上記溶質として、カイラル剤を選定
    し、 上記溶媒として、所定の液晶を選定するものであること
    を特徴とする請求項41、請求項42、請求項43若し
    くは請求項44記載の区画構造物の製造方法。
  47. 【請求項47】 上記溶質として、液晶に溶解させても
    二色性を生じない着色剤を選定し、 上記溶媒として、所定の液晶を選定するものであること
    を特徴とする請求項41、請求項42、請求項43若し
    くは請求項44記載の区画構造物の製造方法。
  48. 【請求項48】 前記仕切り壁は、少くも近紫外線を吸
    収する物質からなり、 前記仕切り壁を遮光マスクとしてフォトソグラフィによ
    り仕切り壁上部若しくはその直下の基板部に所定の樹脂
    層を形成する仕切り壁利用樹脂層形成ステップをも有し
    ていることを特徴とする請求項41〜請求項47のいず
    れかに記載の区画構造物の製造方法。
  49. 【請求項49】 少くも基板層と複数の中間層と各中間
    層を仕切る仕切り壁を有し、各中間層毎に異なる種類又
    は量の溶質を共通溶媒に溶かして形成されたことによ
    り、異なる種類若しくは濃度となった溶液若しくは溶液
    の硬化物を充たしてある微小な区画構造物の製造方法に
    おいて、 上記異なる種類又は量の溶質を上記各中間層を形成する
    部材表面に付着させる付着ステップと、 付着ステップ後上記各中間層を形成する中間層形成ステ
    ップと、 上記付着ステップ後、中間層形成前または後に、上記区
    画されたセル内へ上記共通溶媒を導入する共通溶媒導入
    ステップと、 上記完全に仕切られた中間層内で溶質を上記溶媒へ溶か
    す溶解ステップとを有していることを特徴とする区画構
    造物の製造方法。
  50. 【請求項50】 上記中間層は、上記仕切り壁で区切ら
    れていることを特徴とする請求項49記載の区画構造物
    の製造方法。
  51. 【請求項51】 前記溶解ステップは、 溶質を、熱、光、振動、化学反応等一定の刺激により共
    通溶媒に溶解させる刺激起因溶解ステップであることを
    特徴とする請求項49若しくは請求項50記載の区画構
    造物の製造方法。
  52. 【請求項52】 前記付着ステップは、 上記溶質をマイクロカプセルに閉じ込めた状態で付着さ
    せるマイクロカプセル利用付着ステップであり、 前記刺激起因溶解ステップは、 上記マイクロカプセルの壁が上記溶媒内で破壊されて内
    部の溶質が溶媒内へ溶け出すマイクロカプセル破壊利用
    刺激起因溶解ステップであることを特徴とする請求項4
    9、請求項50若しくは請求項51記載の区画構造物の
    製造方法。
  53. 【請求項53】 上記溶質は、異なる色となる発色素で
    あることを特徴とする請求項49、請求項50、請求項
    51若しくは請求項52記載の区画構造物の製造方法。
  54. 【請求項54】 上記溶質は、カイラル剤であり上記溶
    媒は、所定の液晶であることを特徴とする請求項49、
    請求項50、請求項51若しくは請求項52記載の区画
    構造物の製造方法。
  55. 【請求項55】 前記仕切り壁材料が、露光後の加熱等
    特定のエネルギーの付与により昇華する物質であり、 基板上に仕切り壁材料層を形成後、遮光マスクを使用し
    ての露光等により仕切り壁以外を昇華させ、仕切り壁と
    併せて側部を該仕切り壁にて区分されたセルを形成する
    仕切り壁セル形成ステップとを有していることを特徴と
    する請求項49〜請求項54のいずれかに記載の区画構
    造物の製造方法。
  56. 【請求項56】 基板と、 前記基板上に形成された仕切り壁と、 該仕切り壁で区分けされた区画内に各区画毎に所定の溶
    質を各区画で共通の溶媒に溶解させた後、該溶媒を区分
    して形成された中部層とを有していることを特徴とする
    区画構造物。
  57. 【請求項57】 前記仕切り壁は、 紫外線照射後の加熱等所定のエネルギーを与えることに
    より昇華し、紫外線照射せずに加熱すれば硬化する材料
    よりなる特殊条件昇華材料性仕切り壁であり、 前記中部層は、 溶質として所定の発色素を硬化性樹脂に溶解させたり、
    所定の色素若しくはカイラル剤を所定の液晶に溶解させ
    て形成された色作用発揮中部層であることを特徴とする
    請求項56記載の区画構造物。
  58. 【請求項58】 前記仕切り壁は、 仕切り壁として形成された状態では、少くも近紫外線に
    対し遮光作用のある物質からなる遮光兼用仕切り壁であ
    り、 該遮光兼用仕切り壁の直上若しくは基板側直下に近紫外
    線の露光により形成された樹脂層と、 該樹脂層に面し、かつ基板に並行に形成された仕切り壁
    とを有していることを特徴とする請求項56若しくは請
    求項57記載の区画構造物。
  59. 【請求項59】 基板上にストライプ状の遮光層を形成
    する遮光層形成ステップと、 上記形成された遮光層をマスクとして、上記基板の下面
    より露光して感光性樹脂からなるストライプ状の支持柱
    と、該支持柱上部の接着用樹脂層とを形成するフォトリ
    ソグラフィステップと、 該形成された接着用樹脂層を接着剤とし、該形成された
    支持柱をスペーサーとして対向基板を貼り合わせる液晶
    パネル形成ステップと、 上記形成されたパネル内のストライプ状セル内に、液晶
    に溶解させても2色性を生じない着色剤を溶解させた複
    数色の液晶を所定の配列に従って入れ分ける複数色液晶
    層帯形成ステップとを有していることを特徴とする液晶
    表示装置の製造方法。
  60. 【請求項60】 基板上に形成された支持柱により区分
    けされた微細なセル空間内に硬化した樹脂を有するカラ
    ーフィルターにおいて、 上記硬化した樹脂は、基板上に支持柱を介して平面物を
    密着させることにより形成された微細なセル内に有り、
    あらかじめ該各セルはその位置から定まる色の発色素を
    上記基板に付着させてあり、この状態で液状で該セル内
    に注入され、上記発色素を溶解させてから硬化させられ
    たものであることを特徴とするカラーフィルター。
  61. 【請求項61】 上記支持柱は、 ブラックマトリクスであることを特徴とする請求項60
    カラーフィルター。
  62. 【請求項62】 一方の基板に支持壁が形成され、少く
    も一方の基板上に異なる色の発色素が付着され、この状
    態で貼り合わせた液晶パネルと、 該液晶パネル内に注入された後、上記発色素が溶解され
    たことにより、カラー表示機能を発揮する液晶層とを有
    していることを特徴とする液晶表示素子。
  63. 【請求項63】 基板と、 該基板上の壁状の支持柱と、 前記支持柱上のみにあるフィルム層と、 前記フィルム層上の対向基板と、 前記基板と支持柱で形成されたセル内に充たされた樹脂
    を硬化させてなるそして前記支持柱と等高のカラーフィ
    ルター本体部と、 前記フィルム層とカラーフィルター本体部と対向基板と
    で形成されたセル内の液晶層とを有していることを特徴
    とする液晶表示素子。
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