JP2008292655A - フォトマスク保護用粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】 プリント基板形成工程において使用されるフォトマスクを保護するフォトマスク保護用粘着テープであって、粘着性を有するフォトレジストに密着して繰り返し使用しても剥離性が低下せず使用が可能であるフォトマスク保護用粘着テープの提供。
【解決手段】 透明な基材フィルム又はシート(A)と、その片面に形成された粘着剤層(B)と、粘着剤層(B)の面とは反対側の面に形成された表面層(C)とを含むフォトマスク保護用粘着テープであって、表面層(C)は、不活性微粒子を含有し、かつ、表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)は、30〜300nmであることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープによる。
【選択図】 図1
【解決手段】 透明な基材フィルム又はシート(A)と、その片面に形成された粘着剤層(B)と、粘着剤層(B)の面とは反対側の面に形成された表面層(C)とを含むフォトマスク保護用粘着テープであって、表面層(C)は、不活性微粒子を含有し、かつ、表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)は、30〜300nmであることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープによる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フォトマスク保護用粘着テープに関し、詳しくはプリント基板形成工程において使用されるフォトマスクを保護するフォトマスク保護用粘着テープであって、粘着性を有するフォトレジストに密着して繰り返し使用しても剥離性が低下せず使用が可能であるフォトマスク保護用粘着テープに関するものである。
プリント配線板を作製する際に、液状ソルダーレジスト等のフォトレジストが使用されている。このフォトレジストに真空引きにより、密着して使用される露光用フォトマスクは、表面の汚れや損傷等から保護する目的で、従来からポリエステル基材よりなるフォトマスク保護用粘着テープが貼付され使用されている。しかし、液状ソルダーレジストは機能性発現のために粘着性を有するタイプが多く使用され、真空引きによりフォトマスク保護用粘着テープ表面にフォトレジストが密着して、露光後に真空開放しても硬化したレジストとフォトマスク保護フィルム表面とが剥離し難くなるという問題点があった。
このような問題点を解決するために、フォトマスク保護用粘着テープの表面に離型層をコーティングしたものが特許文献1に開示されている。しかしながら、密着露光を繰り返すことにより離型剤の脱落が生じ、離型効果を維持することが難しかった。
このような問題点を解決するために、フォトマスク保護用粘着テープの表面に離型層をコーティングしたものが特許文献1に開示されている。しかしながら、密着露光を繰り返すことにより離型剤の脱落が生じ、離型効果を維持することが難しかった。
また、離型剤層付きフォトマスク保護用粘着テープは、離型層とテープ基材との密着力不足から、表面に付着した汚染物をアルコール等の溶剤により洗浄する際、離型層が脱落し離型効果が持続できないことも問題になっていた。
本発明の目的は、粘着性を有するフォトレジストに密着して繰り返し使用しても剥離性が低下せず使用が可能であるフォトマスク保護用粘着テープを提供することにある。さらにフォトマスク保護用粘着テープの表面層のレジストからの汚染付着物があった場合、アルコール等の溶剤により洗浄しても表面層の脱落がないフォトマスク保護用粘着テープを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、フォトマスク保護用粘着テープにおいて、フォトレジストと密着する表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)が30〜300nmであることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープとすることによって、密着露光の繰り返し工程において、剥離時の剥離性を持続することのできるフォトマスク保護用粘着テープとなることを見出した。それらの知見に、さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、透明な基材フィルム又はシート(A)と、その片面に形成された粘着剤層(B)と、粘着剤層(B)の面とは反対側の面に形成された表面層(C)とを含むフォトマスク保護用粘着テープであって、
表面層(C)は、不活性微粒子を含有し、かつ、表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)は、30〜300nmであることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープが提供される。
表面層(C)は、不活性微粒子を含有し、かつ、表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)は、30〜300nmであることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープが提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記不活性微粒子は、平均粒径が10〜2000nmであることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープが提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、前記不活性微粒子は、無機微粒子又は有機微粒子であることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープが提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、前記無機微粒子は、シリカであることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープが提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記不活性微粒子の含有量は、表面層(C)を形成する樹脂固形分100重量部に対し、0.01〜5重量部であることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープが提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、表面層(C)は、シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂から形成されることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープが提供される。
本発明のフォトマスク保護用粘着テープによれば、第1の発明においては、表面層(C)は不活性微粒子を含有し、かつ、表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)が30〜300nmであるフォトマスク保護用粘着テープを用いることにより、密着露光の繰り返し工程においてレジストに対して剥離性を持続することができるという効果がある。
また、特に、真空引きによってフォトマスクとフォトレジストを密着させ露光したのちに真空開放しフォトマスクとフォトレジストを剥離するといった工程を繰り返す、密着露光の繰り返し工程において、真空引き時の密着性に優れ、かつ、真空開放時の剥離性に優れるという効果がある。
さらにまた、表面層(C)と基材フィルム又はシート(A)との間に中間層(D)を設けた場合には、表面層(C)と中間層(D)の密着性が優れるものとなるため、レジストからの汚染付着物があった場合にも、アルコール等の溶剤により洗浄しても表面層(C)の剥離脱落がなく、したがって、レジストとの剥離性を持続することができるという効果がある。
また、特に、真空引きによってフォトマスクとフォトレジストを密着させ露光したのちに真空開放しフォトマスクとフォトレジストを剥離するといった工程を繰り返す、密着露光の繰り返し工程において、真空引き時の密着性に優れ、かつ、真空開放時の剥離性に優れるという効果がある。
さらにまた、表面層(C)と基材フィルム又はシート(A)との間に中間層(D)を設けた場合には、表面層(C)と中間層(D)の密着性が優れるものとなるため、レジストからの汚染付着物があった場合にも、アルコール等の溶剤により洗浄しても表面層(C)の剥離脱落がなく、したがって、レジストとの剥離性を持続することができるという効果がある。
また、第2の発明においては、不活性微粒子の平均粒径が10〜2000nmであることにより、密着露光の繰り返し工程において、真空引き時の密着性に優れ、かつ、真空開放時の剥離性に優れるという効果を、より顕著にしかも安定して奏するという効果がある。さらにまた、微粒子の脱離等がないことから、レジストへの悪影響がないという効果がある。
また、第3の発明においては、不活性微粒子が無機微粒子又は有機微粒子であると特定しているので、上記効果を経済的効率的に奏することができるという効果がある。
また、第4の発明においては、前記無機微粒子は、シリカであると特定しているので、上記効果をさらに経済的効率的に奏することができるという効果がある。
また、第4の発明においては、前記無機微粒子は、シリカであると特定しているので、上記効果をさらに経済的効率的に奏することができるという効果がある。
また、第5の発明においては、不活性微粒子は、表面層(C)を形成する樹脂固形分100重量部に対し、0.01〜5重量部含有されることにより、上記効果を経済的効率的に奏することができるという効果がある。
また、第6の発明においては、表面層(C)は、シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂から形成されると特定しているので、フォトレジストがフォトマスク保護用粘着テープに転着され汚れが生じるのを防止する離型性に優れるという効果がある。
さらに、不活性微粒子を安定して含有するので、微粒子の脱離等がなくレジストに悪影響を与えず、好適な表面粗さを実現できるという効果がある。
さらに、不活性微粒子を安定して含有するので、微粒子の脱離等がなくレジストに悪影響を与えず、好適な表面粗さを実現できるという効果がある。
以下、本発明のフォトマスク保護用粘着テープについて、詳細に説明する。
1.基材フィルム又はシート(A)
上記基材フィルム又はシート(A)としては、露光の際に使われる紫外線の透過率の高いものであれば良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリイミド、アクリル等の樹脂からなる透明性に優れる高分子フィルムが好適に用いられる。特に二軸延伸されたPETフィルムが機械的強度、寸法安定性に優れているために好適に用いられる。
1.基材フィルム又はシート(A)
上記基材フィルム又はシート(A)としては、露光の際に使われる紫外線の透過率の高いものであれば良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリイミド、アクリル等の樹脂からなる透明性に優れる高分子フィルムが好適に用いられる。特に二軸延伸されたPETフィルムが機械的強度、寸法安定性に優れているために好適に用いられる。
上記基材フィルム又はシート(A)の厚みは、光透過性、取り扱い性等を考慮して、適宜決定することができる。具体的には2〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは4〜25μmである。2μm未満であるとテープの強度が不足して取り扱いが困難になったり、貼り付け時にシワになったりすることがあり、100μmを超えると、充分な光透過性が得られなくなることがある。
本発明においては、透明な基材フィルム又はシート(A)とその粘着剤層(B)および表面層(C)面との密着性を向上させるために、基材フィルム又はシート(A)に表面処理を行うことができる。
例えばコロナ処理、プラズマ処理等の放電処理があり、薄い基材へ均一な処理を施すには、基材破れ、穴あき等の不具合が発生防止のため処理エネルギーの低い弱い放電が望ましい。また他の方法としてアルカリによるケン化処理が知られている。
例えばコロナ処理、プラズマ処理等の放電処理があり、薄い基材へ均一な処理を施すには、基材破れ、穴あき等の不具合が発生防止のため処理エネルギーの低い弱い放電が望ましい。また他の方法としてアルカリによるケン化処理が知られている。
2.粘着剤層(B)
本発明で用いられる粘着剤層(B)はフォトマスクである露光用原稿の表面に貼着されるものであり、特に制限はないが、透明性を考慮するとアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと官能基含有モノマーとの共重合体からなるアクリル系ポリマーを主成分とするものが好ましく、重合方法については特に制限はない。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、エチルアクリレートブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
上記アクリル系粘着剤としては、アクリル系ポリマー内部に一部架橋構造をもつものが好ましい。架橋構造をもつことによって粘着剤の凝集力が高められるので、テープ剥離時に糊残りし難くなる。このような架橋構造は、前記官能基含有モノマーと反応し得る架橋剤の使用によって形成することができ、架橋剤としては、例えば、エポキシ架橋剤、脂肪族又は芳香族イソシアネート系架橋剤等が好適に用いられる。
前記粘着剤層を形成する方法としては、グラビア等のロールコーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いて、セパレータの片面に粘着剤を直接塗工し乾燥する方法や、一旦離型紙上に同様の方法で粘着剤層を設けた後セパレータの片面へ転写する方法などを用いることができる。
上記粘着剤層(B)の厚さの好ましい下限は、3μm、上限は、50μmである。3μm未満であると、フォトマスクへの接着強度が不足することがあったり、フォトマスクの凹凸に対して接着時に気泡を巻き込んだりすることがあり、一方、50μmを超えると、充分な光透過性が得られなくなることがある。
本発明で用いられる粘着剤層(B)はフォトマスクである露光用原稿の表面に貼着されるものであり、特に制限はないが、透明性を考慮するとアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと官能基含有モノマーとの共重合体からなるアクリル系ポリマーを主成分とするものが好ましく、重合方法については特に制限はない。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、エチルアクリレートブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
上記アクリル系粘着剤としては、アクリル系ポリマー内部に一部架橋構造をもつものが好ましい。架橋構造をもつことによって粘着剤の凝集力が高められるので、テープ剥離時に糊残りし難くなる。このような架橋構造は、前記官能基含有モノマーと反応し得る架橋剤の使用によって形成することができ、架橋剤としては、例えば、エポキシ架橋剤、脂肪族又は芳香族イソシアネート系架橋剤等が好適に用いられる。
前記粘着剤層を形成する方法としては、グラビア等のロールコーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いて、セパレータの片面に粘着剤を直接塗工し乾燥する方法や、一旦離型紙上に同様の方法で粘着剤層を設けた後セパレータの片面へ転写する方法などを用いることができる。
上記粘着剤層(B)の厚さの好ましい下限は、3μm、上限は、50μmである。3μm未満であると、フォトマスクへの接着強度が不足することがあったり、フォトマスクの凹凸に対して接着時に気泡を巻き込んだりすることがあり、一方、50μmを超えると、充分な光透過性が得られなくなることがある。
本発明においては、粘着力を向上させるために、いわゆるタッキファイアー成分を配合して用いることもできる。タッキファイアー成分とは、粘着付与剤ともいい、エラストマーに配合されて粘着性の機能を向上させる物質であり、通常、分子量が数百から数千の無定形オリゴマーで、常温で液状または固形の熱可塑性樹脂である。
タッキファイアーの種類は、特に限定されず、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂に代表される天然樹脂系や、脂肪族系、芳香族系、共重合系の石油樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の合成樹脂系が例示される。これらは単独で用いても、2種類以上併用して用いても良い。
タッキファイアーは、通常、光の透過を阻害するため、ヘイズ値を大きくさせず、かつ好適な粘着性能を達成するためには、ロジン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂を併用して用いることが好ましい。
タッキファイアー成分の配合量は、粘着剤成分100重量部に対して、5〜80重量部が好ましく、8〜50重量部であることがより好ましい。タッキファイアーの配合量が少なすぎると、必要な粘着力が得られず、逆に多すぎると、再剥離した際に表面に基材と共に粘着層が剥がれない、即ち糊残りの問題が生じやすくなり、事実上使用することが困難になる。
タッキファイアーの種類は、特に限定されず、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂に代表される天然樹脂系や、脂肪族系、芳香族系、共重合系の石油樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の合成樹脂系が例示される。これらは単独で用いても、2種類以上併用して用いても良い。
タッキファイアーは、通常、光の透過を阻害するため、ヘイズ値を大きくさせず、かつ好適な粘着性能を達成するためには、ロジン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂を併用して用いることが好ましい。
タッキファイアー成分の配合量は、粘着剤成分100重量部に対して、5〜80重量部が好ましく、8〜50重量部であることがより好ましい。タッキファイアーの配合量が少なすぎると、必要な粘着力が得られず、逆に多すぎると、再剥離した際に表面に基材と共に粘着層が剥がれない、即ち糊残りの問題が生じやすくなり、事実上使用することが困難になる。
3.表面層(C)
本発明の表面層(C)は、不活性微粒子を含有し、かつ、表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)は、30〜300nmであることが必要である。これは、表面層(C)を形成する組成物を硬化してなるものであり、該組成物は不活性微粒子及び樹脂を含有するものである。前記表面層(C)に用いられる樹脂としては、離型性をもつことから、シリコーン系樹脂またはフッ素系樹脂が好ましい。
本発明の表面層(C)は、不活性微粒子を含有し、かつ、表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)は、30〜300nmであることが必要である。これは、表面層(C)を形成する組成物を硬化してなるものであり、該組成物は不活性微粒子及び樹脂を含有するものである。前記表面層(C)に用いられる樹脂としては、離型性をもつことから、シリコーン系樹脂またはフッ素系樹脂が好ましい。
本発明でいう中心線平均表面粗さ(Ra)は、下記のJIS表面粗さ(B0601)により定義される。
中心線平均粗さ(Ra)とは、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をY=f(X)で表したとき、次式によって求められる値をナノメートル(nm)で表したものをいう。
本発明における中心線平均表面粗さ(Ra)の測定方法は、WYKO CORPORATION NT−1100の非接触式表面粗さ計の測定装置を用いてJIS−B0601にしたがって測定したものである。
(1)不活性微粒子
表面層(C)に含有される不活性微粒子としては、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、カオリン、クレー、タルク等の無機微粒子やアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機微粒子等を使用することができる。経済的な理由から、シリカがより好ましい。
表面層(C)に含有される不活性微粒子としては、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、カオリン、クレー、タルク等の無機微粒子やアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機微粒子等を使用することができる。経済的な理由から、シリカがより好ましい。
これらの不活性微粒子の平均粒径(d)は、表面層の厚さに適した粒径のものが選定され、表面層の厚さの1/2〜2倍の範囲が特に好ましく、限定されるものではないが、光学特性とくに光散乱性の理由から、10〜2000nmのものが好ましい。10nm未満では再凝集のおそれがあるため好ましくない。一方、2000nmより大きいと光会散乱が大きくなるおそれがあるため好ましくない。
この不活性微粒子の配合量としては、表面層(C)を形成する組成物のうち不活性微粒子を除いた部分100重量部に対して、不活性微粒子が0.01〜5重量部含有されることが好ましい。微粒子が0.01重量部以下では表面層(C)の表面における中心線平均表面粗さ(Ra)が30nm以下になる場合が多く、繰り返しの密着露光後での真空開放時のレジストに対する剥離性を向上させる効果は期待できない。また5重量部以上では中心線平均表面粗さ(Ra)が300nm以上になったり、フィルム又はシート(A)の散乱光が大きくなり密着露光工程での細線のフォトマスクパターンにおける解像度が低下するため好ましくない。
不活性微粒子をこの範囲で配合することにより、表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)が30〜300nmに調整することが可能になり、密着露光後の真空開放時にこれらの微細な表面粗れが起点となって、表面層(C)を容易にレジストから剥離することができる。
不活性微粒子をこの範囲で配合することにより、表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)が30〜300nmに調整することが可能になり、密着露光後の真空開放時にこれらの微細な表面粗れが起点となって、表面層(C)を容易にレジストから剥離することができる。
(2)シリコーン系樹脂
シリコーン系樹脂として、熱硬化型または紫外線もしくは電子線硬化の電離放射線硬化型のシリコーン樹脂が挙げられる。反応系としては付加反応系、縮合反応系およびイソシアネートシランと末端に水酸基を持つシロキサンの反応系のものなどを用いることができる。
上記電離放射線硬化型シリコーンとしては、紫外線でオニウム塩を分解して強酸を発生させこれでエポキシ基を開環反応させて架橋反応させるもの、ビニルシロキサンへのチオールの付加反応で架橋するもの等が挙げられる。
上記付加反応系のシリコーンとしては、末端にビニル基を導入したポリジメチルシロキサンとハイドロジェンポリジメチルシロキサンの白金触媒を用いた架橋反応が挙げられる。
縮合反応系のシリコーンとしては、末端OH基をもつポリジメチルシロキサンと末端に−H基をもつポリジメチルシロキサンのスズ触媒を用いて架橋反応が挙げられる。
イソシアネートシランと末端に水酸基を持つシロキサンの反応系としては、架橋剤としてのイソシアネートシランが水分によりシラノールに置換され、次いで脱水縮合して架橋反応するものが挙げられる。
シリコーン系樹脂として、熱硬化型または紫外線もしくは電子線硬化の電離放射線硬化型のシリコーン樹脂が挙げられる。反応系としては付加反応系、縮合反応系およびイソシアネートシランと末端に水酸基を持つシロキサンの反応系のものなどを用いることができる。
上記電離放射線硬化型シリコーンとしては、紫外線でオニウム塩を分解して強酸を発生させこれでエポキシ基を開環反応させて架橋反応させるもの、ビニルシロキサンへのチオールの付加反応で架橋するもの等が挙げられる。
上記付加反応系のシリコーンとしては、末端にビニル基を導入したポリジメチルシロキサンとハイドロジェンポリジメチルシロキサンの白金触媒を用いた架橋反応が挙げられる。
縮合反応系のシリコーンとしては、末端OH基をもつポリジメチルシロキサンと末端に−H基をもつポリジメチルシロキサンのスズ触媒を用いて架橋反応が挙げられる。
イソシアネートシランと末端に水酸基を持つシロキサンの反応系としては、架橋剤としてのイソシアネートシランが水分によりシラノールに置換され、次いで脱水縮合して架橋反応するものが挙げられる。
(3)フッ素系樹脂
本発明に用いるフッ素系樹脂は、分子中にフッ素を含有する樹脂である。フッ素系樹脂の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフロライド、ポリビニルフロライド等が挙げられる。これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いるフッ素系樹脂は、分子中にフッ素を含有する樹脂である。フッ素系樹脂の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフロライド、ポリビニルフロライド等が挙げられる。これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明における表面層(C)を形成する方法としては、例えば透明基材フィルム又はシート(A)の片面に表面層(C)を形成する組成物を有機溶剤に希釈した塗布液を、塗布後乾燥硬化して得ることができる。
塗布液の塗布方法としては、スピンコート、スプレーコート、グラビア等のロールコート、ダイコートなどの方法を用いることができる。本発明においては、生産性の理由から、ロールコートが好ましい。
塗布液の塗布方法としては、スピンコート、スプレーコート、グラビア等のロールコート、ダイコートなどの方法を用いることができる。本発明においては、生産性の理由から、ロールコートが好ましい。
表面層の厚みとしては、20nm以上1000nm以下、さらに好ましくは30nm以上500nm以下であることが好ましい。表面層の厚みが1000nmを超えると表面層が硬化し難くなり、未反応シリコーンの低分子量によるレジストへの移行が増加することがあり好ましくない。また表面層の厚みが20nm未満になると、剥離性が不安定になり安定的な剥離性能を得られ無いことがあるため好ましくない。
このようにして得られる本発明の表面層(C)は、離型性を有するだけでなく、繰り返しの密着露光によっても脱落がない。そのため、プリント基板形成工程において粘着性を有するフォトレジストに密着して使用される露光用フォトマスクの表面を保護するためのフォトマスク保護用粘着テープの表面離型層として好適に用いることができ、本発明の表面層(C)を含んだフォトマスク保護用粘着テープは、離型効果の低下しない耐久性が良好なフォトマスク保護用粘着テープである。
4.その他の層
(1)中間層(D)
本発明においては、透明な基材フィルム又はシート(A)と表面層(C)の間に中間層(D)を設けることにより、透明な基材フィルム又はシート(A)と表面層(C)の密着力を向上することができる。
中間層(D)に用いる化合物としては、たとえば、シランカップリング剤、アクリル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーンレジン、メラミン系化合物等が挙げられる。
本発明においては、表面層(C)が不活性微粒子を配合したものであることから、中間層(D)を設けた場合には、中間層(D)と表面層(C)の密着力がより優れたものとなる。
(1)中間層(D)
本発明においては、透明な基材フィルム又はシート(A)と表面層(C)の間に中間層(D)を設けることにより、透明な基材フィルム又はシート(A)と表面層(C)の密着力を向上することができる。
中間層(D)に用いる化合物としては、たとえば、シランカップリング剤、アクリル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーンレジン、メラミン系化合物等が挙げられる。
本発明においては、表面層(C)が不活性微粒子を配合したものであることから、中間層(D)を設けた場合には、中間層(D)と表面層(C)の密着力がより優れたものとなる。
(2)帯電防止層
上記基材(A)の粘着剤層(B)が設けられた面とは反対側の面には、光透過性に影響しない限りにおいて、帯電防止層等が設けることができる。上記帯電防止層は、テープが帯電して空気中のゴミ等を引き寄せることを防止する役割を有する。
上記帯電防止層としては、表面層(C)の密着性を損なわない範囲で自由に選ぶことができる。帯電防止層は、帯電防止剤又は樹脂に導電性微粒子を分散させた組成物等から形成することができる。
帯電防止剤としては、例えば第4級アンモニウム塩、第1〜3級アミノ基などのカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硝酸エステル塩基、リン酸エステル塩基などのアニオン性帯電防止剤、アミノ酸系の両性帯電防止剤、グリセリン系またはポリエチレングリコール系のノニオン性帯電防止剤などを、単独または組合せて用いてもよい。
また帯電防止層を形成する組成物としては、アクリル等の樹脂に導電性微粒子を分散させたもの等が挙げられる。上記導電性微粒子としては、特に限定されないが、例えば、アンチモンドープ酸化スズ微粒子等は光透過性に影響を与えにくいことから好ましい。
上記の帯電防止剤又は樹脂に導電性微粒子を分散させた組成物等を、プラスチック製品の表面に塗布したり、プラスチック製品の内部に混入させ、これを基材(A)に積層したり、帯電防止剤又は樹脂に導電性微粒子を分散させた組成物等を基材(A)に直接塗布すること等により、帯電防止層を得ることができる。
上記基材(A)の粘着剤層(B)が設けられた面とは反対側の面には、光透過性に影響しない限りにおいて、帯電防止層等が設けることができる。上記帯電防止層は、テープが帯電して空気中のゴミ等を引き寄せることを防止する役割を有する。
上記帯電防止層としては、表面層(C)の密着性を損なわない範囲で自由に選ぶことができる。帯電防止層は、帯電防止剤又は樹脂に導電性微粒子を分散させた組成物等から形成することができる。
帯電防止剤としては、例えば第4級アンモニウム塩、第1〜3級アミノ基などのカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硝酸エステル塩基、リン酸エステル塩基などのアニオン性帯電防止剤、アミノ酸系の両性帯電防止剤、グリセリン系またはポリエチレングリコール系のノニオン性帯電防止剤などを、単独または組合せて用いてもよい。
また帯電防止層を形成する組成物としては、アクリル等の樹脂に導電性微粒子を分散させたもの等が挙げられる。上記導電性微粒子としては、特に限定されないが、例えば、アンチモンドープ酸化スズ微粒子等は光透過性に影響を与えにくいことから好ましい。
上記の帯電防止剤又は樹脂に導電性微粒子を分散させた組成物等を、プラスチック製品の表面に塗布したり、プラスチック製品の内部に混入させ、これを基材(A)に積層したり、帯電防止剤又は樹脂に導電性微粒子を分散させた組成物等を基材(A)に直接塗布すること等により、帯電防止層を得ることができる。
(3)保護層
また、粘着剤層(B)側の最外には、粘着剤層を保護し、取り扱いを容易にするために、保護層が積層されていることが好ましい。上記保護層としては、特に限定されず、例えば、シリコーン系離型層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。この保護層は、本発明のフォトマスク保護用粘着テープをフォトマスクに貼付する前に、粘着テープから剥離される。
また、粘着剤層(B)側の最外には、粘着剤層を保護し、取り扱いを容易にするために、保護層が積層されていることが好ましい。上記保護層としては、特に限定されず、例えば、シリコーン系離型層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。この保護層は、本発明のフォトマスク保護用粘着テープをフォトマスクに貼付する前に、粘着テープから剥離される。
5.フォトマスク保護用粘着テープ
本発明のフォトマスク保護用粘着テープの製造方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、基材フィルム又はシート(A)の一面に粘着剤層(B)及び剥離紙を積層し、その後、基材フィルム又はシート(A)の表面に離型剤を塗布する方法、基材フィルム又はシート(A)に表面層(C)をグラビアコーターで塗布乾燥し、これをロール状に巻取り、次の工程でロールから繰り出して表面層(C)と反対側の基材面に粘着剤層(B)を積層し、該粘着剤層面に剥離紙を張り合わせる方法、及びこの際に粘着剤層(B)の積層は、粘着剤層(B)を形成する塗布液をセパレータ等に塗布、乾燥し、基材フィルム又はシート(A)の表面層(C)が形成されている面と反対面にラミネートすることにより行われる方法等が挙げられる。
本発明のフォトマスク保護用粘着テープの製造方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、基材フィルム又はシート(A)の一面に粘着剤層(B)及び剥離紙を積層し、その後、基材フィルム又はシート(A)の表面に離型剤を塗布する方法、基材フィルム又はシート(A)に表面層(C)をグラビアコーターで塗布乾燥し、これをロール状に巻取り、次の工程でロールから繰り出して表面層(C)と反対側の基材面に粘着剤層(B)を積層し、該粘着剤層面に剥離紙を張り合わせる方法、及びこの際に粘着剤層(B)の積層は、粘着剤層(B)を形成する塗布液をセパレータ等に塗布、乾燥し、基材フィルム又はシート(A)の表面層(C)が形成されている面と反対面にラミネートすることにより行われる方法等が挙げられる。
このようにして得られる本発明のフォトマスク保護用粘着テープは、密着露光の繰り返し工程においてレジストに対して剥離性を持続することができるという効果がある。また、真空引き環境において、密着性に優れるという効果がある。したがって、本発明のフォトマスク保護用粘着テープによれば、効率的・経済的に優れた方法によりプリント配線板を製造することができるという特徴を有する。
また、本発明のフォトマスク保護用粘着テープは、フォトレジストに粘着性があるソルダーレジストを用いた基板製造に好適に用いることができる。
また、本発明のフォトマスク保護用粘着テープは、フォトレジストに粘着性があるソルダーレジストを用いた基板製造に好適に用いることができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
PET基材の片面にシリコーン離型剤層が形成された厚み25μmセパレータ(リンテック社製)上に、イソシアネート架橋タイプのアクリル系粘着剤(綜研化学社製「SKダイン1425」)をトルエンで10重量%の固形分濃度に希釈して塗工後120℃で30秒間乾燥して乾燥後の厚み5μmの粘着剤層を設けた。次いで上記粘着剤層を、厚さ6μmの2軸延伸した透明PET基材フィルム(東レ社製「F53#6C」)を積層し粘着テープを作成した。
次に上記粘着テープの透明PET基材表面を、和光純薬工業社製「ぬれ張力試験用混合液No48.0」のはじきがないようにコロナ処理を施した。その上面に、付加反応型シリコーン(東レ・ダウコーニング社製「LTC750A」)80重量部と白金触媒(東レ・ダウコーニング社製「SRS212」)0.8重量部、シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブマテリアルジャパン社製「TSL8350」)1重量部を配合した表層の固形分100重量部に対して、微粒子として平均粒径30nmのシリカ(日本アエロジル製「R972」)を2重量部混合し、トルエンで3重量%の固形分濃度に希釈して塗工後、110℃で120秒間乾燥して乾燥後の厚み0.2μmに変更したフォトマスク保護用粘着テープを作成した。
PET基材の片面にシリコーン離型剤層が形成された厚み25μmセパレータ(リンテック社製)上に、イソシアネート架橋タイプのアクリル系粘着剤(綜研化学社製「SKダイン1425」)をトルエンで10重量%の固形分濃度に希釈して塗工後120℃で30秒間乾燥して乾燥後の厚み5μmの粘着剤層を設けた。次いで上記粘着剤層を、厚さ6μmの2軸延伸した透明PET基材フィルム(東レ社製「F53#6C」)を積層し粘着テープを作成した。
次に上記粘着テープの透明PET基材表面を、和光純薬工業社製「ぬれ張力試験用混合液No48.0」のはじきがないようにコロナ処理を施した。その上面に、付加反応型シリコーン(東レ・ダウコーニング社製「LTC750A」)80重量部と白金触媒(東レ・ダウコーニング社製「SRS212」)0.8重量部、シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(モメンティブマテリアルジャパン社製「TSL8350」)1重量部を配合した表層の固形分100重量部に対して、微粒子として平均粒径30nmのシリカ(日本アエロジル製「R972」)を2重量部混合し、トルエンで3重量%の固形分濃度に希釈して塗工後、110℃で120秒間乾燥して乾燥後の厚み0.2μmに変更したフォトマスク保護用粘着テープを作成した。
[実施例2]
実施例1のコロナ処理を施した粘着テープの透明PET基材表面に、フッ素系樹脂(ダイキン工業社製「エフトーンAT−100」)の固形分100重量部に対して、微粒子として平均粒径1800nmのシリカ(富士シリシア化学社製「サイリシア350」)0.04重量部の混合物を、トルエンで5重量%の固形分濃度に希釈して塗工後、110℃で120秒間乾燥して乾燥後の厚み0.6μmに変更したフォトマスク保護用粘着テープを作成した。
実施例1のコロナ処理を施した粘着テープの透明PET基材表面に、フッ素系樹脂(ダイキン工業社製「エフトーンAT−100」)の固形分100重量部に対して、微粒子として平均粒径1800nmのシリカ(富士シリシア化学社製「サイリシア350」)0.04重量部の混合物を、トルエンで5重量%の固形分濃度に希釈して塗工後、110℃で120秒間乾燥して乾燥後の厚み0.6μmに変更したフォトマスク保護用粘着テープを作成した。
[比較例1]
上記作成実施例1の表面層中の微粒子を使用しない以外は、実施例1と同様の方法でフォトマスク保護用粘着テープを作成した。
上記作成実施例1の表面層中の微粒子を使用しない以外は、実施例1と同様の方法でフォトマスク保護用粘着テープを作成した。
[比較例2]
実施例2の表面層中の微粒子について平均外径を5000nmとする以外は、実施例2と同様の方法でフォトマスク保護用粘着テープを作成した。
実施例2の表面層中の微粒子について平均外径を5000nmとする以外は、実施例2と同様の方法でフォトマスク保護用粘着テープを作成した。
[比較例3]
実施例1の表面層をポリエステル系樹脂(東洋紡社製「バイロン240」)とする以外は実施例1と同様の方法でフォトマスク保護用粘着テープを作成した。
実施例1の表面層をポリエステル系樹脂(東洋紡社製「バイロン240」)とする以外は実施例1と同様の方法でフォトマスク保護用粘着テープを作成した。
(評価)
実施例及び比較例で得られたフォトマスク保護用粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。
実施例及び比較例で得られたフォトマスク保護用粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。
(1)中心線平均粗さ(Ra(nm))
WYKO CORPORATION NT−1100の非接触式表面粗さ計を用いてJIS−B0601にしたがって測定した。
(2)粒子の平均粒径(d)
島津製作所製CP−50型セントリフュグル パーティクル サイズ アナライザーを用いて、得られた遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径値を平均粒径とした
(3)光学特性
以下の方法により全光線透過率、ヘイズ値を測定した。
本発明品の粘着剤保護層をはずしたフォトマスク保護用粘着テープについて、日本電色工業社製「NDH−20」によりJIS K 7105に準じて測定した。
WYKO CORPORATION NT−1100の非接触式表面粗さ計を用いてJIS−B0601にしたがって測定した。
(2)粒子の平均粒径(d)
島津製作所製CP−50型セントリフュグル パーティクル サイズ アナライザーを用いて、得られた遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径値を平均粒径とした
(3)光学特性
以下の方法により全光線透過率、ヘイズ値を測定した。
本発明品の粘着剤保護層をはずしたフォトマスク保護用粘着テープについて、日本電色工業社製「NDH−20」によりJIS K 7105に準じて測定した。
(4)密着露光試験:
フォトマスク保護用粘着テープを、フォトマスク(富士写真フィルム社製「IPL175SHG」)に貼り付け銅箔によりパターンが施されたガラスエポキシの厚み1mm基板を用いて、スクリーン印刷機によりフォトレジスト(太陽インキ社製「AUS308」)を塗布し、80℃で30分乾燥後の膜厚が30μmになるようにテスト基板を作成した。この基板を用いて、オーク製作所社製HMW−20Dにて密着露光試験を紫外線照度400mJ/cm2、真空引き750mmHgの条件にて実施した。
(5)密着露光試験後の剥離性
密着露光試験を100回まで実施したフォトマスク保護用粘着テープの外観観察およびテープ剥離試験を実施した。剥離試験は、露光試験後の表面層にアクリル系粘着テープ(日東電工社製「#31B」)を2kgのローラーで押圧して貼合わせ、評価用試料を作製した。この評価用試料について、剥離速度300mm/分でフォトマスク保護用粘着テープの180度剥離試験を行い、剥離強度を測定した。初期値に比べて剥離強度増加量の少ないものが良好である。
フォトマスク保護用粘着テープを、フォトマスク(富士写真フィルム社製「IPL175SHG」)に貼り付け銅箔によりパターンが施されたガラスエポキシの厚み1mm基板を用いて、スクリーン印刷機によりフォトレジスト(太陽インキ社製「AUS308」)を塗布し、80℃で30分乾燥後の膜厚が30μmになるようにテスト基板を作成した。この基板を用いて、オーク製作所社製HMW−20Dにて密着露光試験を紫外線照度400mJ/cm2、真空引き750mmHgの条件にて実施した。
(5)密着露光試験後の剥離性
密着露光試験を100回まで実施したフォトマスク保護用粘着テープの外観観察およびテープ剥離試験を実施した。剥離試験は、露光試験後の表面層にアクリル系粘着テープ(日東電工社製「#31B」)を2kgのローラーで押圧して貼合わせ、評価用試料を作製した。この評価用試料について、剥離速度300mm/分でフォトマスク保護用粘着テープの180度剥離試験を行い、剥離強度を測定した。初期値に比べて剥離強度増加量の少ないものが良好である。
(評価結果)
表1の結果から、実施例1又は2と比較例1〜3とを対比すると、本発明の特定事項である、「表面層(C)は、不活性微粒子を含有し、かつ、表面層(C)の中心線平均粗さ(Ra)は、30〜300nmである」との要件を満たさない比較例1は、100回の繰り返しの密着露光試験後で外観がシリコーンの脱落によるレジスト成分の付着で白化し、粘着テープ剥離力の変化が約10倍にもなった。
また、「平均粒径が10〜2000nmである」との要件を満たさない比較例2は、微粒子の外径が大きすぎて露光時の光学特性が著しく低下したため、フォトマスク保護用粘着テープとしては不適であった。
さらにまた、「表面層(C)は、シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂から形成される」との要件を満たさない比較例3は、表面層(C)がシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂を含有しないものであったため剥離性がなく、接着性のあるレジストに対するフォトマスク保護用粘着テープとしては不適であった。
これらに比べて、実施例によるものは、フォトマスク保護粘着テープ表面層(C)の中心表面粗さRaが30〜300nmの範囲に入るように微粒子を配合した効果により、100回の繰り返しの密着露光試験後でも外観の透明性を保持し、粘着テープ剥離力の変化が小さかった。
したがって、実施例1及び2で得られたフォトマスク保護用粘着テープは、比較例1〜3で得られたフォトマスク保護用粘着テープよりもフォトマスク保護用粘着テープとして好適なものであり、密着露光の繰り返し工程においてレジストに対して剥離性を持続することから、効率的・経済的に優れたフォトマスク保護用粘着テープであることがわかった。
表1の結果から、実施例1又は2と比較例1〜3とを対比すると、本発明の特定事項である、「表面層(C)は、不活性微粒子を含有し、かつ、表面層(C)の中心線平均粗さ(Ra)は、30〜300nmである」との要件を満たさない比較例1は、100回の繰り返しの密着露光試験後で外観がシリコーンの脱落によるレジスト成分の付着で白化し、粘着テープ剥離力の変化が約10倍にもなった。
また、「平均粒径が10〜2000nmである」との要件を満たさない比較例2は、微粒子の外径が大きすぎて露光時の光学特性が著しく低下したため、フォトマスク保護用粘着テープとしては不適であった。
さらにまた、「表面層(C)は、シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂から形成される」との要件を満たさない比較例3は、表面層(C)がシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂を含有しないものであったため剥離性がなく、接着性のあるレジストに対するフォトマスク保護用粘着テープとしては不適であった。
これらに比べて、実施例によるものは、フォトマスク保護粘着テープ表面層(C)の中心表面粗さRaが30〜300nmの範囲に入るように微粒子を配合した効果により、100回の繰り返しの密着露光試験後でも外観の透明性を保持し、粘着テープ剥離力の変化が小さかった。
したがって、実施例1及び2で得られたフォトマスク保護用粘着テープは、比較例1〜3で得られたフォトマスク保護用粘着テープよりもフォトマスク保護用粘着テープとして好適なものであり、密着露光の繰り返し工程においてレジストに対して剥離性を持続することから、効率的・経済的に優れたフォトマスク保護用粘着テープであることがわかった。
Claims (6)
- 透明な基材フィルム又はシート(A)と、その片面に形成された粘着剤層(B)と、粘着剤層(B)の面とは反対側の面に形成された表面層(C)とを含むフォトマスク保護用粘着テープであって、
表面層(C)は、不活性微粒子を含有し、かつ、表面層(C)の表面における中心線平均粗さ(Ra)は、30〜300nmであることを特徴とするフォトマスク保護用粘着テープ。 - 前記不活性微粒子は、平均粒径が10〜2000nmであることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク保護用粘着テープ。
- 前記不活性微粒子は、無機微粒子又は有機微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク保護用粘着テープ。
- 前記無機微粒子は、シリカであることを特徴とする請求項3に記載のフォトマスク保護用粘着テープ。
- 前記不活性微粒子の含有量は、表面層(C)を形成する樹脂固形分100重量部に対し、0.01〜5重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフォトマスク保護用粘着テープ。
- 表面層(C)は、シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂から形成されることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク保護用粘着テープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007136549A JP2008292655A (ja) | 2007-05-23 | 2007-05-23 | フォトマスク保護用粘着テープ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008292655A true JP2008292655A (ja) | 2008-12-04 |
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ID=40167445
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JP2007136549A Pending JP2008292655A (ja) | 2007-05-23 | 2007-05-23 | フォトマスク保護用粘着テープ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008292655A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018140634A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 保護フィルム及びフィルム積層体 |
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-
2007
- 2007-05-23 JP JP2007136549A patent/JP2008292655A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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