JP2008292420A - 液面検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定部材に対するフロート位置のバリエーションに対して固定部材および回転部材を共通使用可能としつつ、フロートの大型化を抑制可能な液面検出装置を提供する。
【解決手段】マグネットホルダ2に形成されるアーム5の移動側ストッパ5bと嵌合する貫通孔である固定孔2c位置を、従来の液面検出装置における固定孔2g位置から、マグネットホルダ2の周方向にずらした位置に設定している。これにより、アーム5においてマグネットホルダ2に固定されている保持部5aの先端からフロート4に至る部分が、マグネットホルダ2の中心軸Cとフロート4の中心Fとを結ぶ線分Kに、従来の液面検出装置のアームに比べて近づけられるので、アーム5における当該部分の重量を軽減できる。したがって、燃料レベルゲージ1のフロート4に必要な浮力の大きさを小さくする、すなわちフロート4の体格を小型化することができる。
【選択図】図1
【解決手段】マグネットホルダ2に形成されるアーム5の移動側ストッパ5bと嵌合する貫通孔である固定孔2c位置を、従来の液面検出装置における固定孔2g位置から、マグネットホルダ2の周方向にずらした位置に設定している。これにより、アーム5においてマグネットホルダ2に固定されている保持部5aの先端からフロート4に至る部分が、マグネットホルダ2の中心軸Cとフロート4の中心Fとを結ぶ線分Kに、従来の液面検出装置のアームに比べて近づけられるので、アーム5における当該部分の重量を軽減できる。したがって、燃料レベルゲージ1のフロート4に必要な浮力の大きさを小さくする、すなわちフロート4の体格を小型化することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、容器内に収容される液体の液面レベルを検出する液面検出装置に関するもので、特に、自動車等の燃料タンク内に装着されて、燃料の液面位置を検出する液面検出装置に適用して好適である。
従来のこの種の液面検出装置としては、たとえば、液面に浮かぶフロートの上下動がアームを介して伝達されて回転する回転部材内にマグネットを固定し、回転部材を回転自在に保持する固定部材内に磁電変換素子(たとえばホール素子等)を配置した構成のものがある(特許文献1参照)。
この従来の液面検出装置の構成について説明する。固定部材には、回転部材の回転を規制する一対の固定側ストッパが設けられている。一対の固定側ストッパは液面検出装置の使用状態において回転部材よりも上方且つ回転部材の回転中心を通る鉛直線に対して線対称に配置されている。一方、アームは、回転部材を挟んでフロートと反対側端部に回転部材の軸方向と平行に伸び且つ固定側ストッパに当接可能な移動側ストッパを備えている。回転部材の回転は、移動側ストッパが一対の固定側ストッパに当接することで規制され、移動側ストッパが一方の固定側ストッパに当接してから他方の固定側ストッパに当接するまでが回転部材の回転角度範囲となる。また、アームは、その直線状の保持部を回転部材の回転軸と直交させて回転部材に保持固定される。さらに、アームの保持部は、回転部材がその回転角度範囲の中点角度にあるときに鉛直方向となるように回転部材に固定されている。また、回転部材は、アームの移動側ストッパと嵌合する貫通孔を備えている。すなわち、アームは、回転部材とは、保持部および移動側ストッパを介して固定されている。
ところで、液面検出装置の設置場所の環境条件、たとえば自動車の燃料タンク内に設置される場合は燃料タンク形状等によって、固定部材とフロートとの位置関係、すなわち固定部材の左右どちら側にフロートが配置されるかが決まる。
従来の液面検出装置では、上述したような構成とすることにより、フロートの配置位置が固定部材の右側あるいは左側の要求仕様に対して、固定部材および回転部材は共通に使用して、アームの形状を変更すること、詳しくは、保持部から先のフロート取り付け部位までの曲げ方向等を変更するのみで対応することが可能となっている。
特開2005−10047号公報
上述した構成の従来の液面検出装置では、回転部材がその回転角度範囲の端部にある状態、つまり移動側ストッパが固定側ストッパに当接している状態において、フロート位置がアームの保持部の延長方向と大きくそれている。このため、アームは、保持部のフロート側先端近傍において急角度で曲げられている。すなわち、アームにおける保持部の先端からフロートに至る部分が、回転部材の回転中心とフロート中心とを結ぶ線分と離れている。このため、アームにおいて、回転部材からはみ出してフロートへ至る部分の長さが長くなり、当該部分のアーム重量も重くなっている。フロートが液面に浮いているとき、回転部材には、その回転軸周りに2つの回転モーメントが作用している。一つはフロートに作用する浮力による回転モーメントであり、もう一つはアームの重量による回転モーメントである。両モーメントは回転方向が互いに反対で大きさは等しくなっている。このため、アームの重量が増加するとアームの重量による回転モーメントが増大し、それと釣り合わせるためにフロートに作用する浮力を増大させる、具体的にはフロートを大型化する必要がある。フロートの大型化は、液面検出装置の搭載性を低下させる恐れがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、固定部材に対するフロート位置のバリエーションに対して固定部材および回転部材を共通使用可能としつつ、アーム重量増加を抑制してフロートの大型化を抑制可能な液面検出装置を提供することである。
本発明は、上記目的を達成する為に以下の技術的手段を採用する。
本発明の請求項1に記載の液面検出装置は、回転部材と、回転部材を回動自在に保持する固定部材と、液体に浮かぶフロートと、一端側にフロートが固定され且つ他端側が回転部材に固定され液体の液面の上下動によるフロートの上下動を回転部材の回転運動に変換するアームと、回転部材に固定され回転部材と一体に回転するマグネットと、マグネットの磁束と交差するように固定部材に内蔵される磁電変換素子と、磁電変換素子により磁電変換素子と交差するマグネットの磁束密度を検出しこの検出信号に基づいてマグネットホルダの回転角度すなわち液面の位置を検出する液面検出装置であって、固定部材は液面検出装置の使用状態において回転部材よりも上方且つ回転部材の回転中心を通る鉛直線に対して線対称に配置され回転部材の回転を規制する一対の固定側ストッパを備え、アームは、回転部材を挟んでフロートと反対側の端部に回転部材の軸方向と平行な方向に伸び且つ一対の固定側ストッパに当接可能に形成された移動側ストッパを備え、アームの一部であり回転部材の回転軸方向において回転部材と重なり且つ固定部材に固定される部分である保持部は、該保持部のフロートと反対側端部を回転部材の径方向に延長してなる直線上に移動側ストッパがあるものと想定した場合における回転部材の回転角度範囲の中点角度位置に停止したときに鉛直方向となるようにして回転部材に固定され、回転部材はアームの移動側ストッパと嵌合可能且つ回転部材の軸方向と平行な貫通孔を備え、貫通孔は回転部材の周方向において保持部の延長方向と交差しない位置に設けられることを特徴としている。
上述の構成によれば、移動側ストッパと嵌合する貫通孔の周方向位置を適宜選定することにより、回転部材がその回転角度範囲の端部にある状態、つまり移動側ストッパが固定側ストッパに当接している状態における、フロート位置とアームの保持部の延長方向とのずれを小さくする、つまり、保持部のフロート側先端近傍における曲げ角度を従来の液面検出装置における曲げ角度よりも緩やかにすることができる。言い換えると、アームにおける保持部の先端からフロートに至る部分が、回転部材の回転中心とフロート中心とを結ぶ線分により近づくことになる。これにより、アームにおいて、回転部材からはみ出してフロートへ至る部分の長さを従来の液面検出装置の場合よりも短縮することができ、したがって、当該部分のアーム重量を軽くすることができる。したがって、フロートに作用する浮力を増大させること、すなわちフロートを大型化させることを抑制することができる。
これにより、固定部材に対するフロート位置のバリエーションに対して固定部材および回転部材を共通使用可能としつつ、アーム重量増加を抑制してフロートの大型化を抑制可能液面検出装置を提供できる。
本発明の請求項2に記載の液面検出装置は、貫通孔は回転部材の周方向において保持部に対して線対称位置に設けられることを特徴としている。
このような構成によれば、フロートの配置位置が固定部材を右側とするあるいは左側とする要求仕様に対して、固定部材および回転部材は変更せずに、アームの形状を変更すること、詳しくは、保持部から先のフロート取り付け部位までの曲げ方向等を変更するのみで対応することができる。
本発明の請求項3に記載の液面検出装置は、前記磁電変換素子はホール素子であることを特徴としている。
ホール素子は特性種類が豊富且つ入手容易であるので、液面検出装置に用いる磁電変換素子として好適であり、所望の特性を備えた液面検出装置をコストを抑えつつ容易に提供することができる。
以下、本発明の実施形態による液面検出装置を、自動車の燃料タンク内に装着されて燃料の液面位置を検出する燃料レベルゲージ1に適用した場合を例として、図に基づいて説明する。なお、各図において同一構成部分には同一符号を付してある。
燃料レベルゲージ1は、燃料タンク11内に設置固定されている。たとえば、同じく燃料タンク11内に設置固定されて、燃料10を燃料タンク11外部、たとえばエンジン(図示せず)へ送出するための燃料ポンプモジュール(図示せず)に一体的に固定されている。
以下に、燃料レベルゲージ1の構成について説明する。
回転部材であるマグネットホルダ2は、たとえば樹脂材料等から形成されている。マグネットホルダ2には、図2に示すように、マグネット6が固定されている。マグネットホルダ2は、後述する本体部であるボディ3に回動可能に保持されている。これにより、マグネットホルダ2がボディ3に対して回転運動すると、マグネット6も、マグネットホルダ2と一体的に回転する。
また、マグネットホルダ2には、図1に示すように、アーム5が固定されている。アーム5は、金属材料、たとえばステンレス鋼の丸棒から形成されている。アーム5の一端側には、図1に示すように、後述するフロート4が固定されるとともに、アーム5の他端側は、マグネットホルダ2に固定されている。フロート4は、液体である燃料10に浮かぶように設定されているので、燃料レベルゲージ1が燃料10中に浸漬されているときでも常に液面10aと略同レベルにあり、液面10a位置が上下方向に変動するとフロート4の位置も同時に変動する。したがって、アーム5は、液面10aの上下動によるフロート4の上下動をマグネットホルダ2の回転運動に変換する機能を果たしている。アーム5のフロート4と反対側の端部は、図2に示すように、ボディ3側にほぼ直角に折り曲げられて、移動側ストッパ5aが形成されている。移動側ストッパ5aは、マグネットホルダ2の回転軸、つまり後述する孔部2aの中心軸と平行に形成されている。このストッパ部5aは、マグネットホルダ2の固定孔2cに嵌合することにより、アーム5をマグネットホルダ2に固定する機能を果たしている。同時に、移動側ストッパ5aは、図1に示すように、後述するボディ3に形成された固定側ストッパ3dに当接する。これにより、マグネットホルダ2の回転角度範囲が規制される。また、アーム5におけるフロート4側端部と移動側ストッパ5aとの中間には、後述するマグネットホルダ2に保持される部位である保持部5bが形成されている。保持部5bは、図1に示すように直線状に形成されている。移動側ストッパ5aは、図1に示すように、この保持部5bの延長方向と交差しない位置に形成されている。
フロート4は、たとえば樹脂材料等から中空立体形状に形成され、アーム5に取り付けられた状態で燃料の液面10aに確実に浮かぶように見掛けの比重が設定されている。液面10a位置の上下方向位置変動に対応してフロート4が上下動すると、この動きは、アーム5によりマグネットホルダ2に伝達されて、マグネットホルダ2はボディ3に対して回転運動する。
マグネットホルダ2は、図2に示すように、後述するボディ3の軸部3aに回動可能に嵌合する孔部2aを備えている。
マグネットホルダ2には、図2に示すように、アーム5を保持するための固定部2dが設けられている。固定部2dは、図1および図2に示すように、マグネットホルダ2のボディ3と反対側の端面上に2個配置されている。2個の固定部2dは、図1に示すように、マグネットホルダ2の回転軸である中心軸Cを挟んで配置されている。2個の固定部2dは、アーム5の保持部5bが固定部2dに保持固定されると、保持部5bの中心軸がマグネットホルダ2の中心軸Cと交差するように配置されている。固定部2dは、図3に示すように、アーム5、詳しくはアーム5の保持部5bに密着してアーム5を保持固定する保持部2eと、アーム5を取り付ける際に保持部5bに対して固定部2dへの入り口となる開口部2fとからなっている。なお、図3において、固定部2dはアーム5が未装着状態における形状を示すとともに、アーム5(保持部5b)を一点鎖線により示している。保持部2eは、その軸方向、すなわち図3の紙面垂直方向に直交する断面形状を、図3に示すように、円形に形成されるとともに、その直径寸法d1は、アーム5の直径寸法D1より小さく形成されている。開口部2fは、その幅寸法Wを、図3に示すように、保持部2eの直径寸法d1より小さく形成されている。固定部2dの溝24aにアーム5を装着する場合、図3の左側から、固定部2dの溝24aにアーム5を押込んでいくと、固定部2dが弾性変形して、保持部2eにアーム5が保持固定される。このとき、固定部2dは弾性変形した状態であり、この固定部2dの弾性力によりアーム5が保持される。また、2個の固定部2dは、それぞれの保持部2eの中心軸を一致させて配置されている。さらに、両保持部2eの共通の中心軸は、アーム5に設けられた移動側ストッパ5aと嵌合する固定孔2cの中心軸と交差するように配置されている。
マグネットホルダ2を上述のように構成したことにより、マグネットホルダ2へのアーム5の取り付け作業を容易かつ確実に行うことができる。
マグネットホルダ2には、孔部2aの軸方向においてボディ3と反対側(図2において左側)端部に、マグネットホルダ2がボディ3に組み付けられた状態において、マグネットホルダ2の軸方向(図2において左右方向)移動を規制する規制部2bが設けられている。
マグネットホルダ2には、図2に示すように、アーム5に設けられた移動側ストッパ5aと嵌合する貫通孔である固定孔2cが設けられている。固定孔2cは、図2に示すように、マグネットホルダ2の軸方向と平行、つまり孔部2aと平行に形成されている。固定孔2cは、アーム5の保持部5bに対して線対称位置に2個設けられている。また、マグネットホルダ2には、図1に示すように、アーム5の保持部5bの延長上にも、固定孔2gが設けられている。一対の固定孔2cおよび固定孔2gは、マグネットホルダ2の中心軸Cを中心とする同一円弧上に形成されている。固定孔2cおよび固定孔2gの直径寸法は、アーム5の直径寸法と同一あるいは直径寸法よりもわずかに小さく形成されている。すなわち、両者の大きさは、燃料レベルゲージ1の組付け工程においてアーム5をマグネットホルダ2に取り付ける際に、アーム5を固定孔2cに作業者が手で容易に挿入可能且つ固定孔2cに挿入後アーム5が手で回動可能な程度の締まり嵌めとなっている。
マグネットホルダ2には、変位部材としての永久磁石であるマグネット6が固定されている。マグネット6は、たとえばフェライト磁石等からなり、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては筒型のものが用いられ、図2に示すように、孔部2aと同心上に配置されている。さらに、マグネット6は、図4に示すように、2極着磁されている。マグネット6の磁束Mは、図4に示すように分布しており、マグネット6の内周側の磁束は孔部2aの径方向に流れている。また、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1では、マグネット6は、マグネットホルダ2を樹脂成形する際に、マグネットホルダ2内に一体的にインサート成形されている。
固定部材であるボディ3は、樹脂材質から形成されている。ボディ3は、図2に示すように、軸部3aを備え、この軸部3aの外周にマグネットホルダ2の孔部2aが嵌合することにより、マグネットホルダ2を回動自在に保持している。マグネットホルダ2の孔部2aと嵌合する軸部3aの先端側には、図2に示すように、直径が軸部3aよりも小さい小径部3bが延出されている。この小径部3bには、図2に示すように、溝部3cが設けられている。この溝部3cには、図2に示すように、スナップリング12が装着されている。マグネットホルダ2の規制部2bがスナップリング12に当接することにより、マグネットホルダ2のボディ3から離れる方向への移動(図2において左側に向かう移動)が規制される。ボディ3は、図1に示すように、マグネットホルダ2の回転角度範囲を規制するための一対の固定側ストッパ3dを備えている。一対の固定側ストッパ3dは、燃料レベルゲージ1の使用状態、すなわち、図1に示すような状態において、マグネットホルダ2よりも上方に配置されるとともに、マグネットホルダ2の中心軸Cを通る鉛直線Rに対して線対称位置に配置されている。したがって、アーム5において、アーム5のフロート4と反対側端部に形成される移動側ストッパを保持部5bの延長上に設けた場合、つまり移動側ストッパを固定孔2gに嵌合させた構成の従来の液面検出装置の場合、マグネットホルダ2の回転角度位置がアーム5の移動側ストッパが両固定側ストッパ3dに当接して定まるマグネットホルダ2の回転範囲の中点角度位置にあるときに、アーム5の保持部5bの方向、は鉛直方向、つまり図1中の鉛直線Rと一致することになる。
このように、ボディ3の固定側ストッパ3d、マグネットホルダ2の固定部2dおよびマグネットホルダ2の固定孔2cとの位置関係を上述したように構成することにより、フロート4の配置位置をボディ3の右側あるいは左側(すなわち、図1に示すような状態)とする要求仕様に対して、ボディ3およびマグネットホルダ2は共通に使用して、アーム5の形状を変更すること、詳しくは、保持部5bから先のフロート4取り付け部位までの曲げ方向等を変更するのみで対応することが可能となっている。ここで、マグネットホルダ2およびボディ3は、樹脂材料の型成形加工により作られている。そのため、それらの形状を要求仕様に適合すべく変更するには型を変更しなければならず、それにより多大な費用が掛かりコスト上昇を伴う。一方、アーム5の形状変更は成形型の変更に比べてわずかな費用で対応できる。以上から、マグネットホルダ2の固定部2dおよびマグネットホルダ2の固定孔2cとの位置関係を上述したように構成することにより、燃料レベルゲージ1を種々の形状の燃料タンクに対応した燃料レベルゲージ1の製品展開が、コスト上昇を最小限度に抑えて可能となるという大きなメリットが得られる。
ボディ3の軸部3a内には、図2に示すように、マグネット6の変位、詳しくはマグネットホルダ2の回転角度位置を検出するための磁電変換素子であるホールIC7が内蔵されている。ホールIC7は、ボディ3を樹脂成型時にインサート成型することにより軸部3a内に保持固定される。ホールIC7は、図2に示すように、マグネット6の内側、且つ軸部3aの軸方向においてマグネット6との重なり長さができるだけ長くなるように配置されている。これにより、ホールIC7と交差するマグネット6の磁束M量を多くして、ホールIC7の出力電圧を高めて、液面10a検出精度を高めることができる。ホールIC7は、図2に示すように、ホールIC7を外部と電気的に接続するためのリード7aを備えている。本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1に用いられるホールIC7は、リード7aを3個備えている。
ここで、ホールIC7の作動について簡単に説明する。
ホールIC7は、半導体からなり、ホールIC7に電圧が印加された状態で外部から磁界が加えられると、ホールIC7を通過する磁束密度に比例したホール電圧を発生する。つまり、ホールIC7と磁束Mが直交するときにホールIC7を通過する磁束密度が最大となりホール電圧が最高となる。そして、ホールIC7と磁束Mが平行となるときにホールIC7を通過する磁束密度が最小となりホール電圧が最低となる。
本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1では、液面10aの変動によりマグネットホルダ2が回転すると、ホールIC7とマグネット6の磁束Mとの交差角度が変化し、それにともなって、ホールIC7の出力電圧であるホール電圧が変化する。したがって、このホール電圧を検出することにより、マグネットホルダ2の回転角度、すなわち液面10a位置を測定することができる。
ホールIC7の3個のリード7aは、図2に示すように、それぞれターミナル8に電気的に接続されている。ターミナル8は、導電性材料、たとえば銅系金属から形成されている。両者は、かしめ、あるいはヒュージング等によって接続固定されている。各ターミナル8のリード7aと接続される反対側の端部は、電気導体である電線9と電気的に接続され、この電線9を介して外部の電気回路に接続されている。すなわち、電線9は、図2に示すように、その一端がターミナル8を介してホール素子7のリード7aに導通接続され且つ他端がボディ3の外へ延出されている。電線9としては、銅線等の導体の外周を樹脂あるいはゴム等からなる絶縁被覆膜で覆って形成されたものが用いられている。電線9とターミナル8との接合部において、電線9の導体とターミナル8とはかしめ、あるいはヒュージングによって接続固定されるとともに、ターミナル8の一部が電線9の絶縁被覆膜を挟持している。ホールIC7は、各リード7aにターミナル8が導通接合された状態で、ボディ3内にインサート成型されている。
次に、上述したように構成された本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の作用効果、特にマグネットホルダ2の移動側ストッパ5bの角度位置による作用効果について説明する。
本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1では、上述したように、マグネットホルダ2に形成されるアーム5の移動側ストッパ5bと嵌合する貫通孔である固定孔2c位置を、図1に示すように、従来の液面検出装置において設けられている固定孔2g位置から、マグネットホルダ2の周方向にずらした位置に変更している。これにより、アーム5においてマグネットホルダ2に固定されている保持部5aの先端からフロート4に至る部分が、図5に示すように、マグネットホルダ2の中心軸Cとフロート4の中心Fとを結ぶ線分Kに、図5中において破線で示される従来の液面検出装置のアームに比べて近づくことになる。すなわち、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1では、アーム5における当該部分の長さを、従来の液面検出装置のアームの場合に比べて短縮する、言い換えると、アーム5における当該部分の重量を軽減することができる。これにより、燃料レベルゲージ1としての液面10a変化に対する検出応答性を良好に保つために必要なフロート4に作用する浮力の大きさ、すなわちフロート4の体格を、従来の液面検出装置の場合に比べて小さくすることができる。
また、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1では、固定孔2cは、アーム5の保持部5bに対して線対称位置に2個設けられている。これにより、フロート4をボディ3の右側に配置する仕様、すなわち、図1の右側に配置する仕様の燃料レベルゲージ1が必要な場合は、アーム5の形状を変更するとともに、図1中において移動側ストッパ5aが嵌合されていないほうの固定孔2cに移動側ストッパ5aを嵌合させることで対応することができる。
以上から、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1によれば、ボディ3に対するフロート4位置のバリエーションに対してボディ3およびマグネットホルダ2を共通に使用してコスト上昇を抑制しつつ、フロート4の体格を、従来の液面検出装置の場合に比べて小さくすることが可能な燃料レベルゲージ1を提供することができる。
なお、以上説明した本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、磁電変換素子としてホールIC7を用いているが、これに限る必要はなく、他の種類の磁電変換素子、たとえばMRE素子(磁気抵抗素子)あるいは磁気ダイオード等を用いてもよい。
また、以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、ターミナル8の材質を銅系金属としているが、他の金属材質を用いてもよい。
また、以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、マグネット6の材質をフェライト磁石としているが、他の材質、たとえば希土類磁石、アルニコ磁石あるいはボンド系磁石としてもよい。
また、以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、外部の電気回路と接続するためのターミナル8の個数を3個としているが、3個に限定する必要はない。使用される磁電変換素子が備える電極数に対応して設定すれば良い。
また、以上説明した本発明の一実施形態においては、液面検出装置を自動車用の燃料レベルゲージ1に適用した場合を例に説明したが、その用途は自動車用の燃料レベルゲージ1に限る必要はない。自動車に搭載される他の液体、たとえばブレーキフルード、エンジン冷却水等の容器内の液面検出用に適用してもよい。さらに、自動車用に限らず、各種民生用機器が備える液体容器内の液面検出用に適用してもよい。
1 燃料レベルゲージ(液面検出装置)
2 マグネットホルダ(回転部材)
2a 孔部
2b 規制部
2c 固定孔(貫通孔)
2d 固定部
2e 保持部
2f 開口部
3 ボディ(固定部材)
3a 軸部
3b 小径部
3c 溝部
3d 固定側ストッパ
4 フロート
5 アーム
5a 移動側ストッパ
5b 保持部
6 マグネット
7 ホール素子(磁電変換素子)
7a リード
8 ターミナル
9 電線(電気導体)
10 燃料(液体)
10a 液面
11 燃料タンク
12 スナップリング
C 中心軸
D1 直径寸法
d1 直径寸法
F 中心
K 線分
M 磁束
R 鉛直線
W 幅寸法
2 マグネットホルダ(回転部材)
2a 孔部
2b 規制部
2c 固定孔(貫通孔)
2d 固定部
2e 保持部
2f 開口部
3 ボディ(固定部材)
3a 軸部
3b 小径部
3c 溝部
3d 固定側ストッパ
4 フロート
5 アーム
5a 移動側ストッパ
5b 保持部
6 マグネット
7 ホール素子(磁電変換素子)
7a リード
8 ターミナル
9 電線(電気導体)
10 燃料(液体)
10a 液面
11 燃料タンク
12 スナップリング
C 中心軸
D1 直径寸法
d1 直径寸法
F 中心
K 線分
M 磁束
R 鉛直線
W 幅寸法
Claims (3)
- 回転部材と、
前記回転部材を回動自在に保持する固定部材と、
液体に浮かぶフロートと、
一端側に前記フロートが固定され且つ他端側が前記回転部材に固定され前記液体の液面の上下動による前記フロートの上下動を前記回転部材の回転運動に変換するアームと、
前記回転部材に固定され前記回転部材と一体に回転するマグネットと、
前記マグネットの磁束と交差するように前記固定部材に内蔵される磁電変換素子と、
前記磁電変換素子により前記磁電変換素子と交差する前記マグネットの磁束密度を検出しこの検出信号に基づいて前記マグネットホルダの回転角度すなわち前記液面の位置を検出する液面検出装置であって、
前記固定部材は液面検出装置の使用状態において前記回転部材よりも上方且つ前記回転部材の回転中心を通る鉛直線に対して線対称に配置され前記回転部材の回転を規制する一対の固定側ストッパを備え、
前記アームは、その前記回転部材を挟んで前記フロートと反対側の端部に前記回転部材の軸方向と平行な方向に伸び且つ前記一対の固定側ストッパに当接可能に形成された移動側ストッパを備え、
前記アームの一部であり前記回転部材の回転軸方向において前記回転部材と重なり且つ前記固定部材に固定される部分である保持部は、該保持部の前記フロートと反対側端部を前記回転部材の径方向に延長してなる直線上に前記移動側ストッパがあるものと想定した場合における前記回転部材の回転角度範囲の中点角度位置に停止したときに鉛直方向となるようにして前記回転部材に固定され、
前記回転部材は前記アームの前記移動側ストッパと嵌合可能且つ前記回転部材の軸方向と平行な貫通孔を備え、
前記貫通孔は前記回転部材の周方向において前記保持部の延長方向と交差しない位置に設けられることを特徴とする液面検出装置。 - 前記貫通孔は前記回転部材の周方向において前記保持部に対して線対称位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の液面検出装置。
- 前記磁電変換素子はホール素子であることを特徴とする請求項1または請求項2のどちらか一方に記載の液面検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007140908A JP2008292420A (ja) | 2007-05-28 | 2007-05-28 | 液面検出装置 |
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JP2007140908A JP2008292420A (ja) | 2007-05-28 | 2007-05-28 | 液面検出装置 |
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ID=40167282
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---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008292420A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010139409A (ja) * | 2008-12-12 | 2010-06-24 | Yazaki Corp | 液面レベルセンサ |
JP2010256239A (ja) * | 2009-04-27 | 2010-11-11 | Denso Corp | 液面検出装置 |
JP2012181106A (ja) * | 2011-03-01 | 2012-09-20 | Denso Corp | 液面検出装置 |
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-
2007
- 2007-05-28 JP JP2007140908A patent/JP2008292420A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010139409A (ja) * | 2008-12-12 | 2010-06-24 | Yazaki Corp | 液面レベルセンサ |
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