JP2008291714A - 接触維持装置、シム回転防止装置及びシム回転防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成が簡易で、シムの回転防止作業も容易で、騒音発生を防止できる内燃機関のバルブ特性可変動弁機構。
【解決手段】ロストステー54にはスプリング収納部54a及びスプリングキャップ54bからなる付勢機構と共にボルト挿通孔54e,54f及びボルト68,70からなるスライド固定機構とスライド方向で傾斜する傾斜面54g,54hとが形成されている。傾斜面54g,54hは、ロストステー54がカムキャップの上面に配置された状態ではスライド範囲内でシム62,64の上面62c,64cに当接可能とされているのでシム62,64の回転防止作業はロストステー54の取り付け作業の一部として容易に実行できる。しかも傾斜面54g,54hがシム62,64に当接した状態でロストステー54が固定できるので、シム62,64と傾斜面54g,54hとの接触状態は維持され、以後、シム62,64は揺動することもなく衝突による騒音発生は防止できる。こうして課題が達成される。
【選択図】図17
【解決手段】ロストステー54にはスプリング収納部54a及びスプリングキャップ54bからなる付勢機構と共にボルト挿通孔54e,54f及びボルト68,70からなるスライド固定機構とスライド方向で傾斜する傾斜面54g,54hとが形成されている。傾斜面54g,54hは、ロストステー54がカムキャップの上面に配置された状態ではスライド範囲内でシム62,64の上面62c,64cに当接可能とされているのでシム62,64の回転防止作業はロストステー54の取り付け作業の一部として容易に実行できる。しかも傾斜面54g,54hがシム62,64に当接した状態でロストステー54が固定できるので、シム62,64と傾斜面54g,54hとの接触状態は維持され、以後、シム62,64は揺動することもなく衝突による騒音発生は防止できる。こうして課題が達成される。
【選択図】図17
Description
本発明は、内燃機関に設けられたバルブ特性可変動弁機構の軸方向位置を基準位置に調節するシムの回転を防止できる接触維持装置、シム回転防止装置及びシム回転防止方法に関する。
内燃機関のシリンダヘッド上に設けられているバルブ特性可変動弁機構を駆動して、吸気バルブや排気バルブの最大バルブリフト量やバルブ作用角と言ったバルブ特性を調節する機構が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
このようなバルブ特性可変動弁機構は、ロッカーシャフト(支持軸)に支持され相互に直接又は間接に係合する複数部品(特許文献1では入力部、揺動カム、スライダギア)を備えている。そしてこれら複数部品間の相対的回転位相差を、コントロールシャフト(制御軸)によるスライダギアの軸方向移動にて変更して内燃機関のバルブ特性を調節している。
したがって所望のバルブ特性を高精度に実現するためには上記複数部品全体の軸方向での配置が基準通りに設定かつ維持されていることが重要である。このため通常は、複数部品と内燃機関本体側の基準面との間に軸方向位置を高精度に設定するためのシムを挿入している。
しかし内燃機関運転時の振動によりシムが大きく回転すると支持軸から脱落するおそれがある。このため特許文献1ではシムを配置した後にシムホルダーをボルト締めしている。特許文献2ではカムキャップの側面にて平行に対向する面を形成して、この面にてシムの回転を阻止したり、あるいはシムに突起を形成してこの突起の位置に対応して形成したロストモーション機構やヘッドカバーに設けた挟持部にて係合したりしている。
特開2006−316659号公報(第7頁、図5−8)
特開2006−112279号公報(第9−12頁、図7−9)
内燃機関運転時の振動により大きく回転しないまでもシムの揺動を許すと、シムが周辺の部材に衝突することで騒音を生じるおそれがある。特許文献2ではシムの脱落防止はなされるが、シム配置の作業効率上、シムはカムキャップの対向面に対して密着できないため当接状態が維持されておらず、又、挟持部では単なる係合であって密着しておらず当接状態が維持されていない。このため、内燃機関運転時にシムの揺動により脱落防止のための対向面や挟持部内面に衝突を繰り返して騒音を発生するので騒音防止効果は存在しない。
特許文献1では、確実にシムを固定しているため、回転防止と共に騒音防止も実現しているが、このような構成ではシム固定のための機構が複雑化すると共に、シム固定のためのみにボルト締めなどの作業が必要であるのでシムの回転防止の作業性が悪い。
本発明は、構成が簡易で、シムの回転防止作業も容易で、騒音発生を防止できる内燃機関のバルブ特性可変動弁機構を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の接触維持装置は、相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置して該複数部品の軸方向位置をシムにて基準位置に調節すると共に該複数部品の一部を内燃機関のバルブカムに対して接触させることで該バルブカムからのバルブ駆動力をバルブ側に伝達するバルブ特性可変動弁機構において、前記複数部品の一部に付勢力を与えて前記バルブカムに対する接触を維持させる接触維持装置であって、前記複数部品の一部に付勢力を与える付勢機構と、内燃機関本体側の取り付け面に対する固定位置をスライド範囲内で選択可能なスライド固定機構と、内燃機関本体側の取り付け面に配置された状態で、前記シムの外周面に対向すると共に、スライド方向にて傾斜することで前記スライド範囲内にて前記シムの外周面に当接可能な傾斜面とを備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の接触維持装置は、相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置して該複数部品の軸方向位置をシムにて基準位置に調節すると共に該複数部品の一部を内燃機関のバルブカムに対して接触させることで該バルブカムからのバルブ駆動力をバルブ側に伝達するバルブ特性可変動弁機構において、前記複数部品の一部に付勢力を与えて前記バルブカムに対する接触を維持させる接触維持装置であって、前記複数部品の一部に付勢力を与える付勢機構と、内燃機関本体側の取り付け面に対する固定位置をスライド範囲内で選択可能なスライド固定機構と、内燃機関本体側の取り付け面に配置された状態で、前記シムの外周面に対向すると共に、スライド方向にて傾斜することで前記スライド範囲内にて前記シムの外周面に当接可能な傾斜面とを備えたことを特徴とする。
このように接触維持装置には付勢機構と共に、スライド固定機構とスライド方向で傾斜する傾斜面とが形成されている。この傾斜面は、接触維持装置が内燃機関本体側の取り付け面に配置された状態では、シムの外周面に対向し、スライド範囲内でシムの外周面に当接可能である。スライド固定機構は長孔などにより簡易な構成で実現でき、傾斜面についてもスライド方向にて傾斜する構成であり簡易な構成である。
そしてこのような構成によりシムの回転防止は、シムを配置した後、接触維持装置を内燃機関本体側の取り付け面に配置し、スライドしてシムの外周面に傾斜面を当接し、この状態で接触維持装置を取り付け面に固定することで可能となる。したがってシムの回転防止作業は接触維持装置の本来の接触維持目的での取り付け作業の一部として容易に実行できる。
しかもスライドにより傾斜面がシムに当接した状態で接触維持装置が固定できるので、シムと傾斜面との当接状態は維持され、以後、シムは揺動することもなく衝突による騒音発生は防止できる。
したがってこのような接触維持装置を内燃機関のバルブ特性可変動弁機構に適用することで、構成が簡易で、シムの回転防止作業も容易で、かつ騒音発生を防止できるバルブ特性可変動弁機構を提供できることになる。
請求項2に記載の接触維持装置では、請求項1において、前記シムは、前記複数部品と内燃機関本体側の基準面との間、及び前記複数部品と前記基準面とは対向する側の内燃機関本体側の面との間に配置されることを特徴とする。
シムは、このように複数部品と内燃機関本体側の基準面との間のみでなく、複数部品と基準面とは対向する側の面と間に配置する構成とすることができ、この2つのシムに対して、接触維持装置の傾斜面を当接させることにより、簡易な構成にて2つのシムに対して回転防止作業を容易に実行することができる。こうしてシムの回転を阻止して騒音発生を防止できる。
請求項3に記載の接触維持装置では、請求項1又は2において、前記シムは、厚さ方向に貫通し一方向側に開放された支持軸収納空間を有し、該支持軸収納空間に前記支持軸を収納した状態で前記支持軸上に配置されることを特徴とする。
このように支持軸上に配置されたシムに対して接触維持装置の傾斜面をスライドにて当接させることにより、シムの回転を阻止して騒音発生を防止することができる。
請求項4に記載の接触維持装置では、請求項1〜3のいずれかにおいて、ボルト挿通孔が形成されていることにより該ボルト挿通孔を介して内燃機関本体側の取り付け面にボルト締結されると共に、前記ボルト挿通孔がスライド方向に長孔として形成されていることにより前記スライド固定機構が実現されており、前記傾斜面が前記長孔の長手方向にて傾斜する形状とされていることを特徴とする。
請求項4に記載の接触維持装置では、請求項1〜3のいずれかにおいて、ボルト挿通孔が形成されていることにより該ボルト挿通孔を介して内燃機関本体側の取り付け面にボルト締結されると共に、前記ボルト挿通孔がスライド方向に長孔として形成されていることにより前記スライド固定機構が実現されており、前記傾斜面が前記長孔の長手方向にて傾斜する形状とされていることを特徴とする。
このように内燃機関本体側にボルト締結にて固定するためのボルト挿通孔が長孔として形成されていることにより、簡易な構成でスライド固定機構が容易に実現できる。
請求項5に記載の接触維持装置では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記傾斜面は平面であることを特徴とする。
請求項5に記載の接触維持装置では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記傾斜面は平面であることを特徴とする。
このように傾斜面を平面状の簡易な形状とすることにより、スライドによりシムの外周面に当接させてシムの回転を阻止して騒音発生を防止できる。
請求項6に記載の接触維持装置では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記傾斜面は、当接する前記シムの外周面と回転中心との距離よりも短い半径の円筒状内周面であることを特徴とする。
請求項6に記載の接触維持装置では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記傾斜面は、当接する前記シムの外周面と回転中心との距離よりも短い半径の円筒状内周面であることを特徴とする。
傾斜面を、このような簡易な形状である円筒状内周面としても、スライドによりシムの外周面に当接させてシムの回転を阻止して騒音発生を防止できる。
請求項7に記載のシム回転防止装置は、相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置して該複数部品の軸方向位置をシムにて基準位置に調節すると共に該複数部品の一部を内燃機関のバルブカムに対して接触させることで該バルブカムからのバルブ駆動力をバルブ側に伝達するバルブ特性可変動弁機構において、前記シムの回転を防止するシム回転防止装置であって、請求項1〜6のいずれかに記載の接触維持装置を用いて前記複数部品の一部に付勢力を与えて前記バルブカムに対する接触を維持させ、同時に前記シムの回転防止を実行していることを特徴とする。
請求項7に記載のシム回転防止装置は、相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置して該複数部品の軸方向位置をシムにて基準位置に調節すると共に該複数部品の一部を内燃機関のバルブカムに対して接触させることで該バルブカムからのバルブ駆動力をバルブ側に伝達するバルブ特性可変動弁機構において、前記シムの回転を防止するシム回転防止装置であって、請求項1〜6のいずれかに記載の接触維持装置を用いて前記複数部品の一部に付勢力を与えて前記バルブカムに対する接触を維持させ、同時に前記シムの回転防止を実行していることを特徴とする。
このように内燃機関のバルブ特性可変動弁機構に請求項1〜6のいずれかに記載の接触維持装置を適用することにより、前述したごとく構成が簡易で、シムの回転防止作業も容易で、かつ騒音発生を防止できるバルブ特性可変動弁機構を実現できる。
請求項8に記載のシム回転防止装置では、請求項7において、前記バルブ特性可変動弁機構は、前記複数部品として、バルブカムからの駆動力が伝達されて揺動する入力部、該入力部からの駆動力が伝達されて揺動することでバルブ側へバルブ駆動力を出力する出力部、及び前記入力部と前記出力部とにそれぞれ係合することで前記入力部と前記出力部とを間接的に係合させて前記入力部の駆動力を前記出力部に伝達する中間伝達部を備えると共に、前記支持軸の軸方向での前記中間伝達部の移動位置を調節することにより前記入力部と前記出力部との軸回りでの相対的回転位相差を変更可能とする制御軸を備え、前記接触維持装置は前記入力部に付勢力を与えていることを特徴とする。
このようにバルブ特性可変動弁機構は、複数部品として入力部、出力部及び中間伝達部を備えて、制御軸にて中間伝達部の軸方向での移動位置を調節することでバルブ特性を可変とすることができる。このようなバルブ特性可変動弁機構において、前記接触維持装置を適用することにより、前述したごとく構成が簡易で、シムの回転防止作業も容易で、かつ騒音発生を防止できるバルブ特性可変動弁機構を実現できる。
請求項9に記載のシム回転防止装置では、請求項7又は8において、前記シムは、厚さ方向に貫通し一方向側に開放された支持軸収納空間を有し、該支持軸収納空間に前記支持軸を収納した状態で前記支持軸上に配置されると共に、該配置状態にて、前記支持軸収納空間の閉塞側から前記接触維持装置の傾斜面にて当接されていることを特徴とする。
このように接触維持装置側の傾斜面をシムの閉塞側から当接させることにより、シムの回転をより確実に阻止して騒音発生防止を効果的なものとすることができる。
請求項10に記載のシム回転防止装置では、請求項7〜9のいずれかにおいて、前記取り付け面は、前記支持軸を固定するためのキャップの上面であることを特徴とする。
請求項10に記載のシム回転防止装置では、請求項7〜9のいずれかにおいて、前記取り付け面は、前記支持軸を固定するためのキャップの上面であることを特徴とする。
このように支持軸固定用のキャップの上面を取り付け面とすることにより、接触維持装置をバルブ特性可変動弁機構に沿って容易に取り付けることができる。このことによりバルブ特性可変動弁機構における複数部品の一部に、接触維持装置の付勢機構から付勢力を容易に与えることができると共に、シムに対してスライドさせることにより傾斜面を容易に当接させることができる。このことにより、構成が簡易で、シムの回転防止作業も容易で、かつ騒音発生を防止できるバルブ特性可変動弁機構を実現できる。
請求項11に記載のシム回転防止方法は、相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置して該複数部品の軸方向位置をシムにて基準位置に調節すると共に該複数部品の一部を内燃機関のバルブカムに対して接触させることで該バルブカムからのバルブ駆動力をバルブ側に伝達するバルブ特性可変動弁機構における前記シムの回転防止方法であって、前記シムが前記支持軸上にて前記バルブ特性可変動弁機構と内燃機関本体側の基準面との間に配置された状態で、請求項1〜6のいずれかに記載の接触維持装置を、内燃機関本体側の取り付け面に配置してスライドすることにより前記接触維持装置の傾斜面を前記シムの外周面に当接した後に、前記接触維持装置を内燃機関本体側の取り付け面に固定することを特徴とする。
このように請求項1〜6のいずれかに記載の接触維持装置を、取り付け面に配置してスライドすることにより傾斜面をシムの外周面に当接し、その後に取り付け面にて接触維持装置を固定する。このような簡易な構成にて、容易なシム回転防止方法により、騒音発生を防止できるバルブ特性可変動弁機構を実現できる。
請求項12に記載のシム回転防止方法では、請求項11において、前記シムの配置と共に、前記複数部品を挟んで前記基準面とは対向する側の内燃機関本体側の面と前記複数部品との間に間隙充填用のシムが配置された状態で、前記接触維持装置を、内燃機関本体側の取り付け面に配置してスライドすることにより前記接触維持装置の傾斜面を2つの前記シムの外周面に当接した後に、前記接触維持装置を内燃機関本体側の取り付け面に固定することを特徴とする。
このように2つのシムについても、請求項1〜6のいずれかに記載の接触維持装置を用いて上述したごとく作業することにより、簡易な構成にて、容易なシム回転防止方法により、2つのシムが共に回転防止されて、騒音発生を防止できるバルブ特性可変動弁機構を実現できる。
[実施の形態1]
図1,2は、上述した発明が適用された多気筒(本実施の形態では直列4気筒)内燃機関としてのガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2における、バルブ特性可変動弁機構4を示している。尚、図1,2は1つの気筒における吸気バルブ6側の縦断面を表し、図1は吸気バルブ6の閉弁状態、図2は吸気バルブ6の開弁状態を示している。図3はエンジン2上部における主としてカムキャリア8(内燃機関本体側の部材に相当)の平面構成説明図である。尚、カムキャリア8が存在せず、バルブ特性可変動弁機構4が直接シリンダヘッド10上に構成されていても良い。
図1,2は、上述した発明が適用された多気筒(本実施の形態では直列4気筒)内燃機関としてのガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2における、バルブ特性可変動弁機構4を示している。尚、図1,2は1つの気筒における吸気バルブ6側の縦断面を表し、図1は吸気バルブ6の閉弁状態、図2は吸気バルブ6の開弁状態を示している。図3はエンジン2上部における主としてカムキャリア8(内燃機関本体側の部材に相当)の平面構成説明図である。尚、カムキャリア8が存在せず、バルブ特性可変動弁機構4が直接シリンダヘッド10上に構成されていても良い。
このエンジン2は車両駆動用であり、シリンダブロック12、ピストン14及びシリンダブロック12上に取り付けられたシリンダヘッド10を備えている。シリンダブロック12に形成された各気筒2a(#1気筒),2b(#2気筒),2c(#3気筒),2d(#4気筒)には、シリンダブロック12、ピストン14及びシリンダヘッド10にて区画された燃焼室15が形成されている。尚、気筒数は1〜3でも良く、5以上の気筒数でも良い。又、直列4気筒でなくても、V型でも良く、その他の配置でも良い。
気筒2a〜2dには、各2つの吸気バルブ6及び各2つの排気バルブ16の4バルブがそれぞれ配置されている。吸気バルブ6は吸気ポート18を、排気バルブ16は排気ポートを開閉する。
全ての吸気ポート18は、吸気マニホールドを介してサージタンクに接続され、サージタンク側から供給された空気を各気筒2a〜2dに分配している。尚、各気筒2a〜2dの吸気ポート18に燃料を供給するために各吸気ポート18又はこの上流側の吸気マニホールドにはそれぞれ燃料噴射弁20が配置されている。尚、このように吸気バルブ6の上流側にて燃料噴射する構成以外に、直接、各燃焼室15内に燃料を噴射する筒内噴射型ガソリンエンジンとして構成することもできる。
ここで吸気バルブ6のバルブ作用角(バルブ特性に相当)は固定されておらず、バルブ特性可変動弁機構4によりバルブ作用角を連続的に変化させることで吸入空気量の調節が可能となっている。尚、実際にはバルブ作用角の変化に応じて最大バルブリフト量も同時に変化しているので、以下、説明するバルブ作用角変化は最大バルブリフト量変化にも対応している。
尚、サージタンク上流側の吸気通路にはスロットルバルブが配置されている。このスロットルバルブは吸気バルブ6のバルブ作用角変化にて吸入空気量が調節されている時には、通常、全開状態とされている。スロットルバルブの開度制御としては、例えば、エンジン2の始動時にはスロットルバルブを全開にし、エンジン2の停止時にはスロットルバルブを全閉にする制御を行う。そしてバルブ特性可変動弁機構の故障などにより吸気バルブ6のバルブ作用角調節が困難となった場合には、スロットルバルブの開度制御により吸入空気量を調節する制御を実行している。
吸気バルブ6のリフト駆動は、カムキャリア8に配置された後述する仲介駆動機構22及びローラロッカーアーム24を介して、吸気カムシャフト26に設けられた吸気カム28のバルブ駆動力が伝達されることにより可能となっている。このバルブ駆動力伝達において、各気筒2a〜2dの仲介駆動機構22に共通のコントロールシャフト(制御軸に相当)30を、コントロールシャフト30の一端に設けられたアクチュエータ32にて軸方向に移動させる。このことにより仲介駆動機構22によるバルブ駆動力の伝達状態が調節され、吸気バルブ6のバルブ作用角が最小バルブ作用角と最大バルブ作用角との間で連続的に調節される。尚、吸気カムシャフト26は、その一端に配置されたタイミングスプロケットを含む吸気バルブ6用のバルブタイミング可変機構34とタイミングチェーン36とを介してエンジン2のクランクシャフト38の回転に対して1/2の回転数で連動している。このバルブタイミング可変機構34により吸気バルブ6の開閉タイミングの進角・遅角が調節される。
尚、各気筒2a〜2dの排気バルブ16は排気カムシャフト40(図3)に設けられた排気カム42の回転により、ローラロッカーアームを介して一定のバルブ作用角で開閉されている。尚、排気カムシャフト40は、その一端に配置されたタイミングスプロケットを含む排気バルブ16用のバルブタイミング可変機構44とタイミングチェーン36とを介してエンジン2のクランクシャフト38の回転に対して1/2の回転数で連動している。したがって排気バルブ16の開閉タイミングの進角・遅角については、排気バルブ16用のバルブタイミング可変機構44により調節されている。そして各気筒2a〜2dの各排気ポートは排気マニホルドに連結され、浄化用触媒コンバータを介して排気を外部に排出している。
次に複数部品から構成される仲介駆動機構22及びその周辺構成について説明する。図4,5,6,7は1つの気筒、ここでは#2気筒2bにおける仲介駆動機構22とその周辺構成を示している。図4は斜視図、図5は仰視の斜視図、図6は正面図、図7は平面図である。尚、仲介駆動機構22自体は他の#1気筒2a、#3気筒2c及び#4気筒2dについても基本的に同一の構成である。図8は仲介駆動機構22の分解斜視図、図9は破断斜視図を示す。
仲介駆動機構22は、その中央に設けられた入力部46、入力部46の一端側に設けられた第1揺動カム48(出力部に相当)、第1揺動カム48とは反対側に設けられた第2揺動カム50(出力部に相当)及び内部に配置されたスライダギア52(中間伝達部に相当)を備えている。
入力部46のハウジング46aは内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面は軸方向で左ネジ型螺旋状にヘリカルスプライン46bを形成している。ハウジング46aの外周面からは平行な2つのアーム46cが突出して形成されている。アーム46cの先端には、ハウジング46aの軸方向と平行な軸にてローラ46dが回転可能に取り付けられている。更に入力部46のハウジング46aにはスプリングリテーナ46eが形成されている。このスプリングリテーナ46eは、図1〜7に示した、内部に圧縮状態のスプリングを備えたロストステー54(接触維持装置に相当)から付勢力が与えられる。仲介駆動機構22がエンジン2に組み込まれた状態では、このようにスプリングリテーナ46eがロストステー54側から付勢力を受けることにより、入力部46のローラ46dは常に吸気カム28に接触される。
2つの揺動カム48,50の各ハウジング48a,50aは、内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面は軸方向で右ネジ型螺旋状にヘリカルスプライン48b,50bを形成している。そしてこの内部空間はシャフト挿通孔を有する端面壁部48c,50cにて一端が覆われている。又、外周面からは略三角形状のノーズ48d,50dがそれぞれ突出して形成されている。このノーズ48d,50dの一辺はローラロッカーアーム24を駆動するためのカム面48e,50eを形成している。
入力部46及び2つの揺動カム48,50から構成される空間内に配置されているスライダギア52は、外形は図8に示したごとくであり、軸直交方向で破断した状態は図9に示したごとくである。このスライダギア52は略円柱状をなし、外周面中央には左ネジ型螺旋状の入力用ヘリカルスプライン52aが形成されている。この入力用ヘリカルスプライン52aの両端には、それぞれ右ネジ型螺旋状の出力用ヘリカルスプライン52b,52cが形成されている。スライダギア52の中心軸部分には中心軸方向に貫通する貫通孔52dが形成されている。そして入力用ヘリカルスプライン52aの位置で、貫通孔52dの内周面には周方向に周溝52eが形成されている。この周溝52eには径方向に外部へ貫通するピン挿入孔52fが形成されている。
スライダギア52の貫通孔52d内には、パイプ状のロッカーシャフト56(支持軸に相当)が貫通することでスライダギア52と共に仲介駆動機構22全体が支持されている。このようにしてロッカーシャフト56に支持されたスライダギア52は周方向に摺動可能である。このロッカーシャフト56は4つの仲介駆動機構22に共通の1本が設けられている。そしてこの1本のロッカーシャフト56には各仲介駆動機構22に対応する位置に軸方向に長く形成された長孔56aが開口している。この長孔56aはロッカーシャフト56の内部空間まで貫通した状態で形成されている。
更にロッカーシャフト56の内部空間には、コントロールシャフト30が、軸方向に摺動可能に貫通して配置されている。コントロールシャフト30は丸棒状に形成されたものであるが、各仲介駆動機構22に対応する位置には、ロッカーシャフト56の長孔56aを貫通するようにして、コントロールピン58が軸直角方向に突出して支持されている。更にこのコントロールピン58の先端側には、ロッカーシャフト56の外側から、ブッシュ60が、自身の中央に形成された支持孔にてコントロールピン58に貫かれることにより支持されている。
そしてコントロールシャフト30がロッカーシャフト56の内部に配置されている状態では、各コントロールピン58の先端及びこの先端に貫かれているブッシュ60は、図9に示したごとくスライダギア52の内周面に形成された周溝52e内に配置されている。ブッシュ60の軸方向の幅は周溝52eの幅と同一に形成されている。このことによりコントロールシャフト30とスライダギア52とは軸方向において相対的な位置は固定されるので、コントロールシャフト30の軸方向(図示L−H方向)移動に連動してスライダギア52は軸方向に移動することになる。
このようにバルブ特性可変動弁機構の一部を構成している仲介駆動機構22は、相互に直接又は間接に係合する複数部品(ここでは入力部46、揺動カム48,50、スライダギア52)をロッカーシャフト56上に配置している。そしてコントロールシャフト30の軸方向(図示L−H方向)移動により前記複数部品間の相対的回転位相差の調節がなされてエンジン2のバルブ特性、ここではバルブ作用角を連続的に可変としている。
図1〜7に示したごとく、カムキャリア8に取り付けられたロッカーシャフト56上において、各仲介駆動機構22の軸方向(図示L−H方向)での基準位置は、図10に示す第1シム62を用いて設定されている。尚、もう1つの第2シム64(間隙充填用のシムに相当)についても、第1シム62とは厚さ以外の形状は同一であるので共に説明する。
図10において(A)はシム62,64の平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は底面図、(E)は斜視図である。シム62,64は、全体が矩形の基板62a,64aから構成されている。この基板62a,64aには厚さ方向に貫通し、一方向である下底側に開放された支持軸収納空間62b,64bが形成されている。
尚、上述した構成のシム62,64は厚さの異なる多種類が準備されている。この厚さの異なるものの内から、各気筒2a〜2dでの基準面(ここではカムキャリア8の軸受8aにおける一方の側面)8bと第1揺動カム48との間隙を埋めて各仲介駆動機構22の基準位置を決定するのに適切な厚さの第1シム62が選択される。そして間隙充填用のシムとして、第2揺動カム50と軸受8aの他の側面(基準面8bとは対向する側の面)8cとの間隙を埋めるのに適切な厚さの第2シム64が選択される。
このようなシム62,64の回転を防止するシム回転防止装置を構成するためには、まず図11に示すごとくロッカーシャフト56を、軸受8a上に配置してカムキャップ66(キャップに相当)にて挟持することにより、各仲介駆動機構22を各気筒2a〜2dに対応した位置に配置する。
そして図12に示すごとく全気筒2a〜2dにて吸気バルブ6が同一のバルブ作用角となるように基準面8bと第1揺動カム48との間隙を埋める適切な厚さの第1シム62を選択し、支持軸収納空間62b内にロッカーシャフト56を収納するようにして第1シム62をロッカーシャフト56に配置する。更に基準面8bとは対向する軸受8aの側面8cと第2揺動カム50との間隙を埋める適切な厚さの第2シム64を選択し、同様に支持軸収納空間64b内にロッカーシャフト56を収納するようにして第2シム64を配置する。このことによりシム62,64は図13に示すごとくロッカーシャフト56上に配置されることになる。
シム62,64を配置した後、ローラ46dと吸気カム28との接触状態を維持させるために、図13に示したごとく、ロストステー54がカムキャップ66上に配置される。ここでロストステー54の構成を図14,15に示す。図14の(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、図15の(A)は左側面図、(B)は右側面図、(C)は斜視図、(D)は仰視した斜視図である。
ロストステー54は、スプリング収納部54a、スプリングキャップ54b及びアーム54c,54dを備えている。スプリング収納部54a内には圧縮状のコイルスプリングが収納されており、円筒状のスプリングキャップ54bを介してスプリングリテーナ46eを下向きに付勢できるようにされている。このコイルスプリングを収納したスプリング収納部54a及びスプリングキャップ54bが付勢機構に相当する。
スプリング収納部54aの両側に設けられたアーム54c,54dは、それぞれ仲介駆動機構22とシム62,64との上方を横切ってカムキャップ66に、その先端を到達させている。このカムキャップ66でのロストステー54の固定は、図13に示したごとく、アーム54c,54dの先端に仲介駆動機構22の軸方向とは直交する方向に長孔として形成されているボルト挿通孔54e,54fを介して、ボルト68,70にてカムキャップ66の上面66aに締結されることによりなされる。尚、このボルト68,70のいずれかあるいは一方はカムキャップ66を軸受8a側に固定する締結ボルトを兼ねても良い。
このボルト挿通孔54e,54fによりロストステー54がボルト68,70にてカムキャップ66上に未締結状態で取り付けられた場合には、図16に矢印にて示すごとく、ボルト挿通孔54e,54fの長手方向の長さにて規定されるスライド範囲にてロストステー54がスライドできる。そしてスライド範囲の任意の位置にてボルト68,70を締結すれば、図17に示すごとくロストステー54をカムキャップ66上に固定することができる。ここで図16,17の(A)は斜視図、(B)は左側面図、(C)は右側面図である。このボルト挿通孔54e,54f及びボルト68,70がスライド固定機構に相当する。
更に各アーム54c,54dの下面側には、各シム62,64の外周面、ここでは上面62c,64cに対向して、傾斜面54g,54hが形成されている。この傾斜面54g,54hはボルト挿通孔54e,54fの長手方向に沿って傾斜している。すなわち傾斜面54g,54hはスライド方向にて傾斜している。
カムキャップ66の上面66aに配置したロストステー54を、図16に示したごとくボルト挿通孔54e,54fが規定するスライド範囲にてスライドさせた場合、スライド範囲のいずれかの位置にて傾斜面54g,54hは各シム62,64の外周の一部、ここでは上面62c,64cに当接して停止する。この状態でボルト68,70を締結することにより、図17に示したごとく傾斜面54g,54hは各シム62,64の上面62c,64cに対する当接を維持した状態でロストステー54がカムキャップ66上に固定されることになる。
この図17の状態では、仲介駆動機構22と内燃機関本体側の基準面8bとの間に配置されているシム62については、(B)に示すごとくロストステー54の傾斜面54gにてその上面62cが当接されていることにより回転が完全に阻止されている。内燃機関本体側の基準面8bとは対向する位置の側面8cと仲介駆動機構22との間に配置されているシム64については、(C)に示すごとくロストステー54の傾斜面54hにてその上面64cが当接されていることにより回転が完全に阻止されている。このようにしてシム回転防止装置及びシム回転防止方法が実現される。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).ロストステー54には、スプリング収納部54a及びスプリングキャップ54bからなる付勢機構と共に、ボルト挿通孔54e,54f及びボルト68,70からなるスライド固定機構と、スライド方向で傾斜する傾斜面54g,54hとが形成されている。この傾斜面54g,54hは、ロストステー54が内燃機関本体側の取り付け面、ここではカムキャップ66の上面66aに配置された状態では、シム62,64の外周面、ここでは上面62c,64cに対向し、スライド範囲内でシム62,64の外周面に当接可能とされている。
(イ).ロストステー54には、スプリング収納部54a及びスプリングキャップ54bからなる付勢機構と共に、ボルト挿通孔54e,54f及びボルト68,70からなるスライド固定機構と、スライド方向で傾斜する傾斜面54g,54hとが形成されている。この傾斜面54g,54hは、ロストステー54が内燃機関本体側の取り付け面、ここではカムキャップ66の上面66aに配置された状態では、シム62,64の外周面、ここでは上面62c,64cに対向し、スライド範囲内でシム62,64の外周面に当接可能とされている。
上記スライド固定機構は長孔として形成されているボルト挿通孔54e,54fにより簡易な構成にて実現されており、傾斜面54g,54hについてもスライド方向に傾斜する平面であり同じく簡易な構成である。
そしてこのような構成によるシム62,64の回転防止については、まずロッカーシャフト56を支持軸収納空間62b,64b内に収納するようにしてシム62,64を配置した後、ロストステー54を内燃機関本体側であるカムキャップ66の上面66aに配置する。そしてロストステー54をスライドすることで、傾斜面54g,54hをシム62,64の上面62c,64cに当接する。この状態でロストステー54をボルト68,70にてボルト締結して固定する。このことでシム62,64の回転防止が可能となるので、シム62,64の回転防止作業はロストステー54の取り付け作業の一部として容易に実行できる。
しかも傾斜面54g,54hがシム62,64に当接した状態でロストステー54が固定できるので、シム62,64と傾斜面54g,54hとの接触状態は維持され、以後、シム62,64は揺動することもなく衝突による騒音発生は防止できる。
したがってこのようなロストステー54を用いたエンジン2のバルブ特性可変動弁機構4は、構成が簡易で、2つのシム62,64の回転防止作業も容易で、かつ騒音発生を防止できることになる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態においては、ロストステー54の各傾斜面54g,54hは各シム62,64の上面62c,64cに当接していた。すなわち支持軸収納空間62b,64bの閉塞側として上面62c,64cから各傾斜面54g,54hはシム62,64に当接していた。このように閉塞側であれば、支持軸収納空間62b,64bの開放側とは180°異なる必要はなく、例えば、図18に示すごとく、各シム62,64の側面62d,64dに各傾斜面54g,54hを当接するようにしても良い。これ以外の形状のシムにおいても、その外周面に存在する面に当接することにより回転を阻止するようにしても良い。
(a).前記実施の形態においては、ロストステー54の各傾斜面54g,54hは各シム62,64の上面62c,64cに当接していた。すなわち支持軸収納空間62b,64bの閉塞側として上面62c,64cから各傾斜面54g,54hはシム62,64に当接していた。このように閉塞側であれば、支持軸収納空間62b,64bの開放側とは180°異なる必要はなく、例えば、図18に示すごとく、各シム62,64の側面62d,64dに各傾斜面54g,54hを当接するようにしても良い。これ以外の形状のシムにおいても、その外周面に存在する面に当接することにより回転を阻止するようにしても良い。
又、ロストステーの傾斜面が当接するシムの外周面は前記実施の形態のごとく平面である必要はなく、シムが回転しないように当接が維持できれば曲面でも良い。例えば、図19の(A)に示すごとく、シム回転半径rよりも半径Rの大きい円を外周とするシム162の外周面162aに、ロストステー154側の平面状の傾斜面154aを当接させても良い。
又、ロストステーの傾斜面も平面である必要はない。例えば図19の(B)に示すごとく、当接するシム262の角部262aの外周面と回転中心との距離Qよりも短い半径qの円筒状内周面からなる傾斜面254aをロストステー254に形成して、シム262の角部262aに当接するように構成しても良い。
(b).前記実施の形態においては、バルブ特性可変動弁機構は吸気バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構であったが、排気バルブについても同様に構成することができる。更に吸気バルブと排気バルブとの両方に同様な構成を適用することができる。このようなバルブ特性可変動弁機構においても本発明を前記実施の形態のごとく適用することにより、構成が簡易で、シムの回転防止作業も容易で、かつ騒音発生を防止できるバルブ特性可変動弁機構を実現することができる。
2…エンジン、2a〜2d…気筒、4…バルブ特性可変動弁機構、6…吸気バルブ、8…カムキャリア、8a…軸受、8b…基準面、8c…側面、10…シリンダヘッド、12…シリンダブロック、14…ピストン、15…燃焼室、16…排気バルブ、18…吸気ポート、20…燃料噴射弁、22…仲介駆動機構、24…ローラロッカーアーム、26…吸気カムシャフト、28…吸気カム、30…コントロールシャフト、32…アクチュエータ、34…バルブタイミング可変機構、36…タイミングチェーン、38…クランクシャフト、40…排気カムシャフト、42…排気カム、44…バルブタイミング可変機構、46…入力部、46a…ハウジング、46b…ヘリカルスプライン、46c…アーム、46d…ローラ、46e…スプリングリテーナ、48,50…揺動カム、48a,50a…ハウジング、48b,50b…ヘリカルスプライン、48c,50c…端面壁部、48d,50d…ノーズ、48e,50e…カム面、52…スライダギア、52a…入力用ヘリカルスプライン、52b,52c…出力用ヘリカルスプライン、52d…貫通孔、52e…周溝、52f…ピン挿入孔、54…ロストステー、54a…スプリング収納部、54b…スプリングキャップ、54c,54d…アーム、54e,54f…ボルト挿通孔、54g,54h…傾斜面、56…ロッカーシャフト、56a…長孔、58…コントロールピン、60…ブッシュ、62,64…シム、62a,64a…基板、62b,64b…支持軸収納空間、62c,64c…上面、62d,64d…側面、66…カムキャップ、66a…上面、68,70…ボルト、154…ロストステー、154a…傾斜面、162…シム、162a…外周面、254…ロストステー、254a…傾斜面、262…シム、262a…角部。
Claims (12)
- 相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置して該複数部品の軸方向位置をシムにて基準位置に調節すると共に該複数部品の一部を内燃機関のバルブカムに対して接触させることで該バルブカムからのバルブ駆動力をバルブ側に伝達するバルブ特性可変動弁機構において、前記複数部品の一部に付勢力を与えて前記バルブカムに対する接触を維持させる接触維持装置であって、
前記複数部品の一部に付勢力を与える付勢機構と、
内燃機関本体側の取り付け面に対する固定位置をスライド範囲内で選択可能なスライド固定機構と、
内燃機関本体側の取り付け面に配置された状態で、前記シムの外周面に対向すると共に、スライド方向にて傾斜することで前記スライド範囲内にて前記シムの外周面に当接可能な傾斜面と、
を備えたことを特徴とする接触維持装置。 - 請求項1において、前記シムは、前記複数部品と内燃機関本体側の基準面との間、及び前記複数部品と前記基準面とは対向する側の内燃機関本体側の面との間に配置されることを特徴とする接触維持装置。
- 請求項1又は2において、前記シムは、厚さ方向に貫通し一方向側に開放された支持軸収納空間を有し、該支持軸収納空間に前記支持軸を収納した状態で前記支持軸上に配置されることを特徴とする接触維持装置。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、ボルト挿通孔が形成されていることにより該ボルト挿通孔を介して内燃機関本体側の取り付け面にボルト締結されると共に、前記ボルト挿通孔がスライド方向に長孔として形成されていることにより前記スライド固定機構が実現されており、前記傾斜面が前記長孔の長手方向にて傾斜する形状とされていることを特徴とする接触維持装置。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記傾斜面は平面であることを特徴とする接触維持装置。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記傾斜面は、当接する前記シムの外周面と回転中心との距離よりも短い半径の円筒状内周面であることを特徴とする接触維持装置。
- 相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置して該複数部品の軸方向位置をシムにて基準位置に調節すると共に該複数部品の一部を内燃機関のバルブカムに対して接触させることで該バルブカムからのバルブ駆動力をバルブ側に伝達するバルブ特性可変動弁機構において、前記シムの回転を防止するシム回転防止装置であって、
請求項1〜6のいずれかに記載の接触維持装置を用いて前記複数部品の一部に付勢力を与えて前記バルブカムに対する接触を維持させ、同時に前記シムの回転防止を実行していることを特徴とするシム回転防止装置。 - 請求項7において、前記バルブ特性可変動弁機構は、前記複数部品として、バルブカムからの駆動力が伝達されて揺動する入力部、該入力部からの駆動力が伝達されて揺動することでバルブ側へバルブ駆動力を出力する出力部、及び前記入力部と前記出力部とにそれぞれ係合することで前記入力部と前記出力部とを間接的に係合させて前記入力部の駆動力を前記出力部に伝達する中間伝達部を備えると共に、前記支持軸の軸方向での前記中間伝達部の移動位置を調節することにより前記入力部と前記出力部との軸回りでの相対的回転位相差を変更可能とする制御軸を備え、前記接触維持装置は前記入力部に付勢力を与えていることを特徴とするシム回転防止装置。
- 請求項7又は8において、前記シムは、厚さ方向に貫通し一方向側に開放された支持軸収納空間を有し、該支持軸収納空間に前記支持軸を収納した状態で前記支持軸上に配置されると共に、該配置状態にて、前記支持軸収納空間の閉塞側から前記接触維持装置の傾斜面にて当接されていることを特徴とするシム回転防止装置。
- 請求項7〜9のいずれかにおいて、前記取り付け面は、前記支持軸を固定するためのキャップの上面であることを特徴とするシム回転防止装置。
- 相互に直接又は間接に係合する複数部品を支持軸上に配置して該複数部品の軸方向位置をシムにて基準位置に調節すると共に該複数部品の一部を内燃機関のバルブカムに対して接触させることで該バルブカムからのバルブ駆動力をバルブ側に伝達するバルブ特性可変動弁機構における前記シムの回転防止方法であって、
前記シムが前記支持軸上にて前記バルブ特性可変動弁機構と内燃機関本体側の基準面との間に配置された状態で、請求項1〜6のいずれかに記載の接触維持装置を、内燃機関本体側の取り付け面に配置してスライドすることにより前記接触維持装置の傾斜面を前記シムの外周面に当接した後に、前記接触維持装置を内燃機関本体側の取り付け面に固定することを特徴とするシム回転防止方法。 - 請求項11において、前記シムの配置と共に、前記複数部品を挟んで前記基準面とは対向する側の内燃機関本体側の面と前記複数部品との間に間隙充填用のシムが配置された状態で、前記接触維持装置を、内燃機関本体側の取り付け面に配置してスライドすることにより前記接触維持装置の傾斜面を2つの前記シムの外周面に当接した後に、前記接触維持装置を内燃機関本体側の取り付け面に固定することを特徴とするシム回転防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007137055A JP2008291714A (ja) | 2007-05-23 | 2007-05-23 | 接触維持装置、シム回転防止装置及びシム回転防止方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103925101A (zh) * | 2013-01-10 | 2014-07-16 | 铃木株式会社 | 发动机气缸盖 |
-
2007
- 2007-05-23 JP JP2007137055A patent/JP2008291714A/ja active Pending
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CN103925101A (zh) * | 2013-01-10 | 2014-07-16 | 铃木株式会社 | 发动机气缸盖 |
JP2014134139A (ja) * | 2013-01-10 | 2014-07-24 | Suzuki Motor Corp | エンジンのシリンダヘッド |
US9709000B2 (en) | 2013-01-10 | 2017-07-18 | Suzuki Motor Corporation | Cylinder head of engine |
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