JP2008291333A - 竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】竪型スクラップ溶解炉において、炉発生ダストをダスト塊成化物としてリサイクル装入しつつ溶銑を製造する際に、高い亜鉛濃度の2次ダストを安定して回収するとともに、ダスト発生量を低減化する。
【解決手段】炉内に鉄系スクラップを主体とする鉄源aとコークスbを装入し、且つダスト塊成化物cを装入することなく溶銑を製造する工程Xと、炉内に、鉄系スクラップを主体とする鉄源aと、コークスbと、前記工程Xで発生した亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストを塊成化したダスト塊成化物cを装入して溶銑を製造する工程Yとを有し、工程Xで発生する亜鉛含有ダストの原単位W1と工程Yで使用するダスト塊成化物cのダスト原単位W2が、W2>W1を満足するよう操業する。
【選択図】図2

Description

本発明は、竪型スクラップ溶解炉を用い、鉄系スクラップを主体とする鉄源をコークスの燃焼熱により溶解して溶銑を製造する方法において、炉装入物の一部として炉発生ダストを塊成化したダスト塊成化物を用いる溶銑製造方法に関する。
従来、竪型溶解炉を用いて鉄系スクラップを溶解するプロセスが知られており(例えば、特許文献1)、このプロセスでは、竪型溶解炉の炉頂部から鉄系スクラップとコークスを装入し、炉下部に設けられた複数の羽口(送風羽口)から熱風を吹き込み、コークスの燃焼熱で鉄系スクラップを溶解することにより溶銑が得られる。
一般に、鉄系スクラップには亜鉛めっき材などに由来する亜鉛が相当量含まれており、上記プロセスでは、鉄系スクラップに含まれる亜鉛が炉内を降下する過程で加熱されて金属蒸気となる。この亜鉛の金属蒸気は炉内ガス流に随伴して上昇し、温度が低い炉頂付近に達すると酸化されて微細な酸化亜鉛になり、ダストの一部として炉排ガスとともに排出される。このため炉排ガスから回収されるダストには、亜鉛が20〜30mass%程度含まれている。
このようなダストに含まれる亜鉛は、資源として再利用される必要があるが、亜鉛含有ダストをそのまま精錬用の亜鉛原料として利用するには、少なくとも50mass%程度の亜鉛濃度が必要である。したがって、上記プロセスで回収されるような亜鉛濃度のダストは、精錬用の亜鉛原料とするためには亜鉛を濃縮するための特別な処理が必要であり、処理コストがかかる。
このような問題に対して、製鉄用の竪型溶解炉で発生する亜鉛含有ダストを塊成化し、このダスト塊成化物を竪型溶解炉でリサイクル装入することで、2次ダスト(炉にダスト塊成化物を装入して操業した際に生成するダスト)中に亜鉛を濃化させ、亜鉛濃度が高められたダストを回収する方法が知られている(例えば、特許文献2)。
特開昭56−156709号公報 特開昭55−125211号公報
しかし、特許文献2に示される方法では、2次ダスト中に亜鉛を高濃度に濃化させることが難しく、このため亜鉛含有量が50mass%以上の亜鉛含有ダストを回収することは事実上困難である。また、大量に発生する2次ダストの処理に多大なコストがかかるという問題もある。
したがって本発明の目的は、竪型スクラップ溶解炉において、炉発生ダストをダスト塊成化物としてリサイクル装入しつつ溶銑を製造する際に、高い亜鉛濃度の2次ダストを安定して回収することができるとともに、ダスト発生量も低減させることができる溶銑製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下とおりである。
[1]竪型スクラップ溶解炉において、鉄系スクラップを主体とする鉄源(a)と、コークス(b)と、当該竪型スクラップ溶解炉において発生する亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストを塊成化したダスト塊成化物(c)を炉内に装入し、炉下部に設けられた複数の羽口から熱風を吹き込んで溶銑を製造する方法であって、
炉内に鉄系スクラップを主体とする鉄源(a)とコークス(b)を装入し、且つダスト塊成化物(c)を装入することなく溶銑を製造する工程(X)と、
炉内に、鉄系スクラップを主体とする鉄源(a)と、コークス(b)と、前記工程(X)で発生した亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストを塊成化したダスト塊成化物(c)を装入して溶銑を製造する工程(Y)とを有し、
工程(X)で発生する亜鉛含有ダストの原単位W1と工程(Y)で使用するダスト塊成化物(c)のダスト原単位W2が、W2>W1を満足することを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、工程(X)で発生する亜鉛含有ダストの原単位W1と、工程(Y)で使用するダスト塊成化物(c)のダスト原単位W2の質量比[W2/W1]が2.5以上であることを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
[3]上記[1]または[2]の製造方法において、ダスト塊成化物(c)は、工程(X)で発生した亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストと水硬性バインダーとを主体とし、水分添加された原料混合物を圧縮成型した後、水和硬化させたダスト塊成化物であることを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、工程(Y)で発生した亜鉛含有ダストを精錬用の亜鉛原料として回収することを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
本発明の溶銑製造方法によれば、高い亜鉛濃度の2次ダストを安定して回収することができ、また、最終的なダスト発生量も低減(ダストの減容化)でき、ダストの処理コストも軽減することができる。
本発明は、竪型スクラップ溶解炉において、鉄系スクラップを主体とする鉄源aと、コークスbと、当該竪型スクラップ溶解炉において発生する亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストを塊成化したダスト塊成化物cを炉内に装入し、炉下部に設けられた複数の羽口から熱風を吹き込み、コークスの燃焼熱で鉄系スクラップを溶解することにより溶銑を製造する方法である。
図1は、竪型スクラップ溶解炉の一例を模式的に示すもので、1は炉頂に設けられる原料装入部、2は炉下部の周方向において適当な間隔で設けられる複数の羽口(送風羽口)、3はこの羽口2に熱風を供給する熱風管、4は排ガス出口、5は出銑口である。この溶解炉の大きさ等に本質的な制限はないが、実質的に操業可能若しくは操業上有利なサイズとして、通常は、羽口位置での炉内径が2〜4m程度、炉高が6〜10m程度である。
このような竪型スクラップ溶解炉では、鉄系スクラップ、ダスト塊成化物、コークスなどの原料は、炉頂の原料装入部1から炉内に装入される。複数の羽口2からは熱風が吹き込まれ、コークスの燃焼ガスの熱で鉄系スクラップなどが溶解する。生成した溶銑は炉底部の出銑口5から炉外に取り出される。
鉄系スクラップなどの鉄源とコークスは、炉内に同時に装入してもよいし、交互に装入してもよい。
鉄源としては、鉄系スクラップに加えて、例えば、銑鉄、還元鉄、鉄鉱石など装入してもよい。また、鉄源、コークス、ダスト塊成化物以外に、例えば、石灰石、他のダストやスラッジ類の塊成物、木炭や無煙炭等の炭材などを適宜装入してもよい。
図2は本発明のプロセスフロー図であり、Fは竪型スクラップ溶解炉である。
本発明では、炉内に鉄系スクラップを主体とする鉄源aとコークスbを装入し、且つダスト塊成化物cを装入することなく溶銑を製造する工程Xと、炉内に、鉄系スクラップを主体とする鉄源aと、コークスbと、前記工程Xで発生した亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストを塊成化したダスト塊成化物cを装入して溶銑を製造する工程Yとを有する。これら工程Xと工程Yは、適当なサイクルで交互に実施される。
前記工程Xは通常操業期であり、鉄系スクラップを主体とする鉄源aとコークスbを炉内に装入して溶銑が製造される。この工程Xでは、炉内に「当該竪型スクラップ溶解炉Fにおいて発生する亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストを塊成化したダスト塊成化物c」は装入しない。
工程Xで発生した亜鉛含有ダスト(炉排ガスから回収されたダスト)は、ダスト塊成化工程において塊成化され、ダスト塊成化物cとする。通常、工程Xで発生した亜鉛含有ダストの全量を、このようにして塊成化する。また、工程Xで発生した亜鉛含有ダストに他のダスト(例えば、転炉ダスト)混合したものを塊成化してもよい。
このように工程Xで発生した亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストを塊成化したダスト塊成化物cは、次の工程Yで使用するためにヤードなどに蓄えられる。
前記工程Xを所定期間実施し、ダスト塊成化物cが十分蓄積された段階で工程Yに移行する。この工程Yはダスト処理操業期であり、蓄えられていた前記ダスト塊成化物cが、鉄源aおよびコークスbとともに炉内に装入されて溶銑が製造される。これにより、この工程Yで発生・回収される2次ダストには亜鉛が濃化され、回収される2次ダストの亜鉛濃度が十分に高い場合(通常、50mass%以上)には、そのまま精錬用の亜鉛原料として使用することができる。
なお、炉内装入されたダスト塊成化物cは、粉化して炉排ガス中に飛散する部分を除き、亜鉛分が金属蒸気となって最終的にダストの一部となり、鉄分が溶解して溶銑の一部となり、残部の大部分(例えば、SiO,Alなど)が溶解してスラグの一部となる。
ここで、工程Xで発生する亜鉛含有ダストの原単位W1(kg/t)と工程Yで使用するダスト塊成化物c中のダスト原単位W2(kg/t)は、W2>W1を満足する必要があり、これにより工程Yで回収される2次ダストへの亜鉛の濃化とダスト発生量の低減化(ダストの減容化)を促進できる。また、工程Yで回収される2次ダストの亜鉛濃度が、鉄系スクラップによって炉内に供給される亜鉛量の変動の影響を受けにくくなる利点もある。
なお、ダスト塊成化物cが、工程Xで発生した亜鉛含有ダスト以外のダストを含む場合には、前記ダスト原単位W2は、ダスト塊成化物cを構成するダストのなかで「工程Xで発生した亜鉛含有ダスト」のみの原単位である。
また、工程Yで回収される2次ダストへの亜鉛の濃化とダスト発生量の低減化(ダストの減容化)を特に促進させるには、工程Xで発生する亜鉛含有ダストの原単位W1(kg/t)と工程Yで使用するダスト塊成化物c中のダスト原単位W2(kg/t)の質量比[W2/W1]を2.5以上とすることが好ましい。
図3は、質量比[W2/W1]が炉発生ダストの減容化率に及ぼす影響を調べた結果を示している。ここで、減容化率とは、最終的に処理が必要なダストの発生量を、炉発生ダストのリサイクル装入を行うことなく操業した場合に較べてどれだけ低減できたかを示す指標であり、本発明において工程Yで発生したダスト量(なお、工程Xで発生したダストは工程Yでリサイクル装入されるので、「最終的に処理が必要なダスト」ではない)を、炉発生ダストのリサイクル装入を行うことなく操業した場合(すなわち、全操業期間を通じて本発明の工程Xに相当する操業のみを行った場合)に発生するダスト量で除した値である。
また、図4は、質量比[W2/W1]が工程Yで回収される2次ダストの亜鉛濃度(金属亜鉛換算)に及ぼす影響を調べた結果を示している。
この試験では、炉内径3.2mで出銑能力が70t/hrの竪型スクラップ溶解炉(羽口数10本)を用いて、工程Yで使用するダスト塊成化物c中のダスト原単位を10〜100kg/tの範囲で変化させて、工程Yで回収される2次ダスト量とこれに含まれる亜鉛濃度を調査した。この際、工程Xで回収された亜鉛含有ダストを工程Yで全量使用する方法で操業したため、工程Xの操業期間割合は46〜88%、工程Yの操業期間割合は54〜12%となった。
竪型スクラップ溶解炉の具体的な操業条件としては、工程X,Yともに出銑速度が70t/hrとなるように、ダスト塊成化物c中のダスト原単位などに応じて、送風羽口からの送風量を39000〜47000Nm/hr、富化酸素を1200〜1400Nm/hrの範囲で調整した。なお、送風温度は550℃一定とした。
鉄源aとしては鉄系スクラップのみを用い、サイズが700mm以下のヘビー屑と25〜150mmのシュレッダー屑を8:2の質量割合で使用した。コークスbとしては、サイズが25〜95mmの製鉄用コークスを使用した。ダスト塊成化物cとしては、当該竪型スクラップ溶解炉の工程Xの排ガスから回収された亜鉛含有ダストを塊成化したものであり、亜鉛含有ダスト90mass%、ポルトランドセメント10mass%からなる原料に、ポルトランドセメントの質量の1.4倍の水分を加え、混合機で十分に混合した後、振動成型法により直方体形状(100×100×60mm)に圧縮成型し、この成型物を1週間養生してダスト塊成化物としたものである。
図3および図4によれば、質量比[W2/W1]が2.5以上の場合に、減容化率が十分に低下し、且つ工程Yで回収される2次ダストの亜鉛濃度(金属亜鉛換算)が、精錬用の亜鉛原料として使用できるレベルである50mass%以上となっている。
次に、本発明で使用するダスト塊成化物の好ましい実施形態について説明する。
亜鉛含有ダストを塊成化したダスト塊成化物を竪型スクラップ溶解炉にリサイクル装入するプロセスにおいて、なるべく高い亜鉛濃度の2次ダストを回収するには、炉内で粉化しにくい高強度のダスト塊成化物を用いることが有効である。これは、ダスト塊成化物が炉内で粉化するとダストになるため、炉内でのダスト塊成化物の粉化が抑えられれば、2次ダスト中の亜鉛量は一定でも亜鉛以外のダスト分が減少し、2次ダスト中の亜鉛濃度が上昇することになるからである。しかし、酸化亜鉛を多く含むダストは、酸化亜鉛自体が微粒で且つ粒度分布が狭いため高強度の塊成化物が得られにくく、しかも嵩密度が小さい(通常、嵩密度0.8以下)ために成型性も悪い。
したがって、ダスト塊成化物を製造する方法は任意であるが、なるべく高強度のダスト塊成化物を安定して製造するという観点からは、以下のような圧縮成型法で製造することが好ましい。
すなわち、圧縮成型法では、亜鉛含有ダストと水硬性バインダーとを主体とする原料に適量の水を加えて混合した後、圧縮成型し、この圧縮成型物を水和硬化させてダスト塊成化物とする。水硬性バインダーとしては、ポルトランドセメントが一般的であるが、それ以外に、例えば、高炉セメント、高炉水砕スラグ微粉末、生石灰、アルミナセメントなどを用いてもよく、これら水硬性バインダーの1種以上を用いることができる。なお、石膏(硫酸カルシウム)などのように硫黄を含有する水硬性バインダーは、溶銑中の硫黄濃度を上昇させるため、あまり好ましくないが、溶銑中から不純物である硫黄を除去する工程に余裕がある場合には使用してもよい。また、硬化速度の調整のために、必要に応じて硬化促進剤を使用してもよい。
通常、原料中での水硬性バインダーの配合量は4〜15mass%、好ましくは7〜12mass%程度が適当であり、また、水分量は原料100質量部に対して10〜20質量部程度が適当である。
また、原料として亜鉛含有ダスト、水硬性バインダー以外の粉粒物を適宜配合してもよい。例えば、原料に適度な粒度分布を与えて成型性を高めるために、亜鉛含有ダストよりも粒度が大きい粉粒物(例えば、焼結篩下粉などのような鉄酸化物を含む粉粒物)を配合することができる。
水分が添加された原料は混合機(例えば、撹拌羽根を備えた混合機)で十分に混合した後、圧縮成型する。この圧縮成型工程は、型枠を用いた成型、押し出し成型、ロールプレス成型など任意の方式で行うことができるが、亜鉛含有ダストは成型性が極めて悪い粉体であるため、適切に圧縮成型して安定した品質の成型物を得るという観点からは、型枠を用いた成型が好ましく、そのなかでも型枠を振動させながら圧縮成型を行う振動成型が特に好ましい。この振動成型は、嵩密度が小さい亜鉛含有ダストを型枠内に高密度に充填するのに適している。成型物の形状は任意であるが、炉に装入した際の粉化をなるべく抑えるために角部が少ない方が好ましい。
原料を圧縮成型して得られた成型物は、水硬性バインダーにより水和硬化させるため、一定期間養生させる。この養生の方法や期間は任意であり、例えば、蒸気による一次養生を行った後、大気下での二次養生を行ってもよい。養生期間は、養生スペースや生産性などの面からはなるべく短い方が好ましいが、養生後の必要強度に応じて適宜選択すればよい。一般には、1週間以上が好ましい。なお、養生期間が長ければ成型物の保管すべき量が増加するので、十分な置き場が確保できない場合は、硬化促進剤などを用いて、期間を短縮するなどの対応をすることが好ましい。
[実施例1]
(i)操業条件
図1に示すような竪型スクラップ溶解炉(炉内径3.2m,出銑能力70t/hr,羽口数10本)において、ダスト塊成化物をリサイクル装入して溶銑を製造した。使用したダスト塊成化物は、当該竪型スクラップ溶解炉の排ガスから回収された亜鉛含有ダストを塊成化したものであり、亜鉛含有ダスト:90mass%、ポルトランドセメント:10mass%からなる原料に、ポルトランドセメントの質量の1.4倍の水分を加え、混合機で十分に混合した後、振動成型法により直方体形状(100mm×100mm×60mm)に圧縮成型し、この成型物を1週間養生し、ダスト塊成化物としたものである。
鉄源aとしては鉄系スクラップのみを用い、サイズが700mm以下のヘビー屑と25〜150mmのシュレッダー屑を8:2の質量割合で使用した。また、コークスbとしては、サイズが25〜95mmの製鉄用コークスを使用した。送風羽口からは550℃の空気を39000〜47000Nm/hr、純酸素を1200〜1400Nm/hrの各供給量で吹き込んだ。
下記の工程Xと工程Yを、工程X:77%、工程Y:23%の年間操業時間割合で実施(両工程を交互に実施)し、溶銑を製造した。工程Xで発生した亜鉛含有ダストの全量を上述したように塊成化し、ダスト塊成化物cとした。
・工程X:炉頂から鉄源aとコークスbを装入し、且つダスト塊成化物cを装入することなく、上記送風条件で溶銑を製造した。この工程Xで発生した亜鉛含有ダストの原単位は12kg/tであった。
・工程Y:炉頂から鉄源aと、コークスbと、工程Xで発生した亜鉛含有ダストを塊成化したダスト塊成化物cを装入し、上記送風条件で溶銑を製造した。この工程Yにおけるダスト塊成化物cのダスト原単位(使用量)は40kg/tであった。
(ii)操業成績
最終的に発生したダスト(工程Yで発生した2次ダスト)は3283t/年であった。工程Yを行わず鉄スクラップ溶解のみを実施する従来法でのダスト発生量が6041t/年であったことから、発生ダストの減容化率は0.54となった。また、工程Xで発生したダストの亜鉛濃度(金属亜鉛換算)は26.2mass%であるのに対し、工程Yで回収された2次ダストの亜鉛濃度(金属亜鉛換算)は53.5mass%であり、工程Xの約2倍となった。この亜鉛濃度は、そのまま精錬用の亜鉛原料として利用できるレベルである。
[実施例2]
(i)操業条件
実施例1と同じ設備と操業条件において、下記の工程Xと工程Yを、工程X:63%、工程Y:37%の年間操業時間割合で実施(両工程を交互に実施)し、溶銑を製造した。工程Xで発生した亜鉛含有ダストの全量を上述したように塊成化し、ダスト塊成化物cとした。
・工程X:炉頂から鉄源aとコークスbを装入し、且つダスト塊成化物cを装入することなく、実施例1と同じ送風条件で溶銑を製造した。この工程Xで発生した亜鉛含有ダストの原単位は12kg/tであった。
・工程Y:炉頂から鉄源aと、コークスbと、工程Xで発生した亜鉛含有ダストを塊成化したダスト塊成化物cを装入し、実施例1と同じ送風条件で溶銑を製造した。この工程Yにおけるダスト塊成化物cのダスト原単位(使用量)は20kg/tであった。
(ii)操業成績
最終的に発生したダスト(工程Yで発生した2次ダスト)は3797t/年であり、発生ダストの減容化率は0.63となった。また、工程Xで発生したダストの亜鉛濃度(金属亜鉛換算)は26.2mass%であるのに対し、工程Yで回収された2次ダストの亜鉛濃度(金属亜鉛換算)は45.4mass%であり、工程Xの約1.7倍となった。
竪型スクラップ溶解炉の一例を模式的に示す説明図 本発明のプロセスフロー図 工程Xで発生する亜鉛含有ダストの原単位W1(kg/t)と工程Yで使用するダスト塊成化物c中のダスト原単位W2(kg/t)の質量比[W2/W1]が、炉発生ダストの減容化率に及ぼす影響を示すグラフ 工程Xで発生する亜鉛含有ダストの原単位W1(kg/t)と工程Yで使用するダスト塊成化物c中のダスト原単位W2(kg/t)の質量比[W2/W1]が、工程Yで回収される2次ダストの亜鉛濃度(金属亜鉛換算)に及ぼす影響を示すグラフ
符号の説明
1 原料装入部
2 羽口
3 熱風管
4 排ガス出口
5 出銑口
F 竪型スクラップ溶解炉

Claims (4)

  1. 竪型スクラップ溶解炉において、鉄系スクラップを主体とする鉄源(a)と、コークス(b)と、当該竪型スクラップ溶解炉において発生する亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストを塊成化したダスト塊成化物(c)を炉内に装入し、炉下部に設けられた複数の羽口から熱風を吹き込んで溶銑を製造する方法であって、
    炉内に鉄系スクラップを主体とする鉄源(a)とコークス(b)を装入し、且つダスト塊成化物(c)を装入することなく溶銑を製造する工程(X)と、
    炉内に、鉄系スクラップを主体とする鉄源(a)と、コークス(b)と、前記工程(X)で発生した亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストを塊成化したダスト塊成化物(c)を装入して溶銑を製造する工程(Y)とを有し、
    工程(X)で発生する亜鉛含有ダストの原単位W1と工程(Y)で使用するダスト塊成化物(c)のダスト原単位W2が、W2>W1を満足することを特徴とする竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
  2. 工程(X)で発生する亜鉛含有ダストの原単位W1と、工程(Y)で使用するダスト塊成化物(c)のダスト原単位W2の質量比[W2/W1]が2.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
  3. ダスト塊成化物(c)は、工程(X)で発生した亜鉛含有ダストまたはこれを含むダストと水硬性バインダーとを主体とし、水分添加された原料混合物を圧縮成型した後、水和硬化させたダスト塊成化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
  4. 工程(Y)で発生した亜鉛含有ダストを精錬用の亜鉛原料として回収することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法。
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