JP2008290989A - ジヒドロピリジン誘導体の酸付加塩を含有する医薬 - Google Patents
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Abstract
優れた高血圧症等の治療もしくは予防のための医薬を提供する。
【解決手段】
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの特定の酸付加塩は、高血圧症等の治療もしくは予防のための医薬として有用である。
【選択図】
なし
Description
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの特定の酸付加塩を有効成分として含有する医薬組成物、好適には、高血圧症、心疾患、動脈硬化症、または、腎障害の治療もしくは予防のための医薬組成物、より好適には、高血圧症、または、心疾患の治療もしくは予防のための医薬組成物、最も好適には、高血圧症の治療もしくは予防のための医薬組成物;
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの特定の酸付加塩の薬理学的有効量を温血動物(好適には、ヒト)に投与することによる疾患、好適には、高血圧症、心疾患、動脈硬化症、または、腎障害、より好適には、高血圧症、または、心疾患、最も好適には、高血圧症の治療もしくは予防のための方法;および、
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの特定の酸付加塩の製造方法
に関する。
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの特定の酸付加塩を有効成分として含有する医薬組成物、好適には、高血圧症、心疾患、動脈硬化症、または、腎障害の治療もしくは予防のための医薬組成物、より好適には、高血圧症、または、心疾患の治療もしくは予防のための医薬組成物、最も好適には、高血圧症の治療もしくは予防のための医薬組成物;
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの特定の酸付加塩の薬理学的有効量を温血動物(好適には、ヒト)に投与することによる疾患、好適には、高血圧症、心疾患、動脈硬化症、または、腎障害、より好適には、高血圧症、または、心疾患、最も好適には、高血圧症の治療もしくは予防のための方法;および、
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの特定の酸付加塩の製造方法
を提供する。
本発明は、一つの観点からは、
(1)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの臭化水素酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、または、ナフタレンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬、
(2)(1)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、または、p−トルエンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬、
(3)(2)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの臭化水素酸塩を有効成分として含有する医薬、
(4)(3)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二臭化水素酸塩を有効成分として含有する医薬、
(5)(4)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二臭化水素酸塩の結晶を有効成分として含有する医薬、
(6)(5)において、銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折図において、面間隔が16、4.4、3.9、3.1、および、3.0オングストロームに主要なピークを示す結晶を有効成分として含有する医薬、
(7)(2)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルのメタンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬、
(8)(7)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二メタンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬、
(9)(8)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二メタンスルホン酸塩の結晶を有効成分として含有する医薬、
(10)(9)において、銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折図において、面間隔が12、7.8、6.1、4.8、および、4.5オングストロームに主要なピークを示す結晶を有効成分として含有する医薬、
(11)(7)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの三メタンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬、
(12)(11)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの三メタンスルホン酸塩の結晶を有効成分として含有する医薬、
(13)(12)において、銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折図において、面間隔が11、4.6、4.4、3.9、および、3.6オングストロームに主要なピークを示す結晶を有効成分として含有する医薬、
(14)(2)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルのp−トルエンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬、
(15)(14)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二p−トルエンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬、
(16)(15)において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二p−トルエンスルホン酸塩の結晶を有効成分として含有する医薬、
(17)(16)において、銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折図において、面間隔が6.8、4.9、4.7、および、4.2オングストロームに主要なピークを示す結晶を有効成分として含有する医薬、
(18)(1)乃至(17)のいずれかにおいて、高血圧症、心疾患、動脈硬化症、または、腎障害の治療もしくは予防のための医薬、または、
(19)(18)において、高血圧症の治療もしくは予防のための医薬
を提供する。
本発明において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルは、以下の構造式(Ia)を有する化合物である。
(i)3個の塩基性基がプロトン化された化合物(I)(1モル)と1個のプロトンが解離した酸(3モル)から形成される塩;
(ii)2個の塩基性基がプロトン化された化合物(I)(1モル)と1個のプロトンが解離した酸(2モル)から形成される塩、および、プロトンが解離していない酸(1モル)から形成される付加体;ならびに、
(iii)1個の塩基性基がプロトン化された化合物(I)(1モル)と1個のプロトンが解離した酸(1モル)から形成される塩、および、プロトンが解離していない酸(2モル)から形成される付加体
を包含し、好適には、上記(i)に示される塩、または、上記(ii)に示される付加体であり、最も好適には、上記(ii)に示される付加体である。例えば、化合物(I)の三メタンスルホン酸塩は、
(i-1)3個の塩基性基がプロトン化された化合物(I)(1モル)とメタンスルホネートアニオン(MeSO3 -)(3モル)から形成される塩;
(ii-1)2個の塩基性基がプロトン化された化合物(I)(1モル)とメタンスルホネートアニオン(2モル)から形成される塩、および、メタンスルホン酸(1モル)から形成される付加体;ならびに、
(iii-1)1個の塩基性基がプロトン化された化合物(I)(1モル)とメタンスルホネートアニオン(1モル)から形成される塩、および、メタンスルホン酸(2モル)から形成される付加体
を包含し、好適には、上記(i-1)に示される塩、または、上記(ii-1)に示される付加体であり、最も好適には、上記(ii-1)に示される付加体である。
(工程1)化合物(I)を不活性溶媒または含水不活性溶媒に溶解して、当該溶液中に酸または酸の水溶液もしくは不活性溶媒溶液を滴下する;
(工程2)一定温度条件下(好適には、室温条件下)にて一定時間撹拌する;および、
(工程3)生成した固体を濾取して乾燥する。
また必要に応じて、工程2の前または後に、以下の工程からなる群より選択される1以上の工程を行ってもよい:
(工程4−1)種結晶を加える;
(工程4−2)溶媒を一部留去する;
(工程4−3)貧溶媒(酸付加塩を溶解しない不活性溶媒)を加える;および、
(工程4−4)超音波刺激もしくは反応容器の表面の擦過等の機械的刺激を与えることにより結晶の析出を開始もしくは促進させる。
工程1および2においては、水が存在すること、または、酸の水和物を用いることが好適である。また、工程1においては、化合物(I)の不活性溶媒溶液中に酸の水溶液を滴下することが好適である。
(実施例1)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 二臭化水素酸塩
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル2.91g(5.00mmol)のメタノール12ml溶液に、25℃で、47wt%臭化水素酸1.27ml(11.0mmol)を30分間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を更に30分間撹拌した。生成した粗結晶を濾取した後、メタノール12mlで洗浄し、50℃で2時間減圧下にて乾燥して、標記の化合物2.90g(78%)を白色粉末として得た。
1H−NMRスペクトル(DMSO-d6,δppm):1.00(d;J=6Hz,3H), 1.19(d;J=6Hz,3H), 2.29(s,3H), 4.01-4.38(m,4H), 4.74-4.92(m,2H), 4.96-5.23(m,1H), 5.78-6.11(m,1H), 6.85(brs,2H), 7.37-7.77(m,12H), 7.94-8.09(m,2H), 8.98(brs,1H), 11.17-11.77(m,1H)。
(実施例2)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 一クエン酸塩
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル3.24g(5.56mmol)のアセトン11.1ml溶液に、25℃で、クエン酸1.11g(5.83mmol)のアセトン11.1ml溶液を30分間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を更に40分間撹拌した。生成した粗結晶を濾取した後、アセトン5mlで洗浄し、50℃で2時間減圧下にて乾燥して、標記の化合物3.42g(79%)を黄色粉末として得た。
1H−NMRスペクトル(DMSO-d6,δppm):0.99(d;J=6Hz,3H), 1.18(d;J=6Hz,3H), 2.27(s,3H), 2.30-2.42(m,1H), 2.64(d;J=15Hz,2H), 2.75(d;J=15Hz,2H), 2.86-2.97(m,1H), 3.28-3.40(m,1H),3.49-3.58(m,1H), 4.21(s,1H), 4.72-4.91(m,3H), 6.75(brs,2H), 7.12-7.41(m,10H), 7.54-7.67(m,2H), 8.02-8.12(m,2H), 8.80(brs,1H), 12.34(brs,1H)。
(実施例3)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 二メタンスルホン酸塩
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル4.66g(8.00mmol)の酢酸エチル32ml溶液に、25℃で、メタンスルホン酸1.04ml(16.0mmol)を30分間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を更に30分間撹拌した。生成した粗結晶を濾取した後、酢酸エチル20mlで洗浄し、40℃で2時間減圧下にて乾燥して、標記の化合物6.01g(97%)を白色粉末として得た。
1H−NMRスペクトル(DMSO-d6,δppm):1.00(d;J=6Hz,3H), 1.18(d;J=6Hz,3H), 2.28(s,3H), 2.38(s,6H), 4.03-4.42(m,4H), 4.73-4.89(m,2H), 4.96-5.18(m,1H), 5.73-6.01(m,1H), 6.85(brs,2H), 7.37-7.67(m,12H), 7.93-8.04(m,2H), 8.96(brs,1H), 11.01-11.42(m,1H)。
(実施例4)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 三メタンスルホン酸塩
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル4.66g(8.00mmol)の酢酸エチル32ml溶液に、25℃で、メタンスルホン酸1.71ml(26.4mmol)を30分間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を更に30分間撹拌した。生成した粗結晶を濾取した後、酢酸エチル20mlで洗浄し、40℃で2時間減圧下にて乾燥して、標記の化合物6.78g(97%)を白色粉末として得た。
1H−NMRスペクトル(DMSO-d6,δppm):1.00(d;J=6Hz,3H), 1.19(d;J=6Hz,3H), 2.28(s,3H), 2.40(s,9H), 4.02-4.42(m,4H), 4.75-4.88(m,2H), 4.98-5.18(m,1H), 5.73-6.10(m,1H), 6.84(brs,2H), 7.35-7.69(m,12H), 7.91-8.07(m,2H), 8.97(brs,1H), 11.01-11.45(m,1H)。
(実施例5)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 二ベンゼンスルホン酸塩
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル4.66g(8.00mmol)の酢酸エチル32ml溶液に、25℃で、ベンゼンスルホン酸一水和物4.23g(24.0mmol)の酢酸エチル15ml溶液を30分間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を更に30分間撹拌した。生成した粗結晶を濾取した後、酢酸エチル20mlで洗浄し、40℃で2時間減圧下にて乾燥して、標記の化合物7.13g(99%)を白色粉末として得た。
1H−NMRスペクトル(DMSO-d6,δppm):1.00(d;J=6Hz,3H), 1.19(dd;J=6Hz,2Hz,3H), 2.28(s,3H), 3.98-4.44(m,4H), 4.72-4.96(m,2H), 4.94-5.18(m,1H), 5.72-6.00(m,1H), 6.84(brs,2H), 7.26-7.67(m,22H), 7.93-8.03(m,2H), 8.92(brs,1H), 10.88-11.38(m,1H)。
(実施例6)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 二p−トルエンスルホン酸塩
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル4.66g(8.00mmol)の酢酸エチル32ml溶液に、25℃で、p-トルエンスルホン酸一水和物4.57g(24.0mmol)の酢酸エチル20ml溶液を30分間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を更に30分間撹拌した。生成した粗結晶を濾取した後、酢酸エチル20mlで洗浄し、40℃で2時間減圧下にて乾燥して、標記の化合物7.65g(定量的)を白色粉末として得た。
1H−NMRスペクトル(DMSO-d6,δppm):1.00(d;J=6Hz,3H), 1.18(dd;J=6Hz,2Hz,3H), 2.28(s,3H), 2.29(s,6H), 4.08-4.43(m,4H), 4.73-4.90(m,2H), 4.96-5.19(m,1H), 5.74-6.00(m,1H), 6.85(brs,2H), 7.10-7.16(m,4H), 7.38-7.66(m,16H), 7.94-8.05(m,2H), 8.92(brs,1H), 10.93-11.42(m,1H)。
(実施例7)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 二ナフタレンスルホン酸塩
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル4.66g(8.00mmol)の酢酸エチル32ml溶液に、25℃で、2−ナフタレンスルホン酸一水和物5.97g(26.4mmol)の酢酸エチル120ml溶液を30分間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を更に30分間撹拌した。反応溶液を2℃にて4日間静置することにより固体が析出した。析出した粗固体を濾取した後、酢酸エチル100mlで洗浄し、45℃で3時間減圧下にて乾燥して、標記の化合物7.72g(97%)を白色粉末として得た。
1H−NMRスペクトル(DMSO-d6,δppm):1.00(d;J=6Hz,3H), 1.18(dd;J=6Hz,2Hz,3H), 2.28(s,3H), 4.06-4.42(m,4H), 4.74-4.90(m,2H), 4.96-5.18(m,1H), 5.73-6.00(m,1H), 6.84(brs,2H), 7.37-7.57(m,15H), 7.60-7.66(m,1H), 7.70-7.76(m,2H), 7.85-8.04(m,8H), 8.14-8.18(m,2H), 8.92(brs,1H), 10.88-11.37(m,1H)。
(比較例1)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 二塩酸塩 (水溶液法)
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル4.66g(8.00mmol)の酢酸エチル32ml溶液に、25℃で、36wt%塩酸1.49ml(17.6mmol)を30分間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を更に30分間撹拌した。生成した粗結晶を濾取した後、酢酸エチル10mlで洗浄し、50℃で1時間減圧下にて乾燥して、標記の化合物5.26g(92%)を白色粉末として得た。
1H−NMRスペクトル(DMSO-d6,δppm):0.99(d;J=6Hz,3H), 1.19(dd;J=6Hz,3Hz,3H), 2.29(s,3H), 3.90-4.28(m,4H), 4.70-5.32(m,3H), 5.68-6.03(m,1H), 6.93(brs,2H), 7.32-7.77(m,12H), 7.91-8.06(m,2H), 9.21-9.38(m,1H), 12.58-12.91(m,1H)。
(比較例2)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 二塩酸塩 (ガス法)
特公平3−31715号公報(米国特許第4772596号明細書)の実施例1に記載された方法にしたがって、下記のとおり標記化合物を製造した。
(比較例3)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 一硫酸塩
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル6.99g(12.0mmol)のアセトン24ml溶液に、25℃で、96%硫酸0.70ml(12.6mmol)を30分間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を更に20分間撹拌した。生成した黄色粘性固体をそのまま2時間放置した後、固化した固体をアセトン30mlで洗浄し、45℃で2時間減圧下にて乾燥して、標記の化合物7.55g(92%)を黄白色粉末として得た。
1H−NMRスペクトル(DMSO-d6,δppm):1.00(d;J=6Hz,3H), 1.18(d;J=6Hz,3H), 2.28(s,3H), 4.00-4.43(m,4H), 4.72-4.90(m,2H), 4.96-5.18(m,1H), 5.64-6.02(m,1H), 6.85(brs,2H), 7.33-7.70(m,12H), 7.92-8.08(m,2H), 8.93(brs,1H), 10.93-11.41(m,1H)。
(比較例4)2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル 一/二フマル酸塩
2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステル5.00g(8.58mmol)の酢酸エチル15ml溶液に、25℃で、フマル酸997mg(8.59mmol)のテトラヒドロフラン24ml溶液を35分間で滴下した。滴下終了後、反応溶液を更に15分間撹拌した後、ジイソプロピルエーテル78mlを加えた。生成した固体を濾取した後、酢酸エチル5mlで洗浄し、45℃で2時間減圧下にて乾燥して、標記の化合物5.14g(93%)を黄色粉末として得た。
1H−NMRスペクトル(DMSO-d6,δppm):0.99(d;J=6Hz,3H), 1.18(d;J=6Hz,3H), 2.22-2.39(m,4H), 2.85-2.92(m,1H), 3.22-3.50(m,2H), 4.18(s,1H), 4.72-4.91(m,3H), 6.63(s,1H), 6.77(brs,2H), 7.13-7.41(m,10H), 7.55-7.66(m,2H), 8.03-8.12(m,2H), 8.83(brs,1H), 13.12 (brs,1H)。
(試験例1)熱的安定性試験
試験化合物をガラス瓶に入れ、下記(1)および(2)の条件下にて静置して、一定時間経過後に試験化合物中の有効成分[化合物(I)]の残存率を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
(2):非密閉状態、40℃、湿度75%。
移動層:アセトニトリル/22mMリン酸二水素カリウム緩衝液/メタノール=455 / 350 / 195 (V/V/V)(リン酸でpH5.5に調整)
流量:1ml/min
カラム温度:40℃
検出波長:220 nm
残存率(%)は下記の式で算出した。
上記の条件(1)および(2)における結果をそれぞれ表1および2に示す。
[表1][条件(1)]
____________________________________
試験化合物 化合物(I)の残存率(%)
番号 時間(月): 0 1 3 6
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実施例1 99.9 99.7 99.7 99.6
実施例2 98.8 96.9 95.8
実施例3 99.6 98.7 98.5
実施例4 99.5 98.6 98.1
実施例5 99.7 98.6 96.5 93.3
実施例6 99.6 98.8 98.3 97.3
実施例7 99.4 97.3 95.4 93.0
____________________________________
比較例1 98.1 60.0 58.9
比較例2 97.3 10.3
比較例3 99.5 96.9 94.9 92.8
比較例4 99.7 96.7 93.0
____________________________________
表1の結果より、アモルファス状の固体である比較例2の化合物は安定性が非常に低く、比較例1の化合物は、結晶状の固体であるにもかかわらず安定性が非常に低かった。また、比較例3および4の化合物は、結晶状の固体であるにもかかわらず安定性は高くなかった。それに比較して、本発明の実施例1乃至7の化合物は、結晶状の固体であり、且つ優れた安定性を示した。本発明の実施例2、5および7の化合物は、安定性においては比較例3および4の化合物と同等であったが、結晶性においては優れていた(上記比較例3および4参照)。
[表2][条件(2)]
____________________________________
試験化合物 化合物(I)の残存率(%)
番号 時間(月): 0 1 3 6
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実施例1 99.9 99.5 99.1 98.9
実施例4 99.5 99.1 98.8
実施例6 99.6 97.5 96.4 94.5
____________________________________
比較例1 98.1 62.9 59.0
比較例2 97.3 11.3
比較例3 99.5 93.9 88.9 84.8
比較例4 99.7 94.8 91.3
____________________________________
表2の結果より、アモルファス状の固体である比較例2の化合物は安定性が非常に低く、比較例1、3および4の化合物は、結晶状の固体であるにもかかわらず安定性が低かった。それに比較して、本発明の実施例1、4および6の化合物は、結晶状の固体であり、且つ優れた安定性を示した。
(試験例2)イヌにおける吸収性試験
(1)方法
試験化合物の投与30分前、投与直前、および、投与30分後にテトラガストリン(6μg/kg)を絶食した雄性ビーグル犬(体重:約10kg,n=4)の後足大腿部に筋肉注射して、胃内pHを酸性に調整した。試験化合物は100mg/bodyの用量でゼラチンカプセルに封入し、経口投与した。投与0.5、1、2、3、4、6、8および24時間後に、ヘパリン処理した注射筒を用いて前腕正中皮静脈より約3ml採血した。採取した血液を遠心分離して血漿を得て、試験化合物の濃度測定の時まで−20℃で冷凍保存した。融解した血漿100μlに50%メタノール100μl、精製水800μl、0.1N塩酸水100μl、および、内部標準液[化合物(I)のd7体を50%メタノールに溶解した溶液,50ng/ml]100μlを加えて混和し、OASIS HLBを用いて固相抽出して得られた溶出液を蒸発乾固した後、75%メタノール400μlに溶解したものをLC/MS/MSにて分析した。
[MS/MS]
システム:API4000 LC/MS/MS System(Applied Biosystems/MDS SCIEX製)
イオン源:TurboIonSpray
ターボヒーターガス:Air,650 ℃,70 psi
ネブライザーガス:Air,70 psi
カーテンガス:N2,40
オリフィス電圧:化合物(I) 106 V
化合物(I)のd7体 106 V
イオンスプレー電圧: 5500 V
コリジョンガス:N2,3
コリジョンエネルギー:化合物(I) 35 V
化合物(I)のd7体 35 V
測定モード:positive/MRM
モニターイオン:化合物(I) m/z 583 → 167
化合物(I)のd7体 m/z 590 → 167
[HPLC]
システム:Agilent 1100 Series(Agilent Technologies製)
カラム:Inertsil ODS-3 5 μm,2.1mm I.D.×150 mm(GLサイエンス製)
移動相:メタノール/水/ジフルオロ酢酸 (700/300/0.75)
流速:0.15 ml/min
カラム温度:40 ℃
注入量:5 μl
(2)結果
試験化合物として実施例1の化合物および化合物(I)を用いて上記方法にしたがって得られた結果より、薬物吸収性の指標となる薬物速度論的パラメーターである血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC0-24h)および最高血漿中濃度(Cmax)を算出した。結果を表3に示す。
[表3]
_________________________________
試験化合物番号 AUC0-24h[ng・h/ml] Cmax[ng/ml]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実施例1 2933 248
_________________________________
化合物(I) 1813 178
_________________________________
本発明の実施例1の化合物は、フリー体である化合物(I)に比較して優れたバイオアベイラビリティーおよび血中濃度(AUC0-24hおよびCmax)を示した。
(試験例3)溶出試験
(1)方法
試験化合物を充填したゼラチンカプセル(100 mg当量/カプセル)1個を、および、試験液として崩壊試験第1液(第14改正日本薬局方、pH 1.2)900 mlを用い、溶出試験法第2法(第14改正日本薬局方、パドル法)にしたがい、毎分250回転の条件下で試験を行った。ゼラチンカプセルの浮遊を防ぐためにシンカー(第14改正日本薬局方溶出試験法)を用いた。溶出試験を開始して、5、10、15、20、30、45、60、75、90、105および120分後に、試験液約20 mlを孔径10μmのフィルター(VARIAN製, Full Flow Filters 10 μm)で濾過し、直接循環系中のフローセル(光路長0.5 cm)内に送り込み、フォトダイオードアレイ型分光光度計(HP 8452A)で吸光度を測定した。各試験液採取時における試験液中の化合物(I)の吸光度を下記標準液の吸光度と比較することにより、試験液中の化合物(I)の濃度を測定した。
溶出試験装置:DT-600(日本分光製)
紫外可視部分光光度計:HP 8452A Diode-array UV-Visible Spectrophotometer(Hewlett Packard:現Agilent Technologies製)
セルポジショナー:HP 89075C Multicell Transport(Hewlett Packard製)
送液ポンプ:HP 89092A Multichannel Pump(Hewlett Packard製)
溶出試験ソフトウェア:Hewlett Packard Dissolution Testing Software,Revision 03.01(Hewlett Packard製)
分析波長:254〜258 nm
対照波長:322〜326 nm
積算時間:1 sec
石英セルの光路長:0.5 cm
(2)結果
試験化合物として実施例1の化合物および化合物(I)を用いて上記試験において測定された試験液中の化合物(I)の濃度より計算した溶出率を表4に示す。
[表4]
____________________________________
試験化合物 溶出率(%)
番号 時間(分):5 10 15 20 30 45
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実施例1 1.0 1.9 3.3 5.0 9.9 23.5
____________________________________
化合物(I) 0.5 0.7 1.0 1.3 1.8 2.5
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____________________________________
試験化合物 溶出率(%)
番号 時間(分):60 75 90 105 120
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実施例1 35.5 40.8 45.1 49.6 52.6
____________________________________
化合物(I) 3.1 3.6 4.1 4.5 5.0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
本発明の実施例1の化合物は、フリー体である化合物(I)に比較して優れた溶出性を示したことから、より良好な経口吸収性を示すものと考えられる。
(試験例4)ラット大脳皮質膜画分を用いたカルシウムチャンネル受容体結合試験
L型カルシウムチャネルのソースとしてラット大脳皮質膜画分を、またL型カルシウムチャネルのリガンドとして3H-(+)-イスラジピンを用いた。トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(Tris-HCl;50 mM、pH 7.4)緩衝液中で膜画分(5.0 mg蛋白/ml)、3H-(+)-イスラジピン(0.5 nM)および試験化合物を室温で60分間反応させ、膜画分に結合した3H-(+)-イスラジピンを液体シンチレーションカウンターで測定した。測定されたカウントから非標識のニトレンジピン存在下でのカウント(非特異的結合量)を引き、特異的結合量を算出した。各試験化合物について、特異的結合の濃度と結合阻害率の関係をlogit-logモデルにあてはめ、IC50値(特異的結合の50%阻害濃度;nM)およびKi値(解離定数;nM)を算出した。
(試験例5)高血圧ラットにおける血圧降下作用試験
雄性高血圧自然発症ラットを用い、無麻酔下で試験化合物を経口投与し、5分ごとに24時間にわたり、テレメトリー法で血圧を測定した。試験化合物は0.5%メチルセルロース溶液に懸濁してラットに投与した。各測定時点における血圧の降下率より、投与時から投与24時間後までの面積を台形法で算出して、血圧降下率面積値(%・hr)を求めた。
(製剤例1)カプセル剤
実施例化合物(10.0mg)、乳糖(168.7mg)、トウモロコシデンプン(70.0mg)、および、ステアリン酸マグネシウム(1.3mg)(計250mg)の粉末を混合して、60メッシュのふるいに通した後、この粉末を2号ゼラチンカプセルに入れてカプセル剤とする。
(製剤例2)錠剤
実施例化合物(10.0mg)、乳糖(149.0mg)、トウモロコシデンプン(40.0mg)、および、ステアリン酸マグネシウム(1.0mg)(計200mg)の粉末を混合し、打錠機により打錠して1錠200mgの錠剤とする。
Claims (19)
- 2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの臭化水素酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、または、ナフタレンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項1において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、または、p−トルエンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項2において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの臭化水素酸塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項3において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二臭化水素酸塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項4において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二臭化水素酸塩の結晶を有効成分として含有する医薬。
- 請求項5において、銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折図において、面間隔が16、4.4、3.9、3.1、および、3.0オングストロームに主要なピークを示す結晶を有効成分として含有する医薬。
- 請求項2において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルのメタンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項7において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二メタンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項8において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二メタンスルホン酸塩の結晶を有効成分として含有する医薬。
- 請求項9において、銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折図において、面間隔が12、7.8、6.1、4.8、および、4.5オングストロームに主要なピークを示す結晶を有効成分として含有する医薬。
- 請求項7において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの三メタンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項11において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの三メタンスルホン酸塩の結晶を有効成分として含有する医薬。
- 請求項12において、銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折図において、面間隔が11、4.6、4.4、3.9、および、3.6オングストロームに主要なピークを示す結晶を有効成分として含有する医薬。
- 請求項2において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルのp−トルエンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項14において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二p−トルエンスルホン酸塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項15において、2−アミノ−1,4−ジヒドロ−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−3,5−ピリジンジカルボン酸 3−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イル)エステル 5−イソプロピルエステルの二p−トルエンスルホン酸塩の結晶を有効成分として含有する医薬。
- 請求項16において、銅のKα線の照射で得られる粉末X線回折図において、面間隔が6.8、4.9、4.7、および、4.2オングストロームに主要なピークを示す結晶を有効成分として含有する医薬。
- 請求項1乃至17のいずれかにおいて、高血圧症、心疾患、動脈硬化症、または、腎障害の治療もしくは予防のための医薬。
- 請求項18において、高血圧症の治療もしくは予防のための医薬。
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