JP2008290598A - 電池状態検知装置および自動車用鉛電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】最初のエンジン始動までの鉛電池の電力消費を確実に抑えることができる電池状態検知装置を提供する。
【解決手段】電池状態検知装置は、100mV程度の電圧降下があったときにスイッチ作動回路のFETが一時的にオン状態となり電池状態判定部を起動させる。電池状態判定部のCPUは、(1)25msec間に鉛電池が1.5V以上の電圧降下があるか(S102)、(2−A)その後、1分以内に鉛電池の電圧が車両の13.5Vに到達したか(S104)、または、(2−B)その後、1分以内に車両の13.5V>鉛電池の電圧≧12.0V、かつ、該電圧領域における鉛電池の最大電圧と最小電圧との差が100mV以上の状態が1秒以上継続したかを判定する(S106)ことで、エンジン始動を判断する。鉛電池が車載され最初のエンジン始動があったかを正確に判定できる。
【選択図】図3
【解決手段】電池状態検知装置は、100mV程度の電圧降下があったときにスイッチ作動回路のFETが一時的にオン状態となり電池状態判定部を起動させる。電池状態判定部のCPUは、(1)25msec間に鉛電池が1.5V以上の電圧降下があるか(S102)、(2−A)その後、1分以内に鉛電池の電圧が車両の13.5Vに到達したか(S104)、または、(2−B)その後、1分以内に車両の13.5V>鉛電池の電圧≧12.0V、かつ、該電圧領域における鉛電池の最大電圧と最小電圧との差が100mV以上の状態が1秒以上継続したかを判定する(S106)ことで、エンジン始動を判断する。鉛電池が車載され最初のエンジン始動があったかを正確に判定できる。
【選択図】図3
Description
本発明は電池状態検知装置および自動車用鉛電池に係り、特に、自動車用鉛電池から作動電源が供給され、鉛電池の電池状態を検知する電池状態検知装置および該電池状態検知装置を備えた自動車用鉛電池に関する。
自動車用鉛電池は、車両の各種電気機器(電気負荷)へ電力を供給している。また、車両には、エンジンにより駆動される発電機(オルタネータ)が装備されており、鉛電池はオルタネータの作動制御により充電され容量が保たれている。近年、カーナビゲーション等補機による電気負荷が増し、また環境問題への配慮から電動モータとエンジンを組み合わせたハイブリッド電気自動車や信号停止時等にエンジンを停止させ発進時に再始動させる(ISSシステム)自動車等が開発されており、鉛電池は放電寄りの使われ方がなされている。このような背景から、鉛電池の劣化状態を正確に検知し、現在の充電状態を把握することで常に走行に支障がないようにするため、鉛電池の電池状態検知装置の研究開発がなされている。
一般に、鉛電池の電池状態検知装置では、車載を想定するとそのスペースやコストの問題、あるいはその扱いやすさ等から、鉛電池に対して並列に状態検知装置を搭載して、鉛電池本体を電源として作動するものが多い(例えば、特許文献1参照)。この種の電池状態検知装置は鉛電池の劣化状態を監視する必要があるため、常時稼動している必要がある。しかし、車載前にはこのような監視をする必要はなく、却って、鉛電池が車載前の充電機会が全くない状態のときに電池状態検知装置に電力を供給すると、鉛電池が積極的に放電してしまう。さらに、鉛電池は自己放電も起こすため、車載前に店頭在庫期間が長いものはかなりの放電状態となってしまい、鉛電池を放電気味の状態で放置しておくと、サルフェーションにより車載前から容量劣化を来すおそれがある。
この問題を解決するために、鉛電池からの作動電源を遮断するためのスイッチを備え、電圧降下より鉛電池が設定電圧値になったときに(例えば、鉛電池の電圧が10V程度となったときに)鉛電池が車載され最初のエンジン始動があったものとみなし、スイッチをオン状態として鉛電池から電池状態検知装置に作動電源を供給する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2の技術では、電圧降下より鉛電池が設定電圧値になったときに鉛電池が車載され最初のエンジン始動があったものとみなしているため、特定の車種やその車両に搭載された車載電装品との関係で、設定電圧値が適正であれば最初のエンジン始動が検知可能である。しかしながら、電圧降下で間接的に最初のエンジン始動を判定するより、直接エンジン始動の判定を行えば、最初のエンジン始動についての判定信頼性が高まり、最初のエンジン始動までの電池状態検知装置による鉛電池の電力消費を確実に抑えることができる。
本発明は上記事案に鑑み、最初のエンジン始動までの鉛電池の電力消費を確実に抑えることができる電池状態検知装置および該電池状態検知装置を備えた自動車用鉛電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、自動車用鉛電池から作動電源が供給され、前記鉛電池の電池状態を検知する電池状態検知装置において、前記鉛電池からの作動電源を遮断するためのスイッチと、予め設定された設定値以上の前記鉛電池の電圧降下により前記スイッチを一時的にオン状態とするスイッチ作動手段と、前記スイッチ作動手段により前記スイッチがオン状態となった後、前記鉛電池の電圧を所定時間毎に測定する電圧測定手段と、前記電圧測定手段で測定された電圧に基づいて、前記スイッチのオン状態を確保するように制御するスイッチ制御手段と、を備え、前記スイッチ制御手段は、エンジン始動による前記鉛電池の一定時間内の所定値以上の電圧降下を検知後、一定時間内に前記鉛電池の電圧が自動車の充電制御電圧に到達したかを判断し、肯定判断のときに、前記スイッチを継続的にオン状態に制御し、否定判断のときに、一定時間内に自動車の充電制御電圧>前記鉛電池の電圧≧前記鉛電池の公称電圧、かつ、該電圧領域における前記鉛電池の最大電圧と前記鉛電池の最小電圧との差が所定値以上の状態が一定時間継続したかを判断し、肯定判断のときに、前記スイッチを継続的にオン状態に制御し、否定判断のときに前記スイッチをオフ状態に制御することを特徴とする。
本発明の電池状態検知装置は鉛電池からの作動電源を遮断するためのスイッチを備えている。このスイッチは、スイッチ作動手段により、予め設定された設定値(例えば、50mV〜300mV)以上の鉛電池の電圧降下により一時的にオン状態となり、電圧測定手段およびスイッチ制御手段に一時的に作動電源を供給する。スイッチ作動手段によりスイッチがオン状態となった後、電圧測定手段により、鉛電池の電圧が所定時間毎に測定される。このとき、電圧測定手段は、5m秒以内の時間間隔で鉛電池の電圧を測定することが好ましい。そして、スイッチ制御手段により、電圧測定手段で測定された電圧に基づいて、スイッチはオン状態を確保するように制御されるが、スイッチ制御手段は、エンジン始動による鉛電池の一定時間内の所定値以上の電圧降下を検知後(例えば、25m秒間に鉛電池が1.5V以上の電圧降下があるかを判断し、肯定判断のときに)、一定時間内に鉛電池の電圧が自動車の充電制御電圧に到達したかを判断し(例えば、1分以内に鉛電池の電圧が13.5Vに到達したかを判定し)、肯定判断のときに、スイッチを継続的にオン状態に制御し、否定判断のときに、一定時間内に自動車の充電制御電圧>鉛電池の電圧≧鉛電池の公称電圧、かつ、該電圧領域における鉛電池の最大電圧と鉛電池の最小電圧との差が所定値以上の状態が一定時間継続したかを判断し(例えば、1分以内に、13.5V>鉛電池の電圧≧12.0V、かつ、該電圧領域における鉛電池の最大電圧と鉛電池の最小電圧との差が100mV以上の状態が1秒間継続したかを判定し)、肯定判断のときに、スイッチを継続的にオン状態に制御し、否定判断のときにスイッチをオフ状態に制御する。このような電池状態検知装置は鉛電池と一体になっていてもよい。
本発明によれば、スイッチ制御手段は、エンジン始動による鉛電池の一定時間内の所定値以上の電圧降下を検知後、一定時間内に鉛電池の電圧が自動車の充電制御電圧に到達したかを判断し、肯定判断のときに、スイッチを継続的にオン状態に制御し、否定判断のときに、一定時間内に自動車の充電制御電圧>鉛電池の電圧≧鉛電池の公称電圧、かつ、該電圧領域における鉛電池の最大電圧と鉛電池の最小電圧との差が所定値以上の状態が一定時間継続したかを判断し、肯定判断のときに、スイッチを継続的にオン状態に制御し、否定判断のときにスイッチをオフ状態に制御するので、スイッチ制御手段が最初のエンジン始動の判断を直接行うため、最初のエンジン始動についての判定信頼性が高まり、最初のエンジン始動までの電池状態検知装置による鉛電池の電力消費を確実に抑えることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る自動車(車両)用鉛電池の実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の鉛電池10は、電池容器となる略角型の電槽8を有しており、電槽8内には合計6組の極板群が収容されている。電槽8の材質には、成形性、絶縁性および耐久性等の点で優れる、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アクリルブタジエンスチレン(ABS)等の高分子樹脂を選択することができる。各極板群は、複数枚の負極板および正極板がセパレータを介して積層されており、セル電圧は2.0Vとされている。従って、鉛電池10の公称電圧は12.0Vである。電槽8の上部は、電槽8の上部開口を密閉するPE等の高分子樹脂製の上蓋9に接着ないし溶着されている。なお、電槽8の略中央部には、鉛電池1の温度を測定するためのサーミスタ等の温度センサが埋設されている。
図1に示すように、本実施形態の鉛電池10は、電池容器となる略角型の電槽8を有しており、電槽8内には合計6組の極板群が収容されている。電槽8の材質には、成形性、絶縁性および耐久性等の点で優れる、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アクリルブタジエンスチレン(ABS)等の高分子樹脂を選択することができる。各極板群は、複数枚の負極板および正極板がセパレータを介して積層されており、セル電圧は2.0Vとされている。従って、鉛電池10の公称電圧は12.0Vである。電槽8の上部は、電槽8の上部開口を密閉するPE等の高分子樹脂製の上蓋9に接着ないし溶着されている。なお、電槽8の略中央部には、鉛電池1の温度を測定するためのサーミスタ等の温度センサが埋設されている。
上蓋9には、鉛電池10を自動車用電源として外部へ電力を供給するための2本(正負極)の出力端子7が立設されている。また、上蓋9には、鉛電池10の電池状態(SOCやSOH)を検知する電池状態検知装置1が収容されている。
図2に示すように、電池状態検知装置1は、MOS型PチャネルFET1を有し鉛電池10の電圧降下によりFET1を一時的にオン状態とするスイッチ作動回路部20と、FET1を介して鉛電池10から電源の供給を受け鉛電池10の電池状態を判定する電池状態判定部30と、コイル式のブザー、ブザーを作動させるためのトランジスタや抵抗等を有して構成され警告音を発生させる報知部(不図示)と、手動式のプッシュスイッチ3(図1参照)、複数の発光ダイオード(以下、LEDという。)、トランジスタや抵抗等を有して構成されLEDを点灯ないし点滅させて鉛電池10の電池状態を表示する操作表示部2と、を備えている。
スイッチ作動回路部20はハードウエア回路で構成されている。上述したFET1のソースは鉛電池10の正極出力端子に接続されており、ドレインは電池状態判定部30(後述する電源回路の正極入力側)に接続されている。
また、鉛電池10の正極出力端子はダイオードD3のアノードに接続されており、カソードは他端が抵抗R6の一端に接続された抵抗R7の一端に接続されている。抵抗R6と抵抗R7の接続点にはキャパシタC1の一端が接続されており、キャパシタC1の他端は鉛電池10の負極出力端子に接続されている。抵抗R6の他端はトランジスタTr2のエミッタに接続されており、コレクタはダイオードD1のアノードに接続されている。トランジスタTr2のベースは他端がFET1のソースに接続された抵抗R5の一端に接続されている。
ダイオードD1のカソードはダイオードD2のカソードおよび抵抗R4の一端に接続されている。ダイオードD2のアノードは電池状態判定部30(後述するD/Aコンバータの出力側)に接続されている。抵抗R4の他端はトランジスタTr1のベースに接続されている。トランジスタTr1のベース、エミッタ間には抵抗R3が介在しており、エミッタおよび抵抗R3の接続点は鉛電池10の負極出力端子に接続されている。トランジスタTr1のコレクタは、他端が鉛電池10の負極出力端子に接続されたプッシュスイッチ3の一端に接続されているとともに、抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端はFET1のゲートおよび抵抗R1の一端に接続されており、抵抗R1の他端はFET1のソースに接続されている。なお、鉛電池10の負極出力端子はグランド(GND)を構成しており、電池状態判定部30(後述する電源回路の負極入力側)に接続されている。
電池状態判定部30は、FET1を介して鉛電池10から供給される電源を5V電源に変換する電源回路、差動増幅回路およびA/Dコンバータで構成され鉛電池10の電圧を検出するために入力側がFET1のドレインおよび鉛電池10の負極出力端子に接続された電圧検出回路、上述した温度センサに接続され鉛電池10の温度を検出するためのA/Dコンバータ、中央演算処理装置として機能するCPU、電池状態検知装置1の基本制御プログラムおよびプログラムデータを格納したROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、ダイオードD2のアノードに2値信号を出力するためのD/Aコンバータ、ハイレベル信号を出力し上述した報知部および操作表示部を作動させるためのD/Aコンバータ(不図示)、不揮発性のEEPROM等を有して構成されている。
操作表示部2を構成するLEDは、鉛電池10の電池状態(SOC、SOH)を示す4つのLEDで構成されている。報知部は、回路基板とブザーを実装した副回路基板とで構成されており、図1に示すように、副回路基板のブザーが実装された回路基板上の位置にはブザー放音孔6が形成されている。
なお、電池状態判定部30のCPUは、作動開始後、鉛電池10の電圧および温度を所定時間毎に(電圧を1msec間隔、温度を1sec間隔で)それぞれサンプリングし、サンプリング結果をRAMに格納する。鉛電池10の電圧測定には、例えば、5msec間隔程度で測定するようにしてもよいが、電圧測定の時間間隔を狭めることにより、エンジン始動の判定精度を高めることができる。
(動作)
次に、本実施形態の鉛電池10に収容された電池状態検知装置1の動作について説明する。
次に、本実施形態の鉛電池10に収容された電池状態検知装置1の動作について説明する。
エンジン始動時には、イグニッションスイッチをOFF位置からON/ACC位置に位置付け、さらに、START位置に位置付けることによりセルモータ(スタータ)を作動させる。図4は、ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車のエンジン始動時の一般的な電圧波形を示したものである。図4に示すように、エンジン始動時に鉛電池は、数百mV程度の電圧降下(A部参照)の後、極めて短い時間で急激に低下し最小電圧値Vstを観測後に、電圧が上昇し車両のレギュレータ充電制御電圧で鉛電池の電圧がほぼ安定する。
これを踏まえ、スイッチ作動回路部20は鉛電池10に100mV程度の電圧降下があったときに、FET1を一時的にオン状態とし、電池状態判定部30に鉛電池10からの作動電源を供給する。
すなわち、鉛電池10に負荷(セルモータ)が接続される直前には暗電流による50mV〜数百mV(例えば、300mV)程度の電圧降下が生じ鉛電池10の端子電圧は低下するが(図4のA部参照)、キャパシタC1の両端電圧はすぐに低下することはなく、しばらくの間は鉛電池10の端子電圧より高い状態を保持している。このため、トランジスタTr2のエミッタの電位がベースの電位より高い状態が生じて、トランジスタTr2のベース、エミッタ間に電位差が生じ、トランジスタTr2にベース電流が流れ、トランジスタTr2がオン状態となる。これにより、鉛電池10からダイオードD3、抵抗R7、R6、トランジスタTr2のエミッタ、コレクタ間、ダイオードD1、抵抗R4、トランジスタTr1のエミッタ、コレクタ間に電流が流れ、トランジスタTr1がオン状態となる。この結果、鉛電池10から抵抗R1、R2、トランジスタTr1のエミッタ、コレクタ間に電流が流れ、抵抗R1の両端に電圧降下が生じる。この抵抗R1の電圧降下により、FET1のゲートがソースに対して負電位となるため、FET1がオン状態となる。これにより、電池状態判定部30に鉛電池10からの作動電源が供給される。
電池状態判定部30に電源回路を介して鉛電池10からの作動電源が供給され、ROMに格納されたプログラムおよびプログラムデータをRAMに展開する等の初期設定処理後、電池状態判定部30のCPU(以下、単にCPUという。)は鉛電池10の電圧を1msec毎に取り込んで(RAMに電圧値を格納し)、エンジン始動があったか否かの判定を行うエンジン始動判定ルーチンを実行する。
図3に示すように、このエンジン始動判定ルーチンでは、まず、ステップ102において、RAMに格納した電圧値について25msec間の鉛電池10の電圧降下が1.5V以上か否かを判断する。この25msecという値は、エンジン始動時の最低電圧値Vstを観測する直前の電圧低下が短時間に急激に起こるということを踏まえた値であり(図4も参照)、1〜100msec程度で良いと考えられる。
ステップ102で肯定判断のときは、ステップ104において、鉛電池10の電圧が1分以内に車両の充電制御電圧に達しか否か(13.5V以上か否か)を判断する。この13.5Vという値は車両の充電制御電圧を見越して、その値より若干低めの値に設定したものである。肯定判断のときは、次のステップ110で、D/Aコンバータを介してダイオードD2にハイレベル信号Vonを継続して出力しエンジン始動判定ルーチンを終了する。これにより、CPUは、鉛電池10が車載された後の最初のエンジン始動であることを判断でき、鉛電池10からの電源供給を継続して受ける。すなわち、ハイレベル信号VonがダイオードD2と抵抗R4とを介してトランジスタTr1のベースに与えられるため、トランジスタTr1がオン状態に保持される。従って、鉛電池10が車載され最初のエンジン始動があった後は、FET1のゲートに電流が流れ続け、FET1がオン状態に保持されるので、電池状態判定部30の作動が継続される。
放電気味の鉛電池、または、放電気味の鉛電池で車両側のライトやエアコン等の補機を使用して鉛電池に負荷が掛かった状態でエンジン始動した場合は、極めて短い時間で急激に電圧が低下した後、充電制御電圧が図4に示した充電制御電圧ほど上がらない場合がある(図5参照)。つまり、エンジン始動があっても、13.5V以上とならない場合が想定される。このため、ステップ104で否定判断された場合には、1分以内に13.5V>鉛電池10の電圧≧12.0V(鉛電池10の公称電圧)かつ、この電圧領域における100m秒間の揺れ幅(電圧Max値−電圧Min値)≧100mV以上の状態が1秒以上継続したか否かを判断する。この電圧の揺れは車両での充電状態では特徴的な現象であり、車載されたかの指標には好都合な電圧挙動である。肯定判断のときはステップ110に進む。
一方、ステップ102で否定判断されたとき、または、ステップ106で否定判断されたときは、エンジン始動ではなく鉛電池10から補機への電力供給のため、ステップ108で、D/Aコンバータを介してダイオードD2に対してローレベル信号を出力しエンジン始動判定ルーチンを終了する。この間、キャパシタC1は鉛電池10の端子電圧より高い状態を保持しているが、キャパシタC1の両端電圧は徐々に低下し、FET1をオン状態に維持し続けることはできなくなる。つまり、鉛電池10に100mV程度の電圧降下があったときに、その電圧降下がエンジン始動によるものかをCPUに判断させるため、一時的にFET1をオン状態とするが、エンジン始動でないと判断したときには、電池状態判定部30に鉛電池10からの電源を供給する必要がない(鉛電池10の放電させる)ので、FET1をオフ状態とする。
鉛電池10から電池状態判定部30に電源が供給されると、電池状態判定部30は鉛電池10の電池状態(SOC、SOH)の判定を行う。このような電池状態を判定方法は公知の技術を用いることができる。本発明はこの技術との関係が薄いため、本実施形態の電池状態検知装置1での状態判定動作については簡単に説明する。
CPUは、1ms毎に、鉛電池10の電圧を取り込み、取り込んだ電圧値に基づいて鉛電池10のSOC、SOHを決定(算出)する。また、CPUは、1秒毎に、鉛電池10の温度測定を行い、取り込んだ温度値により、例えば、室温(25°C)におけるSOC、SOHに温度補正する。
SOCを決定するのには、開回路電圧(OCV)を測定するのが簡単である。このためには、各SOCの鉛電池についてOCVのデータを予め取得し、OCVとSOCとの関係式ないしマップを作成しておき、測定したOCVから関係式ないしマップを利用してSOCを逆算する。
また、SOHは鉛電池の内部抵抗値と強い相関がある。鉛電池の内部抵抗測定にはいわゆる直流法を用いることができる。直流法は鉛電池のOCVおよびエンジン始動時の最低電圧値をそれぞれ測定し、これらの差から内部抵抗値を求める方法である。内部抵抗値からSOHを決定するためには、SOCを決定する場合と同様に、各SOHの鉛電池について内部抵抗値のデータを予め取得しておき、関係式ないしマップを利用して、測定された電池の内部抵抗値からSOHを計算するようにすればよい。
そして、鉛電池10の電池状態に応じて、操作表示部のLEDを点灯ないし点滅させたり、鉛電池10のある程度劣化が進んだとき、または交換が必要なときに、車両停止後、報知部のブザーを作動させ、ドライバに電池状態を報知する。
ところで、本実施形態の電池状態検知装置1は操作表示部2にプッシュスイッチ3を有している(図1、2参照)。以上では、鉛電池10が車載され最初のエンジン始動時にFET1をオン状態とすることを説明したが、鉛電池10に一度も負荷が接続されていない状態でも、すなわち、鉛電池10が電池販売店の店頭に並べられた状態にあるときでも、プッシュスイッチ3を押下することにより、FET1を一時的にオン状態とすることができる。
すなわち、プッシュスイッチ3が押下されると、鉛電池10から抵抗R1、R2、プッシュスイッチ3に電流が流れ、この電流によって抵抗R1の両端に生じる電圧降下によりFET1がオン状態となる。このとき、例えば、鉛電池10の電圧(OCV)を測定してSOCを算出した後、鉛電池10のSOCの状態をLEDの点灯ないし点滅で表示すれば、電池販売店での鉛電池10の鮮度管理を行うことができる。
(作用等)
次に、本実施形態の鉛電池10に収容された電池状態検知装置1の作用等について説明する。
次に、本実施形態の鉛電池10に収容された電池状態検知装置1の作用等について説明する。
鉛電池10から電池状態検知装置1が電源の供給を受ける状態では(鉛電池10が車載され最初のエンジン始動があった後は)、約5〜10mAの電流が常時流れる。また、電源が入り電池状態検知装置1が起動し始めたときから常時LEDを1つ以上点灯ないし点滅させるケースを考えると平均約10mA〜20mAの電流が流れる。前者で3.6〜7.2(Ah/月)、後者で7.2Ah〜14.4(Ah/月)の鉛電池10の容量を消費する。14.4Ahという値は、例えば、型式38B19の鉛電池定格5h率容量27Ahの約半分にあたり、かなり大きな放電量である。電池状態検知装置1は電池販売店の店頭にある状態で(車載され最初のエンジン始動がなされるまでは)、原則として電池状態判定部30は作動しないので、店頭での鉛電池10の不要な放電や劣化を抑えることができる。なお、車載後は車両のオルタネータで鉛電池10が充電されるので、このような問題は生じない。
また、電池状態検知装置1では、100mV程度の電圧降下があったときにスイッチ作動回路30のFET1が一時的にオン状態となり電池状態判定部30を起動させる。電池状態判定部30のCPUは2段階でエンジン始動を判定している。すなわち、(1)25msec間に鉛電池10が1.5V以上の電圧降下があるか(ステップ102)、(2−A)その後、1分以内に鉛電池10の電圧が車両の充電制御電圧(本実施形態では13.5V)に到達したか(ステップ104)、または、(2−B)その後、1分以内に車両の充電制御電圧(本実施形態では13.5V)>鉛電池10の電圧≧鉛電池10の公称電圧(本実施形態では12.0V)、かつ、該電圧領域における鉛電池10の最大電圧と最小電圧との差が100mV以上の状態が1秒以上継続したかを判定している(ステップ106)。電池状態検知装置1は、2段階でエンジン始動を直接判定しているので、鉛電池10が車載され最初のエンジン始動があったかを正確に判定することができる。また、2段階目において鉛電池10が放電気味の状態(上記2−Bの状態)でもエンジン始動の判定を誤ることなく行うことができる。従って、エンジン始動に相当する鉛電池の電圧降下を回路的に判断する特許文献2の技術に比べ、エンジン始動についての判定信頼性を高めることができる。
なお、本実施形態では、スイッチにFETを例示したが、漏れ電流の少ないバイポーラトランジスタを用いるようにしてもよい。また、本実施形態では、電池状態判定部30の起動後、ハイレベル信号Vonを常時出力する例を示したが、ダイオードD2に代えてサイリスタ等のラッチ状態を確保可能な素子を用いるようにしてもよい。さらに、本実施形態では、100mV程度の電圧降下でスイッチ(FET1)をオン状態とするスイッチ作動回路20の一例を示したが、本発明は例示した回路に制限されるものでないことは言うまでもない。
また、本実施形態では、電源回路やEEPROMを有する電池状態判定部30を例示したが、本発明はこれに限るものではない。電源回路は電池状態判定部30外に設けてもよく、さらに、例示したEEPROMは本発明を実施するためには必ずしも必要ではない。
本発明は最初のエンジン始動までの鉛電池の電力消費を確実に抑えることができる電池状態検知装置および該電池状態検知装置を備えた自動車用鉛電池を提供するものであるため、電池状態検知装置ないし自動車用鉛電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
1 電池状態検知装置
10 鉛電池(自動車用鉛電池)
20 スイッチ作動回路(スイッチ作動手段、スイッチ制御手段の一部)
30 電池状態判定部(電圧測定手段、スイッチ制御手段の一部)
FET1(スイッチ)
10 鉛電池(自動車用鉛電池)
20 スイッチ作動回路(スイッチ作動手段、スイッチ制御手段の一部)
30 電池状態判定部(電圧測定手段、スイッチ制御手段の一部)
FET1(スイッチ)
Claims (6)
- 自動車用鉛電池から作動電源が供給され、前記鉛電池の電池状態を検知する電池状態検知装置において、
前記鉛電池からの作動電源を遮断するためのスイッチと、
予め設定された設定値以上の前記鉛電池の電圧降下により前記スイッチを一時的にオン状態とするスイッチ作動手段と、
前記スイッチ作動手段により前記スイッチがオン状態となった後、前記鉛電池の電圧を所定時間毎に測定する電圧測定手段と、
前記電圧測定手段で測定された電圧に基づいて、前記スイッチのオン状態を確保するように制御するスイッチ制御手段と、
を備え、前記スイッチ制御手段は、エンジン始動による前記鉛電池の一定時間内の所定値以上の電圧降下を検知後、一定時間内に前記鉛電池の電圧が自動車の充電制御電圧に到達したかを判断し、肯定判断のときに、前記スイッチを継続的にオン状態に制御し、否定判断のときに、一定時間内に自動車の充電制御電圧>前記鉛電池の電圧≧前記鉛電池の公称電圧、かつ、該電圧領域における前記鉛電池の最大電圧と前記鉛電池の最小電圧との差が所定値以上の状態が一定時間継続したかを判断し、肯定判断のときに、前記スイッチを継続的にオン状態に制御し、否定判断のときに前記スイッチをオフ状態に制御することを特徴とする電池状態検知装置。 - 前記スイッチ作動手段が前記スイッチをオン状態とする設定値は、50mV〜300mVであることを特徴とする請求項1に記載の電池状態検知装置。
- 前記スイッチ制御手段は、25m秒間に前記鉛電池が1.5V以上の電圧降下があるかを判断し、肯定判断のときに、前記エンジン始動による前記鉛電池の所定値以上の電圧降下を検知することを特徴とする請求項1に記載の電池状態検知装置。
- 前記スイッチ制御手段は、1分以内に前記鉛電池の電圧が13.5Vに到達したかを判定することにより、前記一定時間内に前記鉛電池の電圧が自動車の充電制御電圧に到達したかを判断するとともに、1分以内に、13.5V>前記鉛電池の電圧≧12.0V、かつ、該電圧領域における前記鉛電池の最大電圧と前記鉛電池の最小電圧との差が100mV以上の状態が1秒間継続したかを判定することにより、前記一定時間内に自動車の充電制御電圧>前記鉛電池の電圧≧前記鉛電池の公称電圧、かつ、該電圧領域における前記鉛電池の最大電圧と前記鉛電池の最小電圧との差が所定値以上の状態が一定時間継続したかを判断することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電池状態検知装置。
- 前記電圧測定手段は、5m秒以内の時間間隔で前記鉛電池の電圧を測定することを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の電池状態検知装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電池状態検知装置を備えた自動車用鉛電池。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007138872A JP2008290598A (ja) | 2007-05-25 | 2007-05-25 | 電池状態検知装置および自動車用鉛電池 |
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JP2007138872A Pending JP2008290598A (ja) | 2007-05-25 | 2007-05-25 | 電池状態検知装置および自動車用鉛電池 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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TWI549883B (zh) * | 2015-11-13 | 2016-09-21 | 遠東科技大學 | 自動回歸回收筒 |
JP7456640B2 (ja) | 2018-11-08 | 2024-03-27 | ▲黄▼ 永昇 | 自動車のバッテリーユニットとスーパーキャパシタとの間の電気的接続及び切断を制御する装置 |
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2007
- 2007-05-25 JP JP2007138872A patent/JP2008290598A/ja active Pending
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