JP2008290558A - 作業車輌 - Google Patents

Abstract

【課題】作業効率がよく、安全に路上走行が可能な作業車輌を提供する。
【解決手段】表示パネル１は、アナログ式メータ２と、液晶パネル３と、インジケータ６を有し、アナログ式メータ２は、外周側においてエンジン回転数を表し内周側において車速を表す目盛り５と、指針４とからなる。表示パネル１は、作業車輌が作業状態の際にはアナログ式メータ２にエンジン回転数を、液晶パネル３に車速を表示するように表示し、走行状態の際には、アナログ式メータ２に車速を、液晶パネル３にエンジン回転数を表示するように自動的に切換わる。
【選択図】図１

Description

本発明は、トラクタ等の作業車輌に係り、詳しくは、作業車輌の状態に応じて表示形式を切換え可能に構成された表示パネルに関する。

従来、複数の種類の計測値を指針にて表示するアナログ式メータ（アナログ式車輌用メータ）において、単一の目盛りからなる文字盤上で、複数の種類の計測値を任意に切換えて表示し、その表示する計測値を指標する発光表示部（発光素子）を点灯又は点滅させるように構成したものが案出されている（特許文献１参照）。

該特許文献１記載のアナログ式メータは、メータ本体とは別に設けられた操作スイッチによりエンジン回転数、水温、油温、加給圧の値の内から一つの値を任意に選択し、単一の目盛りからなる文字盤上に指針によって表示することが可能であると共に、その選択した計測値を示す発光表示部が点灯する。

また、任意に選択された計測値を表示中に、あらかじめ設定されたワーニング値を他の計測値が超えると、自動的に表示を他の計測値に切換えることも可能に構成されている。

一方、液晶パネルからなる表示パネル（メータパネル）において、４WDの設定モードに応じて自動的に表示計器を切換えるものも案出されている（特許文献２参照）。

この表示パネルは、走行時には車速を、作業時にはエンジン回転数、又はPTO軸回転数を液晶パネルに表示するように構成されている。

特開２００６−９８３７７号公報 特開２００４−９９９８号公報

しかし、特許文献１のアナログ式メータでは、複数の計測値を手動によって切換える必要があるため操作が煩雑であると共に、作業車輌にとって最も必要とされる車速とエンジン回転数の切換えをすることが出来なかった。

また、特許文献２のメータパネルは、液晶表示からなるものであり、エンジン回転数及び車速の変化及び変化量を瞬時に認識することが出来ず、様々な状況に対応した作業車輌の操作が難しかった。

そこで本発明は、作業車輌の作業状態、非作業状態に応じて表示パネルのアナログ式メータにエンジン回転数もしくは車速を表示させ、作業性が良く、かつ安全に路上走行可能な作業車輌を提供することを目的とする。

請求項１に係る発明は、運転席（１７）前方に、少なくとも指針（４）及び目盛り（５）で表示するアナログ式メータ（２）を有する表示パネル（１）を備えた作業車輌（１０）において、
エンジンの回転数及び車速を演算して出力する制御手段（３０）と、
作業状態か路上走行等の非作業状態かの判断に基づいて、作業状態の場合、前記アナログ式メータ（２）に前記制御手段（３０）からのエンジンの回転数を表示し、非作業状態の場合、前記アナログ式メータ（２）に前記制御手段（３０）からの車速を表示するように切換える表示切換え手段（３１，３２）と、を備えた、ことを特徴とする作業車輌（１０）にある。

請求項２に係る発明は、作業状態に必要とする車輌或いは作業機の各種自動制御を一括して作動状態にするか又は無効状態にするかに切換える自動切換え手段（８，３３）を備え、
前記表示切換え手段（３１，３２）は、前記自動切換え手段（８，３３）が作動状態にあるとき、前記エンジンの回転数を表示し、前記自動切換え手段（８，３３）が無効状態にあるとき、前記車速を表示するように切換えてなる、請求項１記載の作業車輌にある。

請求項３に係る発明は、前記表示パネル（１）に、発光表示する発光表示部（６）を設け、
前記表示切換え手段（３１，３２）が、前記車速を表示する場合に前記発光表示部（６）を発光し、前記エンジンの回転数を表示する場合、前記発光表示部（６）の発光を停止してなる、
請求項１又は２記載の作業車輌にある。

請求項４に係る発明は、前記アナログ式メータ（２）の目盛り（５）を、前記エンジンの回転数と車速とで異なる色に彩色し（５ａ，５ｂ）、
前記発光表示部（６）の発光色を、前記車速を表示する目盛り（５ｂ）の彩色と同色ないし近似する色に設定してなる、
請求項３記載の作業車輌にある。

請求項１に係る本発明によると、作業車輌は、通常、作業状態にあってはスロットルを最大トルク又は最大出力（定格回転数）に設定して、作業機の負荷に応じてエンジン回転数が所定値になるように走行変速するが、作業状態にあっては、変化及び変化量が解り易く目標設定が容易なアナログ式メータによって上記エンジン回転数を表示して、適正な作業状態の変速操作を容易に行うことができると共に、
路上走行等の非作業時にあっては、法定速度の遵守等により車速の表示が運転上必要となるが、路上走行にあっては、アナログ式メータに車速が表示されるので、適正な路上走行を行うことができ、
１個のアナログ式メータを用いることにより、表示パネルに見易い大きさでアナログ式メータを設置して、必要に応じて上述したように表示を切換えて、運転者は、容易かつ確実に適正な操作を行うことができる。

請求項２に係る本発明によると、作業状態で必要となる各種自動制御を一括して作動する自動切換え手段を設け、作業状態にあっては、該自動切換え手段により各種の自動制御を一括して作動状態にして、アナログ式メータによりエンジンの回転数或いはエンジンドロップ等の回転数変動を目視により容易かつ確実に認識して、作業精度及び作業効率の向上を図ることができると共に、
路上走行等の非作業状態にあっては、上記自動切換え手段により一括して各種自動制御を無効にして、車輌又は作業機が不測に動いたり、無用な作動をすることを防止して、オペレータは、アナログ式メータにより車速を目視することにより、安全に路上走行を行うことができる。

作業車輌の場合、路上走行等の非作業走行に比して、作業走行を行っている時間が圧倒的に多く、アナログ式メータにエンジンの回転数を表示する時間が、車速表示に比して圧倒的に長い。従って、請求項３に係る本発明によると、アナログ式メータがエンジンの回転数を表示する場合、発光表示部が発光しないので、無用な喚起をオペレータに与えずに、オペレータはエンジン回転数の表示を自然状態で認識し、また発光表示部の数を減らすと共に発光時間も大幅に減少して、コストダウン及び省エネルギ化をも図ることができる。

また、路上走行にあっては、通常の作業状態とは異なり、車速表示であることをオペレータに認識し、指針の表示する内容の誤認を防ぐことができる。

請求項４に係る本発明によると、車速表示の目盛りの彩色と、発光表示部の発光色とを同系統の色で表示するので、オペレータが自然に車速表示であることが認識でき、表示の内容の誤認を防ぐことができる。

以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図６に示すように、本実施の形態に係る作業車輌としてのトラクタ１０は、前輪１１及び後輪１２によって支持されている走行機体１３を有している。走行機体１３の前方中央部にはボンネット１４に覆われたエンジンが配置されており、ボンネット１４の後方にはキャビン２０に囲まれた運転部２１が設けられている。また、走行機体１３の後端には作業機を取付け可能な３点リンク機構１９が設けられている。

図７に示すように、運転部２１は、操作部１５と、その後方に運転席１７とを備えており、該操作部１５は、ステアリングハンドル１６と、ステアリングハンドル１６の前方に設けられた表示パネル１等によって構成されている。また、運転席１７の機体進行方向左側方には、主変速レバー１８が設けられており、トラクタ１０は該主変速レバー１８によって１６段階に変速される。

次に本発明の要部である表示パネル１について説明をする。図１に示すように表示パネル１は、アナログ式メータ２、液晶パネル３、該アナログ式メータ２が車速を表示していることを示すインジケータ（発光表示部）６及びその他の表示灯にて構成されており、メータパネル１の中央部に単一のアナログ式メータ２が配置され、その右側方に液晶パネル３、その下方にインジケータ６が配設されている。

アナログ式メータ２は、目盛り5からなる文字盤と、その文字盤上で値を指示する指針４とからなり、該目盛り５は、エンジン回転数を表示する外周側５aを白色に、車速を表示する内周側5bを橙色の、２色に塗り分けられている。また、インジケータ６は、発光素子によって点灯もしくは点滅可能に設けられており、車速を表示する内周側の目盛り５ｂの色彩と同系色（本実施の形態の場合は橙色）に発光する。

なお、目盛り５の色彩は、白色及び橙色に限定するものではなく赤色など他の色彩を使用してもよい。その際はインジケータ６も車速を表示する色彩と同系色に発光するように設けられる。更に、目盛り５は発光素子によって発光するように設けられても良い。

また、表示パネル１の機体左側下方には、４輪駆動への切換や、オートブレーキなどの制御に関する様々な操作スイッチ群９が設けられており、表示パネル１の機体右側下方には前輪増速制御、傾斜自動制御、耕深自動制御等の作業状態において作業機もしくは車輌に必要な各種自動制御を一括して作動状態もしくは無効状態にする、一括スイッチ（自動切換え手段）８が設けられている。トラクタ１０が、作業状態の場合は、一括スイッチ８によって各種自動制御が作動状態にされ、おまかせ側の発光素子８ａが点灯し、走行状態の場合、自動制御が無効状態にされ、走行側の発光素子８ｂが点灯する。

上記のように構成された表示パネル１を図２に示すブロック図に基づいて説明する。トラクタ１０は、コントローラＩ（制御手段）３０、コントローラII（自動切換え手段）３３、コントローラIII ３４、コントローラIV（表示切換え手段）３１、コントローラＶ（表示切換え手段）３２の５つのコントローラ（ＩＣチップ）と、エンジン回転センサ３０ａ、車軸回転センサ３０ｂ、ＰＴＯ回転センサ３０ｃ及びその他のセンサ３０ｄ等によって制御されている。

コントローラＩ３０は他の４つのコントローラ及び昇降アクチュエータ３０eと接続し、昇降又は姿勢制御をしており、コントローラIII ３４は、変速アクチュエータ３４ａ及びコントローラＩと接続し、ノンクラッチ変速制御を行っている。コントローラII３３は、一括スイッチ８等の操作スイッチ群３３ａと接続しており、一括スイッチ８の入切に基づいて、コントローラＩ３０を介して各種自動制御を一括して作業状態もしくは無効状態にしている。

また、コントローラＩ３０は、エンジン回転センサ３０ａ、車軸回転センサ３０ｂ、ＰＴＯ回転センサ３０ｃ、その他のセンサ３０ｄとも接続しており、各種センサからの出力信号に基づいて、エンジン回転数、車速及びPTO軸回転数を演算している。該コントローラＩは、演算したエンジン回転数、車速及びPTO軸回転数、かつコントローラII３３からの一括スイッチ８の入切に関する出力信号に基づくトラクタ１０の動作状態をコントローラIV３１へと出力する。

コントローラIV３１及びコントローラＶ３２は、表示パネル１の表示制御を行っており、コントローラIV３１は、コントローラＩ３０を介して入力された一括スイッチ８の入切信号に基づいて、コントローラＶ３２にアナログ式メータ２の表示についての信号を出力すると共に、液晶パネル３の表示及びインジケータ６の点灯を制御する。コントローラＶ３２は、コントローラIV３１からの出力信号に基づいてアナログ式メータ２の指針４を動作させる。

次に図３及び図４に基づいて、トラクタ１０が作業状態もしくは走行状態の際における表示パネル１の表示形式について説明する。図３に示すように作業状態における表示パネル１は、アナログ式メータ２にエンジン回転数を、液晶パネル３に車速３ａを表示している。また、液晶パネル３には、同時に車速の他にPTO軸の回転数３ｂ、変速段数３ｃ、水温計３ｄ、燃料計３eも表示されている。この際、アナログ式メータ２は、エンジン回転数を示しているため、インジケータ６は、非点灯状態にある。

一方、図４には、走行状態における表示パネル１が示されている。走行状態において、アナログ式メータ２は、車速を表示しており、図３において（作業状態において）車速が表示されていた液晶パネル部分３aには、エンジン回転数が表示されている。この際、アナログ式メータ２は、車速を表示しているため、インジケータ６は点灯している。

上記のように表示パネル１は、作業状態においては、アナログ式メータ２にエンジン回転数を、液晶パネル３には車速を表示し、走行状態においては、アナログ式メータ２に車速を、液晶パネル３にはエンジン回転数を表示するように設けられており、トラクタ１０の状態に応じて、背反的にエンジン回転数と車速をアナログ式メータ２及び液晶パネル３に表示する。

次に表示パネル１の作用について図５（ａ），(ｂ)に示すフローチャートに基づいて説明する。

オペレータがトラクタを始動すると、回転センサ３０ａ，３０ｂからコントローラＩ３０に信号が出力される。コントローラＩ３０は、回転センサ３０ａ, ３０ｂの情報を読み込み（Ｓ１）（Ｓ２）、エンジン回転数及び車速を算出する（Ｓ３）。

コントローラＩ３０において回転数の演算を行われると、コントローラII３３によって演算された一括スイッチ８の入切に基づいてトラクタ１０が作業状態か、走行状態（非作業状態）か、が判断される（Ｓ４）。トラクタ１０が作業状態と判断した場合、液晶パネル３には走行速度を表示し、アナログ式メータ２にはエンジン回転数を表示する（Ｓ５）信号をコントローラIV３１に出力する（Ｓ６）。

また、走行状態と判断した場合、液晶パネル３にはエンジン回転数を表示し、アナログ式メータ２には走行速度を表示する（Ｓ８）ようにコントローラIV３１へと信号を出力する（Ｓ６）。

コントローラＩ３０からの出力信号がコントローラIV３１に入力されると（Ｓ９）（S１０）、コントローラＩ３０から入力された信号に基づいてコントローラＶ３２に信号を出力し、アナログ式メータ２にエンジン回転数もしくは車速を表示させる（Ｓ１１）。

次にコントローラIV３１は、液晶パネル３及びインジケータ６の表示パターンが変化するかどうかを判断し（Ｓ１２）、表示パターンに変化がある場合は、所定時間経過した後に（Ｓ１３）液晶パネル３及びインジケータ６に新たな表示パターンを表示する（Ｓ１４）。また、表示パターンが変化しない場合、時間遅れなく液晶パネル３及びインジケータ６に出力をする（Ｓ１４）。

上記のように表示パネル１を構成したことにより、作業状態にあっては、一括スイッチ８を有効にし、各種の自動制御を一括して作動状態にして、アナログ式メータ２によりエンジンの回転数或いはエンジンドロップ等の回転数変動を目視により容易かつ確実に認識して、作業精度及び作業効率の向上を図ることができる。

一方、路上走行等の非作業状態にあっては、一括スイッチ８により一括して各種自動制御を無効にして、車輌又は作業機が不測に動いたり、無用な作動をすることを防止して、オペレータは、アナログ式メータ２により車速を目視することにより、安全に路上走行を行うことができる。

また、１個のアナログ式メータ２を用いることにより、表示パネルに見易い大きさでアナログ式メータ２を設置して、必要に応じて上述したように表示を切換えて、運転者は、容易かつ確実に適正な操作を行うことができると共に、表示パネル１の表示形式が変化する場合、液晶パネル３の表示をアナログ式メータ２の表示に対して所定時間遅れて表示することによって、アナログ式メータ２の表示と、液晶パネル３の表示を同期させて表示することが出来る。

更に、アナログ式メータ２の表示時間が長いエンジン回転数の際には、インジケータ６を発光させないことにより無用な喚起をオペレータに与えないと共に、発光時間も大幅に減少して、コストダウン及び省エネルギ化をも図ることができる。

車速表示の場合はインジケータ６を発光させ、車速表示であることをオペレータに認識させ、指針４の表示する内容の誤認を防ぐことができると共に、車速表示の目盛りの彩色と、発光表示部の発光色とを同系統の色で表示しているので、オペレータが自然に車速表示であることが認識でき、表示の内容の誤認を防ぐことができる。

表示パネル周りの文字盤側から見た正面図。 作業車輌の制御を表すブロック図。 表示パネルの作業状態における文字盤側から見た正面図。 表示パネルの走行状態における文字盤側から見た正面図。 （ａ）表示パネルの制御を示すフローチャート。（ｂ）表示パネルの表示制御を示すフローチャート。 作業車輌であるトラクタの側面図。 運転部の上面図。

符号の説明

１ 表示パネル
２ アナログ式メータ
４ 指針
５ 目盛り
５ａ エンジン回転数を表示する目盛り
５ｂ 車速を表示する目盛り
６ 発光表示部（インジケータ）
８，３３ 自動切換え手段（一括スイッチ，コントローラII）
１０ 作業車輌
１３ 機体
１７ 運転席
３０ 制御手段（コントローラＩ）
３１，３２ 表示切換え手段（コントローラIV，コントローラＶ）

Claims (4)

1. 運転席前方に、少なくとも指針及び目盛りで表示するアナログ式メータを有する表示パネルを備えた作業車輌において、
   エンジンの回転数及び車速を演算して出力する制御手段と、
   作業状態か路上走行等の非作業状態かの判断に基づいて、作業状態の場合、前記アナログ式メータに前記制御手段からのエンジンの回転数を表示し、非作業状態の場合、前記アナログ式メータに前記制御手段からの車速を表示するように切換える表示切換え手段と、を備えた、
   ことを特徴とする作業車輌。
2. 作業状態に必要とする車輌或いは作業機の各種自動制御を一括して作動状態にするか又は無効状態にするかに切換える自動切換え手段を備え、
   前記表示切換え手段は、前記自動切換え手段が作動状態にあるとき、前記エンジンの回転数を表示し、前記自動切換え手段が無効状態にあるとき、前記車速を表示するように切換えてなる、
   請求項１記載の作業車輌。
3. 前記表示パネルに、発光表示する発光表示部を設け、
   前記表示切換え手段が、前記車速を表示する場合に前記発光表示部を発光し、前記エンジンの回転数を表示する場合、前記発光表示部の発光を停止してなる、
   請求項１又は２記載の作業車輌。
4. 前記アナログ式メータの目盛りを、前記エンジンの回転数と車速とで異なる色に彩色し、
   前記発光表示部の発光色を、前記車速を表示する目盛りの彩色と同色ないし近似する色に設定してなる、
   請求項３記載の作業車輌。
   

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