JP2008290261A - 透湿防水性生地 - Google Patents

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Abstract

【課題】雨衣、登山衣、スポーツウェア、作業着等の各種衣料用に有用な、優れた防水性および快適性を示す、透湿防水性生地を提供する。
【解決手段】平均繊維径0.01〜1μmの極細繊維からなる繊維構造が少なくとも1層基材に積層されてなることを特徴とする耐水度が50kPa以上であり、透湿性が8000g/m・24hr以上、通気度が0.2cc/m・s以上の透湿防水性生地。極細繊維が、ポリウレタン重合体を主体とする重合体から形成されることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は雨衣、登山衣、スポーツウェア、作業着等の各種衣料用として用いられる透湿防水性能に優れた極細繊維により形成された繊維構造体を有する透湿防水性生地に関するものである。
透湿性と防水性をあわせもつ透湿防水性の生地は、身体からの発汗による水蒸気を衣服外へ放出する機能と、雨が衣服内に進入するのを防ぐ機能とを有し、スポーツ衣料や防寒衣料等の素材として使用されている。中でも運動に伴う発汗量の比較的多いスポーツやアウトドア、外部での作業のための衣料用素材として多く用いられており、特に、スキー、スノーボード、アスレチック、登山分野においては、今や必要不可欠な衣料素材となっている。
このような透湿性と防水性をあわせもった生地として、糸を高密度に織り込んだ高密度織物や、ポリウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の重合合成体よりなる樹脂膜を、生地片面にコーティングもしくはラミネートの手段で接着したんものが良く知られている。この中でも特に親水性を高めたポリウレタン系樹脂膜を生地片面に接着したものや、微多孔質のポリテトラフルオロエチレン系樹脂やポリウレタン系樹脂により形成された膜を生地片面に形成したものが、防水性、透湿性などの面で評価され、市場に多く受け入れられている。
具体的には親水性を高めたポリウレタン系樹脂膜を形成するため、フッ素編成性ポリウレタンと水不溶性、溶媒可溶性ポリアルキレンオキサイド編成物とを配合する方法(例えば特許文献1参照)等が試みられている。しかしながら、かかる透湿防水膜は、吸水した場合の膜面の膨潤による触感や耐久性に問題があるし、透湿性も十分なものではない。
また、微多孔質のポリテトラフルオロエチレン膜を積層した透湿防水生地も開示されている(例えば特許文献2参照)。これらは、耐水、透湿共にすぐれた性能を持つが、風合いが堅く、伸縮性が不十分なため、ストレッチ性が要求される生地への応用が難しい。
また、湿式凝固法により微多孔質のポリウレタン膜をコーティングにより直接生地片面に形成する方法(例えば特許文献3参照)や同方法で形成した微多孔質ポリウレタンフィルムを接着する事による、透湿防水性生地を得る方法(例えば特許文献4参照)が発表されている。しかしながら、これらについても、耐水性。透湿性が十分とはいえない。このように、耐水性、透湿性に優れ、更にストレッチ性をも有する透湿防水生地は得られていないのが現状である。
特開平11−49875号公報 特開平4−41778号公報 特公昭60−47955号公報 特開昭58−166036号公報
本発明はかかる事情を背景として鋭意検討した結果、達成されたものであり、雨衣、登山衣、スポーツウェア、作業着等の各種衣料用として用いられる優れた透湿性と防水性を兼ね備え、なおかつ風合いに優れた透湿防水性生地の提供を課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。即ち本発明は、(1)平均繊維径0.01〜1μmの極細繊維からなる繊維構造体を少なくとも1層、基材に積層されてなり、更に前記極細繊維からなる繊維構造体を保護する層を有することを特徴とする、耐水度が70kPa以上であり、透湿性が10000g/m・24hr以上の透湿防水性生地、(2)前記極細繊維からなる繊維構造体が、厚み2μm〜30μm、破断時の伸び率がタテ方向、ヨコ方向共に50%以上、20%伸長時のモジュラスがタテ方向、ヨコ方向共に0.7〜3.0Nであるであることを特徴とする(1)に記載の透湿防水性生地、(3)前記極細繊維が、ポリウレタン重合体を主体とする重合体から形成されていることを特徴とする(1)又は(2)記載の透湿防水性生地、(4)前記極細繊維からなる繊維構造体が不織布であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の透湿防水性生地、(5)前記極細繊維からなる繊維構造体が荷電紡糸法により形成された事を特徴とする、(1)〜(4)いずれかに記載の透湿防水性生地、(6)前記極細繊維からなる繊維構造体と生地がラミネートにより接着された事を特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の透湿防水性生地、(7)基材層に積層された極細繊維層の剥離強さが500cN以上であり、20回繰り返し洗濯処理後でも、積層体の剥がれが無いことを特徴とする(1)〜(6)いずれかに記載の透湿防水性布帛、(8)前記保護層が、樹脂コーティングにより形成されていることを特徴とする(1)〜(7)いずれかに記載の透湿防水性生地、(9)前記保護層が、樹脂を柄状に塗布されてなることを特徴とする(1)〜(8)いずれかに記載の透湿防水性生地、(10)前記保護層が、生地を貼り付けることにより形成されていることを特徴とする(1)〜(7)いずれかに記載の透湿防水性生地、である。
本発明の透湿防水性生地は、透湿性、防水性、耐久性に優れ、なおかつ積層体の優れた柔軟性、伸長特性により風合いにも優れた生地である。そのため、雨衣、登山衣、スポーツウェア、作業着等の伸縮性が要求される各種衣料用の生地として、非常に有用である。
以下本発明を具体的に説明する。
本発明の透湿防水性生地は、平均繊維径0.01〜1μmの極細繊維からなる繊維構造体が少なくとも1層基材に積層されてなり、耐水度が70kPa以上であり、透湿性が10000g/m・24hr以上の透湿防水性生地であることが好ましい。耐水圧が50kPa以上であれば、実用上十分な防水性能が確保できる。また、透湿性は10000g/m・24h以上であれば衣服として着用して活動時している状態での快適性が高くなる。特に、低発汗時の快適性への効果が大きい。そして平均繊維径0.01〜1μmの極細繊維から構成されることにより、透湿防水性を発現する微細孔を形成することができる一方で、従来の透湿防水膜に比して、風合いが格段に向上し、更に欠点の伝播がし難いため実用時の使用期間が延長されるという有利な効果も発揮する。より好ましい平均繊維径は0.05〜0.8μm、更に好ましくは0.1μm〜0.5μmである。
また、本発明の透湿防水性布帛は、更に前記極細繊維からなる繊維構造体を保護する層を有することが好ましい。保護層を設けることにより、製造工程、又は実用中における外部との接触から極細繊維層を有効に保護し、品質の安定化、耐久性向上を実現できるからである。
耐水度は、膜厚の調整により上げる事は出来るが、風合いが堅くなる。また耐水度を上げると透湿性、通気性も下がる傾向である。その点も含めて考慮すると、耐水度は500kPa以下である事がより望ましい。
本発明の透湿防水性基布は、前記極細繊維からなる繊維構造体が、厚みが2μm〜30μm、破断時の伸び率がタテ方向、ヨコ方向共に50%以上、20%伸長時のモジュラスがタテ方向、ヨコ方向共に0.7〜3.0Nであるであることが好ましい。かかる範囲であれば、加工性、実用上必要とされる耐水性・透湿性・強度を損なうことなく、優れた着用時の快適性、特にストレッチ性のある生地が得られるからである。より望ましくはタテ方向、ヨコ方向共に伸度60%以上、厚み3μm〜25μmである。
本発明の透湿防水性生地に用いる上記極細繊維からなる繊維構造体の素材としては、ポリウレタン系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、アクリル系重合体、シリコン系重合体、ポリオレフィン系重合体、ポリイミド系重合体などが挙げられる。物理特性や水分特性、柔軟性を考慮に入れると、ポリウレタン系重合体がより望ましい。
本発明の透湿防水性生地に用いる上記繊維構造体の具体的形態としては、編物、織物、不織布の形態が挙げられるが、特に不織布であることが好ましい。不織布であれば、3次元的に微細孔を形成し、柔軟性、風合いにも優れるからである。
本発明の透湿防水性生地に用いる上記繊維構造体の製造方法は特に限定されるものではないが、荷電紡糸法により紡糸することが好ましい。この方法により従来では製造出来なかったナノサイズの直径の繊維が作る事が可能である。この極細繊維を厚み方向に積層させる事により、防水性、透湿性に優れなおかつ、伸長性にも優れた多孔質積層体を作る事が出来る。これらの多孔質積層体は従来の多孔質膜に比べ、優れた耐水性、透湿性に加え、通気性も得る事が可能である。
複合紡糸法などによりえられた糸を不織布状に積層し、マトリクス層の洗浄処理や割繊処理をする事によっても同様の積層体の製造は可能であるが、複雑な工程となり、非常に煩雑でなおかつ高コストとなり、コスト面においても、荷電紡糸法は有利な製造方法である。
また、荷電紡糸法により積層表面に位置する極細繊維がランダムに配向される事により、ポリウレタンの様な粘弾性の高いポリマーの積層体にもかかわらず、表面のタッチがべたつかず滑らかになる効果も確認される。これらの事からも荷電紡糸により形成されたものの方が透湿防水性生地用の積層体としては望ましい。
極細繊維を含む積層体の場合、積層状態によっては、摩擦耐久性に劣る場合があるが、その場合においても、積層体を熱プレス処理(加圧熱処理)することにより、改善する事が可能である。この工程は、積層体の状態で行っても良いし、生地に接着させた後に行ってもよい。例えば離型紙上や生地上に極細繊維積層体を形成した直後や極細繊維層を生地に接着した直後、保護層の形成の直後などが考えられる。また、これらの工程は設備的に連続工程であってもよい。
加圧熱処理により、極細繊維のポリマーが軟化しながら圧力をかけられ、繊維表面で接着し、極細繊維積層体の耐久性を向上させることができる。これら加熱処理の条件は、極細繊維を形成するポリマーの構造により最適な温度があるが、耐久性に優れた透湿防水性生地を得るためには、100℃以上の温度で熱処理されることが望ましい。
本発明の防湿透水性生地は、基材層に積層された極細繊維層の剥離強さが500cN以上であり、20回繰り返し洗濯処理後でも、積層体の剥がれが無いことが好ましい。かかる防湿透水性生地であれば、実用時に剥がれ発生し難くなり、長期間耐水防水性を保持することができるからである。
本発明の透湿防水性生地に用いる上記極細繊維からなる繊維構造体と基材とはラミネート工程により接着される事が望ましい。接着剤をフィルム面に、全面もしくは、グラビア法やロータリー捺染法などにより非全面に均一に塗布し、生地と圧着させ接着する方法がある。極細繊維により形成された繊維構造体の特徴をより生かすためには、接着剤を非全面に均一に塗布した方法を用いる方が、透湿性や風合い面からも望ましい。例えばドット状、格子状に接着剤を塗布することが望ましい。
本発明の透湿防水性生地は、前記保護層が生地を貼り付けることによって形成されていることも好ましい形態の一つである。これにより、実用耐久性が向上するとともに、生地裏面の肌との接地部に隙間が形成され、発汗時のべたつきを改善することも可能である。また、生地の引裂強力や破裂強力を康応することになるからである。貼り付ける方法としては、接着剤を全面、若しくは、グラビア法やロータリー捺染法などにより非全面に均一に塗布し、記事と圧着させ接着する方法がある。透湿性、風合いを考慮すると、接着剤を非全面に均一に塗布した方法を用いることが好ましい。
保護層として貼り付ける生地としては、織物、丸編み生地、経編生地、不織布等いずれの形態であってもよい、繊維の種類としても特に制限はないが、強力、耐久性の面を考えると、ポリエチレンテレフタレートやナイロン6、ナイロン66のような合成繊維によりなることが好ましい。
本発明の透湿防水性生地は、樹脂コーティングにより保護層が形成されていることも好ましい形態の一つである。樹脂をコーティングすることにより、極細繊維構造体を保護する一方、耐水性も向上するからである。コーティングする樹脂は特に限定されるものではないが、ポリウレタン系重合体であれば、本発明の透湿防水性生地の優れた透湿性、柔軟性を維持しつつ、耐久性を向上させる上で好ましい。
また、本発明の透湿防水性生地は、保護層として樹脂を柄状(非全面)に塗布されてなることも好ましい形態の一つである。これにより、実用耐久性が向上するとともに、生地裏面の肌との接地部に隙間が形成され、発汗時のベタツキを改善することも可能となるからである。更に、柄状に塗布することにより、透湿性の低下を防ぐと共に、裏面の意匠性を付与することも可能となる。
本発明により得られた透湿防水性生地は防水性を向上する目的で撥水加工を施していても良い。この工程は、生地の段階で行っても良いし、生地に極細繊維を接着させた後に行ってもよい。
本発明の透湿防水性生地に用いる基材としては、織物でも丸編みや経編みの様なニットでもかまわない。織物の場合従来使用されている、透湿防水用の布帛同様、強力や摩耗性に優れた製品を得る事が出来る。また、ニットの場合、素材の持つ伸長性やソフト風合いを損なう事無く、透湿防水性を得る事ができる。
本発明に用いる基材の素材としては、合成繊維でも天然繊維でもかまわない。生地としての防水性能を考慮すると、合成繊維主体の生地の方が望ましい。合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66、などのポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、ポリイミド繊維などが考えられる。これらの単独もしくは組み合わせにより、作られた生地があげられる。
次に実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の評価については、以下の方法で測定したものである。
耐水度:JIS L1092 B法
透湿性:JIS L1099 A−1法
繊維経:走査型電子顕微鏡(SEM)により、極細繊維により形成された構造体の表面写真を撮影し、ランダムに20点の直径を測定し、平均値を算出した。
積層体の厚み:電子マイクロメータ ミリトロン1202D(Mahr社製)により測定した。
(実施例1〜3、比較例1 極細繊維構造体製造・基材積層例)
ポリウレタン系重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、溶液の濃度が50mg/mLになるように調整し、塗出速度10mL/h・Nz、印加電圧23kV、ノズルと離型紙の間の距離を25cmに設定し、荷電紡糸を行い、積層を繰り返し、極細繊維構造体を作成した。この極細繊維構造体を離型紙ごと熱プレス処理(約120℃)し、離型紙から剥がして極細繊維により形成された極細繊維構造体を作成した。この極細繊維構造体の厚みは9.0μm、極細繊維の繊維径は、180nmであった。
次に、経糸及び緯糸の双方にナイロンマルチフィラメント78デシテックス/96フィラメントを用い経糸密度120本/インチ 緯糸密度100本/インチの平織物を製織し、通常の方法により精錬、染色、乾燥セットを行い、接着用の生地を得た。
次に、グラビアロールを用いて熱溶融タイプのエステルポリウレタン系接着剤を上記ポリウレタン系極細繊維構造体に非全面に均一に塗布し、120℃のローラーを用い2kgf/cmの圧力をかけて接着し2日間放置し、片面に極細繊維構造体を形成した生地を作った。
(実施例1)
上記方法で作成した片面に極細繊維構造体を形成した生地の極細繊維構造体の上に、グラビアロールを用いて熱融着タイプのエステルポリウレタン系接着剤を非全面に均一に塗布し、ナイロンマルチフィラメント22デシテックス/6フィラメントを用いて作られたトリコットを接着し乾燥後、さらにフッ素系撥水剤水溶液でマングルパッド−乾燥処理、仕上げセットを行い、生地を得た。
生地の断面写真を図1.に記す。
(実施例2)
上記方法で作成した片面に極細繊維構造体を形成した生地の極細繊維構造体層の上に、透湿性ポリウレタン重合体をコーティング工程により形成し乾燥後、さらにフッ素系撥水剤水溶液でマングルパッド−乾燥処理、仕上げセットを行い、生地を得た。
(実施例3)
上記方法で作成した片面に極細繊維構造体層を形成した生地の極細繊維構造体層の上に、ポリウレタン重合体をロータリースクリーンを用いて、円形ドット状(ドット巾3mm ドット感覚1.5mm 占有面積約40%)に付着し乾燥後、さらにフッ素系撥水剤水溶液でマングルパッド−乾燥処理、仕上げセットを行い、生地を得た。
(比較例1)
上記方法で作成した片面に極細繊維構造体を形成した生地を保護層を作成する事なく、そのまま、フッ素系撥水剤水溶液でマングルパッド−乾燥処理、仕上げセットを行い、生地を得た。
(実施例4)
経糸及び緯糸の双方にポリエステルマルチフィラメント加工糸56デシテックス/96フィラメントを用い経糸密度170本/インチ 緯糸密度110本/インチの2/1ツイル織物を製織し、通常の方法により精錬、染色、乾燥セットを行い、接着用の生地を作成し、その上に直接、ポリウレタン系重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、溶液の濃度が50mg/mLになるように調整し、塗出速度10mL/h・Nz、印加電圧23kV、ノズルとの間の距離を25cmに設定し、荷電紡糸を行い、積層を繰り返し、極細繊維構造体を形成した。
この構造体を生地ごと熱プレス処理(約150℃)して極細繊維により形成された積層体を片面に持つ生地を作った。走査型電子顕微鏡により、この積層体の厚みおよび極細繊維の繊維径を測定したところ、積層体の厚み4.0μm、極細繊維の繊維径は、230nmであった。さらにこの生地の極細繊維層の上に、グラビアロールを用いて熱融着タイプのエステルポリウレタン系接着剤を非全面に均一に塗布し、ナイロンマルチフィラメント22デシテックス/6フィラメントを用いて作られたトリコットを接着し乾燥後、さらにフッ素系撥水剤水溶液でマングルパッド−乾燥処理、仕上げセットを行い、生地を得た。
(比較例2)
経糸及び緯糸の双方にナイロンマルチフィラメント78デシテックス/96フィラメントを用い経糸密度120本/インチ 緯糸密度100本/インチの平織物を製織し、通常の方法により精錬、染色、乾燥セットを行い、接着用の生地を作成した。
次に、親水性成分としてポリエチレンオキサイドを共重合したポリウレタン系重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、離型紙上にコンマコーターにより均一厚みに塗布し、さらに80℃で10分乾燥させ親水性ポリウレタン系無孔質フィルムを作った。このフィルムにグラビアロールを用いて熱溶融タイプのエステルポリウレタン系接着剤を非全面に均一に塗布し、120℃のローラーを用い、2kgf/cm2の圧力をかけて接着し2日間放置し、離型紙を剥がし、フッ素系撥水剤でマングルパッド−乾燥処理、仕上げセットを行い、親水性ポリウレタンラミネート生地を得た。
(比較例3)
上記、親水性ポリウレタンラミネート生地の製造工程において、撥水処理前にグラビアロールを用いて熱融着タイプのエステルポリウレタン系接着剤を非全面に均一に塗布し、ナイロンマルチフィラメント22デシテックス/6フィラメントを用いて作られたトリコットの保護層を接着して、ラミネート生地を得た。それ以外の工程は比較例2と同様で行った。
(比較例4)
上記、親水性ポリウレタンラミネート生地の製造工程において、親水性ポリウレタン系重合体の代わりに疎水性のポリウレタン系重合体を用いた。それ以外の工程は比較例2と同様で行った。
生地の性能比較を表1に記す。
本発明のポリウレタン系極細繊維構造体が片面に付着した生地は、耐久性、防水性、透湿性に優れ、実使用での耐久性、着用快適性に優れた生地となった。
本発明により、雨衣、登山衣、スポーツウェア、作業着等の各種衣料用に有用な、優れた透湿性、防水性、柔軟性を持つ生地の提供が可能となり、産業界に寄与すること大である。
本発明の透湿防水性生地の断面写真である。
符号の説明
1:保護層
2:極細繊維構造体層
3:基材層

Claims (10)

  1. 平均繊維径0.01〜1μmの極細繊維からなる繊維構造体を少なくとも1層、基材に積層されてなり、更に前記極細繊維からなる繊維構造体を保護する保護層を有することを特徴とする、耐水度が70kPa以上であり、透湿性が10000g/m・24hr以上の透湿防水性生地。
  2. 前記極細繊維からなる繊維構造体が、厚みが2μm〜30μm、破断時の伸び率がタテ方向、ヨコ方向共に50%以上、20%伸長時のモジュラスがタテ方向、ヨコ方向共に0.7〜3.0Nであるであることを特徴とする請求項1に記載の透湿防水性生地。
  3. 前記極細繊維が、ポリウレタン重合体を主体とする重合体から形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の透湿防水性生地。
  4. 前記極細繊維からなる繊維構造体が不織布であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の透湿防水性生地。
  5. 前記極細繊維からなる繊維構造体が荷電紡糸法により形成された事を特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の透湿防水性生地。
  6. 前記極細繊維から成る繊維構造体と生地がラミネートにより接着された事を特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の透湿防水性生地。
  7. 基材層に積層された極細繊維層の剥離強さが500cN以上であり、20回繰り返し洗濯処理後でも、積層体の剥がれが無いことを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の透湿防水性布帛。
  8. 前記保護層が、樹脂コーティングにより形成されていることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の透湿防水性生地。
  9. 前記保護層が、樹脂を柄状に塗布されてなることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の透湿防水性生地。
  10. 前記保護層が、生地を貼り付けることにより形成されていることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の透湿防水性生地。
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