JP2008290080A - 鋼板のレーザ溶接方法及び溶接装置 - Google Patents

鋼板のレーザ溶接方法及び溶接装置 Download PDF

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【課題】大きなエネルギーを有するレーザを用いたレーザ突き合わせ溶接において、溶接部のくぼみを抑制するとともに、溶接の効率を低下させることなく、良好な溶接品質を得ることができるレーザの溶接方法、及びレーザ溶接装置を提供する。
【解決手段】光ファイバにより伝送されるレーザを用いて突き合わされた鋼板を溶接する方法であって、レーザが最初に鋼板に接する部分のレーザ断面における強度分布から、該断面の総エネルギー量に対してm%、及びn%のそれぞれのエネルギーを有する部分の直径Dm及びDnと、それぞれの該部分のエネルギー密度Em、及びEnと、を得て、Em/En、及びDm/Dnが所定の値を満たすようにレーザの焦点位置を調整して溶接することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋼板のレーザ溶接方法及び溶接装置に関する。
レーザ溶接は、その伝送方式の観点から、レーザ発振器から溶接用集光光学系までレーザをミラーで伝送するミラー伝送、及び光ファイバを用いて伝送するファイバ伝送に大別することができる。ミラー伝送については、発振器内でリングモードやマルチモードと称されるエネルギー分布状態を作り、この分布状態を概ね維持しながら伝送し、溶接加工性を高めることが可能である。しかし、配置されるミラーの光軸調整、清浄度の維持等のメンテナンスが必要であり、使用及び維持について煩雑な面を有している。一方、ファイバ伝送によれば、容易に高い自由度を有してレーザ発振器からレーザを所定の位置まで伝送することが可能である。
このように発振器からレーザ加工用の集光光学系までの伝送が容易なレーザは、従来、比較的低いエネルギーのレーザが主流であり、例えば自動車用の薄鋼板を対象として、テーラードブランク溶接(突き合せ溶接)等に広く利用されている。しかし、近年、ファイバ伝送が可能な高出力レーザの開発とともに、溶接速度をはじめとする溶接効率の向上や、さらに厚鋼板への適用が期待されている。
ところで、レーザによる鋼板の突き合わせ溶接においてはその不具合として溶接部にアンダーフィルと称されるくぼみを挙げることができる。図5にくぼみを模式的に示した。これは図5からわかるように鋼板101と鋼板102との突き合わせ溶接において、溶接部103の一方側で溶接肉が欠落する部分(Z)が生じるものである。いうまでもなく、このようなくぼみは、溶接継手強度の低下を招く。
このようなくぼみの主因は、突き合せ面の隙間の発生であるが、レーザ出力が高い条件下では、発生するスパッタ(溶接時の溶融金属の飛散)による影響も大きい。特許文献1には、このような溶接時のくぼみの発生を抑制するため、レーザ溶接時にフィラーワイヤを用いる方法が提案され、さらに、特許文献2には、レーザ溶接とアーク溶接を複合して用いる方法が提案されている。一方、スパッタによるビードのくぼみの発生に対しては、レーザ出力を下げることや、焦点位置を大きくずらすこと(一般にディフォーカスと呼ばれ、以下「DF」と記載することがある。)により対応する場合がほとんどであった。
特開2004‐330299号公報 特開2004‐223543号公報
ところが、特許文献1や特許文献2に記載のようなフィラーワイヤを用いる手法やアーク溶接と複合する手法では、管理項目が増え、調整が煩雑となり、レーザ出力の低下やDF条件の選定をすることはレーザ溶接の効率(溶接速度)の大きな低下を招く問題があった。
そこで、本発明は大きなエネルギーを有するレーザを用いたレーザ突き合わせ溶接において、溶接部のくぼみを抑制するとともに、溶接の効率を低下させることなく、良好な溶接品質を得ることができるレーザの溶接方法、及びレーザ溶接装置を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
発明者らは鋭意検討した結果、次のような知見を得た。ファイバによりレーザを伝送した場合にはその焦点におけるレーザ強度分布が、いわゆるトップハット型であるマルチモードとなることが知られている(図3(a)参照)。このモードのレーザを大きな出力で溶接に利用した場合にくぼみが生じることが多い。そこで、DFにより焦点位置以外のところで溶接をおこなえばこれを回避することができるが、単にDFをしたのみでは溶接効率が著しく低下してしまう。
発明者らはさらに検討を重ね、DFをした位置でのレーザ強度分布における所定部位のエネルギー密度及び直径を規定し、DFの条件を求めた。そしてこれにより溶接部のくぼみを抑制することができるとともに、溶接効率の低下を最小限に抑えることができることを見い出した。以上の知見から完成された発明は次の通りである。
請求項1に記載の発明は、光ファイバにより伝送されるレーザを用いて突き合わされた鋼板を溶接する方法であって、レーザが最初に鋼板に接する部分のレーザ断面における強度分布から、該断面の総エネルギー量に対してm%、及びn%のそれぞれのエネルギーを有する部分の直径Dm及びDnと、それぞれの該部分のエネルギー密度Em、及びEnと、を得て、Em/En、及びDm/Dnが所定の値を満たすようにレーザの焦点位置を調整して溶接することを特徴とする鋼板のレーザ溶接方法を提供することにより前記課題を解決する。
ここで、「レーザ断面における強度分布」とは該断面におけるレーザの強度分布を意味し、具体的には、レーザの強度分布は、図3(a)、図3(b)に例を示したように凸状を有している。さらに、図4(a)〜図4(c)は、図3に示すレーザの強度分布を模式的に示す図で、図4(a)は総エネルギーVo(斜線部)を説明する図、図4(b)は、総エネルギー量に対してm%のエネルギーを有する部分(斜線部Vm)とVmに対応するエネルギー分布の直径Dmを説明する図、図4(c)は、総エネルギー量に対してn%のエネルギーを有する部分(斜線部Vn)とVnに対応するエネルギー分布の直径Dnを説明する図で、いずれも紙面上下方向はレーザの強度(紙面上ほどエネルギーが高い。)を表す。図4(a)に示すように、「総エネルギーVo」は当該凸状の体積であり、「総エネルギー量に対してm%、及びn%のエネルギーを有する部分」とは、図4(b)、図4(c)に示すように、凸形状であるエネルギー分布の中心から、総エネルギー量Voに対して、m%のエネルギーを有する部分Vm、n%のエネルギーを有する部分Vnを意味する。また、エネルギー密度Emは、m%のエネルギーを有する部分Vmを面積(πDm/4)で除すことにより、エネルギー密度Enは、n%のエネルギーを有する部分Vnを面積(πDn/4)で除すことにより算出される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鋼板のレーザ溶接方法において、m、nが、30≦m≦70、n=86であることを特徴とする。
ここで、m%、n%は特に限定されるものではないが、より精度よく強度分布の態様を表すために30≦m≦70、n=86であることが好ましい。本発明の目的である溶接効率の低下を最小限に抑えつつ、溶接部のくぼみの発生を抑制することに対しては、レーザスポット全体のエネルギーの調和を図る必要がある。すなわち、mの値が小さすぎると、ビームの中心近傍の特性による影響を顕著に示し、逆に大きすぎると、ビーム全体の特性による影響を顕著に示すために、溶接効率の低下を最小限に抑え、かつ、くぼみを制御するために必要な適正な値を得られない可能性がある。またn=86は、当該溶接の分野において溶接性を表すために広く用いられていることから好ましい値とした。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の鋼板のレーザ溶接方法において、m、nが、m=50、n=86であり、E50/E86≧2.60、かつD50/D86≦0.65を満たすことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋼板のレーザ溶接方法において、レーザの伝送ファイバコア径、コリメーションレンズの焦点距離、集光レンズの焦点距離から下記式で算出されるレーザの焦点径が0.48mm以下であることを特徴とする。
レーザの焦点径=(伝送ファイバコア径)×(集光レンズの焦点距離)/(コリメーションレンズの焦点距離)
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋼板のレーザ溶接方法に供されるレーザ溶接装置(10)であって、光ファイバ(12)で伝送可能なレーザ(A)を発振するレーザ発振器(11)と、レーザ発振器から発振したレーザを伝送する光ファイバと、光ファイバの出力端に接続されレーザを溶接に適するように制御する溶接ヘッド(13)とを備えるレーザ溶接装置を提供することを課題とする。
これらの発明においては、例えば、出力が4kW以上のレーザ発振器を備えたレーザ溶接装置とすることができる。
本発明によれば、くぼみが発生しない条件で、かつ、高いエネルギー密度を有するレーザ部分で溶接することができるので、くぼみを抑制することができつつ、高い溶接効率を得ることが可能である。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
始めに、1つの実施形態に係る本発明のレーザ溶接装置10について説明する。図1に溶接装置10に備えられる各構成を模式的に示した。溶接装置10は、レーザ発振器11、光ファイバ12、及び溶接ヘッド13を備えている。そして溶接ヘッド13は、コリメーションレンズ14、及び集光レンズ15を含むものである。以下に各構成について説明する。
レーザ発振器11は、溶接熱源となるレーザを発振する装置である。本発明の溶接装置10でレーザ溶接に用いるレーザの種類は、光ファイバ12で伝送可能であれば特に限定されず、出力は4kW以上であることが好ましい。従って、レーザ発振器11はファイバ伝送が可能な当該レーザを発振することができればよい。このようなレーザを発振できるものとして、YAGレーザ、ディスクレーザ、ファイバレーザなどの発振器を挙げることができる。このように光ファイバで伝送することができるとともに、高出力を得ることが可能なレーザの使用により効率よく溶接をすることができる。
光ファイバ12は、レーザ発振器11から溶接ヘッド13にレーザを伝送する手段である。光ファイバの適用により容易にレーザを伝送することができ、維持も容易な溶接装置10を提供できる。光ファイバ12の径は特に限定されるものではないが、通常1.0mm以下のものが用いられ、集光光学系のサイズとエネルギー密度の観点から径は小さい方がよく、0.6mm以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.3mm以下である。
溶接ヘッド13は、光ファイバ12の出力端に接続され、伝送されたレーザを導入し、該レーザを溶接に適するように制御して溶接部に出射する手段である。溶接ヘッド13にはコリメーションレンズ14と集光レンズ15とが含まれ、上述した光ファイバ12の径、及び両レンズの焦点距離の比により焦点径が決まる。例えば、光ファイバ12の径を小さくするとともに、コリメーションレンズの焦点距離に対して集光レンズの焦点距離を小さくすることにより焦点径を小さくすることができる。
以上のような溶接装置10により溶接部におけるくぼみの発生を小さくしつつも効率のよい溶接をすることができる。
ここで、被溶接材1、2である鋼板の種類は特に限定されるものではなく、低炭素鋼、高炭素鋼、及び高張力鋼等を挙げることができる。また板厚についても特に限定されるものではないが、従来困難であった厚板の溶接が容易となり、特に板厚2mm以上で顕著な効果を有する。
次に本発明の1つの実施形態に係るレーザ溶接方法について説明する。本実施形態のレーザ溶接方法では、上記レーザ溶接装置10を用いて、所定の条件によるDFにより溶接が行われる。DFとは、焦点位置を鋼板表面からはずした条件で溶接を行うことである。以下に詳しく説明する。
図2には図1にAfで示した焦点付近におけるレーザの形状を模式的に表した。このようにレーザは集光レンズ15の作用により焦点位置X1でくびれるように集光し、その前後では焦点位置X1よりも大きな径を有するように広がる。DFでは、焦点位置X1から少しずらした位置である例えばX2で示した位置が鋼板の表面となるように設定して、溶接を行うものである。
図3には、焦点位置X1、及び位置X2におけるレーザの強度分布を3次元的に表した例を示した。図3(a)は焦点位置X1における強度分布、図3(b)は位置X2における強度分布を模式的に示したものである。焦点位置X1と位置X2とでは総エネルギー(強度分布の体積)は同じであるがその分布は異なる。具体的には、焦点位置X1ではいわゆるトップハット型の強度分布を有している。これはファイバ伝送によってレーザが伝送されることにより生じる形態である。一方、位置X2における強度分布は円錐形状である。
本発明では当該強度分布が所定の形状である位置X2で溶接をおこなうもので、これにより溶接部に生じるくぼみを抑制しつつ効率の良い溶接を可能とする。具体的には、図4に示した強度分布の2次元図を参照しつつ説明する。図4(a)〜図4(c)は上述したように、図3に示すレーザの強度分布を模式的に示す図で、図4(a)は総エネルギーVo(斜線部)を説明する図、図4(b)は、総エネルギー量に対してm%のエネルギーを有する部分(斜線部Vm)とVmに対応するエネルギー分布の直径Dmを説明する図、図4(c)は、総エネルギー量に対してn%のエネルギーを有する部分(斜線部Vn)とVnに対応するエネルギー分布の直径Dnを説明する図で、いずれも紙面上下方向はレーザの強度(紙面上ほどエネルギーが高い。)を表す。
はじめに、図4(a)〜図4(c)に示したように総エネルギー量Voに対してm%、n%のエネルギー量Vm、Vnを有する部位を選択する。次にm%のエネルギーを有する部分Vmを面積(πDm/4)で除すことによりエネルギー密度Emを、n%のエネルギーを有する部分Vnを面積(πDn/4)で除すことによりエネルギー密度Enを算出する。そしてこれらエネルギー密度(Em、En)、及び直径(Dm、Dn)に関し、Em/En、及びDm/Dnを算出して、これらが所定の値を満たす強度分布を有する位置X2で溶接をする。
ここで選択される2箇所のm%、n%の部分は特に限定されるものではないが、より精度よく強度分布の態様を表すために30≦m≦70、n=86であることが好ましい。mの値が小さすぎると、ビームの中心近傍の特性による影響を顕著に示し、逆に大きすぎると、ビーム全体の特性による影響を顕著に示すために、溶接効率の低下を最小限に抑え、かつ、くぼみを抑制するために必要な適切な値を得られない可能性がある。またn=86は、当該溶接の分野において溶接性を表すために広く用いられていることから好ましい値とした。
そしてm=50、n=86とした場合におけるE50/E86、及びD50/D86の値はそれぞれ、
E50/E86≧2.60
D50/D86≦0.65
を満たすことが好ましい。
以上のように本発明のレーザ溶接方法により、溶接部のくぼみを抑制しつつも効率のよい溶接を提供することができる。
次に実施例によりさらに詳しく説明する。ただし、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例では、焦点位置からのずれ量、すなわちDFに相当する量と、各ずれ量におけるE50/E86、D50/D86の値等と、そのときの溶接部のくぼみ量との関係を試験した。表1〜表3に条件及び結果を示した。ここで表1は集光レンズの焦点距離が200mmの場合、表2は250mmの場合、表3は350mmの場合である。以下に詳しく説明する。
各表の項目は次のように得られる。
・伝送ファイバ径:使用した伝送ファイバのコア径であり、0.3mmである。
・焦点距離:コリメーションレンズ、及び集光レンズの焦点距離(mm)である。
・焦点径:焦点におけるレーザの径であり、
(伝送ファイバコア径)×(集光レンズ焦点距離)/(コリメ−ションレンズ焦点距離)
から算出される。
・焦点位置からのずれ量:レーザ照射側の鋼板表面と焦点との距離である。
・E50、D50、E86、D86:上記定義した方法で得られる値である。
・くぼみ量:鋼材表面からくぼみのもっとも深い位置までの距離の板厚に対する割合である。
・評価:くぼみ量が10%以下である場合を○、10%を超える場合を×とした。
Figure 2008290080
Figure 2008290080
Figure 2008290080
使用したレーザは出力10kWのファイバレーザである。
これら表1〜表3からわかるように、集光レンズのいずれの焦点距離においても、ずれ量は異なるものの、くぼみ量が抑制され、○評価を得ることができる範囲がある。これを整理すると、E50/E86≧2.60、かつ、D50/D86≦0.65を満たすことによりくぼみ量が抑制される。
また、焦点位置における焦点径に注目してみると、焦点径が小さい程少ないずれ量で上記条件を満たすことがわかる。そして表1の試番6、表2の試番16、及び表3の試番28、すなわち上記条件を満たすずれ量の中で最も少ない場合において、エネルギー密度(E50、E86)を比較すると、焦点径が最も小さい表1の例が高いエネルギー密度を有していることがわかる。従って焦点径を小さくすることにより、高いエネルギー密度を備えつつ上記条件を満たすことができるので、さらに溶接速度等の溶接効率を上げることが可能となる。
以上、現時点において最も実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う、鋼板のレーザ溶接方法、及びレーザ溶接装置も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1つの実施形態に係る本発明のレーザ溶接装置の模式図である。 レーザ焦点位置付近のレーザ形状を模式的に示す図である。 レーザの所定位置におけるレーザ強度分布である。 図4(a)は総エネルギーVo(斜線部)を説明する図、図4(b)は、総エネルギー量に対してm%のエネルギーを有する部分(斜線部Vm)とVmに対応するエネルギー分布の直径Dmを説明する図、図4(c)は、総エネルギー量に対してn%のエネルギーを有する部分(斜線部Vn)とVnに対応するエネルギー分布の直径Dnを説明する図である。 溶接部のくぼみを説明するための図である。
符号の説明
1 被溶接材(鋼材)
2 被溶接材(鋼材)
10 レーザ溶接装置
11 レーザ発振器
12 伝送ファイバ
13 溶接ヘッド
14 コリメーションレンズ
15 集光レンズ

Claims (5)

  1. 光ファイバにより伝送されるレーザを用いて突き合わされた鋼板を溶接する方法であって、
    前記レーザが最初に前記鋼板に接する部分のレーザ断面における強度分布から、該断面の総エネルギー量に対してm%、及びn%のそれぞれのエネルギーを有する部分の直径Dm及びDnと、それぞれの該部分のエネルギー密度Em、及びEnと、を得て、
    Em/En、及びDm/Dnが所定の値を満たすように前記レーザの焦点位置を調整して溶接することを特徴とする鋼板のレーザ溶接方法。
  2. 前記m、nが、30≦m≦70、n=86であることを特徴とする請求項1に記載の鋼板のレーザ溶接方法。
  3. 前記m、nが、m=50、及びn=86であり、
    E50/E86≧2.60、かつ D50/D86≦0.65を満たすことを特徴とする請求項1に記載の鋼板のレーザ溶接方法。
  4. 前記レーザの伝送ファイバコア径、コリメーションレンズの焦点距離、集光レンズの焦点距離から下記式で算出されるレーザの焦点径が0.48mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋼板のレーザ溶接方法。
    レーザの焦点径=(伝送ファイバコア径)×(集光レンズの焦点距離)/(コリメーションレンズの焦点距離)
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋼板のレーザ溶接方法に供されるレーザ溶接装置であって、
    光ファイバで伝送可能なレーザを発振するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から発振したレーザを伝送する光ファイバと、
    前記光ファイバの出力端に接続されレーザを溶接に適するように制御する溶接ヘッドと、を備えるレーザ溶接装置。
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