JP2008290062A - 触媒担体、触媒、触媒担体の製造方法、および触媒の製造方法 - Google Patents

触媒担体、触媒、触媒担体の製造方法、および触媒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期活性および長期活性共に優れた触媒を実現できる触媒担体、および触媒活性成分が高分散した触媒の提供。
【解決手段】触媒担体は、比表面積が1700m/g以上の活性炭を1600〜2500℃で加熱して製造された炭素材である。触媒は、その炭素材と、この炭素材に担持されている触媒活性成分を有する。この触媒を製造するには、炭素材、触媒活性を示す金属を有する金属化合物、および水を含む混合液を180℃以下の熱源で加熱して蒸発させる工程と、この工程後の触媒担体を水素含有ガス雰囲気に置いてその担体表面の金属を還元する工程とを有する方法を使用すると良い。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池の電極触媒用担体として特に好適に使用することができる触媒担体、これを担体とする触媒、およびこれらの製造方法に関するものである。
燃料電池は、環境に調和した高効率な発電システムとして注目を集めている。なかでもプロトン伝導性の固体高分子を電解質として使用する固体高分子型燃料電池は、常温でも作動する上に高い出力密度が得られるため、自動車用電源、定置型電源、モバイル機器(ノートパソコンや携帯電話等)用電源などの次世代電源として大きな期待が寄せられている。固体高分子型燃料電池の中でも、メタノールを燃料とした直接型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cells)は、小型、軽量化が可能であり、民生用電源としての実用化および普及に向けて、高性能化の開発が進められている。
固体高分子型燃料電池は、一対の電極と該電極間に配置する高分子電解質を構成部材に有している。そして電極は、触媒活性成分である白金または白金合金などの貴金属または貴金属合金、および触媒活性成分を担持する導電性カーボン担体を一般的構成部材に有する。周知の通り、燃料電池の発電は、各電極における電気化学反応(以下、「電極における電気化学反応」を「電極反応」という)により生じる。例えば、水素が供給された場合の燃料極(アノード)では、下記化学反応式(1)で表される反応が生じ、メタノールが供給された場合の燃料極では、下記化学反応式(2)で表される反応が生じる。
2→2H++2e- (1)
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e- (2)
各電極反応を効率良く生じさせるためには、高分子電解質、電極、および燃料または空気で構成される三相界面を効率良く形成させて、触媒の利用率を向上させることが必要と言われている。この必要な三相界面が形成されれば、燃料または空気と触媒との接触面積が大きくなると共に、アノードで生成する水素イオンが円滑にカソードに移動する。また、電極において、触媒活性成分が触媒担体表面上に高分散していると、各電極反応の効率が良化する。
電極反応の効率を高める技術が種々の文献に開示されている。例えば特許文献1には、触媒担体として、全細孔における直径60Å以下の細孔が20%以下である炭素粉末を使用することが開示され、特許文献2には、所定の含フッ素有機酸を添着した活性炭と導電剤と含フッ素イオン交換樹脂とを含有する電極用材料が開示され、特許文献3には、フラーレンの製造過程においてフラーレンの抽出操作により生じた残渣物および/またはその誘導体を含む触媒担体が開示されている。また、非特許文献1には、触媒担体である炭素の比表面積が大きな程、触媒活性成分が炭素(触媒担体)表面に高分散して電極反応の効率が高まることが記載されている。
ところで、燃料電池においては、初期の電極反応効率を向上させることだけではなく、長期間の電極反応効率の向上も求められている。電極反応を長期間高効率とする技術としては、例えば特許文献4に、カーボンブラック又は活性炭を1800〜2500℃で加熱処理して製造された所定の物性値を示す触媒担体が開示されている。この触媒担体の比表面積は、高い電極反応効率を実現するため、70〜800m/g(好ましくは100〜600m/g)であると記載されている。しかしながら、特許文献4に記載された技術により初期および長期の電極反応効率を高めることができるとしても、これらの効率を更に向上させることが望まれる。つまり、初期活性および長期活性共に極めて優れる触媒を実現できる技術提供が望まれる。
また、先に述べた通り、触媒活性成分が担体表面に高分散すると電極反応の効率が高まることが知られており、触媒活性成分の分散性が良い触媒が望まれる。特許文献4および5には、次の開示がある。先ず特許文献4には、上記所定の物性値を示す触媒担体を白金塩等の溶液に混合し、加熱することで白金塩を担体上に析出させ、この担体を洗浄、乾燥した後に水素ガス等で還元し、更に、不活性ガス中で熱処理して得られた触媒が開示されている。次に特許文献5には、白金化合物であるジニトロジアンミン白金硝酸溶液と、還元剤であるエタノールを使用し、還元温度と還元時間を制御して得られた触媒が開示されている。特許文献4、5等に開示されているように、様々な触媒の製造方法が知られているが、触媒成分が高分散した触媒を得るためには、触媒活性成分の担体への担持を、その担体の種類に応じて最適化する必要がある。
特開2000−100448号公報 特許第3446064号公報 特開2004−223311号公報 特開2000−268828号公報 特許第3516734号公報 多田智行,燃料電池システムにおける電極触媒,自動車技術,59巻,第2号,2005,p105
本発明は、上記事情に鑑み、初期活性および長期活性共に優れた触媒を実現できる触媒担体、触媒活性成分が高分散した触媒の提供を目的とする。
本発明者が燃料電池の出力性能を向上させるべく触媒担体について鋭意検討した結果、比表面積が所定値以上の活性炭を所定温度範囲で加熱して得られる炭素材を触媒の担体に使用すると、初期触媒活性だけでなく長期触媒活性も高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、比表面積が1700m/g以上の活性炭を1600〜2500℃で加熱して製造された炭素材からなる触媒担体である。前記炭素材の平均細孔径は、2.5〜4.0nmであることが好ましい。前記炭素材は、その比表面積が800m/gを超えるものであることが好ましい。前記炭素材の平均粒子径は、1〜5μmであることが好ましい。前記触媒担体は、燃料電池の電極に使用することが好適である。
本発明は、前記触媒担体と該担体に担持されている触媒活性成分とを有する触媒である。当該触媒における触媒活性成分の比表面積は、60〜130m/gであると良く、この触媒活性成分は、白金または白金合金であると良い。
本発明は、前記触媒を使用して製造された燃料電池である。
本発明は、炭素材からなる触媒担体の製造方法であって、比表面積が1700m/g以上の活性炭を1600〜2500℃に加熱する炭素材からなる触媒担体の製造方法である。この製法における加熱温度は、炭素材の比表面積が800m/gを超える温度が好ましい。前記触媒担体の製造方法は、燃料電池の電極に使用される触媒担体の製法として好適である。
本発明は、本発明に係る触媒担体、触媒活性を示す金属を有する金属化合物、および水を含む混合液を180℃以下の熱源で加熱して蒸発させる工程と、当該工程後の触媒担体を水素含有ガス雰囲気に置いて当該担体表面の金属を還元する工程とを有する触媒の製造方法である。前記金属を還元する工程において、水素含有ガス雰囲気を1〜10℃/分で昇温させ、200〜500℃の水素含有ガス雰囲気で前記金属の還元を行えば、触媒活性を示す金属の分散性が一層向上する。
本発明に係る触媒担体は、比表面積が所定値以上の活性炭を所定範囲の温度で加熱して製造されているので、長期および初期の活性に優れた触媒を実現することができる。当該触媒担体が燃料電池に使用された場合には、初期および長期の燃料電池出力が優れる。
また、本発明に係る触媒は、触媒活性成分の分散性に優れ、燃料電池用触媒として好適である。
本発明の触媒担体について以下に説明する。
本発明に係る触媒担体は、比表面積が所定値以上の活性炭を所定範囲の温度で加熱して得られる炭素材である。当該触媒担体である炭素材は、多孔質であって、触媒活性成分を高分散で担持できる上、耐酸化性にも優れる。
触媒担体の原料である活性炭としては、比表面積が1700m/g以上の活性炭が使用される。活性炭の比表面積が1700m/gよりも低い程、初期および長期の触媒活性が低くなる傾向があるためである。なお、比表面積が1700m/g以上の活性炭において、その比表面積が大きな程、触媒担体の比表面積および細孔容積が大きくなる。活性炭の比表面積の下限値は、2000m/gが好ましく、2500m/gが更に好ましい。一方、比表面積の上限値は、特に限定されるものではないが、一般に入手することができる活性炭の比表面積上限である3300m/gであると良い。なお、活性炭の比表面積とは、窒素吸着等温線を測定するBET法により求められる値である。
上記活性炭は、炭素質物質を賦活処理して製造することができる。当該方法の詳細は、次の通りである。
炭素質物質には、炭化、賦活などにより活性炭を生成するものを一種または二種以上選択して使用すると良い。例えば、木材、おが屑、木炭、ヤシガラ、セルロース系繊維、合成樹脂(例えばフェノール樹脂)等の難黒鉛化性炭素;メソフェーズピッチ、ピッチコークス、石油コークス、石炭コークス、ニードルコークス、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、PAN等の易黒鉛化性炭素;およびこれらの混合物等が炭素質物質に該当する。好ましい炭素質物質は、耐酸化性に一層優れた触媒担体を得るため、賦活処理した炭素質物質(活性炭)を加熱する後の工程において活性炭の構造が結晶構造に移行し易い易黒鉛化性炭素である。ここで「易黒鉛化性炭素」とは、絶対温度が3300K前後の高温処理により黒鉛に変換できる非黒鉛質炭素をいう。
賦活処理は、炭素質物質表面に細孔を形成させて、比表面積および細孔容積を大きくする処理であり、一般的にはガス賦活処理および薬品賦活処理に分類される。本発明においては、比表面積が1700m/g以上の活性炭を製造することに適した薬品賦活処理を選択することが好ましい。
薬品賦活処理について更に説明する。
薬品賦活処理では、炭素質物質と賦活剤とを混合し、この混合物を加熱する。ここでの混合物の加熱は、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気下;または減圧下(真空中);等で行われる。
薬品賦活で使用する賦活剤には、リン酸、硫酸、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫化カリウム、およびアルカリ金属化合物等の一種または二種以上を選択して使用すると良い。この賦活剤は、必要に応じて、賦活剤水溶液として使用される場合がある。賦活剤として使用されるアルカリ金属化合物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;硫酸カリウム、硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属の硫酸塩;が挙げられる。ここで例示したアルカリ金属化合物のうち、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物を賦活剤として使用することが好ましく、更に好ましくは水酸化カリウムである。
炭素質物質との混合における賦活剤の量は、少なすぎると活性炭の比表面積を1700m/g以上にすることができず、賦活剤の量が多いほど活性炭の比表面積が大きくなる傾向があることから、所望の比表面積の活性炭を得るために適宜設定される。炭素質物質に対する賦活剤の質量比(賦活剤の質量/炭素質物質の質量)は、概ね0.5〜10であると良く、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4である。なお、賦活剤の混合比率が多すぎる場合には、活性炭密度の低密度化を招く場合がある。
薬品賦活における加熱温度は、低いと賦活が進まず、余りに高いと装置の材料の腐食が起こり実用的でないので、400〜900℃であると良く、好ましくは500〜900℃、更に好ましくは600〜900℃である。
なお、加熱時間は、炉内全体が均一な到達温度となるように設定すれば良く、特に限定されない。通常は、5時間以内の加熱時間である。
薬品賦活においては、得られた活性炭表面に賦活剤等の残存物(例えば、賦活剤にアルカリ金属水酸化物を選択した場合には、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属化合物の反応生成物)が存在するので、その残存物を洗浄除去する。このとき、有機溶剤、酸、および水等から選択した一種または二種以上の混合液を洗浄液として使用すると良い。洗浄後には、活性炭の細孔内部に洗浄液が残留することになる。当該洗浄液を容易に除去するためには、真空乾燥することが好ましい。
次に、触媒担体を得るための活性炭の加熱について説明する。
活性炭の加熱は、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気下;または減圧下(真空中);等で行われる。また、酸素等の酸化性ガスが加熱時の炭素質物質の雰囲気ガスに混入する場合がある。この混入の影響を抑えるには、炭素質物質よりも酸化し易い炭素と共存(例えば、易酸化性炭素を炭素質物質周囲に置くことや、易酸化性炭素で製造された坩堝を使用する)させて加熱を行うと良い。活性炭の加熱は、三相界面(高分子電解質、電極、および燃料または空気で構成される界面)を形成させるために不適当な活性炭のミクロ孔を減少させる操作としても有効である。
上記のように活性炭の加熱を不活性ガス雰囲気や減圧下で行うのは、活性炭の黒鉛化調整や触媒担体表面の官能基調整のためである。なお、加熱により黒鉛結晶構造が発達した炭素材(触媒担体)は、耐酸化性に優れる。
活性炭を加熱する温度の下限は、長期間に亘って活性に優れた触媒を実現するために、1600℃(好ましくは1700℃)である。一方、加熱温度が高温になるほど触媒担体の比表面積が低下し、あまりに高温度であると触媒活性成分が分散するための触媒担体の比表面積が低くなりすぎるので、加熱温度の上限は、2500℃(好ましくは2300℃、より好ましくは2000℃、更に好ましくは1900℃)である。このような加熱温度範囲であれば、平均細孔径が2.5〜4.0nmとなり、触媒担体表面の官能基量が適正になる。
以上の通り、活性炭を加熱することにより炭素材からなる触媒担体が得られる。触媒担体の比表面積は、800m/gを超える。また、加熱温度が高い場合には、触媒担体の比表面積は、概ね200m/g以上である。このように、比表面積は、上述した活性炭の加熱温度で制御できる。なお、触媒担体の比表面積とは、窒素吸着等温線を測定するBET法により求められる値である。
上記触媒担体の平均粒子径は、1〜5μmであることが好ましい。5μmより大きいと触媒担体としての有効表面積が減少し、1μmより小さいと電極化の際のスラリー状態が悪くなる恐れがあるからである。ここで、触媒担体の平均粒子径とは、試料を水に分散し、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて求められるメジアン径である。
担持される触媒活性成分の直径が通常約3nm程度であるため、平均細孔径は、触媒活性成分を十分に担持可能な2.5〜4.0nmであると良い。ここで平均細孔径の値には、細孔の形状をシリンダー状と仮定し、次式(1)に基づいた算出値を採用する。
本発明に係る触媒は、本発明に係る触媒担体の表面に触媒活性成分を担持させたものである。
上記触媒活性成分は、公知の触媒活性を示す金属であれば特に限定されない。例えば、白金族元素(白金、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム)、レニウム、金、銀、及び、これらの合金などを挙げることができる。好ましくは、白金または白金を必須としている合金である。
触媒における触媒活性成分の比表面積は、60〜130m/gであると良い。この触媒活性成分の比表面積には、パルスインジェクション法による一酸化炭素ガスの吸着量から求めた値を採用する。
触媒活性成分の担持方法としては、(1)触媒活性成分である金属の溶液に触媒担体を分散し、さらに還元剤を加えて、該溶液中の金属イオンを還元して、触媒担体に金属を析出させる方法;(2)触媒担体を分散させた触媒活性成分の溶液を加熱撹拌して、触媒活性成分を触媒担体上に析出させた後に、ろ過、洗浄、乾燥などを適宜行い、水素ガスなどにより還元処理する方法;など、特に限定されない。
本発明者等が上記(2)の方法を検討した結果、次の方法に従って本発明に係る触媒担体に触媒活性成分を担持させれば、活性成分が高分散することを見出した。その方法は、触媒担体、触媒活性を示す金属を有する金属化合物、および水を含む混合液を所定温度の熱源で加熱して蒸発させる工程と、当該工程後の触媒担体を水素含有ガス雰囲気に置いて当該担体表面の金属を還元する工程とを有する。この方法における各工程の詳細は、次の通りである。
先ず、蒸発工程について説明する。
触媒活性を示す金属を有する金属化合物として公知の金属化合物から、本工程で使用する金属化合物を選択する。好ましい金属化合物は、白金を有する金属化合物であり、例えば、ヘキサクロロ白金酸、ジニトロジアンミン白金、ヘキサアンミン白金クロライド、テトラアンミン白金クロライド、テトラアンミン白金水酸塩などが挙げられる。金属化合物の量は、特に限定されないが、過剰であると触媒成分の比表面積が小さくなることがある。そのため、金属化合物の量は、触媒担体2質量部に対する触媒活性を示す金属の量が5質量部以下になる量であると良く、3質量部以下になる量が好ましく、2.5質量部以下になる量が更に好ましい。また、金属化合物の量が少なすぎると、触媒における活性成分量が少なくなりすぎてしまうので、金属化合物の量は、触媒担体2質量部に対する触媒活性を示す金属の量が1質量部以上になる量であると良い。
蒸発工程における混合液は、上記の通り、触媒担体、金属化合物、および水が含まれている。この混合液には、通常、硝酸等の酸により酸性を示すものが使用される。
上記蒸発を行う際には、混合液を加熱すると共に撹拌することができる装置を使用すると良い。この装置としては、例えば、撹拌装置を取り付けた混合槽や、混合槽自体が回転するロータリーエバポレータが挙げられる。
混合液を加熱するための熱源温度の上限は、この温度が高すぎると触媒活性成分の分散性が悪くなるので、180℃以下である。上限温度は、160℃以下であると好ましく、130℃以下であるとより好ましい。一方、熱源温度の下限は、混合液中の水分を短時間で蒸発させることができる90℃であると良い。
次に還元工程について説明する。
本工程では、蒸発工程後の触媒担体表面の金属を水素ガスに接触させることにより、その金属を還元する。この還元された金属が触媒活性成分となる。
水素が100%のガスを使用して触媒担体表面の金属の還元を行っても良いが、安全性を考慮して、水素の爆発下限値以下に濃度が調整された水素含有ガスを使用することが好ましい。不活性ガスにより希釈すれば、ガス中の水素濃度を調整できる。
還元を実行するための装置としては、担体表面の金属と水素ガス気流が効率的に接触し、生成した水を排出可能な炉であれば特に限定されず、例えば管状炉が挙げられる。
金属の還元において触媒担体が置かれる雰囲気の温度は、金属が還元される温度に応じて適宜決定される。但し、温度が低すぎると還元されなかった金属や分解生成物が残ることがあり、温度が高すぎるとシンタリングによって金属粒子が成長することがあるので、200〜500℃が通常である。
上記の通り200〜500℃の雰囲気で触媒担体表面の金属を還元するが、触媒担体を始めから200℃〜500℃の雰囲気に置いても良く、その温度以下の常温等の雰囲気に触媒担体を置いた後に、雰囲気温度を上昇させても良い。後者の雰囲気温度を上昇させる方法が好ましい。この温度を上昇させる方法における昇温速度は、特に限定されないが、好ましくは1〜10℃/分、より好ましくは1〜5℃/分、更に好ましくは1〜3℃/分である。1℃/分未満であると、金属粒子径が大きくなると共に金属の比表面積が小さくなり、10℃/分を超えると、金属化合物の分解による急激なガス発生が安全上問題となるからである。
本発明における触媒担体および触媒は、以上の通りである。上記触媒担体は、燃料電池の電極触媒用担体として使用することが好適であり、特に固体高分子型燃料電池の電極触媒用担体に使用することが好適である。本発明に係る触媒担体を燃料電池の電極触媒用担体に使用すれば、電極における反応効率向上に必要な担体表面上における触媒活性成分の高分散、および効率の良い三相界面形成を実現できる。その結果、動作開始当初の出力(初期出力)に優れる上、長期動作時の出力(長期出力)にも優れる燃料電池を実現できる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
触媒担体原料(活性炭A、活性炭B、活性炭C、活性炭D、市販の活性炭、またはカーボンブラック)を加熱して、実施例1〜8、および比較例1〜8の触媒担体を製造した。使用した活性炭A〜Dおよび触媒担体の製造方法の詳細は、次の通りである。
なお、活性炭および触媒担体における比表面積、平均細孔径、細孔分布、平均粒子径、およびX線回折の測定等は、次の通り行った。比表面積および平均細孔径は、窒素吸着装置(マイクロメリティックス社製ASAP−2400)を使用し、BET法で求めた。細孔分布は、同窒素吸着装置を使用し、同装置の解析ソフトに基づいたBARRETT-JOYNER-HALENDA法(BJH法)で算出した。平均粒子径は、試料を水に分散し、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製SALD−2000)を用いてメジアン径を測定した。X線回折は、X線回折測定装置(Spectris社製X’Pert PRO型、X線源:Cu−Kα線(波長1.54Å)、出力:40KV40mA、操作軸:θ/2θ、測定モード:Continuous、測定範囲:2θ=20〜30°、取り込み幅:0.01°、走査速度:5.0°/min.)を使用し、標準シリコンを加えて測定した。
(活性炭A)
石油コークスと水酸化カリウムとを、無水基準質量比(KOH/石油コークス)3.5で混合した。この混合物を、窒素雰囲気下で800℃まで加熱して賦活処理を行った後、常温まで放冷して、活性炭Aを製造した。次に活性炭Aの表面の水酸化カリウムを除去するため、活性炭Aに希塩酸水溶液を加えて煮沸し、活性炭Aをろ過分離した。そして、活性炭A表面の塩酸を除去するため、活性炭Aに脱イオン水を加えて煮沸後、活性炭Aをろ過分離し、更に乾燥した。この乾燥後の活性炭Aを触媒担体製造用の活性炭とした。活性炭Aの比表面積は3100m2/g、平均細孔径は2.3nm、細孔分布チャートは図1に示す通りである。
(活性炭B)
石油コークスと水酸化カリウムとを、無水基準質量比(KOH/石油コークス)1.1で混合した。この混合以外は活性炭Aと同様にして活性炭Bを製造した。また、活性炭B表面の水酸化カリウム除去、および活性炭B表面の塩酸除去も、活性炭Aと同様に行った。活性炭Bの比表面積は1820m2/g、平均細孔径は2.1nmであった。
(活性炭C)
石油コークスと水酸化カリウムとを、無水基準質量比(KOH/石油コークス)1.4で混合した。この混合以外は活性炭Aと同様にして活性炭Cを製造した。また、活性炭C表面の水酸化カリウム除去、および活性炭C表面の塩酸除去も、活性炭Aと同様に行った。活性炭Cの比表面積は1490m2/g、平均細孔径は2.0nmであった。
(活性炭D)
フェノール樹脂(エア・ウォーター株式会社製「ベルパール」)を700℃で4時間加熱して調製した炭素質物質と水酸化カリウムとを、無水基準質量比(KOH/炭素質物質)2.3で混合した。この混合以外は活性炭Aと同様にして活性炭Dを製造した。また、活性炭D表面の水酸化カリウム除去、および活性炭D表面の塩酸除去も、活性炭Aと同様に行った。そして、塩酸除去後の活性炭Dを遊星ボールミルで1μmに粉砕した。この粉砕した活性炭Dを触媒担体製造用の活性炭とした。なお、前記粉砕を行った活性炭Dの比表面積は1700m2/g、平均細孔径は2.6nmであった。
(実施例1)
活性炭Aをアルゴン雰囲気下の炉内に置き、炉内温度が2500℃になるまで炉を運転させ、その温度を5時間保持した後、炉の運転を停止させた。炉内温度が室温に低下後、加熱された活性炭A(触媒担体)を炉内から取り出し、室温まで自然冷却した。この冷却後、触媒担体を遊星ボールミルで3μmに粉砕した。得られた実施例1の触媒担体の比表面積は260m2/g、平均細孔径は3.3nmであった。
(実施例2)
炉内温度が2000℃となるまで炉を運転した以外は実施例1と同様にして、実施例2の触媒担体を製造した。実施例2の触媒担体の比表面積は300m2/g、平均細孔径は3.2nmであった。また、細孔分布チャートは、図1に示す通りである。
(実施例3)
炉内温度が1770℃となるまで炉を運転した以外は実施例1と同様にして、実施例3の触媒担体を製造した。実施例3の触媒担体の比表面積は990m2/g、平均細孔径は2.6nmであった。また、細孔分布チャートは、図1に示す通りである。
(実施例4)
実施例3と同様にして実施例4の触媒担体を製造した。実施例4の触媒担体の比表面積は990m2/g、平均細孔径は2.6nmであった。
(実施例5)
炉内温度が1600℃となるまで炉を運転した以外は実施例1と同様にして、実施例5の触媒担体を製造した。実施例5の触媒担体の比表面積は1420m2/g、平均細孔径は2.6nmであった。
(実施例6)
活性炭Aを活性炭Bに置き換えた以外は、実施例3と同様にして実施例6の触媒担体を製造した。実施例の触媒担体の比表面積は810m2/g、平均細孔径は2.5nmであった。
(実施例7)
活性炭Dをアルゴン雰囲気下の炉内に置き、炉内温度が2300℃になるまで炉を運転させ、その温度を5時間保持した後、炉の運転を停止させた。炉内温度が室温に低下後、加熱された活性炭D(触媒担体)を炉内から取り出し、室温まで自然冷却した。この冷却した触媒担体を実施例7の触媒担体とした。実施例7の触媒担体の比表面積は270m2/g、平均細孔径は3.5nmであった。
(実施例8)
炉内温度が1600℃になるまで炉を運転した以外は実施例7と同様にして、実施例8の触媒担体を製造した。実施例8の触媒担体の比表面積は1020m2/g、平均細孔径は2.8nmであった。
(比較例1)
活性炭Aを燃料電池用触媒担体として市販されている導電性カーボンブラック(比表面積が1300m2/g、平均細孔径が6.7nm)に置き換えた以外は、実施例2と同様にして比較例1の触媒担体を製造した。比較例1の触媒担体の比表面積は250m2/g、平均細孔径は8.5nmであった。
(比較例2)
活性炭Aを燃料電池用触媒担体として市販されている導電性カーボンブラック(比表面積が1300m2/g、平均細孔径が6.7nm)に置き換えた以外は、実施例3と同様にして比較例2の触媒担体を製造した。比較例2の触媒担体の比表面積は590m2/g、平均細孔径は7.7nmであった。
(比較例3)
活性炭Aを燃料電池用触媒担体として市販されている導電性カーボンブラック(比表面積が250m2/g、平均細孔径が3.9nm)に置き換えた以外は、実施例3と同様にして比較例3の触媒担体を製造した。比較例3の触媒担体の比表面積は80m2/g、平均細孔径は6.4nmであった。
(比較例4)
活性炭Aを市販の活性炭(カーボンテック社製ヤシガラ活性炭「商品名アマソーブ」、比表面積が1310m2/g、平均細孔径が1.7nm)に置き換えた以外は、実施例2と同様にして比較例4の触媒担体を製造した。比較例4の触媒担体の比表面積は10m2/g、平均細孔径は測定不能であった。
(比較例5)
活性炭Aを活性炭Cに置き換えた以外は、実施例3と同様にして比較例5の触媒担体を製造した。比較例5の触媒担体の比表面積は280m2/g、平均細孔径は2.3nmであった。
(比較例6)
炉内温度が2800℃となるまで炉を運転した以外は実施例1と同様にして、比較例6の触媒担体を製造した。比較例6の触媒担体の比表面積は20m2/g、平均細孔径は測定不能であった。
(比較例7)
炉内温度が1500℃となるまで炉を運転した以外は実施例1と同様にして、比較例7の触媒担体を製造した。比較例7の触媒担体の比表面積は2410m2/g、平均細孔径は2.4nmであった。
上記実施例1〜8および比較例1〜7の触媒担体以外に、次の比較例8の触媒担体を製造した。
(比較例8)
活性炭Aを遊星ボールミルで3μmに粉砕し、比較例8の触媒担体を製造した。比較例8の触媒担体の比表面積は3100m2/g、平均細孔径は3.5nmであった。
実施例および比較例の触媒担体は、以上の通りである。X線回折結果を表すチャートを、実施例3および比較例2を代表例として図2に示す。図2に示す通り、活性炭を加熱して製造した実施例3の触媒担体には黒鉛結晶を示す(002)面のピークが認められるが、カーボンブラックを加熱して製造した比較例2の触媒担体には、(002)面のピークが認められない。
実施例および比較例の触媒担体の評価を、これら触媒担体を使用して製造した触媒を使用して行った。触媒の製造方法および評価方法の詳細は、次の通りである。
(触媒調製例1)
実施例1〜3、実施例5〜8、比較例1〜8の触媒担体を使用して、次の通り触媒を調製した。45gのジニトロジアンミン白金硝酸溶液(田中貴金属社製、白金含有量4.5質量%)に、2gの触媒担体を混合し、これを撹拌後、還元剤としてエタノール11mlを添加した。この溶液を撹拌しながら6時間還流した後、白金を担持させた触媒担体(触媒)をろ過採取した。そして、触媒を洗浄、乾燥した。なお、得られた触媒の白金担持量は、全てが50質量%であった。
(触媒調製例2)
実施例4の触媒担体を使用して、次の通り触媒を調製した。実施例4の触媒担体に、触媒の白金担持量が50質量%となるジニトロジアンミン白金硝酸溶液を含浸した。この含浸後の触媒担体を室温で乾燥後、450℃の水素雰囲気下に30分間置いて、触媒を調製した。
(触媒担体の評価)
燃料電池用触媒性能の評価に有効であり、燃料電池性能と相関性があると報告されている回転電極法(S.Lj.Gojkovic,S.K.Zecevic and R.F.Savinell “O2 Reduction on an Ink-Type Rotating Disk Electrode Using Pt Supported on High-Area Carbon” J.Electrochem.Soc., 145, 3713(1998)参照)により触媒担体の評価を行った。
つまり、触媒の初期活性評価として、(1)上記触媒調製例に従って製造した触媒0.15gと5%ナフィオン溶液(アルドリッチ社製)1.6gとを混合した後、超音波により触媒を分散させて触媒ペーストを作製し、(2)回転グラッシーカーボンディスク電極(北斗電工製、塗布面積0.196cm2)に、触媒ペースト6μlを塗布・乾燥固定して回転電極を作製し、(3)回転電極を酸素で飽和した0.1M硫酸水溶液中に浸漬すると共に、銀/塩化銀電極を参照電極として同じく浸漬し、(4)回転電極を1500rpmで回転させながら、酸素還元電流と電極電位の関係を測定した。
また、触媒の長期活性の評価として、上記触媒の初期活性評価における(1)〜(3)の操作を行い、次いで、電極電位1.0Vを5時間維持させるように回転電極を回転させた後、上記触媒の初期活性評価における(3)〜(4)の操作を行った。
触媒担体の評価結果を表1に示す。
表1の評価結果から次のことを確認することができる。
(1)比表面積が1700m/g以上の活性炭を1600〜2500℃で加熱して製造した触媒担体(実施例1〜8)は、カーボンブラックを1600〜2500℃で加熱して製造した触媒担体(比較例1〜3)よりも初期触媒活性および長期触媒活性に優れていた。
(2)上記(1)の優れた活性は、活性炭の加熱温度が1600〜2500℃の範囲内であれば足りるものではなく、活性炭の比表面積が1700m/g以上でなければならない。このことは、比表面積が1700m/g未満の活性炭を使用した比較例4および5の初期触媒活性および長期触媒活性が、カーボンブラックを使用した場合(比較例1〜3)よりも劣っていたことから確認することができる。
(3)活性炭の比表面積が1700m/g以上であるが、加熱温度が2500℃を超える比較例6は、実施例1〜8よりも初期触媒活性および長期触媒活性が劣っていただけではなく、カーボンブラックを原料とする比較例1〜3よりも初期触媒活性および長期触媒活性が劣っていた。
(4)活性炭の比表面積が1700m/g以上であるが、加熱温度が1600℃未満である比較例7は、実施例1〜8よりも初期触媒活性および長期触媒活性が劣っていた。
(5)活性炭の比表面積が1700m/g以上であるが、加熱しなかった比較例8は、実施例1〜8よりも初期触媒活性および長期触媒活性が劣っていた。
以下に示す通り、実施例9の触媒担体を製造し、この担体を使用して触媒9a〜9kを製造した。
なお、後記白金の粒子径および比表面積は、ユアサアイオニクス社製「CHEMBET-3000」を使用し、パルスインジェクション法による一酸化炭素ガスの吸着量から求めたものである。また、透過型電子顕微鏡(TEM)写真は、日立製作所社製電界放射型透過電子顕微鏡「HF-2000」を使用し、加速電圧200V、ビーム径1nmの条件で観察したものである。
(実施例9)
石油コークスと水酸化カリウムとを、無水基準質量比(KOH/石油コークス)3.5で混合した。この混合物を、窒素雰囲気下で800℃まで加熱して賦活処理を行った後、常温まで放冷して、活性炭Eを製造した。次に活性炭Eの表面の水酸化カリウムを除去するため、活性炭Eに希塩酸水溶液を加えて煮沸し、活性炭Eをろ過分離した。そして、活性炭E表面の塩酸を除去するため、活性炭Eに脱イオン水を加えて煮沸後、活性炭Eをろ過分離し、更に乾燥した。この乾燥後の活性炭Eを触媒担体製造用の活性炭とした。活性炭Eの比表面積は3200m2/gであった。活性炭Eをアルゴン雰囲気下の黒鉛発熱体を備える炉内に置き、炉内温度が1800℃になるまで炉を運転させ、その温度を5時間保持した後、炉の運転を停止させた。炉内温度が室温に低下後、加熱された活性炭E(触媒担体)を炉内から取り出し、室温まで自然冷却した。この冷却後、触媒担体を遊星ボールミルで平均粒子径3.2μmに粉砕した。得られた実施例9の触媒担体の比表面積は1020m2/gであった。
(触媒9a)
フラスコ内にジニトロジアンミン白金硝酸水溶液(石福金属興業社、白金含有量5.0質量%)41gと、触媒担体2gとを仕込み、当該フラスコを95℃のオイルバスに浸漬し、フラスコ内の混合液を撹拌しつつ水分を蒸発させた。更に、横型管状電気炉で窒素で5%に希釈した水素ガス気流中で、室温から0.5℃/分の昇温速度で300℃まで加熱し、1時間保持した。触媒9aにおける白金の比表面積は54.4m2/g、粒子径は5.1nmであった。
(触媒9b)
水素還元時において昇温速度1℃/分とした以外は、触媒9aと同様にして触媒9bを調製した。触媒9bにおける白金の比表面積は92.5m2/g、粒子径は3.0nmであった。また、触媒9bに対する白金担持量は、50質量%であった。この触媒のTEM写真を図3に示す。
(触媒9c)
水素還元時において昇温速度10℃/分とした以外は、触媒9aと同様にして触媒9cを調製した。調製過程において、触媒9cの一部がフラスコから噴きこぼれた。触媒9cにおける白金の比表面積は82.6m2/g、粒子径は3.4nmであった。
(触媒9d)
水素還元時において昇温速度2.5℃/分で400℃まで加熱したこと以外は、触媒9aと同様にして触媒9dを調製した。触媒9dにおける白金の比表面積は86.9m2/g、粒子径は3.2nmであった。
(触媒9e)
水素還元時において昇温速度2.5℃/分で200℃まで加熱したこと以外は、触媒9aと同様にして触媒9eを調製した。触媒9eにおける白金の比表面積は86.9m2/g、粒子径は3.2nmであった。
(触媒9f)
フラスコをロータリーエバポレータに変え、オイルバスの温度を120℃に変え、水素還元時における昇温速度1℃/分に変えた以外は、触媒9aと同様にして触媒9fを調製した。触媒9fにおける白金の比表面積は92.1m2/g、粒子径は3.0nmであった。
(触媒9g)
オイルバスの温度を160℃に変えた以外は、触媒9fと同様にして触媒9gを調製した。触媒9gにおける白金の比表面積は78.9m2/g、粒子径は3.5nmであった。
(触媒9h)
オイルバスの温度を200℃に変えた以外は、触媒9fと同様にして触媒9hを調製した。触媒9hにおける白金の比表面積は49.0m2/g、粒子径は5.6nmであった。
(触媒9i)
ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を93g使用し、水素還元時における昇温速度を1℃/分とした以外は、触媒9aと同様にして触媒9iを調製した。触媒9iにおける白金の比表面積は61.0m2/g、粒子径は4.6nmであった。また、触媒9iに対する白金担持量は、72質量%であった。触媒9iのTEM写真を図4に示す。
(触媒9j)
ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を27g使用し、水素還元時における昇温速度を1℃/分とした以外は、触媒9aと同様にして触媒9jを調製した。触媒9jにおける白金の比表面積は128.2m2/g、粒子径は2.2nmであった。また、触媒9jに対する白金担持量は、40質量%であった。
(触媒9k)
フラスコ内にジニトロジアンミン白金硝酸水溶液41gと、触媒担体2gとを仕込み、フラスコ内を混合後、更に還元剤としてエタノール11mlを添加した。フラスコを95℃のオイルバスに浸漬し、フラスコ内の混合液を撹拌しつつ6時間還流した。室温まで冷却させたフラスコの内容物を濾過分離し、洗浄、乾燥することにより、触媒9kを得た。触媒9kにおける白金の比表面積は52.1m2/g、粒子径は5.9nmであった。また、触媒9kに対する白金担持量は、50質量%であった。触媒9kのTEM写真を図5に示す。
(触媒9l)
ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液の使用量を93gとしたこと以外は、触媒9kと同様にして触媒9lを調製した。触媒9lにおける白金の比表面積は14.6m2/g、粒子径は19.1nmであった。また、触媒9lに対する白金担持量は、理論上70質量%となるものであるが、60質量%であった。つまり、担持させることができなかった白金が、濾過分離での濾液に含まれていたことを示している。
(参考触媒)
カーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル社製「ケッチェンブラック」)を1800℃で加熱処理したものを触媒担体として使用した。この触媒担体を使用し、水素還元時における昇温速度を1℃/分とした以外は、触媒9aと同様にして参考触媒を調製した。参考触媒における白金の比表面積は38.3m2/g、粒子径は7.3nmであった。
以下に白金の比表面積、粒子径等の一覧表を示す。
表2から次のことを確認できる。
(1)蒸発温度(Pt化合物溶液の蒸発温度)を180℃以下とした触媒9a〜9gは、200℃とした触媒9hよりも、Ptの比表面積が優れること。
(2)ガス中で還元した触媒9a〜9g、9i、9jは、液中で還元した触媒9k、9lよりも比表面積が優れること。
実施例2、実施例3、および活性炭Aの細孔分布チャート。 実施例3および比較例2のX線回折チャート。 触媒9bをTEM観察したときの写真である。 触媒9iをTEM観察したときの写真である。 触媒9kをTEM観察したときの写真である。

Claims (14)

  1. 比表面積が1700m/g以上の活性炭を1600〜2500℃で加熱して製造された炭素材からなる触媒担体。
  2. 前記炭素材の平均細孔径が2.5〜4.0nmである請求項1に記載の触媒担体。
  3. 前記炭素材の比表面積が800m/gを超える請求項1または2に記載の触媒担体。
  4. 前記炭素材の平均粒子径が1〜5μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒担体。
  5. 燃料電池の電極に使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒担体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒担体と、該担体に担持されている触媒活性成分とを有する触媒。
  7. 前記触媒活性成分の比表面積が、60〜130m/gである請求項6に記載の触媒。
  8. 前記触媒活性成分が、白金または白金合金である請求項6または7に記載の触媒。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の触媒を使用して製造された燃料電池。
  10. 炭素材からなる触媒担体の製造方法であって、比表面積が1700m/g以上の活性炭を1600〜2500℃に加熱する炭素材からなる触媒担体の製造方法。
  11. 前記炭素材の比表面積が800m/gを超える請求項10に記載の触媒担体の製造方法。
  12. 前記炭素材が燃料電池の電極に使用される請求項10または11に記載の触媒担体の製造方法。
  13. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒担体、触媒活性を示す金属を有する金属化合物、および水を含む混合液を180℃以下の熱源で加熱して蒸発させる工程と、当該工程後の触媒担体を水素含有ガス雰囲気に置いて当該担体表面の金属を還元する工程とを有する触媒の製造方法。
  14. 前記金属を還元する工程において、水素含有ガス雰囲気を1〜10℃/分で昇温させ、200〜500℃の水素含有ガス雰囲気で前記金属の還元を行う請求項13に記載の触媒の製造方法。
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