JP2008289916A - 画像診断支援装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 多値化手段によって医用画像を多値化し、その多値化画像に基づいて陰影の中心座標などを求め、その中心座標を基準にして医用画像や多値化画像に種々の画像処理を施して病巣候補と思われものを判別すようにした。例えば、陰影中心付近を基準点として所定長の半径を回転させて医用画像や多値化画像中の陰影の画素値を順次サンプリングし、そのサンプリング画素値に基づいて陰影が病巣候補陰影であるか否かの種々の判別処理を行う。サンプリング画素値がループ状の場合、そのループの代表値と予め病巣陰影について取得した基準値とを比較して判別する。また、各ループ間の相関に基づいても判別する。
【選択図】 図2
Description
CPU40は、CT装置によって撮影された患者のCT画像の中から図4の患者名に対応する患者のCT画像20(図3(a1))を磁気ディスク44から読み込む。
CPU40は、読み込まれたCT画像の中から診断対象臓器に対して多値化処理を施し、図3(b1)に示すような多値化画像を生成する。この多値化処理の詳細については後述する。
診断対象臓器の部位又は臓器の種類に対応した最適な検出処理を行うために、CPU40は、その部位又は臓器の種類等を判断して、ステップS83に進むか、ステップS83に進むかの判断を行う。
CPU40は、図3(b1)の多値化画像に対して種々の画像処理を施し、病巣候補陰影を絞り込み、病巣の候補とされる陰影すなわち異常陰影22を検出する。この異常陰影検出処理は、元のCT画像を使わずに、ステップS81で生成された多値化画像だけに基づいて異常陰影22を検出するものである。その詳細については後述する。この実施の形態のように、多値化画像に基づいて異常陰影検出処理を行うことによって、コンピュータ演算などに要する時間を短縮化したり、演算処理の負担を軽減することができる。
CPU40は、図3(a1)のCT画像及び図3(b1)の多値化画像に対して種々の画像処理を施し、病巣候補陰影を絞り込み、病巣の候補とされる陰影すなわち異常陰影22を検出する。
CPU40は、前記ステップS83又はステップS84で異常陰影と判定されたものを病巣部として残し、そうでないものを削除する。
CPU40は、図4の三次元画像構成ボタン3Dがクリックされているか否か、すなわち三次元画像構成フラグが「1」か「0」かを判定し、「1」(yes)の場合にはステップS87に進み、「0」(no)の場合にはステップS88に進む。なお、三次元画像構成フラグは、操作者が必要に応じて任意に図4の三次元画像構成ボタンをクリックすることによって「1」又は「0」に設定できるようになっている。
ステップS87の処理は、ステップS86でyesと判定した場合に実行されるものである。CPU40は、異常陰影付近の複数枚のCT画像から三次元画像の構成処理を開始する。なお、この三次元画像の構成処理は、ステップS88の処理と並列的に実行されるようになっているが、この三次元画像の構成処理が終了した後にステップS88に進み、ステップS88の処理を実行するようにしてもよい。
CPU40は、異常陰影を容易に特定することができるように図3(a1)のCT画像中に色情報を付加して表示したり、その異常陰影をマーカーMで囲むようにして表示したり、原画像(CT画像)中に着色された抽出病巣部やマーカーなどを表示する合成処理を行なう。図3(a2)には、マーカーMで異常陰影を囲んだ場合の合成画像の一例が表示されている。
CPU40は、多機能画像表示ボタンがオンされたか否かの判定を行い、オンされた(yes)場合にはステップS8Aに進み、オンされていない(no)場合にはステップS8Bに進む。
多機能画像表示ボタンがオン状態にあるので、CPU40は、ステップS87で構成された三次元画像などを表示する。
CPU40は、別患者の画像に対して同様の病巣候補抽出表示処理を行う旨の指示が操作者によって行われたか否かの判定を行い、別患者の画像を表示する(yes)と判定した場合には、ステップS80に戻り、同様の処理を繰り返し実行し、別患者の画像を表示しない(no)と判定した場合には、ステップS8Cに進む。
CPU40は、図4の終了ボタンのオン操作が操作者によって行われたか否かを判定を行い、オンされていない(no)と判定した場合にはステップS89に戻り、通常の画像表示または多機能画像表示を継続し、オンされた(yes)と判定した場合には処理を終了する。
CPU40は、所定形状の特定領域をCT画像上の初期位置に設定する。すなわち、CPU40は、図7に示すように、例えば10×10画素程度の正方形状の特定領域(小領域)12A及び12BをCT画像20(被検体の断層像)内に設定し、それを左上隅の初期位置に設定する。この小領域12A,12Bの中心位置の座標が(X,Y)である場合、その座標(X,Y)はそれぞれ(0,0)に設定される。なお、図7において、小領域12Aは、陰影15の内部に設定され、小領域12Bは、陰影16の境界(縁)を跨がるように設定されている。この小領域の大きさは、10×10画素に限定されるものではなく、例えば、正方形以外の長方形や菱形、円形であってもよい。また、中心位置と重心位置が異なる場合は、重心位置を優先させるが、場合によって選択できるようにしてもよい。
CPU40は、小領域内の濃度値(CT値)の平均値AVを求める。求められた平均値AVは、図7の小領域12Aのように陰影15内に存在する場合は高い値を示し、小領域が陰影に跨がっていない場合は低い値を示し、小領域12Bのように陰影16に跨がっている場合はこれらのほぼ中間の値を示す。
CPU40は、小領域内において、濃度値がその平均値AV以上である画素の座標の平均値p(xp,yp)、及び濃度値がその平均値AVよりも小さな画素の座標の平均値m(xm,ym)をそれぞれ求める。図7の小領域12Aの場合には、平均値pA,mAは、小領域12Aのほぼ中心付近となり、両者の座標位置はほぼ一致する。一方、小領域12Bの場合には、平均値pBは、陰影16と小領域12Bの重なり部分のほぼ中心付近となり、平均値mBは陰影16と小領域12Bの重ならない部分のほぼ中心付近となり、両者の座標は離れたものとなる。
CPU40は、平均値pの座標(xp,yp)と平均値mの座標(xm,ym)との間の距離Dを求める。図7の小領域12Aの場合は、平均値pA,mAは同じ値なので、距離Dは「0」となる。小領域12Bの場合は、平均値pBと平均値mBとは離れているので、それに対応した距離DBとなる。すなわち、この距離Dは、小領域が陰影の縁付近に位置している場合に大きくなり、小領域が陰影に跨がっていない場合には小さな値となる傾向がある。
上述の傾向をより顕著にするために、このステップS15では、CPU40は、ステップS14で求められた距離Dに基づいて、小領域の中心座標(X,Y)におけるモーメントMとしてM=g・f(D)を求める。このモーメントMは、(X,Y)に関連した値とする。例えば、小領域内において、濃度値が前記平均値AV以上である画素数をNpとし、濃度値が平均値AVよりも小さな画素数をNmとしたとき、次式に基づいて求められた各モーメントM1〜M3をステップS15のモーメントMとして定義する。
モーメントM2は、M2=Nor×Dとする。
(Norは、Np,Nmのうちの大きい方とする。)
モーメントM3は、M3=従来の分散値×Dとする。
(但し、Dは約1〜3の値のб乗としてもよい。)
一般に、Dを含む演算は有効である。また、後述する判別処理においても、病巣領域に対するDを含む演算結果を判別に用いることができる。
CPU40は、小領域を画像のX方向に移動させるために小領域の中心座標Xに1を加える。
CPU40は、小領域の中心座標Xの値が最大(小領域が画像の右端を越えた位置)か否かを判定し、最大(yes)であると判定した場合にはステップS17に進み、最大でない(no)と判定した場合にはステップS12に戻り、中心座標Xの値が最大になるまでステップS12〜ステップS17の処理を繰り返す。
CPU40は、前記ステップS17で小領域の中心座標Xが最大であると判定されたので、小領域を画像の左端に戻すために、中心座標Xを初期値(通常は0)に戻す。
CPU40は、小領域を画像のY方向に移動させるために小領域の中心座標Yに「1」を加える。
CPU40は、小領域の中心座標Yの値が最大(小領域が画像の下端を越えた位置)か否かを判定し、最大(yes)であると判定した場合には処理を終了し、結合子Aを介して図6のステップS21に進み、最大でない(no)と判定した場合にはステップS12に戻り、Yが最大になるまでステップS12〜ステップS20の処理を繰り返す。このようにして、CPU40は、小領域をCT画像20の左上から右下まで走査して、その中心座標位置におけるモーメントMを順次算出する。
CPU40は、CT画像20の各画素が陰影又は陰影の境界であるのか否かを判定するための閾値として操作者のキーボード入力による定数、又は磁気ディスク44等に予め記憶されている定数を読み込み、それを定数として指定する。
CPU40は、判定対象となる画素(被判定画素)をCT画像20の左上隅の初期位置に設定するために、その座標(X,Y)をそれぞれ(0,0)に設定する。
CPU40は、被判定画素の座標(X,Y)を中心とする小領域について、図5のステップS15で求めたモーメントMを読み出す。
CPU40は、読み出されたモーメントMがステップS21で指定された定数より大きいか否かを判定し、大きい(yes)と判定した場合はステップS25に進み、小さい(no)と判定した場合はステップS26にジャンプする。
CPU40は、ステップS24でモーメントMが定数より大きいと判定されたということは、その座標(X,Y)に対応する被判定画素が、陰影又は陰影の境界に該当することを意味するので、このステップではその座標(X,Y)を抽出し、メモリ(主メモリ42又は磁気ディスク44)に格納する。すなわち、CPU40は、ステップS24でモーメントMが定数より大きい(yes)と判定した場合には、その座標(X,Y)に2値化のうちのハイレベル「1」をセットし、逆にステップS24でモーメントMが定数より小さい(no)と判定した場合には、その座標(X,Y)に2値化のうちのローレベル「0」をセットする。このようにして各座標はローレベル「0」又はハイレベル「1」のいずれかに一方にセットされ、2値化されていく。このように各座標を2値化することによって各座標を1ビットで表現することができるようになるので、以後の処理を単純化することができる。
CPU40は、被判定画素の座標をX方向に移動させるために座標Xに1を加える。
CPU40は、被判定画素の座標Xの値が最大(画像の右端を越えた位置)か否かを判定し、最大(yes)であると判定した場合にはステップS28に進み、最大でない(no)と判定した場合にはステップS23に戻り、Xが最大になるまでステップS23〜ステップS26の処理を繰り返す。
CPU40は、前記ステップS27で被判定画素の座標Xが最大であると判定したので、被判定画素を左端に戻すために、座標Xを「0」とし、被判定画像をY方向に移動させるためにその座標Yに1を加える。
CPU40は、被判定画素の座標Yが最大(画像の下端を越えた位置)か否かを判定し、最大(yes)であると判定した場合には処理を終了し、最大でない(no)と判定した場合にはステップS23に戻り、Yが最大になるまでステップS23〜ステップS28の処理を繰り返す。
CPU40は、検出対象となる陰影の大きさ(ここでは画素数)が所定値Raよりも小さいか否かを判定し、小さい(yes)と判定した場合にはステップS42に進み、小さくない(no)と判定した場合にはステップS44にジャンプする。
ステップS41で陰影の大きさが小さいと判定されたので、CPU40は、ステップS43の第1判別処理で用いられるパラメータに対応した大きさに陰影画像を拡大する。この場合、各画素間の画素値は補間処理にて求められる。
CPU40は、ステップS42で拡大された陰影に対して第1判別処理を実行する。
CPU40は、検出対象となる陰影の大きさが所定値Ra以上であり、所定値Rb以下であるか否か、すなわち所定範囲内の大きさの陰影であるか否かを判定し、所定範囲内である(yes)と判定した場合にはステップS45に進み、所定範囲内でない(no)と判定した場合にはステップS46にジャンプする。
CPU40は、ステップS44の4定範囲内の大きさの陰影に対して第2判別処理を実行する。
CPU40は、各CT値によって抽出された陰影の大きさが所定値Rbよりも大きいか否かを判定し、大きい(yes)と判定した場合にはステップS47に進み、大きくない(no)と判定した場合には終了して、図9の次の陰影検出処理に進む。
CPU40は、ステップS46で陰影の大きさが所定値Rbよりも大きいと判定したので、ステップS48の第3判別処理で用いられるパラメータに対応した大きさに陰影画像を縮小する。
CPU40は、ステップS47で縮小された陰影に対して第3判別処理を実行し、図9の別の陰影検出処理(大陰影検出処理、すりガラス状陰影検出処理又は高濃度陰影検出処理)に進む。なお、陰影の大きさとして画素数を用いたが、陰影の最大直径や最小直径などを用いてもよい。この場合には、上記所定値Raとして最小直径を約7mmとし、所定値Rbとして最大直径を約21mmとするとよい。
CPU40は、CT画像20のスライス厚が所定値Sa(例えば10mm)よりも大きいか否かを判定し、大きい(yes)と判定した場合には次のステップS72に進み、小さい(no)と判定した場合にはステップS73にジャンプする。
CPU40は、判定サブルーチンA1〜F1の組み合わせからなる第1の組み合わせ処理を実行する。
CPU40は、CT画像20のスライス厚が所定値Sa以下であり、所定値Sb(例えば5mm)以上であるか否か、すなわち所定範囲内の厚さであるか否かを判定し、所定範囲内である(yes)と判定した場合にはステップS74に進み、所定範囲内でない(no)と判定した場合にはステップS75にジャンプする。
CPU40は、判定サブルーチンA2〜D2の組み合わからなる第2の組み合わせ処理を実行する。この第2の組み合わせ処理では、判定サブルーチンE1,F1に対応する判定処理は実行されない。判定サブルーチンE1,F1は、陰影が血管に対応する陰影であるか否かを判別する処理なので、スライス厚が小さい場合には血管に対応する陰影が極端に減少して認識できなくなるため、ここではそれに関する判定サブルーチンは実行しないようにした。なお、CPU40は、ステップS72と同様に判定サブルーチンE2,F2を実行してもよいことは言うまでもない。
CPU40は、CT画像20のスライス厚が所定値Sbよりも小さいか否かを判定し、小さい(yes)と判定した場合には次のステップS76に進み、大きい(no)と判定した場合には処理を終了し、図10のステップS44又はS46に進む。
CPU40は、判定サブルーチンA3〜D3の組み合わからなる第3の組み合わせ処理を実行する。この第3の組み合わせ処理では、判定サブルーチンE1,F1に対応する判定処理は実行されない。これも前述と同様に判定サブルーチンE1,F1が血管に対応する陰影かどうかを判別する処理なので、ここではそれに関する判定サブルーチンは実行しないようにした。なお、CPU40は、ステップS72と同様に判定サブルーチンE3,F3を実行してもよいことは言うまでもない。
CPU40は、陰影をサーチする際の半径rを初期値として設定する。図13(a)では、例えば、半径rとして、10×10画素程度の正方形状の小領域の約1.5倍相当の値が設定される。
CPU40は、陰影中心付近を基準に半径rを1度ずつ回転し、角度θ=0〜360度の範囲の各画素値をサンプリングして記録する。なお、全ループの濃度平均を同じにするために、ループ毎に一定値を加算しておくとよい。
CPU40は、半径rに微小半径drを加えた半径r+drを次のループの半径rとする。図13では、例えば、微小半径drとして前記小領域の約1.2倍相当の値が設定される。
CPU40は、半径rが最大値であるか否かを判定し、最大値でない(no)場合には、ステップS2にジャンプし、半径rが最大値(yes)の場合にはステップS5に進む。なお、最大半径は、例えば抽出対象の病巣の大きさ等や第1〜第3判別処理の種類に応じて予め設定されたものが用いられる。
CPU40は、所定の判定式に基づいた演算を行う。例えば、CPU40は、図13(a)に示すように、0〜360度の範囲にわたって点P(r,θ)と点P'(r',θ)におけるの画素間の濃度差を求め、その差の絶対値の和を求める。すなわち、CPU40は、隣接するループ間の陰影の相関を、次式(1)に基づいて求める。
前述したように隣接するループ間での陰影の相関は、病巣陰影の方が血管断面陰影よりも大きいため、上式(1)の演算結果は病巣陰影の方が血管断面陰影よりも小さくなる傾向がある。このことは、図13(b)の各曲線に基づいて判断しても明白である。すなわち、ループ=1の曲線(実線)と、ループ=2の曲線(点線)とでは、濃度変化が近似しており、相関が非常に大きいと言える。一方、ループ=2の曲線(点線)と、ループ=3の曲線(一点鎖線)とでは、濃度変化が全く異なっており、相関は小さいと言える。なお、隣接するループ間の相関を求める演算式は、上式(1)に限定されるものではない。
前述したように同一ループ内での陰影変化の大きさも、例外はあるが、病巣陰影の方が血管断面陰影よりも小さいため、上式(2)の演算結果は、病巣陰影の方が血管断面陰影よりも小さくなる傾向がある。このことは、図13(b)の各曲線に基づいて判断しても明白である。すなわち、ループ=1の曲線(実線)とループ=2の曲線(点線)は、濃度変化が小さく、一方、ループ=3の曲線(一点鎖線)は濃度変化が大きいと言える。なお、同一ループの隣接する画素間の相関を求める演算式は、上式(2)に限定されるものではない。
B:同一ループiでの隣接する画素間の濃度差
この式(3)の演算結果は、病巣陰影の方が血管断面陰影よりも小さくなるという傾向がある。従って、式(3)による演算結果が一定値よりも大きい陰影は、病巣候補から外すという判定ができる。なお、病巣候補陰影と正常陰影を区別する閾値(式(3)の定数)は、実験的に求められ、予め磁気ディクス44等に記録されているものが、必要時に読み出されて利用されるものとする。
CPU40は、ステップS5の判定式(3)又は(4)による演算結果が一定値よりも大きいか否かを判定し、大きい(yes)と判定した場合は、ステップS7に進み、小さい(no)と判定した場合は終了し、次のサブルーチンB1〜B3に進む。
CPU40は、ステップS6の判定の結果、すなわち、判定式(3)又は(4)による演算結果が一定値よりも大きい(演算結果>一定値)と判定した場合の陰影を病巣候補陰影から外し、次のサブルーチンB1〜B3に進む。
上式(5)を満足するとき、二つの曲線は一致するとみなす。ただし、Niは、ループ番号iの実際にサーチしたサンプリング点の濃度平均値であり、niは、ループ番号iの癌陰影の濃度平均値(基準データ)である。なお、上記絶対値をб(б=1〜2)乗してもよい。なお、判定式はこれに限定されず、次式(6)を用いてもよい。
また、上述の例は、既知の癌陰影について調べたが、血管断面等の正常陰影の基準データを準備し、この基準データと一致すれば、癌候補としないという手法を用いてもよい。更に、ループ回数とループ毎の濃度平均値のグラフの曲線の形状フィッティングに限らず、ループ回数とループ毎の最大値のグラフの曲線の形状フィッティングによって陰影を判別するようにしてもよい。
CPU40は、角度θを、例えば、θ=0度に初期化する。角度θ=0は図21(a)及び図22(a)では、陰影の中心位置Mから右水平方向に向かう矢印で示される線である。
CPU40は、角度θのα軸上であって陰影の中心Mから半径rに位置する陰影の濃度分布Vrと、角度θ+90度のβ軸上であって半径rに位置する陰影の濃度分布V90rを求める。
図21(a)の場合、α軸及びβ軸上における半径rの位置は共に陰影の内側にあるので、その濃度分布Vr及びV90rは等しい値となる。一方、図22(a)の場合、α軸上における半径rの位置は陰影の外側にあり、半径β軸上における半径rの位置は陰影の内側にあるので、その濃度分布Vr及びV90rは著しく異なった値となる。従って、CPU40は、これらの値を比較判定することによって、陰影が病巣候補陰影であるか否かを判定する。すなわち、このステップS32では、CPU40は、角度θのα軸上の半径rに位置する濃度分布Vrと、角度θ+90度のβ軸上の半径rに位置する濃度分布V90rとを次式(7)に代入して陰影の異方性(又は相関)を求める。
CPU40は、ステップS32で求めた異方性(又は相関)が、過去に求めた最大異方性(又は最小相関)よりも大きいか否かを判定し、最大異方性(又は最小相関)よりも大きい(yes)と判定した場合には、ステップS34に進み、最大異方性(又は最小相関)以下(no)と判定した場合には、ステップS35にジャンプする。なお、今回の処理が最初であって最大異方性(又は最小相関)が存在しない場合もCPU40はステップS34に進む。
CPU40は、ステップS33で求めた異方性(又は相関)を最大異方性(又は最小相関)とし、その値を更新する。
CPU40は、角度θに微小角度δを加え、角度θを角度(θ+δ)とする。なお、微小角度δは、例えば、1度とするが、これ以外の値でもよい
[ステップS36]
CPU40は、0〜360度の全角度θにわたって異方性(又は相関)の演算が終了したか否かを判定し、終了した(yes)と判定した場合はステップS37に進み、終了してない(no)と判定した場合にはステップS31に戻り、角度θが360度に達するまで同様の処理を繰り返す。
CPU40は、最大異方性が所定の値より大きいか(最小相関は所定の値よりも小さいか)否かを判定し、大きい(相関の場合は小さい)と判定した場合はステップS38に進み、小さい(相関の場合は大きい)と判定した場合は次のサブルーチンC1〜C3に進む。なお、各ステップにおける判定比較定数は、X線CT装置の撮影時の条件(スライス厚さ、管電流等)に応じて決定される値であり、自動的に選択されるようにしてもよい。
CPU40は、最大異方性が所定の値より大きい(最小相関が所定の値より小さい)とステップS37で判定されたので、その陰影を病巣候補陰影から外し、次のサブルーチンC1〜C3に進む。癌陰影などのような実際の病巣陰影について、前述の異方性を算出した場合、異方性の値は小さい(相関の場合は大きい)という傾向がある。従って、この判定サブルーチンB1〜B3によって病巣候補陰影以外の陰影を効果的に除去することが可能となる。すなわち、実際の病巣陰影の場合は、図21(a)に示すようにほぼ円形に近い形状を示す場合が多く、図21(b)に示すように角度θの半径r1に位置する陰影の濃度分布Vr1と、角度θ+90度の半径r1に位置する陰影の濃度分布V90r1との濃度差は比較的小さく、異方性も小さくなる傾向がある。一方、血管断面陰影の場合は、図22(a)に示すように細長く、図22(b)に示すように角度θの半径r1に位置する陰影の濃度分布Vr1と、角度θ+90度の半径r1に位置する陰影の濃度分布V90r1との濃度差は比較的大きく、異方性も大きくなる傾向がある。従って、CPU40は、上式(8)又は(9)によって求められる異方性を示す値により病巣陰影と血管陰影とを容易に判別することができる。
CPU40は、回転中心を陰影濃度の中心付近に位置づける。すなわち、CPU40は、図24(a)に示すように所定長の半径のα軸及びβ軸の回転中心を陰影の中心Mに設定する。一般に病巣陰影の場合、その濃度分布に複数のピークが現れることが多いので、陰影の中心付近を、これら複数のピークの平均位置として設定する。なお、前述のように陰影を2値化した2値化画像の陰影に基づいてその重心位置を中心座標としてもよいし、図17(b)で求めたような位置を中心座標としてもよい。
CPU40は、角度θを、例えばθ=0度に初期化し、実質90度の二方向の陰影の長さの比の最大比を、例えば「1」に初期化する。角度θ=0は、図24では、陰影の中心Mから右水平方向に向かう矢印で示されるものである。
CPU40は、半径Rを、0近傍の微小半径R0に、第1の記録フラグ1及び第2の記録フラグ2をそれぞれ「0」に初期化する。
CPU40は、第1の記録フラグ1が「0」であり、かつ、α軸方向の半径Rの画素の濃度値が所定値以下であるか否かを判定し、所定値以下(Yes)と判定した場合にはステップS54に進み、所定値以下でない(No)と判定した場合にはステップS55にジャンプする。なお、この所定値は、陰影の原点の濃度値に前述のTを乗じた値である。すなわち、このステップでは、CPU40は、半径Rの画素が陰影の境界(縁)であるか否かを判定している。
ステップS53でα軸方向の半径Rの画素の濃度値が所定値以下であると判定されているので、この半径Rが原点Mから陰影の境界までの距離を示すことになる。従って、CPU40は、この半径Rを半径r1とし、第1の記録フラグ1に「1」をセットし、半径r1を確定する。
CPU40は、第2の記録フラグ2が「0」であり、かつ、β軸方向の半径Rの画素の濃度値が所定値以下であるか否かを判定し、所定値以下(Yes)と判定した場合にはステップS56に進み、所定値以下でない(No)と判定した場合にはステップS57にジャンプする。
前記ステップS55でβ軸方向の半径Rの画素の濃度値が所定値以下であると判定されているので、この半径Rが原点Mから陰影の境界までの距離を示すことになる。従って、CPU40は、この半径Rを半径r2とし、第2の記録フラグ1に「1」をセットし、半径r2を確定する。
CPU40は、半径Rに微小距離εを加算し、半径Rを半径(R+ε)にする。すなわち、CPU40は、半径Rを微小距離εだけインクリメント処理する。
CPU40は、半径Rが所定の最大値(例えば、判定対象とする陰影の最大半径)か否かを判定し、最大値でない(No)と判定した場合にはステップS53に戻り、最大値である(Yes)と判定した場合にはステップS59に進む。CPU40は、ステップS54〜S58の処理を繰り返すことにより、角度θのα軸上の半径r1と、角度θ+90度のβ軸上の半径r2とを求めることができる。なお、ここでは、半径Rの大きさに基づいてステップS53〜S58のループを抜ける場合を説明したが、このステップS58に代えて、第1の記録フラグ1及び第2の記録フラグ2が共に「1」であるか否かに応じてループを抜けるようにしてもよい。
CPU40は、半径r1と半径r2の比:r1/r2を求める。なお、ここでは比=r1/r2としているが、比の大きさは1以上となるようにするので、半径r1と半径r2の小さい方を分子とし、大きい方を分母として比を求めることとする。
CPU40は、ステップS59で求められた比が、最大比よりも大きいか否かを判定し、大きい(Yes)と判定した場合にはステップS61に進み、小さい(No)と判定した場合にはステップS62にジャンプする。
ステップS59で求められた比が最大比よりも大きいので、CPU40は、その比を最大比とする。なお、ステップS51で最大比として定義された値「1」が予め設定されているので、最初に求められた比は最大比として記録されることになる。
CPU40は、角度θに微小角度δを加え、角度θを角度(θ+δ)にする。なお、微小角度δは、例えば、1度とするが、これ以外の値でもよい。
CPU40は、ステップS62における角度θが360度になったか否かを判定し、角度θが360度未満(No)と判定した場合にはステップS52にジャンプし、角度θ=360(Yes)と判定した場合にはステップS64に進む。これによって、角度θを0〜360度にわたって変化させた場合の半径r1と半径r2の最大比が求められる。
CPU40は、最大比が所定の定数より大きいか否かを判定し、大きい(Yes)と判定した場合にはステップS65に進み、小さい(No)と判定した場合には次の判定サブルーチンD1〜D3に進む。
ステップS64で最大比が所定の定数より大きいと判定されたので、CPU40は、その陰影を病巣候補陰影から外し、次の判定サブルーチンD1〜D3に進む。このように角度θを、0〜360度の範囲にわたって変化させ、その時に得られる半径r1、半径r2の比の最大比が所定の定数よりも大きい場合には、CPU40は、その陰影を病巣候補陰影から外す。これは、病巣陰影の場合は異方性が小さく、ほぼ円形に近いため、半径r1と半径r2の比は所定の定数よりも小さい場合が多いからである。なお、図21(b)、図22(b)及び図24(b)では、α軸上の正方向の異方性のみ示しているが、負方向の異方性の場合も本発明には含まれる。
CPU40は、陰影をサーチする際の半径rを初期値に設定する。この処理における半径rは陰影の大きさに応じた値とする。例えば、判別対象となる陰影の最大直径の約1.5倍程度を半径rの初期値とする。
CPU40は、半径rの動径を角度θ=0からθ=360度まで約5度ずつ回転させて、各角度における陰影の中心から半径rに位置する陰影の濃度分布V0〜V355を求め、これらの濃度分布V0〜V355に所定の演算を施す。そして、CPU40は、半径rの動径が陰影の境界と2カ所以上で交わる場合、その2個の動径の角度θ1,θ2から最大角Θを求める。ここで、角度θ1,θ2は次のようにして決定する。ある角度θにおける濃度分布Vθからその角度よりも、5度だけ大きい角度(θ+5)における濃度分布V(θ+5)を減算し、その減算値が正の値であり、その絶対値が所定値よりも大きい場合には、その大きい方の角度(θ+5)をθ1とする。図26(c),(d)では動径rθ1が角度θ1の動径に該当する。一方、濃度分布Vθから濃度分布V(θ+5)を減算し、その減算値が負の値であり、その絶対値が所定値よりも大きい場合には、その小さい方の角度θをθ2とする。図26(c),(d)では動径rθ2が角度θ2の動径に該当する。このようにして角度θ1と角度θ2の動径が求まったら、角度θ1の動径rθ1が角度θ2の動径rθ2に対して時計回りに成す角度を最大角Θとする。なお、この最大角Θの求めかたは一例であり、他の方法で求めてもよいことは言うまでもない。また、動径を5度ずつ回転させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1度〜10度の範囲で適宜変更してもよいことは言うまでもない。
CPU40は、ステップS93で求められた最大角Θが所定の一定値よりも大きいか否かを判定し、大きい(yes)と判定した場合には次の判定サブルーチンE1〜E3に進み、小さい(no)と判定した場合にはステップS94に進む。ここで、一定値は90度とする。壁面部分に現れた病巣陰影の場合には、最大角Θは180度近傍となるからである。従って、このような場合には、その陰影は病巣候補陰影して残され、次の判定サブルーチンの処理対象となる。
ステップS93の判定によって最大角Θが所定の一定値よりも小さいと判定されたので、CPU40は、その陰影を病巣候補陰影から外し、次のサブルーチンE1〜E3に進む。癌陰影などの病巣陰影は壁面部分に現れ、通常の陰影は壁面部分には現れない場合が多いので、この処理によって壁面部分に存在しない陰影は、効率的に病巣候補陰影から除去されることになる。
CPU40は、動径を回転させながら、動径最小時の角度Θを求める。まず、CPU40は、所定長の直線の中点を陰影濃度の中心付近に位置づけ、その直線の中点を回転中心として角度θ=0からθ=360度まで約1度ずつ回転させる。このときに、CPU40は、その直線が各角度において陰影と交わる長さを動径として順次算出し、その動径が最小値のときの角度Φを求める。なお、この処理は多値化画像の陰影に対して行われる処理である。回転角度は1度に限らず、これ以外の角度でもよい。
この処理は、多値化画像処理の施される前のCT画像に対して行われる処理である。CPU40は、角度Φの動径の延長上であって、所定距離outRだけ陰影の外側に位置する2点の濃度値(CT値)v1,v2を求め、角度Φの動径に直交する動径の延長上であって、所定距離outRだけ陰影の外側に位置する2点の濃度値(CT値)v3,v4を求める。
CPU40は、前のステップS102で求められた各濃度値を次式(10)又は(11)に代入する。
v3+v4>((v1+v2)×定数) ・・・式(11)
CPU40は、上式(10)又は(11)を満足する(yes)と判定した場合にはステップS104に進み、満足しない(no)と判定した場合には処理を終了し、次の判定サブルーチンF1に進む。図28(a)に示すような血管断面陰影の場合には、角度Φの動径の延長上であって、所定距離outRだけ陰影の外側に位置する2点の濃度値v1,v2は極めて小さな値となる。逆に角度Φの動径に直交する動径の延長上であって、所定距離outRだけ陰影の外側に位置する2点の濃度値v3,v4は血管断面陰影上に位置するため比較的大きな値となる。従って、図28(a)に示すような血管断面陰影の場合は、上式(10)又は(11)を満足する。一方、図28(b)に示すような病巣陰影の場合には、濃度値v1〜v4はほぼ同じような値となるので、上式(10)及び(11)を満足しない。
ステップS103の判定によって上式(10)又は(11)を満足すると判定されたので、CPU40は、その陰影を病巣候補陰影から外し、次のサブルーチンF1に進む。この処理によって図5及び図6の多値化画像処理によって生成された病巣陰影と思われるような血管断面陰影が病巣候補陰影から効果的に除去されることになる。なお、上述のステップS102では、濃度値v3,v4を角度Φの動径に直交する動径の延長上であって、所定距離outRだけ陰影の外側に位置する2点から求めたが、ステップS101の結果、動径が最大値のときの角度φを用いて、その角度φの動径の延長上であって、所定距離outRだけ陰影の外側に位置する2点から濃度値v3,v4を求めるようにしてもよい。また、上述の実施の形態では、最小値の動径に基づいて濃度値v1,v2を求めているが、最大値の動径に基づいて濃度値v1,v2を求め、この最大値の動径に直交する動径に基づいて濃度値v3,v4を求めるようにしてもよい。
CPU40は、陰影をサーチする際の半径rを初期値に設定する。例えば、半径rは、陰影の大きさが所定値Raよりも小さいときに行われる、図10の第1判別処理の場合には約7mm、陰影の大きさが所定値Ra以上で所定Rb以下のときに行われる、図10の第2判別処理の場合には約20mm、陰影の大きさが所定値Rbよりも大きいときに行われる、図10の第3判別処理の場合には約30mmに設定される。この値は種々変更可能なパラメータ値である。
CPU40は、陰影中心付近を基準に半径rで1度ずつ回転し、角度θが0〜360度の範囲における各画素値をサンプリングし、図30(b)に示すような濃度波形を作成する。図30(b)は、図30(a)のような血管断面陰影に対して陰影中心から半径rの位置における濃度値をサンプリングした結果を示している。
CPU40は、ステップS113で作成された濃度波形に基づいて濃度ピークを示す角度を抽出する。例えば、濃度波形を微分し、微分値が「0」の場合の角度を濃度ピークを示す角度として抽出する。血管断面陰影の場合は、血管の中央付近の濃度が最大値を示すので、濃度ピークを示す角度と血管の長手方向とはほぼ一致する。図30(a),(b)の場合には、濃度ピークを示す角度Θはα=10度,β=170度,γ=210度の3箇所存在する。
CPU40は、各角度における半径r上のCT値の総和を求める。図30では濃度ピークを示す角度は、角度α、β、γの3つであるから、CPU40は、それぞれの角度α、β、γにおける半径r上のCT値の総和を求める。角度αの半径上のCT値の総和はsum(α)、角度βの半径上のCT値の総和はsum(β)、角度γの半径上のCT値の総和はsum(γ)となる。
CPU40は、隣り合う半径のなす角度の二等分線を求め、その二等分線上のCT値の総和を求める。図30の場合、濃度ピークを示す角度は、角度α,β,γの3つなので、それぞれの角度に隣り合う半径の二等分線は、角度αと角度βの間にできる二等分線αβと、角度βと角度γの間にできる二等分線βγと、角度γと角度αの間にできる二等分線γαとなる。CPU40は、これらの各二等分線αβ,βγ,γα上のCT値の総和を求める。二等分線αβ上のCT値の総和はsum(αβ)、二等分線βγ上のCT値の総和はsum(βγ)、二等分線γα上のCT値の総和はsum(γα)となる。
CPU40は、前記ステップS114及びS115で求められた各総和が以下に示す所定条件を満足するか否かの判定を行い、満足する(yes)と判定した場合には次のステップS117に進み、満足しない(no)と判定した場合には処理を終了し、図11のステップS73に進む。ここでは所定条件として次の3つのいずれか一つを用いる。
sum(αβ)×定数<sum(α)
sum(αβ)×定数<sum(β)
sum(βγ)×定数<sum(β)
sum(βγ)×定数<sum(γ)
sum(γα)×定数<sum(γ)
sum(γα)×定数<sum(α)
以上の全ての条件式を満足する場合に所定条件1は満足されたものと判定される。
sum(αβ)+定数<sum(α)
sum(αβ)+定数<sum(β)
sum(βγ)+定数<sum(β)
sum(βγ)+定数<sum(γ)
sum(γα)+定数<sum(γ)
sum(γα)+定数<sum(α)
以上の全ての条件式を満足する場合に所定条件2は満足されたものと判定される。
平均(α〜β)+定数<平均(α)
平均(α〜β)+定数<平均(β)
平均(β〜γ)+定数<平均(β)
平均(β〜γ)+定数<平均(γ)
平均(γ〜α)+定数<平均(γ)
平均(γ〜α)+定数<平均(α)
以上の全ての条件式を満足する場合に所定条件3は満足されたものと判定される。ここで、平均(α〜β)とは、角度αから角度βまでの扇形に含まれるCT値の平均値のことであり、平均(α)とは角度αの半径r上のCT値の平均値のことである。従って、この場合には、平均値を求める処理を新たに加える必要がある。なお、ステップS116では、これらの各所定条件1〜3を全て満足するか否かを判定してもよいことは言うまでもない。
CPU40は、ステップS116の判定の結果、所定条件を満足すると判定した場合の陰影を病巣候補陰影から外し、ここでの処理を終了して図11のステップS73に進む。
CPU40は、病巣候補陰影p3を中心とする円33上の点q3に関して、他の何れかの病巣候補陰影(図36(a)上では病巣候補陰影p1,p2)を中心とする円31、32内に入るか否かを判定し、入る(yes)と判定した場合にはステップS91に進み、入らない(no)と判定した場合にはステップS92に進む。
CPU40は、前のステップS90で他の円と重複することが判明したので、ここでは点q3を描かないで処理を終了する。
CPU40は、ステップS90で他の円と重複しないことが判明したので、ここでは点q3を描いて処理を終了する。CPU40は、病巣候補陰影p3を中心とする円33を描く場合には、円上の全ての点について上記ステップS90〜92の処理を行う。病巣候補陰影p1,p2を中心とする円31、32を描く場合も同様である。
CPU40は、この被判別値ffが所定値よりも小さいか否かに応じて陰影が病巣候補陰影であるかどうかを判別する。陰影が図45(a)に示すような血管断面陰影451の場合には、フーリエ展開の結果、高次の周波数成分のフーリエ係数が大きくなる。逆に、陰影が病巣候補陰影のような場合には、フーリエ展開の結果、低次の周波数成分が多く含まれ、高次の周波数成分は少なくなる。従って、CPU40は、被判別値ffの値に基づいてその陰影が病巣候補陰影であるのか血管断面陰影であるのかを判別することができる。なお、この被判別値ffに代えて、特定の|fi×Ci|を被判別値としてもよい。
このようにして、直線領域531に対する濃度勾配の演算が終了すると、CPU40は、この直線領域を順次Y軸方向にシフトさせて濃度勾配を演算する。図53(B)にはX軸方向の直線領域531,532の場合の濃度勾配が模式的に示してある。図53(C)にはY軸方向の直線領域533,534の場合の濃度勾配が模式的に示してある。CPU40は、このような濃度勾配に基づいて、各直線領域の正負のランレングスを求める。例えば、直線領域531の場合、正のランレングスは「11」、負のランレングスは「4」、直線領域532の場合、正のランレングスは「7」、負のランレングスは「7」、直線領域533の場合、正のランレングスは「6」、負のランレングスは「6」、直線領域532の場合、正のランレングスは「6」、負のランレングスは「5」である。このようにしてCPU40は、陰影530の全体について正負のランレングスを集計する。CPU40は、図54(A),(B)のように病巣候補陰影540に対しても同様にして、各直線領域について濃度勾配を求め、さらにその濃度勾配に基づいて正負のランレングスを集計する。図54の直線領域541の場合、正のランレングスは「5」と「2」、負のランレングスは「3」と「4」、直線領域542の場合、正のランレングスは「5」と「2」、負のランレングスは「2」と「4」、直線領域543の場合、正のランレングスは「6」と「1」と「1」、負のランレングスは「3」と「2」と「3」、直線領域544の場合、正のランレングスは「5」と「2」と「2」、負のランレングスは「2」と「2」と 「3」である。このように病巣候補陰影の方がランレングスの長さは短く、その個数も多いことが分かる。
まず、図55(b)に示すような多値化画像の中に病巣候補と思われる陰影550〜552が抽出されるので、CPU40は、これらの陰影550〜552が壁面部分に接しているか否かを判定し、接している(yes)と判定した場合は次のステップS552に進み、接していない(no)と判定した場合はステップS554に進み、該当する陰影を削除する。陰影550は接していないので、ステップS554の陰影削除処理によって病巣候補から除外される。
次に、CPU40は、陰影が胸膜の壁面部分に接する割合、すなわち接触長が所定値よりも小さいか否かを判定し、所定値よりも小さい(yes)と判定した場合は次のステップS553に進み、大きい(no)と判定した場合はステップS554に進み、該当する陰影を削除する。陰影551の場合は、壁面部分との接触長が所定値よりも大きいのでステップS554の陰影削除処理によって病巣候補から除外される。陰影552の場合は、壁面部分と接する距離が陰影551よりも十分に小さいので、次のステップS553の処理に進む。
CPU40は、該当する陰影の中から癌随伴陰影を抽出する。すなわち、壁面内部に接する割合が所定値よりも小さい陰影は、図44の陰影442や図55の陰影552が該当する。このような陰影の中で、癌随伴陰影は、病巣候補陰影とは判断されないくらい細長いものである。従って、CPU40は、壁面内部に接する割合が所定値よりも小さく、病巣候補陰影から除外されるようなものを癌随伴陰影として抽出するようにした。これによって、図55(c)に示すように陰影552は癌随伴陰影として抽出される。一方、、図44の陰影442は病巣候補陰影として抽出される。
CPU40は、ステップS551及びステップS552で共にnoと判定した場合の陰影を削除する。
CPU40は、図57に示すようにステップS553で抽出された癌随伴陰影すなわち検出付随物を含むように大きめのマーカー570(円又は楕円など)を原画像上に重ねて表示する。なお、このマーカー570の大きさは右下に表示されているスケール設定ボタンによって適宜変更可能となっている。医師は、このようなマーカー570によって囲まれた箇所を詳細に目視することによって、病巣陰影が存在するかどうかの検討を行なうことができる。
CPU40は、図38の標準画面上の表示モード選択ボタンによって選択された表示モードに従って、図39、図41又は図42のようにマーカーと断層像の合成画像を順次表示する。
CPU40は、表示中の合成画像上の任意の位置でマウスがクリックされたか否かの判定を行なう。判定結果がyesの場合は、次のステップS623に進み、判定結果がnoの場合はステップS621に戻る。ステップS621では、表示モードに従った合成画像の表示が続行される。すなわち、これは、図61(A)のようにマウスポインタ611が合成画像上の所定の位置にあるときに、マウスのボタンがクリックされたか否かの判定を行なうことである。
ステップS622でマウスがクリックされたと判定されたので、CPU40は、マウスポインタの位置から半径Dの円内に病巣候補陰影が存在するか否かの判定を行なう。すなわち、図61(A)の場合、マウスポインタ611を中心とする半径Dの点線円内に病巣候補陰影が存在するか否かの判定が行なわれる。
ステップS623の判定によって、マウスポインタを中心とする半径Dの円内に病巣候補陰影が存在しない判定されたので、CPU40は、「病巣候補陰影は存在しない」と表示する。現在の表示をこのまま継続するか否かを選択するための継続ボタンと、表示を終了させるための終了ボタンが画面上に表示されているので、CPU40は、この終了ボタンがマウスでクリック操作されたか否かの判定を行なう。判定結果がyesの場合(終了ボタンがクリックされた場合)は、CPU40は、処理を終了し、判定結果がnoの場合(継続ボタンがクリックされた場合)は、CPU40は、ステップS621に戻る。
ステップS623の判定によって、マウスポインタを中心とする半径Dの円内に病巣候補陰影が存在すると判定されたので、CPU40は、その病巣候補陰影に関する断層画像とマーカーとの合成された画像を順次表示する。図61(A)の場合は、図39の画像a及び画像cの病巣候補陰影が半径Dの点線円内に存在する陰影に該当する。図41及び図42の画像b及び画像cの病巣候補陰影が半径Dの点線円内に存在する陰影に該当する。従って、図61(B)のように、半径Dの円内に、存在する病巣候補陰影の画像が順次表示されるようになる。図61(B)では、図41及び図42の画像bが表示されている。なお、図示していないが、画面上に「NEXTボタン」が表示されるので、それがクリックされると、次の画像cが表示される。なお、特殊な場合として、半径Dが画像より大きく設定されており、マーカー表示の無い状態でマウスがクリックされると、それに応じて該当するマーカーが全て表示される場合もある。
表示中の合成画像上の任意の位置でマウスがクリックされたか否かの判定を行う。判定結果がyesの場合(クリックされた場合)には、前のステップS623に戻り、判定結果がnoの場合には、ステップS625に戻る。ステップS625では、病巣候補陰影の表示が続行される。このステップは、さらにマウスポインタによって他の場所がクリックされた場合に、そのマウスポインタを中心とする半径Dの円内に病巣候補陰影が存在するか否かに応じて同様の処理を行なう。なお、同じ場所がクリックされた場合には、前述の「NEXTボタン」がクリックされた場合と同様に、次の画像cが表示される。なお、このような表示を行なうために、抽出された病巣候補陰影が画像上でどこに位置するのかを示すx座標及びy座標の情報を所定のメモリ空間上に記憶している。
CPU40は、最初のCT画像を表示する。
CPU40は、表示中のCT画像に異常箇所すなわち病巣候補陰影が存在するか否かを判断する。判断結果がyesの場合は、CPU40は、ステップS723に進み、判断結果がnoの場合は、CPU40は、ステップS724に進む。
現在表示中の画像に異常箇所(病巣候補陰影)が存在すると判断されたので、CPU40は、ディレイタイムを大きくする。ディレイタイムとは、動画像表示中における1枚の画像表示に要する時間のことである。ディレイタイムが大きくなると、その異常箇所(病巣候補陰影)の存在する画像の表示時間が標準の表示時間よりも十分長く表示されるようになる。これによって、医師は異常箇所(病巣候補陰影)の存在する画像を時間的に余裕を見て、集中して観察することができるようになる。なお、一つのCT画像中に異常箇所(病巣候補陰影)が複数存在する場合には、その異常箇所(病巣候補陰影)の数に応じてディレイタイムの値を決定するようにしてもよい。
現在表示中の画像に異常箇所(病巣候補陰影)が存在しないと判断されたので、CPU40は、ディレイタイムを小さくする。ディレイタイムが小さくなることによって、通常の画像表示よりも早く表示が終了するようになる。なお、ディレイタイムを小さくしないで、標準のディレイタイムで表示するようにしてもよい。ステップS723及びステップS724におけるディレイタイムの値は任意に設定可能とする。
ディレイタイムに相当する時間だけCT画像が表示されたので、CPU40は、次の画像の表示を開始する。
CPU40は、ステップS725で表示された画像が最後の画像か否かの判断を行なう。判断結果がyesの場合(最後の画像の場合)は処理を終了し、判断結果がnoの場合(最後の画像でない場合)はCPU40はステップS722に戻り、最後の画像が表示されるまで上述の処理を繰り返す。なお、ここでは、病巣候補陰影が存在しない場合を短時間で表示する場合について説明したが、ほんとに病巣陰影が存在しないかどうかの確認をするために、標準表示時間よりも長い時間表示するようにしてもよい。
CPU40は、マーカーが表示されていない元のCT画像をそのまま表示する。
CPU40は、ステップS731の表示が終了したCT画像に対して表示済を記録する。例えば、図68に示すようなその他の情報の欄に表示済を示すフラグを付加する。
CPU40は、画面上の表示終了アイコンがマウスでクリック操作されたか否かの判定を行なう。判定結果がyesの場合(操作された場合)はCPU40は、表示処理を終了し、判定結果がnoの場合(操作されていない場合)はCPU40はステップS734に進む。
CPU40は、マーカーを表示するためのアイコン(マーカー表示アイコン)がマウスでクリック操作されたか否かの判定を行なう。判定結果がyesの場合(操作された場合)は、CPU40は、ステップS735に進み、判定結果がnoの場合(操作されていない場合)は、CPU40はステップS733に戻り、表示終了アイコン又はマーカ表示アイコンが操作されるまで処理を繰り返す。
CPU40は、全てのCT画像がステップS731の処理によって表示され、かつ、ステップS732の処理によって表示済が記録してあるか否かの判定を行なう。判定結果がyesの場合はステップS737に進み、判定結果がnoの場合はステップS736に進む。
ステップS735の処理で全てのCT画像が表示済みであると判定されたので、CPU40は、マーカーの付加された画像を順次表示する。CPU40は、マーカーの付加された画像の表示は、病巣候補陰影が抽出されたマーカー付きのCT画像だけを所定の順番で表示するようにしてもよいし、マーカー付きのCT画像もそうでないCT画像も順番に表示するようにしてもよい。
ステップS735の処理で全てのCT画像が表示済みでないと判定されたので、CPU40は、「医師による読影が済んでいない画像があります。」との画面を表示し、マーカー付きのCT画像の表示を行なわない旨を操作者(医師)に知らせ、ステップS731に戻る。これによって、読影済みでないCT画像に対して医師による読影が行なわれる。また、医師による読影が行なわれることによってマーカー付きのCT画像が表示されるようになる。
CPU40は、この実施の形態に係る画像診断支援装置の実行処理プログラムを起動するための起動ボタンがマウスクリック操作されたか否かを判定する。判定結果がyesの場合(起動された場合)はステップS782に進み、判定結果がnoの場合は起動ボタンが操作されるまで、このステップの処理を繰り返す。
CPU40は、画像をCRT48に表示した記録(表示済みのフラグ)が存在するか否かを判定し、判定結果がyesの場合(存在する場合)はステップS784に進み、判定結果がnoの場合(存在しない場合)はステップS783に進む。これは、CRT48に表示した記録があることで、医師が診断したと見なすものである。さらに正確には、医師による読影記録を参照し、それに基づいて判定を行なうようにしてもよい。この場合、CPU40は、読影記録がある(yes)と判定した場合にはステップS784に進み、読影記録がない(no)と判定した場合にはステップS783に進む。
CPU40は、医師が診断してない画像の表示が行なわれようとしているので、エラーメッセージを表示して、ステップS781に戻る。このエラーメッセージは、図79(A)、図79(B)に示すようなエラーメッセージを表示すればよい。図79(A)では、「エラー:医師による読影後のみ起動が可能です。」というエラーメッセージが断層像の下側に表示されている。図79(B)では、「注意:診断記録がある場合のみ起動が可能です。」というエラーメッセージが段像像の下側に表示されている。
CPU40は、実行処理プログラムを起動する。
CPU40は、実行処理プログラムに基づいて病巣候補陰影を演算によって求め、その結果を表示する。その表示した情報を必要に応じて磁気ディスク等に記録する。演算結果の表示は、図79(C)に示すように、例えば1枚目の断層像に円で囲まれた異常箇所が1箇所あることと、さらに別の断層像のものも含めて全部で何箇所に異常箇所が発見されたのかその数値を示すものとする。図79(C)では、全部で異常箇所が3箇所であることが示されている。
CPU40は、図80(C)に示すように、陰影の輪郭線上の二点p1,p2を対として、両方の点を直線で選ぶ。ここで対として選ばれるのは最初の1回のみである。
二点p1,p2間を結ぶ直線上を一方の点p1から他方の点p2に向かって一定長づつ移動するような点pを想定する。CPU40は、点pが一定長移動する毎に、点pが抽出領域(s2)上に存在するか否かの判定を行なう。判定結果がyesの場合(点pが抽出領域(s2)上に存在する場合)はステップS824に進み、判定結果がnoの場合はステップS823に進む。
点pが抽出領域(s2)上に存在しないので、CPU40は、その部分に特定値(例えば「5」)を記録する。
CPU40は、点p1,p2間を結ぶ直線上を点pが移動したかどうかを判定し、判定結果がnoの場合(移動が終了していない場合)はステップS822に戻り、判定結果がyesの場合(移動が終了している場合)は、ステップS825に進む。ステップS822〜ステップS824の処理によって、点pが点p1から点p2まで移動しながら抽出領域(s2)以外の領域に特定値(例えば5)が記録される。
CPU40は、点p1を固定点、点p2を移動点とした場合は、移動点p2が抽出領域の全ての輪郭線上を移動したか否かの判定を行なう。CPU40は、点p2を固定点、点p1を移動点とした場合は、移動点p1が抽出領域の全ての輪郭線上を移動したか否かの判定を行なう。判定結果がnoの場合(移動点の移動が終了していない場合)はステップS821に戻り、次の二点間について同様の処理を行なう。判定結果がyesの場合は、ステップS826に進む。
CPU40は、特定値(例えば5)の記録された領域の面積(s1)を求める。この面積s1が凹部分の面積となる。
CPU40は、面積s1と抽出領域の面積s2との面積比RSを求める。
CPU40は、面積比RSが予め設定された一定値よりも大きいか否かの判定を行なう。判定結果がyesの場合(大きい場合)はステップS829に進み、判定結果がnoの場合(小さいか又は等しい場合)はステップS82Aに進む。
[ステップS829]
ステップS828で面積比RSが一定値よりも大きいと判定されたので、抽出された陰影は血管陰影の可能性が高い。従って、CPU40は、その陰影を病巣候補陰影から削除する。
[ステップS82A]
ステップS828で面積比RSが一定値以下だと判定されたので、抽出された陰影は病巣候補陰影の可能性が高い。従って、CPU40は、その陰影を病巣候補陰影として座標位置などの情報を保存する。
Claims (50)
- 医用画像に多値化処理を施して多値化画像を作成する多値化手段と、
前記多値化手段によって作成された前記多値化画像から陰影の形状を認識し、前記形状に基づいて前記医用画像から得られる前記医用画像の濃度を用いて病巣候補陰影を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記病巣候補陰影を識別可能に表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像診断支援装置。 - 請求項1において、前記医用画像の中から判別対象となる陰影の種類に応じた画素値範囲に属する画素を抽出して判別対象医用画像を作成する画像作成手段をさらに備え、
前記多値化手段は、前記判別対象医用画像に所定の画像処理を施して多値化画像を作成することを特徴とする画像診断支援装置。 - 請求項1において、前記抽出手段は、前記多値化画像を判別対象となる陰影の大きさに応じてそれぞれの画像の拡大率あるいは縮小率を調整し、その調整した画像に対して前記病巣候補陰影を抽出することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段は、前記判別処理の中の少なくとも1つ以上を組み合わせて構成された複数の組み合わせ処理を前記医用画像のスライス厚に応じて選択し、選択された組み合わせ処理を前記多値化画像に対して前記病巣候補陰影を抽出することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の半径を前記多値化画像中の陰影上で回転させて、前記半径と交わる前記多値化画像中の陰影の画素値をサンプリングし、前記画素値に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項5において、前記半径を渦巻状又は同心円状に回転させて前記画素値をサンプリングし、前記画素値に基づいて前記回転によって形成される各ループの代表値を求め、前記代表値を予め記憶されている基準値と比較判定して前記陰影を判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項5において、前記多値化画像中の複数の陰影についてそれぞれ検出点付近を基準点とする所定長の半径を前記多値化画像中の陰影上で回転させて、前記半径と交わる前記多値化画像中の陰影の画素値をサンプリングし、前記回転によって形成される各ループの隣接するループ同士の前記画素値の相関を求め、前記相関に基づいて前記陰影を判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定の角度をなす二直線を前記判別対象医用画像中の陰影上で回転させて、前記二直線と交わる前記判別対象医用画像中の陰影の画素値をそれぞれサンプリングし、前記二直線に対応する前記画素値に基づいて前記陰影の異方性を求め、前記異方性に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点とする所定長の半径を前記判別対象医用画像中の陰影上で回転させて、前記半径と交わる前記判別対象医用画像中の陰影の画素値をサンプリングし、前記画素値が前記回転に応じて急激に変化する時の角度を少なくとも2カ所検出し、前記少なくとも2カ所の角度に位置する半径間の仰角を求め、前記仰角と予め記憶されている基準値とを比較判定して前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項9において、前記抽出手段における判別処理は、前記仰角と予め記憶されている基準値とを比較判定して前記陰影が病巣候補陰影であると判別した場合に、前記陰影と胸膜の壁面との接触長を求め、前記接触長に基づいて前記陰影が病巣陰影であるか又は癌随伴陰影であるかを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記多値化画像中の陰影と交差する直線部分の長さの最小値及び最大値の少なくとも一方を求め、前記基準点を通って前記最小値の直線にほぼ直交するような直交直線の延長線上であって前記陰影から所定距離だけ外側に位置する前記多値化画像中の第1及び第2の画素値及び前記最小値の直線の延長線上であって前記陰影から所定距離だけ外側に位置する前記多値化画像中の第3及び第4の画素値、前記基準点を通って前記最大値の直線にほぼ直交するような直交直線の延長線上であって前記陰影から所定距離だけ外側に位置する前記多値化画像中の第5及び第6の画素値及び前記最大値の直線の延長線上であって前記陰影から所定距離だけ外側に位置する前記多値化画像中の第7及び第8の画素値、又は前記最小値及び最大値の直線の延長線上であって前記陰影から所定距離だけ外側に位置する前記多値化画像中の第9〜第12の画素値をサンプリングし、前記第1〜第4の画素値、前記第5〜第8の画素値、又は前記第9〜第12の画素値に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点とする所定長の半径を前記多値化画像中の陰影上で回転させて前記半径と交わる前記多値化画像中の陰影の画素値をサンプリングし、前記画素値に基づいて濃度波形を作成し、前記濃度波形のピークを示す角度にある半径を少なくとも2カ所検出し、前記検出された半径の隣り合うもの同士のなす角度の二等分線を求め、前記検出された半径上における前記画素値の総和と前記二等分線上における前記画素値の総和に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点とする所定長の半径を前記多値化画像の陰影上で回転させて前記半径と交わる前記多値化画像中の陰影の画素値をサンプリングし、前記画素値に基づいて濃度波形を作成し、前記濃度波形のピークを示す半径を少なくとも2カ所検出し、前記検出された半径上における前記画素値の平均値と、前記検出された半径以外の半径上における前記画素値の平均値とに基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記多値化画像中の陰影と交差する直線部分の長さを求め、回転角度と前記直線部分の長さとの関係を示す曲線をフーリエ展開し、このフーリエ展開の結果に基づいて、前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項14において、前記抽出手段における判別処理は、前記フーリエ展開の結果から横軸を周波数とし、縦軸をフーリエ係数とする折れ線グラフを作成し、この折れ線グラフに基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるかどうかを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記多値化画像中の陰影と交差する直線部分の長さの最小値を求め、前記最小値の自乗で前記陰影の面積を除算し、その除算値に基づいて、前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記多値化画像中の陰影と交差する直線部分の長さの最小値を求め、前記最小値に基づいて切断長を求め、前記切断長を用いて前記陰影に接する細長い陰影を除去することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として前記陰影の形状に即した閉曲線を描き、前記閉曲線が前記多値化画像中の陰影と交わる場合の短曲線長又は交わらない場合の短曲線長と、その短曲線長の個数を求め、前記短曲線長と前記個数との関係に基づいて、前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記陰影を通過する所定方向の少なくとも一つの直線と交わる前記医用画像中の画素値をサンプリングし、前記画素値に基づいて前記直線上における各画素の正負の濃度勾配を求め、前記正の濃度勾配が連続する場合の画素数を正のランレングスとし、前記負の濃度勾配が連続する場合の画素数を負のランレングスとして、前記正及び負のランレングスとそれらの個数を求め、前記正及び負のランレングスと前記個数との関係に基づいて、前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記多値化画像中の陰影の画素値の分散値又は標準偏差値を求め、前記分散値又は標準偏差値に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項20において、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記多値化画像中の陰影上で回転させて前記直線と交わる前記多値化画像中の陰影の画素値をサンプリングし、所定の角度の前記直線と交わる前記画素値の分散値又は標準偏差値を前記陰影判別のために求めることを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項20において、前記多値化画像中の陰影を複数領域に分割し、各領域における前記画素値の分散値又は標準偏差値を前記陰影判別のために求めることを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項20において、前記多値化画像中の陰影の外側の所定領域における画素値の陰影外分散値又は陰影外標準偏差値を前記陰影判別のために求めることを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項20において、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記中心又は重心から前記陰影の縁部までの距離の分散値又は標準偏差値を前記陰影の全周囲に渡って前記陰影判別のために求めることを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項20において、前記陰影の水平方向及び垂直方向における縁から縁までの距離の分散値又は標準偏差値を前記陰影判別のために求めることを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段は、前記多値化画像に基づいて陰影の中心又は重心を検出し、前記陰影の中心又は重心付近を基準点として所定長の直線を前記判別対象医用画像中の陰影上で回転させて、前記直線と前記判別対象医用画像中の陰影と交差する直線部分の長さの最大値を求め、前記最大値の直線に対してほぼ平行な帯状の延長線を設定し、前記帯状の延長線上に位置する画素メモリに所定値を加算する処理を前記陰影の数繰り返し実行し、前記画素メモリの前記加算処理の結果に基づいて病巣候補陰影の位置を抽出することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記医用画像のスライス厚方向に隣接する2枚の前記多値化画像中に存在する陰影同士を比較し、前記陰影同士が所定の割合以上で重なるか否かに基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、互いに直交するアキシャル画像、サジタル画像、コロナル画像の少なくとも2組の画像を用いて、それぞれ病巣候補陰影を抽出し、それぞれの画像で抽出された病巣候補陰影の存在位置に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項28において、前記陰影が病巣候補陰影であると判別された場合に前記病巣候補陰影の座標位置と、前記病巣候補陰影に関する情報をメモリに記憶することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記陰影領域の面積を求めると共に前記陰影領域の縁部に形成される凹部領域の面積を求め、前記陰影領域の面積と前記凹部領域の面積との比率を求め、求められた比率に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記陰影領域の縁部に内接する円又は多角形の面積と、前記円又は多角形によって分割された前記陰影の分割領域の面積とを求め、前記円又は多角形の面積と前記陰影の分割領域の面積との比率を求め、求められた比率に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段における判別処理は、前記陰影領域の縁部に外接する円の面積を求め、前記円の面積と前記陰影の面積との比率を求め、求められた比率に基づいて前記陰影が病巣候補陰影であるか否かを判別することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記表示手段は、前記判別処理によって前記病巣候補陰影と判別された陰影を、前記判別処理の一つの処理が終了する毎に、前記医用画像中に又は前記医用画像とは別の領域に表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項33において、病巣候補画像若しくは画像付帯情報を表示するための第1の表示領域と、病巣候補が検出されない非検出画像若しくは画像付帯情報を表示するための第2の表示領域と、病巣候補の判別が不可能な判別不能画像若しくは画像付帯情報を表示するための第3の表示領域とを前記表示手段の画面上に設けたことを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記表示手段は、前記病巣候補陰影付近の拡大画像を、前記医用画像中に又は前記医用画像とは別の領域に表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記表示手段は、前記病巣候補陰影の前記医用画像中における位置に応じてその表示の順番を制御して前記医用画像を表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項36において、前記表示手段は、前記病巣候補陰影の前記医用画像中におけるポインティングデバイスの操作位置に応じてその表示の順番を制御して前記操作位置の近くに前記病巣候補陰影を有する前記医用画像を表示するようにしたことを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記表示手段は、前記抽出された前記病巣候補陰影を囲むようなマーカーを表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項38において、前記抽出手段は、抽出された前記病巣候補陰影の病巣確信度を検出し、前記表示手段は、前記病巣確信度に基づいて前記マーカーの表示形態を変えて表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項38において、前記表示手段は、前記病巣候補陰影の複数をそれぞれ囲むように
マーカーが互いに重複する場合には、その重複部分を消去して表示することを特徴とする
画像診断支援装置。 - 請求項38において、前記表示手段は、前記マーカーで囲まれた領域をコントラスト強調又はガンマ処理強調を行い、前記病巣候補陰影を鮮明に表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項38において、前記表示手段は、前記マーカーの表示を行なわない非表示モードが選択された場合には、前記マーカーを非表示にすると共に画面上に現在非表示モード中であることを表示し、前記非表示モードに入ってから所定時間が経過した場合には前記マーカーを自動的に表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記抽出手段は、抽出された前記病巣候補陰影と胸膜の壁面との接触長を求め、前記接触長に基づいて前記陰影が癌随伴陰影であるか否か判別し、前記表示手段は、前記癌随伴陰影の周囲をマーカーで囲むように表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記表示手段は、互いに異なる時点で撮影された前記医用画像からそれぞれ抽出された病巣候補陰影を、その撮影時点の区別が付くような表示態様のマーカーでそれぞれ囲むように表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記表示手段は、前記抽出された前記病巣候補陰影の長軸方向に対して楕円の長軸方向が一致するような楕円形状のマーカーを、前記病巣候補陰影を囲むように表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項45において、前記表示手段は、前記病巣候補陰影の複数をそれぞれ囲むようにマーカーが互いに重複する場合には、その重複部分を消去して表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項45において、前記表示手段は、前記マーカーで囲まれた領域をコントラスト強調又はガンマ処理強調を行い、前記病巣候補陰影を鮮明に表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項45において、前記表示手段は、前記マーカーの表示を行なわない非表示モードが選択された場合には、前記マーカーを非表示にすると共に画面上に現在非表示モード中であることを表示し、前記非表示モードに入ってから所定時間が経過した場合には前記マーカーを自動的に表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記表示手段は、前記病巣候補陰影が存在する医用画像と、前記病巣候補陰影が存在しない医用画像とで、動画像表示における表示時間を異ならせて表示することを特徴とする画像診断支援装置。
- 請求項1において、前記表示手段は、医師による読影が終了していない医用画像に対しては、前記識別可能な表示を行わないことを特徴とする画像診断支援装置。
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