JP2008287273A - 分割波長板フィルターの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 立体画像表示装置の画素部に対して正確に対応するように、パターン精度や均一厚み、面内均一性に優れ、かつ再現性及び量産性の高い分割波長板フィルターの製造方法を提供すること。
【解決手段】 分割波長板材料層3を第2の基体としての基板11上に印刷により形成し、第1の基体としての基板209上に所定パターンに接着剤層2aを形成し、この接着剤層2aを介して分割波長板材料層3を基板209に転写し、分割波長板208を転写によって形成する。これにより、均一厚み、面内均一性及び再現性のある分割波長板208を精度良く、量産性のある方法で製造できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば立体画像表示装置の分割波長板フィルターの製造方法に関するものである。
従来、3次元に画像を表現する技術については種々の試みがなされており、写真、映画、テレビジョン等多くの分野で3次元画像に関する表示方法が研究され、実用化されてきている。3次元画像の表示方式としてはめがね式とめがね無し式とに大別されるが、いずれの方式も両眼視差のある画像を観察者の左右の眼に入力し、立体映像として見ることができる。
めがね式の代表的なものとしては、いわゆる赤、青めがねを着用するアナグリフ方式や偏光めがね方式がある。アナグリフなどの色分離方式は色表現の困難及び視野の劣化が生じるなど品質的に不利な点が多く、また偏光めがね方式では、一般的には2台の投影装置を用いる必要がある等の問題があったが、近年直視型の1つの表示装置にて立体表示を可能とする方法が提唱されている。
その偏光めがね方式を用いる立体画像表示装置の概要を図19に示す。
立体画像表示装置200は、液晶パネル部201と、この液晶パネル部201に取り付けられた分割波長板フィルター部202とからなる構造を有している。液晶パネル部201は、一対の偏光板203、207の間に一対の透明支持基体204、206が形成され、その間にRGBの画素が形成された画素液晶部205が設けられている。この液晶パネル部201の表面には、分割波長板フィルター部202が設けられており、例えば1ライン置きに分割波長板208を透明支持基体209の片面に配設した構造を有している。分割波長板フィルター部202はマイクロポール(μ−Pol)やマイクロポーラライザー(micropolarizer)とも称される。
このような構造の立体画像表示装置200は、液晶パネル部201から出た直線偏光の方向を回転させることにより、表示画面の偶数ラインと奇数ラインからの直線偏光を互いに直交するものに変換している。即ち偶数ラインからは液晶パネルからの直線偏光がそのまま出射され、奇数ラインでは分割波長板208の作用によりこれと直交する直線偏光とされる。
この表示装置の光を互いに直交する偏光方向のめがね210にて観測することにより、右眼には右眼用画像の光が入射し、左眼には左眼用画像の光が入射するため、このめがね210で見ることにより、フルカラーでちらつきのない立体画像を見ることが可能となる。
即ち、立体画像表示装置200は、液晶パネル部201の構成と、分割波長板フィルター部202の構成が合わされて、立体表示が可能であり、これを偏光めがね210により立体画像として見ることが可能である。液晶パネル側において、画素液晶部205は一対の透明支持基体204、206の間に配置され、赤色画素部(R)、緑色画素部(G)、青色画素部(B)の組み合わせからなり、これら3色からなる画素部分がマトリクス状に配列されている。
そして、透明支持基体206の観賞者側に配設された偏光板207を通過した光は直線偏光となり、その直線偏光の光が分割波長板フィルター部202に到達する。分割波長板フィルター部202には枠体として機能するガラス等からなる透明支持基体209が設けられ、この透明支持基体209の液晶パネル部201側に各帯状の分割波長板208が形成されている。分割波長板208はそれぞれ長手方向を水平方向とするように延在されており、その帯状の幅は画素液晶部205の画素ピッチと同程度である。分割波長板208の数は、画素部205の垂直方向の画素数の半分である。
各帯状の分割波長板208は、画素液晶部205の画素ピッチで1ライン置きに形成されているため、右眼用の立体画像若しくは左眼用の立体画像のどちらか一方が分割波長板208を通過することにより、その偏光方向が90度回転することになり、分割波長板208を通過しない側の立体画像は、その偏光方向が回転せずにそのまま射出する。
このように、ライン毎で異なる偏光方向に制御され、分割波長板208を通過した時点では、直交する2種類の直線偏光が混在するものとなる。従って、鑑賞者は偏光めがね210をかけ、右眼用の立体画像及び左眼用の立体画像を選択的に両眼で受け取り、立体画像を見ることができる。
このように構成されている立体画像表示装置200は、その立体画像をクロストーク等がなく、良好に観賞することができるためには、帯状の分割波長板208が画素ピッチに正確に対応できるように形成され、画素液晶部205のストライプラインに対し、正確に配置されていることが重要である。
従って、微細な幅(100〜200μm)に形成される分割波長板208が、高精度に作製されると共に、画素液晶部205のラインに対し、1ライン置きに正確なライン形状で均一厚みに配され、面内均一性も保持した分割波長板208を再現性良く製造することが要求されている。
図20に、分割波長板208の従来の製造方法の一例(後記の特許文献1参照)を概略斜視図で示す。即ち、従来の分割波長板208の作製にはグラインダー(ダイサー)20が用いられ、上記の如き透明支持基体(以下、ガラス基板と称する。)209上に設けた位相差材料層(例えば位相差フィルム)3をストライプ形状に形成する際は、微細な幅の砥石を有するグラインダー20を用いて位相差材料層3を1ライン毎に削り取り、微細な幅の除去部4と分割波長板208が形成されていた。
特開平10−160933号公報(段落番号[0037]〜[0041]、[図2])
しかしながら、図20に示した製造方法では、樹脂からなる位相差材料層3をグラインダー20によって削り取るため、グラインダー20の砥石の目詰まりにより、精度が得難いことがあると共に、摩擦熱により樹脂が軟化するため、グラインダー20の高速回転がし難く、グラインダー20を多列配置することができないため、量産性に欠けるという問題があり、これらの問題の早急な解決が要求されている。
そこで本発明の目的は、画素部に正確に対応するように、パターン精度や均一厚み、面内均一性に優れ、かつ再現性及び量産性の高い分割波長板フィルターの製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、画像表示部において視差に対応して分割された各画像領域からそれぞれ得られた光の偏光方向を制御する分割波長板フィルターの製造方法であって、
付着性の高い高付着層を第1の基体上に所定パターンに形成する工程と、
第2の基体上に分割波長板となる材料層を形成する工程と、
前記高付着層と前記材料層とを接触させた状態で前記第1の基体と前記第2の基体と を互いに圧接する工程と、
これらの基体を分離することにより、前記第1の基体の前記高付着層上にこれと同一 パターンに前記材料層を転写する工程と
を有する、分割波長板フィルターの製造方法に係るものである。
本発明の製造方法によれば、第1の基体上に形成した付着性の高い高付着層と、第2の基体上に形成した分割波長板となる材料層とを、接触させた状態で圧接した後に、これらの分離により、第1の基体の高付着層上にこれと同一パターンに第2の基体上の材料層を転写するので、第1の基体上に高付着層を設計どおりの所定パターンに形成しただけで、第1の基体の高付着層上に第2の基体上から分割波長板となる材料層を所定パターンに転写でき、従って第1の基体上に分割波長板を所定パターンに精度良く、簡単な工程で形成できると共に、量産性の高い分割波長板フィルターの製造方法を実現できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の製造方法においては、前記第1の基体上に前記高付着層を印刷により形成しておくことが望ましい。
そして、転写後の前記第2の基体上に高付着層とは逆パターンに残された材料層も分割波長板として用いることが望ましい。
また、得られた分割波長板上を保護膜で被覆するのが望ましい。
次に、本発明の実施の形態を図面参照下で具体的に説明する。
まず、本発明の参考例から説明すると、分割波長板となる材料層としての分割波長板材料層、配向膜材料層及び接着剤層等は、それぞれその形成の過程において主として印刷(貼り付けることもある)によって形成するものであり、基板上に所定の分割パターンに配した接着剤層又は粘着剤層上に位相差特性のあるフィルムを貼り付け、これを所定の分割パターンに切断除去する場合と、基板上の全面又は所定パターンに配向膜材料層を形成後に、この配向膜材料層に配向処理を施し、この上に分割波長板材料を全面又は所定パターンに配し、これに露光等の処理を行って分割波長板を形成するか、又は基板上に配した分割波長板材料層に直接配向処理して分割波長板を形成する場合とに大別される。
〔参考例1〕
図1は、分割波長板の形成過程において、分割波長板材料層を所定の分割パターンに分割するために、接着剤等を基板上に印刷した後に、分割波長板材料層を配し、これを分割パターンに切断するまでの過程を示す概略斜視図であり、(a)は基板上に接着剤又は粘着剤を配した状態、(b)はこの上に分割波長板材料層を貼り付けた状態、(c)はこれの切断状態を示す。なお、図19に示した従来例と共通の部位には共通の符号を用いる(他の例も同様)。
図1(a)に示すように、まず、ガラス基板(以下、単に基板と称する。)209上に接着剤又は粘着剤(以下、接着剤で代表する。)2を印刷により所定の分割パターンに設ける。これにより、接着剤を一定厚みに形成できる。次に図1(b)に示すように、この上に分割波長板材料層3を全面に設ける。図1においてはこの分割波長板材料層3として位相差特性のあるフィルムを貼り付けるが、後述する材料を全面に配した後に、これを所定パターンに配向処理してもよい。
次に図1(c)に示すように、予め基板209上に配した接着剤2のパターンに沿って、切断刃(例えばナイフ)5により一括切断する。この切断刃5は一括切断が可能になるように多列配置されているが、図1(c)では簡略図示した。この切断により、接着剤2が存在する領域と接着剤2が存在しない領域とが分割され、接着剤2が存在しない領域の分割波長板材料層3は不図示の巻き取り装置に巻き取る。これにより、図19に示した画素液晶部205の画素ピッチラインに対応するように、1ライン置きに配置する分割波長板208を精度良く形成できる。
図1(a)〜(c)各図の断面(即ち、a’−a’の断面、b’−b’の断面、c’−c’の断面)を各図の下に示す。これにより、(b)におけるb’−b’の断面(b)’に示すように、基板209上に形成される分割波長板材料層3の厚みtは5〜30μm、又、(c)におけるc’−c’断面(c)’に示すように、分割波長板となる領域の幅Wは100〜200μmに形成する。なお、図1(c)に示すように、切断後は保護膜(仮想線で示す)6で被覆する。
印刷は、例えば図2に示した装置を用いて行う。図2はこの装置の概略図を示す。即ち、台21の上方に印刷ロール23とこれに接触して回転するアニックスロール22が位置固定して配され、これらのロールはそれぞれ矢印方向に駆動し回転する。アニックスロール22の斜め上部位置には、ドクターブレード24がアニックスロール22のロール面22aとの間に一定の間隙Dを形成して配され、図示の如く、ドクターブレード24の上流側において、アニックスロール22とドクターブレード24との間に印刷材料1として分割波長板となる材料が供給される。従って、上記した間隙Dにより印刷材料1が一定の膜厚で塗布される。
印刷ロール23のロール面23aには、分割波長板を形成するための所定パターンが設計どおりに凸状の原版として形成されており、一方アニックスロール22のロール面22aに供給される印刷材料1は、ドクターブレード24によって一定の厚さに制御されてアニックスロール面22aに付着し、回転方向の下流側へ運ばれる。
従って、アニックスロールのロール面22aに付着した印刷材料1は、印刷ロール23のロール面に形成された原版の凸部に付着し、印刷ロール23と台21との間を矢印方向に搬送される基板209の表面に所定パターンにて転写される。転写する印刷材料1は上記した接着剤2又は後述する配向膜材料や分割波長板材料である。
図2において、基板209の進行方向に対して、印刷ロール23の上流側に実線で示したラビングロール26及び下流側に仮想線で示したラビングロール26は、基板209上に設ける配向膜又は分割波長板材料に配向処理するために配置されるものである。
この参考例によれば、印刷ロール23のロール面23aに所定パターンの凸状の原版を設定どおりに形成し、印刷材料1としての接着剤2(又は後述する配向膜材料や分割波長板材料)を基板209に印刷により所定パターンに形成するので、パターンの形状及び印刷の厚さを一定に形成でき、この上に貼り付けた分割波長板材料層3を所定パターンに多列配置したカッター5で一括切断するため、精度良く形成できると共に量産性があり、立体画像表示装置の分割波長板フィルターに対する要求(即ち、画素ピッチラインに対応して1ライン置きに正確に配置が可能な精度と量産性等)を満たすことのできる、分割波長板フィルターの製造方法を提供できる。
実施の形態1
図3は、本発明の実施の形態を示すものであって、分割波長板材料層3を第2の基体としての基板11上に印刷により形成し、第1の基体としての基板209上に所定パターンに接着剤層2aを形成し、この接着剤層2aを介して分割波長板材料層3を基板209に転写し、分割波長板を転写によって形成するプロセスを示す概略断面図を示す。
まず、図3(a)に示すように、基板11上の全面に分割波長板材料層3を、例えば図2に示した印刷方法により一定の厚さに形成する。
次いで図3(b)に示すように、例えば図2に示した印刷法により、基板209上に、高付着層として接着力の大きい接着剤層2aを設計どおりの所定パターンに配し、これを基板11の上方に位置させ、図3(c)に示すように、双方の基板11、209を当接させ、圧接する。
次いで図3(d)に示すように、これらの基板11、209を引離して分離する。この際、基板11を下方移動させてもよく、反対に基板209を上方移動させてもよい。この分離により、基板209の接着剤2aに対応する位置の分割波長板材料層3が、基板11から基板209側へ転写され、所定パターンに配置できる。これにより、図19に示した画素液晶部205の画素ピッチラインに対応するように、1ライン置きに配置する分割波長板208を精度良く形成できる。
次いで図3(e)に示すように、基板209を反転させてひっくり返し、この分割波長板材料層3の表面を、例えば図2に示したように、ラビングロール26を用いて配向処理することにより、分割波長板208を形成後に、全面を保護膜6で被覆する。
なお、図3においては図示省略したが、転写されない分割波長板材料層3’が残存している基板11側にも、分割波長板材料層3’が所定パターンに形成されるので、例えば基板11両端の不要部分を切断除去すれば、基板209側と同様なパターンの分割波長板材料層3’を有する基板11となるため、これを基板209と同様に配向処理することにより、同様に分割波長板フィルターとして用いることもできる。
本実施の形態によれば、基板209上に一定の厚さで所定パターンに配した接着力の大きい接着剤2aを介して、基板11上の全面に一定の厚さに配した分割波長板材料層3を基板209側に転写するので、基板209上に分割波長板材料層3を精度良く形成できると共に、量産性があることにより、立体画像表示装置の分割波長板フィルターに対する要求(即ち、画素ピッチラインに対応して1ライン置きに正確に配置可能な精度と量産性等)を満たすことのできる、分割波長板フィルターの製造方法を提供できる。
また、反対側の基板11にも分割波長板材料層3’が精度良く、所定パターンに配置された状態で残るため、この転写プロセスによって、同時に分割波長板208を2枚の基板に設計どおりのパターンに形成することができ、簡単な工程で精度の良い分割波長板フィルターを製造できるため、更に量産性の高い製造方法を提供できる。
上記した実施の形態等における分割波長板材料層、配向膜材料層及びこれらの配向処理の具体例を図4〜図13に示す。
まず図4は、上記した分割波長板材料層3及び後述する配向膜材料層等を、例えば、図2に示した印刷法を用いた印刷により基板209上に形成した後に、これを例えば図2に示したようにして配向処理する概念を示す図である。分割波長板材料層としては、サーモトロピック(Thermotropic)相又はリオトロピック(Lyotropic)相の複屈折液晶ポリマーをインク化したもの、又は光重合性モノマーを用いる。
<具体例1>
図5は、サーモトロピック相の複屈折液晶ポリマー又はリオトロピック相の複屈折液晶ポリマーをインク層9として使用する場合の一例であり、このインク層9を用いて分割波長板を形成するプロセスの概略断面図を示す。
まず、前処理として図5(a)に示すように、基板209上の全面に例えばポリイミドを材料として配向膜8を形成した後に、図5(b)に示すように、所定パターンにラビングにより配向処理部8aを形成する。
次いで図5(c)に示すように、この上にインク層9を全面に印刷によって形成する。このサーモトロピック相からなるインク層9は加熱によって溶融し、この温度で相変化する複屈折液晶ポリマーであるため、加熱溶融して配向膜8上に印刷することにより、配向膜8の配向処理部8a上の領域のインク層9が、配向処理部8aの配向方向に沿って相変化する。
また、リオトロピック相からなるインク層9の場合は、このポリマーは溶媒で溶かすことにより相変化する複屈折液晶ポリマーであるため、溶媒で溶かした溶液を印刷することにより、配向処理部8a上の領域のインク層9が、溶媒の蒸発に伴って配向処理部8aの配向方向に沿って相変化する。
次いで図5(d)に示すように、これの後処理としてインク層9の全面を加熱処理することにより、相変化した部分のインク層9aが配向強化され、またリオトロピック相からなるインク層9の場合は、溶媒が蒸発してしまうことにより、配向方向が固定化した分割波長板208を形成することができる。
<具体例2>
図6は、サーモトロピック相の複屈折液晶ポリマー又はリオトロピック相の複屈折液晶ポリマーをインク層9として使用する場合(但し、サーモトロピック相で説明する)の他の一例であり、このインク9を用いて分割波長板を形成するプロセスの概略断面図を示す。
まず、前処理として図6(a)に示すように、基板209の全面に例えばポリイミドを材料として配向膜8を形成した後に、図6(b)に示すように、例えば配向膜8の上面全体をラビング処理して配向処理部8aを形成する。
次いで図6(c)に示すように、この配向処理部8a上にインク層9を所定パターンに印刷によって形成する。従って上記例と同様に、インク層9が温度で相変化する複屈折液晶ポリマーであるため、加熱溶融して配向膜8上に印刷することにより、全面が配向処理された配向膜8上に形成したインク層9が、配向処理部8aの配向方向に沿って相変化したインク層9に変化する。
次いで図6(d)に示すように、この後処理としては上記例と同様に、インク層9を加熱処理することにより、インク層9の配向が強化され、配向方向が固定化した分割波長板208を形成できる。
サーモトロピック相の複屈折液晶ポリマー又はリオトロピック相の複屈折液晶ポリマーをインク層9として使用する方法は、上記各例に限らず、変形して実施することが可能である。図7、図8に代表的な変形例を示す。
この変形例は、まず図7(a)に示すように、基板209上に例えばポリイミドを材料とする配向膜8を所定パターンに印刷により形成した後に、図7(b)に示すように、この配向膜8の上面をラビング処理して配向処理部8aを形成する。
次いで、図7(c)に示すように、この上の全面にインク層9を印刷により形成する。従って、上記例と同様に、配向処理された配向膜8a上に存在する部分のインク層9が、配向膜8aの配向方向に沿って相変化して分割波長板208を形成することができる。
次の変形例は、まず図8(a)、図8(b)に示すように、図7と同様に配向膜8aを形成する。
次いで図8(c)に示すように、配向膜8上のみに所定パターンにインク層9を印刷により形成することにより、上記例と同様に、配向処理された配向膜8aの配向方向に沿ってインク層9が相変化して分割波長板208を形成することができる。
なお、上記したサーモトロピック相の複屈折液晶ポリマー又はリオトロピック相の複屈折液晶ポリマーを用いる場合の配向処理は、印刷と同時に配向処理(図示省略)するようにしてもよい。
<具体例3>
図9及び図10は光重合性モノマーをインク層12として使用する場合の各例であり、このインク層12を用いて分割波長板を形成するプロセスの概略断面図である。そして、最終的にはモノマーをポリマー化するが、基本的なプロセスとして、(1)下地に配向膜を用いる、(2)配向膜なしでモノマーを偏光露光する、(3)ポリマー化後に配向処理する、の形態を採る。
図9は、上記した(1)の下地に配向膜を用いる例であり、その概略プロセスの断面図を示す。即ち、図9(a)に示すように、基板209上の全面に例えばポリイミドからなる配向膜8を形成した後に、図9(b)に示すように、この配向膜8を所定パターンにラビング処理して配向処理部8aを形成する。
次いで図9(c)に示すように、この上の全面に光重合性モノマーからなるインク層12を印刷により形成した後に、全面露光する。この露光によりインク層12がポリマー化すると共に、配向膜8の配向処理部8a上部に存在するインク層12が、配向処理部8aの配向方向に沿って相変化し、分割波長板208を形成することができる。
図10は、上記した(2)の配向膜なしでモノマーを偏光露光する例であり、その概略プロセスの断面図を示す。即ち、図10(a)に示すように、基板209上にインク層12を所定パターンに印刷により形成する。
次いで図10(b)に示すように、基板209上の全面を偏光露光する。この偏光露光処理により、基板209上に所定パターンに配したインク層12が相変化し、分割波長板208を形成することができる。また、図示省略するが、基板209上の全面にインク層12を形成してポリマー化後に、ラビング処理を所定パターンに行って分割波長板208を形成することもできる。
図11は、上記した(3)のポリマー化後に配向処理する例であり、その概略プロセスの断面図を示す。即ち、例えば図11(a)に示すように、基板209上の全面に配向膜なしでインク層12を印刷により形成し、これを全面露光してポリマー化後に、所定パターンにラビング処理して分割波長板208を形成することもできる。
光重合性モノマーをインク層12として使用する方法は、上記各例に限らず、変形して実施することが可能である。図12にその一例を示す。
この変形例は、まず図12(a)に示すように、基板209上の全面にインク層12を形成し、このインク層12の上方に露光マスク15を所定パターンに配した後に、全面を偏光露光する。これにより非マスク部のインク層12が配向処理されると共にポリマー化する。
次に図12(b)に示すように、露光マスク15を除去して、更に全面を露光する。これにより露光マスク15により偏光露光されていない領域のインク層12もポリマー化されると共に、偏光露光された領域に分割波長板208を形成することができる。
〔参考例2〕
図13は、上記した配向処理を伴わない例の概略図を示す。
即ち、図13(a)に示すように、基板209上の全面に分割波長板材料層3を形成し、この上に熱吸収インク層14を例えば図2に示した印刷法により、所定パターンに印刷する。この分割波長板材料層3としては、例えば位相差特性のあるフィルムを基板209上に貼り付ける。
次いで図13(b)に示すように、一括全面露光することにより、熱吸収インク層14下の分割波長板材料層3が、熱吸収したインクの熱によって位相差特性を消失する。従って、熱吸収インク層14が存在しない領域に、分割波長板208が所定パターンに形成される。
この参考例によれば、分割波長板材料層3上に熱吸収インク層14を所定パターンに形成し、これを露光処理することにより、選択的に熱吸収インク層14下の材料層3の位相差特性を消失させ、上記熱吸収インク層14が存在しない領域を分割波長板208として形成するものであるが、これにより、画素ピッチラインに対応して1ライン置きに正確に配置可能な分割波長板フィルターを精度良く形成でき、量産性があり、立体画像表示装置の分割波長板フィルターに対する要求を満たすことのできる、分割波長板フィルターの製造方法を提供できる。
〔参考例3〕
図14は、分割波長板材料層3を所定パターンのレーザ照射により、この所定パターンに相当する分割パターンに形成することを示し、(a)は概略斜視図、(b)はレーザ照射後の要部の拡大断面図、(c)はレーザ熱により位相差特性が消失した状態の要部の拡大断面図である。
即ち、図14(a)に示すように、基板209上の全面に分割波長板材料3を形成後に、不図示のレーザ発振器を所定パターンにプログラム処理しておくことにより、レーザ発振器が分割波長板を形成するライン方向Lにスキャンし、このレーザ照射30によりアブレーションして、選択的に分割波長板材料層3を除去し、設計どおりに所定パターンの分割波長板を高精度に形成することができ、これにより、図19に示した画素液晶部205の画素ピッチラインに対応するように1ライン置きに配することが可能となると共に、量産性を更に高めることができる。
この分割波長板材料層3としては、例えば位相差特性のあるフィルムで特にレーザ吸収性のある材料を用いる。又は、例えばレーザ吸収性のある酸化チタン18等を分割波長板材料層3上の全面に設けておいてもよい(図14(c)参照)。但し、酸化チタン18を設ける場合は、酸化チタン18を透過し易い波長のレーザで照射するのが好ましい。
このレーザ照射30により、図14(b)に示すように、レーザスキャンした領域の分割波長板材料層3がアブレーションして除去部4が形成され、除去されずに残った領域の分割波長板材料層を分割波長板208として、所定パターンに高能率下で形成することができる。そして最後に、除去部4上も平坦になるように保護膜6で全体を被覆する。
また、レーザ発振器において電圧を調整することにより、図14(b)に示すように、低い熱のレーザ照射30により、照射領域の分割波長板材料層3の位相差特性を消失させ、除去しないで特性消失部3bのまま残し、分割波長板208の間に特性消失部3bを残存させた状態で、最後に保護膜6で全体を被覆することもできる。
この参考例によれば、基板209上の全面に形成したレーザ吸収性の良い分割波長板材料層3に対し、選択的にレーザ照射30を行い、所定パターンに分割波長板材料層3を除去して分割波長板208を形成するので、分割波長板208を精度良く形成できると共に、量産性があり、立体画像表示装置の分割波長板フィルターに対する要求(即ち、画素ピッチラインに対応して1ライン置きに正確に配置可能な精度と量産性等)を満たすことのできる、分割波長板フィルターの製造方法を提供できる。
〔参考例4〕
この参考例は、基板209上に形成した分割波長板材料層3を所定の分割パターンに切断により分割する方法であり、図15〜図18に具体例を示す。
まず、図15は、例えば既述した参考例1における分割の具体例を示す。図15に示すように、基板209上には、例えば粘着剤(又は接着剤)9を設計どおりの所定の分割パターンに形成後に、この上に分割波長板材料層3を全面に形成する。そしてこの分割波長板材料層3上に、カッター5を粘着剤2の両側ラインに沿うように多列に固定配置し、基板209を矢印Fの方向に搬送することにより、一括して分割波長板材料層3を切断すると共に、除去すべき剥離部3aを剥離しながら、不図示の巻き取り装置に巻き取る。
この切断と剥離部3aの除去により、剥離部3aを剥離した跡には除去部4が形成され、除去されない領域に分割波長板208が形成され、図19に示した画素液晶部205の画素ピッチラインに対応するように、1ライン置きに配置する分割波長板208を形成できる。これにより、分割波長板208を基板209上に所定パターンに精度良く形成することができると共に、量産性を有して製造することができる。
図16は、基板209を矢印F方向に搬送する方法を示す。例えば図16に示すように、搬送ローラー17を用いてもよく、又は、図示しない搬送方法により、例えば平面或いはほぼ平面の支持台上を矢印F方向に搬送するようにしてもよい。また、基板は固定してカッター5を矢印Fとは反対方向に移動させるようにしてもよい。
また、図17は他の切断方法の1例を示す。この場合は、回転式のカッター16を図15のカッターと同様に多列配置し、その軸16aを位置固定する。この場合も図15に示したのと同様に、切断後に剥離する剥離部3aは巻き取り装置に巻き取る。また、搬送方法は上記例と同様に行ってよく、また、回転式カッター16を移動し、基板209は固定してよい。
また、図18は上記した切断除去の変形例の概略斜視図を示す。即ち、図18に示すように、液体(例えば水)29を高圧で噴射させるノズル28を所定パターンに多列配置し、この噴射圧力で基板209上の分割波長板材料層3を選択的に除去してもよい。
この場合、分割波長板材料層3は、基板209上に所定パターンに配した粘着剤(又は接着剤)2上に設けたものでもよく、また、例えば既述した複屈折液晶ポリマー又は光重合性モノマーをポリマー化して形成したものであってもよい。
更に、高圧噴射させる液体29として、例えば温水を使用することにより、分割波長板材料層3の選択的な除去能力を高めることができ、分割波長板材料層3が厚く(例えば30μm、図1参照)形成されている場合に、除去幅を広く(例えば100μm)に形成する場合の如く、広帯域を除去する必要がある場合に好適に使用することができる。
この参考例によれば、基板209上に所定の分割パターンに形成した粘着剤2の両側ラインに沿って、多列配置のカッター5(又は6)により、分割波長板材料層を一括して切断するので、設計どおりに所定パターンの分割波長板208を精度良く形成できると共に、量産性を有していることにより、立体画像表示装置の分割波長板フィルターに対する要求(即ち、画素ピッチラインに対応して1ライン置きに正確に配置可能な精度と量産性等)を満たすことのできる、分割波長板フィルターの製造方法を提供できる。
上記した実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて変形することができる。
例えば、実施の形態における分割波長板208の形成プロセスは実施の形態に示した以外の適宜であってもよく、使用する材料及び配向処理の方法も同等の機能を発揮できれば適宜であってよい。
更に、本発明は、上述した偏光めがね方式による立体像観察に限らず、偏光等による視差等を用いる公知の立体像観察一般にも適用できる。
本発明は、画素部に正確に対応し、パターン精度や均一厚み、面内均一性に優れ、かつ再現性及び量産性が高く、立体画像表示装置に好適な分割波長板フィルターを提供できる。
本発明の参考例1による分割波長板フィルターの形成過程を示す概略斜視図である。 同、印刷装置を示す概略図である。 本発明の実施の形態1による分割波長板フィルターの製造プロセスを示す概略断面図である。 同、分割波長板フィルターの材料層を印刷後に配向処理する概念を示す図である。 同、材料層の形成、配向処理の具体例を示す概略断面図である。 同、材料層の形成、配向処理の具体例を示す概略断面図である。 同、配向処理の変形例を示す概略断面図である。 同、配向処理の変形例を示す概略断面図である。 同、材料層の形成、配向処理の具体例を示す概略断面図である。 同、材料層の形成、配向処理の具体例を示す概略断面図である。 同、材料層の形成、配向処理の具体例を示す概略断面図である。 同、配向処理の変形例を示す概略断面図である。 本発明の参考例2による配向処理例を示す概略斜視図である。 本発明の参考例3により、レーザ照射で分割波長板フィルターを形成する概略斜視図である。 本発明の参考例4における分割波長板材料層の切断状態の一例を示す概略斜視図である。 同、切断状態の一例を示す概略図である。 同、切断状態の一例を示す概略図である。 同、切断の変形例を示す概略斜視図である。 立体画像表示装置の画素部と分割波長板フィルター部の構成を示す分解模式図である。 従来例による分割波長板フィルターの製造方法の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1…印刷材料、2…接着剤(又は粘着材)、3…分割波長板材料層、4…除去部、
3a…剥離部、3b…特性消失部、5、16…カッター、6…保護膜、
8…配向膜(ポリイミド)、8a…ラビング処理部、
9…複屈折液晶ポリマー(インク)、9a…相変化した部分、
12…光重合性モノマー(インク)、14…熱吸収インク、15…マスク、16a…軸、
17…搬送ローラー、18…酸化チタン、20…グラインダー、21…台、
22…アニックスロール、23…印刷ロール、24…ドクターブレード、
26…ラビングロール、28…ノズル、29…液体、30…レーザ照射、
208…分割波長板、209…ガラス基板、F…矢印、D…間隙、L…ライン方向

Claims (4)

  1. 画像表示部において視差に対応して分割された各画像領域からそれぞれ得られた光の偏光方向を制御する分割波長板フィルターを製造する方法であって、
    付着性の高い高付着層を第1の基体上に所定パターンに形成する工程と、
    第2の基体上に分割波長板となる材料層を形成する工程と、
    前記高付着層と前記材料層とを接触させた状態で前記第1の基体と前記第2の基体と を互いに圧接する工程と、
    これらの基体を分離することにより、前記第1の基体の前記高付着層上にこれと同一 パターンに前記材料層を転写する工程と
    を有する、分割波長板フィルターの製造方法。
  2. 前記高付着層を印刷により形成する、請求項1に記載した分割波長板フィルターの製造方法。
  3. 前記第2の基体上に前記高付着層とは逆パターンに残された前記材料層も前記分割波長板として用いる、請求項1又は2に記載した分割波長板フィルターの製造方法。
  4. 前記分割パターンに形成された分割波長板上を保護膜によって被覆する、請求項1に記載した分割波長板フィルターの製造方法。
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