JP2008287250A - 調光構造体、その製造方法、および調光構造体を用いた車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】入射光の高反射率、高透過率を得られ、かつ、低電圧で入射光の反射、透過の調光が可能な調光構造体を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの、液晶を主成分とし、透光性を有するポリマーを含む屈折率変化層と、少なくとも1つの、透光性を有するポリマーを含む透光性層とが交互に積層された光学機能層を備える調光構造体であって、隣接する屈折率変化層と透光性層との厚みの比率が6:4から8:2の範囲にあることを特徴とする調光構造体である。
【選択図】図1

Description

本発明は調光構造体に関し、特に、幅広い波長領域に亘り調光機能を発現する調光構造体、その製造方法、及び調光構造体を用いた車両に関する。
車両のウィンドシールド、リアガラス、フロントサイドガラス、リアサイドガラス、サンルーフなどのガラス部品(グレージング材)は、乗員の視界を確保するとともに開放感を与えるものである。しかしながら一方で車両車室内への太陽の光線および熱の侵入経路となり、車室内温度上昇による空調負荷の増大や、肌への熱暑感による不快を招く一因となっている。また、プライバシー確保や防眩性確保の面から濃色のプライバシーガラスが用いられているが、視界確保との両立が必要であり、現状では車内のプライバシー性や防眩性は十分に確保されているとはいい難い。これらは、車両に限らず住宅など建築物でも同様に課題となっている。
このような課題を解決すべく、近年、車室内や建物に流入する光エネルギーおよび熱エネルギーを遮蔽する技術が提案されている。一例として、窓ガラスとしての透明性、および光を遮断する双方の特性を有し、必要に応じてこれらの特性を任意にスイッチングできる機能(調光機能)を有する調光ガラスが挙げられる。
調光ガラスは、必要に応じて光エネルギーおよび熱エネルギーの流入を制御できるため、上記に示した視界確保/開放感向上と、車室内温度抑制/熱暑感低減/プライバシー性向上/防眩性確保の両立が可能である。
ガラスに調光機能を付与するための具体的手段としては、エレクトロクロミック素子(以下「EC素子」という)、および液晶素子が知られている。前者は光の吸収、後者は光の散乱を利用して調光機能を実現するものである。
EC素子は、酸化タングステン、プルシアンブルーなどの電気化学的な酸化還元反応によるスペクトル変化を伴う材料を用い、日射エネルギーの透過量の制御を光の吸収により可能としている。しかしながら、EC素子は日射エネルギーを吸収するため、ガラスに用いた場合、その吸収されたエネルギーが室内に再放出され、室内温度の上昇を招いてしまう。また、プライバシー性や防眩性の面では、上述の濃色のプライバシーガラスと同様、視界確保との両立の必要性から十分な性能を得難い。
そのため、以下に示すような調光構造体が提案されている。特許文献1には、液晶が硬化物マトリクス中に分散保持され、その内部で屈折率が周期的に変化する層構造を有する位相型体積ホログラム光学フィルムを電極付の基板間に挟持してなることを特徴とする調光構造体が記載されている。前記調光構造体においては、フィルムの内部で液晶の含有量か液晶の配向状態が周期的に変化する層構造を有し、電極間の電圧の印加の有無により、赤外線の透過率が変化する。電圧を印加して、液晶の配向を変えることによって、液晶層と硬化物層との屈折率差を変化させることで、入射光の反射と透過が制御される。
特開平4−355424号公報
しかしながら、上記文献に記載の技術では、入射光の高い反射率を得ようとすると、交互積層数も増加するので、調光構造体への液晶駆動のための印加電圧は極めて高くなる。また、入射光の反射、透過の調光を行う場合、層内の液晶の駆動に極めて大きな駆動電圧が必要であるなどの問題があった。
本発明者は、上記の課題に鑑み、液晶を主成分とする屈折率変化層と、透光性を有するポリマーを含む透光性層とが交互に積層された調光構造体について鋭意研究を積み重ねた。その結果、屈折率変化層の厚みが隣接する透光性層の厚みよりも厚く、さらに隣接する屈折率変化層と透光性層との厚みの比率が6:4から8:2の範囲にある調光構造体が、高い反射率を与え、かつ低い駆動電圧で調光機能を発現することを見出した。
すなわち本発明は、液晶を主成分とする屈折率変化層の厚みが隣接する透光性を有するポリマーを含む透光性層の厚みよりも厚く、さらに隣接する屈折率変化層と透光性層との厚みの比率が6:4から8:2の範囲にある調光構造体である。
また本発明は、液晶および光硬化性のモノマーを含む混合物に干渉光を照射して層構造を形成した後、所定の温度でかつ所定の強さの電場を印加する工程を含むことを特徴とする調光構造体の製造方法である。
本発明によれば、低い駆動電圧で入射光の反射率が高い調光構造体を提供することができる。さらに、低い駆動電圧で、入射光の反射、透過の調光が可能な調光構造体を提供することができる。
(調光構造体)
本発明の調光構造体は、液晶を主成分とする屈折率変化層の厚みと、隣接する透光性を有するポリマーを含む透光性層の厚みとの比率が6:4から8:2の範囲にあることを特徴とする。
図1は本発明の調光構造体の一実施形態の断面模式図である。図1に示すように、本発明の調光構造体は、電場印加によって屈折率変化が発生する屈折率変化層1と透光性層2が交互に積層された構造(光学機能層)が1対の透明電極層5に挟持された構造を有する。
本発明の調光構造体に含まれる屈折率変化層1は、液晶を主成分とし、透光性を有するポリマーを含む。また、本発明の調光構造体に含まれる透光性層2は、透光性を有するポリマーを含む。前記透光性層は、さらに液晶を含んでもよいが、前記透光性層における液晶の含有量は、これに隣接する屈折率変化層における液晶の含有量よりも少ないものとする。この際、屈折率変化層および透光性層に含まれる液晶は同じものであっても異なっていてもよいが、好ましくは同じものが用いられる。また、屈折率変化層および透光性層に含まれる透光性を有するポリマーは同じものであっても異なっていてもよいが、好ましくは同じものが用いられる。
前記液晶は、磁界などの刺激源の印加により応答して液晶分子が秩序を持ち、磁界に対し液晶分子が直交、または、平行に配列または配向するものである。
液晶の種類としては、例えば、ネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶などの液晶を用いることができる。異なる配向状態で異なる屈折率を有する液晶であれば、どのような液晶でも用いることができる。また、複数の種類の液晶が混合された液晶も用いることができる。
なかでも、液晶が集団を成した時の自由エネルギーが最も低下するスメクチック相を有する液晶が、液滴(液晶液滴)を形成しやすく、後述する製造工程において透光性を有するポリマーとの相分離が効率的に行われうるため、最も有利である。
また、ネマチック相を有する液晶も液滴形成による自由エネルギーの低下が比較的大きく本発明において好適に用いられうる。
本発明で用いる液晶としては、ベンゼン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環などの他、ピリミジン環、ジオキサン環、ピリジン環などのヘテロ環などの環状化合物が2〜4つ、エステル結合、アセチレン結合(エチニレン基)、エタン結合(エチレン基)、エチレン結合(エテニレン基)、アゾ結合などで結合されており、その末端基および側方置換基として、シアノ基、フルオロ基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基などが結合したものが例示でき、例えば、アゾキシ系、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、フェニルエステル系、シクロヘキサンカルボンサンフェニルエステル系、フェニルピリミジン系、フェニルジオキサン系などの液晶が例示できる。具体例としては、4−ペンチル−4’−シアノビフェニル(5CB)、4−ヘキシル−4’−シアノビフェニル(6CB)、4−ヘキシル−4’−シアノフェニルピリジン、4−ヘキシル−4’−プロピルフェニルシクロヘキサン、4−メチル−4’−プロピルジシクロヘキサン、4−ヘキシル−4’−メトキシジシクロヘキサン、4−n−オクチル−4’−シアノビフェニル(8CB)などが挙げられる。これらの液晶は、単独で用いても混合物を用いてもよいが、屈折率変化が可能となる温度範囲、外場の大きさなど種々の要求を満たすため、実用上は、2種以上の混合物が用いられることが多い。
前記液晶は、前記屈折率変化層1内でランダムに分布してもよいが、図1に示すように、液晶分子3が凝集した液滴4の形態で存在することが好ましい。液晶が集団を成した時の自由エネルギーが低下し、より安定化するためである。このような形態をとることにより、液晶分子3が容易に配列することができる。
前記屈折率変化層1内などの液晶は、液晶分子同士が所定方向に秩序性を持って配向可能な液滴の形態を有することが好ましい。特に、液滴4内の液晶分子が、電場によって、図1のように層状に配向した状態を取りうる場合、硬化した層(透光性層2)内の液晶分子3が、未硬化の層(屈折率変化層1)内に拡散し易くなるため望ましい。
なお、前記液滴は液晶のみから成る必要はなく、電場による屈折率変化が可能であれば、層の形状保持のためポリマーやモノマーなどが混合されていてもよい。
前記液滴のサイズは、5nmから屈折率変化層の層厚(50nmから300nm)の範囲にあることが好ましく、より好ましくは20〜100nmの範囲にあることが望ましい。この範囲とすることにより、入射光の、反射時の高い光反射率と透過時の高い光透過率を有する調光性能を得ることが可能であるからである。液滴が層の厚みより厚いと、層の平行平滑性を壊す虞がある。層の平行平滑性がなくなると、反射光が散乱してしまい、そのため、液滴は層厚より小さくなければならない。一方、液滴の大きさが5nm未満であると、液晶とポリマーとの相互作用が大きいので、液晶がポリマーの界面に捕獲された状態になってしまい、飛躍的に動きにくくなる虞がある。また、液晶自身のサイズが2nmから3nm程度にあるため、5nm未満であると、液晶が非常に狭い空間内に押し込まれ、他の液晶と接触して動きにくくなってしまう虞がある。
なお、前記液晶液滴の直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)により測定した値を採用するものとする。また、液晶液滴が真球でない場合、「直径」は「短径」と読みかえることができる。
前記透光性を有するポリマーとは、光を透過する樹脂から形成され、光を透過する樹脂であれば特に限定はされない。光を透過する樹脂とは、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いることができる。光学機能層の製作の容易さなどから、光硬化性樹脂から形成することが好ましい。ここで、光硬化性樹脂とは、赤外線、可視光線、紫外線、または電子線によって硬化または重合する樹脂を意味する。
前記透光性を有するポリマーは、光硬化性モノマーが重合してなるポリマーであることが好ましい。このようにして得られたポリマーは、光干渉による交互に積層された前駆的積層体や光学機能層の作製を容易にするからである。透明なポリマーは、硬化性モノマーを重合させることで得られる。さらに、光照射により重合するモノマーまたはオリゴマー、あるいはモノマーとオリゴマーの混合物を用いることができる。すなわち、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基などの一般的な光重合性基を有するものであれば何れも使用できる。光重合性基は、分子中に複数あっても構わない。
本発明で用いることができるモノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、モルホリンアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレートなどの単官能アクリレート化合物、2−エチルヘキシルメタクリレート、ブチルエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、モルホリンメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレートなどの単官能メタクリレート化合物、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、グリセロールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマーなどの多官能アクリレート化合物、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジシクロペンタニルジメタクリレートグリセロールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタクリレート、ウレタンメタクリレートオリゴマーなどの多官能メタクリレート化合物を例示できる。また、これらモノマーが一部分重合したオリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物も使用でき、またこれらモノマーを複数種組み合わせて用いることもできる。
前記屈折率変化層と透光性層が交互に積層された光学機能層は、電圧、温度、光、または磁界などの刺激源が印加されると、屈折率変化層の屈折率が変化して調光機能を発現するものである。
本発明の調光構造体においては、屈折率変化層の厚みは、隣接する透光性層の厚みよりも厚い。隣接する屈折率変化層と、透光性層との厚みの比率は、6:4から8:2の範囲にある。後述する光干渉露光の工程の後工程で、電場を印加して、硬化した層から未硬化の層に液晶を拡散させて、硬化した層の液晶の量を減らすことで、液晶が貧な透光性層となり、一方、未硬化の層は、液晶を取り込むことで、液晶に富む屈折率変化層となる。そのため、液晶に富む透光性を有するポリマーを含む屈折率変化層の層厚は、液晶が貧な透光性を有するポリマーを含む透光性層の層厚より厚くなる。
前記屈折率変化層の厚みと該透光性層の厚みの比率を、上記所定の範囲とすることによって、反射ピーク波長、反射率などを最適に調整できるため、調光機能に優れた調光構造体を得ることができる。より好ましくは、前記屈折率変化層の厚みと、前記透光性層の厚みとの比は、63:37〜76:24であり、さらに好ましくは67:33〜73:27である。
前記光学機能層を形成する前記屈折率変化層および前記透光性層の少なくとも一方の層の厚さは、前記光学機能層の厚み方向の一方の最端(最外)層から他方の最端層に向かって漸次増加することが好ましい。このような構成とすることにより、幅広い光に波長領域にわたり調光機能を発現できる。
前記屈折率変化層の層厚は、50nmから300nmの範囲にあることが好ましい。さらに、前記透光性層の層厚は、50nmから300nmの範囲にあることが好ましい。この範囲とすることにより、可視光域を含む波長領域の反射を可能にすることができる。50nm未満の膜厚の場合には、光の反射は、可視光領域から離れた紫外線領域となり、一方、300nmを超える膜厚の場合には、可視光領域からかなり離れた赤外線領域となるからである。
前記透光性層内の液晶と透光性を有するポリマーとの含有量の割合は、2:8から0:10の質量比の範囲にすることが好ましい。この範囲とすることにより、高い反射率を達成することができるからである。液晶の割合が2:8よりも増えると、屈折率変化層と透光性層の屈折率比が小さくなってしまい、光反射性能が低下する虞があるからである。より好ましくは、液晶の割合は、15質量%以下であり、さらに好ましくは、10質量%以下である。
前記屈折率変化層に含まれる液晶の含有量は、屈折率変化層の総質量を100%として、30〜75質量%が好ましく、より好ましくは50〜70質量%である。液滴の割合が30質量%以上であれば、高い反射率が得られ、75質量%以下であれば、入射光の散乱が抑えられる。
ここで、前記透光性層内の液晶とポリマーとの含有量の割合は、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)で、調光材料の透光性層内の液晶液滴の体積割合を測定し、更に液晶とポリマーの密度を用いて、算出している。前記屈折率変化層に含まれる液晶とポリマーの含有量の比も、同様にして求められうる。
前記光学機能層を、一対の透明電極層で挟持して調光構造体とすることが好ましい。透明電極層は、作製される調光構造体の駆動のほかに、液晶の相分離を促進するための電圧印加に用いられる。外部からの光を照射する際に特別に複雑な装置構成をとる必要がないことから、透明電極を用いることが好ましい。
透明電極層は、導電性および可視光域の光を良好に透過する材料から形成され、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)やアンチモンドープ酸化スズ(ATO)などの透明導電性金属酸化物の薄膜、または、導電性子分子薄膜を用いることができる。ITO膜を用いる場合には、電気的抵抗を比較的小さくすることができ、可視光域の光吸収がほとんど問題にならないレベルの膜厚に設定することができる。100〜150nm程度の膜厚を用いることが好ましい。
また、透明電極層には、直流電圧または交流電圧を印加することができるが、屈折率変化層に液晶を用いた場合、液晶の応答性や駆動電圧の側面から交流電圧を印加することが好ましい。
本発明の調光構造体は、前述の光学機能層を透明電極対で挟持し、この透明電極対に電圧を印加し、液晶の配向を変化させることで調光機能を発現するものである。さらに、コンパクトかつ高い光透過率を可能にできる。
以下、用いた液晶は、液晶が正の誘電異方性を有するものとして、この調光構造体の入射光の反射と透過モードの基本動作原理を詳しく説明する。
前記屈折率変化層は、後述するレーザ干渉後の紫外線照射によって形成された層厚dで、かつ、層内に含有するポリマーと液晶の割合から換算した平均屈折率nを有している。
また、前記透光性層は、レーザ干渉によって形成された層厚dで、かつ、層内に含有するポリマーと液晶の割合から換算した平均屈折率nを有している。
駆動電場の無印加時、この積層面に垂直に光が入射する場合を考えると、反射率のピーク波長は(λ=2d1⊥+2d2⊥)で与えられる。入射光の反射率は、n1⊥:n2⊥の屈折率比と、液晶に富む透明なポリマー材料層と液晶が貧な透明なポリマー材料層の交互積層数と、これらの層厚で規定される。ここで、n1⊥は、レーザ光の入射方向に対して垂直な方向の屈折率変化層の平均屈折率を意味し、n2⊥は、レーザ光の入射方向に対して垂直な方向の透光性層の平均屈折率を意味する。
この調光構造体に対し、駆動電場を印加すると、前記屈折率変化層と前記透光性層内にある液滴内の液晶は、例えば、正の誘電異方性を有しているとすると、電場印加方向に向き、液晶の有する屈折率n液晶‖(液晶の短軸方向の屈折率)を示す。調光構造体の製造時に層を形成する液滴周辺のポリマーの有する平均屈折率nポリマーと液晶の有する屈折率n液晶‖を一致するようにしておくと、駆動電場の印加によって、上記n1⊥:n2⊥の屈折率比は、ほぼ1となる。このとき、入射光の反射は、空気層と調光構造体との表面反射に起因する反射を除けば、無くなり、極めて高い光の透過状態が可能となる。
本発明の調光構造体は、後述するように、液晶と光硬化性モノマーとの混合物に干渉光照射することによってモノマーを硬化させ層構造を形成するが、その後電圧印加によってモノマーと液晶との層分離を促進させることで作製されうる。すなわち、硬化した層から未硬化の層に、硬化した層中に含まれる液晶分子を拡散させて、硬化した層の液晶の量を減らすことで、液晶が貧な透光性層が形成される。一方、未硬化の層は、液晶を取り込むことで、液晶に富む屈折率変化層となる。この工程によって、液晶に富む屈折率変化層は相対的に厚く、透光性を有するポリマーを主に含む透光性層は相対的に薄い調光構造体が作製されうる。同時に、液晶とポリマーとの相分離を促進する工程によって、液晶に富む屈折率変化層と液晶が貧な透光性層の屈折率差を大きくでき、電場無印加時の入射光の反射率を向上させることができる。さらに、上記のように入射光の反射率が高い光学機能層が得られるので、光学機能層を構成する層の積層数を少なくすることができ、低電圧で、調光構造体を駆動可能となる。
図2は、本発明の調光構造体の他の実施形態の断面模式図である。図2の調光構造体においては、液晶3(液滴4)、および透光性を有するポリマー7に加えて、ポリマー7よりも小さな表面張力を有する界面活性剤6を光学機能層中に含む。この場合、界面活性剤6が液滴4の周囲に存在するため、液晶3は透光性を有するポリマー7とは直接相互作用せず、ポリマー7よりも小さな表面張力を有する界面活性剤6と接する。このため、液晶3のアンカリングエネルギーを低下させることができる。
一般に、調光構造体で用いられるポリマーと液晶との表面張力の差は大きいため、アンカリングエネルギーが大きく、調光構造体の駆動電圧が高くなる。駆動電圧を下げるためには液晶のアンカリングエネルギーを低下させることが重要である。そのため、本発明の調光構造体は、好ましくは、ポリマーより小さな表面張力を有する界面活性剤を含む。
即ち、液晶のアンカリングエネルギーは、ポリマーの表面張力と液晶の表面張力の差が大きいほど大きいので、この差を小さくするようにすればアンカリングエネルギーを低下させることができる。そのために、ポリマーの表面張力よりも液晶の表面張力に近い表面張力を有する界面活性剤を導入し、この界面活性剤と液晶が接触する確率を増加させるようにすれば、アンカリングエネルギーを低下できる。結果として、界面活性剤を用いない場合に比べて、低い駆動電圧で、液滴内の液晶を駆動できるため、調光構造体の駆動電圧を大きく低下させることができる。
光学機能層中の界面活性剤の含有率は、光学機能層の総質量に対して好ましくは1〜10質量%であり、より好ましくは2〜8質量%であり、さらに好ましくは4〜7質量%である。前記界面活性剤の含有率が、1質量%以上であれば、液滴とポリマーの間の界面近傍に界面活性剤が十分な量で存在し、液晶の駆動電圧を下げることできる。また、界面活性剤の含有率が10質量%以下であれば、界面活性剤の存在によるポリマーと液晶との相分離が進みにくくなることを防ぐことができる。
より好ましくは、界面活性剤の表面張力は、15mN〜35mN/mであり、さらに好ましくは約30mN/mである。界面活性剤の表面張力が上述の範囲であれば、ポリマーの表面張力と十分な差が得られうる。
さらに好ましくは、非イオン性の界面活性剤を用いることが好ましい。これは、非イオン性の界面活性剤は金属イオンや導電性イオンを含まず、液晶材料の動きに悪影響を与えないためである。また、液晶の表面張力に近い表面張力の大きさを有するものが、アンカリングエネルギーをより低下させることができるため望ましい。
界面活性剤の表面張力は、例えば、板吊り法(垂直板法)や懸滴法(ペンダント・ドロップ法)等の公知の表面張力測定法の中から適宜選択して測定することができる。本明細書中では、界面活性剤および液晶の表面張力の値として、懸滴法を使用し、協和界面科学(株)製の接触角計DropMaster 700を用いて、25℃でのサンプルを測定して得られた値を採用するものとする。
前記界面活性剤としては、好ましくは以下の1以上が選択されうる:
1)C7〜C9の直鎖状の脂肪酸;
2)フッ素系界面活性剤;
3)グリセリン系エチレンオキサイド付加物の部分エステル化合物またはエステル化合物のエチレンオキサイド付加物。
C7〜C9の直鎖状の脂肪酸としては、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、n−ノナン酸が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル(C2〜C20)カルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−〔フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−〔ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ〕−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−〔3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル〕−N、N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸塩(Li、Na、K)、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩(K)、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物などが挙げられる。特に好ましくは、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物である。
グリセリン系エチレンオキサイド付加物の部分エステル化合物としては、例えば、平均重合度が1〜10のグリセリンまたはポリグリセリンのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルが用いられうる。グリセリン系部分エステル化合物のエチレンオキサイド付加物としては、平均重合度が1〜10のグリセリンまたはポリグリセリンの脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物を用いることができる。
更に、液晶、ポリマー、および界面活性剤は、製造時に適切に相分離されることが好ましい。このため、液晶の溶解度パラメータと界面活性剤の溶解度パラメータの差の絶対値は、ポリマーの溶解度パラメータと液晶の溶解度パラメータの差の絶対値より小さいことが好ましい。また、液晶の溶解度パラメータと界面活性剤の溶解度パラメータとの差は、少なくとも0.5以上違うことが望ましい。参考までに、アクリル酸メチルから形成されるポリマーの溶解度パラメータは、15.5である。また、オクタン酸の溶解度パラメータの値は、22.2である。また、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物の溶解度パラメータの値は、22.5である。また、5CBの溶解度パラメータの値は、20.1である。また、8CBの溶解度パラメータの値は、20.3である。
ここで溶解度パラメータ(Solubility Parameter、δ、SP値)は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液論により定義された値である。以上の溶解度パラメータ条件を満足すれば、液滴のポリマーとの界面近傍に、前記界面活性剤が、より多く存在できるようになる。
(調光構造体の製造方法)
本発明の調光構造体は、例えば、下記の製造方法で作製することができる。
はじめに、液晶および透光性を有するポリマーの前駆体である光硬化性のモノマーを含む混合物を準備する(第1の工程)。次いで、上記の混合物に干渉光を照射し、光硬化性のモノマーの一部を層状に重合させることによって硬化した層と未硬化の前記混合物からなる層とからなる前駆的積層体を形成する(第2の工程)。引き続き、この前駆的積層体にモノマーを含浸させて膨潤させ、そして未硬化の層に対し非干渉光を照射し、または熱を加えて重合を完了させる(第4の工程)。本発明の製造方法は、前記前駆的積層体を形成後、前記非干渉光の照射、または熱を加える前に、所定の温度でかつ所定の強さの電場(本明細書において、「第一の電場」とも称する)を印加する工程(第3の工程)を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、隣接する屈折率変化層と透光性層との厚みの比率が6:4〜8:2の範囲にある調光構造体が作製されうる。
前記第3の工程において、前記所定の温度は、電場を印加して、硬化した層から液晶を未硬化の層に拡散させるために、前記混合物の等方相近傍における相分離状態の温度であることが好ましい。この相分離状態の温度以外では、電場を印加して、硬化した層から液晶を未硬化の層に拡散させることは難しい場合がある。例えば、−40〜80℃の範囲にあり、具体的には、8CBの所定の範囲は、21〜36℃で、5CBの所定の温度範囲は、22.5〜30℃であることが好ましい。
前記相分離状態は、前記液晶がスメクチック相、ネマチック相または等方相で、かつ前記モノマーが等方相であることが好ましい。液晶がネマチック相状態で、モノマーが等方相の相分離状態であることは、望ましい状態である。
また、液晶が等方相の状態であっても、液晶に電場を印加することにより、液晶を電場印加方向に向かせることで、上記相分離状態と同様な効果を生み出すことができるため、液晶及びモノマーが等方相の場合も利用可能である。
前記第3の工程において、前記所定の強さの電場は、未硬化の層の液晶の配向を印加電圧の方向にし、かつ、前記干渉露光で硬化した層の液晶の配向を無秩序状態のままにさせることができる強さの印加電場であることが好ましい。液晶がスメクチック相であると、液滴は極めてエネルギー的に安定であり、この状態で、電場を印加すると、更に安定化する。これは、干渉露光後の未硬化の部分の液晶とモノマーの混合物の上記相分離状態に、適切な電場を印加することで、実現できる。
また、既に干渉露光で硬化した層の液晶は、ポリマーの間に液晶が存在するため、かなり強い電場を印加しても、ポリマーの強い相互作用のため、無秩序状態のままでいる。干渉露光で硬化した層の液晶は、まだエネルギー的に安定でない。そのため、干渉露光で硬化した層の液晶は、より安定になろうとして、未硬化の層の液晶部分に移動を開始することができる。
液晶がネマチック相の状態であっても、同様にエネルギー的に安定化されうる。
また、液晶が等方相の状態であっても、液晶に電場を印加することで、液晶を電場印加の方向に向かせることにより、かなりエネルギー的に安定化することができる。そのため、液晶がスメクチック相の場合と同様に、干渉露光で硬化した層の液晶は、より安定になろうとして、未硬化の層の液晶部分に移動を開始することができる。
本発明の調光構造体の製造方法をより詳細に説明する。
第1の工程では、光硬化性のモノマー、液晶、及び少なくとも1種の重合開始剤を含む混合物を準備するが、重合開始剤を除いては、上述した通りであり、必要により混合物の粘度調整のため溶剤を加える。溶剤は、好ましくは、混合物との相溶性のよいものが選択され、例えば、トルエン、アセトン、酢酸エチルなどが用いられうる。さらに、好ましくは、界面活性剤を、製造される光学機能層の全質量に対して1〜10質量%の含有率となるように上記の混合物中に添加する。界面活性剤に関しては、上述と同様である。
前記液晶と前記モノマーとの配合割合は、入射光の高い光反射率(駆動電場の無印加時)と高い光透過率(駆動電場の印加時)を可能にするために、2:8から6:4の質量比の範囲にすることが好ましい。この範囲から外れると、例えば、液晶の質量割合が2未満であると、後述する液滴が形成されなくなる虞がある。一方、液晶の質量割合が6を超えると、形成された液滴が融合し、層全体に広がり、入射光の散乱の原因になる虞がある。
前記混合物は、好ましくは、少なくとも1種の重合開始剤を含む。本発明の目的には重合開始剤は必ずしも必要ではないが、硬化速度を速め、生産性を向上させることができる。また、重合開始剤には、プロトンなどを供給する光重合開始助剤、光を吸収することで生じた励起エネルギーを重合開始剤に移動させる色素増感剤などを添加してもよい。
前記重合開始剤は、固体でも液体でも構わないが、前記光硬化性のモノマーとの相溶性が不十分であると後述の第2工程での干渉光が散乱し、交互積層体の形成が困難になるため、前記光硬化性のモノマーに相溶することが望ましい。
前記重合開始剤としては、光硬化性のモノマーの種類および後述する干渉光(レーザ光)の波長、強度を勘案して選択すればよく、ジケトン系、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系の重合開始剤が使用できる。例えば、ジエトキシアセトフェノン、ジメトキシアセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、4−フェニルベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ミヒラーズケトンなどが使用できる。これらの重合開始剤を、1種以上用いることができる。これらの重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。前記混合物中の前記重合開始剤の量は、前記混合物の総質量100質量%に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。
前記光重合開始助剤としては、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸などの一般的な光重合開始助剤を使用することができる。前記混合物中の前記重合開始助剤の量は、前記混合物の総質量100質量%に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。
また、前記色素増感剤は、光照射により励起され、エネルギーを光重合開始剤に移動させるものであれば、特に制限はされない。色素増感剤としては、例えば、クマリン系色素、ローダミン系色素、オキサジン系色素、カルボシアニン系色素、スチリル系色素、キサンテン系色素、メロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、ポルフィリン系色素、アクリジン系色素などが挙げられる。前記混合物中の前記色素増感剤の量は、前記混合物の総質量100質量%に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。
前記混合物を塗布する基材は、平滑でかつ干渉光を反射するものであればよく、板ガラスやポリエチレンテレフタレートなどの樹脂延伸フィルムを用いてもよい。また、前述した透明電極対を設けた支持基材を塗布基材として用いてもよく、この場合、光学機能層を得た後、残る片方側の支持基材・透明電極層を積層するだけで調光構造体が完成する。
基材への混合物の塗布は、ディッピング、バーコート、スピンコート、または印刷など、混合物を均一な厚みで塗布できる方法が望ましい。
第2の工程では、混合物中の光硬化性モノマーを、重合・硬化させるために干渉光を照射する。干渉光は、2つのコヒーレント光光源を用い、それぞれからの光を混合物面で交差させ得てもよいし、1つのコヒーレント光光源からの光をスプリッターやミラーなどを用いて分岐し、混合物面で交差させ得てもよい。簡便かつ精度に優れる方法は、コヒーレント光を基材とは逆の面、つまり混合物が塗布された面から照射し、基材面からの反射光と干渉させる方法である。なお、何れの方法でもコヒーレント光とはレーザ光を指す。
用いるレーザ光の波長、照射角度、混合物の屈折率にもよるが、干渉の強い部分と弱い部分が数10〜数100nm程度の間隔で形成される。そして、干渉の強い部分でモノマーが硬化するため、硬化性ポリマーと液晶との相分離を生じる。この分離した液晶は、液滴の状態で未硬化のモノマー中に分散される。この結果、液滴とそれを取り囲む透明なポリマーからなる第1の層と前記液晶の含有量の少ない透明なポリマーからなる第2の層の積層した構造が得られる。
基材面に対して垂直(基材面となす角度を照射角度として、この場合は照射角度90°)に波長λのレーザ光を、屈折率nの混合物に照射する場合、干渉光により形成される層の厚みdは、d=λ/4nで表される。用いるレーザ光は、所望する層の厚みおよび用いる混合物の屈折率によって選択すればよく、Arレーザ(λ=488nm、514.5nm)、He−Neレーザ(λ=633nm)、Krレーザ(λ=647nm)、またはチタンサファイアレーザー(780nm付近)などを用いることができる。また、照射角度を小さくすることにより層の厚みdは小さくなるため、照射角度の調整によって層の厚みを制御することも可能である。
第3の工程として、電場を印加して硬化した層から液晶を未硬化の層に拡散させる。電圧を印加するタイミングは、干渉露光工程後で非干渉光または熱による硬化工程の前にすることが好ましい。第3の工程において、液晶がネマチック相状態であると、モノマーが等方相状態に相分離状態が最も望ましい状態である。
また、印加する電場(第一の電場)の大きさも、液晶の種類および透光性を有するポリマーの種類によって変わりうる。例えば、1.0×10V/cm〜2.0×10V/cmの電場を印加することが好ましい。
また、干渉露光後の電場印加の印加電場の強さに応じて、硬化層の液晶の拡散量を制御できるため、屈折率変化層と透光性層の層厚の比率を容易に変化させることができる。これにより、印加電圧以外の製造条件を変えずに、入射光の反射ピーク位置、反射領域、反射率を容易に変えることができ、製造コストを抑えて、多様な調光仕様を有する調光構造体を実現できる。
第4の工程は、非干渉光または熱を、層の厚みを傾斜的に変化させた積層体の全面に与え、積層体の全体を完全硬化させることで、第4工程で得られた構造を固定し、光学機能層とすることができる。
前記非干渉光は、特に制限されず、例えば、紫外線などが好ましく挙げられる。また、前記非干渉光の光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンフラッシュランプ、またはエキシマランプなどが好ましく挙げられる。
前記非干渉光の照射量は、1mJ〜50mJ/cmであることが好ましく、前記非干渉光の照射時間は、1〜100minであることが好ましい。
第4の工程において、未硬化の層に対し非干渉光または熱を加える前に、前駆的積層体に光硬化性モノマー、もしくは光硬化性モノマーと溶剤の混合溶液、もしくは溶剤を含浸し、前駆的積層体を膨潤させる工程を設けることで、層の厚みを傾斜的に変化させることができる。これにより、幅広い波長領域にわたって調光機能を発現しうる調光構造体を製造することができる。
好ましくは、第4の工程における非干渉光の照射または熱を加える際に、さらに所定の強さの電場(本明細書において、「第二の電場」とも称する)を印加する。これは、特に第1の工程で、界面活性剤を混合して用いている場合に有効である。
光学機能相に前記界面活性剤を用いると液滴(液晶液滴)の表面張力が低下して、液滴のサイズが小さくなってしまうが、液滴のサイズが小さくなるに従って体積に対して界面の割合が急速に大きくなるので駆動に必要な電圧が急激に大きくなる場合がある。前記第4の工程の、前記非干渉光の照射または熱を加える時にも所定の強さの電場を印加すると、液滴のサイズが過度に小さくなることなく、液晶と界面とポリマーの相分離が促進されうる。電場を印加すると、形成される液滴内の液晶分子の配向がそろい、配向がそろった液晶分子が液滴内に集積化するとエネルギー的により安定化されるためである。そのため、液滴の周囲のポリマー内にある液晶は、液滴内に集積化されうる。したがって、電場印加によって、相分離が促進され、大きなサイズの液滴を形成でき、低電圧で駆動可能な調光構造体が製造されうる。
前記所定の強さの電場(第二の電場)は、好ましくは、25〜500V/μmである。電場の強さが、25V/μm以上であれば、液滴内の液晶が電場の印加方向に向き、液滴内の液晶がエネルギー的に、ポリマー間に取り残された液晶に比べて安定となるため、相分離が促進されうる。また、電場の強さが、500V/μm以下であれば、ポリマー間に取り残された液晶が電場印加方向に向くことを避けることができ、液滴内の液晶がエネルギー的に有利なるので、同様に相分離が促進されうる。
更に、上記第4の工程における電場印加時の系の温度としては、液晶、モノマー、モノマーから形成されたポリマー及び界面活性剤を含む混合物において、等方相近傍における相分離状態の温度であることが望ましい。この電場印加時に、上記温度条件にあると、例えば図2に示すように、屈折率変化層において、液晶がポリマーから相分離し、液滴の周囲近傍に界面活性剤が集まりやすいためである。
(車両)
本発明の車両は、前記調光構造体または前記調光構造体の製造方法によって得られた調光構造体を含むことを特徴とする。
本発明の調光構造体は、様々な用途に用いることができるが、好ましくは車両に含まれる部品として用いられる。例えば、可視光の透過と非透過との切り替えを行うことができることから、車両用のグレージング材として適用することができる。この場合、運転中には窓を可視光透過性にし、プライバシーを保護したい時や車室の温度上昇を抑制したい時などには窓を可視光非透過性にするという利用方法が挙げられる。本発明を車両用グレージング材として用いる場合、適用されうる窓としては、フロントガラス、サンルーフ、ウィンドシールド、リアガラス、フロントサイドガラス、またはリアサイドガラスなどが挙げられる。
車両用のグレージング材以外の用途としては、カーナビ装置のディスプレイ、車内用テレビのディスプレイ、または建造物の窓などが挙げられる。
以下に実施例を挙げ、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
(実施例1)
液晶として、4−n−オクチル−4’−シアノビフェニル(8CB)、透光性を有するポリマーの前駆体として光硬化性のアクリル酸メチル(MA)を質量比で、4:6で混合した。これに重合開始剤として3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、レーザ重合用の開始剤として5質量%のイルガキュア784(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製)を添加した。さらにUV硬化用開始剤として2質量%のベンゾイン(東京化成工業株式会社製)を添加し、第1工程の混合物とした。
次に、透明電極となるITOガラス基板上の表面に、テフロン(登録商標)のスペーサでガラス基板の縁を囲むようにした。前記スペーサで囲まれた部分に、前記混合物を塗布し、上記スペーサの上に前記ITOガラス基板に対向するもう一つのITOガラス基板を乗せ、クリップで固定した。これに対し、Arレーザー(λ=488nm)を、エキスパンダー、コリメータを介して照射して、第2の工程を実施し、前駆的積層体を得た。
第3の工程として、温度34℃で、ITO電極間に電圧8000Vを印加した(発生した電場:0.53×10V/cm)。
第4の工程として、前記固定した対向するITOガラス基板をはずして、トルエンにアクリル酸メチルを溶かし込み、前駆的積層体に含浸させた。具体的には、前駆的積層体の一方の最端層に、前駆体とトルエンとの混合液を塗布して、約30秒間含浸させた。次に、表面の余分な混合液を除去し、高圧水銀灯を用いて100Wで、4分間照射し完全に硬化させた。そして、減圧下で乾燥した。その結果、層厚が傾斜した光学機能層が得られた。
最後に、第5の工程として、前記第4の工程ではずしたITOガラス基板を光学機能層が形成されたITOガラス基板上のスペーサ上にのせ、クリップで固定して、高圧水銀灯を用いて完全硬化させ、調光構造体を得た。
得られた調光構造体は、両側の最端層が透光性を有するポリマーであり、SEM観察によって、合計層数160層の多層構造であることを確認した。かかる調光構造体は、層の厚み方向に対し、一方から他方にむかって漸次増加することが認められた。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)によって、液滴のサイズを観察したところ、20nm〜50nmに渡って見られた。屈折率変化層の場合、最も薄い層の厚みが84nm、最も厚い層の厚みが168nmであった。透光性層の場合、最も薄い層の厚みが42nm、最も厚い層の厚みが84nmであった。
なお、実施例1で得られた調光構造体の透光性層における液晶の含有量は、6質量%であった。
(実施例2から9)
実施例1に基づいて調光構造体を作製した。ただし、実施例1と異なる条件は、表1に示す。実施例2で得られた調光構造体の透光性層における液晶の含有量は、5質量%であった。実施例3で得られた調光構造体の透光性層における液晶の含有量は、4質量%であった。
(実施例10)
液晶として、4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル(5CB)を選び、前記第3の工程での温度環境を28℃としたこと以外は、実施例1と同様に調光構造体を作製した。なお、実施例10で得られた調光構造体の透光性層における液晶の含有量は、5質量%であった。
(実施例11から15)
実施例1に基づいて調光構造体を作製した。ただし、実施例10と異なる条件は、表1に示す。なお、実施例11で得られた調光構造体の透光性層における液晶の含有量は、4質量%であった。
(実施例16)
実施例1において、第1の工程の混合物に、表面張力23.7mN/mの界面活性剤であるオクタン酸を、混合物の全量に対して5質量%加え、第4の工程において前記非干渉光の照射時に、温度28℃で、電場200V/μmを印加した。他の条件は上述の実施例1と同様にして調光構造体を得た。8CB液晶の表面張力は、27.4mN/mであり、透光性を有するポリマーの表面張力は、38mN/mであった。
透過型電子顕微鏡(TEM)によって、液晶液滴のサイズを観察したところ、20nm〜50nmに渡って見られた。
屈折率変化層と透光性層の層厚の比率は、実施例1と同じであった。
(実施例17)
第1の工程の混合物に、表面張力21.1mN/mの界面活性剤であるパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物を、混合物の全量に対して5質量%加え、第4の工程において前記非干渉光の照射時に、温度28℃で、電場200V/μmを印加した。他の条件は上述の実施例1と同様にして調光構造体を得た。
透過型電子顕微鏡(TEM)によって、液晶液滴のサイズを観察したところ、20nm〜50nmに渡って見られた。
屈折率変化層と透光性層の層厚の比率は、実施例1と同じであった。
(実施例18)
第1の工程の混合物に、表面張力23.7mN/mの界面活性剤であるオクタン酸を、混合物の全量に対して5質量%加え、第4の工程において前記非干渉光の照射時に、温度24℃で、電場100V/μmを印加した。他の条件は上述の実施例10と同様にして調光構造体を得た。5CB液晶の表面張力は、27.0mN/mであった。
透過型電子顕微鏡(TEM)によって、液晶液滴のサイズを観察したところ、20nm〜50nmに渡って見られた。
屈折率変化層と透光性層の層厚の比率は、実施例10と同じであった。
(実施例19)
第1の工程の混合物に、表面張力21.1mN/mの界面活性剤であるパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物を、混合物の全量に対して5質量%加え、第4の工程において前記非干渉光の照射時に、温度24℃で、電場100V/μmを印加した。他の条件は上述の実施例10と同様にして調光構造体を得た。
透過型電子顕微鏡(TEM)によって、液晶液滴のサイズを観察したところ、20nm〜50nmに渡って見られた。
屈折率変化層と透光性層の層厚の比率は、実施例10と同じであった。
(実施例20)
第4の工程において前記非干渉光の照射時に、温度24℃で、電場600V/μmを印加したこと以外は、実施例18と同様に調光構造体を作成した。
透過型電子顕微鏡(TEM)によって、液晶液滴のサイズを観察したところ、10nm〜20nmに渡って見られた。
屈折率変化層と透光性層の層厚の比率は、実施例18と同じであった。
(実施例21)
第4の工程において、前記非干渉光の照射時に、温度24℃で、電場15V/μmを印加したこと以外は、実施例18と同様に調光構造体を作成した。
透過型電子顕微鏡(TEM)によって、液晶液滴のサイズを観察したところ、10nm〜20nmに渡って見られた。
屈折率変化層と透光性層の層厚の比率は、実施例18と同じであった。
(実施例22)
第1の工程においてオクタン酸を混合物の全量に対して0.5質量%用いたこと以外は、実施例18と同様に調光構造体を作成した。
透過型電子顕微鏡(TEM)によって、液晶液滴のサイズを観察したところ、20nm〜50nmに渡って見られた。
屈折率変化層と透光性層の層厚の比率は、実施例18と同じであった。
(実施例23)
第1の工程においてオクタン酸を混合物の全量に対して12質量%用いたこと以外は、実施例18と同様に調光構造体を作成した。
透過型電子顕微鏡(TEM)によって、液晶液滴のサイズを観察したところ、20nm〜30nmに渡って見られたが、50nmサイズの液晶液滴は、見られなかった。
屈折率変化層と透光性層の層厚の比率は、実施例18と同じであった。
(比較例1から4)
実施例1に基づいて調光構造体を作製した。ただし、実施例1と異なる条件は、表1に示す。なお、比較例2で得られた調光構造体の透光性層における液晶の含有量は、32質量%であった。
(比較例5から8)
実施例1に基づいて調光構造体を作製した。ただし、実施例1と異なる条件は、表1に示す。なお、比較例8で得られた調光構造体の透光性層における液晶の含有量は、30質量%であった。
(評価結果)
実施例1〜23および比較例1〜8の調光構造体の可視光透過率と可視光反射率は、JIS R3106に準拠し、分光光度計(日立製U−4000)を用いて測定した。次に、電極に電圧印加して、可視光線透過率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2008287250
上記表から、実施例の方が比較例に比べて良好で、優れた反射調光機能が認められた。また、透光性を有するポリマーの表面張力よりも表面張力の小さい界面活性剤を光学機能層に添加した実施例16〜23は、添加していない実施例1〜15に比べて、低い駆動電圧で調光できることがわかった。特に、界面活性剤の濃度を1〜10質量%とし、非干渉光の照射時にも25〜500V/μmの電場を加えた実施例16〜19では、低い駆動電圧で優れた調光機能が得られた。
本発明の調光構造体の一実施形態の断面模式図である。 本発明の調光構造体の他の実施形態の断面模式図である。
符号の説明
1 屈折率変化層、
2 透光性層、
3 液晶分子、
4 液滴、
5 透明電極層、
6 界面活性剤、
7 透光性を有するポリマー。

Claims (19)

  1. 少なくとも1つの、液晶を主成分とし、透光性を有するポリマーを含む屈折率変化層と、少なくとも1つの、透光性を有するポリマーを含む透光性層とが交互に積層された光学機能層を備える調光構造体であって、
    隣接する屈折率変化層と透光性層との厚みの比率が6:4から8:2の範囲にあることを特徴とする調光構造体。
  2. 前記光学機能層を形成する前記屈折率変化層および前記透光性層の少なくとも一方の層の厚さは、前記光学機能層の厚み方向の一方の最端層から他方の最端層に向かって漸次増加することを特徴とする請求項1に記載の調光構造体。
  3. 前記屈折率変化層の液晶は、液晶分子同士が所定方向に秩序性を持って配向可能な液滴の形態を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調光構造体。
  4. 前記光学機能層中に、前記透光性を有するポリマーの表面張力より小さい表面張力を有する界面活性剤を、前記光学機能層100質量%に対して1〜10質量%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の調光構造体。
  5. 前記屈折率変化層の層厚は、50nmから300nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の調光構造体。
  6. 前記透光性層の層厚は、50nmから300nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の調光構造体。
  7. 前記透光性層内の液晶と透光性を有するポリマーとの含有量の割合は、2:8から0:10の質量比の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の調光構造体。
  8. 前記液滴のサイズは、5nmから300nmまでの範囲にあることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の調光構造体。
  9. 前記液晶は、スメクチック液晶、ネマチック液晶、またはこれらの混合物を主成分とする液晶であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の調光構造体。
  10. 前記透光性を有するポリマーは、光硬化性モノマーが重合してなるポリマーであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の調光構造体。
  11. 前記光学機能層を、一対の透明電極層で挟持した構造からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の調光構造体。
  12. 液晶および光硬化性のモノマーを含む混合物を準備する工程と、
    前記混合物に干渉光を照射し、前記光硬化性のモノマーの一部を層状に重合させることによって硬化した層と未硬化の前記混合物からなる層とからなる前駆的積層体を形成する工程と、
    前記前駆的積層体にモノマーを含浸させて膨潤させ、そして未硬化の層に対し非干渉光を照射し、または熱を加えて重合を完了させる工程と、
    を含む調光構造体の製造方法であって、
    前記前駆的積層体を形成後、前記非干渉光の照射、または熱を加えて重合を完了させる工程の前に、所定の温度でかつ所定の強さの第一の電場を印加する工程を含むことを特徴とする調光構造体の製造方法。
  13. 前記未硬化の層に対し非干渉光を照射し、または熱を加える際に、所定の強さの第二の電場を印加する、請求項12に記載の調光構造体の製造方法。
  14. 前記所定の温度は、前記混合物の等方相近傍における相分離状態の温度であることを特徴とする請求項13に記載の調光構造体の製造方法。
  15. 前記相分離状態は、前記液晶がスメクチック相、ネマチック相または等方相で、かつ前記モノマーが等方相であることを特徴とする請求項14に記載の調光構造体の製造方法。
  16. 前記所定の強さの第一の電場は、未硬化の層の液晶の配向を印加電圧方向にし、かつ、前記干渉露光で硬化した層の液晶の配向を無秩序状態のままにさせることができる強さの印加電場であることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の調光構造体の製造方法。
  17. 前記所定の強さの第二の電場は、25〜500V/μmである、請求項13〜16のいずれか1項に記載に記載の調光構造体の製造方法。
  18. 前記液晶と前記モノマーとの配合割合は、2:8から6:4の質量比の範囲にあることを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の調光構造体の製造方法。
  19. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の調光構造体を含むことを特徴とする車両。
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