JP2008286489A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】空調システム作動時、凝縮水の持つ冷熱を有効に利用することにより、冷房初期において素早い冷房ができると共に、動力を必要とせず冷房能力の全体的レベルアップを達成することができる空調システムを提供すること。
【解決手段】空調ユニット10内のエバポレータ5から凝縮水として排出されたドレン水をエアコンサイクルの高圧パイプ7の冷却に使用する車両用空調システムにおいて、前記高圧パイプ7の途中位置に、空調ユニット10に接続されたドレンホース15からドレン水とドレン風を導入し、ドレン水の顕熱と蒸発潜熱を利用して高圧パイプ7を冷却する高圧パイプ冷却装置18Aを設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調ユニット内のエバポレータから凝縮水として排出されたドレン水をエアコンサイクルの高圧パイプの冷却に使用する空調システムに関する。
従来、空調システムとして、空調ユニット内のエバポレータから排出されたドレン水をエアコンサイクルの高圧パイプに接触させて熱交換するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭58−48520号公報
しかしながら、従来の空調システムにあっては、エバポレータで排出されたドレン水を高圧パイプに接触させて冷却する、つまり、ドレン水の顕熱のみを利用する冷却手法であるため、十分冷却された多量のドレン水がなければ、高圧パイプ内の冷媒から熱を奪う効果が少なく、冷房初期時には有効な手段とはいえない、という問題があった。
ここで、「ドレン水の顕熱」とは、液相であるドレン水が相変化なしに蓄えた熱エネルギーのことをいう。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、空調システム作動時、凝縮水の持つ冷熱を有効に利用することにより、冷房初期において素早い冷房ができると共に、動力を必要とせず冷房能力の全体的レベルアップを達成することができる空調システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、空調ユニット内のエバポレータから凝縮水として排出されたドレン水をエアコンサイクルの高圧パイプの冷却に使用する空調システムにおいて、
前記高圧パイプの途中位置に、空調ユニットに接続されたドレンホースからドレン水とドレン風を導入し、ドレン水の顕熱と蒸発潜熱を利用して高圧パイプを冷却する高圧パイプ冷却装置を設けたことを特徴とする。
よって、本発明の空調システムにあっては、高圧パイプの途中位置に設けられた高圧パイプ冷却装置において、空調ユニットに接続されたドレンホースからドレン水とドレン風が導入され、ドレン水の顕熱と蒸発潜熱を利用して高圧パイプが冷却される。
すなわち、空調ユニット内のエバポレータから凝縮水として排出されるドレン水をドレンホースにより導くと、空調ユニット内の送風の一部(ドレン風)をドレン水と共にドレンホースにより導くことができる。
このため、エバポレータから導かれるドレン水の温度が低いときには、ドレン水の顕熱により高圧パイプを冷やす作用を示す。そして、顕熱冷却に用いたドレン水にドレン風を当てて蒸発させ、蒸発時に周りから熱を奪うという蒸発潜熱としてドレン水を再利用することで、ドレン水の蒸発潜熱により高圧パイプを冷やす作用を示す。
しかも、ドレン水とドレン風は、空調システムの起動開始時から導入可能であるため、冷房初期において素早い冷房ができるし、高圧パイプの冷却が、エアコンサイクルのコンデンサ熱交換性能を補完するものとなる。
ここで、「蒸発潜熱」とは、液体の水がその表面から気化するときに、その物体や近くの空気層から奪う熱のことをいう。この蒸発潜熱を用いることで、顕熱の場合よりも桁違いに大きな熱量を奪うことができる。
このように、空調システム作動時、凝縮水の持つ冷熱を有効に利用することにより、冷房初期において素早い冷房ができると共に、動力を必要とせず冷房能力の全体的レベルアップを達成することができる。
以下、本発明の空調システムを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例6に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は本発明の空調システムを車両に適用した実施例1の車両用空調システムを示す全体システム図である。図2は実施例1の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す斜視図である。図3は実施例1の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す図2のB−B線断面図である。図4は実施例1の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す図3のA方向矢視図である。
実施例1における車両用空調システムのエアコンサイクルは、コンプレッサ1と、コンデンサ2と、リキッドタンク3と、エキスパンションバルブ4と、エバポレータ5と、これらの構成要素を循環して流れる冷媒を有して構成される。
前記コンプレッサ1は、エバポレータ3により熱を奪って気化した冷媒を、出口側低圧パイプ6を介して導き、高温高圧に圧縮する。前記コンデンサ2は、コンプレッサ1からの高温高圧冷媒を、走行風等により放熱して液化し、液化冷媒とする。前記リキッドタンク3は、コンデンサ2からの液化冷媒から、水分やゴミを除去する。前記エキスパンションバルブ4は、リキッドタンク3から高圧パイプ7を介して送られる液化冷媒を、低温低圧の霧状冷媒とする。前記エバポレータ5は、エキスパンションバルブ4から入口側低圧パイプ8を介して導かれる霧状冷媒が周囲から熱を奪って気化し、ガス状の冷媒とし、再び、出口側低圧パイプ6を介してコンプレッサ1に戻す。
実施例1における車両用空調システムは、図1に示すように、空調ユニット10と、送風口11と、クリーンフィルタ12と、ダッシュパネル13と、パイプシール材14と、ドレンホース15と、車室16と、エンジンルーム17(パワーユニットルーム)と、高圧パイプ冷却装置18Aと、を備えている。
前記空調ユニット10は、ユニット内部に、上流側から下流側に向かって順に、送風口11と、クリーンフィルタ12と、エバポレータ5が配置されている。前記送風口11には、図外のブロワユニットから外気または内気によるファン風が送られる。
前記ダッシュパネル13は、空調ユニット10を配置する車室16と、コンプレッサ1、コンデンサ2、リキッドタンク3、高圧パイプ冷却装置18Aを配置するエンジンルーム17と、を区画する位置に設定される。
前記ドレンホース15は、図1に示すように、一端を空調ユニット10のドレン排出口19に接続し、ダッシュパネル13のドレン排出口19に近いパネル位置を貫通し、他端であるホース開口端15aをエンジンルーム17内に配置している。
前記高圧パイプ7は、図1に示すように、前記ホース開口端15aに近接する位置にてU字状に屈曲させたU字状屈曲部7aを形成している。
前記高圧パイプ冷却装置18Aは、図1に示すように、前記ドレンホース15のホース開口端15aを装置ケース20の入口部に臨ませて配置し、リキッドタンク3からの冷媒の流れがケース出口側からケース入口側となる高圧パイプ7のU字状屈曲部7aを装置ケース20内に配置している。
実施例1の車両用空調システムは、空調ユニット10内のエバポレータ5から凝縮水として排出されたドレン水をエアコンサイクルのリキッドタンク3とエキスパンションバルブ4を接続する高圧パイプ7の冷却に使用するものである。このため、高圧パイプ7の途中位置に、空調ユニット10に接続されたドレンホース15からドレン水とドレン風を導入し、ドレン水の顕熱と蒸発潜熱を利用して高圧パイプ7を冷却する高圧パイプ冷却装置18Aを設けている。
前記高圧パイプ冷却装置18Aは、図2及び図3に示すように、装置ケース20の本体部に備えた高圧パイプ7を冷却するパイプ冷却機構181と、装置ケース20の入口部に備えたドレン水に含まれる異物を外部に除去する異物除去機構182を有する。
前記パイプ冷却機構181は、図3及び図4に示すように、装置ケース20のケース側面位置に、高圧パイプ7を浸漬するドレン水を一定水位までに保持するドレン水排出口21を開口している。なお、ドレン水排出口21に連通する装置ケース20のケース側面位置からケース底面位置にかけては、図3及び図4に示すように、ドレン水を排出案内するドレン水案内突条26が形成されている。
前記パイプ冷却機構181は、図2〜図4に示すように、高圧パイプ7のU字状屈曲部7aを装置ケース20のケース底面に沿って配置し、前記U字状屈曲部7aのうち、ケース底面に沿った水平部分から、ケース側面に沿って立ち上がる出口側垂直部分までのドレン風を受ける範囲にスポンジ22(微細通孔材)を巻き付けている。このスポンジ22は、U字状屈曲部7aの出口側垂直部分に対し、装置ケース20の入口部よりも高い位置まで巻き付けている。
前記パイプ冷却機構181は、図2及び図3に示すように、装置ケース20のケース上面位置に、高圧パイプ7のU字状屈曲部7aに巻き付けたスポンジ22に沿ってドレン風を当てるように、ドレンホース15から導入されるドレン風の流れを規定するドレン風出口23を開口している。
前記異物除去機構182は、図2及び図3に示すように、装置ケース20の入口部と本体部の仕切り位置に、異物の通過を阻止しドレン水とドレン風の通過を許容するメッシュフィルタ24を有する構成としている。
前記異物除去機構182は、図3に示すように、装置ケース20の入口部にドレン水を溜めるドレン水受け25を有し、且つ、前記ドレンホース15のホース開口端15aとドレン水受け25の開口端25aとの間に隙間tを設定し、前記ドレン水受け25に溜まったドレン水が許容量を超えると溢流により外部に排出するようにしている。
前記異物除去機構182は、図3に示すように、前記ドレンホース15のホース開口端15aからのドレン風を、前記メッシュフィルタ24の下部に吹き付ける設定としている。
次に、作用を説明する。
実開昭58-48520号公報に明記される構造において、エバポレータで排出されたドレン水を高圧配管に接触させて冷却する方法では、十分冷却された多量のドレン水がなければ効果が少なく、冷房初期時には有効な手段とはいえなかった。
また、ドレン水は外気や内気の塵、埃、ゴミを含んでおり、パイプとドレン水の熱交換器中にそれが蓄積されるため最終的にドレン詰まりを起こす可能性があった。
以上より、上記凝縮熱利用システムは効果の不十分さと信頼性の問題から実際の車両に搭載するのは困難であった。
これに対し、本発明者は、空調ユニットに接続したドレンホースにより、ドレン水ばかりでなくドレン風も導くことができる点に着目し、ドレン水(凝縮水)をドレン排出口に近いエンジンルーム内に集め、ドレン水の顕熱ばかりでなくドレン水を蒸発させたときの蒸発潜熱も利用し高圧パイプ7を冷却する構成を採用した。
また、ゴミ詰まりの問題を解決するため、ゴミはフィルタで除去し、またフィルタの目詰まりを防ぐためゴミは車外に排出する構成を採用した。
以下、[ドレン水の流れ作用]、[ドレン風の流れ作用]、[ドレン水の顕熱と蒸発潜熱による高圧パイプ冷却作用]、[ドレン水の車室内逆流防止作用]、[フィルタ手前の沈殿物除去作用]について説明する。
[ドレン水の流れ作用]
図5は実施例1の車両用空調システムの高圧パイプ冷却装置18Aにおけるドレン水の流れ作用説明図である。
高圧パイプ冷却装置18Aにおけるドレン水の流れは、図5に示すように、ドレンホース15のホース開口端15aから排出されたドレン水は、高圧パイプ冷却装置18Aの回収口であるドレン水受け25に落ちる。そして、メッシュフィルタ24により濾過され、高圧パイプ冷却装置18A内に流入する。そして、高圧パイプ冷却装置18A内でドレン水は、ドレン水排出口21により規定される水位まで保持される。そして、高圧パイプ冷却装置18A内の高圧パイプ7のU字状屈曲部7aには、スポンジ22が巻き付けてあるため、毛細管現象によりドレン水は冷媒の上流側に吸い上げられ、ドレン水受け25の反対側から排出されることになる。
このように、ドレン水排出口21によりドレン水の水位を一定水位まで保持するため、高圧パイプ7のU字状屈曲部7aから熱を受けて温度が上昇した表面側のドレン水は、図5に示すように、ドレン水の供給量に応じ、ドレン水排出口21からドレン水案内突条26を経過して外部に排水される。このように、ドレン水の入れ替えを随時行うようにしたため、高圧パイプ冷却装置18A内に高温となったドレン水をそのまま溜めておく場合に比べ、ドレン水と高圧パイプ7内の冷媒との熱交換効率が向上する。
また、実施例1では、高圧パイプ7のU字状屈曲部7aのうち、ケース底面に沿った水平部分からケース側面に沿って立ち上がる出口側垂直部分までの範囲に、毛細管現象を発揮するスポンジ22を巻き付けているため、U字状屈曲部7aにスポンジ22を巻き付けない場合に比べ、ドレン水による濡れ部分が拡大し、より長い範囲で熱交換可能となる。
[ドレン風の流れ作用]
図6は実施例1の車両用空調システムの高圧パイプ冷却装置18Aにおけるドレン風の流れ作用説明図である。
高圧パイプ冷却装置18Aにおけるドレン風(ドレン空気)の流れは、ドレンホース15のホース開口端15aから冷却装置の回収口に排出されたドレン風は、メッシュフィルタ24を通り、スポンジ22に吹き付けられる。このとき低温のドレン風は、図6の矢印Cにおいて、周辺の高温空気から熱を貰い、相対湿度の低い空気となる。そして、装置ケース20にはドレン風出口23を開口しているため、図6の矢印Dに示すように、スポンジ22の上部に至ったドレン風は、周りから空気を取り込みつつ、スポンジ22からの水の蒸発を促進させ、気化熱を回収して反対側に抜けてゆく。
このように、ドレンホース15から漏れ出るドレン風を、相対湿度を低い空気にすると共に風量を増したドレン風に変貌させながら、高圧パイプ7のU字状屈曲部7aに巻き付けたスポンジ22に当てることにより、スポンジ22からの水の蒸発を促進させ、その気化熱を有効に回収することができる。
[ドレン水の顕熱と蒸発潜熱による高圧パイプ冷却作用]
まず、空調ユニット10内のエバポレータ5から凝縮水として排出されるドレン水をドレンホース15により導くと、空調ユニット10内の送風の一部(ドレン風)をドレン水と共にドレンホース15により導くことができる。
そこで、実施例1の空調システムにあっては、高圧パイプ冷却装置18Aを高圧パイプ7の途中位置に設け、高圧パイプ冷却装置18Aに、空調ユニット18に接続されたドレンホース15からドレン水とドレン風を導入することで、ドレン水の顕熱と蒸発潜熱を利用して高圧パイプ7を冷却する。
すなわち、エバポレータ5から導かれるドレン水の温度が低いときには、上記ドレン水の流れ作用にしたがって、ドレン水の顕熱により高圧パイプ7を冷やす顕熱冷却作用を示す。そして、顕熱冷却に用いたスポンジ22に含まれるドレン水の温度が高くなると、上記ドレン風の流れ作用にしたがって、スポンジ22にドレン風を当てて蒸発させ、蒸発時に周りから熱を奪うという蒸発潜熱としてドレン水を再利用することで、ドレン水の蒸発潜熱により高圧パイプを冷やす蒸発潜熱冷却作用を示す。つまり、ドレン水の温度が低いときの冷房効果の向上は勿論のこと、一度溜めたドレン水の蒸発潜熱を再利用することで大幅に冷房効果を向上させることができる。
このように、液体の水がその表面から気化するときに、その物体や近くの空気層から奪う「蒸発潜熱」を用いることで、顕熱の場合よりも桁違いに大きな熱量を奪って放熱を行うことができる。この点は、例えば、水の場合、1℃だけ変化する顕熱は、1カロリー/gであるのに対し、その値は水温で異なるが、水温0〜30℃の範囲では、水1gが蒸発するときの潜熱は、580〜590カロリー/gであることからも明らかである。
しかも、ドレン水とドレン風は、空調システムの起動開始時から導入可能であるため、冷房初期において素早い冷房ができる。例えば、真夏の短時間の駐車だと、走行風によるコンデンサでの高い熱交換性能が望めないが、エアコン起動時から高圧パイプ7の冷却が可能であるため、素早い冷房ができる。
さらに、高圧パイプ7の冷却は、本来捨てられていたドレン水とドレン風を利用するものであるため、特に動力を必要とせず、エアコンサイクルのコンデンサ熱交換性能を補完するものとなる。
ちなみに、図7に実施例1の車両用空調システムでのエアコンサイクルによるモリエル線図を示す。このモリエル線図で、a〜bはコンプレッサ1による圧縮特性で、b〜cはコンデンサ2及びリキッドタンク3による定圧放熱特性を示す。そして、c〜dが高圧パイプ冷却装置18Aによる冷却特性(定圧放熱追加特性)を示し、d〜eはエキスパンションバルブ4による膨張作用を示す。したがって、高圧パイプ冷却装置18Aを持たないエアコンサイクルの場合、エバポレータ5での最大吸熱量はf〜aであるのに対し、高圧パイプ冷却装置18Aを採用したことで、エバポレータ5での最大吸熱量はe〜aと拡大し、e〜fがエバポレータ吸熱量の増加代(効果代)となる。
[ドレン水の車室内逆流防止作用]
実施例1の高圧パイプ冷却装置18Aでは、メッシュフィルタ24を設置することにより、ドレンホース15から排出されるゴミ等を除去し、高圧パイプ冷却装置18A内にゴミ等が溜まるのを防ぐようにしている。
つまり、メッシュフィルタ24により、ゴミ等を受け止めているため、メッシュフィルタ24の目にゴミ等が詰まった場合、図8に示すように、ドレン水受け25にドレン水が溜まることになる。このとき、ドレン水受けに溜まっているドレン水に浸るまでドレンホースのホース開口端を延ばすと、圧力差によりドレン水受けに溜まっているドレン水がドレンホースを逆流し、空調ユニットに戻る。
これに対し、実施例1では、図8に示すように、ドレンホース15のホース開口端15aとドレン水受け25の開口端25aとの間に隙間tを設けているため、ドレン水受け25に溜まったドレン水が許容量を超えると溢流により外部に排出する。
したがって、仮に高圧パイプ冷却装置18A内にゴミ詰まり等の不具合が生じたときにもドレン水排出機能自体は問題なく、確実に水を車室外に排出することができる。そして、仮にメッシュフィルタ24が完全に目詰まりを起こしても、エアコンの機能自体には悪影響を与えない。
[フィルタ手前の沈殿物除去作用]
実施例1の高圧パイプ冷却装置18Aでは、メッシュフィルタ24により、ゴミ等を受け止めているため、メッシュフィルタ24に濾過されたゴミ等がドレン水受けに沈殿し、沈殿物となって堆積してゆく。
これに対し、実施例1では、ドレンホース15のホース開口端15aからのドレン風を、メッシュフィルタ24の下部に吹き付ける設定としているため、図9に示すように、ドレン風をフィルタ下部に吹きつけることにより、メッシュフィルタ24の手前に溜まったゴミ等の沈殿物を高圧パイプ冷却装置18A外に排出することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用空調システムにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 空調ユニット10内のエバポレータ5から凝縮水として排出されたドレン水をエアコンサイクルの高圧パイプ7の冷却に使用する車両用空調システムにおいて、前記高圧パイプ7の途中位置に、空調ユニット10に接続されたドレンホース15からドレン水とドレン風を導入し、ドレン水の顕熱と蒸発潜熱を利用して高圧パイプ7を冷却する高圧パイプ冷却装置18Aを設けたため、空調システム作動時、凝縮水の持つ冷熱を有効に利用することにより、冷房初期において素早い冷房ができると共に、動力を必要とせず冷房能力の全体的レベルアップを達成することができる。
(2) 前記ドレンホース15は、一端を空調ユニット10のドレン排出口19に接続し、ダッシュパネル13のドレン排出口19に近いパネル位置を貫通し、他端であるホース開口端15aをエンジンルーム17内に配置し、前記高圧パイプ7は、前記ホース開口端15aに近接する位置にてU字状に屈曲させたU字状屈曲部7aを形成し、前記高圧パイプ冷却装置18Aは、前記ドレンホース15のホース開口端15aを装置ケース20の入口部に臨ませて配置し、リキッドタンク3からの冷媒の流れがケース出口側からケース入口側となる高圧パイプ7のU字状屈曲部7aを装置ケース20内に配置したため、ドレン水の温度が低いときの冷房効果の向上は勿論のこと、真夏の短時間駐車時等において、エアコン起動時からの素早い冷房を行えるというように、車両へ搭載するのに十分な冷房効果の向上代を持つ車両用空調システムを提供することができる。
(3) 前記高圧パイプ冷却装置18Aは、装置ケース20の本体部に備えた高圧パイプ7を冷却するパイプ冷却機構181と、装置ケース20の入口部に備えたドレン水に含まれる異物を外部に除去する異物除去機構182を有するため、車両へ搭載する際に要求される十分な冷房能力の向上という条件と、ドレン水に含まれる異物の影響を排除による信頼性確保という条件と、の両立を達成することができる。
(4) 前記パイプ冷却機構181は、装置ケース20のケース側面位置に、高圧パイプ7を浸漬するドレン水を一定水位までに保持するドレン水排出口21を開口したため、ドレン水と高圧パイプ7内の冷媒との熱交換効率を向上させることができる。
(5) 前記パイプ冷却機構181は、高圧パイプ7のU字状屈曲部7aを装置ケース20のケース底面に沿って配置し、前記U字状屈曲部7aのうち、ケース底面に沿った水平部分から、ケース側面に沿って立ち上がる出口側垂直部分までのドレン風を受ける範囲にスポンジ22を巻き付けたため、毛細管現象の発揮によりドレン水による濡れ部分の拡大が図られ、より長い範囲で熱交換を行うことができる。
(6) 前記パイプ冷却機構181は、装置ケース20のケース上面位置に、高圧パイプ7のU字状屈曲部7aに巻き付けたスポンジ22に沿ってドレン風を当てるように、ドレンホース15から導入されるドレン風の流れを規定するドレン風出口23を開口したため、ドレンホース15からのドレン風を、相対湿度の低い空気にすると共に風量を増し、スポンジ22からの水の蒸発を促進させ、その気化熱を有効に回収することができる。
(7) 前記異物除去機構182は、装置ケース20の入口部と本体部の仕切り位置に、異物の通過を阻止しドレン水とドレン風の通過を許容するメッシュフィルタ24を有するため、ドレン水に含まれるゴミ等を除去し、高圧パイプ冷却装置18A内にゴミ等の異物が溜まることを防止することができる。
(8) 前記異物除去機構182は、装置ケース20の入口部にドレン水を溜めるドレン水受け25を有し、且つ、前記ドレンホース15のホース開口端15aとドレン水受け25の開口端25aとの間に隙間tを設定し、前記ドレン水受け25に溜まったドレン水が許容量を超えると溢流により外部に排出するため、仮に高圧パイプ冷却装置18A内にゴミ詰まり等の不具合が生じたときにもドレン水排出機能自体は問題なく、確実に水を車室外に排出することができるし、仮にメッシュフィルタ24が完全に目詰まりを起こしても、エアコンの機能自体には悪影響を与えない。
(9) 前記異物除去機構182は、前記ドレンホース15のホース開口端15aからのドレン風を、前記メッシュフィルタ24の下部に吹き付ける設定としたため、メッシュフィルタ24の手前に溜まったゴミ等の沈殿物を高圧パイプ冷却装置18A外に排出することができる。
実施例2は、実施例1より多くのドレン風を高圧パイプに導き、高圧パイプの冷却の効率化を図るようにした例である。
まず、構成を説明する。
図10は実施例2の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す縦断面図である。
実施例2の高圧パイプ冷却装置18Bの異物除去機構182は、図10に示すように、ドレンホース15のホース開口端部を装置ケース20の上面にシールし、ホース開口端15aを装置ケース20の底面に向けて下向きに配置している。
そして、前記ドレンホース15のホース開口端15aの下方のうち、パイプ冷却機構181側に装置ケース20の底面から途中位置までメッシュフィルタ24を縦置きに配置し、反対側に装置ケース20の底面からメッシュフィルタ24より高さを低くしたドレン水受け25を縦置きに配置している。そして、前記ドレン水受け25からの異物及びドレン風の排出経路を、蛇行経路によるラビリンス構造27としている。このラビリンス構造27は、装置ケース20のみによって構成されていて、装置ケース20から一体に立ち上げたドレン水受け25によるL字断面に対し、該ドレン水受け25の外側位置に装置ケース20の側面部を平行配置で途中まで垂下した逆L字断面を組み合わせることで形成している。
そして、ドレン水の蒸発部は、実施例1のスポンジ22に代え、毛細管現象を起こし易い繊維質素材22’(微細通孔材)を用いている。この場合、ケース側面に沿って立ち上がっている出口側垂直部分の最適長さhは、繊維質素材22’の選択に応じて変わる。また、高圧パイプ冷却装置18Bのパイプ冷却機構181のうち、繊維質素材22’以外の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
作用については、この実施例2では、ドレン風を、実施例1より多く高圧パイプ7を冷却するために導くことができる。その理由は、
・ドレンホース15のホース開口端部を装置ケース20の上面にシールしているため、実施例1のようなオープンエリアに吹き付けるようにドレン風が周囲へ漏れることがなく、ドレンホース15からの全てのドレン風を、一旦、高圧パイプ冷却装置18B内に導入することができる、
・ドレン水受け25からの異物及びドレン風の排出経路を、蛇行経路によるラビリンス構造27としているため、異物除去機構182からのドレン風の漏れ量を最小限に抑えることができる、
・装置ケース20の底面から途中位置までメッシュフィルタ24を縦置きに配置したため、メッシュフィルタ24の上端位置と装置ケース20との間の空間を、通風抵抗の無いドレン風通路として使うことができる、
ということによる。なお、他の作用については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用空調システムにあっては、実施例1の(1)〜(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(10) 前記異物除去機構182は、ドレンホース15のホース開口端部を装置ケース20の上面にシールし、ホース開口端15aを装置ケース20の底面に向けて下向きに配置し、前記ドレンホース15のホース開口端15aの下方のうち、パイプ冷却機構181側に装置ケース20の底面から途中位置までメッシュフィルタ24を縦置きに配置し、反対側に装置ケース20の底面からメッシュフィルタ24より高さを低くしたドレン水受け25を縦置きに配置し、前記ドレン水受け25からの異物及びドレン風の排出経路をラビリンス構造27としたため、ドレンホース15からのドレン風を、実施例1より多く高圧パイプ7を冷却するために導くことで、蒸発潜熱による放熱効果を高めることができる。
実施例3は、ドレン風を積極的に高圧パイプの方向へ流し、高圧パイプの冷却の効率化を図るようにした例である。
まず、構成を説明する。
図11は実施例3の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置の異物除去機構を示す縦断面図である。
実施例3の高圧パイプ冷却装置18Cの異物除去機構182は、図11に示すように、ドレンホース15のホース開口端部を装置ケース20の側面上部にシールし、ホース開口端15aを装置ケース20内の高圧パイプ7に向けて横向きに配置している。
そして、メッシュフィルタ24を、前記ドレンホース15のホース開口端15aからドレン水の落下を確保できる間隔Lを介し、装置ケース20の底面から途中位置まで縦置きに配置している。なお、図11において、28は、装置ケース20に開穴された水受け穴であり、この水受け穴28により、メッシュフィルタ24と装置ケース20で囲まれる部分がドレン水受けとされる。他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
作用については、この実施例3では、ドレン風を積極的に高圧パイプ7の方向へ吹き付けることができる。その理由は、
・ドレンホース15のホース開口端部を装置ケース20の側面上部にシールしているため、実施例1のようなオープンエリアに吹き付けるようにドレン風が周囲へ漏れることがなく、ドレンホース15からの全てのドレン風を、一旦、高圧パイプ冷却装置18B内に導入することができる、
・ホース開口端15aを装置ケース20内の高圧パイプ7に向けて横向きに配置しているため、ドレン風の流れ方向を変えることなく、効率的に高圧パイプ7にドレン風を吹き付けることができる、
・装置ケース20の底面から途中位置までメッシュフィルタ24を縦置きに配置したため、メッシュフィルタ24の上端位置と装置ケース20との間の空間を、通風抵抗の無いドレン風通路として使うことができる、
ということによる。なお、他の作用については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用空調システムにあっては、実施例1の(1)〜(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(11) 前記異物除去機構182は、ドレンホース15のホース開口端部を装置ケース20の側面上部にシールし、ホース開口端15aを装置ケース20内の高圧パイプ7に向けて横向きに配置し、メッシュフィルタ24を、前記ドレンホース15のホース開口端15aからドレン水の落下を確保できる間隔Lを介し、装置ケース20の底面から途中位置まで縦置きに配置したため、ドレン風を積極的に高圧パイプ7の方向へ吹き付けることで、蒸発潜熱による放熱効果を高めることができる。
実施例4は、貯留水の腐敗防止と高圧パイプ冷却装置の電位差腐蝕を防止するようにした例である。
まず、構成を説明する。
図12は実施例4の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す斜視図である。図13は実施例4の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す図12のB−B線による縦断面図である。
実施例4の高圧パイプ冷却装置18Dは、図12及び図13に示すように、装置ケースを銅素材により作成した銅製装置ケース20’とし、該銅製装置ケース20’内に配置される高圧パイプ7のU字状屈曲部7aの表面に樹脂膜71をコーティングしている。
なお、他の構成は実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
本発明のように、エバポレータ5から排出された凝縮水をエアコンサイクルの高圧パイプ7の冷却に使用する方法では、頻繁にエアコン運転を行う場合、装置ケース内に凝縮水が貯留したままとなることはない。しかし、長時間にわたってエアコン運転をしない場合、装置ケース内に凝縮水が貯留したままとなり、水が腐り、雑菌が繁殖して腐敗臭を出してしまうおそれがある。そこで、装置ケースに殺菌作用を持つ銅素材を採用すると、貯留水の腐敗を防止することができるが、装置ケース(銅)と高圧パイプ7(アルミ合金)との間で電位差腐蝕が生じてしまう。
そこで、実施例4では、装置ケースを銅製装置ケース20’とし、該銅製装置ケース20’内に配置される高圧パイプ7のU字状屈曲部7aの表面に樹脂膜71をコーティングする構成を採用した。
したがって、図13に示すように、効果的な冷却を行うために銅製装置ケース20’内に水を貯留しても、同素材が持つ殺菌作用により、貯留水Wの腐敗を防止することができる。さらに、高圧パイプ7のU字状屈曲部7aの表面には、樹脂膜71によるコーティングを施したことにより、銅製装置ケース20’と高圧パイプ7の間での電位差腐蝕を防止することができる。なお、他の作用については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例4の車両用空調システムにあっては、実施例1の(1)〜(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(12) 前記高圧パイプ冷却装置18Dは、装置ケースを銅素材により作成した銅製装置ケース20’とし、該銅製装置ケース20’内に配置される高圧パイプ7のU字状屈曲部7aの表面に樹脂膜71をコーティングしたため、貯留水Wの腐敗を防止することができると共に、銅製装置ケース20’と高圧パイプ7の間での電位差腐蝕を防止することができる。
実施例5は、高圧パイプ冷却装置の軽量化を図りながら、実施例4と同様に、貯留水の腐敗防止と高圧パイプ冷却装置の電位差腐蝕を防止するようにした例である。
まず、構成を説明する。
図14は実施例5の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す縦断面図である。
実施例5の高圧パイプ冷却装置18Eは、図14に示すように、装置ケースを樹脂素材により作成した樹脂製装置ケース20”とし、該樹脂製装置ケース20”内の高圧パイプ7のU字状屈曲部7aと対向する位置に銅板29を設置し、該銅板29と対向する高圧パイプ7のU字状屈曲部7aの表面に樹脂膜71をコーティングしている。
なお、他の構成は実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例4のように、装置ケースの全体を銅製とすると、高圧パイプ冷却装置の重量増を招く。そこで、実施例5では、装置ケースを、軽量であり、加工も容易な樹脂製装置ケース20”のままとし、該樹脂製装置ケース20”内に銅板29を設置し、かつ、高圧パイプ7のU字状屈曲部7aの表面に樹脂膜71をコーティングする構成を採用した。
したがって、図14に示すように、効果的な冷却を行うために樹脂製装置ケース20”内に水を貯留しても、内部に設置した銅板29が持つ殺菌作用により、貯留水Wの腐敗を防止することができる。さらに、高圧パイプ7のU字状屈曲部7aの表面には、樹脂膜71によるコーティングを施したことにより、銅板29と高圧パイプ7の間での電位差腐蝕を防止することができる。なお、他の作用については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例5の車両用空調システムにあっては、実施例1の(1)〜(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(13) 前記高圧パイプ冷却装置18Eは、装置ケースを樹脂素材により作成した樹脂製装置ケース20”とし、該樹脂製装置ケース20”内の高圧パイプ7のU字状屈曲部7aと対向する位置に銅板29を設置し、該銅板29と対向する高圧パイプ7のU字状屈曲部7aの表面に樹脂膜71をコーティングしたため、必要最小限の重量増加としながら、貯留水Wの腐敗を防止することができると共に、銅板29と高圧パイプ7の間での電位差腐蝕を防止することができる。
実施例6は、車両の走行風を有効に取り込むことで、高圧パイプ冷却を、実施例1〜5に比べてより促進させるようにした例である。
まず、構成を説明する。
図15は実施例6の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す斜視図である。
実施例6の高圧パイプ冷却装置18Fは、図15に示すように、実施例4と同様に、装置ケースを銅素材により作成した銅製装置ケース20’とし、該銅製装置ケース20’内に配置される高圧パイプ7のU字状屈曲部7aの表面に樹脂膜71をコーティングしている。そして、銅製装置ケース20’の出口部に、図15に示すように、走行風を集めて高圧パイプ7に導く一対の導風板30,30を設定している。
なお、他の構成は実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、作用を説明する。
本発明のように、露出しているスポンジ22からの水の蒸発を促進させ、その気化熱を有効に回収するというように、蒸発潜熱を利用して高圧パイプ7を冷却する場合、風量が多い方がより効果的に冷却できる。
そこで、実施例6では、ドレンホース15からのドレン風に加え、走行風を有効に利用するべく、銅製装置ケース20’の出口部に、走行風を集めて高圧パイプ7に導く一対の導風板30,30を設定する構成を採用した。
したがって、スポンジ22からの水の蒸発を促進する風として、ドレン風に走行風が加わることで、露出しているスポンジ22からの水の蒸発が著しく促進され、蒸発潜熱を利用しての高圧パイプ冷却をより効果的に行うことができる。
なお、他の作用については実施例1及び実施例4と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例6の車両用空調システムにあっては、実施例1の(1)〜(7)の効果、及び、実施例4の(12)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(14) 前記高圧パイプ冷却装置18Fは、銅製装置ケース20’の出口部に、走行風を集めて高圧パイプ7に導く一対の導風板30,30を設定したため、露出しているスポンジ22からの水の蒸発が著しく促進され、蒸発潜熱を利用しての高圧パイプ冷却をより効果的に行うことができる。
以上、本発明の空調システムを実施例1〜実施例6に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜6では、高圧パイプにスポンジ等を巻き付け、毛細管現象によりドレン水を広い範囲で吸い上げるという水の流れと、高圧パイプのスポンジ等にドレン風や走行風を吹き付けるという風の流れとが相俟って気化熱を回収するという好ましい例を示した。しかし、高圧パイプにフィン等を設けたり、ドレン水の攪拌手段等を設けたりし、ドレン水の蒸発を促すようにしても良い。要するに、高圧パイプの途中位置に、空調ユニットに接続されたドレンホースからドレン水とドレン風を導入し、ドレン水の顕熱と蒸発潜熱を利用して高圧パイプを冷却する高圧パイプ冷却装置を設けたものであれば、実施例1〜6に限られることはない。
実施例1〜6では、ドレン風と共に走行風を利用できる車両へ搭載される車両用空調システムへの適用例を示したが、家庭用エアコンや事業所用エアコン等へも適用できる。要するに、空調ユニット内のエバポレータから凝縮水としてドレン水が排出される空調システムであれば、排出されるドレン水をエアコンサイクルの高圧パイプの冷却に使用する本発明を適用できる。
本発明の空調システムを車両に適用した実施例1の車両用空調システムを示す全体システム図である。 実施例1の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す斜視図である。 実施例1の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す図2のB−B線断面図である。 実施例1の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す図3のA方向矢視図である。 実施例1の車両用空調システムの高圧パイプ冷却装置18Aにおけるドレン水の流れ作用説明図である。 実施例1の車両用空調システムの高圧パイプ冷却装置18Aにおけるドレン風の流れ作用説明図である。 実施例1の車両用空調システムにおけるエンタルピと圧力の関係を表すモリエル線図である。 実施例1の車両用空調システムの高圧パイプ冷却装置18Aにおけるドレン水の車室内逆流防止作用の説明図である。 実施例1の車両用空調システムの高圧パイプ冷却装置18Aにおけるフィルタ手前の沈殿物除去作用の説明図である。 実施例2の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す縦断面図である。 実施例3の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置の異物除去機構を示す縦断面図である。 実施例4の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す斜視図である。 実施例4の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す図12のB−B線による縦断面図である。 実施例5の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す縦断面図である。 実施例6の車両用空調システムにおける高圧パイプ冷却装置を示す斜視図である。
符号の説明
1 コンプレッサ
2 コンデンサ
3 リキッドタンク
4 エキスパンションバルブ
5 エバポレータ
6 出口側低圧パイプ
7 高圧パイプ
7a U字状屈曲部
10 空調ユニット
11 送風口
12 クリーンフィルタ
13 ダッシュパネル
14 パイプシール材
15 ドレンホース
15a ホース開口端
16 車室
17 エンジンルーム(パワーユニットルーム)
18A,18B,18C,18D,18E,18F 高圧パイプ冷却装置
181 パイプ冷却機構
182 異物除去機構
20 装置ケース
20’ 銅製装置ケース
20” 樹脂製装置ケース
21 ドレン水排出口
22 スポンジ(微細通孔材)
22’ 繊維質素材(微細通孔材)
23 ドレン風出口
24 メッシュフィルタ
25 ドレン水受け
25a ドレン水受けの開口端
26ドレン水案内突条
t 隙間
27 ラビリンス構造
28 水受け穴
29 銅板
30 導風板

Claims (14)

  1. 空調ユニット内のエバポレータから凝縮水として排出されたドレン水をエアコンサイクルの高圧パイプの冷却に使用する空調システムにおいて、
    前記高圧パイプの途中位置に、空調ユニットに接続されたドレンホースからドレン水とドレン風を導入し、ドレン水の顕熱と蒸発潜熱を利用して高圧パイプを冷却する高圧パイプ冷却装置を設けたことを特徴とする空調システム。
  2. 請求項1に記載された空調システムにおいて、
    前記ドレンホースは、一端を空調ユニットのドレン排出口に接続し、ダッシュパネルのドレン排出口に近いパネル位置を貫通し、他端であるホース開口端をパワーユニットルーム内に配置し、
    前記高圧パイプは、前記ホース開口端に近接する位置にてU字状に屈曲させたU字状屈曲部を形成し、
    前記高圧パイプ冷却装置は、前記ドレンホースのホース開口端を装置ケースの入口部に臨ませて配置し、リキッドタンクからの冷媒の流れがケース出口側からケース入口側となる高圧パイプのU字状屈曲部を装置ケース内に配置したことを特徴とする空調システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載された空調システムにおいて、
    前記高圧パイプ冷却装置は、装置ケースの本体部に備えた高圧パイプを冷却するパイプ冷却機構と、装置ケースの入口部に備えたドレン水に含まれる異物を外部に除去する異物除去機構を有することを特徴とする空調システム。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載された空調システムにおいて、
    前記パイプ冷却機構は、装置ケースのケース側面位置に、高圧パイプを浸漬するドレン水を一定水位までに保持するドレン水排出口を開口したことを特徴とする空調システム。
  5. 請求項4に記載された空調システムにおいて、
    前記パイプ冷却機構は、高圧パイプのU字状屈曲部を装置ケースのケース底面に沿って配置し、前記U字状屈曲部のうち、ケース底面に沿った水平部分から、ケース側面に沿って立ち上がる出口側垂直部分までのドレン風を受ける範囲に微細通孔材を巻き付けたことを特徴とする空調システム。
  6. 請求項5に記載された空調システムにおいて、
    前記パイプ冷却機構は、装置ケースのケース上面位置に、高圧パイプのU字状屈曲部に巻き付けた微細通孔材に沿ってドレン風を当てるように、ドレンホースから導入されるドレン風の流れを規定するドレン風出口を開口したことを特徴とする空調システム。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載された空調システムにおいて、
    前記異物除去機構は、装置ケースの入口部と本体部の仕切り位置に、異物の通過を阻止してドレン水とドレン風の通過を許容するメッシュフィルタを有することを特徴とする空調システム。
  8. 請求項7に記載された空調システムにおいて、
    前記異物除去機構は、装置ケースの入口部にドレン水を溜めるドレン水受けを有し、且つ、前記ドレンホースのホース開口端とドレン水受けの開口端との間に隙間を設定し、前記ドレン水受けに溜まったドレン水が許容量を超えると溢流により外部に排出することを特徴とする空調システム。
  9. 請求項8に記載された空調システムにおいて、
    前記異物除去機構は、前記ドレンホースのホース開口端からのドレン風を、前記メッシュフィルタの下部に吹き付ける設定としたことを特徴とする空調システム。
  10. 請求項7に記載された空調システムにおいて、
    前記異物除去機構は、ドレンホースのホース開口端部を装置ケースの上面にシールし、ホース開口端を装置ケースの底面に向けて下向きに配置し、
    前記ドレンホースのホース開口端の下方のうち、パイプ冷却機構側に装置ケースの底面から途中位置までメッシュフィルタを縦置きに配置し、反対側に装置ケースの底面からメッシュフィルタより高さを低くしたドレン水受けを縦置きに配置し、
    前記ドレン水受けからの異物及びドレン水の排出経路を、ラビリンス構造としたことを特徴とする空調システム。
  11. 請求項7に記載された空調システムにおいて、
    前記異物除去機構は、ドレンホースのホース開口端部を装置ケースの側面上部にシールし、ホース開口端を装置ケース内の高圧パイプに向けて横向きに配置し、
    前記メッシュフィルタを、前記ドレンホースのホース開口端からドレン水の落下を確保できる間隔を介し、装置ケースの底面から途中位置まで縦置きに配置したことを特徴とする空調システム。
  12. 請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載された空調システムにおいて、
    前記高圧パイプ冷却装置は、装置ケースを銅素材により作成した銅製装置ケースとし、該銅製装置ケース内に配置される高圧パイプのU字状屈曲部の表面に樹脂膜をコーティングしたことを特徴とする空調システム。
  13. 請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載された空調システムにおいて、
    前記高圧パイプ冷却装置は、装置ケースを樹脂素材により作成した樹脂製装置ケースとし、該樹脂製装置ケース内の高圧パイプのU字状屈曲部と対向する位置に銅板を設置し、該銅板と対向する高圧パイプのU字状屈曲部の表面に樹脂膜をコーティングしたことを特徴とする空調システム。
  14. 請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載された空調システムにおいて、
    前記高圧パイプ冷却装置は、装置ケースの出口部に、走行風を集めて高圧パイプに導く一対の導風板を設定したことを特徴とする空調システム。
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