JP2008286366A - 噴出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】尖鋭体が穿孔に突き立ててガス噴出を停止させた状態でのガス漏れを防止する。
【解決手段】圧縮ガスが充填され、開口部が封板で封止されているボンベ2と、ボンベ2の封板12の直上に配設された金属板3と、封板12及び金属板3を貫通するとともに、抜き差し操作される尖鋭体6を有し、圧縮ガスの噴出を操作する操作機構4と、ボンベ2、金属板3及び操作機構4を収納するハウジング5とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ボンベ内に充填された圧縮ガス自体、あるいは液体とともに噴出する噴出装置に関する。
従来より、精密機器や写真のネガ等に付着した塵埃を吹き飛ばすダストブロワーが広く用いられている。これらダストブロワー製品は一般に、スプレー缶内に噴射材として液化ガスが高圧下で充填されて形成されている。スプレー缶の頂部にはバルブを開閉操作する噴出釦を兼ねたノズルが形成され、ノズルの一端には細部にガスを噴出させるための吹き出し用チューブが接続されている。そして噴出釦を押すと、液化ガスが缶内で気化しその際の圧力でノズルに連接されたチューブより噴出される。
目的成分の噴射材として用いられる液化ガスとしては、代替フロンとしてHFC(ハイドロフルオロカーボン)134aやHFC152a等が広く用いられ、スプレー缶内において高圧下で液状に保存されている。しかし、このHFCは、大気中に放出されると温室効果を招くことから、気候変動枠組条約の目的を達成するために採択された京都議定書においても排出量が規制される温室効果ガスとして挙げられ、また産業界全体でも排出削減が推進されている。例えば、HFC134aの温室効果は二酸化炭素の1300倍であり、HFC152aでも二酸化炭素の130倍の温室効果があることから、HFC製品の使用から地球温暖化係数の低い圧縮ガスを用いた製品へ切り換えていくことが望まれている。
また、スプレー缶内に液化ガスを充填させるエアゾール缶においては、簡便に圧縮ガスを噴霧することができるが、液化ガスが高圧下で充填されているため、圧縮ガスの噴出制御を行うために複雑な機構が必要となる。ここで、従来より、圧縮ガスの噴出制御を簡便に行う機構として、ガスボンベの開口部を封止する封板にニードルを突き刺して穿孔を形成し、このニードルを穿孔より抜き差しすることで圧縮ガスの噴出及び噴出の停止を行う製品が提供されている。かかるニードルを抜き差しするだけで圧縮ガスの噴出制御を行う製品では、簡便な機構を採用でき、また製造工程において予め穿孔を形成することでボンベ封板の破裂による事故を無くし、安全かつ確実に圧縮ガスの噴出制御を行うことができる。
かかる噴出装置は、ニードルが封板に穿設された穿孔に突き刺さることでニードルと穿孔とが食いつき、ガスの噴出を停止させるものである。しかし、ニードルの抜き差しを繰り返すうちに、図9に示すように、穿孔周辺がクレーター状に隆起し、また穿孔の内周面にクラックが発生して、ニードルによって穿孔を閉塞しても、ここからガス漏れが起こる場合があった。
特開2005−249192号公報
そこで、本発明は圧縮ガスが充填されたボンベの封板に対して尖鋭体を抜き差しすることで圧縮ガスの噴出制御を行う噴出装置において、尖鋭体が穿孔に突き立てられてガスの噴出を停止させている状態でのガス漏れを効果的に防止することができる噴出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明にかかる噴出装置は、圧縮ガスが充填され、開口部が封板で封止されているボンベと、上記ボンベの封板の直上に配設された金属板と、上記封板及び金属板を貫通するとともに、抜き差し操作される尖鋭体を有し、上記圧縮ガスの噴出を操作する操作機構と、上記ボンベ、金属板及び操作機構を収納するハウジングとを備えるものである。
本発明にかかる噴出装置によれば、封板の直上に金属板を配設しているため、ボンベを封止する封板の穿孔周辺がクレーター状に隆起することなく、また穿孔の内周面にクラックが発生することもない。したがって、本発明にかかる噴出装置は、圧縮ガスの噴出停止時において、確実にガス漏れを防止することができる。
以下、本発明が適用されたガス噴出装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。このガス噴出装置1は、例えば、精密機器の製造、整備や、半導体や写真等のネガを取り扱う際に塵埃を除去するためのダストブロワーとして用いられるものであり、図1及び図2に示すように、圧縮ガスとして炭酸ガスが充填された炭酸ガスカートリッジボンベ2と、炭酸ガスカートリッジボンベ2の開口部11を封止する蓋体12の直上に配設された洋白からなる金属板3と、炭酸ガスの噴出及び噴出の停止を行う操作機構4と、炭酸ガスカートリッジボンベ2及び操作機構4を収納し炭酸ガスカートリッジボンベ2より噴出した炭酸ガスを外方へ導くハウジング5とを有する。
またガス噴出装置1の操作機構4は、炭酸ガスカートリッジボンベ2の開閉を行う尖鋭体6を保持する保持体7と、保持体7を炭酸ガスカートリッジボンベ2の開口部側に付勢する付勢バネ8と、保持体7を炭酸ガスカートリッジボンベ2の開口部と離間する方向に操作して炭酸ガスを放出させる操作部材9とを有し、尖鋭体6を炭酸ガスカートリッジボンベ2の蓋体12及び蓋体12の直上に配設された金属板3の各穿孔に抜き差しすることで、炭酸ガスの噴出及び噴出の停止を行うものである。
炭酸ガスカートリッジボンベ2は、略筒状の金属筐体内に液化炭酸ガスが充填されている。また、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、金属筐体の一端側に開口部11が形成されている。開口部11は蓋体12で覆われており、金属筐体内に炭酸ガスを封止している。また、開口部11は、蓋体12上に後述する金属板3が載置されるとともに、後述する保持体7に保持されている尖鋭体6により金属板3とともに蓋体12に穿孔12aが形成されることにより開口され、また、尖鋭体6が穿孔12aに突き立てられることにより閉塞されている。
このような炭酸ガスカートリッジボンベ2は、蓋体12に突き立てられている尖鋭体6が引き上げられることにより、蓋体12の穿孔12aから炭酸ガスが噴出する。また、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、尖鋭体6が穿孔12a内に突き立てられることにより開口部11が閉塞され、炭酸ガスの噴出が停止される。
また、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、開口部11の外周部に、後述するハウジング5内において螺合されるネジ溝11aが形成されている。さらに、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、蓋体12上に金属板3が載置され、金属板3とともに開口部11にシリコンコーキングが施されている。
次いで、蓋体12の直上に載置される金属板3について説明する。金属板3は、蓋体12の直上に密接して配設されることにより、尖鋭体6による蓋体12の閉塞時における穿孔12aからのガス漏れを防止するものであり、例えば材質C7521P1/2Hの洋白を厚さ0.1mmの円盤状に形成されてなる。金属板3は、蓋体12の直上に配設された後、尖鋭体6によって穿孔12aと連続する穿孔3aが形成され、蓋体12とともに尖鋭体6によって抜き差しされる。このように、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、金属板3が蓋体12の直上に密着されることにより、蓋体12の穿孔12aに対して尖鋭体6が繰り返し抜き差しされた場合にも、穿孔12a周辺における隆起や穿孔12a内におけるひび割れの発生を防止することができ、かかるひび割れからのガス漏れを防止することができる。
かかる金属板3は、蓋体12の大きさ及び形状に合わせて、板金プレス加工によって略円盤状に形成されている。また、図4(a)に示すように、金属板3は、主面部の略中央部が、蓋体12の形状に応じてやや円弧状に膨出して形成されている。したがって金属板3は、蓋体12上からの位置ズレが防止されているとともに、蓋体12との密着性が高まり、蓋体12の穿孔12a周辺にクレーター状の隆起が発生したり穿孔12a内にクラックが発生することを防止することができ、穿孔12aからのガス漏れを確実に防止することができる。
また、金属板3は、外周部に切り欠き部17が形成されている。切り欠き部17は、蓋体12と開口部11との間や、穿孔12aから、万が一ボンベ内の炭酸ガスがリークした場合に、金属板3と蓋体12との間に生じる隙間に炭酸ガスが封入され、このガス圧によって開口部11あるいは金属板3等が破損されることを防止するものであり、リークしたガスの排出路となる。上述したように、炭酸ガスカートリッジボンベ2の開口部11は、金属板3が蓋体12上に載置された後、シリコンコーキングが施されている。また、後述するように、金属板3は、炭酸ガスカートリッジボンベ2がハウジング5内に収納されると、このハウジング5の内部と蓋体12との間に挟持される。したがって、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、開口部11から炭酸ガスが漏れ出ると、金属板3と蓋体12との間に生じる隙間に炭酸ガスが貯留し、ガス圧によって開口部11あるいは金属板3が破損するおそれもあるが、金属板3に切り欠き部17を形成することで、漏れ出た炭酸ガスを外部に逃すことができ、炭酸ガスが貯留することによる破損を防止することができる。
また、金属板3は、外周部に切り欠き部17を形成する以外にも、図3及び図4(b)に示すように、外周側にリークしたガスを放出させる放出孔18を複数箇所に亘って形成するようにしてもよい。なお、図3においては、ガス噴出装置1の内部を構成する各部材を、断面図として示している。
次いで、尖鋭体6を有し、この尖鋭体6を蓋体12及び金属板3に抜き差しすることにより炭酸ガスの噴出を操作する操作機構4について説明する。尖鋭体6を保持し、炭酸ガスカートリッジボンベ2の開閉を行う保持体7は、図3および図5(a)(b)に示すように、断面略凸字状に形成され、炭酸ガスカートリッジボンベ2の蓋体12及び金属板3に突き立てられる尖鋭体6が挿通、保持される本体部20と、本体部20を炭酸ガスカートリッジボンベ2側に付勢する付勢バネ8が係止されるフランジ部22とを有する。
尖鋭体6を挿通、保持する本体部20は、中空円筒形状をなし、一端側にフランジ部22が形成されている。また、本体部20は、フランジ部22が形成された底面20aより尖鋭体6が突出されている。本体部20は、後述する操作部材9に当該底面20aが当接されることにより付勢バネ8の付勢力に対抗して炭酸ガスカートリッジボンベ2より離間する方向へ操作される。
本体部20の底面20aより突出されている尖鋭体6は、ハウジング5に形成された挿通孔44に挿通されることにより尖端部6aが炭酸ガスカートリッジボンベ2の開口部11に臨まされ、本体部20が付勢バネ8によって付勢されることにより、金属板3及び蓋体12の各穿孔3a,12aに突き立てられ、炭酸ガスの噴出を停止する。また、尖鋭体6は、ガス噴出装置1の製造工程において、金属板3及び蓋体12に刺し通されることにより、各穿孔3a,12aを形成する。このように、ガス噴出装置1は、尖鋭体6によって穿孔3a,12aを穿設するとともに、この尖鋭体6を各穿孔3a,12aに突き立てることにより、各穿孔3a,12aが尖鋭体6によって確実に密閉され、炭酸ガスの噴出を停止させることができる。また、ガス噴出装置1は、製造工程において予め炭酸ガスカートリッジボンベ2の蓋体12に穿孔12aを穿設してあるため、気圧変化や落下事故などの衝撃によるボンベ筐体の変形等によりボンベ内の圧力が高まった場合にも、穿孔12aから炭酸ガスが排出されることにより炭酸ガスカートリッジボンベ2が破裂する等の事故を防止することができる。
また本体部20の底面20aには、操作部材9のレバー部材25と当接される突起部23が下方に向けて突設されている。突起部23は、レバー部材25と当接されることにより、付勢バネ8の付勢力をレバー部材25へ伝達し、また操作部材9によって回動操作されたレバー部材25の動力を本体部20へ伝達するものであり、後述するレバー部材25の側縁部27a,27bに応じて底面20aの2カ所に形成されている。
また本体部20の底面20aには、ハウジング5の上部カバー41に形成されているガイド孔43に挿通されるガイド突部24が突設されている。ガイド突部24は、ガイド孔43に沿って摺動されることにより本体部20の直進移動をガイドするものであり、円筒形状に形成され、ガイド孔43内を摺動する。
本体部20の外周より突き出たフランジ部22は、本体部20を炭酸ガスカートリッジボンベ2側へ付勢する付勢バネ8の一端が当接される。この付勢バネ8は、本体部20が挿通されるとともに、一端をハウジング5内に配設された押さえ板51に当接され、他端をフランジ部22に当接される。これにより、付勢バネ8は、保持体7を炭酸ガスカートリッジボンベ2の蓋体12側に付勢する。
かかる、保持体7は、炭酸ガスカートリッジボンベ2の蓋体12及び金属板3と本体部20の底面20aとが対向するようにしてハウジング5内に収納される。そして、保持体7は、付勢バネ8により本体部20が炭酸ガスカートリッジボンベ2側に付勢されるため、尖鋭体6が金属板3及び蓋体12を刺し貫くことにより、穿孔3a,12aを穿設し、また尖端部6aが各穿孔3a,12aに突き立てられることにより炭酸ガスの噴出を停止させる。
そして、保持体7は、操作部材9により、付勢バネ8の付勢力に対抗して炭酸ガスカートリッジボンベ2と反対側に移動されると、蓋体12及び金属板3の各穿孔12a,3aより尖鋭体6の尖端部6aが引き抜かれるため、炭酸ガスを噴出させる。噴出した炭酸ガスは、ハウジング5内に配設されたノズル部材50を介して外方に噴出される。また、保持体7は、操作部材9の押圧操作が解かれると、付勢バネ8の付勢力によって炭酸ガスカートリッジボンベ2側へ移動され、尖鋭体6の尖端部6aが金属板3及び蓋体12の各穿孔3a,12aに突き立てられ、炭酸ガスの噴出を停止する。
なお、保持体7を炭酸ガスカートリッジボンベ2側に付勢する付勢バネ8は、蓋体12の穿孔12aより炭酸ガスカートリッジボンベ2内に挿通された尖鋭体6の尖端部6aがボンベ内に充填された炭酸ガスにより押圧される圧力よりも大きな圧力で、保持体7を付勢する。すなわち、保持体7に保持された尖鋭体6は、蓋体12の穿孔12aより炭酸ガスカートリッジボンベ2内に突き立てられたときでも、ボンベ内のガス圧力により穿孔12aより押し出されることはない。したがって、ガス噴出装置1は、操作部材9により保持体7が操作される前において、炭酸ガスカートリッジボンベ2内に充填された炭酸ガスの漏出が防止されている。
保持体7を操作することにより炭酸ガスを噴出させる操作部材9は、保持体7の突起部23と当接されるレバー部材25と、レバー部材25を押圧操作する押圧軸26とを有する。
レバー部材25は、略矩形状に形成された板状体の相対向する両側縁25a,25bに円弧状の第1,第2の切り欠き部27,28を形成することにより、略H字状に形成されている。また、レバー部材25は、両側縁25a,25bと直交する一対の側縁に、それぞれハウジング5に立設された支持壁45のスリット部45aに支持される略円柱状に形成された回動凸部29が突設されている。レバー部材25は、回動凸部29がスリット部45aに支持されることによりハウジング5内において回動可能に支持されている。
一側縁25a側に形成された第1の切り欠き部27は、相対向する両側縁部27a,27b間に尖鋭体6が挿通される。また第1の切り欠き部27は、相対向する両側縁部27a,27bが、保持体7の突起部23の下方に位置され、レバー部材25の一側縁25aが上方に回動されると、突起部23に当接し、保持体7を上方に押し上げる。また他側縁25b側に形成された第2の切り欠き部28は、相対向する両側縁部28a,28b間に押圧軸26の軸部32が挿通される。また第2の切り欠き部28は、両側縁部28a,28bが、押圧軸26に張り出し形成された押圧片34の下方に位置され、押圧軸26が押圧操作されると、押圧片34によって押圧され、他側縁25b側が下方に回動される。
第2の切り欠き部28の両側縁部28a,28bを押圧する押圧軸26は、ハウジング5の上部カバー41上に取り付けられたヘッドキャップ60の噴出釦61を介してユーザにより押圧操作される軸部32と、ハウジング5の上部カバー41内を上下方向に移動可能に支持される支持片33と、第2の切り欠き部28の両側縁部28a,28bに当接されてレバー部材25を押圧操作する押圧片34とを有する。
軸部32は、押圧片34の上方に突設された上端部32aがヘッドキャップ60の噴出釦61と当接されるとともに、押圧片34の下方に突設された下端部32bがハウジング5に形成された押圧軸ガイド孔46に挿通されている。これにより押圧軸26は、上部カバー41内における長手方向の移動がガイドされている。
また、支持片33は、断面略T字状の片が押圧軸26の長手方向の略中間部より長手方向に沿って突出されて形成されている。この支持片33は、ハウジング5に押圧軸26の移動方向に沿って立設されたガイドレール47に移動可能に係合され、このガイドレール47によっても押圧軸26の移動がガイドされる。
また、押圧片34は、軸部32の略中間部から側方に張り出し形成され、軸部32の下端部32bが押圧軸ガイド孔46に挿通され、また支持片33がガイドレール47に係合されることにより、上記レバー部材25の第2の切り欠き部28の両側縁部28a,28bと当接可能とされている。この押圧片34は、押圧軸26が押圧操作されることにより第2の切り欠き部28の両側縁部28a,28bを押圧してレバー部材25の他側縁25b側を下方に回動させる。
このような操作機構4は、レバー部材25の一側縁25a側が、付勢バネ8によって常時炭酸ガスカートリッジボンベ2側に付勢されている保持体7に突設された突起部23に押下されることにより、回動凸部29を支点に一側縁25a側が下方に回動され、また、他側縁25b側が上方に回動されている。したがって、押圧軸26は、押圧片34がレバー部材25の他側縁25b側に設けられた第2の切り欠き部28の両側縁部28a,28bに押圧され、常時、上方に押し上げられている。
そして、操作機構4は、ユーザによってヘッドキャップ60の噴出釦61が押し下げられると、噴出釦61によって押圧軸26の軸部32が下方に押圧されるため、軸部32の下端部32bが押圧軸ガイド孔46内を下降し、また支持片33がガイドレール47にガイドされて下方に移動するとともに、押圧片34がレバー部材25の第2の切り欠き部28の両側縁部28a,28bを下方に押圧する。これによりレバー部材25の他側縁25b側が回動凸部29を支点に下方に回動され、また、一側縁25a側が上方に回動される。したがって、保持体7は、レバー部材25の一側縁25a側に形成された第1の切り欠き部27の両側縁部27a,27bが本体部20の底面20aより突設されている突起部23に下方より当設するため、付勢バネ8の付勢力に対向して上昇され、炭酸ガスカートリッジボンベ2より離間される。これにより、保持体7に支持されている尖鋭体6の尖端部6aが炭酸ガスカートリッジボンベ2の蓋体12及び金属板3より引き上げられるため、炭酸ガスを噴出させることができる。
炭酸ガスカートリッジボンベ2、保持体7及び操作部材9を収納するハウジング5は、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂により形成され、炭酸ガスカートリッジボンベ2が収納される下部ケース40と、保持体7及び操作部材9が収納される上部カバー41とが結合された略筒状体からなる。またハウジング5は、ユーザにとって片手で持って操作できる程度の大きさで形成されている。
下部ケース40は、炭酸ガスカートリッジボンベ2と略同一の内径を有し、上端が開放された略円筒体からなり、炭酸ガスカートリッジボンベ2をがたつかせることなく収納することができる。
上部カバー41は、図6に示すように、下部ケース40内に収納された炭酸ガスカートリッジボンベ2の開口部11が挿通、係合されるドーム状の内面部41aと、内面部41aの頂部に形成され保持体7や操作部材9等が配設される外面部41bとを有する。内面部41aは、開口部11の外周面に形成されたネジ溝11aが螺合する溝部が内周面に形成された円筒状の係合壁42が突設されている。係合壁42は、上部に外面部41bに形成されている挿通孔44及びガス孔48の各一端が臨まされており、炭酸ガスカートリッジボンベ2の開口部11が係合されることにより、蓋体12及び蓋体12上に配設された金属板3を挿通孔44及びガス孔48と対峙させる。
また開口部11が係合壁42に螺合されることにより、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、ハウジング5内において、がたつくことなく収納される。なお、開口部11が係合壁42に螺合されると、炭酸ガスカートリッジボンベ2の蓋体12上に配設されている金属板3は、蓋体12と係合壁42の頂部とに挟持され、蓋体12上に密着されると共に、位置ズレが防止されている。また、このとき、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、蓋体12及び金属板3と内面部41a側に一端が臨まされているガス孔48との間に、クリアランスが形成され、穿孔12a,3aから噴出された炭酸ガスがガス孔48へ流出可能とされている。
上部カバー41の外面部41bには、保持体の直進移動をガイドするガイド孔43と、保持体7に突設されている尖鋭体6が挿通され尖鋭体6の移動をガイドする挿通孔44と、レバー部材25の側縁より突設されている一対の回動凸部29,29を支持する一対の支持壁45,45と、押圧軸26の移動をガイドする押圧軸ガイド孔46と、押圧軸26の支持片33と係合するガイドレール47,47と、炭酸ガスカートリッジボンベ2内より噴出された炭酸ガスが流れるガス孔48とを有する。また、外面部41bは、挿通孔44に保持体7の尖鋭体6が挿通され、支持壁45,45にレバー部材25が支持され、押圧軸ガイド孔46に押圧軸26の軸部32が挿通され、ガイドレール47に押圧軸26の支持片33が支持され、さらにガス孔48にノズル部材50が係合されている。そして、外面部41bは、支持壁45,45の上部に付勢バネ8の一端が係止される押さえ板51が配設され、ヘッドキャップ60によって全体が覆われている。
ガイド孔43は、保持体7の本体部20に突設されているガイド突部24が挿通されることにより、本体部20の直進移動をガイドするものであり、上端が開口された筒型に形成されている。ガイド孔43は、ガイド突部24が摺動することにより、保持体7及び保持体7に保持されている尖鋭体6の昇降をガイドする。
挿通孔44は、内面部41aに螺合された炭酸ガスカートリッジボンベ2の蓋体12及び金属板3に対峙して形成され、下端が内面部41a内に臨まされている。そして挿通孔44は、中空円筒状に形成されることにより、尖鋭体6が挿通されると、尖鋭体6の上下方向の移動をガイドすることができる。また尖鋭体6は、挿通孔44を介して外面部41b側から炭酸ガスカートリッジボンベ2が収納されている内面部41aへ挿通される。
なお、設計上、挿通孔44の内径はφ0.90mmであるのに対して、尖鋭体6の直径はφ0.99mmとされているが、上部カバー41は、高密度ポリエチレンを用いて形成されているため、尖鋭体6は、挿通孔44内を滑らかに摺動することができる。
一対の支持壁45,45は、外面部41b上に立設され、レバー部材25の回動凸部29,29を回動自在に支持するスリット部45aが上下方向に亘って形成されている。スリット部45aは、支持壁45,45の上側面側が開放され、この開放端よりレバー部材25の回動凸部29が挿入される。また、支持壁45,45は、上側面に押さえ板51が係合する係合突部45bが複数突設されている。
押圧軸ガイド孔46及びガイドレール47は、いずれも押圧軸26を支持すると共に、その上下移動をガイドするものである。押圧軸ガイド孔46は、外面部41b上に立設され、上方が開放された略円筒状に形成されている。そして押圧軸ガイド孔46は、開放端より押圧軸26の軸部32の下端部32bが挿入され、押圧軸26の上下移動をガイドする。またガイドレール47は、外面部41b上に立設され、断面略L字状に形成された柱状体からなる。ガイドレール47,47は、このL字状の一辺を互いに向かい合わせることにより長手方向にスリットを備え、開放端を押圧軸26と反対方向に向けた略コ字状に配置され、このスリット部分に押圧軸26の断面略T字状に形成された支持片33が係合することにより、押圧軸26を摺動自在に支持する。
ガス孔48は、内面部41aに螺合された炭酸ガスカートリッジボンベ2の蓋体12及び金属板3に対峙して形成され、一端が内面部41aに臨まされている。またガス孔48は、外面部41b側に開口された他端にノズル部材50が装着される。ノズル部材50は、内部にガス流路52が形成され、ガス孔48に装着されることにより、ガス流路52の一端が内面部41aと連続される。またノズル部材50は、ガス流路52の他端がハウジング5の外方へ臨まされ、必要に応じて筒状で先細の吹き出し用チューブが装着される。
また、ノズル部材50は、ガス流路52内にフィルタ55が配設されている。フィルタ55は、炭酸ガスカートリッジボンベ2内に充填された炭酸ガスが固体又は液体の状態で噴出されることを防止する通気性を有する部材であり、ガス流路52の断面形状に応じて略円柱状に成型されたウレタンフォーム(例えば、株式会社ブリヂストン製 SFフォームHR−30)が用いられる。なお、ガス噴出装置1を、ボンベ内に炭酸ガスと共に充填された液体を霧状に噴出させる噴霧装置として用いる場合には、フィルタ55は用いられない。
保持体7の本体部20に係止されている付勢バネ8の他端を押さえる押さえ板51は、支持壁45,45の上側面に突設された複数の係合突部45bが挿通される係合孔51aが形成されて、この係合孔51aに係合突部45bが挿通されることにより支持壁45,45に取り付けられている。この押さえ板51は、一端部が保持体7のフランジ部22に係止されている付勢バネ8の他端部が当接され、付勢バネ8を圧縮した状態で支持する。これにより、押さえ板51は、付勢バネ8により保持体7を炭酸ガスカートリッジボンベ2側に付勢させる。また押さえ板51は、保持体7の本体部20の上面に形成された凸部20bが挿通される開口部51bが形成されている。
ハウジング5の上部カバー41を覆うヘッドキャップ60は、一端が開放された中空円筒状のケースであり、上部カバー41に取り付けられることにより、上部カバー41の外面部41bに配設されている保持体7、操作部材9等の部材を覆い、またノズル部材50の先端を外方に臨ませる。
ヘッドキャップ60は、閉塞された上面部60aに押圧軸26を操作する噴出釦61が形成され、また外周部にノズル部材50の先端が挿通される切り欠き部62が形成されている。ヘッドキャップ60の上面部60aには、噴出釦61が配設される開口部63が形成されている。開口部63は、上面部60aを矩形状に切り欠き、一端側を上面部60aの外周部に臨ませて形成されている。この開口部63に設けられた噴出釦61は、開口部63の閉塞端側に形成されたヒンジ部を介して揺動自在にヘッドキャップ60と連結されている。噴出釦61は、押圧軸26の軸部32の上端部32aの先端が当接され、ユーザによって押圧操作されることにより押圧軸26を下方に移動させる。また噴出釦61は、レバー部材25を介して付勢バネ8の付勢力を受けた押圧軸26によって上方に押し上げられている。
切り欠き部62は、ヘッドキャップ60の外周の一部を切り欠くことにより、下端をヘッドキャップ60の開放端に臨ませて形成されている。そして切り欠き部62は、ヘッドキャップ60が上部カバー41上からハウジング5に装着されることにより、開放端側からノズル部材50の先端を外方に臨ませる。
かかるガス噴出装置1は、下部ケース40に炭酸ガスカートリッジボンベ2が収納されると共に、上部カバー41の係合壁42に炭酸ガスカートリッジボンベ2の開口部11が螺合されることにより、炭酸ガスカートリッジボンベ2をハウジング5内に収納する。このとき、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、予め高圧状態で液化炭酸ガスが充填され、蓋体12によって封止されるとともに、金属板3が載置され、開口部11周辺にシリコンコーキングが施されている。
そして、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、ハウジング5内に収納されることにより、金属板3の側縁部が蓋体12及び上部カバー41の内面部41aに挟持される。また炭酸ガスカートリッジボンベ2は、蓋体12及び金属板3が、上部カバー41に形成されている挿通孔44及びガス孔48と対峙される。
次いで、上部カバー41には、外面部41bに立設されている支持壁45のスリット45aに回動凸部29が挿通されることによりレバー部材25が回動自在に支持される。そして、レバー部材25の一側縁25a側に形成された第1の切り欠き部27の両側縁部27a,27bと突起部23とが対峙するとともに尖鋭体6が挿通孔44内に挿入するようにして保持体7が組み付けられる。また支持片33がガイドレール47に係合する向きで押圧軸ガイド孔46内に軸部32の下端部32bを挿入することにより押圧軸26が組み付けられる。これにより押圧軸26は、押圧片34がレバー部材25の他側縁25bに形成された第2の切り欠き部28の両側縁部28a,28bと対峙される。また、ノズル部材50が、ガス孔48の他端に取り付けられ、ガス流路52がガス孔48を介して上部カバー41の内面部41aと連続される。
そして、保持体7の本体部20を付勢バネ8に挿通させ、フランジ部22に付勢バネ8の一端を当接させた後、支持壁45に押さえ板51を組み付けることにより、付勢バネ8を圧縮した状態で保持する。これにより、保持体7は、付勢バネ8の付勢力を受けて下方に付勢されるため、尖鋭体6の尖端部6aが金属板3及び蓋体12を突き刺して穿孔3a,12aを形成するとともに、炭酸ガスの噴出を停止する。
最後にヘッドキャップ60が組み付けられることによりガス噴出装置1の製造が終了する。その後、ガス噴出装置1は、ハウジング5の外周に適宜、機銘ラベルが貼着され、ラミネート処理が施される。
なお、ガス噴出装置1は、保持体7及び操作部材9が組み付けられた状態で炭酸ガスカートリッジボンベ2の開閉動作の確認を行うことができる。すなわち、ガス噴出装置1は、支持壁45,45に取り付けられた押さえ板51によって保持体7及び付勢バネ8を係止しているため、ヘッドキャップ60の装着前に炭酸ガスの噴出及び停止の動作確認を行うことができる。したがって、保持体及び付勢バネをヘッドキャップによって係止した後に炭酸ガスカートリッジボンベの開閉動作確認を行う場合に比して、内部構造の不具合等を確かめるために逐一ヘッドキャップを取り外す手間を省くことができる。
次いで、以上のような構成を有するガス噴出装置1の実使用時における動作について、図7を参照しながら説明する。使用時においてガス噴出装置1は、図1に示すように、ヘッドキャップ60の切り欠き部62より外方に突出されているノズル部材50に吹き出し用チューブが装着される。
炭酸ガスの噴出を待機している状態において、ガス噴出装置1は、炭酸ガスカートリッジボンベ2は、保持体7が付勢バネ8によって下方に付勢されている。これにより、ガス噴出装置1は、保持体7に保持されている尖鋭体6の尖端部6aが金属板3及び蓋体12に突き立てられて予め開口されるとともに、この尖鋭体6の尖端部6aによって各穿孔3a,12aが閉塞されて炭酸ガスの噴出が防止されている。
また、このとき操作部材9は、レバー部材25が、付勢バネ8によって常時炭酸ガスカートリッジボンベ2側に付勢されている保持体7の突起部23に押下されることにより、回動凸部29を支点に一側縁25a側が下方に回動され、また、他側縁25b側が上方に回動されている。したがって、押圧軸26は、レバー部材25の他側縁25bに形成された第2の切り欠き部28の両側縁部28a,28bに押圧片34が押圧されることより、軸部32が上方に押し上げられている。
次いで、ユーザによって吹き出し用チューブの先端を噴出対象に向けてガス噴出装置1のハウジング5が把持される。そして、ユーザによってヘッドキャップ60の噴出釦61が押圧されると、押圧軸26の押圧片34が下方に移動し、この押圧片34と係合するレバー部材25の他側縁25b側が回動凸部29を支点に下方に回動され、また、一側縁25a側が上方に回動される。したがって、保持体7は、レバー部材25の一側縁25aに形成された第1の切り欠き部27の両側縁部27a,27bに突起部23が押し上げられることにより、付勢バネ8の付勢力に対抗して上昇され、尖鋭体6の尖端部6aが蓋体12及び金属板3の各穿孔12a,3aより引き抜かれ、炭酸ガスが噴出される。噴出された炭酸ガスは、ハウジング5の上部カバー41に設けられたガス孔48を介して、ノズル部材50のガス流路52に流れ、吹き出し用チューブの先端より噴出する。
なお、このとき炭酸ガスカートリッジボンベ2より噴出した炭酸ガスは、上部カバー41の内面部41aに臨まされている挿通孔44及びガス孔48のうち、大きく開口されているガス孔48側に流れ、尖鋭体6と略同一径を有するとともに、尖鋭体6が挿通されている挿通孔44内には流れていかない。
ユーザによる操作部材9の噴出釦61の押圧が解除されると、保持体7は、付勢バネ8の付勢力により炭酸ガスカートリッジボンベ2側に付勢される。したがって、保持体7に保持されている尖鋭体6は尖端部6aが金属板3及び蓋体12の各穿孔3a,12aに突き立てられ、炭酸ガスカートリッジボンベ2を閉塞する。これにより、吹き出し用チューブからの炭酸ガスの噴出が停止される。
また、レバー部材25は、一側縁25aが炭酸ガスカートリッジボンベ2側に付勢された保持体7の突起部23に押圧され、回動凸部29を支点に他側縁25b側が上方に回動される。したがって、レバー部材25の他側縁25bの両側縁部28a,28bと係合している押圧軸26は、軸部32が上方に移動し、軸部32に当接されているヘッドキャップ60の噴出釦61も上面部60a側に押し上げられる。
ガス噴出装置1は、炭酸ガスが金属筐体からなる炭酸ガスカートリッジボンベ2内に充填されると共に炭酸ガスの噴霧が停止されている状態においては、保持体7が炭酸ガスカートリッジボンベ2側に付勢されて尖鋭体6の尖端部6aが金属板3及び蓋体12を閉塞し、炭酸ガスの噴出が防止されている。このとき、ガス噴出装置1は、蓋体12の直上に洋白からなる金属板3を配設しているため、炭酸ガスカートリッジボンベ2を封止する蓋体12の穿孔12a周辺がクレーター状に隆起することなく、また穿孔12aの内周面にクラックが発生することもない。したがって、ガス噴出装置1は、炭酸ガスの噴出停止時において、確実にガス漏れを防止することができる。図8(a)にガス噴出装置1における金属板3の穿孔3aを観察した様子を示し、同図(b)にガス噴出装置1における蓋体12の穿孔12aを観察した様子を示す。各穿孔3a,12aとも、クレーター状の隆起もなく、内周面にクラックも発生していないことがわかる。
また、ガス噴出装置1は、金属板3が蓋体12の形状に応じて、中央がやや円弧状に膨出して形成されているため、金属板3と蓋体12との密着性が高まり、尖鋭体6が繰り返し抜き差しされた場合にも、蓋体12の穿孔12a周辺にクレーター状の隆起が発生したり穿孔12a内にクラックが発生することをより効果的に防止することができる。したがって、ガス噴出装置1は、ガス漏れをより効果的に防止することができる。
次いで、上述した構成を有するガス噴出装置1のリーク試験について説明する。リーク試験は、洋白からなる金属板3を蓋体12の直上に載置した後、尖鋭体6によって金属板3及び蓋体12に穿孔3a,12aを形成し、これら穿孔3a,12aに尖鋭体6を突き立てて炭酸ガスの噴出を停止させた状態で、ノズル部材50の先端からガスが漏れているか否かを観察した。
このとき、ノズル部材50の先端にはストロー状の吹き出し用チューブが装着されると共に、吹き出し用チューブの先端を石けん水に浸漬し、この吹き出し用チューブ先端から気泡がいくつ発生するかによってガス漏れの有無及び量を判定した。判定は、穿孔3a,12aの開栓後、30分経過後及び24時間経過後、24時間経過後かつ常温下(22.4℃)、の3回行った。また、リーク試験に先だって、尖鋭体6を引き抜き、尖鋭体6の蓋体12への突き刺し量と炭酸ガスの噴出圧力を測定した。
Figure 2008286366
表1に、蓋体12の形状に応じて中央部を円弧状に膨出させた洋白からなる厚さ0.1mmの金属板3を用いたリーク試験結果を示す。リーク試験は、ガス噴出装置1を25本分行った。表1中、「刺前寸法→刺後寸法」とは、押さえ板51の上面から保持体7の最上部までの距離を計測した寸法(単位:mm)であり、保持体7が押圧されることにより尖鋭体6が蓋体12に何mm突き立てられたのかを示す。刺前とは尖鋭体6が穿孔3a,12aより引き抜かれてガスが噴出された状態であり、刺後とは尖鋭体6が穿孔3a,12aに突き立てられガスの噴出が停止された状態である。この尖鋭体6の蓋体12へ刺し量を「刺幅(単位:mm)」として示した。空欄ないし手刺しとあるのは、治具への設置あるいは操作上、不具合があったものである。
「噴射圧力(単位:g)」は、尖鋭体6を蓋体12及び金属板3の各穿孔12a,3aから引き抜いて炭酸ガスを噴出させたときの、勢いを測定したものである。尖鋭体6は尖端部6aが先細のテーパ状になっているため、刺し幅にほぼ比例して各穿孔12a,3aも拡がり、噴射圧力も大きくなることがわかる。「重量1(単位:g)」は、尖鋭体6によって穿孔12a,3aを形成した直後の炭酸ガスカートリッジボンベ2の重量であり、「重量2(単位:g)」は、穿孔12a,3aの開栓後24時間経過後かつ常温(22.4℃)下における炭酸ガスカートリッジボンベ2の重量である。
「L/30m」は、穿孔12a,3aの開栓後30分経過時における吹き出し用チューブ先端から発生する気泡の数(単位:個)であり、「L/1d−a」は、穿孔12a,3aの開栓後24時間経過時における吹き出し用チューブ先端から発生する気泡の数(単位:個)である。このときは低温下において観察した。「L/1d−b」は、穿孔12a,3aの開栓後24時間経過後かつ常温(22.4℃)下における吹き出し用チューブ先端から発生する気泡の数(単位:個)である。
表1に示すように、本発明が適用されたガス噴出装置1によれば、穿孔12a,3aの開栓後、30分経過時、24時間経過時、及び24時間経過後かつ常温下(22.4℃)において、吹き出し用チューブ先端から気泡は殆ど観察されず、リーク防止が良好に図られていることが分かる。
Figure 2008286366
次いで、表2に、厚さ0.1mmの洋白からなる平坦な金属板を用いて上記と同様のリーク試験を行った結果を示す。表2に示すように、蓋体12の形状に応じて金属板3の中央に膨出形状を付していないと、穿孔12a,3aの開栓後、30分経過時(L/30m)、及び24時間経過後かつ常温下(22.0℃)(L/1D)において、吹き出し用チューブ先端から気泡が観察されたガス噴出装置が出てくる(なお、15番のガス噴出装置は、上部カバーに組み付けられた操作部材に不具合が生じたため、実験を中止した)。
表1と表2から、金属板3の略中央部を蓋体12の形状に応じて膨出させることで、蓋体12と金属板3とがより密着し、リーク防止上有効であることがわかる。
Figure 2008286366
次いで、表3に、厚さ0.1mmの銅からなる平坦な金属板を用いて上記と同様のリーク試験を行った結果を示す。表3中「刺幅(単位:mm)」は、上記表1及び表2と同様に、尖鋭体が蓋体に突き立てられた長さを示す。「重量1(単位:g)」は、尖鋭体によって蓋体及び銅の金属板に穿孔を形成した直後の炭酸ガスカートリッジボンベ2の重量であり、「重量2(単位:g)」は、穿孔の開栓後96時間経過後における炭酸ガスカートリッジボンベ2の重量である。「リーク」は、穿孔の開栓直後における吹き出し用チューブ先端から発生する気泡の数(単位:個)であり、10秒毎に観察された気泡の数を示す。
表3に示すように、銅を用いた平坦な金属板を蓋体12の直上に載置した場合では、蓋体12及び金属板に穿孔を開栓すると、尖鋭体を突き立てている際にも、10秒毎に最大8個の気泡が吹き出し用チューブの先端から発生し、炭酸ガスのリーク対策としては不十分であることがわかる。なお、3番のガス噴出装置は、開栓直後では気泡は観察されなかったが、96時間経過後の炭酸ガスカートリッジボンベ2の重量が減少していることから(334.0g→330.0g)、炭酸ガスがその間に漏れ出していることがわかる。
本発明が適用されたガス噴出装置を示す斜視図である。 本発明が適用されたガス噴出装置を示す分解斜視図である。 本発明が適用されたガス噴出装置を示す分解斜視図である。 金属板を示す断面図である。 本発明が適用されたガス噴出装置を示す断面図であり、(a)は正面側を示し、(b)は側面側から示す。 本発明が適用されたガス噴出装置の断面図である。 本発明が適用されたガス噴出装置の動作を説明するための図である。 本発明が適用されたガス噴出装置における蓋体及び金属板の各穿孔を観察した様子を示す図である。 従来の噴出装置において、穿孔周辺に盛り上がりが発生した様子を示す図である。
符号の説明
1 ガス噴出装置、2 炭酸ガスカートリッジボンベ、3 金属板、3a 穿孔、4 操作機構、5 ハウジング、6 尖鋭体、6a 尖端部、7 保持体、8 付勢バネ、9 操作部材、11 開口部、12 蓋体、12a 穿孔、17 切り欠き部、18 放出孔、20 本体部、22 フランジ部、23 突起部、24 ガイド突部、25 レバー部材、26 押圧軸、27 第1の切り欠き部、28 第2の切り欠き部、29 回動凸部、32 軸部、33 支持片、34 押圧片、40 下部ケース、41 上部カバー、42 係合壁、43 ガイド孔、44 挿通孔、45 支持壁、46 押圧軸ガイド孔、47 ガイドレール、48 ガス孔、50 ノズル部材、51 押さえ板、52 ガス流路、55 フィルタ、60 ヘッドキャップ、61 噴出釦、62 切り欠き部、63 開口部

Claims (9)

  1. 圧縮ガスが充填され、開口部が封板で封止されているボンベと、
    上記ボンベの封板の直上に配設された金属板と、
    上記封板及び金属板を貫通するとともに、抜き差し操作される尖鋭体を有し、上記圧縮ガスの噴出を操作する操作機構と、
    上記ボンベ、金属板及び操作機構を収納するハウジングとを備える噴出装置。
  2. 上記金属板は、洋白からなることを特徴とする請求項1記載の噴出装置。
  3. 上記ボンベは、少なくとも上記金属板が配設された上記封板及び開口部がコーキングされていることを特徴とする請求項1記載の噴出装置。
  4. 上記金属板には、外周にリークしたガスを放出する切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の噴出装置。
  5. 上記金属板には、外周側にリークしたガスを放出する放出孔が形成されていることを特徴とする請求項3記載の噴出装置。
  6. 上記金属板は、上記ボンベが上記ハウジング内に収納されることにより、上記封板及び上記ハウジング内部によって挟持されることを特徴とする請求項1記載の噴出装置。
  7. 上記操作機構は、一端に上記金属板と対向して上記尖鋭体を保持し上記封板と接離可能に配設された保持体と、上記保持体を上記封板側に付勢する付勢部材と、上記保持体を上記封板と離間する方向に操作して上記尖鋭体を上記封板及び金属板から引き抜き上記ボンベを開放する操作部材とを有することを特徴とする請求項1記載の噴出装置。
  8. 上記先鋭体の直進移動をガイドするガイド部が設けられている請求項1記載の噴出装置。
  9. 上記圧縮ガスは、液化炭酸ガスであり、該炭酸ガスの流路上には、固体又は液体の状態で噴出されることを防止する通気部材が配設されていることを特徴とする請求項1記載の噴出装置。
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