JP2008286141A - 弁機構及び冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】特別な制御を行うことなく、冷却水の温度に応じた流路の開閉を行うことができるとともに、流路を通過する液体の圧損を極力抑制することが可能な弁機構を提供する。
【解決手段】ヘッド側流路130b及びブロック側流路130aとを有する第3給水路30cと、この第3給水路30c内に設けられ、給水路内を流れる冷却水の温度に応じて伸縮する伸縮機構56と、この伸縮機構に接続され、伸縮機構の伸縮に応じて第3給水路内でスライド移動することによりヘッド側流路を開閉するヘッド側弁部材52bと、ヘッド側弁部材に対して所定の位置関係で固定され、伸縮機構の伸縮に応じてスライド移動することにより、ブロック流路を開閉するブロック側弁部材52aと、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は弁機構及び冷却システムに関し、特に冷却システムに用いて好適な弁機構及び内燃機関を冷却する冷却システムに関する。
自動車エンジンに広く用いられている水冷式冷却システムでは、冷却水がウォータポンプの作用によってエンジン内部の冷却水通路とラジエタとの間を循環するように構成されている。かかる構成の水冷式冷却システムでは、冷却水にエンジン内部から発生する熱を吸収させ、この冷却水の熱をラジエタを介して外部へ放散させることが行われている。
この冷却システムの一部には、エンジンを適度な温度に調節するために、冷却水の循環経路の開閉を行うサーモスタットが設けられている。このサーモスタットは、エンジン始動直後の暖機運転時等、冷却水温が所定値より低い場合に閉弁状態となり、冷却水温が所定値より高くなった場合には開弁状態となってエンジン内部とラジエタとの間で冷却水を循環させるものである。サーモスタットとしては、例えば、循環経路内を流れる液体の温度に応じて凝固収縮状態と溶融膨張状態との間で変化するワックスを有する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、暖機運転を十分に促進させて燃費向上を図る観点から、エンジンのシリンダヘッド及びシリンダブロックに対する冷却水の供給(分配)を、暖機運転時と暖機運転後との間で変更する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−38178号公報 特開2002−138835号公報
しかしながら、特許文献2に記載の技術においては、シリンダヘッド及びシリンダブロックへの冷却水の分配を行う分配制御バルブとして、アクチュエータを介した電気的な制御が必要なバルブが採用されており、その制御が煩雑になるおそれがある。また、これを解消するために、特許文献2に記載の分配制御バルブに代えて、特許文献1に記載のサーモスタットを採用することも可能であるが、このサーモスタットは、特許文献1の図1に示されるように、分岐路(冷却用バイパス口2d)内に常時固定されることから、分岐路(冷却用バイパス口2d)を冷却液が通過する際における冷却液とサーモスタットとの間の摩擦抵抗により冷却液の圧損が大きくなり、これにより冷却効率が低下するおそれがある。
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、特別な制御を行うことなく、液体の温度に応じた流路の開閉を行うことができるとともに、流路を通過する液体の圧損を極力抑制することが可能な弁機構を提供することを目的とする。また、内燃機関の早期暖機及び効率的な冷却が可能な冷却システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の弁機構は、所定方向に伸びる管路と、前記管路から前記所定方向に交差する方向に向けて形成された第1の流路及び第2の流路と、を有する配管部材と、前記管路内に設けられ、該管路内を流れる液体の温度に応じて前記所定方向に伸縮する伸縮機構と、前記伸縮機構に接続され、前記伸縮機構の伸縮に応じて前記管路内で前記所定方向にスライド移動することにより、前記第1の流路を開閉する第1の蓋部材と、前記第1の蓋部材に対して所定の位置関係で固定され、前記伸縮機構の伸縮に応じて前記管路内で前記所定方向にスライド移動することにより、前記第2の流路を開閉する第2の蓋部材と、を備えることを特徴とする。
これによれば、第1の蓋部材と第2の蓋部材とが、管路内を流れる液体の温度に応じて伸縮する伸縮機構を介して、第1の流路と第2の流路のそれぞれを開閉するので、特別な制御を行うことなく、液体の温度に応じた流路の開閉を行うことができる。また、各蓋部材は、所定方向(管路に沿った方向)へのスライド移動により流路の開閉を行うため、開状態の流路とこれに対応する蓋部材とが対向することがない。これにより、流路を通過する液体と蓋部材との間の摩擦抵抗を極力低減することができ、流路を通過する液体の圧損を極力抑制することが可能となる。
この場合において、前記第1、第2の蓋部材の位置関係は、前記第1、第2の流路の前記管路側の開口部分の面積よりも小さい断面積を有する略棒状の固定部材により固定されていることとすることができる。これにより、固定部材と液体との間の摩擦抵抗を極力抑制することができる。
また、本発明では、前記伸縮機構は、前記管路内を流れる液体の温度に応じて凝固収縮状態と、溶融膨張状態との間で変化する物質を有することとすることができる。
また、本発明では、前記伸縮部材が収縮した状態で、前記第1、第2の流路のいずれか一方が開放されるとともに、いずれか他方が閉塞され、前記伸縮部材が伸張した状態で、前記第1、第2の流路のいずれか他方が開放されるとともに、いずれか一方が閉塞されるようにすることとしても良い。
本発明の冷却システムは、シリンダブロックとシリンダヘッドとを有する内燃機関を冷却する冷却システムであって、伸縮部材が収縮(又は伸張)した状態で、第1、第2の流路のいずれか一方が開放されるとともに、いずれか他方が閉塞される本発明の弁機構を備え、前記伸縮部材が収縮した状態では、前記一方の流路を介して、前記シリンダヘッドに対して前記液体が供給され、前記伸縮部材が伸張した状態では、前記他方の流路を介して、少なくともシリンダブロックに前記液体が供給されることを特徴とする。
これによれば、伸縮部材が収縮した状態(例えば、液体の温度が低い状態)では、シリンダブロック側に液体を供給しないため、内燃機関の早期暖機を効果的に実現することができ、ひいては燃費向上を図ることが可能となる。また、伸縮部材が伸張した状態(例えば、液体の温度が高い状態)では、少なくともシリンダブロック側に対して液体を効率的に供給するので、内燃機関の冷却を効率的に行うことが可能となる。
本発明によれば、特別な制御を行うことなく、液体の温度に応じた流路の開閉を行うことができるとともに、流路を通過する液体の圧損を極力抑制することが可能な弁機構を提供することができる。また、本発明によれば、内燃機関の早期暖機及び効率的な冷却が可能な冷却システムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
図1には、自動車等の車両用エンジンの冷却に用いられる本発明の冷却システム100が示されている。この冷却システム100は、冷却水を、シリンダヘッド10aとシリンダブロック10bとを有する内燃機関10を一部に含む循環流路内で循環させるシステムである。
冷却システム100は、ラジエタ26と、流量制御弁14と、ウォータポンプ12と、オイルクーラ16と、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ18と、これら構成各部及び内燃機関10に対する冷却水の供給に用いられる冷却水供給通路と、冷却水の回収に用いられる冷却水回収通路とを備えている。このうち、冷却水供給通路は、ラジエタ26と流量制御弁14との間を接続する第1給水路30aと、流量制御弁14とウォータポンプ12との間を接続する第2給水路30bと、ウォータポンプ12と内燃機関10(シリンダブロック10b及びシリンダヘッド10a)との間を接続する第3給水路30cと、この第3給水路30cから分岐してオイルクーラ16に接続される第4給水路30dと、流量制御弁14とEGRクーラ18との間を接続する第5給水路30eとを有している。また、冷却水回収通路は、内燃機関10のシリンダヘッド10aとラジエタ26との間を接続する第1回収路40aと、オイルクーラ16と第1給水路30aとの間を接続する第2回収路40bと、EGRクーラ18と第1回収路40aとの間を接続する第3回収路40cとを有している。これらのうち、第1回収路40aと第2給水路30bとの間には、冷却水をラジエタ26を通さずにウォータポンプ12に戻すためのバイパス流路35が設けられている。また、第3給水路30cの一部には、流量制御弁20が設けられている。なお、この流量制御弁20については後述する。
ラジエタ26は、その表面(図1における左側の面)に冷却フィンを有しており、車両が走行する際に導かれる風や不図示のラジエタファン等によって導かれる風を受けて、内部を流通する冷却水の熱を大気中に放熱させるものである。これにより、ラジエタ26に流入する際に高温であった冷却水が、ラジエタ26から流出する際には適当な温度に降温される。
流量制御弁14としては、例えば、特開2006−38178号公報(前述した特許文献1)などに開示されているサーモスタットが採用されている。この流量制御弁14により、第1給水路30a内を通る冷却水が、その冷却水の温度に応じて、第2給水路30bと第5給水路30eのそれぞれに分配される。
ウォータポンプ12は、第2給水路30b及びバイパス流路35からの冷却水を内燃機関10側に送るポンプである。
オイルクーラ16は、例えば、水冷式プレートタイプのオイルクーラであり、内燃機関10内のピストン潤滑のためのエンジンオイルなどを冷却するためのものである。
EGRクーラ18は、EGR排気ガス再循環装置(排気の一部を吸気系に戻し、混合気が燃焼するときの最高温度を低くして、NOXの生成量を抑える装置)において、吸気系に戻される排気を水冷する装置である。
なお、図1の冷却システム100の一部には、ヒータ22と開閉バルブ24とが設けられている。ヒータ22は、冷却水を熱源として自動車等の車両内の暖房を行うものであり、開閉バルブ24は、ヒータ22に対する冷却水(温水)の供給を制御するものである。開閉バルブ24は車両内のスイッチを介した乗員からの指示に応じて不図示の制御装置により制御される。
上記のように構成される冷却システム100によると、ウォータポンプ12を介して内燃機関10側に供給された冷却水は、後述する流量制御弁20を介して、内燃機関10内(シリンダヘッド10a内、又はシリンダブロック10bとシリンダヘッド10a内)に流入する。そして、内燃機関10の冷却に用いられた冷却水のうちの一部は、第1回収路40a及びバイパス流路35を通って(ラジエタ26を通ることなく)第2給水路30b内の冷却水と合流し、再度ウォータポンプ12に至る。その一方で、内燃機関10の冷却に用いられた冷却水のうちバイパス流路35側に流れなかった冷却水は、第1回収路40aを通ってラジエタ26内に流入する。このラジエタ26では、前述したように、高温になった冷却水が適当な温度に降温される。そして、ラジエタ26において適当な温度となった冷却水は、第1給水路30aを通って、流量制御弁14に至るようになっている。また、図1に示されるように、第3給水路30cを通る冷却水の一部は、第3給水路30cから分岐した第4給水路30dを通ってオイルクーラ16内に供給され、オイルクーラ16にてエンジンオイル等のオイルの冷却に用いられる。そして、オイル冷却に用いられて温度が上昇した冷却水は、第2回収路40bを通って、第1給水路30a内の冷却水と合流するようになっている。このようにして、ラジエタ26及びオイルクーラ16のそれぞれを介して第1給水路30aで合流した冷却水は、その温度に応じて、流量制御弁14にて、第2給水路30bと第5給水路30eのそれぞれに分配される。このうち、第5給水路30e側に流入した冷却水は、EGRクーラ18及びヒータ22に供給され、EGRクーラ18において内燃機関10からの排気を冷却するのに用いられたり、ヒータ22において車内の暖房に用いられたりした後、第3回収路40cを通って、第1回収路40a内の冷却水と合流する。
次に、図2〜図5に基づいて、第3給水路30c及び流量制御弁20の構成等について詳細に説明する。
図2には、第3給水路30cの一部及び流量制御弁20、並びにその周辺部が模式的に示されている。この図2に示されるように、第3給水路30cは、図2の紙面内左右方向に伸びる第1部分管130と、この第1部分管130と連結された第2部分管230とを有している。第1部分管130の上側には、略円形のブロック側流路130aが形成され、第1部分管130の下側には、略円形のヘッド側流路130bが形成されている。ブロック側流路130aは、内燃機関10のシリンダブロック10bに形成された開口110aと連通した状態となっている。また、第2部分管230の一端は、第1部分管130のヘッド側流路130b部分に接続されており、他端はシリンダヘッド10aに接続されている。これらブロック側流路130aとヘッド側流路130bの、紙面内左右方向に関する位置は異なっている。なお、第1部分管130は、実際には、図3に示されるように、断面が円形の略管状部材により構成されており、第2部分管230も不図示ではあるが、断面が円形の略管状部材により構成されている。
図2に戻り、流量制御弁20は、弁本体21と、この弁本体21の一部と第1部分管130の内面の一部との間を連結した状態で設けられた伸縮機構(サーモスタット)56とを備えている。
弁本体21は、ブロック側流路130aとほぼ同一径を有する略円板状のブロック側弁部材52aと、ヘッド側流路130bとほぼ同一径を有する略円板状のヘッド側弁部材52bと、これら2つの弁部材52a、52bを図2の位置関係(上下に所定間隔を隔てた状態)で固定する円柱状の固定部材54とを有している。このうち、ブロック側弁部材52aとヘッド側弁部材52bとは、実際には、図3に示されるように、第1部分管130の内周面に倣った形状を有している。また、固定部材54(円柱状の部材)の径は、ブロック側弁部材52a及びヘッド側弁部材52b(略円板状の部材)の径よりも非常に小さく設定されている。
伸縮機構(サーモスタット)56は、その周辺に存在する冷却水の温度に応じて、図4(a)、図4(b)に示されるように、その紙面内左右方向に関する全長を変化させることが可能な機構である。この伸縮機構56は、具体的には、図4(a)に示されるように、感熱筒70と、感熱筒70の紙面内左側の開口部を閉塞する状態で設けられた弾性シールスプール76と、弾性シールスプール76の形成する凹部76a内部にその一端部(紙面右側の端部)が挿入された棒状のプッシュロッド78と、プッシュロッド78の弾性シールスプール76とは反対側の端部近傍に固定されたバネ受け部72と、バネ受け部72と弾性シールスプール76との間に配置された引張コイルばね74と、を備えている。
感熱筒70と弾性シールスプール76との間に形成された密閉空間内には、ワックス80が充填されている。このワックス80は、温度の高低に応じて、凝固収縮したり、溶融膨張したりする性質を有するものである。
このように構成される伸縮機構(サーモスタット)56によると、ワックス80の温度が所定温度よりも低い場合(すなわち、ワックス80に近接している冷却水の温度が所定温度よりも低い場合)には、ワックス80が凝固収縮して、図4(a)に示されるような状態となる。一方、ワックス80の温度が所定温度よりも高い場合(すなわち、ワックス80に近接している冷却水の温度が所定温度よりも高い場合)には、ワックス80が溶融膨張するため、図4(b)に示されるように、引張コイルばね74の弾性力に抗して、プッシュロッド78が図4(b)の左方向に押し出される。さらに、図4(b)の状態から、ワックス80の温度が所定温度よりも低くなると、ワックス80は再度凝固収縮するので引張コイルばね74の弾性力によってプッシュロッド78が図4(a)の位置まで戻る。このように伸縮機構56は、温度の高低に応じて、その全長を自在に伸縮させることが可能となっている。なお、図4(a)、図4(b)では、図示の便宜上、伸縮機構58の伸縮量が小さく記載されているが、実際には、必要な伸縮量に応じて、プッシュロッド78の全長、感熱筒70の全長及び内容積、及び弾性シールスプール76の凹部76sの深さなどの寸法が設定されている。
伸縮機構56が上記のように構成されていることから、本実施形態の流量制御弁20では、冷却水の温度が低いとき(内燃機関10が暖機運転を行っているとき)には、図2(及び図4(a))に示されるように、伸縮機構56が収縮することにより、ブロック側流路130aが完全に閉塞され、かつヘッド側流路130bが完全に開放される。これにより、暖機運転中は、第3給水路30c内を通る冷却水がシリンダブロック10bには一切供給されないようになっているので、シリンダブロック10bが冷却水によって冷却されることがない。したがって、早期に暖機運転を終了させることが可能である。この場合、図2に示されるように、開放状態となっているヘッド側流路130bと、ヘッド側弁部材52bとが上下方向に関して重なっていないため、ヘッド側流路130bを通る冷却水の流れが、ヘッド側弁部材52bによって妨げられることはない。すなわち、冷却水と弁本体21との間の摩擦抵抗による冷却水の圧損を極力抑制した状態で、冷却水をシリンダヘッド10a側に供給することができるので、暖機運転中のシリンダヘッド10aの冷却を効果的に行うことが可能である。
一方、冷却水の温度が高いとき(内燃機関10の暖機運転が終了した後の通常運転時)には、図5に示されるように伸縮機構56が伸張することにより、弁本体21が左方向にスライド移動する。これにより、ブロック側流路130aが開放されるとともに、ヘッド側流路130bが閉塞される。このような状態となることで、第3給水路30c内を通る冷却水のすべてが、シリンダブロック10b(及びこれを介してシリンダヘッド10a)に供給されるようになっている。したがって、暖機運転後の通常運転時においては、内燃機関10全体の冷却を行うことが可能である。この場合においても、図5に示されるように、開放状態のブロック側流路130aとブロック側弁部材52aとが上下方向に関して重なっていないため、ブロック側流路130aを通る冷却水の流れが、ブロック側弁部材52aによって妨げられることはほとんどない。すなわち、冷却水と弁本体21との間の摩擦抵抗による冷却水の圧損を極力抑制した状態で、冷却水をシリンダブロック10bに供給することができるので、通常運転時の内燃機関10の冷却を効果的に行うことが可能である。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、弁本体21が、第3給水路30c内を流れる冷却水の温度に応じて伸縮する伸縮機構(サーモスタット)56を介して、第3給水路30c内周面に形成されたブロック側流路130aとヘッド側流路130bのそれぞれを開閉するので、特別な制御を行うことなく、冷却水の温度に応じた流路130a、130bの開閉を行うことができる。また、各弁部材52a、52bは、第3給水路30cの第1部分管130内周面に沿った方向へのスライド移動によって、流路130a、130bの開閉を行うため、開状態の流路(130a又は130b)を通過する冷却水と、その流路(130a又は130b)を開閉する弁部材(52a又は52b)との間の摩擦抵抗を極力低減することができる。これにより、流路(130a又は130b)を通過する液体の圧損を極力抑制することが可能である。
また、本実施形態の冷却システム100によると、内燃機関10の暖機運転の際には、冷却水の温度に応じて伸縮部材56が収縮した状態となり、これにより、シリンダブロック10b側への冷却水の供給が停止されるので、特別な制御なしに、内燃機関10の早期暖機を効果的に実現することが可能である。この場合、早期暖機により内燃機関10の燃費向上(例えば従来よりも0.9%程度向上)を図ることができる。また、内燃機関10の暖機運転が終了した後は、冷却水の温度に応じて伸縮部材56が伸張した状態となり、これにより、シリンダブロック10b側への冷却水の供給が行われるので、特別な制御なしに、通常運転時の内燃機関10の冷却を効率的に行うことが可能である。
また、暖機運転時と、暖機運転後の通常運転時(シリンダブロック10bが完全に開放されるまで)との間には、ヘッド側流路130bとブロック側流路130aのいずれにも冷却水が流入する場合が存在するが、この場合においても、各流路130a,130bの開放度合が、冷却水の温度に応じた伸縮機構56の伸縮により調整されるので、この間における内燃機関10の冷却を特別な制御なしに効果的に行うことが可能である。
なお、上記実施形態では、弁本体21が、ブロック側弁部材52aと、ヘッド側弁部材52bと、固定部材54とにより構成される場合について説明したが、これに限られるものではなく、弁本体21を一体的に構成することとしても良い。また、例えば、弁部材52a、52bを円錐状の部材で構成し、その頂点部分同士を連結することで、固定部材54を省略することとしても良い。
また、上記実施形態では、伸縮機構として、図4(a),図4(b)に示されるような構成を採用するものとしたが、これに限られるものではなく、冷却水の温度に応じて伸縮することが可能な機構であれば、種々の構成を採用することが可能である。また、上記実施形態では、低温状態で収縮し、高温状態で伸張する機構について説明したが、これに限らず、例えば、低温状態でその全長が伸張し、高温状態でその全長が収縮するような機構を採用しても勿論良い。
また、上記実施形態では、図2及び図5に示されるような構成の流量制御弁20及び第3給水路30cを採用することとしたが、これに限られるものではなく、流路制御弁及び第3給水路として、例えば、図6(a)や図6(b)に示されるような流量制御弁20’及び第3給水路30c’を採用することとしても良い。流量制御弁20’では、ブロック側弁部材52aとヘッド側弁部材52bとが、紙面内左右方向に関する位置を異ならせた状態で、固定部材54’により固定されている。また、第3給水路30c’では、ブロック側流路130aとヘッド側流路130bとの紙面内左右方向に関する位置が一致した状態に設定されている。このような構成を採用しても、ブロック側弁部材52aとヘッド側弁部材52bとが伸縮機構56の伸縮に応じてスライド移動することにより、シリンダヘッド10a側への冷却水の供給状態(図6(a)参照)と、シリンダブロック10b側への冷却水の供給状態(図6(b)参照)との間の切り替えを、特別な制御なしに行うことが可能である。これにより、上記実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
また、流路制御弁及び第3給水路として、例えば、図7(a)や図7(b)に示されるような流量制御弁20”及び第3給水路30c”を採用することとしても良い。流量制御弁20”では、ブロック側弁部材52aとヘッド側弁部材52bとが紙面内左右方向に並んだ状態で、逆U字状の固定部材54”により固定されている。また、第3給水路30c”では、ブロック側流路130aとヘッド側流路130bとが紙面内左右方向に関して所定間隔隔てた状態となっている。このような構成を採用しても、ブロック側弁部材52aとヘッド側弁部材52bとが伸縮機構56の伸縮に応じてスライド移動することにより、シリンダヘッド10a側への冷却水の供給状態(図7(a)参照)と、シリンダブロック10b側への冷却水の供給状態(図7(b)参照)との間の切り替えを、特別な制御なしに行うことができる。これにより、上記実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
要は、第3給水路が、ヘッド側流路130bとブロック側流路130aとを有しており、ヘッド側弁部材52bとブロック側弁部材52aとが、伸縮機構56の伸縮に応じて第3給水路内でスライド移動することにより、ヘッド側流路130bとブロック側流路130aのそれぞれを開閉することが可能な構成であれば、その構成、配置などは問わない。
なお、上記実施形態では、第3給水路にヘッド側流路130bとブロック側流路130aとが設けられ、弁本体がヘッド側弁部材52bとブロック側弁部材52aとを有している場合について説明したが、これに加えて、更に別の流路を第3給水路に設け、弁本体がこの別の流路に対応した別の弁部材を有することとしても良い。
なお、上記実施形態では、冷却システム100が冷却水を循環する場合について説明したが、これに限らず、冷却システム100が冷却水以外の別の冷却媒体を循環することとしても良い。
なお、上記実施形態では、本発明の弁機構が流量制御弁20に適用された場合について説明したが、これに限らず、本発明の弁機構を流量制御弁14に適用することとしても良い。また、冷却システム100内にその他の流量制御弁が設けられる場合には、本発明の弁機構をその流量制御弁に適用することとしても良い。
なお、上記実施形態では説明を省略したが、図1の第1回収路40aの途中にターボチャージャーを設けることとし、内燃機関10を通過した冷却水を用いてこのターボチャージャーの冷却を行うこととしても良い。また、ウォータポンプ12とシリンダブロック10bとの間に、差圧弁を介して別の給水路を設けることとしても良い。
なお、上述した実施形態は本発明の好適な実施形態である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
冷却システムを概略的に示す図である。 第3給水路の一部及び流量制御弁、並びにその周辺部を模式的に示す図である。 第3給水路の断面図である。 伸縮機構の一例を示す断面図である。 伸縮機構が伸張した状態を示す図である。 変形例を示す図(その1)である。 変形例を示す図(その2)である。
符号の説明
10 内燃機関
30c 第3給水路
52a ブロック側弁部材
52b ヘッド側弁部材
54 固定部材
56 伸縮機構
80 ワックス
100 冷却システム
130a ブロック側流路
130b ヘッド側流路

Claims (5)

  1. 所定方向に伸びる管路と、前記管路から前記所定方向に交差する方向に向けて形成された第1の流路及び第2の流路と、を有する配管部材と、
    前記管路内に設けられ、該管路内を流れる液体の温度に応じて前記所定方向に伸縮する伸縮機構と、
    前記伸縮機構に接続され、前記伸縮機構の伸縮に応じて前記管路内で前記所定方向にスライド移動することにより、前記第1の流路を開閉する第1の蓋部材と、
    前記第1の蓋部材に対して所定の位置関係で固定され、前記伸縮機構の伸縮に応じて前記管路内で前記所定方向にスライド移動することにより、前記第2の流路を開閉する第2の蓋部材と、を備える弁機構。
  2. 前記第1、第2の蓋部材の位置関係は、前記第1、第2の流路の前記管路側の開口部分の面積よりも小さい断面積を有する略棒状の固定部材により固定されていることを特徴とする請求項1に記載の弁機構。
  3. 前記伸縮機構は、前記管路内を流れる液体の温度に応じて凝固収縮状態と、溶融膨張状態との間で変化する物質を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の弁機構。
  4. 前記伸縮部材が収縮した状態で、前記第1、第2の流路のいずれか一方が開放されるとともに、いずれか他方が閉塞され、
    前記伸縮部材が伸張した状態で、前記第1、第2の流路のいずれか他方が開放されるとともに、いずれか一方が閉塞されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の弁機構。
  5. シリンダブロックとシリンダヘッドとを有する内燃機関を冷却する冷却システムであって、
    請求項4に記載の弁機構を備え、
    前記伸縮部材が収縮した状態では、前記一方の流路を介して、前記シリンダヘッドに対して前記液体が供給され、前記伸縮部材が伸張した状態では、前記他方の流路を介して、少なくともシリンダブロックに前記液体が供給されることを特徴とする冷却システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010216332A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Yanmar Co Ltd エンジン及びエンジン装置
JP2016121577A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 三菱自動車工業株式会社 エンジンの冷却液循環構造
CN112384041A (zh) * 2020-11-12 2021-02-19 台州学院 一种用于街道管理的交互管理终端

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