JP2008285577A - ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】破断伸びと反発弾性をバランスよく向上するゴム組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】天然ゴム及びイソプレンゴムの少なくとも一方とブタジエンゴムとの含有比率が90/10〜45/55であるゴム成分100重量部に対し、硫黄を3〜6重量部、加硫促進剤を前記硫黄量の0.1〜0.5倍の重量部で含んでなり、その架橋形態における全架橋密度に対するポリスルフィド結合の架橋密度の比が0.75以上であるゴム組成物。
【選択図】なし
【解決手段】天然ゴム及びイソプレンゴムの少なくとも一方とブタジエンゴムとの含有比率が90/10〜45/55であるゴム成分100重量部に対し、硫黄を3〜6重量部、加硫促進剤を前記硫黄量の0.1〜0.5倍の重量部で含んでなり、その架橋形態における全架橋密度に対するポリスルフィド結合の架橋密度の比が0.75以上であるゴム組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物に関し、中でも破断伸び及び反発弾性に優れるゴム組成物に関する。
天然ゴムやブタジエンゴムなどのゴム材料は大変形が可能でありながら可逆的である特徴を有し、弾性率が金属やガラスに比べ格段に低く、かつ反発弾性に代表される動的特性がタイヤや防振ゴムに用いられる特異な粘弾特性を示すことが知られている。
反発弾性の大きいゴム組成物は、ハイシスブタジエンゴムのようなガラス転移温度の低いポリマーを過酸化物で架橋することで得られるが(例えば特許文献1、2)、この場合架橋密度を多くすると破断伸びや破断強度などの引張特性が低下し脆いゴム材料になってしまう。
一方で、ゴムと硫黄との架橋反応により生成するゴム分子間の架橋鎖中のスルフィド結合様式には、モノスルフィド結合(−S−)、ジスルフィド結合(−S−S−)、ポリスルフィド結合(−Sx−、3≦x≦8a)が存在し、通常の硫黄架橋系では加硫初期にポリスルフィド結合が多量に形成され、加硫の進行に伴いポリスルフィド結合から硫黄分子が脱離してジスルフィド結合、さらにモノスルフィド結合に転化してモノスルフィド結合の割合が次第に増加するようになる。それぞれのスルフィド結合の全架橋密度に対する含有率がゴム特性に影響することは知られているが、ポリマー構造と硫黄や加硫促進剤などの配合剤を調整することで各スルフィド結合の生成量を定量的にコントロールすることは現状では困難であった。
特開2006−16502号公報
特開2004−263094号公報
近年の急激な技術の進展、用途開発の展開に伴い、ゴム組成物に対する要求特性も広範かつ高度化されるようになり、今までにない画期的な特性を持つゴム組成物の開発が要求され、高反発弾性でありながら高破断伸びであるような相反する特性を持ったゴム組成物が求められるようになっている。
そこで、本発明は、かかる要求に鑑みてなされたもので、他のゴム特性を損なうことなく2律背反の関係にある破断伸びと反発弾性をバランス良く向上するゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため、天然ゴム系ポリマーとブタジエンゴムとのポリマーブレンドについて、天然ゴムの持つ引張特性とブタジエンゴムの持つ高反発弾性の特長をバランスよく両立させるべく鋭意検討を行った結果、硫黄架橋系において硫黄量に対して特定量の加硫促進剤を配合することで、破断伸びと反発弾性とをバランスさせるスルフィド結合の生成を制御し得ることを見出したものである。
すなわち、本発明は、天然ゴム及びイソプレンゴムの少なくとも一方とブタジエンゴムとの含有比率が90/10〜45/55であるゴム成分100重量部に対し、硫黄を3〜6重量部、加硫促進剤を前記硫黄量の0.1〜0.5倍の重量部で含んでなり、その架橋形態における全架橋密度に対するポリスルフィド結合の架橋密度の比が0.75以上であることを特徴とするゴム組成物である。
本発明においては、前記ブタジエンゴムがシス−1,4結合含有量が95%以上のハイシスブタジエンゴムであることが好ましく、さらに、前記ブタジエンゴムがネオジム系触媒を用いて重合されたハイシスブタジエンゴムを含むことがより好ましい。
また、本発明は、天然ゴム及びイソプレンゴムの少なくとも一方とブタジエンゴムとで海島構造を形成するとともに、前記海島構造を形成するゴム成分をスルフィド結合により架橋し、その架橋形態において全架橋密度に対するポリスルフィド結合の架橋密度の比を0.75以上にすることにより該加硫ゴムの破断伸び(JIS K6251)を200%以上、かつ反発弾性(JIS K6255)を85%以上にしたことを特徴とするゴム組成物である。
本発明のゴム組成物によれば、硫黄架橋による天然ゴム系ポリマーとブタジエンゴムとのブレンドにおいて、架橋形態を最適化することで天然ゴム系ポリマーの持つ優れた引張特性とブタジエンゴムの持つ高反発弾性とを両立し、破断時の伸び特性と反発弾性を高度にバランスよく向上するゴム組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分としては、天然ゴム(NR)及びイソプレンゴム(IR)の少なくとも一方とブタジエンゴム(BR)とからなっている。
NRとしては、リブドスモークドシート(RSS)1〜4号、標準マレーシアゴム(SMR)5、20、50などが挙げられる。これらは1種単独でも、2種類以上をブレンド使用してもよい。
IRとしては、シス−1,4−ポリイソレレンが96%以上、好ましくは98%以上含有する合成ポリイソプレンであり、シス−1,4構造の含量がポリマーのミクロ構造の96%以上にあることで立体規則性のあるポリマーとなり、これを伸長すると分子鎖に配向が起こり一部が結晶化し、ゴム組成物の強度や伸び特性を向上させることができる。なお、ポリマーのシス−1,4構造ポリイソプレンの含量は核磁気共鳴(NMR)装置を用いて公知の方法で定量分析し測定することができる。
上記IRとしては、JSR(株)のJSR IR、日本ゼオン(株)のNIPOL IR、クラレ(株)のKURAPRENEなど各種IRの市販品を使用することができる。
ゴム成分中のNRとIRとの含有比率は特に制限を受けることなく、NR/IR=100/0〜0/100の範囲で適宜ブレンド使用することができる。
本発明に用いられるBRとしては、シス−1,4結合の含有量が90%以上のBR(ハイシスBR)が好ましく、中でもシス−1,4結合を95%以上、より好ましくは98%以上含有するハイシスBRが好適である。
ハイシスBRは、ガラス転移温度が低く、反発弾性、耐摩耗性、低温特性に優れ、特にシス−1,4結合が98%以上のハイシスBRは本発明の目的とする反発弾性を向上させるのに有効である。
上記BRとしては、乳化重合或いは溶液重合により得られる分子量が5万〜200万、好ましくは10万〜50万程度のBRが使用でき、コバルト化合物や有機アルミニウム化合物を触媒に用いた溶液重合によるものが好ましく、例えば、JSR(株)のJSR BR、日本ゼオン(株)のNIPOL BR、宇部興産(株)のUBEPOLなど各種BRの市販品を使用することができる。
さらに、本発明に用いられるBRは、希土類元素系触媒、特にネオジム系触媒を用いて重合されたハイシスBRを用いることがより好ましい。
ネオジム系触媒を用いて重合されるハイシスBRは、ポリマーのミクロ構造の設計、コントロールが容易であり、所望のシス−1,4結合の含有量や分子量、ゴム分子の分岐度等を調整することができ、高分子量かつ分子量分布のシャープなBRが得られる。これにより、NRとBRからなる海島構造において、NRの海相中に分散するBRからなる島相を細密にしてNRの持つ引張特性の低下を抑えることができる。
ネオジム系触媒としては、ネオジム単体やネオジムと金属類との化合物、例えば、NdCl3、Et−NdCl2などが挙げられ、ネオジム系触媒により重合された市販品ポリマーとしては、例えば、バイエル社製のブナCBやエニケム社製のネオシスBRを挙げることができる。
上記のBRはそれぞれ単独で用いても、2種類以上を任意の比率でブレンド使用してもよい。
本発明において、ゴム成分中の上記NRとBRとの含有比率(重量比)は、NR/BRで90/10〜45/55である。NRが90%を超えるとBRの持つ反発弾性の特長が引き出されず、45%未満になるとNRの持つ引張特性が得難くなる。一方、BRが55%を超えると反発弾性は向上するが、NRの引張特性とのバランスが崩れてしい、良好な破断伸びが得られなくなる。
上記破断伸びと反発弾性のバランスを確保するためには、NRとBRとの相構造において、海相をなすNR相にBRが非連続状態の島相として細かく分散することが好ましく、この観点から上記BRの含有比率の上限は55%とし、55%を超えるとBRからなる島相が海相中で繋がる傾向を示すようになりNRからなる海相を分断してその特長である引張特性を低下させる。従って、NRとBRとの含有比率(重量比)は、好ましくはNR/BRが80/20、より好ましくは70/30であり、最も好ましくは60/40付近である。
本発明では、NRの持つ優れた引張特性とガラス転移温度が低く反発弾性に優れたBR、特にハイシスBRの両者の特長に基づいて、その硫黄架橋による架橋形態を適正化することで両ポリマーの特長を打ち消すことなく破断伸びと高反発弾性をバランス良く向上することができるが、この両特性をバランスさせるためには、硫黄架橋系における硫黄量と加硫促進剤量とを調整し、その架橋形態を最適化する必要がある。
すなわち、本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分100重量部に対し、硫黄を3〜6重量部、加硫促進剤を前記硫黄量の0.1〜0.5倍の重量部で含んでなる。
硫黄としては、硫黄の他に含硫黄化合物が用いられ、粉末硫黄、オイル処理硫黄、コロイド硫黄等の硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPPT)などの硫黄化合物が挙げられる。これらは単独でも、2種類以上を併用してもよい。
硫黄の配合量は、ゴム成分100重量部に対し3〜6重量部であり、3重量部未満であると架橋密度が低くなり引張特性が向上し難く、6重量部を超えるとゴム硬度が上昇し引張特性と反発弾性が共に低下する。
また、本発明において、加硫促進剤は前記硫黄量の0.1〜0.5倍の重量部が配合され用いられる。この硫黄と加硫促進剤の配合範囲において、ゴム組成物の架橋形態を制御し、モノスルフィド結合、ジスルフィド結合及びポリスルフィド結合の架橋密度分布の最適化が図られる。より好ましい加硫促進剤の配合量は硫黄量の0.2〜0.45倍の重量部である。
加硫促進剤の配合量が上記範囲を外れて少なくなると良好な反発弾性が得られず、逆に多くなると引張強度、破断伸びが低下する。
これにより、ゴム組成物の架橋形態における全架橋密度に対するポリスルフィド結合の架橋密度の比を0.75以上とすることができ、引張特性と反発弾性を両立して向上することができる。
前記架橋密度の比が0.75未満になると、引張特性と反発弾性のバランスが崩れ始め、特に0.6以下になるとモノスルフィド結合が増加し破断伸びや強度が急激に低下するようになる。また、架橋密度の比の上限は特に制限されないが、ポリスルフィド結合が多くなりすぎると、加硫時のリバージョンが大きくなるので、上限を0.90未満とすることが望ましい。
上記加硫促進剤としては、特にその種類は制限されることはなく、汎用のスルフェンアミド系、チアゾール系などの加硫促進剤を単独または2種類以上を併用することができる。
具体的には、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−テトラ−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系加硫促進剤。
2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドなどのチアゾール系加硫促進剤。
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン系加硫促進剤。
アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミンおよびアルデヒド−アンモニア系加硫促進剤。
2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系加硫促進剤。
チオカルバニリド、ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア、ジオルソトリルチオウレアなどのチオウレア系加硫促進剤。
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤。
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤が挙げられる。
なお、上記全架橋密度(ν)に対するポリスルフィド結合(−Sx−、3≦x≦8a)の架橋密度(νp)の比(νp/ν)は、公知のFlory−Rhenerの式を用いる膨潤法(例えば、日本ゴム協会誌、第63巻、第7号(1990)、P440〜448参照)により、全架橋密度(ν)、モノスルフィド架橋密度(νm)、ジスルフィド架橋密度(νd)を求め、νp=ν−(νm+νd)を求めて、その架橋密度の比(νp/ν)を算出することができる。
また、本発明は、NR及びIRの少なくとも一方とBRとのブレンド成分により、NR系ポリマーの連続相中にBR相が細かく分散するで海島構造を形成するもので、前記海島構造を形成するゴム成分をスルフィド結合により架橋したゴム組成物であって、その架橋形態において全架橋密度に対するポリスルフィド結合の架橋密度の比を0.75以上にすることにより該加硫ゴムの破断伸び(JIS K6251)を200%以上、かつ反発弾性(JIS K6255)を85%以上にすることができる。
上記海島構造において、NR系ポリマーからなる海相中にBRを島相として微細分散させるには、主にNR系ポリマー/BRのブレンド比を調整することによる。この場合のNR系ポリマーのブレンド比は45%以上、好ましくは55%以上である。
また、ポリスルフィド結合の架橋密度比を0.75以上にするためには、特にその手段は限定されないが、上述のようにBRのミクロ構造の選択、硫黄や加硫促進剤などの調整により実施することができる。
上記ゴム組成物において、破断伸びは250%以上であることが好ましく、より好ましくは300%以上である。しかし、破断伸びを過度に大きくすると反発弾性が低下傾向を示すので、その上限は400%程度とすることが好ましい。また、反発弾性の上限は特に制限はなく、用途にもよるが100%に近いものが望ましい。
本発明のゴム組成物は、破断伸びと反発弾性を良好に維持し、実用性を考慮すると、ゴム硬度を50〜70程度に調整することが好ましい。ゴム硬度の調整法は特に制限されないが、例えばカーボンブラックの添加により行うことができる。
この場合のカーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積(N2 SA)が80m2 /g以下、好ましくは50m2 /g以下の比較的大粒径のものが、反発弾性を低下させることがなく好ましい。具体的には、FEF、GPF、SRF級のカーボンブラックが挙げられ、その添加量としてはゴム成分100重量部に対し5〜20重量部程度である。
本発明のゴム組成物には、上記成分の他に、ゴム工業において通常に用いられるシリカなどの充填剤、老化防止剤、プロセス油、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、加硫助剤、樹脂類、顔料などの各種配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じ適宜配合し用いることができる。
また、本発明のゴム組成物は、ゴム成分と上記各配合成分を配合しバンバリーミキサー、ロール、ニーダーなどの各種混練機を使用して常法に従い調製することができる。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[ゴム組成物の調製]
下記ゴム成分を表1に記載の配合量(重量部)に従い、下記共通配合剤と共に配合し、容量20リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて混練した後、一旦空冷しロールを用いて、硫黄、加硫促進剤を混練し各ゴム組成物を調製した。
下記ゴム成分を表1に記載の配合量(重量部)に従い、下記共通配合剤と共に配合し、容量20リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて混練した後、一旦空冷しロールを用いて、硫黄、加硫促進剤を混練し各ゴム組成物を調製した。
[ゴム成分、配合成分]
・天然ゴム(NR):RSS#3(タイ製)
・ブタジエンゴム(BR):エニケム社製「ネオシスBR」(シス−1,4含有率98%)
・硫黄:細井化学工業(株)「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド):大内新興化学工業(株)「ノクセラーCZ−G」
・天然ゴム(NR):RSS#3(タイ製)
・ブタジエンゴム(BR):エニケム社製「ネオシスBR」(シス−1,4含有率98%)
・硫黄:細井化学工業(株)「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド):大内新興化学工業(株)「ノクセラーCZ−G」
[共通配合剤]
・カーボンブラックGPF:8重量部(東海カーボン(株)「シーストV」)
・亜鉛華:5重量部(三井金属鉱業(株)「亜鉛華1号」)
・ステアリン酸:1重量部(花王(株)「ルナックS20」)
・カーボンブラックGPF:8重量部(東海カーボン(株)「シーストV」)
・亜鉛華:5重量部(三井金属鉱業(株)「亜鉛華1号」)
・ステアリン酸:1重量部(花王(株)「ルナックS20」)
得られた各ゴム組成物について、反発弾性(JIS K6255に準じ23℃で測定)、破断伸び及び破断強度(JIS K6251に準じ、3号形ダンベル使用)を測定した。また、2mm厚シートを150℃×15分のプレス加硫で加硫ゴム試料を調製し、架橋密度(全架橋密度(ν)に対するポリスルフィド結合の架橋密度(νp)の比(νp/ν))を上記公知のFlory−Rhenerの式を用いて求めた。結果を表1に示す。なお、全架橋密度νは比較例1を100とする指数で示した。
表1に示すように、NR/BRブレンドの硫黄架橋において、ポリスルフィド結合の架橋密度/全架橋密度の比を0.75以上とすることで、200%以上の破断伸びと85%以上の反発弾性を有するゴム組成物を得ることができる。一方、NR単独の比較例1は破断伸びは良好であるが反発弾性が劣り、硫黄と加硫促進剤を増量(比較例2、3)すると反発弾性はピークを示すが破断伸び、強度が低下し、またはその比を変更(比較例4)しても反発弾性の向上は満足できない。これに対してBRをブレンドした比較例5は反発弾性は向上するが加硫促進剤/硫黄の比が適正でないため架橋密度の比が0.75未満となり破断伸びが低下し、加硫促進剤の少ない比較例6はポリスルフィド結合比が増加し破断伸びは大きくなるが反発弾性が劣り、BRを55重量部超えとする比較例7は反発弾性は向上するが引張特性とのバランスが得られなくなる。
本発明のゴム組成物は、破断伸びと反発弾性を要求される各種のタイヤ、工業用品、家庭用品、スポーツ用品などのゴム材料として使用することができ、特に、車両用防振ゴム、免震ゴム、建築物や機械類の防振、防音ゴム、ゴルフボールなどに有用である。
Claims (4)
- 天然ゴム及びイソプレンゴムの少なくとも一方とブタジエンゴムとの含有比率が90/10〜45/55であるゴム成分100重量部に対し、硫黄を3〜6重量部、加硫促進剤を前記硫黄量の0.1〜0.5倍の重量部で含んでなり、
その架橋形態における全架橋密度に対するポリスルフィド結合の架橋密度の比が0.75以上である
ことを特徴とするゴム組成物。 - 前記ブタジエンゴムがシス−1,4結合含有量が95%以上のハイシスブタジエンゴムである
ことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。 - 前記ブタジエンゴムがネオジム系触媒を用いて重合されたハイシスブタジエンゴムを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。 - 天然ゴム及びイソプレンゴムの少なくとも一方とブタジエンゴムとで海島構造を形成するとともに、前記海島構造を形成するゴム成分をスルフィド結合により架橋し、その架橋形態において全架橋密度に対するポリスルフィド結合の架橋密度の比を0.75以上にすることにより該加硫ゴムの破断伸び(JIS K6251)を200%以上、かつ反発弾性(JIS K6255)を85%以上にした
ことを特徴とするゴム組成物。
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