JP2008285462A - スルホン化物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規スルホン化物に関し、詳細には、スルホン基に隣接する水酸基を分子中央部の近傍に含有するスルホン化物に関する。
従来の1鎖1親水基含有界面活性剤2分子を共有結合で2分子連結させた2鎖2親水基含有界面活性剤が、そのすぐれた界面活性能のために低濃度の配合で済み、環境への負荷が低減化され、皮膚刺激もほとんどないなどの特徴から、研究開発が進められてきている(特許文献1参照)。実際、本願発明者は、2鎖2親水基含が対応する”モノマー”に比べて皮膚安全性にすぐれることを明らかにした(非特許文献1参照)。しかし、工業的実施を前提にしてこの2鎖2親水基含有界面活性剤の分子設計を考えるとき、2分子の連結部位、疎水基、極性基の導入が必ずしも容易ではなく、分子設計が限定されたものにならざるを得ず、しかもその中で比較的高価な原材料の使用を余儀なくされることが多いためにそのすぐれた性能にもかかわらず、いまだ実用に至っているものはほとんどないというのが実情である。最近提案された2鎖2親水基含有界面活性剤として、親水基を含む連結部位に疎水基を導入して、2鎖2親水基を実現するなど分子設計に工夫が見られるものもあるが(非特許文献2参照)、これとても、コストに問題を残し、根本的な解決には至っていない。
特許登録第3426493号 Kazuyuki Tsuboneら著、ジャーナル オブ サーファクタント アンド ディタージャント(Journal of Surfactant & Detergent,第6巻、1号、39−46頁、2003年) Kazuyuki Tsuboneら著、ジャーナル オブ サーファクタント アンド ディタージャント(Journal of Surfactant & Detergent,第7巻、1号、47−52頁、2004年)
かかる背景にあって本発明の目的は、安価な原材料のみを用いて容易に生産でき、2鎖2親水基含有陰イオン界面活性剤の合成に有用なスルホン基に隣接する水酸基を分子疎水鎖の中央部近傍に含有するスルホン化物を提供することである。
本発明者は鋭意研究を行った結果、後記一般式(1)で表される、オレイン酸アルキルエステル又はオレイン酸アルキルアミドのオレイン酸残基の9−位にスルホン基又は水酸基を、10−位に水酸基又はスルホン基を導入したスルホン化物が、上記要求を満足することを見出した。
本発明のスルホン化物の中和物は、顕著に高い界面活性を示し、例えば乳化剤として使用する場合、従来の1鎖1親水基含有陰イオン界面活性剤に比べて少量の添加量で済む。また本発明のスルホン化物は、スルホン基に隣接する水酸基を持つので別の2鎖2親水基含有陰イオン界面活性剤の合成に有用である。
本発明の一般式(1)で表されるスルホン化物において、nの好ましい整数は、2から20であり、Xは酸素原子、アミノ基(NH)のいずれでもよく、Yは対イオンであり、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオンなどの無機陽イオン又は有機アンモニウムイオンである。
本発明の一般式(1)で表されるスルホン化物は、例えば下式において、(2)で表されるオレイン酸アルキル(又はオレイン酸アルキルアミド)に有機溶媒中、例えば無水硫酸/ジオキサンと反応させた後、水と反応させて得られる。
(式中、Xは前記と同じ意味である。)
すなわち、本発明の一般式(1)で表されるスルホン化物は、オレイン酸アルキル(又はオレイン酸アルキルアミド)に、有機溶媒中で無水硫酸/ジオキサンコンプレックスを反応させ、オレイン酸残基の9位にスルホン基又は水酸基を、10位に水酸基又はスルホン基を導入して得られる。
オレイン酸アルキル又はオレイン酸アルキルアミド(2)と無水硫酸/ジオキサンコンプレックスとの反応は、例えば(2)を含む有機溶媒中、30℃ないし−10℃、好ましくは20から−5℃で、攪拌下、1〜20倍当量の無水硫酸/ジオキサンコンプレックスを滴下し、攪拌をさらに1〜8時間程度継続下後、水を添加して攪拌をさらに1〜8時間程度行うことにより行われる。有機溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレン等が挙げられる。
より詳しく、本発明のスルホン化物を製造する場合の実施態様をオレイン酸ブチルを用いて説明すれば次の通りである。
オレイン酸ブチルとこれに対し1から5倍当量の無水硫酸/ジオキサンコンプレックスをテトラヒドロフラン(THF)に氷冷下溶解し、1時間攪拌する。次に、オレイン酸ブチルに対し1から5倍当量の水を加えて1時間撹拌する。その後、減圧下、溶媒を除去して本発明のスルホン化物を得ることができる。またシリカゲルを固定相として、クロロホルム・メタノールの混合溶媒などを移動層とするカラムクロマトグラフィーによって精製することができる。
上記のオレイン酸ブチルの代わりに、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸オクチル、オレイン酸デシル、オレイン酸ドデシル、オレイン酸テトラデシル、オレイン酸ヘキサデシル、オレイン酸オクタデシル、オレイン酸ブチルアミド、オレイン酸ヘキシルアミド、オレイン酸オクチルアミド、オレイン酸デシルアミド、オレイン酸ドデシルアミド、オレイン酸テトラデシルアミド、オレイン酸ヘキサデシルアミド等を用いることにより、式(1)でのnの異なる本発明のスルホン化物を得ることができる。
次に実施例で詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
本発明のスルホン化物の合成
オレイン酸ブチル0.2モルのジクロロメタン溶液35ミリリットルを氷冷し、攪拌下、無水硫酸/ジオキサンコンプレックス0.3モルのジクロロメタン溶液35ミリリットルを滴下した。さらに2時間撹拌した後、純水を10ミリリットル加えた後、2時間撹拌した。その後、減圧下溶媒を留去して粘性物を得た。これを試料として、クロロホルム・メタノール(6:1)を移動相、シリカゲルを固定相とするカラムクロマトグラフィーによって化3の本発明のスルホン化物を粘性物として得た。
オレイン酸ブチル0.2モルのジクロロメタン溶液35ミリリットルを氷冷し、攪拌下、無水硫酸/ジオキサンコンプレックス0.3モルのジクロロメタン溶液35ミリリットルを滴下した。さらに2時間撹拌した後、純水を10ミリリットル加えた後、2時間撹拌した。その後、減圧下溶媒を留去して粘性物を得た。これを試料として、クロロホルム・メタノール(6:1)を移動相、シリカゲルを固定相とするカラムクロマトグラフィーによって化3の本発明のスルホン化物を粘性物として得た。
(式中、Y及びZは前記と同じ意味である。)
シャンプーの調製
次の処方に従って、成分1−6を成分7の水中に投入し、1時間攪拌混合後、実施例2のシャンプーを調製した。
1.ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(30%液) 50%
2.実施例1で得た本発明のスルホン化物のナトリウム塩 5%
3.ラウリン酸ジエタノールアミド 2%
4.クエン酸 0.1%
5.EDTA 0.01
6.安息香酸ナトリウム 0.05%
7.水 残余
次の処方に従って、成分1−6を成分7の水中に投入し、1時間攪拌混合後、実施例2のシャンプーを調製した。
1.ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(30%液) 50%
2.実施例1で得た本発明のスルホン化物のナトリウム塩 5%
3.ラウリン酸ジエタノールアミド 2%
4.クエン酸 0.1%
5.EDTA 0.01
6.安息香酸ナトリウム 0.05%
7.水 残余
シャンプーの調製
次の処方に従って、成分1−6を成分7の水中に投入し、1時間攪拌混合後、比較例1のシャンプーを調製した。
1.ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(30%液) 50%
2.ドデシル硫酸ナトリウム 5%
3.ラウリン酸ジエタノールアミド 2%
4.クエン酸 0.1%
5.EDTA 0.01
6.安息香酸ナトリウム 0.05%
7.水 残余
次の処方に従って、成分1−6を成分7の水中に投入し、1時間攪拌混合後、比較例1のシャンプーを調製した。
1.ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(30%液) 50%
2.ドデシル硫酸ナトリウム 5%
3.ラウリン酸ジエタノールアミド 2%
4.クエン酸 0.1%
5.EDTA 0.01
6.安息香酸ナトリウム 0.05%
7.水 残余
実施例2のシャンプーを比較例1のシャンプーを25人のパネルが2週間使用して、使用感を比較した。その結果、泡の細かさ、泡の安定性の点で実施例2のシャンプーを比較例1のシャンプーよりも評価したパネルは23人、比較例1のシャンプーを実施例2のシャンプーよりも評価したパネルは2人であった。
本発明のスルホン化物の合成
オレイン酸デシルアミド0.2モルのジクロロメタン溶液35ミリリットルを氷冷し、攪拌下、無水硫酸/ジオキサンコンプレックス0.3モルのジクロロメタン溶液35ミリリットルを滴下した。さらに2時間撹拌した後、純水を10ミリリットル加えた後、2時間撹拌した。その後、減圧下溶媒を留去して粘性物を得た。これを試料として、クロロホルム・メタノール(6:1)を移動相、シリカゲルを固定相とするカラムクロマトグラフィーによって化4の本発明のスルホン化物を粘性物として得た。
オレイン酸デシルアミド0.2モルのジクロロメタン溶液35ミリリットルを氷冷し、攪拌下、無水硫酸/ジオキサンコンプレックス0.3モルのジクロロメタン溶液35ミリリットルを滴下した。さらに2時間撹拌した後、純水を10ミリリットル加えた後、2時間撹拌した。その後、減圧下溶媒を留去して粘性物を得た。これを試料として、クロロホルム・メタノール(6:1)を移動相、シリカゲルを固定相とするカラムクロマトグラフィーによって化4の本発明のスルホン化物を粘性物として得た。
(式中、Y及びZは前記と同じ意味である。)
オレイン酸アルキルを出発原料として容易に生産できる本発明の2鎖2親水基含有陰イオン界面活性剤は、少量の配合で泡立ち、皮膚安全性にすぐれる。これを含有する皮膚洗浄剤は、泡の細かさ、泡の安定性において非常にすぐれる。また本発明のスルホン化物は、スルホン基に隣接する水酸基を持つので別の2鎖2親水基含有陰イオン界面活性剤の合成に有用である。
Claims (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007158035A JP2008285462A (ja) | 2007-05-21 | 2007-05-21 | スルホン化物 |
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JP2007158035A JP2008285462A (ja) | 2007-05-21 | 2007-05-21 | スルホン化物 |
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JP2008285462A true JP2008285462A (ja) | 2008-11-27 |
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JP2007158035A Pending JP2008285462A (ja) | 2007-05-21 | 2007-05-21 | スルホン化物 |
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JP (1) | JP2008285462A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112300032A (zh) * | 2020-11-20 | 2021-02-02 | 太原理工大学 | 一种支链烷基磺酸盐阴离子表面活性剂及其制备工艺 |
-
2007
- 2007-05-21 JP JP2007158035A patent/JP2008285462A/ja active Pending
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CN112300032A (zh) * | 2020-11-20 | 2021-02-02 | 太原理工大学 | 一种支链烷基磺酸盐阴离子表面活性剂及其制备工艺 |
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