JP2008284531A - 高含水バイオマスを有効利用する乾燥ペレットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下水汚泥BM1を脱水設備11により含水率80%有機分18%無機分2%の脱水汚泥12を得た。脱水汚泥とリサイクルサイロ(70+n)から送られた粒径1mmの乾燥粒状物とを固形分重量比で2:1の割合で二軸ミキサーで混合造粒処理し両者の混合物からなる造粒汚泥21を得、造粒汚泥を乾燥ドラムで乾燥処理50により最高乾燥温度450℃で処理し、乾燥ペレットを分級し乾燥ペレットR1として利用する。乾燥ペレットは粒径が2〜3mm含水率8%無機分12%有機分80%であり発熱量は16.7MJ/kgであった。石炭の発熱量は26.6MJ/kgであるため乾燥ペレットは石炭の代替燃料として有効であると判断された。
【選択図】図1
Description
ところが、近年になって下水道の普及に伴い、国内で発生する下水汚泥の量は年々増加する傾向にあるが、従来は一部が資源として再利用されていたものの、残りは焼却処理を行った上で主に埋め立て処分がなされていたかそのまま廃棄されていた。しかし下水汚泥の処理費用は数千円〜数万円/トンにのぼるため、処分に関する国や地方自治体の経済的負担が大きく、またその廃棄による環境に対する負荷の影響も問題となっている。このため、環境への影響の少ない下水汚泥の処理方法、もしくは処理生成物を有効利用することにより、埋め立て処分量の低減化を図る開発が求められている。
例えば、特開平11−217576号公報の開発案件では、下水汚泥、食品加工残渣汚泥、製紙汚泥等の含水有機性汚泥を造粒・乾燥してなる、セメント焼成用補助燃料であり、含水有機性汚泥を脱水処理して有機性脱水ケーキを得、これを、二軸ミキサーにより混合造粒した後、熱風並流式回転乾燥ドラムにより乾燥することにより製造することを特徴とするが、環境に与える影響や経済性が課題の解決に至っていないという指摘を受けている。
なお、「バイオマス」とは、動植物に由来する有機物であってエネルギー源または有用な資源として利用することができるものをいう。
また、本発明で用いる二軸ミキサーに関しては、一般的に知られているタイプであればどんなタイプでも使用できる。
また、本発明で用いる乾燥ペレットを所定の粒径サイズ別に貯留する貯留槽に関しては、その内部には乾燥ペレットを所定の粒径サイズ別に貯留する空間が設けられており、さらに乾燥ペレットを所定の粒径サイズ別に入れたり出したりする構造になっていることを特徴とする。
また、本発明での乾燥粒状物またはペレット粉砕物を所定の粒径サイズ別に貯留するリサイクルサイロに関しては、その内部には乾燥ペレットを所定の粒径サイズ別に貯留する空間が設けられており、さらに乾燥ペレットを所定の粒径サイズ別に入れたり出したりする構造になっていることを特徴とする。
また、本発明での乾燥工程で備えられている少なくとも一台の熱交換器に関しては、何ら特別なものである必要はなく、公知・実稼動中の基本構成を有する高温ガスまたは高温気体を発生させる装置であればよい。
熱分解後のガス中に含まれる塊状バイオマスが粉化したダストや、廃棄物が細粒化したダストを除じん器で捕集し、捕集した可燃性ダストを羽口から酸素若し
本発明の閉回路系工程を利用すると、本発明で生成された乾燥粒状物や乾燥ペレットやペレット粉砕物などの可燃性粉塵を直接、本発明での乾燥工程に備えられた燃焼炉に送付することでこららの粉塵の有効利用が可能になる。
本発明でいう高温蒸気は、本発明での乾燥工程における脱水汚泥や、乾燥粒状物や乾燥ペレットやペレット粉砕物と脱水汚泥との混練物から生成される約60℃〜200℃の蒸気であり、臭気成分が含有されている可能性がある。
本発明でいう閉回路系工程とは上述したような乾燥ガスや高温蒸気に対して閉じられた系統であって、乾燥ガスや高温蒸気の有効利用による製造方法をさす。これの理想は乾燥ガスや高温蒸気からの臭気が零であり、濃縮水のみが系外に出る製造プロセスや製造システムである。これに対して従来の製造方法は乾燥ガスや高温蒸気や臭気がプロセス外やシステム外に漏れ出る開回路系工程である。
本発明の閉回路系工程を利用すると、本発明で生成された乾燥ガスや高温蒸気の廃熱や蒸発潜熱を回収して再利用することが可能になる。
また、本発明で用いるコンデンサには、水蒸気を凝縮させた濃縮水を所定の期間貯留する容器が接続されている。なお、この濃縮水は多目的に再利用されることを特徴とするが、例えばこの濃縮水は液肥としての利用が可能である。
また、本発明で用いるコンデンサの冷却手段としては、例えば、その内部に水噴霧機構を設け、所定の目標が達成できるように水噴霧量を調節する制御手段を設けることも可能である。
(1)含水率が10%以下であるので、腐敗性が低く、臭気の発生がほとんど無いことで衛生的に長期保存が可能である。
(2)約300℃〜450℃という高温で乾燥することで含有される有機物が濃縮され燃焼効率が高くなる。
(3)閉回路系工程で乾燥ペレットが製造されることで、粉塵や臭気がプロセス外やシステム外に漏出することがないので、環境問題が発生せず取り扱いが容易なプロセスやシステムが提供できる。
(4)閉回路系工程で乾燥ペレットが製造されることで、粉塵や水蒸気が有効に利用されることが可能になり経済的なプロセスやシステムが提供できる。
(5)化石燃料を利用する、発電所や発電装置を所有する事業者や個人、ボイラーを所有する物品または組成物などの製造工場またはサービスを提供する店舗を運営する事業者や個人、における化石燃料を節減でき、総合的に、エネルギー使用量や二酸化炭素排出量を低減できる。
(1) 例えば、閉回路系工程内を循環する乾燥粒状物や乾燥ペレットやペレット粉砕物が核になり、その核に脱水汚泥の層が形成され、乾燥することで高熱量の乾燥ペレットになるので、核の寸法を制御することで乾燥ペレットの寸法を制御することができ、その結果、燃焼する目的や用途に応じて、乾燥ペレットの熱量を調節することが可能になる。
(2) 例えば、この乾燥ペレットは、本発明ではΦ2〜8mmの範囲で粒径を制御することが可能なので、投入する燃焼炉の性能、寸法、形状、に合わせて製造できる。
(1) 例えば、閉回路系工程内を循環する乾燥ガスまたは高温蒸気による割合に応じた、高熱量の乾燥ペレットになるので、乾燥ペレットの含水率を制御することで乾燥ペレットの熱量を制御することができ、その結果、燃焼する目的や用途に応じて、乾燥ペレットの熱量を調節することが可能になる。
(2) 例えば、この乾燥ペレットは、本発明では6〜10%の範囲で含水率を制御することが可能なので、投入する燃焼炉の性能、寸法、形状、に合わせて製造できる。
(1)例えば、請求項5記載の閉回路系工程内を循環する乾燥ガスまたは高温蒸気から廃熱を回収して、高含水バイオマスを脱水処理前の工程で所定の温度で高含水バイオマスを加熱することで発生するメタンガスを加熱工程の燃焼炉で燃焼させることで本システムの経済効率が向上する。
(2)例えば、請求項5記載の閉回路系工程内を循環する乾燥ガスまたは高温蒸気の中に含有されているメタンガスを分離手段を用いて回収し加熱工程の燃焼炉で燃焼させることで本システムの経済効率が向上する。
例えば、閉回路系工程内を循環する乾燥ガスまたは高温蒸気による割合に応じた、高有機物含有の乾燥ペレットになり、この乾燥ペレットの含水率を約6〜10%の範囲で制御することで植物の種類や用途に応じた肥料の提供が可能になる。
しかも、この発明では、高含水バイオマス資源を段階的に適正に処理することにより、小規模設備で生成エネルギーまたは生成資源を比較的高効率で回収し、各装置内で有効利用することによって、低コストでの高含水バイオマス資源の処理を行うことができる。
さらに、二酸化炭素排出量削減を義務付けられた企業が、本発明を導入することで、削減目標を達成することが可能になる。
図1と図2より、乾燥ドラムで乾燥処理50における回転乾燥ドラムの乾燥ガス供給口での熱風の温度が450℃であると、排出口での混合ガスの温度は120℃になる。この乾燥ドラムに、二軸ミキサーで混練処理20で得られた造粒汚泥21を供給すると、造粒汚泥21はドラム内で熱風に接触して乾燥される。これにより、乾燥ペレットR1,R2や多目的乾燥ペレットRXが得られる。
次に、脱水汚泥12と、リサイクルサイロ(70+n)から送られた粒径1mmの乾燥粒状物とを、固形分重量比で2:1の割合で二軸ミキサーに供給して混合造粒処理した。これにより、両者の混合物からなる造粒汚泥21を得た。次に、造粒汚泥21を、乾燥ドラムで乾燥処理50により乾燥処理した。被乾燥物の最高乾燥温度は450℃とした。そして、得られた乾燥ペレットを分級処理して乾燥ペレットR1として利用することにした。
BM1 下水汚泥
BM2 し尿汚泥
BM3 浄化槽汚泥
BM4 農集汚泥
BM5 畜産糞尿
Rn バイオマス燃料
R1,R2 乾燥ペレット
R3 バイオマス気体燃料
R4 バイオマス液体燃料
RX 多目的乾燥ペレット
RP1,RP2,RP3,RP4,RP5 リサイクルパイプ
RP10,RP11,RP12,RP13 リサイクルパイプ
RP14,RP15,RP16 リサイクルパイプ
W 冷却水
10 消化設備
11 脱水設備
12 脱水汚泥
13 改質
20 二軸ミキサーで混練処理
21 造粒汚泥
40 燃焼炉
41,83 熱交換器
42 煙突
50 乾燥ドラムで乾燥処理
51 バグフィルター
60 分級装置
61 乾燥ペレット貯留槽
62 粉砕装置
63 集塵バグフィルター
(70+n)リサイクルサイロ
80 コンデンサ
81 凝縮水
82 液肥
Claims (7)
- 高含水バイオマスを脱水設備により得た脱水汚泥と該脱水汚泥から乾燥ペレットになるまでの段階的製造工程内で発生する乾燥粒状物とを混合して二軸ミキサーに供給し混練・造粒工程の後に乾燥工程から得られる乾燥ペレットの製造方法において、前記乾燥粒状物または(及び)前記乾燥ペレットを粉砕する粉砕装置を分級装置の後に設け、製品としての乾燥ペレットを級数別に貯留する貯留槽を設け、前記乾燥粒状物または前記ペレット粉砕物を級数別に貯留するリサイクルサイロを設けることで、前記乾燥ペレットが多用途に利用可能であることを特徴とする、高含水バイオマスを有効利用する乾燥ペレットの製造方法。
- 前記高含水バイオマスは下水汚泥、し尿汚泥、浄化槽汚泥、農集汚泥、畜産糞尿、の内の少なくとも1種であり、前記脱水汚泥は含水率60%〜90%の範囲で使用可能であることを特徴とする、請求項1に記載の高含水バイオマスを有効利用する乾燥ペレットの製造方法。
- 前記乾燥粒状物が発生し前記混練工程に送付手段を備える工程が造粒工程または乾燥工程または分級工程または粉砕工程または乾燥ペレット貯留工程または前記リサイクルサイロであることを特徴とする、請求項1に記載の高含水バイオマスを有効利用する乾燥ペレットの製造方法。
- 前記製造工程の少なくとも一部が前記乾燥粒状物または前記乾燥ペレットまたは前記ペレット粉砕物に対して閉回路系工程で形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の高含水バイオマスを有効利用する乾燥ペレットの製造方法。
- 前記製造工程の少なくとも一部が乾燥ガスまたは高温蒸気に対して閉回路系工程で形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の高含水バイオマスを有効利用する乾燥ペレットの製造方法。
- 前記乾燥工程で使用する乾燥ガスの温度を300℃〜450℃としたことを特徴とする、請求項1に記載の高含水バイオマスを有効利用する乾燥ペレットの製造方法。
- 前記乾燥ペレットの燃焼時の発熱量が石炭の半分以上であることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の高含水バイオマスを有効利用する乾燥ペレットの製造方法。
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2007
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