JP2008284251A - 歯ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】 手を使わずに効率良く歯磨きでき、しかも歯周ポケットの清掃効果に優れる歯ブラシを提供する。
【解決手段】 歯列に対応する略U字状で且つ口腔内に入る寸法の基板2の片面に歯の当り部2aを形成し、基板2の他面に歯の幅より拡幅に離間した2列のブラシ毛3をその毛先が歯周ポケットに向くようにそれぞれ内側へ傾斜させて植毛する。2列のブラシ毛3のうち、前歯部分の唇側のブラシ毛3は舌側のブラシ毛3より長く形成する。基板2は生分解性プラスチックを用いるか、又は加熱により軟化し口腔内温度以上で硬化する熱可塑性プラスチックで構成し、使用者に合わせて成形する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マウスピースのように口腔内に含んで咬合することで歯磨きを行うための歯ブラシに関する。
従来の歯ブラシは、握り柄の先端部にブラシ毛を植毛した構成が一般的で、ブラシ毛に歯磨剤を付けて口腔内に含み、握り柄の操作で各部を歯磨きしている。
ところで、従来の歯ブラシでは握り柄の操作のために片手が使えないから、歯磨きが終わるまで他の事を並行して行い難く、手が不自由な身障者は歯磨きが困難であった。また、各部を順に歯磨きするから、全ての部位を磨き終えるまで時間を要し、能率が悪いものであった。さらに、ブラシ毛は歯面に対して直交する方向に当てて縦横に磨くから、毛先が歯周ポケットに入り難く、清掃効果が低いという問題もあった。
実用新案登録第3097882号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、手を使わずに効率良く歯磨きでき、しかも歯周ポケットの清掃効果に優れる歯ブラシを提供することにある。
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 口腔内に含んで咬合することで歯磨きを行う歯ブラシであって、歯列に対応する略U字状で且つ口腔内に入る寸法の基板の片面に歯の当り部を形成し、基板の他面に歯の幅より拡幅に離間した2列のブラシ毛をその毛先が歯周ポケットに向くようにそれぞれ内側へ傾斜させて植毛したことを特徴とする、歯ブラシ
2) 2列のブラシ毛のうち、前歯部分の唇側のブラシ毛を舌側のブラシ毛より長く形成した、前記1)記載の歯ブラシ
3) 基板が、生分解性プラスチック、又は加熱により軟化し口腔内温度以上で硬化する熱可塑性プラスチックで構成したものである、前記1)又は2)記載の歯ブラシ
4) 基板の歯の当り部に摩擦係数の高い軟質材料を使用した、前記1)〜3)いずれか記載の歯ブラシ。
5) 基板の前歯側中央部に握り柄を脱着するための突起を形成した、前記1)〜4)いずれか記載の歯ブラシ
にある。
本発明によれば、咬合により歯磨きすることで歯磨き中は両手が空くから、歯磨きが終わるまで他の事を並行して行うことができ、手が不自由な身障者も歯磨きできる。また、ブラシ毛と接する歯が一度に歯磨きされるから、従来技術と比較して効率良く短時間に歯磨きできる。さらに、ブラシ毛は毛先が歯周ポケットへ向くように歯面に対して傾斜しているから、毛先が歯周ポケットに確実に入り、清掃効果が高い。
本発明の基板の形状としては、成人男性及び成人女性の平均を基準とし、乳幼児・小児にそれぞれ対応できる形状を別個に製作する。前歯部分は、使用者に応じて狭窄歯列弓・U字歯列弓・V字歯列弓等に形成する。基板の素材としては、生分解性プラスチックを用いるか、又は60℃以上で軟化し40℃前後で硬化する熱可塑性プラスチックを用い、使用者個人の歯列や歯角に適合するように成形する。生分解性プラスチックは生体への安全性が高い乳酸系を用いるのが望ましい。基板の歯の当り部はシリコンなど摩擦係数の高い軟質材料を使用し、咬合時に歯が基板から滑らないようにする。
ブラシ毛の素材としては、ポリエチレン等が用いられ、基板より耐熱温度が高いものを使用し、毛先はテーパー加工する。ブラシ毛の長さとしては、咬合時にブラシ毛が歯周ポケットに約1mm入るほどに形成する。前歯は他の歯と比較して高さがあるから、唇側のブラシ毛を舌側のブラシ毛より長く形成して歯周ポケットに届きやすくする。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は実施例の歯ブラシの斜視図、図2は実施例の歯ブラシの底面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図2のB−B断面図、図5は実施例の基板の成形を示す説明図、図6は実施例の歯ブラシの使用状態を示す説明図、図7は実施例の握り柄の説明図である。図中、1は歯ブラシ、2は基板、2aは当り部、2bは突起、3はブラシ毛、4は握り柄、4aは凹部、5は上歯、6は下歯、7は歯茎、7aは歯周ポケット、8は治具である。
本実施例の歯ブラシ1は、図1〜4に示すように基板2は厚さ5mmの乳酸系生分解性プラスチックからなり、日本人の平均的な成人男性及び成人女性の口腔に入る寸法の略U字状に形成している。乳酸系生分解性プラスチックとしてはラクティー(商品名:株式会社島津製作所製)を使用している。歯の当り面となる片面には軟質シリコンからなる当り部2aを形成している。前歯側の中央部には、図7に示すように握り柄4を脱着するための突起2bを形成してもよい。
基板2の他面には、多数の毛束からなる2列のブラシ毛3を植毛し、各列のブラシ毛3の根元は歯の幅より拡幅に離間している。ブラシ毛3はポリエチレンで構成し、前歯部分の唇側は12mmの長さに形成し、それ以外のブラシ毛3は10mmの長さに形成し、毛先はテーパー加工している。基板2は図5に示す治具8で押圧して加熱成形することで、使用者に合わせてブラシ毛3をその毛先が歯周ポケット7aに向くように内側へ所定角度に傾斜させる。治具8は基板2を一度に成形できるように全体が略U字状に形成されている。
本実施例では、下歯6を歯磨きする方法について説明する。まず、必要に応じて歯磨剤をブラシ毛3に適量付け、ブラシ毛3を下向きの状態にして歯ブラシ1を口腔内に含み、手又は舌で基板2を動かして歯列に沿うように配置する。この際、図7に示すように握り柄4を基板2の突起2bに取り付けて口腔内に含むと、配置や取り出しが容易となり、手も汚さない。この状態では、図6(a)に示すように2列のブラシ毛3の剛性で基板2が下歯6から浮いている。
図6(b)に示すように咬合すると、上歯5が基板2を下方へ押圧し、ブラシ毛3が下歯6の側面を摩擦しながら下歯6と歯茎7との間の位置へ移行し、ブラシ毛3の毛先が歯周ポケット7aに入る。次に、上歯5と下歯6を離間すると、ブラシ毛3の反発力で基板2が上方へ移行し、ブラシ毛3は下歯6の側面を摩擦しながら図6(a)の状態に戻る。
以上のようにして図6(a),(b)の工程を繰り返して咬合及び咀嚼すると、ブラシ毛3が下歯6の上端から側面及び歯周ポケット7aに沿って何度も往復して歯磨きが行われる。上歯4を歯磨きする場合は、ブラシ毛3が上向きとなるように基板2を上下逆にして歯ブラシ1を口腔内に含み、図6(a),(b)の工程を繰り返せばよい。
握り柄4は歯ブラシ1を口腔内に配置した後に取り外すが、使用者の咬力や咀嚼機能が低下している場合や、より迅速に歯磨きを終えたい場合は握り柄4を取り付けたままにし、これを操作することで歯磨きを補助できる。また、歯周病であっても噛力の加減により部位を傷めることなく清掃できる。
本発明の歯ブラシは、歯磨きしながら他の事を並行して行う場合や、手が不自由な身障者の歯磨きに有用である。その他、歯ブラシを前後左右に動かして噛むことにより筋肉のバランスを整える効果が期待でき、顎関節症の症例,歯列矯正治療中,部分入れ歯の患者にも応用可能である。
実施例の歯ブラシの斜視図である。 実施例の歯ブラシの底面図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 実施例の基板の成形を示す説明図である。 実施例の歯ブラシの使用状態を示す説明図である。 実施例の握り柄の説明図である。
符号の説明
1 歯ブラシ
2 基板
2a 当り部
2b 突起
3 ブラシ毛
4 握り柄
4a 凹部
5 上歯
6 下歯
7 歯茎
7a 歯周ポケット
8 治具

Claims (5)

  1. 口腔内に含んで咬合することで歯磨きを行う歯ブラシであって、歯列に対応する略U字状で且つ口腔内に入る寸法の基板の片面に歯の当り部を形成し、基板の他面に歯の幅より拡幅に離間した2列のブラシ毛をその毛先が歯周ポケットに向くようにそれぞれ内側へ傾斜させて植毛したことを特徴とする、歯ブラシ。
  2. 2列のブラシ毛のうち、前歯部分の唇側のブラシ毛を舌側のブラシ毛より長く形成した、請求項1記載の歯ブラシ。
  3. 基板が、生分解性プラスチック、又は加熱により軟化し口腔内温度以上で硬化する熱可塑性プラスチックで構成したものである、請求項1又は2記載の歯ブラシ。
  4. 基板の歯の当り部に摩擦係数の高い軟質材料を使用した、請求項1〜3いずれか記載の歯ブラシ。
  5. 基板の前歯側中央部に握り柄を脱着するための突起を形成した、請求項1〜4いずれか記載の歯ブラシ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014505510A (ja) * 2010-12-20 2014-03-06 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 歯を洗浄するためのマウスピースをユーザの口腔幾何に合致させる方法及びその結果の製品
JP6062852B2 (ja) * 2011-05-09 2017-01-18 友和 上田 複層マウスピース、この製造方法及び製造装置

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