JP2008283794A - チャージポンプ回路、固体撮像装置および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】昇圧用コンデンサーのチャージ量を制御してリップル電圧を抑制すると共に回路を構成しているトランジスターの耐圧を超えることを防ぎ、所望の電圧を出力させる。
【解決手段】チャージ量制御回路8Aによって昇圧用コンデンサC1の両端の電位差を監視し、その電位差に応じて昇圧用コンデンサC1のチャージ量を制御する。例えば、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差をスイッチトキャパシタ手段により分圧し、分圧された電位と基準電圧とを第1比較回路により比較する。または、昇圧用コンデンサC1の両端の電位を減算回路により減算処理し、減算回路からの出力と基準電圧とを第2比較回路により比較する。この第1比較回路または第2比較回路からの出力信号CPOUTにより、昇圧用コンデンサC1への充電を制御するPchMOSトランジスタ1が制御される。
【選択図】図1
【解決手段】チャージ量制御回路8Aによって昇圧用コンデンサC1の両端の電位差を監視し、その電位差に応じて昇圧用コンデンサC1のチャージ量を制御する。例えば、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差をスイッチトキャパシタ手段により分圧し、分圧された電位と基準電圧とを第1比較回路により比較する。または、昇圧用コンデンサC1の両端の電位を減算回路により減算処理し、減算回路からの出力と基準電圧とを第2比較回路により比較する。この第1比較回路または第2比較回路からの出力信号CPOUTにより、昇圧用コンデンサC1への充電を制御するPchMOSトランジスタ1が制御される。
【選択図】図1
Description
本発明は、電源電圧などの電圧を昇電圧可能とするチャージポンプ方式昇圧回路であるチャージポンプ回路、このチャージポンプ回路を用いて複数種類の駆動電圧を生成して用いる固体撮像装置および液晶表示装置に関する。
電源電圧などの電圧を昇電圧するための従来の一般的なチャージポンプ式昇圧回路について図10を用いて詳細に説明する。
図10は、従来の一般的なチャージポンプ式昇圧回路の要部構成例を示す回路図である。
図10において、従来のチャージポンプ式昇圧回路100は、入力電圧が充放電される昇圧用コンデンサC11と、この昇圧用コンデンサC11を充放電させるための4つのPchMOSトランジスタ101〜103およびNchMOSトランジスタ104と、各PchMOSトランジスタ101〜103およびNchMOSトランジスタ104を制御するクロック信号CK1B(BはバーであってCK1の反転信号を示している)、CK2およびCK2Bを生成出力するクロック生成回路105と、PchMOSトランジスタ101〜103およびNchMOSトランジスタ104の各ゲートとクロック生成回路105との間に挿入されたクロックドライバ106a〜106dと、出力電圧を平滑化するための平滑化コンデンサC12および負荷107とを有している。
PchMOSトランジスタ101とPchMOSトランジスタ102は、電圧入力部VINと電圧出力部VOUTとの間に直列接続され、接続部に昇圧用コンデンサC11の一方端(C11P側)が接続されている。PchMOSトランジスタ101のゲートには、クロックドライバ106aを介してクロック生成回路105からのクロック信号CK2Bが入力され、PchMOSトランジスタ102のゲートには、クロックドライバ106bを介してクロック生成回路105からのクロック信号CK1Bが入力されている。また、PchMOSトランジスタ103とNchMOSトランジスタ104は、電圧入力部VINと接地電位出力端との間に直列接続され、これらの接続部に昇圧用コンデンサC11の他方端(C11N側)が接続されている。PchMOSトランジスタ103のゲートには、クロックドライバ106cを介してクロック生成回路105からのクロック信号CK1Bが入力され、NchMOSトランジスタ104のゲートには、クロックドライバ106dを介してクロック生成回路105からのクロック信号CK2が入力されている。さらに、コンデンサC12と負荷107は、電圧出力部VOUTと接地電位出力端との間に並列に接続されている。
上記構成により、従来のチャージポンプ式昇圧回路100の動作を説明する。
まず、クロック生成回路105からのクロック信号CK2Bがクロックドライバ106aを介してPchMOSトランジスタ101に供給されてPchMOSトランジスタ101がオン状態とされる。これにより、電圧入力部VINからの入力電圧によって昇圧用コンデンサC11が充電されて、昇圧用コンデンサC11の一方端の電位C11PがVINレベル(電圧レベル)になる。
次に、PchMOSトランジスタ101がオフ状態とされ、クロック生成回路105からのクロック信号CK1Bがクロックドライバ106bおよびクロックドライバ106cを介してPchMOSトランジスタ102およびPchMOSトランジスタ103に供給されてPchMOSトランジスタ102およびPchMOSトランジスタ103が共にオン状態とされる。これにより、昇圧用コンデンサC11の他方端の電位C11NがGNDレベルからVINレベルとなり、昇圧用コンデンサC11からコンデンサC12に電荷電圧が転送される。このとき、昇圧用コンデンサC11の他方側の電位C11NがVINレベルになるため、昇圧用コンデンサC11の一方側の電位C11Pおよび電圧出力部VOUTからの出力電圧がVINレベル分だけ持ち上げられて(昇圧されて)、電圧入力部VINの入力電圧の2倍の電圧(2×VINレベル)が電圧出力部VOUTから出力可能とされる。
このとき、図10に示す従来のチャージポンプ方式昇圧回路100では、入力された電圧入力部VINの入力電圧の整数倍(n×VINレベル;nは2以上の整数)、図10の場合には2倍の電圧(2×VINレベル)しか出力させることができないため、例えば特許文献1には、出力電圧を制御する出力電圧制御方法が開示されている。これを図11に示している。
図11は、特許文献1に開示されている従来のチャージポンプ方式昇圧回路の要部構成例を示す回路図である。
図11において、従来のチャージポンプ方式昇圧回路200は、図10に示す従来のチャージポンプ方式昇圧回路100の構成に加えて、電圧出力部VOUTと接地電圧出力端との間に直列接続された二つの抵抗器R11およびR12と、これらの二つの抵抗器R11とR12の接続部の電圧(抵抗分割電圧)と基準電圧VREFとを比較する比較回路201と、この基準電圧VREFを生成出力する基準電圧生成回路202と、クロック生成回路105とクロックドライバ106a〜106dとの間にそれぞれ接続され、クロック生成回路105からのクロック信号と比較回路201からの出力信号とをOR演算するOR回路203a〜203dとを有している。
上記構成により、従来のチャージポンプ式昇圧回路200の動作を説明する。
この従来のチャージポンプ方式昇圧回路200では、まず、電圧出力部VOUTの出力電圧が抵抗器R12と抵抗器R11により抵抗分圧されており、この抵抗分圧で得られた電圧V1と、基準電圧生成回路202からの基準電圧VREFとが比較回路201により電圧比較される。
次に、比較回路201は、V1>VREFの場合に、その出力端CPOUTからHighレベルが出力され、また、V1<VREFまたはV1=VREFの場合に、その出力端CPOUTからLowレベルが出力される。このようにして、比較回路201からの出力信号がHighレベルとLowレベルとを繰り返して、OR回路203a〜203dによりクロック生成回路105からのクロック信号が停止されたり、そのクロック信号が出力開始されたりすることによって、昇圧用コンデンサC11への充電が停止されたり、充電が開始されたりする。この繰り返し動作が繰り返されることによって、チャージポンプ方式昇圧回路200の電圧出力部VOUTからの出力電圧を所定の一定電圧に制御することができる。
例えば、耐圧が5VであるMOSトランジスタ(5V系MOSトランジスタ)によって構成されたチャージポンプ方式昇圧回路200において、出力電圧が5V以下と設定されている場合に、電圧入力部VINへの入力電圧が3Vである場合には、図10のチャージポンプ方式昇圧回路100では、出力電圧が入力電圧3Vの2倍の6Vになってしまう。通常、5VであるMOSトランジスタの最大動作電圧は、通常+10%に設定されて5.5V程度とされており、5.5Vを超えることがないように設計されている。
ところが、電圧出力部VOUTの出力電圧が5.5V以上の6Vになると、絶対最大定格電圧に触れてしまうことになるため、図11のチャージポンプ方式昇圧回路200では、比較回路201によって電圧出力部VOUTからの出力電圧を監視して、クロックを有効に動作させたり、クロックを無効にしてその動作を停止させたりするという動作を繰り返すことによって、耐圧が5V耐圧であるMOSトランジスタの最大動作電圧以下で所望の一定電圧が電圧出力部VOUTから得られるようになっている。
耐圧が5V耐圧であるMOSトランジスタの最大動作電圧を超えると、それ以上の耐圧を有するMOSトランジスタを用いてチャージポンプ方式昇圧回路を構成する必要があるため、用いるMOSトランジスタサイズがより増大し、これによって、コストの増大と共に、チップの回路占有面積も増大してしまう。
さらに、特許文献1の図1にも、特許文献1の図2の場合と同様に、電圧出力部VOUTとグランド(接地電位0V)間の抵抗分割された電位と基準電圧とを大小比較することにより、昇圧用コンデンサC11の充電量を制御する回路が開示されている。
特開平6−351229号公報(図1および図2)
しかしながら、上記従来技術には、以下のような問題がある。
図12は、図11に示す従来の一般的なチャージポンプ方式昇圧回路の動作をシミュレーションした結果を示す信号波形図であって、(a)は、図11の従来のチャージポンプ方式昇圧回路の出力波形図、(b)は、その出力波形Aに対する図11の昇圧用コンデンサC1の充放電波形Bを示す波形図である。
図12(b)に示すように、従来のチャージポンプ方式昇圧回路200では、昇圧用コンデンサC1の充放電波形Bが、PchMOSトランジスタ101、102である5V耐圧MOSトランジスタの最大動作電圧である5.5Vの電圧レベル(出力電圧A)を超えて、6V近くまで上昇している。
このように、上記従来のチャージポンプ方式昇圧回路200では、電圧出力部VOUTからの出力電圧を監視してこれを所定電圧以下に制限する方式であって、電圧出力部VOUTからの出力電圧を制限できるものの、昇圧用コンデンサC11のC11P側の電位を制限することはできない。この昇圧用コンデンサC11のC11P側の電位は、出力電圧に制限がかかる半クロック前に上昇するため、比較回路201によってクロック信号を停止させても間に合わないという問題がある。この問題は、特許文献1の図1および図2の事例とも、同様に生じる問題である。
また、この昇圧用コンデンサC11のC11P側の電位が高くなると、PchMOSトランジスタ101、102がオフ状態とされにくくなり、昇圧用コンデンサC11のC11Pの電位が上昇してPchMOSトランジスタ102を通して出力側に漏れて、図6(b)およびこれを拡大した図7(b)に示すようにリップル電圧が大きくなるという問題も生じる。
さらに、昇圧用コンデンサC11の電圧を制御できないことにより、昇圧用コンデンサC11から充放電される電圧波形が、回路を構成しているPchMOSトランジスタ101、102の最大動作電圧を超えてしまう可能性があり、PchMOSトランジスタ101、102の破壊にも繋がる虞がある。
これを防ぐために、PchMOSトランジスタ101、102のゲート酸化膜厚を通常よりも厚くするか、または、ゲート長を通常よりも長くして、PchMOSトランジスタ101、102の耐圧を持たせる方法も考えられるが、これらの手段は、PchMOSトランジスタ101、102の性能を低下させてしまうことになるため、有効な手段とは言い難い。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、昇圧用コンデンサのチャージ量を制御してリップル電圧を抑制すると共に、回路を構成しているMOSトランジスタの耐圧を超えることを防いで、所望の出力電圧を出力できるチャージポンプ回路、このチャージポンプ回路を用いて複数種類の駆動電圧を生成して用いる固体撮像装置および液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明のチャージポンプ回路は、入力電圧を所定の周期で昇圧用コンデンサに充放電させて、該入力電圧よりも高電圧の所定の出力電圧を得るチャージポンプ回路において、 該昇圧用コンデンサの両端の電位差を監視し、当該電位差に応じて、該所定の出力電圧を得るように該昇圧用コンデンサのチャージ量を制御するチャージ量制御回路を有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路における所定の出力電圧は、前記昇圧用コンデンサの両端の電位差に前記入力電圧を加えた電圧である。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路において、前記昇圧用コンデンサを充放電させるために、電圧入力部と電圧出力部との間に直列接続され、その接続部が該昇圧用コンデンサの一方端に接続された第1トランジスタ手段および第2トランジスタ手段と、該電圧入力部と接地電位出力端との間に直列接続され、その接続部が該該昇圧用コンデンサの他方端に接続された第3トランジスタ手段および第4トランジスタ手段とを有する。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路において、所定の周期で前記昇圧用コンデンサを充放電させるために、前記第1トランジスタ手段〜第4トランジスタ手段を制御するクロック信号を生成出力するクロック信号生成回路をさらに有する。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路において、前記チャージ量制御手段からの制御信号と前記クロック信号生成回路からのクロック信号とが入力されてOR演算されるOR演算回路をさらに有し、該OR演算回路からの出力信号により前記第1トランジスタ手段がオンオフ制御される。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路におけるチャージ量制御手段は、前記第1トランジスタ手段をオンオフ制御することにより、前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を所望の電圧差に制御する。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路におけるチャージ量制御手段は、前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を分圧させるスイッチトキャパシタ手段と、該スイッチトキャパシタ手段で分圧された電位差である比較電圧と基準電圧とを比較して、該昇圧用コンデンサのチャージ量制御用の制御信号を生成出力する第1比較回路とを有する。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路におけるスイッチトキャパシタ手段は、二つのコンデンサが直列接続され、直接接続された二つのコンデンサの一方側にスイッチ手段を介して前記昇圧用コンデンサの一方端が接続され、該直接接続された二つのコンデンサの他方側に別のスイッチ手段を介して該昇圧用コンデンサの他方端が接続されている。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路における第1比較回路は、一方の入力部に前記スイッチトキャパシタ手段により前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を分圧させた比較電圧が入力され、他方の入力部に基準電圧が入力されるオペレーショナルアンプを有し、該オペレーショナルアンプを通して前記制御信号が生成出力される。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路におけるスイッチトキャパシタ手段は、前記直列接続された二つのコンデンサの容量比を調整して、前記比較電圧を変化させて前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を調整可能とする。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路における二つのコンデンサのうちの一方の容量値を一定にして、他方のコンデンサの容量を切り替え手段により切り替えて、前記比較電圧を変化させる。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路におけるチャージ量制御手段は、前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を減算処理する減算回路と、該減算回路からの出力電圧またはこれに対応した電圧である比較電圧と基準電圧とを比較して、該昇圧用コンデンサのチャージ量制御用の制御信号を生成出力する第2比較回路とを有する。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路における減算回路は、前記昇圧用コンデンサの一方端および他方端にそれぞれ、各抵抗器をそれぞれ介して、オペレーショナルアンプの二つの入力部がそれぞれ接続され、該オペレーショナルアンプの一方の入力部と出力部が別の抵抗器を介して帰還接続され、該オペレーショナルアンプの他方の入力部と接地電位出力端とがさらに別の抵抗器を介して接続されている。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路における第2比較回路は、一方の入力部に前記減算回路を構成するオペレーショナルアンプからの出力電圧が抵抗分圧されて比較電圧として入力され、他方の入力部に基準電圧が入力される別のオペレーショナルアンプを有し、該別のオペレーショナルアンプにより前記制御信号が生成出力される。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路において、前記減算回路の出力端に分割抵抗部が設けられ、該分割抵抗部によって分割された分割電圧を前記比較電圧として前記第2比較回路に供給する。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路において、前記分割抵抗部の抵抗比率を変化させることにより比較電圧としての分割電圧を調整して前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を調整可能とする。
さらに、好ましくは、本発明のチャージポンプ回路において、前記基準電圧を生成する基準電圧生成回路をさらに有する。
本発明の固体撮像装置は、本発明の上記チャージポンプ回路を用いて複数種類の駆動電圧を生成して撮像を行うものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の液晶表示装置は、本発明の上記チャージポンプ回路を用いて複数種類の駆動電圧を生成して液晶表示を行うものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の液晶表示装置における複数種類の駆動電圧は、表示駆動電圧のうちのソース基準電圧および/またはバックライト用LEDドライバの電源電圧である。
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
本発明にあっては、チャージ量制御手段によって昇圧用コンデンサC1の両端の電位差が監視され、その両端の電位差に応じて昇圧用コンデンサC1のチャージ量が制御される。これにより、昇圧用コンデンサC1の一方端C1Pの電位が上昇して出力側に漏れることにより出力電圧に生じるリップル電圧が抑制される。さらに、昇圧用コンデンサC1から充放電される電圧波形が、回路を構成しているトランジスタ手段としてのPchMOSトランジスタの最大動作電圧を超えないように制御されて、トランジスタ手段の破壊をも防ぐことが可能となる。
例えば、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差が、スイッチトキャパシタ手段により分圧され、分圧された電位と基準電圧とが比較回路により比較される。または、昇圧用コンデンサC1の両端の電位が、減算回路により減算され、減算回路からの出力と基準電圧とが比較回路により比較される。これによって、この比較回路からの出力制御信号により、昇圧用コンデンサC1への充電を制御するPchMOSトランジスタなどのトランジスタ手段が制御されて、昇圧用コンデンサC1のチャージ量が制御される。
以上により、本発明によれば、チャージポンプ回路において、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差に応じてチャージ量が制御されることによって、リップル電圧が小さく、所望の安定した出力電圧を得ることができる。
また、回路を構成するトランジスタ手段の最大動作電圧を超えることなくチャージポンプ回路を構成することが可能であるため、耐圧が1ランク高い大容量のトランジスタ手段を使用する必要がなく、チップの回路占有面積増大およびコスト増大を抑制することができる。
以下に、本発明のチャージポンプ方式昇圧回路の実施形態1、2について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るチャージポンプ方式昇圧回路10の要部構成例を示す回路図である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るチャージポンプ方式昇圧回路10の要部構成例を示す回路図である。
図1において、本実施形態1のチャージポンプ式昇圧回路10は、電圧入力部VINからの入力電圧により充放電される昇圧用コンデンサC1と、この昇圧用コンデンサC1を充放電させるための第1〜第4トランジスタ手段としてのPchMOSトランジスタ1〜3およびNchMOSトランジスタ4と、これらのPchMOSトランジスタ1〜3およびNchMOSトランジスタ4をオンオフ制御するクロック信号CK1B、CK2およびCK2Bを生成出力するクロック生成回路5と、PchMOSトランジスタ1〜3およびNchMOSトランジスタ4のゲートとクロック生成回路5との間に挿入されたクロックドライバ6a〜6dと、電圧出力部VOUTと接地電位出力端との間に並列に設けられ、電圧出力部VOUTからの出力電圧を平滑化するための平滑化コンデンサC2および負荷7と、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差を監視して、その両端の電位差に応じて昇圧用コンデンサC1のチャージ量を制御する制御手段としてのチャージ量制御回路8Aと、基準電圧VREFを生成してチャージ量制御回路8Aに出力するための基準電圧生成回路8Bと、クロックドライバ6aの前段に設けられて、クロック生成回路5からのクロック信号が一方入力端に入力され、チャージ量制御回路8Aからの出力信号が他方入力端に入力されるOR演算回路9とを有している。
これらのPchMOSトランジスタ1〜3およびNchMOSトランジスタ4は、昇圧用コンデンサC1を充放電させて昇圧させるために設けられている。PchMOSトランジスタ1とPchMOSトランジスタ2は、電圧入力部VINと電圧出力部VOUTとの間に直列接続されて、接続部に昇圧用コンデンサC1の一方端(C1P側)が接続されている。また、PchMOSトランジスタ3とNchMOSトランジスタ4は、電圧入力部VINと接地電位出力端との間に直列接続され、その接続部に昇圧用コンデンサC1の他方端(CN1側)が接続されている。
PchMOSトランジスタ1のゲートには、OR演算回路9およびクロックドライバ6aの直列回路を介してクロック生成回路5からのクロック信号CK2Bとチャージ量制御回路8Aからの出力信号CPOUTがOR演算された制御信号が入力されて、PchMOSトランジスタ1がオン・オフ制御される。PchMOSトランジスタ2のゲートには、クロックドライバ6bを介してクロック生成回路5からのクロック信号CK1Bが入力されてて、PchMOSトランジスタ2がオン・オフ制御される。PchMOSトランジスタ3のゲートには、クロックドライバ6cを介してクロック生成回路5からのクロック信号CK1Bが入力されて、PchMOSトランジスタ3がオン・オフ制御され、NchMOSトランジスタ4のゲートには、クロックドライバ6dを介してクロック生成回路5からのクロック信号CK2が入力されて、NchMOSトランジスタ4がオン・オフ制御される。
昇圧用コンデンサC1による昇圧動作について説明する。昇圧用コンデンサC1の他方端の電位C1NがGNDレベルから所定電圧レベルになると、昇圧用コンデンサC1の両端電圧は一定であるから、昇圧用コンデンサC1の一方側の電位はその所定電圧レベル分だけ、入力電圧レベル(VINレベル)から昇圧される。
チャージ量制御回路8Aには、昇圧用コンデンサC1の両端C1PおよびC1Nの各電位がそれぞれ入力されて監視されており、その両端C1PおよびC1Nの電位差に応じて昇圧用コンデンサC1のチャージ量を制御するための制御信号が出力端CPOUTからOR演算回路9に出力される。
OR演算回路9は、一方入力端がクロック生成回路5に接続され、他方入力端がチャージ量制御回路8Aの出力端に接続されて、その出力端がクロックドライバ6aに接続されて、クロック生成回路5からのクロック信号CK2Bとチャージ量制御回路8Aからの出力信号OPOUTとがOR演算される。
なお、クロック信号生成回路5および基準電圧生成回路8Bについては、従来からチャージポンプ方式昇圧回路に使用されているものを用いるため、ここではその詳細な説明は省略する。
図2は、図1のチャージポンプ昇圧回路10におけるチャージ量制御回路8Aの要部構成例を示す回路図である。
図2において、このチャージ量制御回路8Aは、所望の比較電圧を得るために、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差を分圧させるスイッチトキャパシタ手段81と、分圧された電位(比較電圧)と基準電圧とを比較して制御信号を生成する第1比較回路としてのオペレーショナルアンプ82と、この比較出力を反転させるインバータ83と、インバータ83からの出力とクロックCK2とが入力されてNAND演算されるNAND回路84と、コンデンサCS3およびスイッチS6〜S8とを有している。
スイッチトキャパシタ手段81は、二つのコンデンサCS1およびCS2が直列接続され、この直接接続された二つのコンデンサCS1およびCS2のうちの一方のコンデンサCS1側にスイッチS1を介して昇圧用コンデンサC1の一方端であるC1P側が接続され、また、直接接続された二つのコンデンサCS1およびCS2のうちの他方のコンデンサCS2側に他のスイッチS2を介して昇圧用コンデンサC1の他方端であるC1N側が接続されている。また、二つのコンデンサCS1およびCS2のうちの他方のコンデンサCS2側にはスイッチS3を介して電圧入力部VINが接続され、二つのコンデンサCS1およびCS2のうちの一方のコンデンサCS1側にはスイッチS4を介して電圧入力部VINが接続されている。さらに、二つのコンデンサCS1およびCS2の接続部にはスイッチS5を介して電圧入力部VINが接続されている。スイッチS1およびS2はクロック信号CK2によりオン・オフ制御され、スイッチS3〜S5はクロック信号CK1によりオンオフ制御が為されている。
このスイッチトキャパシタ手段81では、クロック信号CK2によりスイッチS1およびS2がオン状態とされると、昇圧用コンデンサC1の両端C1P−C1N間の電位差が、直列に接続されたコンデンサCS1およびCS2によって分圧される。なお、クロック信号CK2がローレベル時にハイレベルのクロック信号CK1によりスイッチS3〜S5がオン状態とされて、コンデンサCS1およびCS2の両端およびその接続部にVIN電圧(入力電圧)が入力されてCS1とCS2それぞれのコンデンサの両端が同電位となり、リセットされるようになっている。
オペレーショナルアンプ82の一方の+入力部には、スイッチトキャパシタ手段81により分圧された電位CMPIN_Pが入力される。また、オペレーショナルアンプ82の他方の−入力部には、基準電圧生成回路8Bから供給される基準電圧値VREFがスイッチS6を介して接続されると共に昇圧用コンデンサC1のC1N側電位VIN_NがスイッチS7を介して接続されたコンデンサCS3からの電位が入力されている。このコンデンサCS3のスイッチS7側端には、スイッチS8を介して接地電位出力端が接続されている。このスイッチS6およびS8はクロック信号CK1によりオンオフ制御され、スイッチS7はクロック信号CK2によりオンオフ制御が為される。要するに、クロック信号CK1がハイレベル時にはスイッチS6およびS8がオン(スイッチS7がオフ)して、基準電圧値VREFが、接地電位出力端が接続されたコンデンサCS3に充電され、次のクロック信号CK2のハイレベル時にスイッチS7がオン(スイッチS6およびS8がオフ)して、コンデンサCS3の他方端側に昇圧用コンデンサC1のC1N側電位VIN_Nが印加され、コンデンサCS3の一方端からオペレーショナルアンプ82の−入力部に、基準電圧VREF+昇圧用コンデンサC1のC1N側電位VIN_Nの加算電圧が、基準電位CMPIN_Nとして入力される。この基準電位CMPIN_Nと、分圧された電位CMPIN_Pとがオペレーショナルアンプ82で比較されて出力信号OPOUTを出力するようになっている。
このオペレーショナルアンプ82では、基準電圧値VREFと昇圧用コンデンサC1のC1N側電位VIN_Nとから生成されるコンデンサCS3の電位と、スイッチトキャパシタ81により昇圧用コンデンサC1の両端C1P−C1N間の電位差を分圧させた電位CMPIN_Pとが比較される。オペレーショナルアンプ82からの出力信号OPOUTは、インバータ83で反転された後に、クロック信号CK2に同期して制御されるNAND回路84から、PchMOSトランジスタ1のゲートを制御するための制御信号CPOUTとしてOR演算回路9に出力される。
上記構成により、以下に、本実施形態1のチャージポンプ方式昇圧回路10の動作について説明する。
図3は、図2に示すチャージ量制御回路8Aの動作をシミュレーションした結果を示す図であり、(a)は昇圧用コンデンサC1の両端の電位VIN_PおよびVIN_Nとそれらの電位差(VIN_P−VIN_N)の電圧波形を示し、(b)は昇圧用コンデンサC1の充放電波形およびオペレーショナルアンプ82からの出力信号OPOUTの波形を示している。なお、図3では、横軸は時間μs、縦軸は電位Vを示している。また、図3では、電圧入力部VINの入力電圧=3V、コンデンサCS1=5pF、コンデンサCS2=6pF、コンデンサCS3=5pFに設定し、クロックCK1およびクロックCK2のクロック周波数を33KHzと設定してシミュレーションを行った場合を示している。
図3に示すように、オペレーショナルアンプ82の+入力部に供給される分圧電位CMPIN_P、オペレーショナルアンプ82の−入力部に供給される電位CMPIN_N(基準電圧VREF+昇圧用コンデンサC1のC1N側電位VIN_Nの加算電圧)、オペレーショナルアンプ82の出力信号OPOUTが示されている。
停止電圧、即ち、チャージポンプ昇圧回路10からの電圧出力部VOUTの出力電圧および電圧入力部VINの電源入力電圧と、昇圧用コンデンサC1に必要なチャージ電圧との関係は、
チャージ電圧=VIN_P(C1P)−VIN_N(C1N) ・・・ 式(1)
必要チャージ電圧=停止電圧(VOUT)−電源電圧(VIN) ・・・式(2)
から、下記表1に示すような関係になる。
チャージ電圧=VIN_P(C1P)−VIN_N(C1N) ・・・ 式(1)
必要チャージ電圧=停止電圧(VOUT)−電源電圧(VIN) ・・・式(2)
から、下記表1に示すような関係になる。
ここで、比較電圧(検出すべき昇圧用コンデンサC1の両端の電位差に対応した分圧電圧)と、スイッチトキャパシタ81のコンデンサCS1とコンデンサCS2の容量比、および図2のCMPIN_PとCMPIN_Nの電圧は、
CMPIN_Pの電圧=VIN_N(C1N)+(VIN_P(C1P)−VIN_N(C1N)) ・・・式(3)
CMPIN_Nの電圧=VREF+VIN_N(C1N) ・・・式(4)
から、下記表2に示すような関係となる。
CMPIN_Pの電圧=VIN_N(C1N)+(VIN_P(C1P)−VIN_N(C1N)) ・・・式(3)
CMPIN_Nの電圧=VREF+VIN_N(C1N) ・・・式(4)
から、下記表2に示すような関係となる。
このようなシミュレーションを行ったところ、図3(a)に示すように、コンデンサC1の一方端C1Pと他方端C1N間の電位差(VIN_P(C1P)−VIN_N(C1N))が大きくなって、比較電圧である2.2Vに達するまでの時間は725μsとなった。
図3(b)に示す充放電波形において、コンデンサC1の充電モードからポンプモードに変化して、CMPIN_P>CMPIN_Nとなる時点が725usである。以降、オペレーショナルアンプ82からの出力OPOUTがHighレベルとなり、PchMOSトランジスタ1がオフ状態とされて、昇圧用コンデンサC1のチャージ量が制限される。
昇圧コンデンサC1のチャージ量が制限され、昇圧コンデンサC1の両端の電位差が小さくなっていくと、いずれCMPIN_P<CMPIN_Nとなり、昇圧コンデンサC1へのチャージ量制限が無くなり、昇圧コンデンサC1へのチャージが開始され、昇圧コンデンサC1の両端の電位差が大きくなる。
前記の昇圧コンデンサC1へのチャージが行われたり、チャージが制限されたりして、昇圧コンデンサC1の両端の電位差が大きくなったり、小さくなったりを繰り返すことにより、電位差が一定に保たれようとする。
前記の昇圧コンデンサC1へのチャージが行われたり、チャージが制限されたりして、昇圧コンデンサC1の両端の電位差が大きくなったり、小さくなったりを繰り返すことにより、電位差が一定に保たれようとする。
図4は、図1のクロック生成回路5によって生成出力されるクロック信号CK1、CK1B、CK2およびCK2Bのタイミングを示す信号波形図である。
図4において、クロック信号CK1BはCK1を反転させた信号であり、クロック信号CK2BはCK2を反転させた信号である。また、クロック信号CK1Bはクロック信号CK2よりも立ち上がりタイミングが速く、立ち下りタイミングが遅くなるように生成出力される。
図4に示すクロック信号CK2がHighレベルでクロック信号CK2BがLowレベルである期間に、電圧入力部VINに入力電圧が印加されて昇圧用コンデンサC1に電荷がチャージされ、図1および図2に示すチャージ量制御回路8Aによって、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差が比較される。
図1および図2に示すチャージ量制御回路8Aにおいて、スイッチS1〜スイッチS8は、供給されるクロック信号がHighレベルでオン状態、Lowレベルでアクティブ状態とされている。
チャージ量制御回路8AのスイッチS1〜S8は、供給されるクロック信号がHighレベルでオフ状態とされ、Lowレベルでアクティブ状態(オン状態)とされる。昇圧用コンデンサC1のチャージ期間にはクロック信号CK2がHighレベルとなるため、チャージ量制御回路8Aによって昇圧用コンデンサC1のチャージ量が検出される。
CMPIN_P > CMPIN_Nとなった時点で、図1に示すPchMOSトランジスタ1のゲートにはHighレベルの制御信号CPOUTがOR演算回路9に供給され、この時点で昇圧用コンデンサC1への充電が停止される。
その停止期間中に、やがてCMPIN_P < CMPIN_Nとなると、チャージ量制御回路8Aからの出力制御信号CPOUTがLowレベルとなり、昇圧用コンデンサC1への充電が開始される。
この動作を繰り返すことにより、チャージポンプ方式昇圧回路10からの電圧出力部VOUTからの出力電圧として、リップル電圧が少ない安定した所望の出力信号を得ることができる。
上記表2に示すように、コンデンサCS1とコンデンサCS2の容量比を変えることによって、比較電圧を調整することが可能である。本実施形態では、コンデンサCS1の容量値を一定にして、コンデンサCS2の容量をスイッチ手段などの切り替え手段により切り替えることによって、比較電圧を変化させることが可能となる。また逆に、コンデンサCS2の容量値を一定にして、コンデンサCS1の容量をスイッチ手段などの切り替え手段により切り替えることによっても、比較電圧を変化させることが可能となる。
要するに、直列接続された二つのコンデンサCS1およびCS2の容量比を調整して、比較電圧を変化させて昇圧用コンデンサC1の両端の電位差を調整可能とする。この場合に、二つのコンデンサCS1およびCS2のうちの一方の容量値を一定にして、他方のコンデンサの容量を切り替え手段により切り替えて、比較電圧を変化させる。
図5(a)は、図1のチャージポンプ方式昇圧回路10の出力波形、図5(b)は、図1の昇圧用コンデンサC1の充放電波形をシミュレーションした結果を示す波形図である。
図5(a)および図5(b)に示すように、本実施形態1のチャージポンプ方式昇圧回路10では、昇圧用コンデンサC1の充放電波形Bは、図12(b)のように出力電圧Aを遥かに超えて6Vにはならず、チャージ量が制限されることによって5.5V以下となっていることが分かる。
図6(a)は、図1のチャージポンプ方式昇圧回路10の出力波形、図6(b)は、従来のチャージポンプ式昇圧回路200の出力波形を並べて示した図であり、図7(a)および図7(b)は、図6(a)および図6(b)のリップル電圧発生部分を拡大した図である。なお、図5、図6および図7において、横軸は時間、縦軸は電位Vを示している。
図6(a)および図7(a)に示すように、本実施形態1のチャージポンプ方式昇圧回路10では、図6(b)および図7(b)に示す従来のチャージポンプ方式昇圧回路200に比べて、電圧出力部VOUTの出力信号のリップル電圧がより小さく抑制されていることが分かる。
以上により、本実施形態1のチャージポンプ方式昇圧回路10によれば、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差を監視して、この両端の電位差が所望の電位差になるように、この電位差応じてチャージ量が制御されることによって、リップル電圧が小さく、安定した出力電圧を得ることができる。また、回路を構成するMOSトランジスタの最大動作電圧を超えることなくチャージポンプ方式昇圧回路10を容易に構成することが可能であるため、耐圧が高いランクのMOSトランジスタを使用する必要がなく、これによって、チップの回路占有面積が増大されることを抑制すると共にコストの増大をも抑制することができる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差がスイッチトキャパシタ手段により分圧され、この分圧された電位である比較電圧と基準電圧とがオペレーショナルアンプで比較されて制御信号が生成出力される場合について説明したが、本実施形態2では、昇圧用コンデンサC1の両端の電位が減算回路により減算処理され、減算回路からの出力電圧に対応した比較電圧と基準電圧とが別のオペレーショナルアンプで比較されて制御信号が生成出力される場合について説明する。
(実施形態2)
上記実施形態1では、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差がスイッチトキャパシタ手段により分圧され、この分圧された電位である比較電圧と基準電圧とがオペレーショナルアンプで比較されて制御信号が生成出力される場合について説明したが、本実施形態2では、昇圧用コンデンサC1の両端の電位が減算回路により減算処理され、減算回路からの出力電圧に対応した比較電圧と基準電圧とが別のオペレーショナルアンプで比較されて制御信号が生成出力される場合について説明する。
図8は、本実施形態2のチャージポンプ方式昇圧回路の要部構成例を示す回路図であり、図9は、図8のチャージポンプ方式昇圧回路におけるチャージ量制御回路の要部構成例を示す回路図である。なお、図8のチャージポンプ方式昇圧回路では、図1のチャージポンプ方式昇圧回路10におけるチャージ量制御回路8Aの代わりにチャージ量制御回路21を有している点が異なっている。
図9において、本実施形態2のチャージポンプ方式昇圧回路20におけるチャージ量制御回路21は、昇圧用コンデンサC1の両端の電位VIN_PおよびVIN_Nを減算する減算回路211と、この減算回路211からの出力電圧またはこの出力電圧に対応した電圧である比較電圧と基準電圧とを比較して制御信号を生成出力する第2比較回路としてのオペレーショナルアンプ212とを有している。
減算回路211は、抵抗器R1およびR2とオペレーショナルアンプ211aとから構成される代表的な減算回路である。この減算回路211は、昇圧用コンデンサC1の一方端C1Pおよび他方端C1Nにそれぞれ,各抵抗器R1、R1をそれぞれ介して、オペレーショナルアンプ211aの一方の−入力部および他方の+入力部にそれぞれ接続されている。このオペレーショナルアンプ211aの一方の−入力部とその出力部とは他の抵抗器R2を介して帰還接続され、また、オペレーショナルアンプ211aの他方の入力部+と接地電位出力端とがさらに他の抵抗器R2を介して接続されている。
オペレーショナルアンプ212は、一方の+入力部に減算回路211を構成するオペレーショナルアンプ211aからの出力OPOUTを、直列接続された二つの抵抗器R3および抵抗器R4によって抵抗分圧された比較電圧VCMPが入力され、他方の−入力部に基準電圧VREFが入力されている。このオペレーショナルアンプ212では、減算回路211の出力電圧OPOUTを抵抗器R3およびR4により分圧された比較電圧VCMPと基準電圧生成回路9からの出力電圧である基準電圧VREFとの大小関係が比較され、その比較結果がPchMOSトランジスタ1のゲート(制御端)をオンオフ制御してチャージ量を制御する制御信号CPOUTとして出力される。
上記構成により、以下に、本実施形態2のチャージポンプ方式昇圧回路20の動作について説明する。
図8に示すチャージ量制御回路21において、二つの入力電圧VIN_PとVIN_Nの電位差OPOUTは、次の[数1]のように、一般に、
OPOUT=(VIN_P - VIN_N) ・・・式(6)
となり、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差を求めることが可能となる。
OPOUTとグランド(接地電位0V)間に直列接続された抵抗器R3と抵抗器R4によってOPOUTを抵抗分圧させた比較電圧VCMPの大小関係を比較する際に、VCMP>VREFである場合には、オペレーショナルアンプ212の出力電圧はHighレベルとなり、昇圧用コンデンサC1への充電が停止されることになる。
その停止期間中に、やがてVCMP<VREFとなると、オペレーショナルアンプ212の出力電圧がLowレベルとなり、PchMOSトランジスタ1のゲートがON状態とされて、昇圧用コンデンサC1への充電が開始される。
この動作を繰り返すことにより、チャージポンプ方式昇圧回路20からの電圧出力部VOUTからの出力電圧として、リップル電圧が少ない安定した出力信号を得ることができる。さらに、抵抗器R3およびR4のうちの少なくともいずれかを可変とすることにより、チャージポンプ方式昇圧回路20から出力される電圧レベルを調整することができる。
要するに、減算回路211の出力端に分割抵抗部としての抵抗器R3およびR4が直列に設けられ、この分割抵抗部によって分割された分割電圧を比較電圧として第2比較回路であるオペレーショナルアンプ212の一方入力部に供給する。この分割抵抗部は、その抵抗比率を可変することによりオペレーショナルアンプ212の比較電圧としての分割電圧を所定の電圧値に調整して所望の出力電圧に調整することができる。
以上により、上記実施形態1,2によれば、チャージ量制御回路8Aまたは21によって昇圧用コンデンサC1の両端の電位差を監視し、その電位差に応じて所望の出力電圧値になるように昇圧用コンデンサC1のチャージ量を制御する。例えば、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差をスイッチトキャパシタ手段により分圧し、分圧された電位と基準電圧とを第1比較回路により比較する。または、昇圧用コンデンサC1の両端の電位を減算回路により減算処理し、減算回路からの出力と基準電圧とを第2比較回路により比較する。この第1比較回路または第2比較回路からの出力信号CPOUTにより、昇圧用コンデンサC1への充電を制御するPchMOSトランジスタ1(第1トランジスタ手段)が制御される。これによって、チャージポンプ方式昇圧回路10または20において、昇圧用コンデンサC1のチャージ量を制御してリップル電圧を抑制すると共に、回路を構成しているトランジスタ手段の耐圧を超えることを防いで、所望の出力電圧を出力させることができる。
なお、上記実施形態1,2では、特に説明しなかったが、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差を監視し、この両端の電位差に応じて、昇圧用コンデンサC1のチャージ量を制御するチャージ量制御回路8Aまたは21を有すれば、昇圧用コンデンサC1のチャージ量を制御してリップル電圧を抑制すると共に、回路を構成しているMOSトランジスタの耐圧を超えることを防ぎ、所望の出力電圧を出力することができる本発明の目的を達成することができる。
また、上記実施形態1,2では、特に説明しなかったが、本発明の上記チャージポンプ回路10または20を用いて複数種類の駆動電圧を生成出力可能として撮像処理を行う固体撮像装置を構成することもできる。また、本発明の上記チャージポンプ回路10または20を用いて複数種類の表示駆動電圧のソース基準電圧や、通常の5V電源電圧の他に、バックライト用LEDドライバの例えば15V電源電圧などとして生成して液晶表示を行う液晶表示装置を構成することもできる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態1,2を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1,2に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1,2の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、電源電圧などの電圧を昇電圧可能とするチャージポンプ方式昇圧回路であるチャージポンプ回路、このチャージポンプ回路を用いて複数種類の駆動電圧を生成出力する固体撮像装置および液晶表示装置の分野において、チャージポンプ回路において、昇圧用コンデンサC1の両端の電位差に応じてチャージ量が制御されることによって、リップル電圧が小さく、安定した出力電圧を得ることができる。
また、回路を構成するトランジスタ手段の最大動作電圧を超えることなくチャージポンプ回路を構成することが可能であるため、耐圧が高いトランジスタ手段を使用する必要がなく、チップの回路占有面積が増大するのを抑制することができる。
1、2、3 PchMOSトランジスタ
4 NchMOSトランジスタ
5 クロック生成回路
6a、6b、6c、6d クロックドライバ
7 負荷
8A、21 チャージ量制御回路
8B 基準電圧生成回路
81 スイッチトキャパシタ手段
82、211a、212 オペレーショナルアンプ(オペレーショナルアンプ手段)
83 インバータ
84 NAND回路
211 減算回路
9 OR演算回路
10、20 チャージポンプ方式昇圧回路(チャージポンプ回路)
C1 昇圧用コンデンサ
C2、CS1、CS2、CS3 コンデンサ
R1、R2、R3、R4 抵抗器
CK1、CK1B、CK2、CK2B クロック信号
S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7 スイッチ(スイッチ手段)
4 NchMOSトランジスタ
5 クロック生成回路
6a、6b、6c、6d クロックドライバ
7 負荷
8A、21 チャージ量制御回路
8B 基準電圧生成回路
81 スイッチトキャパシタ手段
82、211a、212 オペレーショナルアンプ(オペレーショナルアンプ手段)
83 インバータ
84 NAND回路
211 減算回路
9 OR演算回路
10、20 チャージポンプ方式昇圧回路(チャージポンプ回路)
C1 昇圧用コンデンサ
C2、CS1、CS2、CS3 コンデンサ
R1、R2、R3、R4 抵抗器
CK1、CK1B、CK2、CK2B クロック信号
S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7 スイッチ(スイッチ手段)
Claims (20)
- 入力電圧を所定の周期で昇圧用コンデンサに充放電させて、該入力電圧よりも高電圧の所定の出力電圧を得るチャージポンプ回路において、
該昇圧用コンデンサの両端の電位差を監視し、当該電位差に応じて、該所定の出力電圧を得るように該昇圧用コンデンサのチャージ量を制御するチャージ量制御回路を有するチャージポンプ回路。 - 前記所定の出力電圧は、前記昇圧用コンデンサの両端の電位差に前記入力電圧を加えた電圧である請求項1に記載のチャージポンプ回路。
- 前記昇圧用コンデンサを充放電させるために、電圧入力部と電圧出力部との間に直列接続され、その接続部が該昇圧用コンデンサの一方端に接続された第1トランジスタ手段および第2トランジスタ手段と、該電圧入力部と接地電位出力端との間に直列接続され、その接続部が該該昇圧用コンデンサの他方端に接続された第3トランジスタ手段および第4トランジスタ手段とを有する請求項1または2に記載のチャージポンプ回路。
- 所定の周期で前記昇圧用コンデンサを充放電させるために、前記第1トランジスタ手段〜第4トランジスタ手段を制御するクロック信号を生成出力するクロック信号生成回路をさらに有する請求項3に記載のチャージポンプ式昇圧回路。
- 前記チャージ量制御手段からの制御信号と前記クロック信号生成回路からのクロック信号とが入力されてOR演算されるOR演算回路をさらに有し、該OR演算回路からの出力信号により前記第1トランジスタ手段がオンオフ制御される請求項4に記載のチャージポンプ回路。
- 前記チャージ量制御手段は、前記第1トランジスタ手段をオンオフ制御することにより、前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を所望の電圧差に制御する請求項3または5に記載のチャージポンプ回路。
- 前記チャージ量制御手段は、前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を分圧させるスイッチトキャパシタ手段と、該スイッチトキャパシタ手段で分圧された電位差である比較電圧と基準電圧とを比較して、該昇圧用コンデンサのチャージ量制御用の制御信号を生成出力する第1比較回路とを有する請求項1または6に記載のチャージポンプ回路。
- 前記スイッチトキャパシタ手段は、二つのコンデンサが直列接続され、直接接続された二つのコンデンサの一方側にスイッチ手段を介して前記昇圧用コンデンサの一方端が接続され、該直接接続された二つのコンデンサの他方側に別のスイッチ手段を介して該昇圧用コンデンサの他方端が接続されている請求項7に記載のチャージポンプ回路。
- 前記第1比較回路は、一方の入力部に前記スイッチトキャパシタ手段により前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を分圧させた比較電圧が入力され、他方の入力部に基準電圧が入力されるオペレーショナルアンプを有し、該オペレーショナルアンプを通して前記制御信号が生成出力される請求項7または8に記載のチャージポンプ式昇圧回路。
- 前記スイッチトキャパシタ手段は、前記直列接続された二つのコンデンサの容量比を調整して、前記比較電圧を変化させて前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を調整可能とする請求項7または9に記載のチャージポンプ式昇圧回路。
- 前記二つのコンデンサのうちの一方の容量値を一定にして、他方のコンデンサの容量を切り替え手段により切り替えて、前記比較電圧を変化させる請求項10に記載のチャージポンプ式昇圧回路。
- 前記チャージ量制御手段は、前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を減算処理する減算回路と、該減算回路からの出力電圧またはこれに対応した電圧である比較電圧と基準電圧とを比較して、該昇圧用コンデンサのチャージ量制御用の制御信号を生成出力する第2比較回路とを有する請求項1に記載のチャージポンプ回路。
- 前記減算回路は、前記昇圧用コンデンサの一方端および他方端にそれぞれ、各抵抗器をそれぞれ介して、オペレーショナルアンプの二つの入力部がそれぞれ接続され、該オペレーショナルアンプの一方の入力部と出力部が別の抵抗器を介して帰還接続され、該オペレーショナルアンプの他方の入力部と接地電位出力端とがさらに別の抵抗器を介して接続されている請求項12に記載のチャージポンプ回路。
- 前記第2比較回路は、一方の入力部に前記減算回路を構成するオペレーショナルアンプからの出力電圧が抵抗分圧されて比較電圧として入力され、他方の入力部に基準電圧が入力される別のオペレーショナルアンプを有し、該別のオペレーショナルアンプにより前記制御信号が生成出力される請求項12または13に記載のチャージポンプ回路。
- 前記減算回路の出力端に分割抵抗部が設けられ、該分割抵抗部によって分割された分割電圧を前記比較電圧として前記第2比較回路に供給する請求項12または14に記載のチャージポンプ式昇圧回路。
- 前記分割抵抗部の抵抗比率を変化させることにより比較電圧としての分割電圧を調整して前記昇圧用コンデンサの両端の電位差を調整可能とする請求項15に記載のチャージポンプ式昇圧回路。
- 前記基準電圧を生成する基準電圧生成回路をさらに有する請求項7,9,12および14のいずれかに記載のチャージポンプ回路。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のチャージポンプ回路を用いて複数種類の駆動電圧を生成して撮像を行う固体撮像装置。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のチャージポンプ回路を用いて複数種類の駆動電圧を生成して液晶表示を行う液晶表示装置。
- 前記複数種類の駆動電圧は、表示駆動電圧のうちのソース基準電圧および/またはバックライト用LEDドライバの電源電圧である請求項19に記載の液晶表示装置。
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2007
- 2007-05-10 JP JP2007126100A patent/JP2008283794A/ja not_active Withdrawn
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