JP2008283392A - 補間画素生成回路 - Google Patents

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慎 新井
Koichi Sato
耕一 佐藤
Yasuhiro Hori
靖広 堀
Hirohiko Ando
裕彦 安藤
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Abstract

【課題】透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像にスケーリング処理を行う場合に、ノイズやボケの発生がなく、画質劣化の少ない補間画素生成回路を提供することである。
【解決手段】透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像にスケーリング処理を行い、スケーリング倍率に応じて生成されるスケーリング補間位置を中心として、隣接する画素間に補間画素を生成する補間画素生成回路であって、スケーリング補間位置を中心として隣接するスケーリング処理前の画素データのうち少なくとも2つの画素データの透明度データに基づいて、スケーリング補間に使用する画素データを選択する補間画素選択手段17と、この補間画素選択手段17にて選択されたスケーリング処理前の画素データから補間画素データを生成する補間画素生成手段4Aと、を備えて構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像の拡大又は縮小を行うスケーリング処理において補間画素を生成する補間画素生成回路に関し、特に透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像にスケーリング補間を行う補間画素生成回路に関する。
近年、テレビ受像機やコンピュータなどの表示装置には、液晶表示装置、プラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイが用いられている。このようなディスプレイでは、画面サイズに応じた解像度(画素数)を有しており、表示すべき画素データの解像度(画素数)をパネルの解像度に合わせるスケーリング処理(画像サイズ変換)が行われる。スケーリング処理では、画素間に新たな画素を生成する技術(補間という)を用いることによって、画像の拡大及び縮小(画素数の増加及び減少)を実現している。
従来、透明度データを有する文字画像を含んだ画像にスケーリング処理を行う画像処理において、補間画素を生成する方法として、生成する補間位置に隣接する上下左右の画素を使用して補間する、図7に示すようなスケーリング処理回路が知られている。
図7は従来例の補間画素生成回路10のブロック図であり、図8は図7のスケーリング処理前後の文字画像を示す図である。補間画素生成回路10へは、入力画素データとして階調レベル(例えば0〜255)を持った色データ(例えばR,G,Bの3つのデータ)と、数値(例えば0〜255)の大きさによって不透明度を表す透明度データ(Tとする)が入力される。これらの4つのデータはそれぞれ同様な構成の4つのスケーリング処理回路部11〜14に供給されて、スケーリング補間処理され、スケーリング出力画素データ(T,R,G,B)として出力される。
各スケーリング処理回路部は、入力される画素データを1ライン分保持するラインメモリ1と、このラインメモリ1で保持された1ライン分の画素データをさらに1ライン遅延するためのラインメモリ2と、ラインメモリ1からの画素データとラインメモリ2からの隣接する1ライン前の画素データとを順次取り込んで格納する隣接画素格納回路3と、水平方向に関しては1つの走査線上において隣接する左右の2つの画素を参照画素(補間画素を生成するために画素値が参照される画素)とし、その2つの参照画素の各画素値に補間位置の水平方向位置と各画素との距離に関連した補間係数を掛けて足し合わせることによって水平補間位置の第1の補間画素値を算出し、かつ垂直方向に関しては上下に隣接する2つの走査線における上下の2つの画素(水平補間された画素も含めて)を参照画素として2つの参照画素の各画素値に補間位置の垂直方向位置と各画素との距離に関連した補間係数を掛けて足し合わせることによって垂直補間位置の最終的な補間画素値を算出して、スケーリング出力画素データとして出力する補間処理回路4と、補間位置生成回路15からのスケーリング倍率に応じてせいせいされる2つの参照画素間における補間位置を順次入力し、各参照画素と補間位置との距離に関連した重み付けの係数としての補間係数を生成する補間係数生成回路5とを備えている。
このような構成によって、各スケーリング処理回路部は、スケーリング倍率に応じて水平,垂直の各方向に画像を拡大/縮小するスケーリング処理を行う。
しかしながら、従来の図7のスケーリング処理回路部による補間画素生成回路では、補間位置を中心にして予め決められた上下の参照画素又は左右の参照画素のみを用いて補間画素を生成するスケーリング補間処理により、図8(a)のスケーリング処理前と図8(b)のスケーリング処理後の文字画像に示されるように、文字の斜め線のエッジ部分にジャギーと呼ばれるノイズの発生や、文字の横線または縦線のエッジがボケてしまい、画質が劣化する問題がある。なお、図8(b)は図8(a)の元画像に対して垂直方向に6倍また水平方向に2.5倍に伸長した例を示している。
図9は他の従来例の絵柄適応の補間画素生成回路10Aのブロック図であり、図10は図9の従来例の問題点を説明する図である。図7と異なる部分には異なる符号を付してある。この補間画素生成回路は、特許文献1に同様な回路が開示されている。補間画素生成回路10Aへは、入力画素データとして階調レベル(例えば0〜255)を持った色データ(例えばR,G,Bの3つのデータ)と、数値(例えば0〜255)の大きさによって不透明度を表す透明度データ(Tとする)が入力される。透明度データTは、スケーリング処理回路部11に供給されて、スケーリング補間処理(1ライン上の左右画素又は2ライン間の上下画素を参照画素として補間処理)され、スケーリング出力画素データTとして出力される。3つのR,G,Bデータはそれぞれ同様な構成の3つのスケーリング処理回路部12A〜14Aに供給されて、スケーリング補間処理され、スケーリング出力画素データR,G,Bとして出力される。
3つのスケーリング処理回路部12A〜14Aの各スケーリング処理回路部は、入力される画素データを1ライン分保持するラインメモリ1と、このラインメモリ1で保持された1ライン分の画素データをさらに1ライン遅延するためのラインメモリ2と、ラインメモリ1からの画素データとラインメモリ2からの隣接する1ライン前の画素データとを順次取り込んで格納する隣接画素格納回路3と、隣接画素格納回路3からの隣接する上下2つの走査線の各々に存在する複数の実画素における、補間位置を中心として画像の上下方向または斜め方向に位置する実画素の組み合わせのうち、最も相関の高い実画素の組み合わせを検出し、この検出結果を相関判定結果として出力する画素相関判定回路6と、隣接画素格納回路3に格納された実画素のうちから、画素相関判定回路6で検出された相関判定結果に基づき、最も相関の高い実画素の組み合わせを選択する補間画素選択回路7と、補間画素選択回路7からの選択された画素の組み合わせを入力し、水平方向に関しては1つの走査線上において隣接する左右の2つの画素を参照画素とし、その2つの参照画素の各画素値に補間位置の水平方向位置と各画素との距離に関連した補間係数を掛けて足し合わせることによって水平補間位置の第1の補間画素値を算出し、かつ垂直方向に関しては上下に隣接する2つの走査線における上下方向又は斜め方向の2つの画素(水平補間された画素も含めて)を参照画素とし、2つの参照画素の各画素値に補間位置の垂直方向位置と各画素との距離に関連した補間係数を掛けて足し合わせることによって垂直補間位置の最終的な補間画素値を算出して、スケーリング出力画素データとして出力する補間処理回路4Aと、補間位置生成回路15からのスケーリング倍率に応じて生成される2つの参照画素間における補間位置を順次入力し、各参照画素と補間位置との距離に関連した重み付けの係数である補間係数を生成する補間係数生成回路5とを備えている。
このような構成によって、スケーリング倍率に応じて生成する補間位置を中心として上下方向及び斜め方向の隣接する2つの画素データの振幅による相関判定処理を行い、相関判定結果により補間に使用する画素データを選択して、補間画素を生成する絵柄相関スケーリング処理回路を構成している。
図10(a)は、文字画像A(‘9’の部分A-1は白縁も含めて不透明、それ以外の部分A-2は透明)に背景となる黒色画像Bを合成して得られた画像である。図10(b)は、文字画像Aの‘9’の部分の右上肩部分(○で囲んだ部分)を拡大し、かつその拡大部分の画素データを色データと透明度データに分けてそれぞれの階調レベル及び不透明度を数字で示したものである。
符号E1,E2,E3は走査線L1上の画素を示し、F1,F2,F3は走査線L2上の画素を示し、▲で示すXは走査線L1,L2間に設定される補間位置を示し、Mは補間位置Xを含む補間ライン示し、M2は補間位置Xでの補間画素を示している。
図10(b)において、文字画像の白縁相当部分(E1,F2,F3)及び左下部分の文字黒色部分(F1)の一部については、不透明部分であるため、透明度データは不透明度255となっており、右上の背景相当の黒色部分(文字部分以外の部分E2,E3)については、本来透明部分であるため、透明度データは不透明度0となっている。また、色データについては、文字画像部分の白縁部分(E1,F2,F3)は階調レベル255又は254であり左下の文字黒色部分(F1)は階調レベル0となっており、右上の文字部分以外の背景黒色部分(E2,E3)は階調レベル0となっている。
しかしながら、従来の図9の絵柄適応スケーリング処理回路部による補間画素生成回路では、画素データとして色データを用い、その色データの値による相関判定が行われるため、透明度データを有する文字画像を含んだ画像のスケーリング処理において、図10(b)の補間位置Xでは文字画素データ(E1,F3)同士で補間処理を行うべきところを、補間位置Xを通過する同一直線上の隣接画素の組合せ(E1,F3)(E2,F2)(E3,F1)のうちで色データについて(E3,F1)が最も相関が高いと判定される結果、図10(c)のように文字画素(F1)データと文字以外の画素(E3)データとの間で補間処理が行われてしまい、誤判定によるノイズ及びボケが発生し、画質が劣化する問題がある。
特開2005−192005号公報
そこで、本発明は上記の問題に鑑み、透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像にスケーリング処理を行う場合に、ノイズやボケの発生がなく、画質劣化の少ない補間画素生成回路を提供することを目的とするものである。
本願発明の一態様によれば、透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像にスケーリング処理を行い、スケーリング倍率に応じて生成されるスケーリング補間位置を中心として、隣接する画素間に補間画素を生成する補間画素生成回路であって、スケーリング補間位置を中心として隣接するスケーリング処理前の画素データのうち少なくとも2つの画素データの透明度データに基づいて、スケーリング補間に使用する画素データを選択する補間画素選択手段と、前記補間画素選択手段にて選択されたスケーリング処理前の画素データから補間画素データを生成する補間画素生成手段と、を具備したことを特徴とする補間画素生成回路が提供される。
本願発明の他の態様によれば、透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像と、別の少なくとも1つの画像とを前記透明度データを合成係数として合成処理を行い、合成処理後の画像にスケーリング処理を行い、スケーリング倍率に応じて生成されるスケーリング補間位置を中心として、隣接する画素間に補間画素を生成する補間画素生成回路であって、スケーリング補間位置を中心として隣接する合成処理前の画素データのうち少なくとも2つの画素データの透明度データに基づいて、スケーリング補間に使用する合成処理後の画素データを選択する補間画素選択手段と、前記補間画素選択手段にて選択されたスケーリング処理前の画素データから補間画素データを生成する補間画素生成手段と、を具備したことを特徴とする補間画素生成回路が提供される。
本発明によれば、透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像にスケーリング処理を行う場合に、ノイズやボケの発生がなく、画質劣化の少ない補間画素生成回路を提供することができる。
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の補間画素生成回路のブロック図であり、図2は図1のスケーリング補間処理を説明する図である。補間画素生成回路100の各回路部につき、図7又は図9と同一機能を有する部分には同一符号を付して説明する。
図1において、補間画素生成回路100へは、入力画素データとして階調レベル(例えば0〜255)を持った色データ(例えばR,G,Bの3つのデータ)と、数値(例えば0〜255)の大きさによって不透明度を表す透明度データTが入力される。透明度データTは、スケーリング処理回路部21に供給されて、スケーリング補間処理(例えば、補間位置を中心として2ライン間の上下方向又は斜め方向の選択された2つ画素を参照画素として補間処理)され、スケーリング出力画素データTとして出力される。3つのR,G,Bデータはそれぞれ同様な構成の3つのスケーリング処理回路部22〜24に供給されて、スケーリング補間処理され、スケーリング出力画素データR,G,Bとして出力される。
スケーリング処理回路部21とスケーリング処理回路部22〜24とは、スケーリング処理回路部21のみが文字判定回路16を備えており、その点でのみスケーリング処理回路部21は、他の3つのスケーリング処理回路部22〜24の構成と異なっている。ただし、スケーリング処理回路部21内の文字判定回路16で文字判定した結果が、4つのスケーリング処理回路部21〜24内のそれぞれの補間画素選択回路17に供給される構成となっている。
文字判定回路16は、画素の透明度データを入力し、任意に指定可能な透明度閾値を用いて閾値以上であれば文字画素、閾値より小さい場合は非文字画素と判定するものである。換言すれば、閾値以上である画素は不透明度が高いことを意味し、閾値より小さい画素は不透明度が低い(即ち透明度が高い)ことを意味している。
なお、補間位置生成回路15は、予めユーザーが指定したスケーリング倍率、或いは、画素がドットマトリクス形式に配置された液晶表示装置等の平面ディスプレイについて言えばディスプレイが予め有する解像度にて規定される所定のスケーリング倍率に応じて決定される、スケーリング補間位置を位置信号として出力するものである。
各スケーリング処理回路部は、入力される画素データを1ライン分保持するラインメモリ1と、このラインメモリ1で保持された1ライン分の画素データをさらに1ライン遅延するためのラインメモリ2と、ラインメモリ1からの画素データとラインメモリ2からの隣接する1ライン前の画素データとを順次取り込んで格納する隣接画素格納回路3と、スケーリング補間位置を中心として、隣接する元画素データのうち少なくとも2つの画素データの透明度データに基づいて、補間に使用する画素を選択する補間画素選択回路17と、補間画素選択回路17により選択された画素データから補間画素データを生成するものであって、選択された画素データと、補間位置に応じて重み付けされた補間係数から補間画素データを生成する補間画素生成手段としての補間処理回路4Aと、補間位置生成回路15からのスケーリング倍率に応じて生成される少なくとも2つの参照画素間における補間位置を入力し、各参照画素と補間位置との距離に関連した重み付けの係数である補間係数を生成する補間係数生成回路5とを備えている。
ここで、隣接する元画素データとは、水平方向では1つの走査線上において設定されるスケーリング補間位置を中心として隣接する左右の2つの隣接画素データ、或いは、垂直方向では隣接する上下の2本の走査線上に存在する複数の画素(水平補間された画素も含めて)のうち、走査線間に設定されるスケーリング補間位置を中心としてその補間位置を通過する同一直線上にある隣接画素データを指している。
補間画素選択回路17は、文字判定回路16の判定結果を用いて、補間位置と同一直線上にある隣接画素データの組合せの中で、文字画素同士の組合せの少なくとも2つの画素データを選択する。また、文字画素と非文字画素が混在して文字画素同士の組合せが無い場合は、補間位置に最も近い1つの画素を選択し、隣接する画素が全て非文字画素であった場合は、非文字画素同士の組合せの少なくとも2つの画素を選択する。なお、補間画素選択回路17で選択する相関の高い隣接画素としては2つ以上の画素であってもよい。
補間画素生成手段である補間処理回路4Aは、補間画素選択回路17からの選択された画素の組み合わせを入力し、水平方向に関しては1つの走査線上において隣接する左右の2つの画素を参照画素とし、その2つの参照画素の各画素値に補間位置の水平方向位置と各画素との距離に関連した補間係数を掛けて足し合わせることによって補間位置の第1の補間画素値を算出し、かつ垂直方向に関しては上下に隣接する2つの走査線における上下方向又は斜め方向の2つの画素(水平補間された画素も含めて)を参照画素とし、2つの参照画素の各画素値に補間位置の垂直方向位置と各画素との距離に関連した補間係数を掛けて足し合わせることによって補間位置の最終的な補間画素値を算出して、スケーリング出力画素データとして出力する。
図2(a)は、文字画像A(‘9’の部分は白縁も含めて不透明、それ以外は透明)に背景となる黒色画像Bを合成して得られた画像である。図2(b)は、文字画像Aの‘9’の部分の右上肩部分(○で囲んだ部分)を拡大し、かつその拡大部分の画素データを色データと透明度データに分けてそれぞれの階調レベル及び不透明度を数字で示したものである。
図10の場合と同様に、符号E1,E2,E3は走査線L1上の画素を示し、F1,F2,F3は走査線L2上の画素を示し、▲で示すXは走査線L1,L2間に設定される補間位置を示し、Mは補間位置Xを含む補間ライン示し、M2は補間位置Xでの補間画素を示している。
図2(b)で、透明度データは、文字画像の白縁相当部分(白色画素E1,F2,F3)及び左下部分(黒色画素F1)の文字画像の一部分については、不透明部分であるため最大の不透明度255となっており、右上部分の背景相当部分(文字部分以外の画素E2,E3)については、本来透明部分であるため透明を示す不透明度0となっている。また、色データについては、文字画像部分の白色部分(E1,F2,F3)は階調レベル255又は254(階調レベル254の画素は右下画素F3)であり左下の黒色部分(F1)は階調レベル0となっており、右上の文字部分以外の黒色部分(E2,E3)は階調レベル0となっている。
本実施形態では、各画素の色データの値による相関判定が行われることがなく、各画素(E1,E2,E3,F1,F2,F3)の透明度データの不透明度の大小を閾値S(例えばS=1)と比較することにより、不透明度が高く閾値以上の文字画素(E1,F1,F2,F3)と不透明度が閾値より低い非文字画素(E2,E3)とに判別して区分し、補間位置Xと同一直線上にある隣接画素データの組合せ(E1,F3)(E2,F2)(E3,F1)の中で、上下方向又は斜め方向の2つの画素がいずれも文字画素であれば、その2つの画素(E1,F3)の画素データが選択される。そして、図2(c)のように文字画素(E1,F3)の画素データ同士で補間処理が行われる結果、図2(a)の実際の文字画像内容に即した補間が実行されることになる。
なお、図2(b)の画素F3は白色画素であるが、最大階調レベル255(画素E1及びF2のレベルに等しい)より小さいレベル254となっている。しかしながら、本実施形態の相関判定は、色データの階調レベルの大小には関係なく、透明度データの大小に応じた文字・非文字判定に基づいているので、文字画像の正しい相関判定を行うことが可能となっている。
次に、図1の補間画素生成回路において、文字画像の3種類の入力画素データの場合の実施例(以下の実施例1〜3)のそれぞれの補間画素生成(例えば図2と同様に6画素を使用する例)について、図3乃至図5を参照して説明する。
(実施例1)
図3(a)〜(c)は実施例1の補間画素生成例を示している。
生成する補間位置(図3(a)のX)に隣接する6画素(図3(a)のE1,E2,E3,F1,F2,F3)の透明度データを、閾値S(例えばS=1)を用いて閾値以上であれば文字画素、閾値より小さい場合は非文字画素と判定する。なお、S=1ということは全く透明(不透明度0)のときだけ非文字と判定し、少しでも文字成分があるところは文字として扱うことを意味している。実際には、表示される画像を見ながら閾値Sを1より大きく設定してもよい。以下では、画素E1,E2,E3,F1,F2,F3の画素データも同様にE1,E2,E3,F1,F2,F3で表し、補間位置Xに生成される補間画素M2の補間画素データについてもM2と表すことにする。
補間位置と同一直線上にある隣接画素データの組合せ(図3(b)のA,B,C)の中で、文字画素同士の組合せAの画素データE1, F3を選択する。
選択された画素データE1,F3と補間位置Xに応じて重み付けされた補間係数K0を使用し、以下の式で補間画素データ(図3(c)のM2)を生成する。
補間画素データM2=(データE1*係数K0)+(データF3* (1−係数K0))
ここで、*は乗算、0<K0<1である。
なお、補間係数K0は、スケーリングの拡大、縮小の倍率によって決まる補間位置Xに基づいて決定される。実際には、補間位置Xに応じた補間係数のテーブルを用意しておき、その係数テーブルを参照して決定している。
(実施例2)
図4(a)〜(c)は実施例2の補間画素生成例を示している。
生成する補間位置(図4(a)のX)に隣接する6画素(図4(a)のE1,E2,E3,F1,F2,F3)の透明度データを、閾値S(例えばS=1)を用いて閾値以上であれば文字画素、閾値より小さい場合は非文字画素と判定する。
補間位置と同一直線上にある隣接画素データの組合せ(図4(b)のA,B,C)の中で、文字画素を含み文字画素同士の組合せが無いため、最も近い位置(例えば、上下の画素について同等の場合は上の画素としてある)にある画素データE2,E2を選択する。
選択された画素データE2,E2と補間位置に応じて重み付けされた補間係数K0を使用し、以下の式で補間画素データ(図4(c)のM2)を生成する。
補間画素データM2=(データE2*係数K0)+(データE2*(1−係数K0))
(実施例3)
図5(a)〜(c)は実施例3の補間画素生成例を示している。
生成する補間位置(図5(a)のX)に隣接する6画素(図5(a)のE1,E2,E3,F1,F2,F3)の透明度データを、閾値S(例えばS=1)を用いて閾値以上であれば文字画素、閾値より小さい場合は非文字画素と判定する。
全てが非文字画素であるため、最も近い位置にある2つの画素データE2, F2を選択する。
選択された画素データE2,F2と補間位置に応じて重み付けされた補間係数K0を使用し、以下の式で補間画素データ(図5(c)のM2)を生成する。
補間画素データM2=(データE2*係数K0)+(データF2*(1−係数K0))
以上の図2乃至図5の説明では、元画像を垂直方向に2倍に伸長する際のスケーリング補間処理について説明したが、任意の補間位置を生成する場合についても、図2乃至図5の画素E1,E2,E3,F1,F2,F3の中間に位置する補間位置Xにおける隣接画素の相関判定結果を用いて補間画素を生成する事で、水平方向及び垂直方向に任意な倍率のスケーリング処理が可能である。
以上述べたように第1の実施形態によれば、スケーリング処理において、透明度データにより文字画素と文字以外の非文字画素を識別して、補間に使用する画素を適切に選択できる結果、ノイズやボケの発生がなく、画質劣化の少ないスケーリング画像を得ることが可能となる。
なお、以上述べた第1の実施形態の補間画素生成回路では、透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像をスケーリング補間処理する場合について説明したが、次に透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像を、他の画像と合成処理を行った後にスケーリング補間処理を行う場合について説明する。
[第2の実施形態]
図6は本発明の第2の実施形態の補間画素生成回路のブロック図を示している。補間画素生成回路100Aの各回路部につき、図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
図6において、補間画素生成回路100Aへは、画像データとして、透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像の入力画素データAと、他の画像(例えば背景画像)の画素データ(合成対象画素データという)Bとを合成処理回路110で合成処理した合成画素データが入力される。入力画素データAとしては、階調レベル(例えば0〜255)を持った色データ(例えばR,G,Bの3つのデータ)と、数値(例えば0〜255)の大きさによって不透明度を表す透明度データTが入力される。合成対象画素データBとしては、階調レベル(例えば0〜255)を持った色データ(例えばR,G,Bの3つのデータ)が入力される。
入力画素データ(A)を1ライン分保持するラインメモリ1Aと、この保持した画素データを更に1ライン遅延するラインメモリ2Aと、ラインメモリ1A,2Aからの上下に隣接する2ライン分の画素データを同時に取り込んで、画素データの透明度データに基づいて文字判定を行う文字判定回路16Aを設けている。
文字判定回路16Aは、画素の透明度データを入力し、任意に指定可能な透明度閾値を用いて閾値以上であれば文字画素、閾値より小さい場合は非文字画素と判定する。
合成処理回路110から出力された透明度データTは、スケーリング処理回路部21Aに供給されて、スケーリング補間処理(例えば、補間位置を中心として2ライン間の上下方向又は斜め方向の選択された2つの画素を参照画素として補間処理)され、スケーリング出力画素データTとして出力される。3つのR,G,Bデータはそれぞれスケーリング処理回路部21Aと同様な構成の3つのスケーリング処理回路部22〜24に供給されて、スケーリング補間処理され、スケーリング出力画素データR,G,Bとして出力される。
4つのスケーリング処理回路部21A及び22〜24内のそれぞれの補間画素選択回路17には、文字判定回路16で文字判定した判定結果が供給される構成となっている。
その他の構成は、図1と同様である。
以上の構成では、透明度データTを有する入力画素データAと透明度データTを有しない合成対象画素データBを合成した合成画素データの値(A+B)は、画素データA,Bの値をそれぞれA,Bとし、透明度データTの値をαとすると、
A+B=A×α+B×(1−α)
と表される。ここで、0≦α≦1である。
上記のように2つの画素データA,Bを合成すると、画素データAに含まれる元の文字画像が判定し難くなるので、合成処理前の入力画素データAについて文字か非文字かの文字判定を文字判定回路16Aにて行っておく。
そして、合成画素データが補間画素生成回路100Aに入力される。ラインメモリ1,2で取得した隣接する上下2ライン分の画素データが隣接画素格納回路3に同時に格納される。補間画素選択回路17では、隣接画素格納回路3に格納されている画素データの中から、文字判定回路16Aによる文字判定結果に基づいて、スケーリング補間に使用する相関の高い画素データを選択する。相関の高い画素データとしては、例えば、スケーリング補間位置を通過する同一直線上にある隣接画素データの組合せの中で、文字画素同士の組合せとなる2つの画素データが選択される。補間画素生成手段としての補間処理回路4Aでは、選択された2つの文字画素データから補間画素データを生成する。なお、補間画素選択回路17で選択する相関の高い隣接画素としては2つ以上の画素であってもよい。
以上の第2の実施形態によれば、透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像を、他の画像と合成処理を行った後にスケーリング補間処理を行う場合にも、合成処理前の透明度データに基づいて画素の文字判定を行い、その判定結果に基づいてスケーリング補間処理を行うことができる。このように画像Aと画像Bの両方を共にスケーリングしたいときに、2つの画像を先ず合成処理してからスケーリングを行うことにより、1回だけのスケーリング処理で済むことになる。これに対して、画像Aと画像Bの両方を共にスケーリングしたいときに、それぞれの画像をスケーリングしてから合成処理すると、スケーリング処理が2回必要となり、回路及び動作が複雑となる。
尚、以上述べた本発明による補間画素生成回路は、デジタル放送におけるデータ放送の文字や図形の画像におけるスケーリング処理や、コンピュータグラフィックス(CG)等におけるデジタル画像のスケーリング処理に利用することができる。
本発明の第1の実施形態の補間画素生成回路を示すブロック図。 図1のスケーリング補間処理を説明する図。 文字画像の入力画素データ構成の実施例1の補間画素生成方法を従来例と比較して示す図。 文字画像の入力画素データ構成の実施例2の補間画素生成方法を従来例と比較して示す図。 文字画像の入力画素データ構成の実施例3の補間画素生成方法を従来例と比較して示す図。 本発明の第2の実施形態の補間画素生成回路を示すブロック図。 従来例の補間画素生成回路を示すブロック図。 図7の従来例の問題点を説明する図。 他の従来例の絵柄適応の補間画素生成回路を示すブロック図。 図9の従来例の問題点を説明する図。
符号の説明
4A…補間処理回路(補間画素生成手段)
16…文字判定回路
17…補間画素選択回路(補間画素選択手段)
100,100A…補間画素生成回路

Claims (5)

  1. 透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像にスケーリング処理を行い、スケーリング倍率に応じて生成されるスケーリング補間位置を中心として、隣接する画素間に補間画素を生成する補間画素生成回路であって、
    スケーリング補間位置を中心として隣接するスケーリング処理前の画素データのうち少なくとも2つの画素データの透明度データに基づいて、スケーリング補間に使用する画素データを選択する補間画素選択手段と、
    前記補間画素選択手段にて選択されたスケーリング処理前の画素データから補間画素データを生成する補間画素生成手段と、
    を具備したことを特徴とする補間画素生成回路。
  2. 透明度データを有する画素で構成される文字画像を含んだ画像と、別の少なくとも1つの画像とを前記透明度データを合成係数として合成処理を行い、合成処理後の画像にスケーリング処理を行い、スケーリング倍率に応じて生成されるスケーリング補間位置を中心として、隣接する画素間に補間画素を生成する補間画素生成回路であって、
    スケーリング補間位置を中心として隣接する合成処理前の画素データのうち少なくとも2つの画素データの透明度データに基づいて、スケーリング補間に使用する合成処理後の画素データを選択する補間画素選択手段と、
    前記補間画素選択手段にて選択された合成処理後の画素データから補間画素データを生成する補間画素生成手段と、
    を具備したことを特徴とする補間画素生成回路。
  3. 前記補間画素選択手段は、任意に指定可能な透明度閾値を用いて、画素の透明度データが閾値以上であれば文字画素、透明度データが閾値より小さい場合は非文字画素と判定した結果を用いて、スケーリング補間位置を通過する同一直線上にある隣接画素データの組合せの中で、文字画素同士の組合せとなる少なくとも2つの画素データを選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の補間画素生成回路。
  4. 前記補間画素選択手段は、任意に指定可能な透明度閾値を用いて、画素の透明度データが閾値以上であれば文字画素、透明度データが閾値より小さい場合は非文字画素と判定した結果を用いて、スケーリング補間位置を通過する同一直線上にある隣接画素データの組合せの中で、文字画素同士の組合せが無い場合で、文字画素と非文字画素が混在する場合は、スケーリング補間位置に最も近い1つの画素を選択し、隣接する画素が全て非文字画素であった場合は、非文字画素同士の組合せの少なくとも2つの画素を選択し、隣接する画素が全て文字画素であった場合は、文字画素同士の組合せの少なくとも2つの画素を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の補間画素生成回路。
  5. 前記補間画素生成手段は、スケーリング補間位置に応じて重み付けされた補間係数を用いて前記補間画素データを生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の補間画素生成回路。
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