JP2008283360A - 移動端末装置、制御方法および移動通信システム - Google Patents

移動端末装置、制御方法および移動通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の移動端末装置同士が直接に通信パケットを授受するアドホックネットワークにおいて、制御パケットが大量にネットワークに流れて通信の帯域を圧迫することを回避し、少ない制御パケットで送信データの到達性を確保する。
【解決手段】各移動端末装置200におけるハローパケット送受信手段201がハローパケットを受信して得た隣接端末に係るデータを隣接端末リスト保存手段207に保存しておき、クラスタリング手段205が隣接端末リスト保存手段207に保存されたデータに依拠し、アドホックネットワークの構成に係る原則に基づいて、先ず、クラスタヘッドとなるべき移動端末装置を指定し、次いで、所定の規約に基づいてゲートウェイを指定しルーティングを行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、アドホックネットワークを構成する移動端末装置(以下、単に「端末」ともいう)、制御方法および移動通信システムに関する。
移動通信ネットワークの基盤(インフラストラクチャ)となる設備を要せず、複数の移動端末装置のみで構成されるアドホックネットワークにおけるルーティングプロトコルでは、ネットワーク中の全ノードに対してリンク情報などの制御パケットを届けるフラッディングを基本としてルートの制御を行っている。
上述のようなフラッディングによる場合、端末数が増加すると制御パケットが大量にネットワークに流れ、通信の帯域を圧迫することとなる。この問題を軽減する方法として、OLSR(Optimized Link State Routing)ではMPR(Multi Point Relay)集合を用いている(非特許文献1参照)。
OLSRにおいては、各端末は自装置から2ホップで接続されるすべての端末にパケットを届けるために必要な最小限の中継端末(MPR)を1ホップで接続される端末から選択する。ある端末が、パケットをネットワーク全体にフラッディングするとき、パケットを送信した端末のMPRとして選択されている端末だけがパケットを中継する。
これによりパケットを送信した端末から2ホップの範囲のすべての端末にパケットを届けることが可能である。さらに、パケットを中継した端末のMPRとして選定されている端末がさらに中継していくことで最終的にネットワーク全体にパケットが届けられる。このようにOLSRでは、フラッディングを効率的に行うことにより、オーバヘッドの少ないルーティングを実現している。
T.ClausenおよびP.Jacquet著、Project Hipercom、「Optimized Link State Routing Protocol(OLSR)」、RFC3626、 HYPERLINK "URL:www.ietf.org/rfc/rfc3626.txt" URL:www.ietf.org/rfc/rfc3626.txt(page18−20…TCメッセージの中継に係る開示、page38−41…MPRの決定に係る開示、 page43−46…TCメッセージの送信に係る開示)
しかし、OLSRでは、制御パケットのフラッディングの効率化は考慮されているが、ルーティングに必要なリンク情報の選別による最適化は考慮されていない。OLSRでは少なくとも一つの端末にMPRとして選択されている端末が、自装置と自装置をMPRとして選択している端末との間のリンク情報をフラッディングすることで、ネットワーク全体のリンク情報を全端末に知らせ、前記リンク情報を用いてルーティングを行っている。
上述におけるリンク情報とは、自装置のIDと自装置に隣接している端末のIDとで構成され、これらのIDを持つ両端末間にリンクがあることを示すものである。また、「フラッディング」とは、複数の端末同士が他の端末の送信したパケットを転送し合うことにより全ての端末にパケットを届ける通信形態をいう。
上述のようにルーティングを行う場合、ある2つの端末A、Bがお互いをMPRとして選択している場合、端末A、Bはお互いのIDをフラッディングし合うこととなるため、端末A、B間のリンク情報は重複して送信されることとなる。
上述のように、OLSRでは、重複したリンク情報が全端末に対し不必要に送信され、結果として、ルーティングに係る制御パケット量が増大し、ルーティングに係るオーバヘッドが大きくなるという課題があった。
そこで、本発明は、ルーティングに係る制御パケット量を削減しつつ被伝送情報の到達性を確保することのできるルーティングを実現する移動端末装置、制御方法および移動通信システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
尚、本明細書において、「クラスタヘッド」とは、クラスタに属する移動端末装置であって当該クラスタを代表する移動端末装置である。
また、「ゲートウェイ」とは、一のクラスタに属する移動端末装置であって他のクラスタに属する移動端末装置への被伝送情報を中継する移動端末装置である。
更に、「メンバ」とは、クラスタに属する移動端末装置であって、クラスタヘッドおよびゲートウェイに該当しない移動端末装置である。
また、「ハローパケット」とは、一の移動端末装置が他の移動端末装置に自装置の状況を伝えるための所定の事項に係るデータを含んで構成されるパケットである。
(1)自装置と同様の機能を備えた一以上の他装置と共にアドホックネットワークを構成するに適合する移動端末装置であって、前記自装置と各他装置には各自を識別可能なIDが夫々付され、
自装置が選択的にとり得る3つの状態である、クラスタヘッドである状態、ゲートウェイである状態、および、メンバである状態のうちの何れの状態を現在時点でとっているかを表すデータを保持する状態保存手段と、
前記自装置のIDと、前記自装置の状態を表すデータと、前記自装置の親となる他装置のIDと、前記自装置に隣接する他装置のIDと、該隣接する他装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する他装置をゲートウェイとして指定しているか否かを示すフラグと、を含むハローパケットを繰り返し送信可能に構成され、前記ハローパケットと同様のハローパケットを外部から受信した際に、該受信に係る送信元たる他装置のIDと、前記他装置の状態を表すデータと、前記他装置の親となる移動端末装置のIDと、前記他装置に隣接する移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置からゲートウェイとして指定されているか否かを示すフラグと、を隣接端末に係るデータを保存する隣接端末リスト保存手段に保存するハローパケット送受信手段と、
前記隣接端末リスト保存手段に保存されたデータに依拠し且つアドホックネットワークの構成に係る原則に基づいて、先ず、クラスタヘッドとなるべき移動端末装置を指定し、次いで、自装置がゲートウェイとして指定されているときには自装置の状態をゲートウェイとし、自装置がゲートウェイとして指定されなくなったとき自装置の状態をメンバとし、前記隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続が2ホップで可能な場合には、各移動端末装置に共通の所定の第一の規約に基づいて中継の候補となる移動端末装置のうちから該当する移動端末装置をゲートウェイに指定し、隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続には3ホップを要する場合には、各移動端末装置に共通の所定の第二の規約に基づいて該当する2つの移動端末装置をゲートウェイに指定するクラスタリング手段と、
を具備することを特徴とする移動端末装置。
上記(1)の移動端末装置では、その一例においては数値(整数であるを可とする)のような各自を識別可能なIDが夫々付されて、自装置と同様の機能を持つ複数の移動端末装置によってアドホックネットワークが構築され得る。
このアドホックネットワークを構成する各移動端末装置はそれらの構成において相似的であり得るが、特定の機能に係る仕様を充足するものであれば、必ずしも構成において相似的であることは必須ではない。
これら移動端末装置は、クラスタヘッドである状態、ゲートウェイである状態、および、メンバである状態の3つの状態のうちの何れかの状態を選択的にとると共に、自装置が何れの状態にあるかの情報を状態保存手段に保持しており、自らの状態を認識可能であると共に、他装置も該保存された情報に依拠して、当該状態を認識可能である。
移動端末装置は、ハローパケット送受信手段によって次のような情報を含んで形成されるハローパケットの送受信を実行する。
即ち、ハローパケット送受信手段は、自装置のIDと、上述のような自装置の状態を表すデータと、自装置の親となる他装置のIDと、自装置に隣接する他装置のIDと、該隣接する他装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する他装置をゲートウェイとして指定しているか否かを示すフラグと、を含むハローパケットを繰り返し送信すると共に、該送信するハローパケットと同様のハローパケットを外部から受信した際には、該受信に係る送信元たる他装置のIDと、この他装置の状態を表すデータと、この他装置の親となる移動端末装置のIDと、この他装置に隣接する移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置からゲートウェイとして指定されているか否かを示すフラグと、を隣接端末に係るデータを保存する隣接端末リスト保存手段に保存する。
移動端末装置は、更に、クラスタリング手段によって、次のような手順によってゲートウェイを指定してゆくことによってルーティングを実行する。
即ち、クラスタリング手段は、隣接端末リスト保存手段に保存されたデータに依拠し且つアドホックネットワークの構成に係る原則に基づいて、先ず、クラスタヘッドとなるべき移動端末装置を指定する。
次いで、自装置がゲートウェイとして指定されているときには自装置の状態をゲートウェイとし、自装置がゲートウェイとして指定されなくなったとき自装置の状態をメンバとし、隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続が2ホップで可能な場合には、各移動端末装置に共通の所定の第一の規約に基づいて中継の候補となる移動端末装置のうちから該当する移動端末装置をゲートウェイに指定し、隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続には3ホップを要する場合には、各移動端末装置に共通の所定の第二の規約に基づいて該当する2つの移動端末装置をゲートウェイに指定する。
上述のIDの割り当てと第一の規約および第二の規約を適切なものとすることによって、ルーティングにおけるリンク情報のデータ量を削減し且つ送信や中継の回数をも削減して、相対的に少ない制御パケットによってデータを送信する経路を確立することが可能になる。
(2)前記アドホックネットワークの構成に係る原則は:
(1)当該アドホックネットワークを構成する全ての移動端末装置はクラスタヘッドであるか、または、クラスタヘッドに隣接している。
(2)クラスタヘッド同士は隣接しない。
という2つの要件を同時に満たすものであり、
前記各移動端末装置のIDとして数値が割当てられている場合において、
前記所定の第一の規約は:該当する移動端末装置の中でIDの数値が最も大きいものをゲートウェイに指定する旨規定され、
前記所定の第二の規約は:
前記隣接するクラスタのクラスタヘッド間を中継する2基の移動端末装置の組み合わせの中で当該各2基のIDの数値の合計値が同値でない場合には:
該合計値が最小となる移動端末装置の組み合わせのうち自装置に近い方の移動端末装置をゲートウェイに指定し;
該合計値が同値の場合には:
当該2基のうちIDの数値が小さい方の移動端末装置のIDが最大である移動端末装置を含む組み合わせを選択し、該選択された2基の移動端末装置のうち自装置に近い方の移動端末装置をゲートウェイに指定する
旨規定されていることを特徴とする(1)の移動端末装置。
上記(2)の移動端末装置では、(1)の移動端末装置において特に、上記アドホックネットワークの構成に係る原則、および、第一の規約ならびに第二の規約が上述のように特定され、これに依拠してルーティングが実行されるため、
(1)すべての端末はクラスタヘッドであるかまたは、クラスタヘッドに隣接している、
(2)クラスタヘッド同士は隣接しない、
(3)隣接するクラスタのクラスタヘッド間は1つまたは2つのゲートウェイによって接続される、
という3条件を満たすように移動端末装置によりクラスタ構造を構成することが可能となり、ルーティングにおけるリンク情報のデータ量を削減し且つ送信や中継の回数をも削減して、相対的に少ない制御パケットによってデータを送信する経路を確立しデータの到達性を確保することが可能になる。
(3)前記各移動端末装置のIDとして数値が割当てられている場合において、
自装置の状態がクラスタヘッドであるときには、
自装置のIDと、
自装置を親に指定しているメンバの状態である他装置のIDと、
自装置がゲートウェイとして指定しているノードたる他装置のIDと、を含むリンク情報を送信し、
隣接するクラスタのクラスタヘッドたる他装置まで2基のゲートウェイで接続され、且つ、該2基のゲートウェイのうちIDの大きい方のゲートウェイに隣接しているクラスタヘッドのなかで自装置のIDが最大の場合においては、前記2基のゲートウェイの各IDとを含むリンク情報を送信し、
当該他装置から前記リンク情報と同様のリンク情報を受信したときには、自装置の状態がクラスタヘッドまたはゲートウェイであり、且つ、該受信したリンク情報と同様のリンク情報を過去に送信していないときには、該受信したリンク情報を中継するリンク情報送受信手段を具備することを特徴とする(1)または(2)の何れか一の移動端末装置。
上記(3)の移動端末装置では、(1)または(2)の何れか一の移動端末装置において特に、リンク情報送受信手段が上述のように作用することによって、ネットワークを構成するすべてのリンクをリンク情報として送信せずとも、クラスタを構成するリンク情報のみを送信することによってルーティングが可能となるため、制御パケット量を少なくできる。
(4)アドホックネットワークを構成する複数の移動端末装置に係るルーティングを確立するための制御方法であって、前記複数の各移動端末装置にそれらの各一を識別可能なIDを夫々付し、
前記複数の各移動端末装置が選択的にとり得る3つの状態である、クラスタヘッドである状態、ゲートウェイである状態、および、メンバである状態のうちの何れの状態を現在時点でとっているかを表すデータを各一の移動端末装置に保持させ、
前記各一の移動端末装置は、自装置のIDと、前記自装置の状態を表すデータと、前記自装置の親となる他装置のIDと、前記自装置に隣接する他装置のIDと、該隣接する他装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する他装置をゲートウェイとして指定しているか否かを示すフラグと、を含むハローパケットを繰り返し送信し、
前記ハローパケットと同様のハローパケットを外部から受信した際に、該受信に係る送信元たる他装置のIDと、前記他装置の状態を表すデータと、前記他装置の親となる移動端末装置のIDと、前記他装置に隣接する移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置からゲートウェイとして指定されているか否かを示すフラグと、を隣接端末に係るデータとして保存し、
前記隣接端末に係るデータとして保存されたデータに依拠し且つアドホックネットワークの構成に係る原則に基づいて、先ず、クラスタヘッドとなるべき移動端末装置を指定し、次いで、自装置がゲートウェイとして指定されているときには自装置の状態をゲートウェイとし、自装置がゲートウェイとして指定されなくなったとき自装置の状態をメンバとし、前記隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続が2ホップで可能な場合には、各移動端末装置に共通の所定の第一の規約に基づいて中継の候補となる移動端末装置のうちから該当する移動端末装置をゲートウェイに指定し、隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続には3ホップを要する場合には、各移動端末装置に共通の所定の第二の規約に基づいて該当する2つの移動端末装置をゲートウェイに指定することを特徴とする制御方法。
上記(4)の制御方法では、複数の各移動端末装置はIDによってそれらの各一を識別可能であり、且つ、各移動端末装置は選択的にとり得る3つの状態である、クラスタヘッドである状態、ゲートウェイである状態、および、メンバである状態のうちの何れの状態を現在時点でとっているかが各一の移動端末装置に保持されたデータにより認識可能である。
各一の移動端末装置は、自装置のIDと、自装置の状態を表すデータと、自装置の親となる他装置のIDと、自装置に隣接する他装置のIDと、該隣接する他装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する他装置をゲートウェイとして指定しているか否かを示すフラグと、を含むハローパケットを繰り返し送信し、
上述のハローパケットと同様のハローパケットを外部から受信した際に、該受信に係る送信元たる他装置のIDと、他装置の状態を表すデータと、他装置の親となる移動端末装置のIDと、他装置に隣接する移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置からゲートウェイとして指定されているか否かを示すフラグと、を隣接端末に係るデータとして保存し、
上述の隣接端末に係るデータとして保存されたデータに依拠し且つアドホックネットワークの構成に係る原則に基づいて、先ず、クラスタヘッドとなるべき移動端末装置を指定し、次いで、自装置がゲートウェイとして指定されているときには自装置の状態をゲートウェイとし、自装置がゲートウェイとして指定されなくなったとき自装置の状態をメンバとし、隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続が2ホップで可能な場合には、各移動端末装置に共通の所定の第一の規約に基づいて中継の候補となる移動端末装置のうちから該当する移動端末装置をゲートウェイに指定し、隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続には3ホップを要する場合には、各移動端末装置に共通の所定の第二の規約に基づいて該当する2つの移動端末装置をゲートウェイに指定する。
上述のIDの割り当てと第一の規約および第二の規約を適切なものとすることによって、ルーティングにおけるリンク情報のデータ量を削減し且つ送信や中継の回数をも削減して、相対的に少ない制御パケットによってデータを送信する経路を確立することが可能になる。
(5)前記アドホックネットワークの構成に係る原則は:
(1)当該アドホックネットワークを構成する全ての移動端末装置はクラスタヘッドであるか、または、クラスタヘッドに隣接している。
(2)クラスタヘッド同士は隣接しない。
という2つの要件を同時に満たすものであり、
前記各移動端末装置のIDとして数値が割当てられている場合において、
前記所定の第一の規約は:該当する移動端末装置の中でIDの数値が最も大きいものをゲートウェイに指定する旨規定され、
前記所定の第二の規約は:
前記隣接するクラスタのクラスタヘッド間を中継する2基の移動端末装置の組み合わせの中で当該各2基のIDの数値の合計値が同値でない場合には:
該合計値が最小となる移動端末装置の組み合わせのうち自装置に近い方の移動端末装置をゲートウェイに指定し;
該合計値が同値の場合には:
当該2基のうちIDの数値が小さい方の移動端末装置のIDが最大である移動端末装置を含む組み合わせを選択し、該選択された2基の移動端末装置のうち自装置に近い方の移動端末装置をゲートウェイに指定する
旨規定されていることを特徴とする(4)の制御方法。
上記(5)の制御方法では、(4)の制御方法において特に、上記アドホックネットワークの構成に係る原則、および、第一の規約ならびに第二の規約が上述のように特定され、これに依拠してルーティングが実行されるため、
(1)すべての端末はクラスタヘッドであるかまたは、クラスタヘッドに隣接している、
(2)クラスタヘッド同士は隣接しない、
(3)隣接するクラスタのクラスタヘッド間は1つまたは2つのゲートウェイによって接続される、
という3条件を満たすように移動端末装置によりクラスタ構造を構成することが可能となり、ルーティングにおけるリンク情報のデータ量を削減し且つ送信や中継の回数をも削減して、相対的に少ない制御パケットによってデータを送信する経路を確立しデータの到達性を確保することが可能になる。
(6)前記各移動端末装置のIDとして数値が割当てられている場合において、
前記クラスタリング手段は、
前記自装置の状態がクラスタヘッドの場合で前記他装置の中に前記自装置よりIDが大きいクラスタヘッドが存在する場合には、自装置の状態をメンバに遷移させ、且つ、隣接するクラスタヘッドの中でIDが最大の移動端末装置を親に指定し、
自装置の状態がゲートウェイまたはメンバであり、且つ、自装置が親に指定しているクラスタヘッドが存在しない場合、自装置の状態をメンバに遷移させ、且つ、クラスタヘッドの状態をとっている移動端末装置の中でIDが最大である移動端末装置を親に指定し、
自装置の状態がゲートウェイまたはメンバであり、且つ、隣接する移動端末装置の中にクラスタヘッドが存在しない場合、自装置をクラスタヘッドに遷移させる機能を更に備えることを特徴とする(1)または(2)の何れか一に該当する複数の移動端末装置により構成される移動体通信システム。
上記(6)の移動体通信システムでは、リンク情報をネットワーク中のすべての移動端末装置に送信する際、クラスタヘッドとゲートウェイのみが中継すればよく、少ない中継回数でのルーティングが可能である。このため、相対的に少ない制御パケットによってデータを送信する経路を確立しデータの到達性を確保することが可能になる。
(7)前記他装置からリンク情報を受信するように構成されたリンク情報受信手段と、前記リンク情報受信手段によって受信されたリンク情報を保存するトポロジ情報保存手段と、当該アドホックネットワークを構成する任意の移動端末装置間を中継する移動端末装置のリストを作成し該リストを当該アドホックネットワークにおける各移動端末装置に供給し得るルーティング手段と、を有するトポロジ管理装置と、
前記トポロジ管理装置にリンク情報を送信するリンク情報送受信部と、前記リストを前記トポロジ管理装置に問い合わせるルーティング部を具備することを特徴とする(1)または(2)の何れか一に該当する複数の移動端末装置により構成される移動体通信システム。
上記(7)の移動体通信システムでは、トポロジ管理装置によりリンク情報の収集とルーティング処理を集中させることで、ネットワーク中のすべての移動端末装置にリンク情報を送信する必要がなく、制御パケット量を小さく抑えることができる。従って、相対的に少ない制御パケットによってデータを送信する経路を確立しデータの到達性を確保することが可能になる。
本発明によれば、クラスタヘッドがリンク情報を送信し、クラスタヘッドとゲートウェイがリンク情報を中継することにより、クラスタ構造のみのトポロジ情報を少ない中継回数で収集することとが可能になり、従来の装置(システム)に比し、相対的に少ない制御パケットによって送信データの到達性を確保することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより本発明を明らかにする。
(ゲートウェイの選択)
先ず、アドホックネットワークにおいて、被送信情報の送信元および到達先の両クラスタヘッド間を1基または2基のゲートウェイで中継するに際し、複数の経路が存在する場合に、端末以外のアクセスポイント等による交換機能を俟たずに(アドホックネットワークではこの種のアクセスポイントを含まない)任意の両端末同士で適切にルーティングを確立するための一般的要請と解決の方途について概略を説明する。
図26は、被送信情報の送信元および到達先の両クラスタヘッド間を1基または2基のゲートウェイで中継する状況を表す図である。
例えば、図26(a)に示すように、クラスタヘッドCH1からクラスタヘッドCH2に到達するには、ゲートウェイGW1(そのIDを「1」とする)またはゲートウェイGW2(そのIDを「2」とする)の何れかを中継する2通りの候補が存在する場合において、両クラスタヘッドCH1およびCH2において一義的に中継端末たるゲートウェイが特定されることを要する。
図26(a)の場合では「中継候補となる2つのゲートウェイのうちID(例として番号であるとする)が最大であるものを指定する」といった規約を当該アドホックネットワークの構成員たる全ての端末で共有するようにしておけば、この共通の規約に依拠してゲートウェイを選択する限り、両クラスタヘッドCH1およびCH2においてこの選択に齟齬が生じる虞は無い。
また、図26(b)は、クラスタヘッドCH1からクラスタヘッドCH2に到達するについて2基のゲートウェイで中継する場合を表している。この場合は、クラスタヘッドCH1→ゲートウェイGW1(ID:1)→ゲートウェイGW4(ID:4)→クラスタヘッドCH2の経路と、クラスタヘッドCH1→ゲートウェイGW2(ID:2)→ゲートウェイGW3(ID:3)→クラスタヘッドCH2の経路の2通りの経路が存在する。
この場合では、次のように場合に応じて段階的な判定を実行するような規約に依れば、何れか一の経路が一義的に定まる。
即ち、先ず、「当該各2基のゲートウェイのIDの数値の合計値が同値でない場合には:該合計値が最小となる移動端末装置の組み合わせのうち自装置に近い方の移動端末装置をゲートウェイに指定する」
また、「該合計値が同値の場合には:第1ステップとして…当該2基のゲートウェイのうちIDの数値が小さい方のIDが最大であるゲートウェイを含む組み合わせを選択し、次いで、第2のステップとして…該選択された2基のゲートウェイのうち自装置に近い方のゲートウェイを指定する」といった規約を当該アドホックネットワークの構成員たる全ての端末で共有するようにしておけば、この共通の規約に依拠してゲートウェイを選択する限り、両クラスタヘッドCH1およびCH2においてこの選択に齟齬が生じる虞は無い。
(第1の実施の形態)
図1乃至図13を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る移動通信システムとしてのアドホックネットワークの構成を表す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る移動通信システム100は、複数の移動端末装置MT#1乃至MT#9を具備している。
図1に例示の移動通信システム100では、その構成要素たる各移動端末装置MT#1乃至MT#9は全て同様の構成で、同様の機能を持つが、以下に詳述するところから理解されるとおり、各移動端末装置MT#1乃至MT#9は後述するような特定の各機能において同様の仕様を満足することを要するが、それらの仕様を充足した上で更に他の機能を有することが排除されるべきものではなく、また、上記仕様(機能上の仕様)を満足するものであれば、そのための構成については必ずしも相似的なものであることが必須とされるものでもない。
これら各移動端末装置MT#1乃至MT#9は、(1)クラスタヘッド、(2)ゲートウェイ、(3)メンバ、の3つの状態のうち何れか1つの状態をとる。
また、クラスタヘッドの状態をとる移動端末装置を中心にクラスタと呼ばれるグループを形成し、自装置が属するクラスタのクラスタヘッドを親に指定する。
各移動端末装置の状態、および指定する親は、固定的ではなく、他の端末(移動端末装置)との相対的な位置関係により動的に変化する。
(移動端末装置の状態)
移動通信システム100における各移動端末装置の状態は、以下の各条件を満たす原則に沿うように動的に決定される。
(1)全ての端末はクラスタヘッドであるかまたは、クラスタヘッドに隣接している。
(2)クラスタヘッド同士は隣接しない。
(3)隣接するクラスタのクラスタヘッド間は1つまたは2つのゲートウェイによって接続される。
但し、上記における「隣接するクラスタ」は以下のとおり定義される。
(a)あるクラスタヘッドからみて、自装置のクラスタに属する隣接端末の隣接端末が属するクラスタ
または、
(b)あるクラスタヘッドからみて,自装置の隣接端末が属するクラスタ
図1の例では、クラスタヘッドMT#1のクラスタAに属するMT#3が隣接するMT#7はクラスタCに属している。そのためクラスタAとクラスタCは隣接する(隣接するクラスタの定義a)。
また、クラスタヘッドMT#6に隣接するMT#8はクラスタDに属する。そのためクラスタCとクラスタDは隣接する(隣接するクラスタの定義b)。
同様に、クラスタAとクラスタB、クラスタAとクラスタCは隣接する。
しかし、クラスタBとクラスタCは上記定義に該当せず隣接しない。そして、クラスタヘッドMT#1とMT#4を接続するゲートウェイとしてMT#3、クラスタヘッドMT#1とMT#6を接続するゲートウェイとしてMT#3およびMT#7、クラスタヘッドMT#6とMT#9を接続するゲートウェイとしてMT#8が選択されている。
尚、図1では移動端末装置の数は9であるが、移動端末装置の数に制限はない。
本実施の形態において、クラスタヘッドは、自己たる移動端末装置(「自装置」と称する)に隣接している端末との間のリンク情報、および、隣接クラスタのクラスタヘッドに2つのゲートウェイで接続されている場合は両ゲートウェイ間のリンク情報を送信する。
また、クラスタヘッドとゲートウェイは、他のクラスタヘッドによって送信されたリンク情報を受信した場合に、受信したリンク情報を転送する。
以上の送信ないし転送によって、このアドホックネットワーク中の全端末がルーティングに必要なリンク情報を認識できる。
上述における「リンク情報」とは、(1)自装置のIDと、(2)自装置に隣接している1つ以上の端末のIDとで構成され、(1)(2)のIDを持つ端末間にリンクが存在することを示すものである。
例えば、自装置のIDがMT#7で、隣接端末のIDがMT#3とMT#6である場合は、MT#7とMT#3の間と、MT#7とMT#6の間とに、それぞれリンクが存在することを示す。
次に、本実施の形態に係る移動端末装置MT#1乃至MT#9(以下「移動端末装置200」と総称する)の構成について説明する。
(移動端末装置の構成)
図2は、本実施の形態に係る移動端末装置200の構成を表す機能ブロック図である。
移動端末装置200は、ハローパケット送受信部201と、リンク情報送受信部202と、中継判断部203と、データ送受信部204と、クラスタリング部205とルーティング部206と、隣接端末リスト保存部207と、状態保存部208と、トポロジ情報保存部209と、ルーティングテーブル保存部210とを具備している。以下、各構成部について順に説明する。
隣接端末リスト保存部207は図3のような隣接端末テーブル207A乃至207B を保持する。
(隣接端末テーブルの例)
図3は、図1のアドホックシステムの構成要素である移動端末装置MT#1がその隣接端末リスト保存部207(図2)に保有している隣接端末テーブル207A乃至207Bの例である。
隣接端末テーブル207Aには、隣接端末ID、状態(クラスタヘッドH;ゲートウェイGW;メンバM)、ゲートウェイ指定(GW)、被ゲートウェイ指定(被GW指定)、親として指定している移動端末装置のID(親ID)、および、ポインタが含まれる。
図3において、「隣接端末ID」は自装置と隣接している端末のIDである。「状態」は、当該隣接端末がクラスタヘッド(H)であるか、ゲートウェイ(G)であるか、メンバ(M)であるかを示す。
「GW指定」は、自装置が当該隣接端末をゲートウェイとして指定している(Y)か否(N)かを示す。
「被GW指定」は、自装置が当該隣接端末によってゲートウェイとして指定されている(Y)か否(N)かを示す。
「親ID」は当該隣接端末が属するクラスタのクラスタヘッドのID、即ち、親として指定している端末のIDを示す。
「ポインタ」は、当該隣接端末に関する2ホップ隣接テーブルを指示する。
図3の例では、「ポインタ」は、隣接端末MT#3に関する2ホップ隣接テーブル207Bを指示している。
2ホップ隣接テーブル207Bにおいて、隣接端末IDは当該隣接端末が隣接している端末(以下2ホップ端末)、つまり自装置から2ホップの距離にある端末のIDである。
「親ID」は当該2ホップ端末が属するクラスタのクラスタヘッドのID、つまり親として指定している端末のIDを示す。
状態保存部208は図4のような状態保存テーブル208Aを保持する。状態保存テーブル208Aには、移動端末装置200の「状態」、「親ID」の情報が含まれる。
(状態保存テーブルの例)
図4はMT#1に係る状態保存テーブルの例である。MT#1はクラスタヘッドなので「状態」がH(クラスタヘッド)、「親ID」は自装置を指定してMT#1である。
ルーティングテーブル保存部210は、図5のようなルーティングテーブル210Aを保持する。ルーティングテーブル210Aには、自装置以外の端末のIDと、当該自装置以外の端末に通信パケットを送信する際、中継となる隣接端末のID(Next Hop)とを含む。
(トポロジテーブルの例)
トポロジ情報保存部209は、図6のような209Aを保持する。トポロジテーブル209Aは、ネットワーク中の各端末に1つ保持され、当該各端末のIDと各端末に隣接する端末のIDのリストを示す。
図6の例では、たとえばMT#1はMT#2とMT#3とに隣接していることを示す。また、トポロジ情報保存部209は、トポロジテーブル209Aを参照し、ルーティングテーブル210Aを作成し、ルーティングテーブル保存部210に保存するように構成される。
トポロジテーブル209Aからルーティングテーブル210Aを求める方法としては、例えば、最短距離問題を解くためのアルゴリズムであるダイクストラ法などの公知の手法を適用可能である。
ハローパケット送受信部201は、繰り返し(例えば定期的に)ハローパケットを送信し、または他の端末からのハローパケットを受信するように構成される。
ハローパケット送受信部201は、自装置のID(ID)と自装置の状態(state)と、自装置の親となる端末のID(Head ID)と、隣接端末のID(Neighbor ID)と、該隣接端末が親に指定するクラスタヘッドのID(Neighbor Head ID)と、該隣接端末をゲートウェイとして指定しているか否かを示すフラグ(GW Flag)と、をハローパケットに入れて定期的にブロードキャスト送信する。
上述における「ブロードキャスト」とは、あて先端末を定めず、送信パケットを受信可能な端末すべてが受信する通信形態のことをいう。
(ハローパケットのフォーマットの例)
を図7に示す。GW Flagは隣接端末をゲートウェイに指定しているか否かを示す。
例えば、GW Flagが「Y」の場合、ゲートウェイとして指定している端末のIDと該端末の親の端末のIDのセットを該GW Flagの下のフィールドに記述する。
ゲートウェイとその親の端末のIDのセットは複数記述することができ、Link Message Sizeはその個数を示す。
同様にGW Flagが「N」の場合には、ゲートウェイとして指定していない端末とその親のIDを記述する。
尚、ハローパケットのフォーマットは図7に例示のもの限定されず、図8の様であってもよい。図8では共通のGW Flagと親IDを持つ端末ごとにまとめて記述している点が図7と異なる。このように記述すると、各ノードに対する親IDを記述しなくて済むので、パケットサイズを小さくすることができる。
また、ハローパケット送受信部201は、他の端末が送信した上述のものと同様のハローパケットを受信し、他の端末の「隣接ID」と該他の端末の「状態」と、当該隣接端末によってゲートウェイとして指定されているか否かを示す「被GW指定」と、該他の端末の親端末のIDを表す「親ID」とを隣接端末リスト保存部207内の隣接端末テーブル207Aに保存する。
更に、該他の端末に隣接する端末の「隣接端末ID」、および、「親ID」を隣接端末リスト保存部207内の隣接端末テーブル207Bに保存する。このようにすることにより、各移動端末装置200は、自装置から2ホップ以内のネットワークトポロジと、2ホップ以内の端末が属するクラスタを認識することができる。
リンク情報送受信部202は、繰り返し(例えば定期的に)リンク情報をフラッディングして、他の端末が送信したリンク情報を受信、または、他の端末から受信したリンク情報を転送するように構成される。
リンク情報送受信部202は、状態保存部208内の状態保存テーブル208Aを参照し、自装置の状態がクラスタヘッド(H)である場合に、隣接端末リスト保存部207内の隣接端末テーブル207A、および207Bを参照して、リンク情報を作成する。リンク情報には以下のリンクの情報が含まれる。
(1)自装置と自装置を親に指定しているメンバの間のリンク
(2)自装置と自装置がゲートウェイとして指定しているノードとの間のリンク
(3)隣接クラスタのクラスタヘッドまで3ホップの場合における中継ゲートウェイ間のリンク
上述したところを換言すれば、リンク情報送受信部202は、前記各移動端末装置のIDとして数値が割当てられている場合において、自装置の状態がクラスタヘッドであるときには、
自装置のIDと、自装置を親に指定しているメンバの状態である他装置のIDと、自装置がゲートウェイとして指定しているノードたる他装置のIDと、を含むリンク情報を送信し、
隣接するクラスタのクラスタヘッドたる他装置まで2基のゲートウェイで接続され、且つ、該2基のゲートウェイのうちIDの大きい方のゲートウェイに隣接しているクラスタヘッドのなかで自装置のIDが最大の場合においては、この2基のゲートウェイの各IDと、を含むリンク情報を送信し、
当該他装置から上述のリンク情報と同様のリンク情報を受信したときには、自装置の状態がクラスタヘッドまたはゲートウェイであり、且つ、該受信したリンク情報と同様のリンク情報を過去に送信していないときには、該受信したリンク情報を中継する。
(リンクの選択方法)
図9は、クラスタヘッドがリンク情報として送信するリンクの選択方法を例示するフローチャートである。
各クラスタヘッドは、少なくとも、自装置と自装置を親に指定しているメンバ間のリンクを選択する(ステップS901)。
次いで、自装置と自装置がゲートウェイとして指定している端末との間のリンクをリンク情報として選択する(ステップS902)。
更に、ゲートウェイ間のリンクはクラスタヘッドが直接保持していないので、どのクラスタヘッドがリンク情報として送信するか決定する必要がある。
本実施の形態においては、該当する2つゲートウェイのうちIDの大きい方のゲートウェイに隣接しているクラスタヘッドのなかでIDが最大のクラスタヘッドに該当するか否かを判断し(ステップS903)、該当する場合には(ステップS903:Yes)、該当するゲートウェイ間のリンクをリンク情報として選択する(ステップS904)。
そして、上記ステップS901、ステップS902、および、ステップS904で選択したリンクをリンク情報として送信する(ステップS905)。
図1のアドホックネットワーク(移動通信システム)においては、クラスタAのクラスタヘッドMT#1はMT#1−MT#2間(ステップS901で選択)、MT#1− MT#3間(ステップS902で選択)のリンク情報を送信する。
クラスタBのクラスタヘッドMT#4は、MT#4− MT#5間(ステップS901で選択)、MT#4− MT#3間(ステップS902で選択)のリンク情報を送信する。
クラスタCのクラスタヘッドMT#6は、MT#6− MT#7間(ステップS902で選択)、MT#6− MT#8間(ステップS902で選択)、さらにゲートウェイ間リンクであるMT#7− MT#3間(ステップS904で選択)のリンク情報を送信する(ステップS905)。
上述のように、クラスタを構成する全てのリンクがクラスタヘッドによって重複なく送信される。
(リンク情報のパケットフォーマット)
図10は、リンク情報のパケットフォーマットを示す図である。Advertised Neighbor Main IDは、隣接端末のIDで、Advertised 2hop Neighbor IDは2ホップ端末のIDである。
パケットは複数のフィールドに区切られ、各フィールドの長さはLink Message Sizeが示す。
Link Message Size が示す1つ目のフィールドには、送信すべきゲートウェイ間リンクを持たない隣接端末のIDのリストを記述する。
図1のアドホックネットワーク(移動通信システム)においては、クラスタAのクラスタヘッドMT#1では,MT#2およびMT#3のIDを記述する。これにより、クラスタヘッドとそれに隣接するメンバやゲートウェイ間のリンクの存在が表現できる。
Link Message Size が示す2つ目以降フィールドには、送信すべきゲートウェイ間リンクを持つ隣接端末をNeighbor Main IDとして、また2ホップ端末のIDをAdvertised 2hop Neighbor IDとして記述する。これによりIDがNeighbor Main IDの端末とIDがAdvertised 2hop Neighbor IDの端末との間のリンクの存在、つまりゲートウェイ間のリンクを表現できる。
また、リンク情報送受信部202は、他の端末からのリンク情報を受信すると、リンク情報をトポロジ情報保存部209内のトポロジテーブル209Aに保存する。
更に、リンク情報送受信部202は、受信したリンク情報を転送するかどうかを中継判断部203に問い合わせる。リンク情報送受信部202は、中継判断部203から中継指示があった場合、受信したリンク情報を転送する。
中継判断部203は、リンク情報送受信部202からリンク情報を転送するかどうか問い合わせがあった場合、状態保存部208に保持されている状態保存テーブル208Aを参照し、自装置がクラスタヘッドまたはゲートウェイの状態にある場合には、リンク情報送受信部202に転送指示を出すように構成される。
但し、自装置がクラスタヘッドまたはゲートウェイの状態にある場合であっても、過去に送信したリンク情報と同一のリンク情報の場合には、転送指示を出さない。
データ送受信部204は、端末間で行われるデータ通信や音声通話などの通信パケットをユニキャストで送信、受信、または転送するように構成される。
上述における「ユニキャスト」とは、通信相手端末を指定し、指定した通信相手端末にのみパケットを届ける通信形態である。
データ送受信部204は、通信パケットを送信する場合、あて先端末に通信パケットを届けるための中継端末となる隣接端末のIDをルーティング部206に問い合わせ、該当するIDの端末に通信パケットを送信する。
また、データ送受信部204は、他の端末から通信パケットを受信したとき、受信した通信パケットを転送する隣接端末のIDをルーティング部206に問い合わせる。この問い合わせに応じてルーティング部206からIDの回答があったときに、該当するIDの端末に通信パケットを転送する。
クラスタリング部205は、隣接端末リスト保存部207に保持された隣接端末テーブル207Aおよび207Bを参照し、自装置の状態、親を決定し、状態保存部208内の状態保存テーブル208Aに保存する。
また、クラスタリング部205はゲートウェイに指定する隣接端末を決定し、隣接端末テーブル207Aに保存するように構成される。
基本的には、まず、クラスタヘッドを決定し、その後ゲートウェイを決定する。
図11は、端末の状態遷移を表す図である。クラスタヘッド、ゲートウェイ、メンバの各状態から他の状態へ遷移する。図示のとおり、クラスタヘッドからゲートウェイへの遷移のみ存在しない。
図12は、クラスタヘッド決定に関する処理を例示するフローチャートである。
自装置の現在の状態がクラスタヘッドである場合には、隣接端末の中に自装置よりIDが大きいクラスタヘッドが存在する場合には(S1201:Yes)、自装置の状態をメンバに遷移させ、且つ、隣接するクラスタヘッドの中でIDが最大の端末を親とする(S1202、状態遷移図(1))。
自装置の状態がゲートウェイまたはメンバである場合には、隣接端末のなかにクラスタヘッドが存在しない場合(S1203:Yes)、自装置の状態をクラスタヘッドとする(S1204、状態遷移図(2)、(3))。
一方、隣接端末のなかにクラスタヘッドが存在する場合には(S1203:No)、現在、親に指定しているクラスタヘッドが存在しない場合(S1205:Yes)、自装置の状態をメンバとし、且つ、存在するクラスタヘッドの中で最大のIDを持つ端末を親に指定する(S1206、状態遷移図(4)、(7))。このようにクラスタヘッドを決定することで、
(1)全ての端末はクラスタヘッドであるかまたは、クラスタヘッドに隣接している。
(2)クラスタヘッド同士は隣接しない。
という本システムにおける原則のうちの2つの要件を満たす構造ができる。
図13は、クラスタヘッド決定後のゲートウェイ決定に関する処理を例示するフローチャートである。
自装置の状態がクラスタヘッドである場合、どの隣接端末をゲートウェイトするか決定する。
クラスタヘッドは、まず、隣接端末リスト保存部207を参照して、隣接するクラスタのクラスタヘッドのIDを抽出する(S1301)。
そして各隣接クラスタのクラスタヘッドに接続するためのゲートウェイを決定する。
隣接クラスタのクラスタヘッドまで2ホップで接続可能な場合(S1302:Yes)、中継の候補となる端末の中で最もIDが大きい端末をゲートウェイに指定する(S1303)。
一方、隣接クラスタのクラスタヘッドまで3ホップでしか接続できない場合には(S1302:No)、2つの端末をゲートウェイとして選択することとなる。
この選択方法は、該当クラスタのクラスタヘッドまでの中継2端末の組み合わせの中でIDの合計値が最大の組み合わせを選択する。もし、同値の場合は、IDが小さい方の端末のIDが最大の組み合わせを選択する(S1304)。
選択した2つの端末のうち自身に隣接する端末をゲートウェイに選択する。自装置に隣接しない方の端末は前記該当クラスタのクラスタヘッドがゲートウェイに選択することになる。選択したゲートウェイは、ハローパケット(GW Flag)によって隣接端末に知らせる。
上述のようにして選択したゲートウェイは、ハローパケット(GW Flag)によって隣接端末に知らせる。
現在、ゲートウェイまたはメンバの状態にある端末は、このハローパケットを受信することによって、自装置がゲートウェイに指定されているか否を認識することができる。
メンバがハローパケットを受信したとき、ゲートウェイとして指定されていれば(S1305:Yes)、自装置の状態をゲートウェイとする(S1306、状態遷移図(5))。
一方、現在ゲートウェイの状態の端末は、どのクラスタヘッドからもゲートウェイに指定されていなくなると(S1307:No)、自装置の状態をメンバに遷移させる(S1308、状態遷移図(6))。
以上のゲートウェイ決定の処理により、
本システムにおける原則の3番目の要件たる:
(3)隣接するクラスタのクラスタヘッド間は1つまたは2つのゲートウェイによって接続される
を満たす構造ができ、たとえば、図1のようなクラスタ構造が出来上がる。
本実施の形態においては、クラスタリング部205の動作は、クラスタを構成するための一例であり、他の動作によってクラスタを構成してもよい。
ルーティング部206はデータ送受信部204の要求を受け、ルーティングテーブル保存部210内のルーティングテーブル210Aを参照することにより、通信パケットを中継する隣接端末のIDをデータ送受信部204に通知するように構成される。ルーティング部206は通信パケットのあて先端末のNextHopのIDをデータ送受信部204に通知する。
図14は、本実施の形態に係る移動端末装置200のハードウェアの構成例を表す図である。
移動端末装置200は、CPU1401、メモリ1402、およびネットワークインタフェース1403を含んで構成される。
図2の機能ブロック図におけるハローパケット送受信部201はCPU1401およびネットワークインタフェース1403により実現される。
リンク情報送受信部202は、CPU1401およびネットワークインタフェース1403により実現される。
中継判断部203はCPU1401により実現される。
データ送受信部204はCPU1401およびネットワークインタフェース1403により実現される。
クラスタリング部205はCPU1401により実現される。
ルーティング部206はCPU1401により実現される。
隣接端末リスト保存部207はメモリ1402により実現される。
状態保存部208はメモリ1402により実現される。
トポロジ情報保存部209はCPU1401およびメモリ1402により実現される。
ルーティングテーブル保存部210はメモリ1402により実現される。
続いて、本実施の形態に係る移動端末装置の動作について図15乃至図18を用いて説明する。
以下では、移動端末装置の動作として、
(1)クラスタ構成時の動作
(2)リンク情報送信時の動作
(3)通信パケット送信時の動作
の3つについて順に説明する。
まず、(1)クラスタ構成時の移動端末装置の動作について図15を用いて説明する。
図15は、図1の移動通信システム100に参加したときの各端末たる本実施の形態に係る移動端末装置の動作を表す図である。
図15は図1のトポロジに対応し、MT#1〜MT#9まで数字の順番に移動通信システム100へ参加したときの各端末の動作を示している。
図15では、説明の便宜上、端末の初期状態はメンバであると仮定しているが、どの状態でもよい。
移動端末装置200は、移動通信システム100に参加すると定期的にハローパケットを送信する。また、他の端末からのハローパケットを受信し、図3を参照して既述の隣接端末テーブル207Aおよび207Bを更新する。
先ず、MT#1が移動通信システム100に参加すると、隣接端末が存在しないので自らの状態をクラスタヘッドにする(S1501、状態遷移図(2))。
次にMT#2が参加する。MT#2はハローパケットによりクラスタヘッドMT#1と隣接していることを認識し、自らの状態はメンバのままでMT#1を親に指定する。
同様にMT#3が参加するとMT#3は自らの状態はメンバのままでMT#1を親に指定する。
次にMT#4が参加すると、隣接端末はMT#3のみでクラスタヘッドは存在しないので自らの状態をクラスタヘッドにする(S1502)。そして、隣接するクラスタAのクラスタヘッドMT#1に接続するためのゲートウェイとしてMT#3を指定する。
上述とは逆に、MT#1はMT#4に接続するためのゲートウェイとしてMT#3を指定する。
MT#3はハローパケットによりMT#1、MT#4によってゲートウェイとして指定されていることを認識し、自らの状態をゲートウェイとする(S1503、状態遷移図(5))。
MT#5が参加するとMT#4を親に指定する。
MT#6が参加すると、周囲に隣接端末が存在しないので自らの状態をクラスタヘッドとする(S1504、状態遷移図(2))。
次に、MT#7が参加すると、MT#6は、MT#7、MT#3経由でMT#1と接続され、MT#1までのゲートウェイとしてMT#7を指定する。
MT#7はハローパケットによりMT#6によってゲートウェイに指定されていることを認識し、自らの状態をゲートウェイとする(S1505、状態遷移図(5))。
次にMT#8が参加し、MT#6を親に指定する。
MT#9が参加すると、隣接端末の中にクラスタヘッドがいないので自らの状態をクラスタヘッドにする(S1506、状態遷移図(2))。
更にMT#9はMT#6に接続するためのゲートウェイとしてMT#8を指定する。
同様に、MT#6はMT#9までのゲートウェイとしてMT#8を指定する。
MT#8は、ハローパケットによりMT#6、MT#9にゲートウェイとして指定されていることを認識し、自らの状態をゲートウェイとする(S1507、状態遷移図(5))。
以上のようにして、クラスタヘッドおよび、ゲートウェイが決定されクラスタが構成される。
次に、(2)リンク情報送信時の動作(リンク情報の送信方法)について説明する。
尚、リンク情報の送信は上述のクラスタの構成を利用することを特徴としている。
具体的には、クラスタヘッドが、自装置と自装置を親に指定しているメンバの間のリンク、自装置と自装置がゲートウェイとして指定している端末との間のリンク、隣接クラスタのクラスタヘッドまで3ホップの場合におけるゲートウェイ間のリンクをリンク情報として送信し、クラスタヘッドとゲートウェイが上述のようなリンク情報を転送する。
このリンク情報を受信した端末は、トポロジ情報保存部209に保存する。各端末が上述のようなリンク情報をトポロジ情報保存部209に保有する状態が確立することにより、全ての端末がネットワークのトポロジを把握し、公知のダイクストラ法などを用いてルーティングテーブルを作成し、ルーティングテーブル保存部210に保存することにより、ルート計算が可能になる。
図16は、リンク情報送信時における移動端末装置の動作を表す図である。
図17は、図16の動作によって形成され送信されるリンク情報パケットを表す図である。
以下に、この図16を用い図17をも適宜参照してリンク情報送信時の移動端末装置200の動作について説明する。尚、図16は図1のトポロジに対応している。
クラスタヘッドであるMT#1、MT#4、MT#6、MT#9は定期的にリンク情報を生成して送信する。リンク情報は図9を参照して既述の処理に従い生成される。
MT#1は、S901によりMT#1−MT#2間のリンクを、S902によりMT#1−MT#3間のリンクをリンク情報にいれる。図17aにこのときのリンク情報パケットを示す。
図17aはIDがMT#1でリンク情報の送信端末がMT#1であることを示している。
Link Message Sizeにより2つの隣接端末との間のリンクを送信することが表され、Advertised Neighbor Main IDによりMT#1−MT#2間とMT#1−MT#3間にリンクが存在することが表されている。
MT#1はリンク情報を生成するとそのリンク情報を送信する(S1601)。
このリンク情報はMT#1の隣接端末であるMT#2、MT#3が受信する。
このうちMT#3はゲートウェイなので、受信した隣接端末を中継し、再送信する(S1602)。
MT#3によって中継されたリンク情報はMT#3に隣接する、MT#1、MT#4、MT#7が受信する。MT#4およびMT#7はそれぞれクラスタヘッド、ゲートウェイなので受信したリンク情報を中継する(S1603、S1604)。
一方、MT#1はクラスタヘッドではあるが、同じリンク情報をすでに送信しているので、中継は行わない。
同様にして、MT#7が中継したリンク情報をMT#6が中継し(S1605)、更に、MT#8およびがMT#9が順次中継することにより(S1606、S1607)、MT#1が生成したリンク情報はネットワーク中の全端末に送信される。
同様に、クラスタヘッドMT#4は図17bのリンク情報を生成、送信し(S1608)、クラスタヘッドおよびゲートウェイによって中継され、ネットワーク全体に送信される。
クラスタヘッドMT#6は図17cのリンク情報を生成し、送信する(S1609)。このとき、MT#6と隣接するクラスタAのクラスタヘッドMT#1の距離は3ホップ(間に2つのゲートウェイがある)ため、MT#1または、MT#6がゲートウェイMT#3−MT#7間のリンク情報を送信しなければならないが、MT#6側のゲートウェイMT#7の方が、MT#1側のゲートウェイMT#3よりもIDが大きいため(S903)、MT#6がMT#3−MT#7間のリンク情報を送信する。
クラスタヘッドMT#9も同様に図17dのリンク情報を生成し、送信する(S1610)。上述のようにして、クラスタヘッドが持つリンク情報をネットワーク中のすべての端末が把握する。各端末は受信したリンク情報から、ネットワークのトポロジを認識することができ、任意の端末までのルートを計算することができる。
次に、(3)通信パケット(データ通信や音声通話などのためのパケット)の送信時の動作について説明する。
基本的には、上記の(2)リンク情報送信時の動作によって得られるルーティングテーブル210Aに従って通信パケットが送信される。
まず、通信パケット送信時の移動端末装置の動作について説明する。
通信パケットを送信する際、移動端末装置200は、ルーティングテーブル210Aを参照して、あて先端末に通信パケットを送るために中継するべき隣接端末のIDを確認する。
次に、移動端末装置200は、確認により得られた隣接端末(中継するべき隣接端末)に対して通信パケットを送信する。
図18は、通信パケット送信時における移動端末装置の動作を表す図である。
次に、MT#1からMT#9へ通信パケットを送信する際の移動端末装置200の動作について図18を用いて説明する。
MT#1はルーティングテーブルを参照し、MT#9へ通信パケットを送信する際のNexthopがMT#3であることを認識し、MT#3あてに通信パケットを送信する。
MT#3は通信パケットを受信すると、ルーティングテーブルを参照し、MT#9へ通信パケットを送信する際のNexthopがMT#7であることを認識し、MT#7あてに通信パケットを送信する。
同様にMT#7、MT#6、MT#8と中継され、最終的にMT#9に到着する。このように、MT#1からMT#9へ通信パケットが送信される。即ち、送信データの到達性が確保される。
第1の実施の形態の効果について説明する。
第1の実施の形態に係る移動端末装置によれば、リンク情報としてクラスタを構成するリンクのみを送信すればすべての端末の接続性を保証できる。
また、リンク情報をクラスタヘッドとゲートウェイだけが中継することによってネットワーク中のすべての端末への送信が保証され、一つのリンク情報をネットワーク全体に送信するための送信回数を少なくすることができる。これらの2つの効果から、ルーティングを行うために必要なパケットの量を少なく抑えることが可能である。
(第2の実施の形態)
図19乃至図22を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る移動通信システムとしてのアドホックネットワークの構成を表す図である。
図19に示すように、本実施の形態に係る移動通信システム1900は、複数の移動端末装置MT#1乃至MT#9と、セルラネットワークのようなインフラネットワーク1901上に設置されたトポロジ管理装置(図中TSと表記)1902とを含んで構成される。
本実施の形態では、第1の実施の形態における移動端末装置の機能の一部がトポロジ管理装置1902によって賄うように構成される。
移動端末装置MT#1乃至MT#9はすべて同様の構成で、同様の機能を持つが、クラスタヘッド、ゲートウェイ、メンバという3つの状態のうち何れか1つの状態となる。
また、クラスタヘッドを中心にクラスタと呼ばれるグループを形成し、自装置が属するクラスタのクラスタヘッドを親に指定する。
各移動端末装置の状態、および指定する親は、固定的ではなく、他の端末との相対的な位置関係により動的に変化する。移動通信システム1900における各移動端末装置の状態は以下の条件を満たすように動的に決定される。
(1)全ての端末はクラスタヘッドであるかまたは、クラスタヘッドに隣接している。
(2)クラスタヘッド同士は隣接しない。
(3)隣接するクラスタのクラスタヘッド間は1つまたは2つのゲートウェイによって接続される。
但し、上記における「隣接するクラスタ」は以下のとおり定義される。
(a)あるクラスタヘッドからみて、自装置のクラスタに属する隣接端末の隣接端末が属するクラスタ
または、
(b)あるクラスタヘッドからみて,自装置の隣接端末が属するクラスタ
図19の例では、クラスタヘッドMT#1のクラスタAに属するMT#3が隣接するMT#7はクラスタCに属している。そのためクラスタAとクラスタCは隣接する(隣接するクラスタの定義a)。
また、クラスタヘッドMT#6に隣接するMT#8はクラスタDに属する。そのためクラスタCとクラスタDは隣接する(隣接するクラスタの定義b)。
同様に、クラスタAとクラスタB、クラスタAとクラスタCは隣接する。
しかし、クラスタBとクラスタCは上記定義に該当せず隣接しない。そして、クラスタヘッドMT#1とMT#4を接続するゲートウェイとしてMT#3、クラスタヘッドMT#1とMT#6を接続するゲートウェイとしてMT#3とMT#7、クラスタヘッドMT#6とMT#9を接続するゲートウェイとしてMT#8が選択されている。
尚、図19では移動端末装置の数は9であるが、移動端末装置の数に制限はない。
本実施の形態において、クラスタヘッドは、自装置に隣接している端末との間のリンク情報をトポロジ管理装置1902に送信する。これにより、トポロジ管理装置1902はルーティングに必要なリンク情報を得ることができ、任意の端末間のルートを計算することが可能である。
上述における「リンク情報」とは、(1)自装置のIDと、(2)自装置に隣接している1つ以上の端末のIDとで構成され、(1)(2)のIDを持つ端末間にリンクが存在することを示すものである点は、第1の実施の形態について説明したところと同様である。
次に、本実施の形態に係る移動端末装置MT#1乃至MT#9(第2の実施の形態では「移動端末装置2000」と総称する)の構成について説明する。
図20は、本実施の形態に係る移動端末装置2000の構成を表す機能ブロック図である。
移動端末装置2000は、ハローパケット送受信部2001と、リンク情報送受信部2002と、データ送受信部2003と、クラスタリング部2004とルーティング部2005と、隣接端末リスト保存部2006と、状態保存部2007とを具備している。以下、各構成部について順に説明する。
ハローパケット送受信部2001、クラスタリング部2004、隣接端末リスト保存部2006、および、状態保存部2007については第1の実施の形態と同様である。
即ち、ハローパケット送受信部2001は、繰り返し(例えば定期的に)ハローパケットを送信し、または他の端末からのハローパケットを受信するように構成される。
ハローパケットは、自装置のID(ID)と自装置の状態(state)と、自装置の親となる端末のID(Head ID)と、隣接端末のID(Neighbor ID)と、該隣接端末が親に指定するクラスタヘッドのID(Neighbor Head ID)と、該隣接端末をゲートウェイとして指定しているか否かを示すフラグ(GW Flag)と、を含んで既述の図7或いは図8に例示のような所定のフォーマットに適合するように形成され、定期的にブロードキャスト送信される。
クラスタリング部2004は、隣接端末リスト保存部2006に保持された図3を参照して上述のものと同様の隣接端末テーブル207Aおよび207Bを参照し、自装置の状態、親を決定し、状態保存部2007内の状態保存テーブル208Aに保存する。
また、クラスタリング部2004はゲートウェイに指定する隣接端末を決定し、上述の隣接端末テーブル207Aに保存するように構成される。
基本的には、まず、クラスタヘッドを決定し、その後ゲートウェイを決定する点も第1の実施の形態と同様である。
一方、リンク情報送受信部2002は、リンク情報をトポロジ管理装置1902に送信するように構成される。
リンク情報送受信部2002は、状態保存部2007を参照し、自らの状態がクラスタヘッドである場合に、隣接端末リスト保存部2006を参照して、リンク情報を作成する。既述のように、リンク情報に含まれる情報は第1の実施の形態と同様である。
データ送受信部2003は、端末間でのデータ通信や音声通話などで送信されるパケット(通信パケット)をユニキャストで送信、受信、または転送するように構成される。
データ送受信部2003は、通信パケットを送信する場合、ルーティング部2005に、あて先端末に通信パケットを届けるための中継端末となる隣接端末のIDのリストを問い合わせ、当該隣接端末のIDのリストにおける最初のIDの端末に対して、通信パケットおよび当該IDのリストを送信する。
図21は、図20におけるデータ送受信部2003が取得し送信するIDのリストを例示する図である。
IDのリストは、例えば図21のように構成され、送信端末から宛先端末に至るまでに通信パケットを中継する端末を中継順に示している。
データ送受信部2003は、他の端末から通信パケットを受信したとき、宛先が自装置でなければ、受信したIDのリストを参照し、自らのIDの次に記載されているIDの端末に通信パケットおよび当該IDのリストを転送する。
このとき自装置のIDがリストの最後に記載されている場合は、宛先端末へ通信パケットを送信する。
例えば図21のIDのリストを受信し、自装置のIDがMT#7であるならば、MT#7の次に記載されているID(MT#6)の端末へ転送する。
ルーティング部2005は、データ送受信部2003の要求を受け、トポロジ管理装置1902に問い合わせを行うことにより、通信パケットを中継する中継端末のIDのリストをデータ送受信部2003に通知するように構成される。
次に、第1の実施の形態のハードウェア構成に関して参照した図14を援用して第2の実施の形態の移動端末装置2000のハードウェア構成について説明する。
移動端末装置2000は、CPU1401、メモリ1402、およびネットワークインタフェース1403を含んで構成される。
図20におけるハローパケット送受信部2001はCPU1401およびネットワークインタフェース1403により実現される。
リンク情報送受信部2002は、CPU1401およびネットワークインタフェース1403により実現される。
データ送受信部2003はCPU1401およびネットワークインタフェース1403により実現される。
クラスタリング部2004はCPU1401により実現される。
ルーティング部2005はCPU1401およびネットワークインタフェース1403により実現される。
隣接端末リスト保存部2006はメモリ1402により実現される。
状態保存部2007はメモリ1402により実現される。
図22は、移動通信システムにおけるトポロジ管理装置1902の構成を表す機能ブロック図である。
次に、第2の実施の形態におけるトポロジ管理装置1902の構成について図22を用いて説明する。
トポロジ管理装置1902は、リンク情報受信部2201、ルーティング部2202、およびトポロジ情報保存部2203を含んで構成される。
リンク情報受信部2201は、移動端末装置2000からのリンク情報を受信し、トポロジ情報保存部2203に保存するように構成される。
トポロジ情報保存部2203は、図6を参照して既述のようなトポロジテーブル209Aを保持する。トポロジテーブル209Aには、リンク情報を送信したクラスタヘッドのIDと、当該クラスタヘッドに隣接する端末のIDとが含まれる。
ルーティング部2202は、移動端末装置2000からの要求を受け、トポロジ情報保存部2203を参照し、中継端末のIDのリストを計算し、移動端末装置2000に送信するように構成される。IDのリストの計算は、第1の実施の形態におけると同様に、例えばダイクストラ法を用いて実行される。
図23は、トポロジ管理装置1902のハードウェア構成を表す図である。
トポロジ管理装置1902は、CPU2301、メモリ2302、およびネットワークインタフェース2303を含んで構成される。
図22におけるリンク情報受信部2201は、CPU2301およびネットワークインタフェース2303により実現される。
ルーティング部2202はCPU2301およびネットワークインタフェース2303により実現され、トポロジ情報保存部2203はメモリ2302により実現される。
図24および図25は、図19の移動通信システムの動作を表す図である。
以下に、本実施の形態における移動端末装置2000およびトポロジ管理装置1902の動作について図24乃至図25を用いて説明する。
尚、(1)クラスタ構成時の動作、(2)リンク情報送信時の動作、(3)通信パケット送信時の動作のうち、(1)クラスタ構成時の移動端末装置の動作については第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
また、(2)リンク情報送信時における移動端末装置2000の動作は、リンク情報をフラッディングする代わりに、リンク情報をトポロジ管理装置1902に送信する点とリンク情報の転送は行わない点とが第1の実施の形態と異なる。
先ず、(2)リンク情報送信時における移動通信システム1900全体の動作について図24を用いて説明する。なお、送信するリンク情報は第1の実施の形態と同様である。クラスタヘッドは定期的にリンク情報をトポロジ管理装置1902に送信する。リンク情報を受信したトポロジ管理装置1902は受信された情報をトポロジ情報保存部2203に保存する。
このように、トポロジ管理装置1902はクラスタヘッドが持つリンク情報を把握する。トポロジ管理装置1902は受信したリンク情報から、ネットワークのトポロジを認識することができ、任意の端末間のルートを計算することができる。
次に、(3)通信パケット(データ通信や音声通話などのパケット)の送信時における移動通信システム11全体の動作について図25を用いて説明する。
図25は通信パケットをMT#1からMT#9へ送信するシーケンスを示している。
通信パケットを送信するMT#1のデータ送受信部2003は、宛先端末に通信パケットを届けるための中継端末のIDのリストをルーティング部2005に問い合わせ、該ルーティング部2005は、トポロジ管理装置1902に中継端末のIDのリストを問い合わせる(S2501)。
問合せを受けたトポロジ管理装置1902のルーティング部2202は、トポロジ情報保存部2203を参照して中継端末のIDのリストを作成し、該中継端末のIDのリストをMT#1のルーティング部2005に返信する(S2502)。
このステップS2502により、MT#1のルーティング部2005は該中継端末のIDのリストを得る。
次いで、MT#1のルーティング部2005は、データ送受信部2003に対し中継端末のIDのリストを通知する。通知を受けたデータ送受信部2003は、該中継端末のIDのリストにおいて最初に記載されているMT#3に対し通信パケットおよびIDのリストを送信する(S2503)。
ステップS2503で通信パケットおよびIDのリストを受信したMT#3のデータ送受信部2003は、該IDのリストを参照し、該IDのリストにおいて自装置の次に記載されているMT#7に対し通信パケットおよびIDのリストを転送する(S2504)。
次に、通信パケットおよびIDのリストを受信したMT#7のデータ送受信部2003は、該IDのリストを参照し、該IDのリストにおいて自装置の次に記載されているMT#6に対し通信パケットおよびIDのリストを転送する(S2505)。
同様に、通信パケットおよびIDのリストを受信したMT#6のデータ送受信部2003は、該IDのリストを参照し、該IDのリストにおいて自装置の次に記載されているMT#8に対し通信パケットおよびIDのリストを転送する(S2506)。
さらに、通信パケットおよびIDのリストを受信したMT#8のデータ送受信部2003は、該IDのリストを参照し、自装置のID(MT#8)がリストの最後であると判断する。
即ち、宛先端末(MT#9)は、自装置に隣接していることになるので、MT#8のデータ送受信部2003は、宛先端末(MT#9)に対し通信パケットおよびIDのリストを転送する(S2507)。このようにして通信パケットおよびIDのリストは宛先端末MT#9まで届けられる。即ち、送信データの到達性が確保される。
以上における第2の実施の形態の効果について説明する。
第2の実施の形態に係る移動端末装置2000およびトポロジ管理装置1902によれば、クラスタヘッドのみが隣接端末の間のリンク情報をトポロジ管理装置1902に送信するだけで、トポロジ管理装置1902は任意の端末間のルートを計算することが可能である。上記の効果により、オーバヘッドの少ないルーティングを実現することができる。
図27は、本発明の効果を端的に説明するための図である。
図27(a)は、従来の技術によるルーティングの様子を表す概念図である。
図27(b)は、本発明を適用して行うルーティングの様子を表す概念図である。
図27(c)は、図27(a)と図27(b)とにおける所要制御パケット量と相関の高い諸元を比較して示す図である。
図27(a)の従来の技術は、既述のOLSRによるものであり、MPRを決定することによりTC(Topology Control)メッセージのフラッディングに係る効率化を図ろうとするものである。
MPRはMPR Selector との間のリンク情報をTCメッセージとして送信する。
お互いをMPRとした場合には、重複した情報を持つTCメッセージを送信することになる。
図27(a)において、リンク情報が矢線で示され、この矢線が双方向に存在するリンクでは重複したメッセージの授受が行われる。
これに対し、 図27(b)の概念図に示す本発明の技術によれば、既述のとおり、少ない中継回数でフラッディングができ、必要なリンク情報のみを重複することなく送信することにより、ネットワークの連結性が確保される。
具体的には、図27(c)に示すような所要制御パケット量と相関の高い諸元を比較して示すように、OSLRと表記の従来の技術と本発明の技術では、送信するリンクの情報量については13対9、送信・中継回数については3対4、リンク情報の送信量については39対36である。
尚、図27(c)の比較図は概念的な比較の便宜のために端的に表現したものであるが、現実のアドホックネットワークを構築するに際しては、一層顕著な効果を奏する。
本発明は、アクセスポイント等移動通信ネットワークの基盤(インフラストラクチャ)となる設備の介在を俟つことなく複数の移動端末装置同士が直接に通信パケットを授受するアドホックネットワークの構築に利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る移動通信システムとしてのアドホックネットワークの構成を表す図である。 本実施の形態に係る移動端末装置の構成を表す機能ブロック図である。 図1のアドホックシステムの構成要素である移動端末装置がその隣接端末リスト保存部に保有している隣接端末テーブルの例を表す図である。 図2における状態保存部に保持される状態保存テーブルの例を表す図である。 図2におけるルーティングテーブル保存部に保持されるルーティングテーブルの例を表す図である。 図2におけるトポロジ情報保存部に保持されるトポロジテーブルの例を表す図である。 図2におけるハローパケット送受信部を通して授受されるハローパケットのフォーマットの一例を表す図である。 図2におけるハローパケット送受信部を通して授受されるハローパケットのフォーマットの他の例を表す図である。 クラスタヘッドがリンク情報として送信するリンクの選択方法を例示するフローチャートである。 リンク情報のパケットフォーマットを示す図である。 端末の状態遷移を表す図である。 クラスタヘッド決定に関する処理を例示するフローチャートである。 クラスタヘッド決定後のゲートウェイ決定に関する処理を例示するフローチャートである。 本実施の形態に係る移動端末装置のハードウェアの構成例を表す図である。 図1の移動通信システムに参加したときの各端末たる本実施の形態に係る移動端末装置の動作を表す図である。 リンク情報送信時における移動端末装置の動作を表す図である。 図16の動作によって形成され送信されるリンク情報パケットを表す図である。 通信パケット送信時における移動端末装置の動作を表す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る移動通信システムとしてのアドホックネットワークの構成を表す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る移動端末装置の構成を表す機能ブロック図である。 図20におけるデータ送受信部が取得し送信するIDのリストを例示する図である。 図19の移動通信システムにおけるトポロジ管理装置の構成を表す機能ブロック図である。 図19の移動通信システムにおけるトポロジ管理装置1902のハードウェア構成を表す図である。 図19の移動通信システムの全体の動作を表す図である。 図19の移動通信システムの通信パケット送信時の動作を表す図である。 被送信情報の送信元および到達先の両クラスタヘッド間を1基または2基のゲートウェイで中継する状況を表す図である。 本発明の効果を端的に説明するための図である。
符号の説明
100,1900…移動通信システム 200,2000…移動端末装置 201,2001…ハローパケット送受信部 202,2002…リンク情報送受信部 203…中継判断部 204,2003…データ送受信部 205,2004…クラスタリング部 206,2005…ルーティング部 207,2006…隣接端末リスト保存部 207A,207B…隣接端末テーブル 208,2007…状態保存部 209…トポロジ情報保存部 210…ルーティングテーブル保存部 1401,2301…CPU 1402,2302…メモリ 1403,2303…ネットワークインタフェース 1901…インフラネットワーク 1902…トポロジ管理装置

Claims (7)

  1. 自装置と同様の機能を備えた一以上の他装置と共にアドホックネットワークを構成する移動端末装置であって、前記自装置と各他装置には各自を識別可能なIDが夫々付され、
    自装置が選択的にとり得る3つの状態である、クラスタヘッドである状態、ゲートウェイである状態、および、メンバである状態のうちの何れの状態を現在時点でとっているかを表すデータを保持する状態保存手段と、
    前記自装置のIDと、前記自装置の状態を表すデータと、前記自装置の親となる他装置のIDと、前記自装置に隣接する他装置のIDと、該隣接する他装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する他装置をゲートウェイとして指定しているか否かを示すフラグと、を含むハローパケットを繰り返し送信可能に構成され、前記ハローパケットと同様のハローパケットを外部から受信した際に、該ハローパケットの送信元たる他装置のIDと、前記他装置の状態を表すデータと、前記他装置の親となる移動端末装置のIDと、前記他装置からゲートウェイとして指定されているか否かを示すフラグと、前記他装置に隣接する移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、を隣接端末に係るデータを保存する隣接端末リスト保存手段に保存するハローパケット送受信手段と、
    前記隣接端末リスト保存手段に保存されたデータに依拠しアドホックネットワークの構成に係る原則に基づいて、先ず、クラスタヘッドとなるべき移動端末装置を指定し、
    次いで、自装置がゲートウェイとして指定されているときには自装置の状態をゲートウェイとし、自装置がゲートウェイとして指定されなくなったとき自装置の状態をメンバとし、
    前記隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続が2ホップで可能な場合には、各移動端末装置に共通の所定の第一の規約に基づいて中継の候補となる移動端末装置のうちから該当する移動端末装置をゲートウェイに指定し、
    隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続には3ホップを要する場合には、各移動端末装置に共通の所定の第二の規約に基づいて該当する2つの移動端末装置をゲートウェイに指定するクラスタリング手段と、
    を具備することを特徴とする移動端末装置。
  2. 前記アドホックネットワークの構成に係る原則は:
    (1)当該アドホックネットワークを構成する全ての移動端末装置はクラスタヘッドであるか、または、クラスタヘッドに隣接している。
    (2)クラスタヘッド同士は隣接しない。
    という2つの要件を同時に満たすものであり、
    前記各移動端末装置のIDとして数値が割当てられている場合において、
    前記所定の第一の規約は:該当する移動端末装置の中でIDの数値が最も大きいものをゲートウェイに指定する旨規定され、
    前記所定の第二の規約は:
    前記隣接するクラスタのクラスタヘッド間を中継する2基の移動端末装置の組み合わせの中で当該各2基のIDの数値の合計値が同値でない場合には:
    該合計値が最小となる移動端末装置の組み合わせのうち自装置に近い方の移動端末装置をゲートウェイに指定し;
    該合計値が同値の場合には:
    当該2基のうちIDの数値が小さい方の移動端末装置のIDが最大である移動端末装置を含む組み合わせを選択し、該選択された2基の移動端末装置のうち自装置に近い方の移動端末装置をゲートウェイに指定する
    旨規定されていることを特徴とする請求項1に記載の移動端末装置。
  3. 前記各移動端末装置のIDとして数値が割当てられている場合において、
    自装置の状態がクラスタヘッドであるときには、
    自装置のIDと、
    自装置を親に指定しているメンバの状態である他装置のIDと、
    自装置がゲートウェイとして指定しているノードたる他装置のIDと、を含むリンク情報を送信し、
    隣接するクラスタのクラスタヘッドたる他装置まで2基のゲートウェイで接続され、且つ、該2基のゲートウェイのうちIDの大きい方のゲートウェイに隣接しているクラスタヘッドのなかで自装置のIDが最大の場合においては、前記2基のゲートウェイの各IDとを含むリンク情報を送信し、
    当該他装置から前記リンク情報と同様のリンク情報を受信したときには、自装置の状態がクラスタヘッドまたはゲートウェイであり、且つ、該受信したリンク情報と同様のリンク情報を過去に送信していないときには、該受信したリンク情報を中継するリンク情報送受信手段を具備することを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の移動端末装置。
  4. アドホックネットワークを構成する複数の移動端末装置に係るルーティングを確立するための制御方法であって、前記複数の各移動端末装置にそれらの各一を識別可能なIDを夫々付し、
    前記複数の各移動端末装置が選択的にとり得る3つの状態である、クラスタヘッドである状態、ゲートウェイである状態、および、メンバである状態のうちの何れの状態を現在時点でとっているかを表すデータを各一の移動端末装置に保持させ、
    前記各一の移動端末装置は、自装置のIDと、前記自装置の状態を表すデータと、前記自装置の親となる他装置のIDと、前記自装置に隣接する他装置のIDと、該隣接する他装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する他装置をゲートウェイとして指定しているか否かを示すフラグと、を含むハローパケットを繰り返し送信し、
    前記ハローパケットと同様のハローパケットを外部から受信した際に、該受信に係る送信元たる他装置のIDと、前記他装置の状態を表すデータと、前記他装置の親となる移動端末装置のIDと、前記他装置に隣接する移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置が親に指定するクラスタヘッドたる移動端末装置のIDと、該隣接する移動端末装置からゲートウェイとして指定されているか否かを示すフラグと、を隣接端末に係るデータとして保存し、
    前記隣接端末に係るデータとして保存されたデータに依拠し且つアドホックネットワークの構成に係る原則に基づいて、先ず、クラスタヘッドとなるべき移動端末装置を指定し、次いで、自装置がゲートウェイとして指定されているときには自装置の状態をゲートウェイとし、自装置がゲートウェイとして指定されなくなったとき自装置の状態をメンバとし、前記隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続が2ホップで可能な場合には、各移動端末装置に共通の所定の第一の規約に基づいて中継の候補となる移動端末装置のうちから該当する移動端末装置をゲートウェイに指定し、隣接するクラスタのクラスタヘッドへの接続には3ホップを要する場合には、各移動端末装置に共通の所定の第二の規約に基づいて該当する2つの移動端末装置をゲートウェイに指定することを特徴とする制御方法。
  5. 前記アドホックネットワークの構成に係る原則は:
    (1)当該アドホックネットワークを構成する全ての移動端末装置はクラスタヘッドであるか、または、クラスタヘッドに隣接している。
    (2)クラスタヘッド同士は隣接しない。
    という2つの要件を同時に満たすものであり、
    前記各移動端末装置のIDとして数値が割当てられている場合において、
    前記所定の第一の規約は:該当する移動端末装置の中でIDの数値が最も大きいものをゲートウェイに指定する旨規定され、
    前記所定の第二の規約は:
    前記隣接するクラスタのクラスタヘッド間を中継する2基の移動端末装置の組み合わせの中で当該各2基のIDの数値の合計値が同値でない場合には:
    該合計値が最小となる移動端末装置の組み合わせのうち自装置に近い方の移動端末装置をゲートウェイに指定し;
    該合計値が同値の場合には:
    当該2基のうちIDの数値が小さい方の移動端末装置のIDが最大である移動端末装置を含む組み合わせを選択し、該選択された2基の移動端末装置のうち自装置に近い方の移動端末装置をゲートウェイに指定する
    旨規定されていることを特徴とする請求項4に記載の制御方法。
  6. 前記各移動端末装置のIDとして数値が割当てられている場合において、
    前記クラスタリング手段は、
    前記自装置の状態がクラスタヘッドの場合で前記他装置の中に前記自装置よりIDが大きいクラスタヘッドが存在する場合には、自装置の状態をメンバに遷移させ、且つ、隣接するクラスタヘッドの中でIDが最大の移動端末装置を親に指定し、
    自装置の状態がゲートウェイまたはメンバであり、且つ、自装置が親に指定しているクラスタヘッドが存在しない場合、自装置の状態をメンバに遷移させ、且つ、クラスタヘッドの状態をとっている移動端末装置の中でIDが最大である移動端末装置を親に指定し、
    自装置の状態がゲートウェイまたはメンバであり、且つ、隣接する移動端末装置の中にクラスタヘッドが存在しない場合、自装置をクラスタヘッドに遷移させる機能を更に備えることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の複数の移動端末装置により構成される移動体通信システム。
  7. 前記他装置からリンク情報を受信するように構成されたリンク情報受信手段と、前記リンク情報受信手段によって受信されたリンク情報を保存するトポロジ情報保存手段と、当該アドホックネットワークを構成する任意の移動端末装置間を中継する移動端末装置のリストを作成し該リストを当該アドホックネットワークにおける各移動端末装置に供給し得るルーティング手段と、を有するトポロジ管理装置と、
    前記トポロジ管理装置にリンク情報を送信するリンク情報送受信部と、前記リストを前記トポロジ管理装置に問い合わせるルーティング部を具備することを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の複数の移動端末装置により構成される移動体通信システム。
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