JP2008282672A - 燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池において、安価で接触抵抗が低く、しかも、安定した出力を得ることを可能とする。
【解決手段】電解質膜と、電解質膜の一方の面に配置された複数の燃料極と、電解質膜の他方の面に配置され燃料極のそれぞれと対向する複数の空気極と、を有する膜電極接合体2と、
膜電極接合体2における燃料極13のそれぞれに接触する複数の第1電極部21と、空気極16のそれぞれに接触する複数の第2電極部22と、を有し、前記第1電極部と前記第2電極部が燃料極と空気極との各組を電気的に直列に接続する連結部によって連結され、
第1電極部21及び第2電極部22は、基材23上に塗布した導電性ペーストによって形成されたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、燃料電池及びその製造方法に係り、特に液体燃料を用いた燃料電池に関する。
近年、電子技術の進歩により、電子機器の小型化、高性能化、ポータブル化が進んでおり、携帯用電子機器においては、使用される電池の高エネルギ密度化の要求が強まっている。このため、軽量で小型でありながら高容量の電源が要求されている。
このような状況のもと、小型の燃料電池が注目を集めている。例えば、メタノールを燃料として用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)は、水素ガスを使用する燃料電池に比べ、水素ガスの取り扱いの困難さや、有機燃料を改質して水素を作り出す装置などが必要なく、小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易である。
DMFCでは、燃料極においてメタノールが酸化分解され、二酸化炭素、プロトン及び電子が生成される。一方、空気極では、空気から得られる酸素と、電解質膜を経て燃料極から供給されるプロトン及び燃料極から外部回路を通じて供給される電子によって水が生成される。また、この外部回路を通る電子によって、電力が供給されることになる。
燃料電池から得られる電圧は、通常、1Vに満たないため、DC/DCコンバーターによって昇圧して使用する場合が多い。その際の昇圧の効率を高めるため、燃料電池は電極を直列に接続して電圧を高める事が一般的に行われている。
燃料電池は、内部抵抗が大きく、大電流を取り出そうとすると電位の低下が生じる。このため、実用化のためには内部抵抗の低減が重要である。内部抵抗は、アノード及びカソードでのそれぞれの反応抵抗や、電解質膜で生じる抵抗が主であるが、電極から電気を取り出すための集電体の抵抗も重要な要素となる。
特に、小型携帯機器用途では、燃料電池の厚さを薄く保つために、電極と集電体とを強い力で密着する機構をもつことができない。このため、集電体は、金箔のような柔軟で接触抵抗が小さい材料で形成し、各電極と平面接触させることにより導通をとっている。金箔は、燃料電池反応で発生する腐食性の雰囲気にも耐える強い耐食性があり好ましい。
しかしながら、金は高価であり、コストの増大を招く。また、単なる平面接触による導通では、接触抵抗が安定せず、たとえば反応に伴うガス発生などにより電極にかかる応力が変化した場合には著しい接触抵抗の増大を生ずるおそれがある。
例えば、特許文献1によれば、プロトン伝導体膜と、面状電極と、流体拡散層と、導電体層とが積層されてなる発電体構造であって、導電体層が流体拡散層の面上に固着形成されてなるものが開示されている。このような構造の発電体によれば、発電体を加圧することなく面状電極と導電体層との電気的な接続を確保するものである。
特開2003−187810号公報
この発明の目的は、安価で接触抵抗が低く、しかも、安定した出力を得ることが可能な燃料電池を提供することにある。また、この発明の目的は、容易に製造可能な燃料電池の製造方法を提供することにある。
この発明の態様による燃料電池は、
電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置された複数の燃料極と、前記電解質膜の他方の面に配置され前記燃料極のそれぞれと対向する複数の空気極と、を有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体における前記燃料極のそれぞれに接触する複数の第1電極部と、前記空気極のそれぞれに接触する複数の第2電極部と、を有し、前記第1電極部と前記第2電極部が前記燃料極と前記空気極との各組を電気的に直列に接続する連結部によって連結された集電体と、
を備え、
前記第1電極部及び前記第2電極部は、基材上に塗布した導電性ペーストを硬化することによって形成されたことを特徴とする。
この発明の態様による燃料電池の製造方法は、
電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置された複数の燃料極と、前記電解質膜の他方の面に配置され前記燃料極のそれぞれと対向する複数の空気極と、を有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体における前記燃料極のそれぞれに接触する複数の第1電極部と前記空気極のそれぞれに接触する複数の第2電極部と、を有し、前記第1電極部と前記第2電極部が前記燃料極と前記空気極との各組を電気的に直列に接続する連結部によって連結された集電体と、
を備えた燃料電池の製造方法であって、
基材上に、複数の前記第1電極部及び複数の前記第2電極部に対応したパターンの導電性ペーストを塗布した後に硬化させた集電体を用意し、
前記第1電極部のそれぞれが前記燃料極に接触し且つ前記第2電極部のそれぞれが前記空気極に接触するように前記集電体によって前記膜電極接合体を挟持したことを特徴とする。
また、
電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置された複数の燃料極と、前記電解質膜の他方の面に配置され前記燃料極のそれぞれと対向する複数の空気極と、を有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体における前記燃料極のそれぞれに接触する複数の第1電極部と前記空気極のそれぞれに接触する複数の第2電極部と、を有し、前記第1電極部と前記第2電極部が前記燃料極と前記空気極との各組を電気的に直列に接続する連結部によって連結された集電体と、
を備えた燃料電池の製造方法であって、
基材上に、複数の前記第1電極部及び複数の前記第2電極部に対応したパターンの導電性ペーストを塗布した集電体を用意し、
前記第1電極部のそれぞれが前記燃料極に接着し且つ前記第2電極部のそれぞれが前記空気極に接着するように前記集電体によって前記膜電極接合体を挟持した後に、導電性ペーストを硬化させることを特徴とする。
この発明によれば、安価で接触抵抗が低く、しかも、安定した出力を得ることが可能な燃料電池を提供することができる。また、この発明によれば、容易に製造可能な燃料電池の製造方法を提供することができる。
すなわち、集電体は、膜電極接合体における燃料極と空気極との各組を電気的に直列に接続するための第1電極部及び第2電極部を有している。これらの第1電極部及び第2電極部は、金箔に代えて導電性ペーストによって形成されている。このため、金と比較して著しい接触抵抗の増大を招くことなく、集電体の低コスト化が可能となる。また、基材上に塗布した導電性ペーストが硬化する前に、膜電極接合体の燃料極及び空気極のそれぞれに導電性ペーストを付着させて硬化することにより、燃料極及び空気極のそれぞれに接着した第1電極部及び第2電極部が形成される。このため、膜電極接合体内部での反応に伴うガス発生などにより各電極にかかる応力が変化した場合であっても、膜電極接合体の各電極と集電体の各電極部との電気的な接続を確実に確保することができ、安定した出力を得ることが可能となる。
以下、この発明の一実施の形態に係る燃料電池及びその製造方法について図面を参照して説明する。
図1に示すように、燃料電池1は、燃料電池1の起電部を構成する膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)2を備えている。すなわち、燃料電池1において、膜電極接合体2は、アノード触媒層11とアノードガス拡散層12とを有するアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14とカソードガス拡散層15とを有するカソード(空気極/酸化剤極)16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とを備えて構成されている。
アノード触媒層11やカソード触媒層14に含有される触媒としては、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層11には、メタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層14には、PtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒は、これらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。触媒は、炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜17を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜17は、これらに限られるものではない。
アノード触媒層11に積層されるアノードガス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均一に供給する役割を果たす。カソード触媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は、カソード触媒層14に酸化剤を均一に供給する役割を果たす。これらのアノードガス拡散層12及びカソードガス拡散層15は、例えば多孔質の炭素素材よりなる薄膜機材によって構成され、具体的にはカーボンペーパーまたは炭素繊維などによって構成されている。
電解質膜17のアノード側及びカソード側には、それぞれゴム製のOリングなどのシール材19が配置されており、これらによって膜電極接合体2からの燃料漏れを防止している。
この実施の形態においては、膜電極接合体2は、同一の電解質膜17における一方の面17A上に配置された複数のアノード13と、電解質膜17における他方の面17B上に配置された複数のカソード16とを有しており、各アノード13と各カソード16とが電解質膜17を介して対向している。つまり、単一のMEAを構成するアノード13とカソード16との各組が同一平面上に複数個配列されている。
図2及び図3に示した例では、膜電極接合体2は、単一の電解質膜17の一方の面17A上に配置された4個のアノード131〜134と、電解質膜17の他方の面17Bに配置された4個のカソード161〜164と、を有している。アノード131とカソード161とがそれぞれ対向するように配置されており、1組のMEAを構成している。同様に、アノード132とカソード162とがそれぞれ対向するように配置され、アノード133とカソード163とがそれぞれ対向するように配置され、アノード134とカソード164とがそれぞれ対向するように配置されており、4組のMEAが同一平面上に配列されている。
燃料電池1は、これらのアノード13とカソード16との各組を電気的に直列に接続する集電体20を備えている。
すなわち、図4に示すように、集電体20は、膜電極接合体2の外形寸法の概ね2倍の面積を有しており、二つに折り曲げることによって膜電極接合体2を挟持するものである。この集電体20は、複数の第1電極部21と、複数の第2電極部22とを有している。これらの第1電極部21及び第2電極部22は、フィルム状の基材23における同一面上に配置されている。基材23は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などのフレキシブルな絶縁材料によって形成されている。
第1電極部21は、アノード13のそれぞれに対応して設けられたものであり、膜電極接合体2に含まれるアノード13と同数個備えられている。第2電極部22は、カソード16のそれぞれに対応して設けられたものであり、膜電極接合体2に含まれるカソード16と同数個備えられている。
図4に示した例では、集電体20は、4個の第1電極部211〜214、及び、4個の第2電極部221〜224を有している。第1電極部211はアノード131に対応し、同様に、第1電極部212はアノード132に対応し、第1電極部213はアノード133に対応し、第1電極部214はアノード134に対応する。第2電極部221はカソード161に対応し、同様に、第2電極部222はカソード162に対応し、第2電極部223はカソード163に対応し、第2電極部224はカソード164に対応する。
このような集電体20は、アノード触媒層11に燃料を供給するための複数の燃料供給孔24、及び、カソード触媒層14に空気を供給するための複数の空気流通孔25を有している。燃料供給孔24は、基材23とともに第1電極部21を貫通する貫通孔である。空気流通孔25も同様に、基材23とともに第2電極22を貫通する貫通孔である。図4に示した例では、これらの燃料供給孔24及び空気流通孔25は、それぞれ短冊状の第1電極部21及び第2電極部22が延在する方向に並んで形成されている。これにより、ここで示した第1電極部21及び第2電極部22は、ともに梯子状のパターンを有するように形成されている。
集電体20において、互いに最も離れた位置に配置された第1電極部211及び第2電極部224は、それぞれ集電した電気を取り出す端子26及び27を有している。端子を有していない第1電極部21及び第2電極部22は、それぞれ連結部28によって電気的に接続されている。図4に示した例では、第1電極部212と第2電極部221とが連結部281によって接続され、同様に、第1電極部213と第2電極部222とが連結部282によって接続され、第1電極部214と第2電極部223とが連結部283によって接続されている。
上述したような構造の集電体20において、二つ折りにされた内側空間に膜電極接合体2が収容されている。すなわち、各第1電極部21は対応するアノード13と電気的に接続され、また、各第2電極部22は対応するカソード16と電気的に接続されるように、二つ折りされた集電体20により膜電極接合体2が挟み込まれている。
燃料電池1は、さらに、膜電極接合体2に対して燃料を供給する図示しない燃料供給機構を備えている。この燃料供給機構は、膜電極接合体2のアノード13側に配置され、膜電極接合体2のアノード13に対して燃料を供給するものである。燃料供給機構としては、種々の形態が適用可能であり、アノードに対して液体燃料を供給するための燃料ポンプなどの能動的な移送手段を有するアクティブ方式のものや、このような移送手段を有することなく液体燃料を収容した燃料収容部を備えた内部気化型のような純パッシブ方式のものや、アノードに対して燃料を供給する燃料供給部及びこの燃料供給部に対して供給される燃料を収容する燃料収容部を備えたセミパッシブ方式のものなどが適用可能である。
液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。なお、液体燃料は、必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、膜電極接合体2に応じた液体燃料が使用される。
上述したような構成の燃料電池1においては、以下のようなプロセスによって発電する。
すなわち、メタノール燃料などの液体燃料の気化成分が集電体20の燃料供給孔24を透過して膜電極接合体2に供給される。膜電極接合体2内において、液体燃料の気化成分は、アノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11に供給された気化成分は、下記の(1)式に示したメタノールの内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、燃料供給機構から水蒸気が供給されないため、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、上記した(1)式の内部改質反応によらず、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
この内部改質反応で生成された電子(e-)は、集電体20を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、カソード16に導かれる。また、(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は、電解質膜17を経てカソード16に導かれる。
一方、カソード16には、酸化剤として空気が供給される。すなわち、集電体20の空気流通孔25から導入された空気は、カソードガス拡散層15を通過し、カソード触媒層14へと供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
上述した燃料電池1の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせると共に、膜電極接合体2の電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。
《第1実施形態》
ところで、この発明の第1実施形態に係る燃料電池1においては、集電体20の第1電極部21及び第2電極部22は、導電性ペーストによって形成されている。特に、第1実施形態においては、第1電極部21及び第2電極部22は、基材23上に塗布した導電性ペーストを硬化することによって形成されている。このような集電体20によって膜電極接合体2を挟持したとき、第1電極部21は対応するそれぞれのアノード13と接触し、また、第2電極22は対応するそれぞれのカソード16と接触する。
導電性ペーストとしては、高分子系材料からなる主樹脂バインダーに導電性粒子を含有したものが適用可能である。導電性粒子としては、銀などの貴金属系の金属粒子や、カーボン粒子、さらには、銀・カーボン混合物のいずれかが好適である。主樹脂バインダーとしては、エポキシ樹脂、ポリエステル等の高分子材料が適用可能である。また、主樹脂バインダーには、溶剤を蒸発させることによって硬化させるタイプや、加熱や紫外線照射などによって架橋反応を起こして硬化させるタイプのものなどがあり、いずれのタイプであっても適用可能である。導電性ペーストの具体例としては、例えば株式会社アサヒ化学研究所製の製品名LS−411AW、LS−415C−M、SW−1100−1、FTU−60N4−20などのポリマー型導電性ペーストが適用可能である。
このような第1実施形態に係る燃料電池1は、以下のようにして製造される。
まず、集電体20を用意する。すなわち、燃料供給孔及び空気流通孔に対応した貫通孔を有する基材23を用意する。その後、この基材23上に、第1電極部及び第2電極部に対応したパターンを有するマスク(スクリーン)を介して導電性ペーストを塗布する。そして、この導電性ペーストを焼成するなどして硬化させる。このようにして、第1電極部21及び第2電極部22を有する集電体20を形成する。
続いて、上述したような集電体20によって別途用意した膜電極接合体2を挟持する。このとき、集電体20の第1電極部21のそれぞれを膜電極接合体2のアノード13に接触させ、且つ、第2電極部22のそれぞれをカソード16に接触させる。これにより、膜電極接合体2におけるアノード13とカソード16との各組が電気的に直列に接続される。
このような第1実施形態によれば、膜電極接合体におけるアノードとカソードとの各組を電気的に直列に接続するための第1電極部及び第2電極部を有する集電体において、第1電極部及び第2電極部は、導電性ペーストによって形成されている。このため、集電体の電極部材料として金を利用した場合と比較して、集電体の低コスト化が可能となるとともに、著しい接触抵抗の増大を招くことがないため安定した出力を得ることが可能となる。また、スクリーン印刷などの簡易な手法により導電性ペーストを塗布することによって第1電極部及び第2電極部を容易に形成することが可能であり、製造コストの削減が可能となる。
《第2実施形態》
次に、この発明の第2実施形態に係る燃料電池1について説明する。
この第2実施形態においても、集電体20の第1電極部21及び第2電極部22は、導電性ペーストによって形成されている。特に、第2実施形態においては、第1電極部21及び第2電極部22は、基材23上に塗布した導電性ペーストが硬化する前にそれぞれアノード13及びカソード16に貼り付けられている。つまり、第1電極部21は対応するそれぞれのアノード13に接着され、また、第2電極22は対応するそれぞれのカソード16に接着されている。
導電性ペーストとしては上述した第1実施形態と同様のものが適用可能である。
このような第2実施形態に係る燃料電池1は、以下のようにして製造される。
まず、集電体20を用意する。すなわち、燃料供給孔及び空気流通孔に対応した貫通孔を有する基材23を用意した後に、この基材23上に、第1電極部及び第2電極部に対応したパターンを有するマスク(スクリーン)を介して導電性ペーストを塗布する。
続いて、この導電性ペーストが硬化する前に、集電体20によって別途用意した膜電極接合体2を挟持する。このとき、集電体20の第1電極部21に対応したパターンの導電性ペーストをそれぞれ膜電極接合体2のアノード13に貼り付け、且つ、第2電極部22に対応したパターンの導電性ペーストをそれぞれカソード16に貼り付ける。そして、導電性ペーストを焼成するなどして硬化させる。これにより、アノード13のそれぞれに接着した第1電極部21及びカソード16のそれぞれに接着した第2電極部22が形成され、膜電極接合体2におけるアノード13とカソード16との各組が集電体20により電気的に直列に接続される。
このような第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果に加えて、膜電極接合体におけるアノードと集電体における第1電極部とが接着され、膜電極接合体におけるカソードと集電体における第2電極部とが接着されるため、膜電極接合部の内部での反応に伴うガス発生などにより変形が生じても膜電極接合部における各電極(アノード及びカソード)と集電体の各電極部(第1電極部及び第2電極部)との間で安定して低い接触抵抗を保持することができ、さらに出力を安定化することが可能となる。したがって、信頼性を向上できる。
《変形例》
導電性ペーストの比抵抗は、金属導電体の10倍程度である。このため、アノード及びカソードの各組を集電体により直列に接続して集電するような場合には、電極の両端で電位勾配が生じてしまい、燃料電池の出力が十分に取り出せないことがある。そこで、集電体20において、アノードとカソードとの各組を電気的に直列に接続する連結部28は、金属製導電体を有することが望ましい。すなわち、連結部28は、金属製導電体のみで形成しても良いが、図5及び図6に示したように、第1電極部21及び第2電極部22と同一の導電性ペーストに金属製導電体30を積層して形成しても良い。
このように、連結部28が金属製導電体30を有することにより、集電体抵抗をより低下させることができ、電位勾配を改善することが可能となる。なお、ここで適用される金属製導電体30としては、燃料電池の腐食性雰囲気に対する耐性を有するものが望ましく、例えば金箔や金メッキされたステンレス箔などが好適である。耐食性の良い金属は、一般に高価なので、金属製導電体30は薄い箔にして用いるが、この際、物理的な力による断裂を防止するためPETフィルムのような基材に導電性ペーストを介して接着し硬化させることにより、実用的な強度を保つことができる。
《実施例1》
図3に示したような4個のアノード13と4個のカソード16とを電解質膜17を介して対向配置した膜電極接合体2を用意した。この膜電極接合体2においては、アノード13及びカソード16のそれぞれは、8cmの長さを有し、1cmの幅を有している。一方で、厚さ10μmのPETフィルム上に、株式会社アサヒ化学研究所製のポリマー型導電性ペーストSW−1100−1を図4に示したように15μmの厚さで塗布した後に硬化させることによって形成した集電体20を用意した。このような集電体20により、図1に示したように膜電極接合体2を挟持し、燃料電池1の発電部を形成した。このような形態の実施例1において、燃料電池の直流抵抗を測定したところ、1.52Ωであった。
《実施例2》
実施例1と同一の膜電極接合体2を用意した。一方で、厚さ10μmのPETフィルム上に、株式会社アサヒ化学研究所製のポリマー型導電性ペーストSW−1100−1を図4に示したように15μmの厚さで塗布し、さらに図6に示したように連結部28には厚さ5μmの金属製導電体として金箔を接着させることによって形成した集電体20を用意した。このような集電体20により、図5に示したように膜電極接合体2を挟持し、燃料電池1の発電部を形成した。このような形態の実施例2において、燃料電池の直流抵抗を測定したところ、1.05Ωであり、実施例1よりも低い直流抵抗となることが確認された。
《比較例》
実施例1と同一の膜電極接合体2を用意した。一方で、厚さ10μmのPETフィルム上に、金メッキを施した50μmの厚さのステンレス箔によって第1電極部、第2電極部、及び、連結部を形成した集電体20を用意した。このような集電体20により、膜電極接合体2を挟持し、燃料電池1の発電部を形成した。このような形態の比較例において、燃料電池の直流抵抗を測定したところ、1.78Ωであった。
これらの結果から、第1電極部及び第2電極部を導電性ペーストによって形成した集電体によれば、集電抵抗を十分に低減することができ、しかも、高価な金メッキを施した比較例よりも集電抵抗を低減できることが確認できた。また、連結部のみに金箔を接着することにより、さらに集電抵抗を低減できることが確認できた。
上述した各実施形態の燃料電池1は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。各実施形態の燃料電池1は、濃度が80wt%以上のメタノールを液体燃料として用いた場合に、その性能や効果を特に発揮することができる。したがって、各実施形態は、濃度が80wt%以上のメタノール水溶液または純メタノールを液体燃料として用いた燃料電池1に適用することが好ましい。
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組み合わせたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除したりする等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
図1は、この発明の一実施の形態に係る燃料電池の構成を概略的に示す断面図である。 図2は、図1に示した燃料電池における膜電極接合体の外観を概略的に示す平面図である。 図3は、図2に示した膜電極接合体をIII−III線に沿って切断したときの斜視図である。 図4は、この発明の一実施の形態に係る燃料電池に適用可能な集電体の構造を概略的に示す平面図である。 図5は、実施の形態の変形例に係る燃料電池の構成を概略的に示す断面図である。 図6は、図5に示した変形例に係る燃料電池に適用可能な集電体の構造を概略的に示す平面図である。
符号の説明
1…燃料電池 2…膜電極接合体
11…アノード触媒層 12…アノードガス拡散層 13…アノード(燃料極)
14…カソード触媒層 15…カソードガス拡散層 16…カソード(空気極)
17…電解質膜
20…集電体 21…第1電極部 22…第2電極部 23…基材 24…燃料供給孔 25…空気流通孔 26、27…端子 28…連結部 30…金属製導電体

Claims (7)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置された複数の燃料極と、前記電解質膜の他方の面に配置され前記燃料極のそれぞれと対向する複数の空気極と、を有する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体における前記燃料極のそれぞれに接触する複数の第1電極部と、前記空気極のそれぞれに接触する複数の第2電極部と、を有し、前記第1電極部と前記第2電極部が前記燃料極と前記空気極との各組を電気的に直列に接続する連結部によって連結された集電体と、
    を備え、
    前記第1電極部及び前記第2電極部は、基材上に塗布した導電性ペーストを硬化することによって形成されたことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記燃料極と前記空気極との各組を電気的に直列に接続する前記連結部は、金属製導電体を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記導電性ペーストは、銀、カーボン、銀・カーボン混合物のいずれかからなる導電性粉末材料を含有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記膜電極接合体に供給される燃料は、メタノール燃料であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記メタノール燃料は、メタノール濃度が80wt%以上のメタノール水溶液または純メタノールであることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
  6. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置された複数の燃料極と、前記電解質膜の他方の面に配置され前記燃料極のそれぞれと対向する複数の空気極と、を有する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体における前記燃料極のそれぞれに接触する複数の第1電極部と、前記空気極のそれぞれに接触する複数の第2電極部と、を有し、前記第1電極部と前記第2電極部が前記燃料極と前記空気極との各組を電気的に直列に接続する連結部によって連結された集電体と、
    を備えた燃料電池の製造方法であって、
    基材上に、複数の前記第1電極部及び複数の前記第2電極部に対応したパターンの導電性ペーストを塗布した後に硬化させた集電体を用意し、
    前記第1電極部のそれぞれが前記燃料極に接触し且つ前記第2電極部のそれぞれが前記空気極に接触するように前記集電体によって前記膜電極接合体を挟持したことを特徴とする燃料電池の製造方法。
  7. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置された複数の燃料極と、前記電解質膜の他方の面に配置され前記燃料極のそれぞれと対向する複数の空気極と、を有する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体における前記燃料極のそれぞれに接触する複数の第1電極部と前記空気極のそれぞれに接触する複数の第2電極部と、を有し、前記第1電極部と前記第2電極部が前記燃料極と前記空気極との各組を電気的に直列に接続する連結部によって連結された集電体と、
    を備えた燃料電池の製造方法であって、
    基材上に、複数の前記第1電極部及び複数の前記第2電極部に対応したパターンの導電性ペーストを塗布した集電体を用意し、
    前記第1電極部のそれぞれが前記燃料極に接着し且つ前記第2電極部のそれぞれが前記空気極に接着するように前記集電体によって前記膜電極接合体を挟持した後に、導電性ペーストを硬化させることを特徴とする燃料電池の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010095510A1 (ja) * 2009-02-20 2010-08-26 株式会社 東芝 燃料電池
WO2011138927A1 (ja) * 2010-05-07 2011-11-10 株式会社 東芝 燃料電池
JP2017004942A (ja) * 2015-06-04 2017-01-05 台湾ナノカーボンテクノロジー股▲ふん▼有限公司 接触抵抗を低減した電気化学セル

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