JP2008280555A - めっき装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】めっき液に浸漬させたアノード7と、カソードとなる被めっき基板8との間に流れる電流に対して抵抗を付与する抵抗付与手段6が、前記アノード7と前記被めっき基板8との間に設けられていることを特徴とする。すなわち、抵抗付与手段6によって、アノード7と被めっき基板8との間を流れる電流に対して抵抗が付与され、そのため、被めっき基板8に対して膜厚の均一なめっきを施すことができる。
【選択図】図1
Description
そのため、導体を高精度に形成するために、導体の膜厚を全面にわたって均一にする必要がある。
すなわち、めっきによって設けられる導体の膜厚が不均一な場合、膜厚の最も厚い部分又は最も薄い部分に合わせてエッチング量を最適化する必要があるが、いずれか厚い部分又は薄い部分に合わせて最適化すると以下のような問題がある。最も厚い部分に合わせてエッチング量を最適化すると、膜厚の薄い部分で過剰にエッチングされてしまい、配線幅が目標仕様より細くなってしまう。一方、最も薄い部分に合わせると、膜厚の厚い部分でエッチング量が不足して配線幅が広くなったり、隣りの導体配線との絶縁距離が不足したりしてしまう。
すなわち、いずれか厚い部分又は薄い部分に合わせてエッチング量を最適化すると、導体の一部では所望のライン幅にすることができたとしても、他の部分で所望のライン幅と差異が生じてしまい、目標仕様のインピーダンス抵抗値を得ることができなくなってしまう。
上記の問題点は、生産性を上げるために大型基板を用いると、より顕著になる。
以下は、好ましい態様とする。
本発明は、めっき液に浸漬させたアノードと、カソードとなる被めっき基板との間に流れる電流に対して抵抗を付与する抵抗付与手段が、前記アノードと前記被めっき基板との間に設けられていることを特徴とする。
これにより、アノード室及びカソード室の内部においてめっき液を流動させることができる。
これにより、めっき液を常にクリーンな状態に維持することができる。
これにより、アノード室において発生した異物を、孔に残留させたり、カソード室に移動させたりすることを防止することができる。
これにより、
本発明者は、めっきの不均一がめっき液流の不均一に基因することを見出し、めっき電流に抵抗を与えることによって、めっきが均一になるという知見を得て本発明を完成するに到った。以下、「抵抗付与」とその効果に力点をおいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態としてのめっき装置を示したものである。
めっき装置1は、めっき液が入れられるアノード室2及びカソード室3を備えている。
アノード室2及びカソード室3は、縦断面がコ字状に形成されており、それら上端が開放されている。そして、それら開放された上端からめっき液が入れられるようになっている。アノード室2及びカソード室3は、それぞれの高さ寸法内でめっき液を保持するようになっている。すなわち、アノード室2とカソード室3とを仕切る仕切板(抵抗付与手段、壁部材)6をめっき液中に浸漬させることなく、それぞれ独立にアノード室2及びカソード室3がめっき液を保持するようになっている。つまり、カソード室3の上方でアノード室2とカソード室3とにわたって、めっき液が充填されることはない。
なお、アノード室2は二つ設けられており、これら二つのアノード室2がカソード室3を挟んで対向して配置されている。
また、カソード室3のうち、アノード室2の配列方向の中央には、カソード領域11が設けられている。このカソード領域11に、被めっき体としての基板(カソード電極)8が設けられるようになっている。すなわち、カソード室3の上端と下端には、それぞれ基板保持治具14が設けられており、これら基板保持治具14が、上下から基板8を保持するようになっている。
また、仕切板6とカソード領域11との間の距離寸法d1は、0.5mmになっている。
さらに、めっき装置1は、アノード室2及びカソード室3の外方から、アノード室2に入れられためっき液をカソード室3に流動させる流動部13を備えている。流動部13は、アノード室2及びカソード室3の外方に設けられて、アノード室2とカソード室3とを連通する連通管20を備えている。連通管20には、アノード室2からめっき液を吸引する液送ポンプ16が設けられている。液送ポンプ16は、各アノード室2に対応させて二つ設けられている。また、連通管20には、めっき液を透過させてめっき液中の異物を取り除くフィルタ17が設けられている。すなわち、液送ポンプ16によって各アノード室2からめっき液を吸引し、その吸引しためっき液を、フィルタ17を通してカソード室3に流動させるようになっている。そのため、液送ポンプ16を駆動することにより、カソード室3のめっき液の液面の高さが、アノード室2のめっき液の液面の高さよりも高くなるようになっている。
めっき液の抵抗値は、以下のようにして測定する。すなわち、アルコールなどの表面張力が低い液によって仕切板6をあらかじめ洗浄し、仕切板6の孔を介してめっき液を強制的に通液させる前処理を行う。そして、図2に示すように、前処理を行った仕切板6を所定の位置に設置する。さらに、アノード室2及びカソード室3にめっき液を満たした状態で、電源部12によって通電を行う。そして、通電から5分経過後、安定した電流値と電圧値とを測定し、これら電流値と電圧値とからめっき液全体の抵抗値を算出する。
そして、仕切板6を設けたときのめっき液の抵抗値が基準抵抗値の1.1倍以上となる仕切板6が設けられる。
めっき液の抵抗値が基準抵抗値の1.1倍以上になる仕切板6を所定の位置に設置する。そして、それら仕切板6の各抵抗値に合わせて、電源部12から供給される電圧値を所定の値に設定する。さらに、アノード室2及びカソード室3に、それぞれの高さ寸法内でめっき液を入れる。これにより、めっき液は、アノード室2及びカソード室3にそれぞれ独立に保持される。なお、この状態では、めっき液は、仕切板6の孔を透過しない。
この状態から、液送ポンプ16を駆動する。すると、アノード室2のめっき液が吸引されて、フィルタ17を通してカソード室3内に送り込まれる。そのため、めっき液の量が相対的にアノード室2よりもカソード室3の方が多くなっていく。これにより、カソード室3のめっき液の液面が、アノード室2のめっき液の液面よりも高くなっていく。その結果、カソード室3内のめっき液の液圧が上昇し、やがて、仕切板6の孔からめっき液が透過する所定の液圧を越えていく。
そのため、カソード室3とアノード室2とにわたって、アノード室2及びカソード室3内において、めっき液が流動し続ける。
ここで、アノード室2及びカソード室3の内部においてめっき液を流動させるために、従来のように、アノード室2とカソード室3とにわたってめっき液を一杯に入れ、それらアノード室2及びカソード室3の上方を介してめっき液を流動させることが考えられる。
しかし、アノード室2とカソード室3とにわたってめっき液を一杯に入れると、上方の部分のめっき液の抵抗が小さくなるため、基板8の上方のめっき厚が局部的に大きくなってしまう。
本実施形態におけるめっき装置1によれば、アノード室2及びカソード室3に、めっき液を独立に保持させた状態で、アノード室2及びカソード室3の内部においてめっき液を流動させることができる。
また、カソード室3の液面の高さを上げるようにしたので、カソード室3からアノード室2へとめっき液を流動させることができることから、アノード室2で発生した異物などが孔に残留したり、カソード室3に移動したりすることを防止することができ、高精度なめっき層を形成することができる。すなわち、アノード電極7として、含りん銅ボールのような溶解性物質を用いた場合、ブラックフィルムの脱落による異物がアノード室2内で発生するが、これら異物がカソード室3に移動すると、基板8で突起となったりノジュールが発生したりしてしまいめっき品質が低下してしまう。本実施形態におけるめっき装置1によれば、カソード室3からアノード室2へとめっき液を流動させることにより、アノード室2で発生した異物などが孔に残留したり、カソード室3に移動したりすることを防止することができる。
また、仕切板6とカソード領域11との間の距離寸法d1が、0.5mmになっていることから、アノード電極7と基板8との間の電界を均一にすることができ、めっき層の膜厚を確実に均一にすることができる。
また、電源部12が、アノード電極7ごとに個別に設けられており、電源部12から供給される電圧値が、仕切板6の特性に合わせてあらかじめ設定されることから、仕切板6の固有の抵抗ばらつきがあった場合、これらばらつきに応じて補正することができ、より高品質なめっき層を形成することができる。
まず、一つ目の実験結果について説明する。
アノード室2及びカソード室3に、硫酸銅200g/L、硫酸50g/L、塩素イオン50mg/Lのめっき液を入れた。仕切板6は、めっき液の抵抗値が基準抵抗値の1.23倍となる有機質の連通気孔を有するものを用いた。距離寸法d1は、50mmとした。カソード室3のめっき液の液面の高さが、アノード室2のめっき液の液面の高さに対して1cm高くなるように、液送ポンプ16によるめっき液の流動量を調整した。この状態で、1.0A/dm2でめっき処理を行った。図3は、本実験において基板8の垂直方向をプロットした様子を示す表である。図3に示すように、基板8の垂直方向の全長にわたって、ほぼ均一なめっき膜厚を得ることができた。
仕切板6は、めっき液の抵抗値が基準抵抗値の1.43倍となる有機質の連通気孔を有するものを用いた。カソード室3のめっき液の液面の高さが、アノード室2のめっき液の液面の高さに対して10cm高くなるように、液送ポンプ16によるめっき液の流動量を調整した。なお、他の条件は一つ目の実験と同様である。この状態で、1.0A/dm2でめっき処理を行った。図4は、本実験において基板8の垂直方向をプロットした様子を示す表である。図4に示すように、基板8の垂直方向の全長にわたって、均一なめっき膜厚を得ることができた。なお、本実験では、めっき液の抵抗値の高くなる仕切板6を用いたことから、一つ目の実験よりもさらに均一な膜厚のめっき層が形成された。
二つめの実験において、液送ポンプ16を駆動せず、めっき液を外方から流動させない状態で、1.0A/dm2でめっき処理を行った。図5は、本実験において基板8の垂直方向をプロットした様子を示す表である。図5に示すように、基板8の上部でめっき厚が薄くなっている。これは、気泡が滞留したことにより、その部分での抵抗が高くなり、電流が流れ難くなったためと考えられる。さらに、その部分に流れなかった電流が基板8の中央部に流れたことにより、中央部のめっき厚が厚くなったものと考えられる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図6において、図1から図5に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
このような構成のもと、液送ポンプ16を駆動すると、カソード室3からアノード室2にめっき液が流動する。そのため、アノード室2のめっき液の液面が高くなった所定の状態で安定状態となる。
これにより、アノード室2及びカソード室3に、めっき液を独立に保持させた状態で、アノード室2及びカソード室3の内部においてめっき液を流動させることができる。
なお、フィルタ17を二つ設けるとしたが、これに限ることはなく、一つとしてもよい。この場合、フィルタ17の出口から連通管20を分岐させて各アノード室2に連通させればよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
図7において、図1から図6に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
仕切板6は、レール30に沿って複数配列されており、各仕切板6の間には、連結部31が設けられている。また、レール30に沿って、各仕切板6に対向してアノード電極7が設けられている。アノード電極7には、各アノード電極7ごとに個別に電源部12が設けられている。これら電源部12の電圧値は、各仕切板6の抵抗値に応じて、あらかじめ設定されている。
また、各アノード電極7ごとに個別に設けられた電源部12の電圧値が、各仕切板6の抵抗値に応じて、あらかじめ設定されていることから、より均一なめっき層を形成することができる。
また、液面の高さは、液送ポンプ16の送液量や仕切板6の孔の大きさによる流量の調整によって最適化を図ることができる。
また、めっき液面の高さ管理として、オーバーフロー構造を用いてもよい。例えば、カソード室3の液面を所定の高さに維持するため、カソード室3からめっき液がオーバーフローする構造とすることができる。
また、めっき液の抵抗値が基準抵抗値の1.1倍以上としたが、これに限ることはなく、1.1倍以上100倍以下の範囲で設定することができる。このとき、抵抗値が高すぎると、電圧が大きくなることや電気伝導度が低下することによって、カソードの電析レートが低下する。さらに、抵抗値が高すぎると、気孔率が低いことから、仕切板6内を均一にめっき液が通ることができず、仕切板6の面内抵抗のばらつきが生じることにより、面内のめっき厚のばらつきが大きくなってしまう。そのため、1.1倍以上〜100倍以下に設定される。
また、距離寸法d1は、0.5mm以上150mm以下の範囲内であれば、適宜変更可能である。すなわち、仕切板6を基板8から150mmを越えて離すと、カソード抵抗を無視することができなくなり、カソード給電接点部に電界が集中し基板8の外周部の膜厚が局部的に大きくなってしまう。そのため、距離寸法d1は、0.5mm以上150mm以下に設定される。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
2 アノード室(アノード)
3 カソード室
6 仕切板(抵抗付与手段、壁部材)
7 アノード電極
8 基板(被めっき体、被めっき基板、カソード電極)
11 カソード領域
12 電源部
13 流動部
17 フィルタ
30 レール(移動手段)
32 基板保持治具(移動手段)
Claims (11)
- めっき液に浸漬させたアノードと、カソードとなる被めっき基板との間に流れる電流に対して抵抗を付与する抵抗付与手段が、前記アノードと前記被めっき基板との間に設けられていることを特徴とするめっき装置。
- 前記抵抗付与手段を設けた状態における前記アノードと前記基板との間の前記めっき液の抵抗値が、前記抵抗付与手段を設けない状態における前記めっき液の抵抗値に対して1.1倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のめっき装置。
- 前記抵抗付与手段が、めっき液を流通させる小孔が複数設けられた多孔質板であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のめっき装置。
- 前記抵抗付与手段が、前記基板に対向して配置され、前記抵抗付与手段と前記基板との距離が、0.5mm〜150mmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のめっき装置。
- めっき液に浸漬させた被めっき体にめっきを施すめっき装置であって、
アノード電極が設けられ、前記めっき液が入れられるアノード室と、
前記被めっき体がカソード電極として設けられるカソード領域を有し、前記めっき液が入れられるカソード室と、
前記アノード室と前記カソード室とを仕切り、所定の圧力によって前記めっき液を透過させる孔を有する壁部材と、
前記アノード室と前記カソード室との間で、前記アノード室及び前記カソード室の外方から前記めっき液を流動させる流動部とを備え、
前記アノード室及び前記カソード室が、それぞれの高さ寸法以下で前記めっき液を保持し、
前記流動部が、前記アノード室又は前記カソード室のいずれか一方に入れられた前記めっき液を他方に流動させて、前記他方の圧力を前記所定の圧力にすることを特徴とするめっき装置。 - 前記流動部が、前記他方に入れられた前記めっき液の液面の高さを、前記一方に入れられた前記めっき液の液面の高さよりも高くすることを特徴とする請求項5に記載のめっき装置。
- 前記流動部が、前記アノード室又は前記カソード室のいずれか一方から取り込まれた前記めっき液の中から異物を取り除くフィルタを備えることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のめっき装置。
- 前記一方が前記アノード室であり、
前記他方が前記カソード室であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のめっき装置。 - 前記カソード領域と前記壁部材とが対向して配置され、
前記カソード領域と前記壁部材との間の距離寸法が、0.5mm〜150mmであることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のめっき装置。 - 前記壁部材を設けた状態における前記アノード電極と前記カソード領域との間の前記めっき液の抵抗値が、前記壁部材を設けない状態における前記めっき液の抵抗値に対して1.1倍以上であることを特徴とする請求項5から請求項9のいずれか一項に記載のめっき装置。
- 複数の前記アノード電極と、
前記複数のアノード電極に順次対向するように、前記被めっき体を移動させる移動手段とを備え、
前記移動手段によって移動させられる被めっき体と前記アノード電極とに電源を供給する電源部が、一つ又は複数の前記アノード電極ごとに設けられていることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のめっき装置。
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JPH01116094A (ja) * | 1987-10-28 | 1989-05-09 | Eagle Ind Co Ltd | 隔膜鍍金法 |
JP2005298886A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Ebara Corp | 電解処理装置および方法 |
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2007
- 2007-05-08 JP JP2007123594A patent/JP5257919B2/ja active Active
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