JP2008280464A - 高誘電率樹脂基板およびそれを用いたマイクロ波用フィルター - Google Patents

高誘電率樹脂基板およびそれを用いたマイクロ波用フィルター Download PDF

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Abstract

【課題】衝撃に強くしかも高誘電率の樹脂基板を提供する。
【解決手段】バンドパスフィルター10に組み込まれている第1樹脂基板12または第2樹脂基板20は、偏平な非磁性金属粉末GがPPS樹脂中に混入されることにより構成されている結果、高い複素比誘電率( 実部)ε’が得られるので、チタン酸バリウム等のセラミックスで構成されていた従来の場合に比較して、バンドパスフィルター10が安価となるとともに、割れ難くなって振動や衝撃に強くなり、用途が拡大される。また、バンドパスフィルター10とは別の電子部品にも適用されることができ、この場合も同様に、電子部品が安価となるとともに、割れ難くなって振動や衝撃に強くなり、用途が拡大される。
【選択図】図1

Description

本発明は、UWB(ウルトラワイドバンド:超広帯域)を用いた通信や他の通信などで知られるマイクロ波の帯域のバンドパスフィルター等に好適に用いられる高誘電率樹脂基板およびその高誘電率樹脂基板を用いたマイクロ波用フィルターに関するものである。
たとえば、上記UWBを用いた通信は、中心周波数の20%または500MHz以上の帯域を利用した通信方式であり、数百MHz乃至数GHzの極めて広い帯域を使用する。その出力は、パソコンのノイズレベルよりも低いことから、既に利用されている周波数と共用可能であるだけでなく、高速通信が可能、測位、測距に応用、搬送波を用いないため回路がインパルス方式等で構成され得るために簡単となるという種々の特徴がある。このため、近い将来において種々の分野で利用の拡大が予想される。
上記UWBはフルバンドで3.1乃至10.6GHzの周波数帯を利用しているが、そのUWBに限らず、従来の通信分野でも、数百MHz乃至十数GHzの周波数帯が使用されている。例えば、携帯電話機では800MHz帯または1.5GHz帯が、PHSでは1.9GHz帯が、光速道路のETC装置では5.8GHz帯が、無線LANでは2.4GHz帯または5.2GHz帯が、DRSC(峡帯域通信)では5.2GHz帯が、それぞれ用いられている。
ところで、一般に、アンテナに受信された上記周波数帯の信号から目的とする周波数帯の信号を弁別し、高調波やノイズを遮断するために、バンドパスフィルターが用いられる。たとえば、特許文献1に記載されたバンドパスフィルターがそれである。
特開2007−82019号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたバンドパスフィルターでは、入力ラインを構成する導体のストリップと出力ラインを構成する導体のストリップとが基板の両面において所定部位重なるように配置されることにより構成される。そして、このようなバンドパスフィルターには小型化が求められることから、その基板には、チタン酸バリウム等の高い複素比誘電率を有するセラミックスが用いられている。
しかしながら、上記セラミックス製の基板を用いる場合には、高価となるとともに、割れやすく、振動や衝撃に弱いので、用途が限定されるという不都合があった。これに対し、高い複素比誘電率を得るために樹脂に磁性粉末を混入することも考えられるが、誘電と磁気の損失が大きくなり、信号の伝送性が低下するという不都合が発生する。このような不都合は、バンドパスフィルターに限らず、マイクロ波を伝送する線路に用いられる樹脂基板についても同様である。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、衝撃に強く、損失が小さい高誘電率樹脂基板、およびそれを用いたマイクロ波用フィルターを提供することにある。
本発明者は以上の事情を背景として種々研究を重ねた結果、マイクロ波の伝送路を構成する樹脂基板或いはマイクロ波帯に用いられるバンドパスフィルターを構成する樹脂基板に偏平な非磁性金属粉末を混入させると、マイクロ波の波長帯域においてその樹脂の誘電の損失係数 tanδ(=ε”/ε’、但しε’およびε”は複素比誘電率の実部および虚部である。)が小さく、しかも高い比誘電率ε’を有する基板が得られることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。
すなわち、請求項1に係る発明の要旨とするところは、偏平な非磁性金属粉末が混入された絶縁性の樹脂層から成ることを特徴とする高誘電率樹脂基板にある。
また、請求項2に係る発明の高誘電率樹脂基板では、請求項1の発明において、前記偏平な非磁性金属粉末は、前記樹脂層内においてその厚み方向における寸法よりもその樹脂層の面方向の寸法が大きくなる状態で混在するものであることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の高誘電率樹脂基板では、請求項1または2の発明において、前記偏平な非磁性金属粉末と前記絶縁性の樹脂とが混合された成形材料から射出成形によって成形されたものであることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の高誘電率樹脂基板では、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記偏平な非磁性金属粉末は、7よりも小さいタップ密度を有することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の高誘電率樹脂基板では、請求項1乃至4のいずれかの発明において、前記偏平な非磁性金属粉末は、17乃至60μmの平均粒径D50を有することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の高誘電率樹脂基板では、請求項1乃至5のいずれかの発明において、前記偏平な非磁性金属粉末は、前記樹脂層において20乃至40容積%の体積充填率で混入させられていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の高誘電率樹脂基板では、請求項1乃至6のいずれかの発明において、前記偏平な非磁性金属粉末は、SUS材から構成されていることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明のマイクロ波用フィルターは、(a) 請求項1乃至7のいずれかの高誘電率樹脂基板と、(b) その高誘電率樹脂基板の表面に固着された所定パターンの導体層と、(c) その導体パターンから前記高誘電率樹脂基板を挟んで所定距離を隔てて設けられた接地導体層とを、含むことを特徴とする。
また、請求項9に係る発明のマイクロ波用フィルターは、請求項8の発明において、(a) 前記高誘電率樹脂基板の一面に固着された電波吸収層と、(b) その高誘電率樹脂基板の他面に固着された第2の基板とを、含み、(c) 前記所定パターンの導体層は、複数個の導体パターンから構成され、(d) その複数個の導体パターンの一部は、前記高誘電率樹脂基板の一面において長手状に連ねられることにより第1信号ラインを構成し、(e) その複数個の導体パターンの他部は、前記高誘電率樹脂基板の一面において長手状に設けられた導体パターンと前記高誘電率樹脂基板を挟んで少なくとも一部が重なるように、その高誘電率樹脂基板の他方の面において長手状に設けられることにより第2信号ラインを構成し、(f) 前記接地導体層は、前記第2の基板の前記高誘電率樹脂基板とは反対側の面に固着されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、高誘電率樹脂基板樹脂が偏平な非磁性金属粉末が混入された絶縁性の樹脂層から成ることから、チタン酸バリウム等のセラミックスと同等の高い比誘電率が得られるとともに、十分に低い誘電体損失が得られる。また、絶縁性の樹脂層に混入された偏平な金属粉末は非磁性であるから、樹脂層内で発生する磁気の損失がなく、マイクロ波の伝送路或いはフィルターを構成した場合に、そのマイクロ波の伝送損失が低く維持される。したがって、従来はチタン酸バリウム等のセラミックスで構成されていた電子部品に適用されることにより、その電子部品が安価となるとともに、割れ難くなって振動や衝撃に強くなり、用途が拡大される。
また、請求項2に係る発明の高誘電率樹脂基板によれば、前記偏平な非磁性金属粉末は、前記樹脂層内においてその厚み方向における寸法よりもその樹脂層の面方向の寸法が大きくなる状態で混在するものであることから、偏平な非磁性金属粉末は樹脂層の厚み方向において相互に重なり、偏平な非磁性金属粉末の相互間で僅かな厚みの樹脂を挟むコンデンサと同様の効果が発生し、樹脂層全体として高誘電率が得られる。
また、請求項3に係る発明の高誘電率樹脂基板によれば、前記偏平な非磁性金属粉末と前記絶縁性の樹脂とが混合された成形材料から射出成形によって成形されたものであることから、射出される樹脂層中において偏平な非磁性金属粉末の方向が樹脂層の面方向と平行となるように配向されるので、樹脂層全体として高誘電率が得られる。
また、請求項4に係る発明の高誘電率樹脂基板によれば、前記偏平な非磁性金属粉末は、7よりも小さいタップ密度を有することから、偏平な非磁性金属粉末Gの相互間で僅かな厚みの樹脂を挟むコンデンサと同様の効果が発生し、樹脂層全体として高誘電率が得られる。
また、請求項5に係る発明の高誘電率樹脂基板によれば、前記偏平な非磁性金属粉末は、17乃至60μmの平均粒径D50を有することから、誘電の損失係数 tanδ(=複素比誘電率の虚部ε”/複素比誘電率の実部ε’) が低く且つ高い比誘電率( 複素比誘電率の実部)ε’が得られる。平均粒径D50が17μmを下回ると、誘電の損失係数 tanδがはさらに低くなるが、粒子が偏在して複素比誘電率が不均一となり易くなるとともに比誘電率ε’が十分に得られなくなる。反対に、平均粒径D50が60μmを上回ると、比誘電率ε’はさらに高くなる傾向となるが、射出成形材料の流動性が不安定となって製造が困難となる。
また、請求項6に係る発明の高誘電率樹脂基板によれば、前記偏平な非磁性金属粉末は、前記樹脂層において20乃至40容積%の体積充填率( 割合) で混入させられていることから、誘電の損失係数 tanδが低く且つ高い比誘電率ε’が得られる。体積充填率が20容積%を下回ると、誘電の損失係数 tanδはさらに低くなるが、比誘電率ε’が十分に得られなくなる。反対に、充填率が40容積%を上回ると、比誘電率ε’はさらに高くなる傾向となるが、射出成形材料の流動性が不安定となって製造が困難となる。
また、請求項7に係る発明の高誘電率樹脂基板では、前記偏平な非磁性金属粉末は、化学的に安定したSUS材から構成されていることから、電気的性質の変化のない安定した樹脂基板が得られる。
また、請求項8に係る発明のマイクロ波用フィルターによれば、(a) 請求項1乃至7のいずれかの高誘電率樹脂基板と、(b) その高誘電率樹脂基板の表面に固着された所定パターンの導体層と、(c) その導体パターンから前記高誘電率樹脂基板を挟んで所定距離を隔てて設けられた接地導体層とを、含むことから、セラミックス基板を用いた場合と同様の特性を有する小型のフィルター、たとえばGHz帯のローパスフィルター、ハイパスフィルター、バンドパスフィルターが得られる。
また、請求項9に係る発明のマイクロ波用フィルターによれば、(a) 前記高誘電率樹脂基板の一面に固着された電波吸収層と、(b) その高誘電率樹脂基板の他面に固着された第2の基板とを、含み、(c) 前記所定パターンの導体層は、複数個の導体パターンから構成され、(d) その複数個の導体パターンの一部は、前記高誘電率樹脂基板の一面において長手状に連ねられることにより第1信号ラインを構成し、(e) その複数個の導体パターンの他部は、前記高誘電率樹脂基板の一面において長手状に設けられた導体パターンと前記高誘電率樹脂基板を挟んで少なくとも一部が重なるように、その高誘電率樹脂基板の他方の面において長手状に設けられることにより第2信号ラインを構成し、(f) 前記接地導体層は、前記第2の基板の前記高誘電率樹脂基板とは反対側の面に固着されていることから、セラミックス基板を用いた場合と同様の特性を有する小型のバンドパスフィルター、たとえばGHz帯の超広帯域通信において所望の周波数帯域の信号を通過させることができる小型のバンドパスフィルターが得られる。
ここで、好適には、前記非磁性金属粉末は、UWBの周波数帯や他の通信で用いらえるマイクロ波の帯域、たとえば1〜100GHzで用いられたときに発生する磁気の損失が問題とならないほど小さな値である磁気的性質を有する金属粉末という意味であり、仮に磁化されたとしても上記損失が極めて小さいものであれば磁性体であっても差し支えない。一般には、所謂強磁性体を除く金属粉末であって、導電性に優れた金、銀、アルミ、銅、それらの合金、珪素鋼、SUS材(ステンレス鋼材) 等の非磁性金属、それらの表面にメッキを施した金属粉末が好適に用いられる。
また、好適には、前記樹脂層は、半田の溶融温度に十分に耐える耐熱性とを有する点でポリフェニールサルファイド(PPS)樹脂が好適に用いられるが、それだけでなく、用途に応じた一定の強度、絶縁性、半田の溶融温度に耐える耐熱性などを満足する絶縁性の樹脂であればよく、たとえばPET樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂なども用いられるし、繊維が混入された繊維強化樹脂であってもよい。
上記偏平な非磁性金属粉末とは、絶縁性の樹脂内に混入させられたときに球形の非磁性金属粉末と比較して誘電率を高くする効果を発生させる程度の偏平度を持った粉末であり、たとえば、粒子の長径( 最大径) をD、粒子の厚みをtとしたときのアクペクト比D/tの平均値が2.5以上である。
以下、本発明の一実施例の高誘電率樹脂基板を備えたバンドパスフィルター10を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、GHz帯の超広帯域通信において所望の周波数帯域の信号を通過させることができる小型のバンドパスフィルター10の縦断面を示している。図2および図3は、第1樹脂基板12の一面14および他面16を示している。図4は第1樹脂基板12の斜視図を示している。
図1に示すように、バンドパスフィルター10は、全体として長方形を成し、高誘電率樹脂基板である第1樹脂基板12と、その第1樹脂基板12の一面14および他面16においてそれぞれ固着された、ライン状に連ねられた複数個の長手状導体パターンMから成る第1信号ラインL1および第2信号ラインL2と、第1樹脂基板12の一面14に固着された電波吸収層18と、第1樹脂基板12の他面16に固着された第2樹脂基板20と、第2樹脂基板20の第1樹脂基板12とは反対側の面に固着された接地導体層22とを備え、接地導体層22は、第1信号ラインL1との間には第1樹脂基板12および第2樹脂基板20を挟んで、第2信号ラインL2との間には第2樹脂基板20を挟んで一定の距離を隔てて位置している。上記バンドパスフィルター10は、たとえば、21.6mm程度の長さ寸法と3mm程度の幅寸法と1mm程度の厚み寸法とを有するものである。
上記電波吸収層18は、たとえば、3乃至5容積%程度のFe−13Cr合金等の軟磁性粉末が塩素化ポリエチレン、合成ゴム等の有機結合剤により結合されることにより0.2mm程度の厚みに構成されたものであって、予めシート状に成形されて接着されたり或いはスクリーン印刷等により層状に塗布されたり、射出成形により固着されるものであり、外来ノイズの入射を遮断したり或いは伝送信号の放射を遮断したりするためのものである。上記接地導体層22は、フィルターとして使用されるときは接地電位に接続されるものであり、たとえば、ニッケル、金、アルミニウム、銅、燐青銅等の金属薄板や導体ペーストの塗布により構成されている。
また、上記長手状導体パターンMは、導電性を有する層であり、所定パターンの金属薄板が転写等により固着されたり、或いは導体ペーストがスクリーン印刷等により所定パターンの層状に塗布されることにより構成される。図2および図4に示すように、第1信号ラインL1は、第1樹脂基板12の一面14の中心線に沿って0.12mm程度の幅寸法と2.9mmまたは5.0mm程度の長さ寸法とを有する5個の長手状導体パターンMが0.2mm程度の相互間隔を隔てて直線状に連ねられたものである。また、第2信号ラインL2は、図3および図4に示すように、第1樹脂基板12の第2樹脂基板20側の他面16の中心線に沿って0.12mm程度の幅寸法と5.0mm程度の長さ寸法とを有する4個の長手状導体パターンMが0.2mm程度の相互間隔を隔てて直線状に連ねられたものである。上記第1信号ラインL1を構成する長手状導体パターンMと第2信号ラインL2を構成する長手状導体パターンMとは、第1樹脂基板12を挟んで重ねられ、且つ長手方向において所定のずれ量Kだけずらされた状態で、相互に容量結合されている。
また、上記第1樹脂基板12および第2樹脂基板20は、たとえば、SUS316に代表されるステンレス鋼製の偏平な非磁性金属粉体がポリフェニールサルファイド(PPS)樹脂中に混合された成形材料が金型内に形成された板状の成形キャビティ内に射出されることにより成形された高誘電率を有する基板である。第1樹脂基板12は、たとえば30容積%程度のSUS316の偏平な粉体がポリフェニールサルファイド(PPS)樹脂中に混合された成形材料が金型内に形成された板状の成形キャビティ内に射出されることにより0.4mm程度の厚みd1に成形されたものであり、42程度の比誘電率( 複素比誘電率の実部)ε’と、0.03程度の誘電の損失係数 tanδとを備えている。第2樹脂基板20は、たとえば25容積%程度のSUS316の偏平な粉体がポリフェニールサルファイド(PPS)樹脂中に混合された成形材料が金型内に形成された板状の成形キャビティ内に射出されることにより0.3mm程度の厚みd2に成形されたものであり、20程度の比誘電率ε’と、0.015程度の誘電の損失係数 tanδとを備えている。
本発明者による実験によれば、上記のように構成されたバンドパスフィルター10により、図5の実線に示すような帯域特性が得られた。この特性は、上記第1樹脂基板12および第2樹脂基板20がチタン酸バリウムからなるセラミックスから構成された従来のバンドパスフィルター( 1点鎖線に示す)と同等の帯域特性を示している。図5は、よく知られたネットワークアナライザ( たとえばヒューレットパッカード株式会社製のHP8510C)を用いて測定された特性であり、1.2GHz程度の通過帯域幅Wを示している。このバンドパスフィルター10では、第1樹脂基板12の厚みd1を増加させるほど、通過帯域幅W(GHz)が小さくなり、且つ、挿入損失( dB)が小さくなる。また、第2樹脂基板20の厚みd2を増加させるほど、遮断域の減衰量( dB)が増加する。また、第1樹脂基板12と第2樹脂基板20の比誘電率ε’を大きくするほど、通過帯域幅Wが小さくなり、且つ挿入損失( dB)が小さくなる。また、第1樹脂基板12と第2樹脂基板20の比誘電率ε’を相互に同じとすると、挿入損失の低減には有効であるが、通過帯域幅W内にノッチが発生しやすくなり、第2樹脂基板20の比誘電率ε’を第1樹脂基板12の比誘電率ε’よりも小さくするとその傾向が回避される。また、第1信号ラインL1および第2信号ラインL2の重なり量K、幅寸法Hを変更することにより、上記通過帯域幅W内に発生するノッチが回避される。したがって、上記第1樹脂基板12の厚みd1、第2樹脂基板20の厚みd2、第1樹脂基板12と第2樹脂基板20の比誘電率ε’、第1信号ラインL1および第2信号ラインL2の重なり量K、幅寸法Hのうちの少なくとも1つを用いることにより、最適な特性を設定することが可能となる。
図6乃至図9を用いて、上記バンドパスフィルター10の製造方法を説明する。図6は第1樹脂基板12および第2樹脂基板20の製造工程を示し、図9はそれら第1樹脂基板12および第2樹脂基板20を用いたバンドパスフィルター10の製造方法を示している。
図6において、金属粉末製造工程P1では、ガスアトマイザ、水アトマイザなどを用いたよく知られたアトマイズ法を用いて、SUS316の溶湯から平均粒径D50が10μm程度の金属粉が生成される。次いで、偏平化処理工程P2では、18kgのSUSボールを収容したアトライターの容器内に1.8kgの上記金属粉を投入し、そのアトライターを所定時間稼働させる。このアトライター処理時間が長くなるほど、平均粒径D50が大きくなり、それに伴ってタップ密度ρt ( JISZ2512、タップ高さ:3mm、タップ回数:250、単位:g/cm)が小さくなる。偏平化が進行するほどタップ後の体積が大きくなることから、上記タップ密度ρt は偏平度を反映している。実測では、アトライター処理時間が15時間経過すると、平均粒径D50が46μmとなり、タップ密度ρt が1 . 2 となる。10時間経過すると、平均粒径D50が33μmとなり、タップ密度ρt が3. 5となる。5時間経過すると、平均粒径D50が24μmとなり、タップ密度ρt が3.9となる。
次に、混練工程P3では、20乃至40容積%程度のSUS316の偏平な粉体がポリフェニールサルファイド(PPS)樹脂中に投入され且つ混合機により混合されることにより、射出成形材料が作成される。第1樹脂基板12用の射出成形材料では、たとえば30容積%程度のSUS316の偏平な粉体がポリフェニールサルファイド(PPS)樹脂中に混合され、第2樹脂基板20用の射出成形材料では、たとえば25容積%程度のSUS316の偏平な粉体がポリフェニールサルファイド(PPS)樹脂中に混合される。そして、射出成形工程P4では、所定の射出成形機において、射出成形金型内に上記射出成形材料が射出されることによりPPS樹脂が硬化され、板状の第1樹脂基板12および第2樹脂基板20が成形される。
図7は上記射出成形工程P4で用いられる射出成形金型の一例を示している。図7において、射出成形用の第1金型30と第2金型32との合わせ面において、射出成形金型の一方である第2金型32には、第1樹脂基板12および第2樹脂基板20の外形と同様の成形キャビティ34と、その成形キャビティ34内へ射出成形材料Zを射出するためにその成形キャビティ34の一端に設けられたゲート36と、その成形キャビティ34内から溢れ出る射出成形材料Zを収容する収容室38が設けられている。この第1金型30と第2金型32とを用いた射出成形機において、射出成形材料Zがゲート36を通して成形キャビティ34内へ射出されると、射出成形材料Zは比較的厚みが薄く狭い空間である成形キャビティ34内を他端に向かって長手方向に流れ、他端に到達すると、成形キャビティ34内が射出成形材料Zにより充填されるとともに、その成形キャビティ34内から溢れ出た射出成形材料Zが収容室38に収容される。このような射出成形時において成形キャビティ34内を射出成形材料Zが流される過程で、図8に示すように、その射出成形材料Zに含まれる偏平な非磁性金属粉末Gはその長径Dの方向を流れ方向に向けた状態で流されるので、硬化後すなわち成形後において、板状の第1樹脂基板12および第2樹脂基板20を構成するPPS樹脂内では、偏平な非磁性金属粉末Gはその厚み方向における寸法よりもその樹脂層の面方向の寸法が大きくなる状態で混在することになり、偏平な非磁性金属粉末Gの長径Dの方向が厚み方向に略直交し、面方向に略平行な姿勢で並列させられる。上記収容室38の存在により、成形キャビティ34内において射出成形材料Zの流れの乱れが少なくされ、全体的に層流状態とされるので、一層、偏平な非磁性金属粉末Gはその長径Dの方向が厚み方向に略直交し、面方向に略平行な姿勢で並列させられる。
図9において、信号ライン形成工程P5では、板状の第1樹脂基板12の一面14および他面16において、塗布された感光性レジストに露光現像処理が施されることによって、第1信号ラインL1を構成する長手状導体パターンMと第2信号ラインL2を構成する長手状導体パターンMとに対応するそのレジストの一部が除去され、マスクが形成される。次いで無電解メッキ或いはスパッタ等によって金、ニッケル、銅、アルミニウム等の金属メッキをマスクの上に全体に行った後にそのレジストが除去されて、第1信号ラインL1を構成する長手状導体パターンMと第2信号ラインL2を構成する長手状導体パターンMとが、第1樹脂基板12の一面14および他面16に形成される。次いで、電波吸収層18を射出成形するための射出成形金型の成形キャビティ内に、金属薄板から成る接地導体層22、第2樹脂基板20、および上記第1樹脂基板12が順次積み重ねた状態で配置される。この状態の成形キャビティ内では、0.2mm厚みのクリアランスが積み重ねられた接地導体層22、第2樹脂基板20、および上記第1樹脂基板12の周囲と第1樹脂基板12の一面14側に形成される。
続く射出成形工程P7では、たとえば平均粒径D50が約9μmのFe−13Crである軟磁性金属粉が3容積%程度混入されたPPS樹脂である射出成形材料が上記射出成形金型の成形キャビティ内に射出され、上記クリアランス内に充填されるとともに、硬化される。そして、製品取出工程P8において、射出成形金型内からバンドパスフィルター10が取り出される。
次に、本発明者による実験によって得られた、偏平な非磁性金属粉末Gを含む第1樹脂基板12について、PPS樹脂に対する充填率( 容積率) を変化させたときの、複素比誘電率ε’および誘電の損失係数 tanδの変化特性、偏平な非磁性金属粉末Gの平均粒径D50を変化させたときの、複素比誘電率ε’および誘電の損失係数 tanδの変化特性、偏平な非磁性金属粉末Gのタップ密度ρt を変化させたときの複素比誘電率ε’の変化特性を、それぞれ説明する。以下の実験では、図6に示す工程により製造された、58.1mm×29.1mm×1mmの形状の試験片が用いられた。また、複素比誘電率( 実部)ε’および誘電の損失係数 tanδは、導波管に介挿された試料に対して4GHz帯の電波を入射させたときの反射係数S11および透過係数S21を測定し、それら反射係数S11および透過係数S21からニコルソン−ロス法を用いて算出された。
[ 実験1]
試験片の組成
金属粉末の成分: SUS316
金属粉末の磁性: 非磁性
体積充填率 : 20容積%、30容積%、40容積%
金属粉末製造法: ガス水アトマイズ法
金属粉末の形状: 偏平状
平均粒径D50: 46μm
樹脂 : PPS樹脂
図10および図11は、偏平な非磁性金属粉末Gの体積充填率が20容積%、30容積%、40容積%である複数種類の各試験片の複素比誘電率( 実部)ε’および誘電の損失係数 tanδを、それぞれ測定した結果を示している。図10および図11に示されるように、偏平な非磁性金属粉末Gの体積充填率が増加するほど、複素比誘電率( 実部)ε’および誘電の損失係数 tanδが増加する特性があり、偏平な非磁性金属粉末Gの体積充填率は20乃至40容積%の範囲内が望ましい。体積充填率が20容積%を下回ると、誘電の損失係数 tanδはさらに低くなるけれども、比誘電率ε’が十分に得られなくなる。反対に、充填率が40容積%を上回ると、比誘電率ε’はさらに高くなる傾向となるが、射出成形材料の流動性が不安定となって製造が困難となる。
[ 実験2]
試験片の組成
金属粉末の成分: SUS316
金属粉末の磁性: 非磁性
体積充填率 : 40容積%
金属粉末製造法: ガス水アトマイズ法
金属粉末の形状: 偏平状
平均粒径D50: 10μm、24μm、33μm、46μm
樹脂 : PPS樹脂
図12および図13は、偏平な非磁性金属粉末Gの平均粒径D50が10μm、24μm、33μm、46μmである複数種類の各試験片の複素比誘電率( 実部)ε’および誘電の損失係数 tanδを、それぞれ測定した結果を示している。図12および図13に示されるように、偏平な非磁性金属粉末Gの平均粒径D50が増加するほど、複素比誘電率( 実部)ε’および誘電の損失係数 tanδが増加する特性があり、偏平な非磁性金属粉末Gの平均粒径D50は17乃至60μmの範囲内が望ましい。平均粒径D50が17μmを下回ると、誘電の損失係数 tanδがはさらに低くなるけれども、偏平な非磁性金属粉末Gが偏在して複素比誘電率が不均一となり易くなるとともに比誘電率ε’が20を下回って十分に得られなくなる。反対に、平均粒径D50が50μmをこえると tanδが0.05近くなり、さらに平均粒径D50が60μmを上回ると、比誘電率ε’はさらに高くなるけれども、射出成形材料の流動性が不安定となって製造が困難となる。
[ 実験3]
試験片の組成
金属粉末の成分: SUS316
金属粉末の磁性: 非磁性
体積充填率 : 40容積%
金属粉末製造法: ガス水アトマイズ法
金属粉末の形状: 偏平状
平均粒径D50: 10μm、24μm、33μm、46μm
タップ密度ρt : 7.7g/cm、3.9g/cm、3.5g/cm、1.2g/cm
樹脂 : PPS樹脂
図14は、偏平な非磁性金属粉末Gのタップ密度ρt が7.7g/cm( D50=10μm) 、3.9g/cm( D50=24μm) 、3.5g/cm( D50=33μm) 、1.2g/cm( D50=46μm) 、である複数種類の各試験片の複素比誘電率( 実部)ε’を、それぞれ測定した結果を示している。図14に示されるように、タップ密度ρt が減少するほどすなわち平均粒径D50増加するほど複素比誘電率( 実部)ε’が増加する特性があり、タップ密度ρt は1.2乃至7g/cmの範囲内であることが望ましい。タップ密度ρt が7g/cmを上まわると、比誘電率ε’が20を下回って十分に得られなくなるとともに、誘電の損失係数 tanδが0.04を超えて高くなり損失が大きくなる。
上述のように、本実施例のバンドパスフィルター10に組み込まれている第1樹脂基板12または第2樹脂基板20によれば、偏平な非磁性金属粉末GがPPS樹脂中に混入されている結果、高い複素比誘電率( 実部)ε’が得られるので、誘電体基板がチタン酸バリウム等のセラミックスで構成されていた従来の場合に比較して、バンドパスフィルター10が安価となるとともに、割れ難くなって振動や衝撃に強くなり、用途が拡大される。また、バンドパスフィルター10と別の電子部品にも適用されることができ、この場合も同様に、その電子部品が安価となるとともに、割れ難くなって振動や衝撃に強くなり、用途が拡大される。
また、本実施例のバンドパスフィルター10に組み込まれている第1樹脂基板12または第2樹脂基板20によれば、偏平な非磁性金属粉末Gは、図8に示されるように、PPS樹脂内においてその厚み方向における寸法よりもその樹脂層の面方向の寸法が大きくなる状態で混在するものであることから、偏平な非磁性金属粉末Gは第1樹脂基板12または第2樹脂基板20を構成する樹脂層の厚み方向において相互に重なり、偏平な非磁性金属粉末Gの相互間で僅かな厚みの樹脂を挟むコンデンサと同様の効果が発生し、樹脂層全体として高誘電率が得られる。
また、本実施例のバンドパスフィルター10に組み込まれている第1樹脂基板12または第2樹脂基板20によれば、偏平な非磁性金属粉末Gと絶縁性のPPS樹脂とが混合された成形材料から射出成形によって成形されたものであることから、図8に示されるように、射出される樹脂層中において偏平な非磁性金属粉末Gの方向が樹脂層の面方向と平行となるように配向されるので、樹脂層全体として高誘電率が得られる。
また、本実施例のバンドパスフィルター10に組み込まれている第1樹脂基板12または第2樹脂基板20によれば、偏平な非磁性金属粉末Gのタップ密度ρt は7よりも小さいことから、偏平な非磁性金属粉末Gの相互間で僅かな厚みの樹脂を挟むコンデンサと同様の効果が発生し、樹脂層全体として高誘電率が得られる。
また、本実施例のバンドパスフィルター10に組み込まれている第1樹脂基板12または第2樹脂基板20によれば、偏平な非磁性金属粉末Gは、17乃至60μmの平均粒径D50を有することから、誘電の損失係数 tanδ(=複素比誘電率の虚部ε”/複素比誘電率の実部ε’) が低く且つ高い比誘電率( 複素比誘電率の実部)ε’が得られる。
また、本実施例のバンドパスフィルター10に組み込まれている第1樹脂基板12または第2樹脂基板20によれば、偏平な非磁性金属粉末Gは、第1樹脂基板12または第2樹脂基板20を構成するPPS樹脂層において20乃至40容積%の体積充填率( 割合) で混入させられていることから、誘電の損失係数 tanδが低く且つ高い比誘電率ε’が得られる。
また、本実施例のバンドパスフィルター10に組み込まれている第1樹脂基板12または第2樹脂基板20によれば、偏平な非磁性金属粉末Gは、化学的に安定したSUS材から構成されていることから、電気的性質の変化のない安定した高い比誘電率を備えた樹脂基板が得られる。
また、本実施例のバンドパスフィルター10によれば、(a) 高誘電率を備えた第1樹脂基板12と、(b) その第1樹脂基板12の表面に固着された所定パターンの導体層( 導体パターンM)と、(c) その導体パターンMから第1樹脂基板12を挟んで所定距離を隔てて設けられた接地導体層22とを、含むことから、セラミックス基板を用いた場合と同様の特性を有する小型のバンドパスフィルターが得られる。
また、本実施例のバンドパスフィルター10によれば、(a) 第1樹脂基板12の一面14に固着された電波吸収層18と、(b) その第1樹脂基板12の他面16に固着された第2樹脂基板20とを、含み、(c) 所定パターンの導体層は、複数個の導体パターンMから構成され、(d) その導体パターンMの他部は、第1樹脂基板12の一面14において長手状に連ねられることにより第1信号ラインL1を構成し、(e) その導体パターンMの他部は、第1樹脂基板12の一面14において長手状に設けられた導体パターンMとその第1樹脂基板12を挟んで少なくとも一部が重なるように、その第1樹脂基板12の他方の面16において長手状に設けられることにより第2信号ラインL2を構成し、(f) 接地導体層22は、第2樹脂基板20の第1樹脂基板12側とは反対側の面に固着されていることから、高誘電率セラミックス基板を用いた場合と同様の特性を有する小型のバンドパスフィルター、たとえばGHz帯の超広帯域通信において所望の周波数帯域の信号を通過させることができる小型のバンドパスフィルターが得られる。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例において、偏平な非磁性金属粉末GがPPS樹脂中に混入されることにより高誘電率樹脂基板として構成された第1樹脂基板12および/または第2樹脂基板20は、バンドパスフィルター10に組み込まれることにより利用されていたが、バンドパスフィルター10のみならず、ローカットフィルター、ハイカットフィルター、マイクロストリップ線路、マイクロ波用アンテナ等の他の電子部品に利用されてもよい。
また、前述の実施例において、バンドパスフィルター10を構成する第1樹脂基板12および第2樹脂基板20は共に偏平な非磁性金属粉末Gが混入されることにより高誘電率とされた樹脂基板であったが、いずれか一方が高誘電率セラミックスから構成されたものであってもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例のバンドパスフィルターの構成を説明する縦断面図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターに用いられた第1樹脂基板の上面を示す平面図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターに用いられた第1樹脂基板の下面を示す裏面図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターに用いられた第1樹脂基板の構成を説明する斜視図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターの透過特性を示す図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターに用いられた第1樹脂基板および第2樹脂基板の製造工程を説明する工程図である。 図6の第1樹脂基板および第2樹脂基板の製造工程内の射出成形に用いられる金型を説明する要部断面図である。 図7の金型内において射出される射出成形材料の流れによって整列させられる偏平な非磁性金属粉末の状態を説明する拡大図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターの製造工程を説明する工程図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターに用いられた第1樹脂基板および第2樹脂基板の電気的性質を示すグラフであって、偏平な非磁性金属粉の母材樹脂に対する体積充填率と複素比誘電率ε’との関係を示す図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターに用いられた第1樹脂基板および第2樹脂基板の電気的性質を示すグラフであって、偏平な非磁性金属粉の母材樹脂に対する体積充填率と誘電の損失係数 tanδとの関係を示す図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターに用いられた第1樹脂基板および第2樹脂基板の電気的性質を示すグラフであって、偏平な非磁性金属粉の平均粒径D50と複素比誘電率ε’との関係を示す図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターに用いられた第1樹脂基板および第2樹脂基板の電気的性質を示すグラフであって、偏平な非磁性金属粉の平均粒径D50と誘電の損失係数 tanδとの関係を示す図である。 図1の実施例のバンドパスフィルターに用いられた第1樹脂基板および第2樹脂基板の電気的性質を示すグラフであって、偏平な非磁性金属粉のタップ密度ρt と複素比誘電率ε’との関係を示す図である。
符号の説明
10:バンドパスフィルター
12:第1樹脂基板( 高誘電率樹脂基板)
18:電波吸収層
20:第2樹脂基板( 高誘電率樹脂基板、第2の基板)
22:接地導体層
G:偏平な非磁性金属粉
M:導体パターン
L1:第1信号ライン
L2:第2信号ライン

Claims (9)

  1. 偏平な非磁性金属粉末が混入された絶縁性の樹脂層から成ることを特徴とする高誘電率樹脂基板。
  2. 前記偏平な非磁性金属粉末は、前記樹脂層内においてその厚み方向における寸法よりも該樹脂層の面方向の寸法が大きくなる状態で混在するものであることを特徴とする請求項1の高誘電率樹脂基板。
  3. 前記偏平な非磁性金属粉末と前記絶縁性の樹脂とが混合された成形材料から射出成形によって成形されたものであることを特徴とする請求項1または2の高誘電率樹脂基板。
  4. 前記偏平な非磁性金属粉末は、7よりも小さいタップ密度を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの高誘電率樹脂基板。
  5. 前記偏平な非磁性金属粉末は、17乃至60μmの平均粒径D50を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの高誘電率樹脂基板。
  6. 前記偏平な非磁性金属粉末は、前記樹脂層において20乃至40容積%の割合で混入させられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの高誘電率樹脂基板。
  7. 前記偏平な非磁性金属粉末は、SUS材から構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの高誘電率樹脂基板。
  8. 請求項1乃至7のいずれかの高誘電率樹脂基板と、
    前記高誘電率樹脂基板の表面に固着された所定パターンの導体層と、
    該導体パターンから前記高誘電率樹脂基板を挟んで所定距離を隔てて設けられた接地導体層と
    を、含むことを特徴とするマイクロ波用フィルター。
  9. 前記高誘電率樹脂基板の一面に固着された電波吸収層と、
    該高誘電率樹脂基板の他面に固着された第2の基板とを、含み、
    前記所定パターンの導体層は、複数個の導体パターンから構成され、
    該複数個の導体パターンの一部は、前記高誘電率樹脂基板の一面において長手状に連ねられることにより第1信号ラインを構成し、
    前記複数個の導体パターンの他部は、前記高誘電率樹脂基板の一面において長手状に設けられた導体パターンと前記高誘電率樹脂基板を挟んで少なくとも一部が重なるように、該高誘電率樹脂基板の他方の面において長手状に設けられることにより第2信号ラインを構成し、
    前記接地導体層は、前記第2の基板の前記高誘電率樹脂基板とは反対側の面に固着されていることを特徴とする請求項8のマイクロ波用フィルター。
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JP2011171333A (ja) * 2010-02-16 2011-09-01 Shuho:Kk 回路基板および電線

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