JP2008280329A - 化粧品油剤用ゲル化剤及びこれを配合する化粧料 - Google Patents

化粧品油剤用ゲル化剤及びこれを配合する化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】融点が低く化粧品油剤に対し容易に溶解出来、且つゲル化させることができる化粧品油剤を選ばず、少量の添加で、化粧品油剤の増粘、ゲル化が可能な化粧品油剤用ゲル化剤、並びにこれを配合するメイク化粧料、毛髪化粧料、及び皮膚化粧料を提供する。
【解決手段】炭素数18以上の直鎖飽和脂肪酸の一種または二種以上である成分(1)、炭素数8〜14の飽和脂肪酸の一種または二種以上である成分(2)、及び水酸基価から算出した平均重合度nが2〜15のポリグリセリンである成分(3)、のエステル化反応生成物からなり上記成分(1)と成分(2)のモル比が70:30〜99:1であり、且つ成分(3)の1.0モルに対して、成分(1)と成分(2)の合計モル数が、(n+2)×0.75モル以上であることを特徴とする化粧品油剤用ゲル化剤、並びにこれを配合するメイク化粧料、毛髪化粧料、皮膚化粧料及び口唇化粧料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化粧品油剤用ゲル化剤、及びこれを配合するメイク化粧料、毛髪化粧料、皮膚化粧料及び口唇化粧料に関するものである。
化粧品油剤を増粘させる技術としては、ワックス類等の固形油剤、脂肪酸、高級アルコール等を、化粧品油剤に添加する方法が一般的である。しかし、この方法によれば、所望の粘度の化粧品油剤やゲル化物を得る為には、多量に配合する必要があり、得られる化粧料はノビが重くなる、塗布後べたつく、等の官能面上の問題があった。
化粧品油剤を増粘させる他の技術としては、特許文献1に記載の金属石鹸や、特許文献2記載のデキストリン脂肪酸エステルを添加する方法が挙げられる。
しかしながら、金属石鹸の場合は、油剤の増粘効果はあるものの、その効果は不十分である。また、金属石鹸はその使用性において問題がある。即ち、金属石鹸は、融点が比較的高く、その殆どが90℃を超えるものであり、油剤への溶解が困難であった。油剤への溶解性を向上する方法として、水や低級アルコールを添加し溶解する方法があるが、この方法は、メイク化粧料に多く見られる非水系の化粧料の調製には不向きである。
また、デキストリン脂肪酸エステルは、メイク化粧料及び口唇化粧料でよく用いられる、環状シリコーン油や重質ポリイソブテン等の油剤に対しては、増粘効果がない。
上記以外の方法としては、特許文献3、4に記載の、ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加する方法が挙げられる。しかしこの方法は、油剤に対しての増粘効果はあるものの、その効果は不十分であり、更なる増粘またはゲル化をさせるためには、油剤に含有させるポリグリセリン脂肪酸エステルの量を増やす必要があった。その結果、化粧料とした場合、ノビが重くなる、塗布後べたつく等の官能面上の問題があった。
以上の事から、融点が低く化粧品油剤に対し容易に溶解出来、少量の添加で化粧品油剤の増粘、ゲル化が可能であって、且つゲル化させることができる化粧品油剤を選ばない化粧品油剤用ゲル化剤の開発が求められていた。
特開昭56−89261 特開昭62−121764 特開昭60−108486 特許第3497780号
本発明が解決しようとする課題は、融点が低く化粧品油剤に対し容易に溶解出来、少量の添加で化粧品油剤の増粘、ゲル化が可能であって、且つゲル化させることができる化粧品油剤の範囲が広い化粧品油剤用ゲル化剤を提供する事であり、また、これを配合するメイク化粧料、毛髪化粧料、皮膚化粧料及び口唇化粧料を提供する事である。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、炭素数18以上の直鎖飽和脂肪酸を主成分とするとともに、これに炭素数8〜14の飽和脂肪酸を少量混合した脂肪酸を用い、この脂肪酸と特定のポリグリセリンをエステル化反応して得られるエステル化反応生成物からなる化粧品油剤用ゲル化剤が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
炭素数18以上の直鎖飽和脂肪酸の一種または二種以上である成分(1)、
炭素数8〜14の飽和脂肪酸の一種または二種以上である成分(2)、及び
水酸基価から算出した平均重合度nが2〜15のポリグリセリンである成分(3)、
のエステル化反応生成物からなり
上記成分(1)と成分(2)のモル比が70:30〜99:1であり、且つ
成分(3)の1.0モルに対して、成分(1)と成分(2)の合計モル数が、(n+2)×0.75モル以上であることを特徴とする化粧品油剤用ゲル化剤(請求項1)を提供するものである。
本発明は、さらに、前記の化粧品油剤用ゲル化剤を配合することを特徴とするメイク化粧料(請求項2)、毛髪化粧料(請求項3)皮膚化粧料(請求項4)、及び口唇化粧料(請求項5)を提供するものである。
本発明の化粧品油剤用ゲル化剤は、融点が低く化粧品油剤に対し容易に溶解出来、少量の添加で化粧品油剤の増粘、ゲル化が可能であって、且つゲル化させることができる化粧品油剤の範囲が広い化粧品油剤用ゲル化剤である。また、これを配合した本発明のメイク化粧料、毛髪化粧料、皮膚化粧料、及び口唇化粧料は、のびが軽く、塗布時のベタツキ感が抑制された化粧料である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
成分(1)は、本発明のゲル化剤であるエステル化反応生成物を構成する脂肪酸の主成分(70〜99モル%)であり、この主成分を構成する炭素数18以上の直鎖飽和脂肪酸としては、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの一種または二種以上が用いられる。成分(1)、すなわちエステル化反応生成物を構成する脂肪酸の主成分として、炭素数が18未満の直鎖飽和脂肪酸を用いた場合は、化粧品油剤に対するゲル化能が充分ではない。また、炭素数が18以上であっても、分枝若しくは不飽和の脂肪酸を、主成分の成分(1)として用いた場合では、目的とする化粧品油剤に対するゲル化能を充分発現する事ができない。なお、入手のしやすさから、成分(1)としては、炭素数18以上、22以下の直鎖飽和脂肪酸が好ましく用いられる。
本発明のゲル化剤であるエステル化反応生成物を構成する脂肪酸には、成分(2)として炭素数8〜14の飽和脂肪酸が、1〜30モル%含まれる。この成分(2)を構成する炭素数8〜14の飽和脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソミリスチン酸等が挙げられ、これらの一種または二種以上が用いられる。
炭素数が8未満の飽和脂肪酸を用いた場合では、得られるエステル化反応生成物の臭気が悪く、また、皮膚刺激の懸念もある為、化粧品油剤用ゲル化剤としては不適合となる。更に、炭素数8〜14の飽和脂肪酸が、エステル化反応生成物を構成する脂肪酸中の1モル%に満たない場合は、ゲル化剤と化粧品油剤との相溶性が悪くなり、ゲル化能が不充分となる。逆に30モル%を超えた場合は、化粧品油剤との相溶性は良好になるものの、目的とするゲル化能が発現しにくくなる。
更に、成分(3)である水酸基価から算出した平均重合度が2〜15のポリグリセリンとしては、グリセリンを原料とし、脱水縮合反応し得たポリグリセリン、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリンが挙げられ、これらの一種又は二種以上が用いられる。平均重合度が2未満のグリセリンを用いた場合は、ゲル化能が不充分となる。一方、平均重合度が15を超えるとエステル化反応が困難となり好ましくない。また、入手も困難で有る為好ましくない。成分(3)としてより好ましくは、水酸基価から算出した平均重合度2〜6のポリグリセリンと水酸基価から算出した平均重合度9〜11のポリグリセリンとを混合して平均重合度が6〜10としたポリグリセリンが用いられる。
尚、上記以外の多価アルコール、例えばプロピレングリコールや、ジプロピレングリコール等の2価の多価アルコールを用いた場合、ゲル化能が充分ではない、また、ソルビトールの様な6価の多価アルコールを用いた場合には、化粧品油剤との相溶性が悪くなり、本発明の効果であるゲル化能が充分発揮されない。
ここで言うポリグリセリンの平均重合度とは、水酸基価から算出したものであり、以下の(i)式により算出する。また、(i)式中の水酸基価は「基準油脂物性試験法」(日本油化学協会制定)に準拠し測定する。具体的には、試料1gを無水酢酸・ピリジン溶液によりアセチル化する時、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)のmg数で表され、以下の(ii)式で求められる。
平均重合度=(112.2×10−18×水酸基価)/
(74×水酸基価−56.1×10) (i)
水酸基価=(a−b)×28.05/試料の採取量(g) (ii)
a:空試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:本試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
本発明の化粧品油剤用ゲル化剤は、上記成分(1)と成分(2)からなり、そのモル比が70:30〜99:1、好ましくは80:20〜95:5の範囲内である脂肪酸と、成分(3)のポリグリセリンをエステル化反応させて得られるエステル化反応生成物からなる。成分(1)の構成モル比が、成分(1)+成分(2)に対して70モル%未満の場合(成分(2)の構成モル比が、30モル%を超える場合)には、化粧品油剤に対するゲル化能が不充分となる。
また、逆に、成分(2)の構成モル比が、成分(1)+成分(2)に対して1モル%未満の場合(成分(1)の構成モル比が、99モル%を超える場合)には、化粧品油剤との相溶性が悪くなり、本発明の効果であるゲル化能が不充分となる。即ち、成分(2)の構成モル比が、成分(1)+成分(2)に対して1〜30モル%の場合(成分(1)の構成モル比が、70〜99モル%の場合)のみ、化粧品油剤に対し容易に溶解出来、且つ、少量の添加で、化粧品油剤の充分な増粘やゲル化を可能にするゲル化剤が得られる。
成分(1)と成分(2)の合計モル数は、成分(3)の1.0モルに対して、(n+2)×0.75モル以上、好ましくは0.85モル以上である(nは、成分(3)の水酸基価から算出したグリセリンの平均重合度を示す。)。(n+2)×0.75モル未満ではゲル化能が不充分となる。
本発明の化粧品油剤用ゲル化剤を構成するエステル化反応生成物は、上記の各成分を、上記条件を満たす様に仕込み、水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒を加えた後、常圧もしくは減圧下において、常法に従ってエステル化反応を行う方法で製造することが出来る。
本発明の化粧品油剤用ゲル化剤は、メイク化粧料、毛髪化粧料、皮膚化粧料、口唇化粧料等の化粧料中に添加されて、その化粧料中に含まれる油剤(化粧品油剤)を増粘又はゲル化する。化粧品油剤を増粘又はゲル化することにより、化粧料の粘度や固さを適度とし、使用性が向上する。化粧料への添加は、通常、化粧品油剤を含む化粧料の各成分と混合することにより行われる。
本発明の化粧品油剤用ゲル化剤により、増粘又はゲル化される化粧品油剤としては、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、プリスタン、α−オレフィンオリゴマー等の炭化水素油類、アボガド油、アマニン油、アルモンド油、オリブ油、カカオ脂、カロット油、キューカンバー油、ククイナッツ油、グレープシード油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シア脂、ダイズ油、茶油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ハトムギ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、綿実油、ヤシ油、ラッカセイ油、ローズヒップ油、ツバキ油、サザンカ油、ナタネ油、ハトムギ油、ホホバ油、チョウジ油、ラベンダー油、ローズマリー油、テレビン油、ユーカリ油等の植物油脂類、オレンジラフィー油、タートル油、ミンク油、卵黄油、ラノリン等の動物油類、アラキドン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、エルカ酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸、カプリル酸、サフラワー油脂肪酸、コメヌカ脂肪酸、トール油脂肪酸、ヤシ脂肪酸等の脂肪酸類、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ヘキシルデカノール、ヘキシルデカノール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール、等の高級アルコール類、アボカド油脂肪酸エチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、酢酸ラノリン、安息香酸アルキル、イソステアリルグリセリル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸グリセリル、オクタン酸アルキル、エチレングリコール脂肪酸エステル、エルカ酸オクチルドデシル、オクタン酸ペンタエリスリット、オクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸セテアリル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸イソステアリル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ジオレイン酸エチレングリコール、トリオレイン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、カプリン酸セチル、カプリル酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、エチルヘキサン酸セチル、エルカ酸オクチルドデシル、エチルヘキサン酸セトステアリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ヘキシルデシル、炭酸ジアルキル、イソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタノイン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ペラルゴン酸オクチル、イソペラルゴン酸オクチル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソセチル、イソパルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソステアリル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、リノール酸トコフェロール、リシノール酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ポリプロピレングリコールオリゴエステル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、等のエステル油類、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーンオイル等のシリコーン油類、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン等のシリコーン被膜形成剤、アミノプロピルジメチコン、アルキルメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、(ジメチルシロキサン/メチルセチルオキシシロキサン)コポリマー、シメチコン、ステアリルジメチコン、セチルジメチコンシリコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコーン誘導体類、フッ素変性オルガノポリシロキサン、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油、ビタミン類、紫外線吸収剤類、香料、精油等、化粧品原料として一般的に用いられる油剤を挙げることができるが、これらに限定されず化粧品原料として使用される油剤であればよい。
また、本発明の化粧品油剤用ゲル化剤が添加されて、前記の効果が得られる化粧料は、その種類が限定されず、幅広い化粧料に使用できる。例えば、アイブロウペンシル、アイブロウパウダー、ペンシルアイライナー、リキッドアイライナー、マスカラ、マスカラ下地、まつげ美容液、アイシャドウ、チーク、ネイルカラー、ネイルケア化粧品、リムーバー、下地化粧料、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、スティックファンデーション、コンシーラー、ルースパウダー、プレストパウダー等のメイク化粧料、固形石けん、洗顔フォーム、洗顔パウダー、クレンジングオイル、ミルククレンジング、クレンジングジェル、ポイントメイク落とし、化粧水、ジェル・美容液、乳液、クリーム、オイル、パック、マッサージ、ゴマージュ、ピーリング、アイケア化粧品、リップケア化粧品、ボディ洗浄料、入浴剤、ボディクリーム、ボディミルク、ボディローション、ハンドクリーム、ハンドミルク、ハンドローション等の皮膚化粧料、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、ヘアカラー、パーマ液、ヘアスタイリング剤等の毛髪化粧料、口紅、リップグロス、リップライナー、リップクリーム、リップバーム、リップスティック等の口唇化粧料等に幅広く使用できる。
また、本発明の化粧品油剤用ゲル化剤を配合したメイク化粧料、毛髪化粧料、皮膚化粧料、口唇化粧料には、化粧品油剤用ゲル化剤により増粘又はゲル化される化粧品油剤として例示された前記の油剤の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧品に配合される成分を配合する事ができる。
すなわち、本発明のメイク化粧料、毛髪化粧料、皮膚化粧料、又は口唇化粧料に配合できる成分としては、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、パラフィン、プリスタン、α−オレフィンオリゴマー、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン等の炭化水素類、アボガド油、アマニン油、アルモンド油、オリブ油、カカオ脂、カロット油、キューカンバー油、ククイナッツ油、グレープシード油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シア脂、ダイズ油、茶油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ハトムギ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、ラッカセイ油、ローズヒップ油、ツバキ油、サザンカ油、ナタネ油、ハトムギ油、ホホバ油、水添ホホバ油、ヤシ硬化油、チョウジ油、ラベンダー油、ローズマリー油、テレビン油、ユーカリ油等の植物油脂類、オレンジラフィー油、牛脂、馬油、タートル油、ミンク油、卵黄油、ラノリン等の動物油類、ミツロウ、鯨ロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンロウ、ライスワックス、ラノリンワックス、セラック等が挙げられる。
また、炭化水素系のワックス類としては、例えば、固形パラフィン、セレシン、オゾケライト、エチレン・プロピレンコポリマー、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、イボタロウ、モクロウ等のロウ類、アラキドン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、エルカ酸、オレイン酸、ステアリン酸、セバシン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヒドロキシステアリン酸、サフラワー油脂肪酸、コメヌカ脂肪酸、トール油脂肪酸、ヤシ脂肪酸等の脂肪酸類、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、アラキルアルコール、ヘキシルデカノール、キミルアルコール、β−グルカン、コレステロール、シトステロール、ジヒドロコレステロール、ステアリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、フィトステロール、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール類、アボカド油脂肪酸エチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、酢酸ラノリン、安息香酸アルキル、イソステアリルグリセリル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸バチル、イソステアリン酸フィトステリル、オクタン酸アルキル、エチレングリコール脂肪酸エステル、エルカ酸オクチルドデシル、オクタン酸ペンタエリスリット、オクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸セテアリル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸イソステアリル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ジオレイン酸エチレングリコール、トリオレイン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、カプリン酸セチル、カプリル酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、エチルヘキサン酸セチル、エルカ酸オクチルドデシル、エチルヘキサン酸セトステアリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物、ジステアリン酸グリコール、(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリルリチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸バチル、ステアリン酸ブチル、セチルイソオクタネート、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、ダイマー酸ジイソプロピル、炭酸ジアルキル、ヒドロキシ脂肪酸コレステリル、イソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタノイン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ペラルゴン酸オクチル、イソペラルゴン酸オクチル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソセチル、イソパルミチン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソステアリル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸コレステリル、リノール酸トコフェロール、リシノール酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ポリプロピレングリコールオリゴエステル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、ヘプタン酸ステアリル等のエステル油類、エリスリトール、グリセリン、キシリトール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビット、トレハロース、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン、ポリプロピレン、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリグリセリン、マルチトール、マンニトール等の多価アルコール類、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類、アラビアガム、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、エチルセルロース、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カラギーナン、カラヤガム、カルボキシメチルセルローススナトリウム、カンテン、キサンタンガム、グアーガム、クインスシードガム、合成ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、(ビニルピロリドン/VA)コポリマー、ジェランガム、シクロデキストリン、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、セルロース誘導体、タマリンドガム、デキストリン脂肪酸エステル、デンプン類、デンプンリン酸Na、トラガントガム、ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ローカストビーンガム、ロジン酸ペンタエリスリット、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アルキル、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、メタクリロイルエチルジメチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体等の増粘・被膜形成剤類、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーンオイル等のシリコーン油類、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン等のシリコーン被膜形成剤、アミノプロピルジメチコン、アルキルメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、(ジメチルシロキサン/メチルセチルオキシシロキサン)コポリマー、シメチコン、ステアリルジメチコン、セチルジメチコンシリコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコーン誘導体類、フッ素変性オルガノポリシロキサン、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸石鹸、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、N−アシルタウリン塩等のアニオン性界面活性剤類、酢酸ベタイン型両性活性剤、イミダゾリン型両性活性剤、アルキルアミドプロピルベタイン型両性活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン型両性活性剤、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン型両性活性剤、アルキルジメチルアミンオキサイド等の両性活性剤類、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグリコシド、アルキルアルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、アミドアミン等のカチオン性界面活性剤、水素添加大豆リン脂質、水酸化大豆リン脂質等のレシチン誘導体類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光揮性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、でんぷん、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体を挙げる事が出来る。
あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素、酸化チタン被覆ガラス末等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホフホン酸塩、ポリリン酸塩、グルコン酸等のキレート剤類、安息香酸塩、感光素、パラベン類、フェノキシエタノール、サリチル酸、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール等の防腐剤類、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、アスコルビン酸塩誘導体等の美白剤、ビタミン類、紫外線吸収剤類、アミノ酸類、グリチルリチン酸誘導体類、植物エキス類、香料、精油、pH調整剤等を挙げる事が出来る。
以下、実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
ベヘン酸340.9gとステアリン酸7.0g、カプリン酸19.6g、ヘキサグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約6のポリグリセリン)73.0gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤(エステル化反応生成物)400.0gを得た。
<実施例2>
ベヘン酸339.8gとラウリン酸22.2g、デカグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約10のポリグリセリン、以下同じである。)77.9gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例3>
ベヘン酸342.4gとカプリン酸19.2g、デカグリセリン78.5gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例4>
ベヘン酸292.5gとカプリン酸63.4g、デカグリセリン86.2を反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例5>
ベヘン酸330.0gとカプリン酸18.6g、デカグリセリン90.8gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例6>
ベヘン酸365.8gとカプリン酸20.6g、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が2のポリグリセリン。)55.1gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例7>
ベヘン酸362.0gとカプリン酸1.8g、デカグリセリン75.5gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例8>
ステアリン酸352.4gとカプリン酸2.2g、デカグリセリン88.0gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例9>
ステアリン酸275.9gとカプリン酸71.6g、デカグリセリン97.4gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例10>
ベヘン酸323.6gとオクチル酸34.3g、デカグリセリン83.5gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例11>
ベヘン酸353.5gとカプリン酸9.4g、デカグリセリン76.8gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例12>
ベヘン酸344.6gとカプリン酸19.4g、ジグリセリン5.2g、デカグリセリン71.1gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<実施例13>
ベヘン酸343.4gとカプリン酸19.3g、ヘキサグリセリン13.1g、デカグリセリン64.4gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、化粧品油剤用ゲル化剤400.0gを得た。
<比較例1>
ベヘン酸364.1gとデカグリセリン75.2gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
<比較例2>
パルミチン酸322.8gとカプリン酸24.1g、デカグリセリン98.3gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
<比較例3>
イソステアリン酸330.3gとカプリン酸22.2g、デカグリセリン90.7gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
<比較例4>
ベヘン酸231.7gとカプリン酸117.2g、デカグリセリン95.6gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
<比較例5>
ベヘン酸375.7gとラウリン酸24.6g、グリセリン41.8gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
<比較例6>
ベヘン酸320.1gとカプリン酸18.0g、ヘキサグリセリン100.7gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
<比較例7>
ステアリン酸354.8gと、デカグリセリン87.7gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
<比較例8>
パルミチン酸348.9gと、デカグリセリン95.6gを反応容器に入れ、0.17gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において240℃、9時間の条件下で反応を行い、0.25gの85%−リン酸で中和し、エステル化反応生成物400.0gを得た。
[ゲル強度試験]
100mlのビーカーに、化粧品油剤である流動パラフィン(SUS(37.8℃)350)、トリオクタノイン、環状シリコーン、オレイルアルコールのいずれかの化粧品油剤47.5gと、実施例で得た化粧品油剤用ゲル化剤、又は比較例で得たエステル化反応生成物、又は市販の液状油ゲル化剤(パルミチン酸デキストリン、比較例9とする。)を2.5g秤量し、80℃で加熱溶解後、20℃の恒温槽で4時間放冷し、試料を調製した。その試料のゲル強度を硬度計(ハンディー圧縮試験機、KES−G5、カトーテック(株)製)にて測定し、以下の評点に従い評価した。その結果を表1〜3に示す。
(評 点)
◎ :200g以上
○ :100g以上、200g未満
△ :50g以上、100g未満
× :50g未満
××:溶解しない
上記、試料を健常女性パネラー20名の手の甲に0.5g塗布し、以下の評点に従い、臭気を評価した。その結果を表1〜3に示す。
(評 点)
○ :臭気が殆ど無い。
△ :僅かに臭気がある。
× :不快な臭気が強い。
Figure 2008280329
Figure 2008280329
Figure 2008280329
表1〜2に示した通り、実施例1〜13の化粧品油剤用ゲル化剤は、種々の化粧品油剤に対して、高いゲル強度を示し、得られたゲルの臭気も殆ど無く良好であった。これに対し、比較例のエステル化反応生成物及び市販の液状油ゲル化剤は、表3に示した通り、ゲル強度が弱かったり、油の種類によっては、ゲル化しなかったりするものであった。
又、実施例3、4、7、10及び11(いずれも成分(1)がベヘン酸、成分(2)がオクチル酸又はカプリル酸、成分(3)がデカグリセリンであり、多価アルコールに対する脂肪酸のモル数の比が0.90である。)の比較から、成分(1)と成分(2)のモル比が80:20〜95:5の範囲内でより優れたゲル強度が得られることが示されている。さらに、成分(3)として、水酸基価から算出した平均重合度2〜6のポリグリセリンと水酸基価から算出した平均重合度9〜11のポリグリセリンとを混合して平均重合度が6〜10としたポリグリセリンが用いられている実施例12及び13で、特に優れたゲル強度が得られている。
(配合実施例1、配合比較例1〜2)
(処 方) リップグロス
(重量%)
実施例1の化粧品油剤用ゲル化剤(配合実施例1)、
比較例1のエステル化反応生成物(配合比較例1)、または
比較例9の市販の液状油ゲル化剤(配合比較例2) 10.00
流動パラフィン(SSU(37.8℃)350) 50.00
重質流動イソパラフィン(4000mPa・s) 30.00
ワセリン 8.50
赤色104号 1.00
黄色4号 0.50
上記処方の全成分を80℃にて加温して均一溶解し脱泡後、容器に流し込み急冷してリップグロスを得た。
上記、配合実施例1、配合比較例1〜2で得たリップグロスを、健常女性パネラー20名の唇に対し、0.03gを均一に塗布し、その使用性(垂れ落ちにくさ)、塗布時のノビの軽さ、及び塗布後のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表4に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
表4に示した通り、実施例1の化粧品油剤用ゲル化剤を配合したリップグロス(配合実施例1)は、適度な粘性である為垂れ落ちが無く、使用性が良好で、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、比較例1のエステル化反応生成物を配合したリップグロス(配合比較例1)及び比較例9の市販の液状油ゲル化剤を配合したリップグロス(配合比較例2)は、粘性が低い為、垂れ落ちてしまい、使用性が悪いものであった。
(配合実施例2、配合比較例3〜4)
(処 方) 油性ファンデーション(スティックタイプ)
A相 (重量%)
実施例2の化粧品油剤用ゲル化剤(配合実施例2)、
比較例2のエステル化反応生成物(配合比較例3)、または
比較例9の市販の液状油ゲル化剤(配合比較例4) 10.00
環状シリコーン 10.00
リンゴ酸ジイソステアリル 5.00
オレイン酸フィトステリル 5.00
精製水 9.50
B相
カオリン 23.00
酸化チタン 23.00
ベンガラ 1.00
黄酸化鉄 3.00
黒酸化鉄 0.50
A相を85℃にて加温して均一溶解した後、これに予め混合して粉砕したB相を攪拌しながら添加し、コロイドミルで磨砕分散する。脱気後70℃で型に流し込み急冷して、油性ファンデーションを得た。
上記、配合実施例2、配合比較例3〜4で得た油性ファンデーションを、健常女性パネラー20名の顔全体に対し、0.2gを均一に塗布し、その使用性(塗り易さ)、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表4に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
表4に示した通り、実施例2の化粧品油剤用ゲル化剤を配合した油性ファンデーション(配合実施例2)は、スティック状であり、皮膚に直接塗布し易い、使用性が良好なものであり、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、比較例2のエステル化反応生成物を配合した油性ファンデーション(配合比較例3)は、スティックが柔らかい為、皮膚に直接塗布し難く、使用性の劣るものであった。また、比較例9の市販の液状油ゲル化剤を配合した場合(配合比較例4)は、スティック状の油性ファンデーションを得る事が出来なかった。
(配合実施例3、配合比較例5〜6)
(処 方) ヘアワックス
A相 (重量%)
実施例3の化粧品油剤用ゲル化剤(配合実施例3)、
比較例3のエステル化反応生成物(配合比較例5)、または
比較例9の市販の液状油ゲル化剤(配合比較例6) 5.00
ホホバ油 9.50
スクワラン 20.00
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.00
B相
ジグリセリン 5.00
モノミリスチン酸デカグリセリル 2.00
2%カルボキシビニルポリマー水溶液 5.00
10%水酸化カリウム水溶液 0.50
精製水 51.00
A相及びB相を80℃にて溶解し、B相にA相を徐々に添加していき乳化した。乳化後、35℃まで冷却してヘアワックスを得た。
(配合比較例7)
(処 方) ヘアワックス
A相 (重量%)
比較例9の市販の液状油ゲル化剤 10.00
ホホバ油 9.50
スクワラン 15.00
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.00
B相
ジグリセリン 5.00
モノミリスチン酸デカグリセリル 2.00
2%カルボキシビニルポリマー水溶液 5.00
10%水酸化カリウム水溶液 0.50
精製水 51.00
A相及びB相を80℃にて溶解し、B相にA相を徐々に添加していき乳化した。乳化後、35℃まで冷却してヘアワックスを得た。
上記、配合実施例3、配合比較例5〜7で得たヘアワックスを、健常女性パネラー20名の毛髪に対し、2.0gを均一に塗布し、その使用性(手に取り易さ)、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表4に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
表4に示した通り、実施例3の化粧品油剤用ゲル化剤を配合したヘアワックス(配合実施例3)は、適度な粘性である為、手に取り易く使用性が良好で、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、比較例3のエステル化反応生成物を配合したヘアワックス(配合比較例5)、及び比較例9の市販の液状油ゲル化剤を配合したヘアワックス(配合比較例6)は、柔らかく、手に取った後毛髪に延ばす前に垂れ落ちてしまい、使用性の劣るものであった。また、配合実施例3と同程度の粘性になる様、比較例9の市販の液状油ゲル化剤を多量に配合したヘアワックス(配合比較例7)は、手に取り易く、使用性は良好であるが、塗布時のノビが重く、塗布後にベタツキがある等、官能面で劣るものであった。
(配合実施例4、配合比較例8〜9)
(処 方) エモリエントクリーム
A相 (重量%)
実施例4の化粧品油剤用ゲル化剤(配合実施例4)、
比較例4のエステル化反応生成物(配合比較例8)、または
比較例9の市販の液状油ゲル化剤(配合比較例9) 3.00
スクワラン 15.00
ミリスチン酸イソプロピル 8.00
モノオレイン酸グリセリル 2.00
B相
モノラウリン酸デカグリセリル 2.00
グリセリン 5.00
1.3ブチレングリコール 5.00
N−ステアロイルーL―グルタミン酸Na 0.20
精製水 59.80
A相及びB相を80℃にて溶解し、B相にA相を徐々に添加していき乳化した。乳化後、35℃まで冷却してエモリエントクリームを得た。
上記、配合実施例4、配合比較例8〜9で得たエモリエントクリームを、健常女性パネラー20名の顔全体に対し、0.5gを均一に塗布し、その使用性(手に取り易さ)、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表4に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
表4に示した通り、実施例4の化粧品油剤用ゲル化剤を配合したエモリエントクリーム(配合実施例4)は、適度な粘性である為、手に取り易く使用性が良好で、塗布時のノビの軽さ及び塗布後のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、比較例4のエステル化反応生成物を配合した場合(配合比較例8)、及び比較例9の市販の液状油ゲル化剤を配合した場合(配合比較例9)は、粘性が無く、乳液状のものしか得られず、使用性が悪いものであった。また、一夜放置後には分離していた。
(配合実施例5、配合比較例10)
(処 方) クレンジングジェル
(重量%)
実施例3の化粧品油剤用ゲル化剤(配合実施例5)、または
比較例9の市販の液状油ゲル化剤(配合比較例10) 3.00
流動パラフィン(SSU(37.8℃)70秒) 40.00
トリオクタノイン 40.00
POE(20)トリイソステアリン酸グリセリル 5.00
POE(20)イソステアリン酸グリセリル 10.00
精製水 2.00
全成分を80℃にて溶解し、その後35℃まで冷却してクレンジングジェルを得た。
上記、配合実施例5、配合比較例10で得たクレンジングジェルを、健常女性パネラー20名の顔全体に対し、3.0gを用いて、その使用性(手に取り易さ)、マッサージ中のノビの軽さ及びすすぎ後のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表4に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
表4に示した通り、実施例3の化粧品油剤用ゲル化剤を配合したクレンジングジェル(配合実施例5)は、ジェル状である為、手に取り易く使用性が良好で、マッサージ中のノビの軽さ及びすすぎ後のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、比較例9の市販の液状油ゲル化剤を配合した場合(配合比較例10)は、粘性が無く、液状のものしか得られず、使用性が悪いものであった。また、すすぎ後にべたつきが残り後感の悪いものであった。
(配合実施例6、配合比較例11)
(処 方:配合実施例6のマスカラ)
(重量%)
実施例2の化粧品油剤用ゲル化剤 5.00
固形パラフィン 5.00
ポリアクリル酸エステルエマルション 30.00
酸化鉄(黒) 10.00
軽質イソパラフィン 36.00
セスキオレイン酸ソルビタン 4.00
精製水 10.00
(処 方:配合比較例11のマスカラ)
(重量%)
固形パラフィン 15.00
ポリアクリル酸エステルエマルション 30.00
酸化鉄(黒) 10.00
軽質イソパラフィン 31.00
セスキオレイン酸ソルビタン 4.00
精製水 10.00
上記処方の全成分を70℃にて溶解し、ホモミキサーで均一に乳化分散し、その後35℃まで冷却してマスカラを得た。
上記、配合実施例6、配合比較例11で得たマスカラを、健常女性パネラー20名に使用させ、その使用性(ブラシへの取り易さ)、塗布時のノビの軽さ及び後感のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表4に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
表4に示した通り、実施例3の化粧品油剤用ゲル化剤を配合したマスカラ(配合実施例6)は、適度な粘性である為、ブラシに取り易く使用性が良好で、塗布時のノビの軽さ及び後感のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、配合比較例11のマスカラは適度な粘性であるが、塗布時ののびが重くまた後感がべたつくものであった。
(配合実施例7、配合比較例12)
(処 方) リップスティック
(重量%)
実施例3の化粧品油剤用ゲル化剤(配合実施例5)、または
比較例9の市販の液状油ゲル化剤(配合比較例10) 10.00
キャンデリラロウ 8.00
固形パラフィン 5.00
ミツロウ 5.00
軽質イソパラフィン 36.00
トリオクタノイン 36.00
全成分を90℃にて溶解した後、型に流し込み急冷しリップスティックを得た。
上記、配合実施例7、配合比較例12で得たリップスティックを、健常女性パネラー20名に使用させ、その使用性(折れにくさ)、塗布時のノビの軽さ及び後感のベタツキを官能評価した。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表4に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
表4に示した通り、実施例3の化粧品油剤用ゲル化剤を配合したリップスティック(配合実施例7)は、適度な硬さのスティックである為、折れにくく使用性が良好で、塗布時のノビの軽さ及び後感のベタツキについての官能評価の結果も良好であった。これに対し、比較例9の市販の液状油ゲル化剤を配合した場合(配合比較例12)は、硬さはあるが脆いスティックであるため折れやすい。また塗布時ののびも重く、後感がべたつくものであった。
Figure 2008280329
本発明の化粧品油剤用ゲル化剤を化粧品に配合することにより、使用性に優れ、のびが軽く、塗布時のベタツキ感が抑制されたメイク化粧料、毛髪化粧料、皮膚化粧料、口唇化粧料等の化粧料を提供出来る。本発明の化粧品油剤用ゲル化剤は、アイブロウペンシル、アイブロウパウダー、ペンシルアイライナー、リキッドアイライナー、マスカラ、マスカラ下地、まつげ美容液、アイシャドウ、チーク、ネイルカラー、ネイルケア化粧品、リムーバー、下地化粧料、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、スティックファンデーション、コンシーラー、ルースパウダー、プレストパウダー等のメイク化粧料、固形石けん、洗顔フォーム、洗顔パウダー、クレンジングオイル、ミルククレンジング、クレンジングジェル、ポイントメイク落とし、化粧水、ジェル・美容液、乳液、クリーム、オイル、パック、マッサージ、ゴマージュ、ピーリング、アイケア化粧品、リップケア化粧品、ボディ洗浄料、入浴剤、ボディクリーム、ボディミルク、ボディローション、ハンドクリーム、ハンドミルク、ハンドローション等の皮膚化粧料、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、ヘアカラー、パーマ液、ヘアスタイリング剤等の毛髪化粧料、口紅、リップグロス、リップライナー、リップクリーム、リップバーム、リップスティック等の口唇化粧料等、幅広い用途に利用が可能なものである。

Claims (5)

  1. 炭素数18以上の直鎖飽和脂肪酸の一種または二種以上である成分(1)、
    炭素数8〜14の飽和脂肪酸の一種または二種以上である成分(2)、及び
    水酸基価から算出した平均重合度nが2〜15のポリグリセリンである成分(3)、
    のエステル化反応生成物からなり
    上記成分(1)と成分(2)のモル比が70:30〜99:1であり、且つ
    成分(3)の1.0モルに対して、成分(1)と成分(2)の合計モル数が、(n+2)×0.75モル以上であることを特徴とする化粧品油剤用ゲル化剤。
  2. 請求項1に記載の化粧品油剤用ゲル化剤を配合することを特徴とするメイク化粧料。
  3. 請求項1に記載の化粧品油剤用ゲル化剤を配合することを特徴とする毛髪化粧料。
  4. 請求項1に記載の化粧品油剤用ゲル化剤を配合することを特徴とする皮膚化粧料。
  5. 請求項1に記載の化粧品油剤用ゲル化剤を配合することを特徴とする口唇化粧料。
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