JP2008276981A - 燃料電池用触媒層形成材料、燃料電池用触媒層、燃料電池用触媒層転写シート、燃料電池用ガス拡散電極、および燃料電池用膜電極接合体、それらの製造方法、並びに、それらを使用した燃料電池。 - Google Patents

燃料電池用触媒層形成材料、燃料電池用触媒層、燃料電池用触媒層転写シート、燃料電池用ガス拡散電極、および燃料電池用膜電極接合体、それらの製造方法、並びに、それらを使用した燃料電池。 Download PDF

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Hidetoshi Kuromatsu
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Abstract

【課題】直接メタノール形燃料電池に代表される燃料電池に使用した場合に、優れた発電特性と実用的な耐久性を有する燃料電池用触媒層形成材料、燃料電池用触媒層、燃料電池用触媒層転写シート、燃料電池用電極、および燃料電池用膜電極接合体、それらの製造方法、並びに、それらを使用した直接メタノール形燃料電池およびその代表的な利用法を提供することである。
【解決手段】少なくとも、芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入された高分子電解質と一般式−CHORで示される基を2つ以上有する少なくとも1種以上の化合物X、および、燃料電池用触媒、を含む燃料電池用触媒層形成材料であって、前記触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が50nm以上、500nm未満であることに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池用触媒層形成材料、燃料電池用触媒層、燃料電池用触媒層転写シート、燃料電池用ガス拡散電極、および燃料電池用膜電極接合体、それらの製造方法、並びに、それらを使用した燃料電池に関するものである。
プロトン伝導性置換基を含有する高分子電解質は、燃料電池、湿度センサー、ガスセンサー、エレクトロクロミック表示素子などの電気化学素子の原料として使用される。これらの中でも、燃料電池は、新エネルギー技術の柱の一つとして期待されている。プロトン伝導性置換基を有する高分子電解質を使用する固体高分子形燃料電池は、低温における作動、小型軽量化が可能などの特徴から、自動車などの移動体、家庭用コンジェネレーションシステム、および民間用小型携帯機器などへの適用が検討されている。特にメタノールを直接燃料に使用する直接メタノール型燃料電池は、単純な構造と燃料供給やメンテナンスの容易さ、さらには、あるいは、また、高エネルギー密度などの特徴を有し、リチウムイオン二次電池代替として、携帯電話やノート型パソコンなどの民間用小型携帯機器への応用が期待されている。固体高分子形燃料電池のガス拡散電極は、燃料(メタノールや水素など)が供給されるアノード触媒層、酸化剤(酸素や空気など)が供給されるカソード触媒層と燃料および酸化剤を拡散させる拡散層とから成り立っており、この触媒層の形成材料には、燃料電池用触媒や高分子電解質などが含まれている。
従来用いられている高分子電解質としては、ナフィオン(Nafion)(登録商標)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂が広く検討されている。パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂は、高いプロトン伝導性を有し、耐酸性、耐酸化性などの化学的安定性に優れているとされている。しかしながら、ナフィオン(登録商標)は、フッ素系高分子電解質であるため、使用原料が高く、また複雑な製造工程を経るため、非常に高価である。さらに、その樹脂はメタノールに可溶性であることに加え、メタノールおよび水に対して膨潤しやすいことから、常にメタノール雰囲気下にさらされるアノード触媒層用高分子電解質として不適であった。そのために、特許文献1〜4のような、燃料電池用触媒層形成材料含まれる触媒のメジアン径を50nm〜500nmに制御した触媒層形成材料を製作しても、燃料にメタノールを用いる直接メタノール形燃料電池(DMFC)には不向きであった。
また、フッ素系高分子電解質以外にも特許文献5に代表される炭化水素系高分子電解質も検討されている。しかしながら、その炭化水素系高分子電解質には架橋技術が導入されていないために、水やメタノールに対する膨潤性や溶解性の抑制が不十分である。さらに、その炭化水素系電解質はテトラヒドロフランとメタノールとの混合溶液に溶解させて用いていることから、その炭化水素系高分子電解質を用いた燃料電池用触媒層は、メタノールに対する溶解性の抑制が不十分である。以上ことに加えて、炭化水素系電解質を触媒層形成材料に用いた場合、燃料電池用触媒同士が凝集しやすい傾向があり、そのために触媒と高分子電解質との接触面積が減少し、DMFCの発電特性は低い値を示す恐れがあった。
特開2003−68309号公報 特開2005−285511号公報 特開2003−317727号公報 特開2003−109612号公報 特開2006−202737号公報
固体高分子形燃料電池に使用される燃料電池用触媒層形成材料には、その構成成分として、プロトン伝導性を有する高分子電解質が必須である。このような高分子電解質には、プロトン伝導性を充分に確保しつつ、接触が想定される燃料、酸化剤、反応生成物(副生成物を含む)に対する充分な耐久性と触媒反応を効率よく進行させるための触媒層形成能、工業材料として効率的な生産性などが、強く望まれている。
本発明は前記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は優れた発電特性と実用的な耐久性を有する燃料電池を得るための、燃料電池用触媒層形成材料、燃料電池用触媒層、燃料電池用膜電極接合体、それらの製造方法、並びに、それらを使用した直接メタノール形燃料電池を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、少なくとも、芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入されてなる高分子電解質と下記一般式(1)で示される基を2つ以上有する少なくとも1種以上の化合物X、および燃料電池用触媒、を含む燃料電池用触媒層形成材料であって、前記触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径を50nm以上、500nm未満にした燃料電池用触媒層形成材料によって、その材料をもちいた燃料電池が優れた発電特性、耐久性を確保できることを見出し、本願発明を完成させるに至った。本発明は、かかる新規知見に基づいて完成されたものであり、以下の発明を包含する。
−CHOR・・・(1)
(式中、Rは水素またはアルキル基またはアシル基を表し、1種類の化合物に含まれるRはそれぞれ同一であっても異なってもよい。)。
すなわち本発明にかかる燃料電池用触媒層形成材料は、少なくとも、芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入されてなる高分子電解質と下記一般式(1)で示される基を2つ以上有する少なくとも1種以上の化合物X、および燃料電池用触媒、を含む燃料電池用触媒層形成材料であって、
−CHOR・・・(1)
(式中、Rは水素またはアルキル基またはアシル基を表し、1種類の化合物に含まれるRはそれぞれ同一であっても異なってもよい。)。前記触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径を50nm以上、500nm未満にした燃料電池用触媒層形成材料である。
また本発明にかかる燃料電池用触媒層形成材料の製造方法は、最初に、少なくとも前記高分子電解質と、前記化合物Xと、前記燃料電池用触媒とを混合し、つぎに、前記燃料電池用触媒層形成材料に外力を加えることを特徴とする製造方法でもよい。
また本発明にかかる燃料電池用触媒層形成材料の製造方法において、前記外力は、攪拌羽による回転であること、前記燃料電池用触媒層形成材料同士の衝突であること、せん断応力であること、あるいは超音波の照射であることを特徴とし、さらに、それらの外力の少なくとも1種類以上を燃料電池用触媒層形成材料の製造方法に用いてもよい。
また本発明にかかる前記芳香族単位を有する高分子化合物は、芳香族ポリエーテル系高分子化合物でもよい。
また本発明にかかる前記化合物はが、下記式に記載の
Figure 2008276981
からなる群から少なくとも1種類以上でもよい。
また本発明にかかるプロトン伝導性基が、スルホン酸基でもよい。
また本発明にかかる触媒層形成材料には、さらに溶媒が含まれてもよい。
また本発明にかかる前記燃料電池用触媒層形成材料を含む燃料電池用触媒層、ならびに、基材を備える燃料電池用触媒層転写シート、および基材を備える燃料電池用ガス拡散電極の製造方法は、少なくとも、下記(I)および/あるいは(II)の工程を含んでもよい。
(I)少なくとも前記高分子電解質と、前記化合物Xと、前記燃料電池用触媒とを含む燃料電池用触媒層形成材料を基材上に塗布する工程、
(II)前記高分子電解質と、前記化合物Xとを化学反応させて反応生成物を得る工程。
また本発明にかかる前記工程(II)が、前記化学反応が進行する温度以上、200℃以下での加熱でもよい。
また本発明にかかる燃料電池用触媒層転写シートに備わる前記基材は、高分子シート、あるいは無機物のシートでもよい。
また本発明にかかる燃料電池用ガス拡散電極に備わる前記基材は、導電性多孔質シートでもよい。
また本発明にかかる燃料電池用膜電極接合体は、前記製造方法によって製造された燃料電池用触媒層、あるいは燃料電池用ガス拡散電極が、高分子電解質膜の少なくとも一方の面に配置されていてもよい。
また本発明にかかる燃料電池は前記燃料電池用膜電極接合体を備える燃料電池でもよい。
本発明の一実施形態について説明すれば以下の通りである。なお、本発明は以下の説明に限定されるものではないことを念のため付言しておく。
・ 本発明の燃料電池用触媒層形成材料)
本発明にかかる燃料電池用触媒層形成材料は、少なくとも、芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入されてなる高分子電解質と下記一般式(1)で示される基を2つ以上有する少なくとも1種以上の化合物X、および、燃料電池用触媒、を含む燃料電池用触媒層形成材料であって、
前記触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が50nm以上、500nm未満であることを特徴とする燃料電池用触媒層形成材料であればよく、その他の成分、材料、配合割合、および製造条件等の具体的な構成については、特に限定されるものではない。
−CHOR・・・(1)
(式中、Rは水素またはアルキル基またはアシル基を表し、1種類の化合物に含まれるRはそれぞれ同一であっても異なってもよい。)。また、本発明の燃料電池用触媒層形成材料には、必要に応じて、非電解質バインダー、撥水剤、分散剤、増粘剤、造孔剤等の添加剤が含まれていても構わない。また、これらの添加剤は、当業者にとって従来公知のものが使用可能であり、その他の具体的な構成については、特に限定されない。以下、構成要素ごとに説明する。
(1−1.高分子電解質)
本発明に用いる高分子電解質は、芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入されていればよく、それ以外の具体的な構成については、特に限定されない。前記芳香族単位を有する高分子化合物としては、例えば、ポリアリールエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリスルホン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルホキシド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルスルホン、スチレン−(エチレン−ブチレン)スチレン共重合体、スチレン−(ポリイソブチレン)−スチレン共重合体、ポリ1,4−ビフェニレンエーテルエーテルスルホン、ポリアリーレンエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、シアン酸エステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン−ポリスチレングラフト共重合体、ポリエチレン−ポリスチレンブロック共重合体、ポリプロピレン−ポリスチレングラフト共重合体、(エチレン−グリシジルメタクリレート)−ポリスチレングラフト共重合体、(エチレン−エチルアクリレート)−ポリスチレングラフト共重合体、ポリプロピレン−(アクリロニトリル−スチレン)グラフト共重合体、ポリカーボネート−ポリスチレングラフト共重合体、ポリカーボネート−(アクリロニトリル−スチレン)グラフト共重合体、酢酸ビニル樹脂−ポリスチレンブロック共重合体、アクリル樹脂−ポリスチレンブロック共重合体、モディパーシリーズ(日本油脂株式会社製、登録商標)、エポフレンドシリーズ(ダイセル化学株式会社製)などが例示される。特に、化学的安定性および熱的安定性や、プロトン伝導性置換基の導入のしやすさ、得られるプロトン伝導性高分子電解質のプロトン伝導性、さらに得られ高分子電解質の耐久性、などを考慮すると、前記芳香族単位を有する高分子化合物は、下記の(i)〜(iii)から選択される1種のポリマー、又はこれらポリマーの混合物であることが好ましい。
(i)ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテルおよび変性ポリフェニレンエーテルからなるポリマーの群より選択される、少なくとも1種のポリマー;
(ii)前記(i)に記載のポリマーを含む共重合体;
(iii)前記(i),(ii)に記載のポリマーの誘導体。
これらのなかで、入手の容易さや前記化合物Xとの反応性などを考慮すると、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテルなどの芳香族ポリエーテル系高分子化合物が好ましく、ポリエーテルエーテルケトンが特に好ましい。
また、本発明に使用する高分子電解質は、優れたプロトン伝導性および実用的な耐久性を実現するために、異なる材料を組み合わせて構成してもよい。
本発明の燃料電池用触媒層形成材料における、高分子電解質に導入される、プロトン伝導性基としては、例えばスルホン酸基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)、フェノール性水酸基(Ph(OH):Phはフェニル基を表す)、−PO(OH)、−POH(OH)、−SONHSO−等の陽イオン交換基が列挙できる。中でも、プロトン伝導性やその導入のしやすさなどから、スルホン酸基であることが好ましい。
(1−2.化合物X)
つぎに、本発明の燃料電池触媒層の製造方法における、下記一般式(1)で示される基を2つ以上有する少なくとも1種以上の化合物Xについて、具体的に説明する。
−CHOR・・・(1)
(式中、Rは水素またはアルキル基またはアシル基を表し、1種類の化合物に含まれるRはそれぞれ同一であっても異なってもよい。)。
本発明で使用される前記化合物Xは、前記官能基が1分子中に2つ以上存在することによって、化合物Xを介して「芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入されてなる高分子電解質」を分子間で結合させることができる。したがって、得られる反応生成物の耐熱性を向上することや、メタノールなどの水素含有液体に対する膨潤性・溶解性や透過性を抑制することが可能となる。
本発明で使用される前記化合物Xとしては、前記官能基が1分子中に2つ以上存在するものであれば特に限定はないが、前記「芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入されてなる高分子電解質」との反応性、前記「芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入されてなる高分子電解質」との反応生成物の耐熱性、メタノールなどの水素含有液体に対する膨潤性・溶解性や透過性の抑制効果などを考慮すると、芳香族化合物であることが好ましい。この化合物はベンゼン環、ナフタレン環などを有する炭化水素系芳香族化合物であっても、トリアジン環などの炭素以外の元素を有する複素芳香族化合物であってもかまわない。
また、前記化合物X1分子中に2つ以上存在する官能基のRとしては、水素、アルキル基またはアシル基のいずれかであれば特に限定はなく、前記官能基のRはそれぞれ独立で、互いに同一であっても異なっていてもよい。化合物の入手の容易さや前記「芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入されてなる高分子化合物」との反応で副生する化合物の除去の容易さなどを考慮すると、水素、メチル基あるいはアセチル基であることが好ましい。直接メタノール形燃料電池に使用する場合は、燃料電池内に含まれている水、あるいはメタノールしか副生しないことから、前記官能基Rは水素、あるいはメチル基であることが特に好ましい。
このような前記化合物Xとしては、例えば、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、3,5−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、4,6−ビス(ヒドロキシメチル)−o−クレゾール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−t−ブチルフェノール、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、1,2,4−ベンゼントリメタノール、1,3,5−ベンゼントリメタノール、4,4’−メチレンビス[2,6−ジ(ヒドロキシメチル)]フェノール、オキシビス(3,4−ジヒドロキシメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン、2,6−ビス(メトキシメチル)−p−クレゾール、2,6−ビス(メトキシメチル)−4−t−ブチルフェノール、2,4,6−トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、サイメル(登録商標、日本サイテックインダストリーズ株式会社製)、DML−PC(本州化学工業株式会社製)、TML−BPA−MF(本州化学工業株式会社製)、TML−BPAF−MF(本州化学工業株式会社製)、DML−OC(本州化学工業株式会社製)、Dimethoxymethyl p−CR(本州化学工業株式会社製)、DML−MBPC(本州化学工業株式会社製)、DML−BPC(本州化学工業株式会社製)、TML−BP(本州化学工業株式会社製)、TMOM−BP(本州化学工業株式会社製)、DML−PEP(本州化学工業株式会社製)、DML−34X(本州化学工業株式会社製)、DML−PSBP(本州化学工業株式会社製)、DML−PTBP(本州化学工業株式会社製)、DML−PCHP(本州化学工業株式会社製)、DML−POP(本州化学工業株式会社製)、DML−PFP(本州化学工業株式会社製)、DML−MBOC(本州化学工業株式会社製)、HML−TPPHBA(本州化学工業株式会社製)、HMOM−TPPHBA(本州化学工業株式会社製)、26DMPC(旭有機材工業株式会社製)、46DMOC(旭有機材工業株式会社製)、DM−BIPC−F(旭有機材工業株式会社製)、DM−BIOC−F(旭有機材工業株式会社製)、TM−BIP−A(旭有機材工業株式会社製)、ニカラック(株式会社三和ケミカル製)などを例示できるが、これらのみに限定されるものではない。また、さらに、前記と一部重複するが、化合物Xは、下記化学式に示す化合物も例示できる。すなわち下記の構造式(2)〜(45)で示される44種類の化合物(なお、構造式(41)式中、R〜Rはそれぞれ水素またはメチル基を表す。)を例示できるが、これらのみに限定されるものではない。
Figure 2008276981
Figure 2008276981
Figure 2008276981
Figure 2008276981
これらの化合物は1種類であっても複数であってもかまわない。これらのなかで、入手の容易さや前記「芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入されてなる高分子電解質」との反応性、前記「芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入されてなる高分子電解質」との反応生成物の耐熱性やメタノールなどの水素含有液体に対する膨潤性や溶解性などを考慮すると、下記構造式(2)〜(11)で示される10種類の化合物
Figure 2008276981
からなる群から選択される少なくとも1種以上であることが特に好ましい。
(1−3.燃料電池用触媒)
つぎに、本発明の燃料電池触媒層の製造方法における、燃料電池用触媒について、具体的に説明する。本発明で使用される燃料電池用触媒とは、文字通り、当業者にとって従来公知の燃料電池用触媒であればよく、その他の具体的な構成については、特に限定されない。
本発明に用いる燃料電池用触媒とは、特に限定されず、燃料電池の電極反応に対して活性な触媒が使用される。アノード側では、燃料(メタノールや水素など)の酸化能を有する触媒が使用され、具体的には、カーボンブラック、ケッチェンブラック、活性炭、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブなどの高表面積の導電性材料に、白金などの貴金属が担持されたもの、あるいは白金ブラックなどの貴金属が使用される。さらに/あるいは/また、燃料酸化時の副生成物である一酸化炭素、アルデヒド類、カルボン酸類などによる触媒被毒を抑制するため、白金の代わりに、白金とルテニウムなどからなる複合あるいは合金触媒などが使用される。さらに、あるいは、また安定化や長寿命化のために、鉄、錫、希土類元素等を用い3成分以上であってもよい。カソード側では、酸化剤(酸素や空気など)の還元能を有する触媒が使用され、具体的には、カーボンブラック、ケッチェンブラック、活性炭、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブなどの高表面積の導電性材料に、白金などの貴金属が担持されたもの、あるいは白金ブラックなどの貴金属が使用される。さらに、あるいは、また、還元能の向上、触媒金属の安定化、あるいは長寿命化のために白金と任意の触媒金属などからなる複合あるいは合金触媒などが使用される。さらに/あるいは/また、その成分が、鉄、錫、希土類元素等を用い3成分以上であってもよい。
本発明の触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径は、50nm以上、500nm未満であることが好ましい。燃料電池用触媒のメジアン径が50nm未満の場合は、燃料電池用触媒の一次粒子径よりも小さい可能性がある。燃料電池用触媒の一次粒子径より小さい場合は触媒自身が粉砕されるために、触媒担体上の触媒金属が剥離し、触媒能が著しく低下する恐れがある。一方、燃料電池用触媒のメジアン径が、500nm以上の場合では、燃料電池用触媒と高分子電解質との接触面積が小さくなり、触媒の利用率が著しく低下する恐れがある。本発明の触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径は、100nm以上、500nm未満であることがより好ましく、さらには、150nm以上、300nm未満であることは、触媒の一次粒子が粉砕されず、かつ燃料電池用触媒と高分子電解質との接触面積が大きいので特に好ましい。
触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径の測定は、特に限定されないが、触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒の粒度分布を測定した後に算出することができる。前期粒度分布は、動的散乱光による測定、あるいはレーザー回折による測定でおこない、燃料電池用触媒のメジアン径は前記粒度分布のうち、存在確率が50%の粒径をもとめることによって算出することができる。さらに、前記存在確率は特に限定されないが、散乱光強度基準、体積基準、面積基準、あるいは粒子数基準などが列挙できる。
(1−4.溶媒)
本発明の燃料電池用触媒層形成材料には、さらに溶媒が含まれていてもよい。溶媒としては、上記高分子電解質と前記化合物Xと前記燃料電池用触媒を溶解あるいは分散できること、および、上記高分子電解質と前記化合物Xとの化学反応を阻害しないこと、を除いては特に限定がなく、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドンあるいはジメチルスルホキシドなどが例示できる。これらのなかで、後の工程における溶媒の除去のしやすさや前記化学反応の起こりやすさなどを考慮すると、メタノールやエタノールなどのアルコール系溶媒が好ましく、特にメタノールが好ましい。また、使用する溶媒と水が混ざりあう場合には、前記溶媒が水を含むことが好ましい。これによって、可燃性の溶媒が触媒上で急激に反応して燃焼するなどの危険性を低減することができる。
(2.本発明の触媒層形成材料の製造方法)
本発明の燃料電池用触媒層形成材料の製造方法は最初に、少なくとも前記高分子電解質と、前記化合物Xと、前記燃料電池用触媒とを混合し、つぎに、前記燃料電池用触媒層形成材料に外力を加えることを特徴とするものである。
前記高分子電解質と、前記化合物Xと、前記燃料電池用触媒との混合する順序および方法は、限定されないが、最初に前記燃料電池用触媒に水を加えたのちに、前記高分子電解質と、前記化合物Xとを加えることが燃料電池用触媒の燃焼などの危険性を低減できることから好ましい。
前記燃料電池用形成材料に加える外力は、攪拌羽の回転であること、前記燃料電池用触媒層形成材料同士の衝突であること、せん断であること、あるいは超音波の照射であることは、燃料電池用触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径を50nm以上、500nm未満に制御しやすいことから好ましい。
前記外力が、攪拌羽の回転である場合は、前記回転の速度は10m/s以上、50m/s以下であることが好ましい。10m/s未満の場合、前記触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が500nm未満にならない恐れがある。一方、50m/sより早い場合は、前記燃料電池用触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が50nm未満になるので好ましくない。前記攪拌羽の形状は、前記触媒層形成材料を攪拌できるものでよく、特に限定されないが、プロペラ形、ホイール形等を用いることができる。前記回転の時間は、5分以上、60分未満であることが好ましい。5分未満の場合、前記触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が500nm未満にならない恐れがある。一方、60分以上の場合は、前記燃料電池用触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が50nm未満になるので好ましくない。
前記外力が、前記燃料電池用触媒層形成材料同士の衝突である場合は、前記燃料電池用触媒層形成材料に圧力をかけた後に、前記燃料電池用触媒層形成材料をノズルから噴射させ、その噴射させた燃料電池用触媒層形成材料同士を衝突させる方法が好ましい。前記圧力は、100MPa以上、200MPa未満であることが好ましい。前記圧力が、100MPa未満の場合、前記触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が500nm未満にならない恐れがある。一方、200MPaの場合は、前記燃料電池用触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が50nm未満になるので好ましくない。
前記外力が、せん断応力である場合は、プラネタリミキサー、ボールミル、あるいはビーズミル等を用いることが好ましい。さらに、前記プラネタリミキサー、ボールミル、あるいはビーズミルによる処理時間は、5分以上、60分未満であることが好ましい。5分未満の場合、前記触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が500nm未満にならない恐れがある。一方、60分以上の場合は、前記燃料電池用触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が50nm未満になるので好ましくない。
前記応力が超音波の照射の場合は、超音波照射機、ホモジナイザー等を用いることが好ましい。さらに、超音波の照射による処理時間は、1分以上、60分未満であることが好ましい。1分未満の場合、前記触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が500nm未満にならない恐れがある。一方、60分以上の場合は、前記燃料電池用触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径が50nm未満になるので好ましくない。
さらに、前記燃料電池用触媒層形成材料の製造方法で用いる外力は、前記回転、前記燃料電池用触媒層形成材料同士の衝突、前記せん断応力、および前記超音波の照射のうち、1種類使用してもよいし、2種類以上使用してもよい。
(3.本発明の燃料電池用触媒層、ならびに燃料電池用触媒層転写シートおよび燃料電池用ガス拡散電極の製造方法)
本発明の燃料電池用触媒層、ならびに基材を備える燃料電池用触媒層転写シートおよび基材を備える燃料電池用ガス拡散電極の製造方法は、下記(I)および/あるいは(II)の工程を含む、製造方法である。
(I)少なくとも前記高分子電解質と、前記化合物Xと、前記燃料電池用触媒とを含む燃料電池用触媒層形成材料を基材上に塗布する工程、
(II)前記高分子電解質と、前記化合物Xとを化学反応させて反応生成物を得る工程。
以下、詳細を述べる。
(3−1.触媒層形成材料の基材上への塗布工程)
本発明の燃料電池用触媒層および燃料電池用電極の製造方法における、「少なくとも、前記高分子電解質と、前記化合物Xと、前記燃料電池用触媒とを含む触媒層形成材料を基材上に塗布する工程」について、具体的に説明する。
本発明において、触媒層形成材料には、さらに溶媒が含まれることは、基材上に塗布することが容易になることから好ましい。前記溶媒としては、前記高分子電解質と前記化合物Xと前記燃料電池用触媒を溶解あるいは分散できること、および、前記高分子電解質と前記化合物Xとの化学反応を阻害しないこと、を除いては特に限定がなく、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドンあるいはジメチルスルホキシドなどが例示できる。これらのなかで、後の工程における溶媒の除去のしやすさや前記化学反応の起こりやすさなどを考慮すると、メタノールやエタノールなどのアルコール系溶媒が好ましく、特にメタノールが好ましい。また、使用する溶媒と水が混ざりあう場合には、前記溶媒が水を含むことが好ましい。これによって、可燃性の溶媒が触媒上で急激に反応して燃焼するなどの危険性を低減することができる。
本発明で使用される触媒層形成材料には、必要に応じて、非電解質バインダー、撥水剤、分散剤、増粘剤、造孔剤等の添加剤が含まれていても構わない。また、これらの添加剤は、当業者にとって従来公知のものが使用可能であり、その他の具体的な構成については、特に限定されない。
前記組成よりなる触媒層形成材料は、粘度や基材の種類に応じて、下記に示すような塗布方法が利用できる。前記触媒層形成材料の基材上への塗布方法としては、当業者にとって従来公知の塗布方法であればよく、その他の具体的な構成については、特に限定されない。例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷などを利用する方法が列挙できるが、本発明に限定されるものではない。
本発明において、基材として、高分子シートおよび無機物のシートを使用した場合には燃料電池用触媒層転写シートが、導電性多孔質シートを使用した場合には燃料電池用ガス拡散電極が、それぞれ製造できる。
本発明の燃料電池用触媒層転写シートの製造方法に用いる、高分子シートは、文字通り、当業者にとって従来公知の高分子フィルムであればよく、その他の具体的な構成については、特に限定されない。かかる高分子シートとしては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパルバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる群から選択される少なくとも1種を含む、ことが製造工程でかかる加熱条件に耐え、工業的入手も容易であることから好ましい。
本発明の燃料電池用触媒層転写シートの製造方法に用いる、無機物のシートは、文字通り、当業者にとって従来公知の無機物のシートであればよく、その他の具体的な構成については、特に限定されない。かかる無機物のシートとしては、チタン、ステンレス、アルミ、銅からなる群から選択される少なくとも1種を含む、ことが製造工程でかかる加熱条件に耐え、工業的入手も容易であることから好ましい。
本発明の燃料電池用ガス拡散電極の製造方法に用いる導電性多孔質シートは、文字通り、当業者にとって従来公知の導電性多孔質シートであればよく、その他の具体的な構成については、特に限定されない。燃料や酸化剤の拡散性や電気化学的な安定性、工業的入手の容易さなどから、本発明の燃料電池用電極の製造方法において、前記導電性多孔質シートは、カーボンペーパー、カーボンクロスおよびカーボンフエルトからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、前記導電性多孔質シートは、燃料や酸化剤含まれる加湿水や、液体燃料や生成水によるフラッディングを抑制できる点から、撥水処理が施されていることが好ましい。また、前記導電性多孔質シートは、触媒層と導電性多孔質シートとの電気的接触を向上させたり、水分管理を適切に実施できるといった点から、前記燃料電池用触媒層形成材料を塗布する面上に、撥水導電性材料からなる層を備えること、が好ましい。すなわち、撥水導電性材料からなる層は触媒層と導電性多孔質シートの間に設置されることになる。撥水導電性材料としては、カーボンブラックなどの導電性微粒子とテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系高分子化合物から構成されることが例示できるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(3−2.高分子電解質と化合物Xとの反応工程)
本発明の燃料電池触媒層の製造方法における、「少なくとも、前記高分子電解質と、前記化合物Xと、を化学反応させて反応生成物を得る工程」について、具体的に説明する。
本発明において、前記高分子電解質は前記(1−1)で、前記化合物Xは前記(1−2)で説明した通りのものが使用できる。前記化合物Xは、下記一般式(1)で示される官能基が1分子中に2つ以上存在することにより、化合物Xを介して前記高分子電解質を分子間で結合させることができるため、耐熱性の向上や、化学的安定性の向上、メタノールなどの水素含有液体に対する溶解性の抑制、などの物性を付与することができる。
−CHOR・・・(1)
(式中、Rは水素またはアルキル基またはアシル基を表し、1種類の化合物に含まれるRはそれぞれ同一であっても異なってもよい。)。
本発明において、前記高分子電解質と前記化合物Xの配合比率は、使用する物質や触媒層の製造条件に応じて適宜設定する必要がある。基本的には、前記高分子電解質と前記化合物Xとの反応生成物のプロトン伝導性、耐熱性、化学的安定性、メタノールなどの水素含有液体に対する溶解性、などが所望値となるよう設定することとなる。具体的には、前記高分子電解質100重量部に対して、前記化合物X1〜50重量部が好ましく、5〜40重量部がさらに好ましい。前記化合物Xが1重量部未満であると、前記高分子電解質との反応生成物が所望の物性を示さない恐れがある。一方、前記化合物Xが50重量部を超えると、前記高分子電解質との反応生成物のプロトン伝導性が低下し、得られる燃料電池用触媒層および燃料電池用電極が脆くなる恐れがある。
本発明において、前記高分子電解質と前記化合物Xとの反応生成物は、これらの混合物を加熱することによって得ることができる。また、この化学反応は、加熱さえすれば空気中でも十分起こりうる。加熱する温度は、通常、前記化学反応が進行する温度〜前記高分子電解質の分解温度および前記化合物Xの沸点および分解温度、の範囲である必要がある。これらの化学反応が速やかに進行し、優れた性能を発現しうる燃料電池用触媒層および燃料電池用電極を得るには、前記化学反応が進行する温度以上、200℃以下の温度で加熱することが好ましい。ここで化学反応が進行する温度としては、示差走査熱量分析装置(DSC)などによる反応前後の発生熱量の変化や、熱機械分析計(TMA)などによる機械特性の変化などで確認することができる。加熱温度が前記温度範囲よりも低い場合は、反応が生じなかったり、反応が不充分となったり、反応時間が長くなったりする恐れがある。一方、加熱温度が前記温度範囲よりも高い場合は、性能低下の要因となるような副反応や分解反応が生じたり、前記高分子電解質のプロトン伝導性基が分解、脱離する恐れがある。前記加熱条件は、好ましくは130℃以上、200℃以下であり、時間は1分間以上、180分間以下、好ましくは5分間以上、60分間以下である。このような加熱条件を選択することにより、特性および生産性の両面から優れた製造方法となる。本発明において、前記化学反応時の加熱方法は特に限定されず、例えば、通常のオーブンなどによる加熱や真空オーブンによる加熱、プレス機による加熱などが列挙できるが、これらに限定されない。また、後述の燃料電池用膜電極接合体作製時の加熱圧接時に加熱しても良い。
(4.燃料電池用膜電極接合体の製造方法)
本発明の燃料電池用触媒層、燃料電池用触媒層転写シートおよび燃料電池用ガス拡散電極の製造方法、で得られたそれぞれの材料と、高分子電解質膜から、燃料電池用膜電極接合体が製造できる。本発明の燃料電池用膜電極接合体は、燃料電池用触媒層、燃料電池用触媒層転写シートおよび燃料電池用ガス拡散電極の製造方法、により得られる燃料電池用触媒層、燃料電池用触媒層転写シートおよび燃料電池用ガス拡散電極を、高分子電解質膜の少なくとも一方の面に配置し、加熱圧接するものであればよく、その他の製造条件、成分、材料、配合割合等の具体的な構成については、特に限定されるものではない。
本発明の燃料電池用膜電極接合体において、高分子電解質膜は、文字通り、当業者にとって従来公知の高分子電解質膜であればよく、その他の具体的な構成については、特に限定されない。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜として、デュポン社製のナフィオン、旭硝子(株)製のフレミオン、旭化成(株)製のアシプレックス、ゴア社製のゴアセレクト、などが例示できる。また、非フッ素系の高分子電解質膜として、当業者にとって従来公知のものが使用できる。例えば、(1−1)で示した高分子電解質を製膜したものや、特に直接メタノール形燃料電池用膜電極接合体に適した高分子電解質膜として、非電解質の多孔質支持体に高分子電解質を充填した細孔フィリング膜や高分子電解質と非電解質とを複合化した複合電解質膜などを使用するのが好ましい。
本発明の燃料電池用膜電極接合体の製造において、加熱圧接の条件は、文字通り、当業者にとって従来公知の加熱圧接条件であればよく、その他の具体的な構成については、特に限定されない。最適な条件については、前記電解質膜と、アノード側触媒層およびカソード側触媒層にそれぞれ含まれる高分子電解質の種類に応じて適宜設定する必要がある。一般的に加熱圧接の温度は、前記高分子電解質膜や前記触媒層に含まれる高分子電解質の熱劣化や熱分解温度以下であって、高分子電解質膜あるいは前記触媒層に含まれる高分子電解質のガラス転移点や軟化点以上の温度、さらには高分子電解質膜あるいは前記触媒層に含まれる高分子電解質のガラス転移点や軟化点以上の温度条件下で実施するのが好ましい。また、加熱圧接の加圧条件は、概ね0.1MPa以上20MPa以下の範囲であることが、高分子電解質膜と前記触媒層が充分に接触するとともに、使用材料の著しい変形にともなう特性低下がなく好ましい。
本発明の膜電極接合体は、前記高分子電解質膜の両面に、本発明の製造方法で得られる触媒層を配置し、前記高分子電解質膜と前記触媒層を接合した後、高分子フィルムを剥離することによって、高分子電解質膜とアノード側触媒層とカソード側触媒層とからなる3層膜電極接合体(3層MEA:Membrane Electrode Assembly、CCM:Catalyst Coating Membrane)を製造することができる。
また、前記触媒層の代わりに、本発明の製造方法で得られる燃料電池用ガス拡散電極を使用した場合、前記3層膜電極接合体の外側に拡散層が構成された5層膜電極接合体(5層MEA)を製造することができる。
さらに、拡散層と触媒層との間に、少なくとも、導電性カーボン粒子と撥水剤から構成される撥水導電性材料からなる層、を必要に応じて設けることや、拡散層周縁部の電解質膜上に1対のガスケットを配置して構成した7層膜電極接合体も本発明の範疇であることを付言しておく。
(5.固体高分子形燃料電池および直接メタノール形燃料電池)
本発明の燃料電池は、前記膜電極接合体を、燃料、並びに酸化剤を送り込む流路が形成された一対のセパレーターなどの間に挿入することにより、本発明の高分子電解質膜電極接合体を含む燃料電池が得られる。前記セパレーターは、特に限定されず、例えばカーボングラファイトやステンレス鋼の導電性材料のものが使用できる。特にステンレス鋼などの金属製材料を使用する場合は、耐腐食性の処理を施していることが好ましい。
本発明の燃料電池は、アノードに燃料として、特に限定されないが水素などのガス、あるいはメタノールなどの液体を用いることができ、カソードに酸化剤として、特に限定されないが、酸素あるいは空気などを用いることができる。前記カソードに供給される酸化剤は、水で加湿されていても良いが、無加湿の酸化剤を用いた場合、カソードのフラッディング現象を抑制できることから好ましい。
なお、本実施の形態にかかる固体高分子形燃料電池を単独で、あるいは複数積層して、スタックを形成して使用することや、それらを組み込んだ燃料電池システムとすることもできる。
以下実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(実施例1)
<高分子電解質の作製>
触媒層形成材料用高分子電解質として、スルホン酸基含有ポリエーテルエーテルケトン(S−PEEK)を合成した。
まず、メカニカルスターラーと還流管、および塩化カルシウム管を取り付けた反応容器に硫酸552.0gを入れ、次いで撹拌しながらPEEK 450PF(ビクトレックス・エムシー社製ポリエーテルエーテルケトン)22.2gを加え、室温にて3日間撹拌した。反応溶液をイオン交換水中に滴下して反応生成物を沈殿させたあとろ過し、ろ液が中性になるまでイオン交換水にて洗浄した。得られた反応生成物を真空下、105℃にて8時間乾燥することにより、黄色固体(S−PEEK)26.94gを得た。
<燃料電池用ガス拡散電極(アノード側)の作製>
アノード側触媒層は、次の手順にて作製した。まず、高分子電解質溶液として前記S−PEEK(0.172g)と化合物XとしてのTML−BPAF−MF(0.034g)(前記構造式(6))とのメタノール溶液(10wt%、2.06g)を調製した。次いで純水(4.17g)に白金−ルテニウム担時カーボン触媒粉末(TEC61E54、田中貴金属工業株式会社製、0.833g)、および前記高分子電解質溶液(10wt%、0.957g)、メタノール(4.17g)を加えた後に、マグネチックスターラーを用いて30分撹拌し、高分子電解質と化合物Xと燃料電池用触媒を含む燃料電池用触媒層形成材料を得た。最後に前記燃料電池用触媒層形成材料を、攪拌羽付攪拌装置(T.K.フィルミックス 56−50型、プライミクス株式会社製)を用いて、回転の外力を加えることによって実施例1の燃料電池用触媒層形成材料を得た。このときの攪拌羽の形状はホイール形で、回転の条件は、回転速度30m/s、5分間とした。
実施例1の燃料電池用触媒層形成材料を用いたアノード側の燃料電池用ガス拡散電極は、次の手順で作製した。まず、燃料電池用触媒層形成材料をエアブラシで、カーボンペーパー製拡散層(SGL24BA、SGLカーボンジャパン株式会社製、50mm×50mm)に白金担持量1.0mg/cmになるまで吹き付けた。最後に、それを80℃で乾燥させたのちに、22mm×22mmの大きさに裁断することによって、白金担持量1.0mg/cmのアノード側燃料電池用ガス拡散電極を得た。
<燃料電池用ガス拡散電極(カソード側)の作製>
カソード側燃料電池用ガス拡散電極は、次の手順にて作製した。純水(10.9g)に白金担時カーボン触媒粉末(TEC10E50E、田中貴金属工業株式会社製、1.09g)、および電解質溶液としてナフィオン溶液(5wt%、8.64g)を加えた後に、マグネチックスターラーを用いて30分撹拌することによってカソード触媒インクを作製した。前記カソード触媒インクをエアブラシで、カーボンペーパー製拡散層(SGL24BA、SGLカーボンジャパン株式会社製、50mm×50mm)に白金担持量1.0mg/cmになるまで吹き付けた。最後に、それを80℃で乾燥させたのちに、22mm×22mmの大きさに裁断することによって、白金担持量1.0mg/cmのカソード側燃料電池用ガス拡散電極を得た。
<高分子電解質膜>
高分子電解質膜として、デュポン社より市販されているNRE−212CSを使用した。
<燃料電池用膜電極接合体の作製>
本発明の膜電極接合体は、加熱圧接機(テスター産業株式会社製)を用いて次の手順で作製した。まず、SUS板、ポリテトラフルオロエチレンシート(100mm×100mm×0.05mm)、前記アノード側燃料電池用ガス拡散電極(22mm×22mm)、前記高分子電解質膜、前記カソード側ガス拡散電極(22mm×22mm)、ポリテトラフルオロエチレンシート(100mm×100mm×0.05mm)およびSUS板の順に積層した。この積層物を150℃に加熱した加圧板に設置した後、9.8MPa、30分間保持の条件で加熱圧接することによって、高分子電解質とTML−BPAF−MFとの反応を進行させ、本発明の実施例1の燃料電池用膜電極接合体を得た。
(実施例2)
前記燃料電池用触媒層形成材料を、外力としての回転の条件:回転速度30m/s、30分間以外は、実施例1と同様にして、実施例2の燃料電池用膜電極接合体を得た。
(比較例1)
回転の外力を加えないこと以外は実施例1と同様にした。
(比較例2)
回転の外力を加えないこと、アノード側の燃料電池用触媒層形成材料に含まれる高分子電解質にナフィオン、および下記アノード側燃料電池用ガス拡散電極の製造方法を用いたこと以外は実施例1と同様にした。
<アノード側燃料電池用ガス拡散電極の作製>
比較例2のアノード側燃料電池用ガス拡散電極は、次の手順にて製造した。最初に、純水(8.33g)に白金−ルテニウム担時カーボン触媒粉末(TEC61E54、田中貴金属工業株式会社、0.833g)、およびナフィオン溶液(5wt%、5.789g)を加えた後に、マグネチックスターラーを用いて30分撹拌することによってアノード触媒インクを作製した。前記触媒層形成材料をエアブラシで、カーボンペーパー製拡散層(SGL24BA、SGLカーボンジャパン株式会社製、50mm×50mm)に白金担持量1.0mg/cmになるまで吹き付けた。最後に、80℃で乾燥させたのちに、22mm×22mmの大きさに裁断することによって、白金担持量1.0mg/cmの比較例2のアノード側燃料電池用電極を得た。
(比較例3)
燃料電池用触媒層形成材料に化合物Xが含まれないこと以外は実施例1と同様にした。
<燃料電池用触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径の測定>
前記燃料電池用触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン系の測定は下記のとおりにおこなった。最初に、スクリュー管(容量:30ml)に、燃料電池用触媒層形成材料(1.00g)を秤量し、脱イオン水(20ml)を加え、燃料電池用触媒層形成材料を希釈した。つぎに、その希釈物を粒度分布測定機(LB−550、株式会社堀場製作所製)で粒度分布を測定した。このとき存在確立は、散乱光基準とした。最後に、前記粒度分布の測定結果から、存在確率50%である粒径をメジアン径として算出した。
<直接メタノール形燃料電池の発電試験>
本発明のDMFCは、市販の燃料電池単セル(エレクトロケム社製)に、前記膜電極接合体を設置して組み立てた。まず、アノード側エンドプレート(集電体)、ガスフロープレート(カーボンセパレーター)、ポリテトラフルオロエチレンガスケット(0.15mm)、膜電極接合体、ポリテトラフルオロエチレンガスケット(0.15mm)、ガスフロープレート(カーボンセパレーター)、カソード側エンドプレート(集電体)の順に積層した。次いで、M3のボルトを用いて2N・mで締め付けることによって、本発明の燃料電池を得た。このようにして作製した燃料電池の発電特性は、セル温度60℃、アノード側に1mol/Lのメタノール水溶液、カソード側に無加湿の空気を供給することによって測定した。燃料電池用触媒層形成材料に含まれる燃料電池用触媒のメジアン径と最高出力密度との結果を表1および2に示す。
Figure 2008276981
Figure 2008276981
表1の実施例1、2と比較例1との比較から、本発明の燃料電池用触媒層形成材料を用いたDMFCは、比較例に示した従来の燃料電池用触媒層形成材料を用いたDMFCよりも優れた発電特性を示し、本発明の有効性が実証された。また、表2の実施例1、2と比較例2との比較より、本発明の燃料電池用触媒層形成材料を用いたDMFCは、比較例に示したフッ素系高分子電解質を使用したものよりも、優れた発電特性を示し、本発明の有効性が実証された。さらに、表3の実施例1と比較例3との比較より、本発明の燃料電池用触媒層形成材料を用いたDMFCは、比較例に示した化合物Xが含まれない燃料電池用触媒層形成材料を使用したものよりも、優れた発電特性を示し、本発明の有効性が実証された。
Figure 2008276981
本発明の燃料電池用触媒層形成材料は、DMFCに代表される燃料電池をはじめとして、様々な産業上の利用可能性がある。

Claims (14)

  1. 少なくとも、芳香族単位を有する高分子化合物にプロトン伝導性基が導入された高分子電解質と下記一般式(1)で示される基を2つ以上有する少なくとも1種の化合物X、および、燃料電池用触媒を含み、かつ、燃料電池用触媒のメジアン径が50nm以上、500nm未満であることを特徴とする燃料電池用触媒層形成材料。
    −CHOR・・・(1)
    (式中、Rは水素またはアルキル基またはアシル基を表し、1種類の化合物に含まれるRはそれぞれ同一であっても異なってもよい。)。
  2. 前記燃料電池用触媒層形成材料が、
    最初に、少なくとも前記高分子電解質と、前記化合物Xと、前記燃料電池用触媒とを混合し、つぎに、前記燃料電池用触媒層形成材料に外力を加えられたことを特徴とする、請求項1記載の燃料電池用触媒層形成材料。
  3. 前記外力を加える方法が、
    攪拌羽による回転であること、前記燃料電池用触媒層形成材料同士の衝突であること、せん断であること、あるいは超音波の照射であることからなる群から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池用触媒層形成材料。
  4. 前記芳香族単位を有する高分子化合物が芳香族ポリエーテル系高分子化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒層形成材料。
  5. 前記化合物Xが、下記式に記載の
    Figure 2008276981
    からなる群から選ばれる少なくとも1種類である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒層形成材料。
  6. プロトン伝導性基が、スルホン酸基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒層形成材料。
  7. 前記触媒層形成材料に、さらに溶媒が含まれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒層形成材料。
  8. 前記燃料電池用触媒層形成材料を含む燃料電池用触媒層、ならびに、基材を備える燃料電池用触媒層転写シート、および基材を備える燃料電池用ガス拡散電極の製造方法であって、少なくとも、下記(I)および/あるいは(II)の工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒層形成材料を含む燃料電池用触媒層、燃料電池用触媒層転写シート、および燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
    (I)少なくとも前記高分子電解質と、前記化合物Xと、前記燃料電池用触媒とを含む燃料電池用触媒層形成材料を基材上に塗布する工程、
    (II)前記高分子電解質と、前記化合物Xとを化学反応させて反応生成物を得る工程。
  9. 前記工程(II)が、前記化学反応が進行する温度以上、200℃以下での加熱であることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池用触媒層の製造方法。
  10. 前記基材が高分子のシートであることを特徴とする請求項8に記載の製造方法によって製造された燃料電池用触媒層転写シート。
  11. 前記基材が無機物のシートであることを特徴とする請求項8に記載の製造方法によって製造された燃料電池用触媒層転写シート。
  12. 前記基材が導電性多孔質シートであることを特徴とする請求項8に記載の製造方法によって製造された燃料電池用ガス拡散電極。
  13. 請求項8〜12のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された燃料電池用触媒層、あるいは燃料電池用ガス拡散電極が、高分子電解質膜の少なくとも一方の面に配置されていることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
  14. 請求項13に記載の燃料電池用膜電極接合体を備える燃料電池。
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