JP2008276205A - 光学積層体 - Google Patents

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Tsutomu Murata
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和也 大石
Hideki Moriuchi
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Abstract

【課題】防眩機能、高コントラスト及びギラツキ防止の機能(特に、高い防眩性とギラツキ防止の機能)をバランスよく備えた、高精細なLCDにも適用可能な光学積層体の提供。
【解決手段】透光性基体の片面又は両面に、直接又は他の層を介して、少なくとも透光性微粒子を含有する光学機能層を設けた光学積層体において、透光性微粒子の光学機能層中における面積分散バラツキの標準偏差が0.04〜0.20の範囲にあることを特徴とする光学積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等のディスプレイ表面に設ける光学積層体に関し、特に画面の視認性を改善するための光学積層体に関する。
近年、LCDやPDP等のディスプレイが発達し、携帯電話から大型テレビまで、数多くの用途に様々なサイズの製品が製造・販売されるようになってきた。
これらのディスプレイは、表示装置表面に蛍光燈などの室内照明、窓からの太陽光の入射、操作者の影などの写り込みにより、画像の視認性が妨げられる。そのため、ディスプレイ表面には、画像の視認性を向上するために、表面反射光を拡散し、外光の正反射を抑え、外部環境の写り込みを防ぐことができる(防眩性を有する)微細凹凸構造を形成させた防眩フィルムなどの、機能性フィルムが最表面に設けられている(従来AG)。
これら機能性フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)やトリアセチルセルロース(以下、「TAC」という。)等の透光性基体上に、微細凹凸構造を形成させた防眩層を一層設けたものや、光拡散層上に低屈折率層を積層したものが、一般に製造販売されており、層構成の組み合わせにより所望の機能を提供する機能性フィルムの開発が進められている。
しかしながら、近年ディスプレイの大型化、高精細化、高コントラスト化が進み機能性フィルムに求められる性能の向上の要求が出てきた。
最表面に防眩フィルムを用いた場合には、明るい部屋での使用の際に、光の拡散により黒表示の画像が白っぽくなり、コントラストの低下する問題が有った。このため、防眩性を低減させてでも、高コントラストが達成できる防眩フィルムが求められている(高コントラストAG)。
高コントラストの達成のために、防眩フィルムの上層に低反射層を一層もしくは多層設ける方法が用いられてきた(低反射層つきAG)。
一方で、防眩フィルムを最表面に用いた場合には、微細凹凸構造に起因すると思われるギラツキ(輝度の強弱の部分)が表面に発生し視認性を低下させる問題がある。このギラツキは、ディスプレイの画素数の増加に伴う画素の精細化、及び画素分割方式などのディスプレイの技術の向上に伴い発生しやすくなり、ギラツキ防止効果を持った防眩フィルムが求められている(高精細AG)。
ギラツキ防止効果を達成するためには、特許文献1のように、機能性フィルム表面の平均山間隔(Sm)、中心線平均表面粗さ(Ra)及び十点平均表面粗さ(Rz)を細かく規定したり、また画面への外光の写り込み、ギラツキ現象や白味のバランスを調整する方法として、特許文献2及び特許文献3のように表面ヘイズと内部ヘイズの範囲を細かく規定したりする方法も開発が進められている。このため、高精細LCDに用いられる光拡散性シートの設計では、ギラツキ防止効果を奏するための内部拡散性と、白ぼけ防止効果を奏するために表面拡散性を制御することが行われている。
特開2002−196117号公報 特開平11−305010号公報 特開2002−267818号公報
このように、防眩機能、高コントラスト、ギラツキ防止という解決課題は存在しているものの、一方の性質を追求すると他方の性質が犠牲になるというトレードオフの関係にある。したがって、透光性基体上に1層積層した構成でこれら機能を満足するものは、いまだ存在しない。そこで、これら機能を同時に付与する方法として、多層に積層した膜やフィルム表面の形状などの開発が進められているが、多層化により複数回透光性基体上に塗工する工程が必要となりコストが多く掛かる。また、多層化による各層間のバランスを調整することが難しく、実際には使用する目的に応じてこれら機能の一部を選択・実現しているに過ぎない。
そこで、本発明は、防眩機能、高コントラスト及びギラツキ防止の機能(特に、高い防眩性とギラツキ防止の機能)をバランスよく備えた、高精細なLCDにも適用可能な光学積層体を提供すること、特に、透光性基体上に1層積層した構成でこれら機能が達成された光学積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、高い防眩性を有し、且つ、ギラツキを抑える方策を鋭意研究の結果、光学積層体の光学機能層の透光性微粒子の分散度が重要であることを見出し、本発明(1)〜(4)を完成させるに至ったものである。
本発明(1)は、透光性基体の片面又は両面に、直接又は他の層を介して、少なくとも透光性微粒子を含有する光学機能層を設けた光学積層体において、前記透光性微粒子の光学機能層中における面積分散バラツキの標準偏差が0.04〜0.20の範囲にあることを特徴とする光学積層体である。
本発明(2)は、前記透光性微粒子が、その個数の95%以上が電子顕微鏡による粒径の実測値で1〜20μmの範囲にある透光性球状樹脂微粒子である、前記発明(1)の光学積層体である。
本発明(3)は、前記光学機能層が、少なくとも放射線硬化型樹脂と、1種又は複数種の低屈折性透光性微粒子及び1種又は複数種の高屈折性透光性微粒子とを含有する、前記発明(1)又は(2)の光学積層体である。
本発明(4)は、前記放射線硬化型樹脂と前記低屈折性透光性微粒子の屈折率差が±0.05以下の範囲にあり、且つ、前記放射線硬化型樹脂と前記高屈折性透光性微粒子の屈折率差が0.05以上の範囲にある、前記発明(3)の光学積層体である。
本発明によれば、光学機能層が一層構造である場合であっても、高い防眩性を担保しつつ、ギラツキも高程度に抑制された光学積層体を提供することができるという効果を奏する。
まず、本最良形態に係る光学積層体の各構成要素を詳述する。本最良形態に係る光学積層体は、透光性基体の片面又は両面に、少なくとも透光性微粒子を含有した光学機能層を必須的に有する。尚、前記微粒子及び/又は前記基体に関する「透光性」とは、光を通過させることを意味し、「透明」及び「半透明」(光を透過及び拡散することにより、後ろにある物体が明確には見えないこと)の両方を含む。但し、好適には「透明」である。更に、本最良形態に係る光学積層体は、光学積層体の上や透光性基体と光学積層体との間に、低反射層、防汚層、帯電防止層、赤外線反射(NIR)層(赤外線カット層)、偏光層を有していてもよい。以下、必須層である透光性基体及び光学機能層を説明し、次に任意層について説明する。
はじめに、本最良形態に係る透光性基体(透明基体)としては、透光性である限り特に限定されず、石英ガラスやソーダガラス等のガラスも使用可能であるが、PET、TAC、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等の各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。なお、PDP、LCDに用いる場合は、PET、TACフィルムがより好ましい。また、透光性基体として、偏光基体を使用することもできる。偏光基体としては、透明フィルムを形成できる材料からなり、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニレン等が使用できる。この偏光基体としては、上記した材料を延伸させて得られるフィルムが使用でき、例えば、2色性素子として沃素または染料を吸着させたポリビニルアルコールを一軸延伸して得られたポリビニルアルコール(PVA)フィルムを用いることが好ましい。
これら透光性基体の透光性(透明性)は、高いものほど良好であるが、全光線透過率(JIS K7105)としては80%以上、より好ましくは90%以上が良い。また、透光性基体の厚さとしては、軽量化の観点からは薄い方が好ましいが、その生産性やハンドリング性を考慮すると、1〜700μmの範囲のもの、好ましくは25〜250μmを使用することが好適である。
また、透光性基体に、アルカリ処理、コロナ処理、プラズマ処理、スパッタ処理等の表面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗布、又はSi蒸着などの表面改質処理を行うことにより、透光性基体と樹脂層との密着性を向上させることができる。
次に、本最良形態に係る光学機能層について詳述する。本最良形態に係る光学機能層は、樹脂マトリックスに透光性微粒子が分散している構成を有する。ここで、「樹脂マトリックス」とは、塗料中の透光性微粒子を除く全固形成分である。樹脂マトリックスは、放射線硬化型樹脂組成物を放射線で硬化することにより形成されたものであることが好適であるが、特に限定されない。ここで、当該樹脂マトリックスを構成する放射線硬化型樹脂組成物としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等のラジカル重合性官能基や、エポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基等のカチオン重合性官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを単独で、又は適宜混合した組成物が用いられる。モノマーの例としては、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を挙げることができる。オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、多官能ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリレート化合物、不飽和ポリエステル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルや各種脂環式エポキシ等のエポキシ系化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル等のオキセタン化合物を挙げることができる。これらは単独、もしくは複数混合して使用することができる。
上記放射線硬化型樹脂組成物は、そのままで電子線照射により硬化可能であるが、紫外線照射による硬化を行う場合は、光重合開始剤の添加が必要である。用いられる放射線としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線のいずれであってもよい。また、これらの放射線は、偏光であっても無偏光であってもよい。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のラジカル重合開始剤、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等のカチオン重合開始剤を単独又は適宜組み合わせて使用することができる。
本最良形態では、上記放射線硬化型樹脂組成物に加えて、その重合硬化を妨げない範囲で高分子樹脂を添加使用することができる。この高分子樹脂は、後述する樹脂層塗料に使用される有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂であり、具体的にはアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース又はセルロース誘導体等が挙げられ、これらの樹脂中には、カルボキシル基やリン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有することが好ましい。
また、レベリング剤、増粘剤、帯電防止剤等の添加剤を使用することができる。レベリング剤は、塗膜表面の張力均一化を図り塗膜形成前に欠陥を直す働きがあり、上記放射線硬化型樹脂組成物より界面張力、表面張力共に低い物質が用いられる。増粘剤は、上記放射線硬化型樹脂組成物へチキソ性を付与する働きがあり、透光性微粒子や顔料等の沈降防止による樹脂層表面の微細な凹凸形状形成に効果がある。
光学機能層における樹脂マトリックスは、主に上述の放射線硬化型樹脂組成物の硬化物により構成されるが、その形成方法は、放射線硬化型樹脂組成物と有機溶剤からなる塗料を塗工し、有機溶剤を揮発させた後に電子線又は紫外線照射により硬化せしめるものである。ここで使用される有機溶剤としては、放射線硬化型樹脂組成物を溶解するのに適したものを選ぶ必要がある。具体的には、透光性基体への濡れ性、粘度、乾燥速度といった塗工適性を考慮して、アルコール系、エステル系、ケトン系、エーテル系、芳香族炭化水素から選ばれた単独又は混合溶剤を使用することができる。尚、これらの中で、所定の面積分散バラツキ度を達成するために特に好適な溶媒については後述する。
光学機能層に含まれる透光性微粒子としては、一種又は複数種の、低屈折性透光性微粒子又は高屈折性微粒子を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン系樹脂等よりなる有機透光性微粒子を使用することができる。
ここで、光学機能層に含まれる透光性微粒子として、一種又は複数種の低屈折性透光性微粒子と、一種又は複数種の高屈折性透光性微粒子とを組み合わせて用いることが好適である。高屈折性透光性微粒子は、光学機能層内部の光散乱(内部光散乱)に作用し、画像のギラツキを防止する。低屈折性透光性樹脂は、光学機能層表面の光散乱(外部散乱)に作用し、外光の映り込みを防止する。尚、「低屈折性透光性微粒子」は、放射線硬化型樹脂マトリックス層との屈折率の差が、0.05以下であることが好適であり、0.03以下であることがより好適であり、0.01以下であることが特に好適である。放射線硬化型樹脂マトリックス層と低屈折性透光性微粒子の屈折率差が0.05より大きい場合は、光散乱の度合いが大きくなりすぎ、高コントラストへの寄与が低下する。低屈折性透光性微粒子の屈折率は、好ましくは1.45〜1.55であり、より好ましくは1.49〜1.55である。また、「高屈折性透光性微粒子」は、放射線硬化型樹脂マトリックス層との屈折率の差が、0.05以上であることが好適であり、0.07以上であることがより好適である。上限は、特に限定されないが、例えば0.15以下である。放射線硬化型樹脂と高屈折性透光性微粒子の屈折率の差が0.05より小さい場合には、内部散乱の度合いが小さくなり、ギラツキ防止効果への寄与が低下する。高屈折性透光性微粒子の屈折率は、1.55〜1.65が好ましく、1.58〜1.63でより好ましい。
透光性微粒子は、球状のものが好ましく、その真円度は、50%以上が好適であり、80%以上がより好適である。球状の透光性微粒子を用いることによって、防眩層の表面から突出する部分がなだらかになり、油分等の汚れが付着し難くなると共に付着した汚れを拭い易くなる。また、いびつな形状の透光性微粒子を用いた場合には、透光性微粒子による内部散乱が強くなり、画像が白く、コントラストが低下するといった問題が発生する。なお、本発明では、「真円度」とは下記式で定義される。
真円度(%)=(4πC/D)×100
C:透光性微粒子の投影面積
D:透光性微粒子の周囲長
この真円度は、例えば透光性微粒子を透過型電子顕微鏡で撮影して投影像を得、それを画像解析装置(例えば日本アビオニクス社製、商品名:EXECLII)を用いて画像解析することにより得た上記C、Dから算出することができる。上式から明らかなように、真円度は透光性微粒子が真球に近づけば100%に近くなり、不定形の場合はそれより小さな値となる。本明細書では、10個の透光性微粒子について測定した平均値を真円度とする。
次に、透光性微粒子の粒径は、全個数の内、95%以上(より好適には99%以上)が、1〜20μmであることが好適であり、3〜10μmであることがより好適である。粒径が1μm未満の場合は、光散乱効果が十分に得られないためギラツキを抑えることができない。また、粒径が20μm超である場合は、光学機能層を厚くしなければならず、材料コストが高くなる。ここで、当該粒径は、電子顕微鏡による画像の実測値(実験値)である。尚、全個数の内、当該微粒子の製造工程において混入する微細粉は、5%未満(より好ましくは1%未満)である。ここで、本明細書において、「微細粉」とは、塵埃等の有機・無機系の異物、微粒子の構成材料から生成する異物等を意味する。上記樹脂マトリックス中の透光性微粒子の割合は特に限定されないが、光学機能層用塗料中の固形分の5〜10重量%とすることが好適である。当該範囲とすると、防眩機能、ギラツキ等の特性を満足する上で好ましく、樹脂層表面の微細な凹凸形状と光拡散をコントロールし易い。当該範囲とすると、防眩性等をバランスよくするような面積分散バランスとなる所定の範囲に収めることも可能になる。尚、全透光性微粒子の95%以上(又は99%以上)が1〜20μm(又は3〜10μm)である場合、当該範囲の透光性微粒子のみを対象とした面積分散バラツキの標準偏差が、後述のそれぞれの好適範囲であることが望ましい。
本最良形態に係る光学機能層において、透光性微粒子の分散状態は、光学機能層中に均一分散している状態でもなく、また、凝集している状態でもなく、前記の均一分散と凝集の中間的な状態である。図1は、当該状態を示した電子写真である。ここで、「面積分散バラツキの標準偏差」とは、50μm四方の区画を無作為に100区画抽出し、その中に含まれる粒子の数を算出し、各々格子中の粒子の数の標準偏差の値を、100区画中の平均粒子数で除した値を示す。本発明における面積分散バラツキの標準偏差は、0.04〜0.20であることが好ましく、0.06〜0.15でより好ましく、0.08〜0.13で更に好ましい。
光学機能層の厚さは、好適には3〜25μmの範囲であり、より好適には5〜15μmの範囲であり、更に好適には7〜12μmの範囲である。光学機能層が3μmより薄い場合は、紫外線硬化型時に酸素阻害による硬化不良を起こし、樹脂層の耐磨耗性が劣化し、25μmより厚い場合は、樹脂層の硬化収縮によりカールが発生したり、マイクロクラックが発生したり、透光性基体との密着性が低下したり、さらには光透過性が低下したりする。そして、膜厚の増加に伴う必要塗料量の増加によるコストアップの原因ともなる。
本最良形態においては、コントラストを向上させるために、光学機能層上に低反射層を設けることができる。この場合、低反射層の屈折率が光学機能層の屈折率より低いことが必要であり、1.45以下であることが好ましい。これらの特徴を有する材料としては、例えばLiF(屈折率n=1.4)、MgF(n=1.4)、3NaF・AlF(n=1.4)、AlF(n=1.4)、NaAlF(n=1.33)、等の無機材料を微粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料、フッ素系、シリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂等の有機低反射材料を挙げることができる。その中で、特に、フッ素系の含フッ素材料が汚れの防止の点において好ましい。また、低反射層は、臨界表面張力が20dyne/cm以下であることが好ましい。臨界表面張力が20dyne/cmより大きい場合は、低反射層に付着した汚れが取れにくくなる。
上記含フッ素材料としては、有機溶剤に溶解し、その取り扱いが容易であるフッ化ビニリデン系共重合体や、フルオロオレフィン/炭化水素共重合体、含フッ素エポキシ樹脂、含フッ素エポキシアクリレート、含フッ素シリコーン、含フッ素アルコキシシラン、等を挙げることができる。これらは単独でも複数組み合わせて使用することも可能である。
また、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−8−メチルデシル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の含フッ素メタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシルプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルアクリレート等の含フッ素アクリレート、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)−1,2−エポキシプロパン等のエポキサイド、エポキシアクリレート等の放射線硬化型の含フッ素モノマー、オリゴマー、プレポリマー等を挙げることができる。これらは単独若しくは複数種類混合して使用することも可能である。
更に、5〜30nmのシリカ超微粒子を水又は有機溶剤に分散したゾルとフッ素系の皮膜形成剤を混合した低反射材料を使用することもできる。5〜30nmのシリカ超微粒子を水若しくは有機溶剤に分散したゾルは、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属イオンをイオン交換等で脱アルカリする方法や、ケイ酸アルカリ塩を鉱酸で中和する方法等で知られた活性ケイ酸を縮合して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシランを有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮合することにより得られる公知のシリカゾル、さらには上記の水性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤に置換することにより得られる有機溶剤系のシリカゾル(オルガノシリカゾル)が用いられる。これらのシリカゾルは水系及び有機溶剤系のどちらでも使用することができる。有機溶剤系シリカゾルの製造に際し、完全に水を有機溶剤に置換する必要はない。上記シリカゾルは、SiOとして0.5〜50重量%濃度の固形分を含有する。シリカゾル中のシリカ超微粒子の構造は、球状、針状、板状等様々なものが使用可能である。
また、皮膜形成剤としては、アルコキシシラン、金属アルコキシドや金属塩の加水分解物や、ポリシロキサンをフッ素変性したものなどを用いることができる。上記のような皮膜形成剤の中でも、特にフッ素化合物を用いることにより、低反射層の臨界表面張力が低下して油分の付着を抑制することができるので好ましい。本発明の低反射層は、上記で述べた材料を例えば溶剤で希釈し、スピンコーター、ロールコーター、印刷等の方法で放射線硬化型樹脂層上に設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は上記の光重合開始剤を使用する)等により硬化させることによって得ることができる。放射線硬化型の含フッ素モノマー、オリゴマー、プレポリマーは耐汚染性には優れているが、濡れ性が悪いため、組成によっては放射線硬化型樹脂層上で低反射層をはじくという問題や、低反射層が放射線硬化型樹脂層から剥がれるという問題が生じるおそれがあるため、放射線硬化型樹脂層に使用する前述の放射線硬化型樹脂として説明した、アクリロイル系、メタクリロイル系、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等重合性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを適宜混合し、使用することが望ましい。
尚、熱によるダメージを受けやすいPET、TAC等のプラスチック系フィルムを透光性基体に使用する場合は、これら低反射層の材料としては、放射線硬化型樹脂を選択することが好ましい。
低反射層が良好な反射防止機能を発揮するための厚さについては、公知の計算式で算出することができる。入射光が低反射層に垂直に入射する場合に、低反射層が光を反射せず、且つ100%透過するための条件は次の関係式を満たせばよいとされている。なお、式中Nは低反射層の屈折率、Nは放射線硬化型樹脂層の屈折率、hは低反射層の厚さ、λは光の波長を示す。
Figure 2008276205
上記(1)式によれば、光の反射を100%防止するためには、低反射層の屈折率が下層(放射線硬化型樹脂層)の屈折率の平方根になるような材料を選択すればよいことが分かる。ただし、実際は、この数式を完全に満たす材料は見出し難く、限りなく近い材料を選択することになる。上記(2)式では(1)式で選択した低反射層の屈折率と、光の波長から低反射層の反射防止膜としての最適な厚さが計算される。例えば、放射線硬化型樹脂層、低反射層の屈折率をそれぞれ1.50、1.38、光の波長を550nm(視感度の基準)とし、これらの値を上記(2)式に代入すると、低反射層の厚さは0.1μm前後の光学膜厚、好ましくは0.1±0.01μmの範囲が最適であると計算される。
本最良形態に係る光学積層体は、光学機能層の上方に防汚層を設けることができる。防汚層は、少なくともパーフルオロアルキルエーテル化合物を含有するもので、かかる化合物が実質的に防汚性を発揮する防汚成分として機能するものであって、パーフルオロアルキルエーテル基を有する化合物が適宜用いられ、中でもその末端に後述のシリカ膜と親和性の高い官能基及び/又は化学結合可能な官能基を1つ以上有する化合物が好ましい。使用されるパーフルオロアルキルエーテル化合物は、1種類に限定されるものではなく、2種類以上を混合して使用することも可能である。更にこれらの化合物の分子量は、500〜10000が好ましく、更に好ましくは500〜4000である。分子量が500未満では、充分な防汚性や耐久性を発揮出来ず、また、10000超では溶剤に対する溶解性が低下して均一な防汚層を形成することが困難となるからである。
本最良形態に係る光学積層体は、光学機能層の上方及び下方(光学機能層と透光性基体との間)に帯電防止層を設けることができる。帯電防止層は、アルミ、錫等の金属、ITO等の金属酸化膜を蒸着、スパッタ等で極めて薄く設ける方法、アルミ、錫等の金属微粒子やウイスカー、酸化錫等の金属酸化物にアンチモン等をドープした微粒子やウイスカー、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンと金属イオンや有機カチオン等の電子供与体(ドナー)との間でできた電荷移動錯体をフィラー化したもの等をポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等に分散し、ソルベントコーティング等により設ける方法、ポリピロール、ポリアニリン等にカンファースルホン酸等をドープしたものをソルベントコーティング等により設ける方法等により設けることができる。帯電防止層の透過率は光学用途の場合、80%以上が好ましい。
本最良形態に係る光学積層体は、光学機能層の上方及び下方(光学機能層と透光性基体との間)に近赤外線カット層を設けることができる。近赤外線カット層は、近赤外線カット色素を含有することで形成できる。近赤外線カット色素は、780nm以上の波長をもつ近赤外線に極大吸収値を有する色素であり、フタロシアニン系色素、アルミニウム系色素、アントラキノン系色素、ナフタロシアニン系色素、ジチオール錯体系色素、ポリメチン系色素、ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、スクアアリリウム系色素、クロコニウム系色素、アズレニウム系色素、テトラデヒドロコリン系色素、トリフェニルメタン系色素、ジインモニウム系色素等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を混合して使用される。近赤外線カット色素の具体例としては、イーエックスカラー802K、イーエックスカラー803K、イーエックスカラー814K(以上いずれも日本触媒社製の商品名)、IR−750、IRG−002、IRG−003、IRG−022、IRG−023、IRG−820、CY−2、CY−4、CY−9、CY−20(以上いずれも日本化薬社製の商品名)、PA−001、PA−1005、PA−1006、SIR−114、SIR−128、SIR−130、SIR−159(以上いずれも三井東圧化学社製の商品名)が挙げられる。
また、本最良形態に係る光学積層体を偏光フィルム化してもよい。この場合、当該偏光フィルムは、第1の保護材の片面に、直接又は他の層を介して、少なくとも透明微粒子を含有する光学機能層(前述した面積分散バラツキが所定範囲である層)を設け、表面層とは反対面に、偏光層を介して第2の保護材を積層してなる構成を採る。当該偏光層は、特定の偏光のみを透過し他の光を吸収する光吸収型の偏光フィルムや、特定の偏光のみを透過し他の光を反射する光反射型の偏光フィルムを使用することが出来る。光吸収型の偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニレン等を延伸させて得られるフィルムが使用可能であり、例えば、2色性素子として沃素または染料を吸着させたポリビニルアルコールを一軸延伸して得られたポリビニルアルコール(PVA)フィルムが挙げられる。光反射型の偏光素子としては、例えば、延伸した際に延伸方向の屈折率が異なる2種類のポリエステル樹脂(PEN及びPEN共重合体)を、押出成形技術により数百層交互に積層し延伸した構成の3M社製「DBEF」や、コレステリック液晶ポリマー層と1/4波長板とを積層してなり、コレステリック液晶ポリマー層側から入射した光を互いに逆向きの2つの円偏光に分離し、一方を透過、他方を反射させ、コレステリック液晶ポリマー層を透過した円偏光を1/4波長板により直線偏光に変換させる構成の日東電工社製「ニポックス」やメルク社製「トランスマックス」等が挙げられる。
更に、当該光学積層体は、透過像鮮明度が5.0〜70.0の範囲(JIS K7105に従い0.5mm光学くしを用いて測定した値)が好ましく、20.0〜65.0がより好ましい。透過像鮮明度が5.0未満ではコントラストが悪化し、70.0を超えると防眩性が悪化するため、ディスプレイ表面に用いる光学積層体に適さなくなる。
当該光学積層体は、次式(1)〜(4)を充足する内部ヘイズ値(X)と全ヘイズ値(Y)を有することが好適である。ここで、「全ヘイズ値」は、光学積層体のヘイズ値を指し、「内部ヘイズ値」は、光学積層体の微細凹凸形状表面に、粘着剤付透明性シートを貼り合わせた状態のもののヘイズ値から粘着剤付透明性シートのヘイズ値を引いた値を指す。尚、いずれのヘイズ値も、JIS K7105に従い測定した値を指す。
Y>X (1)
Y≦X+11 (2)
Y≦50 (3)
X≧15 (4)
ここで、Y>X+11の範囲では、表面での光拡散効果が大きくなることにより表面が白っぽくなり、コントラストが低下する。好ましい範囲は、X+1<Y<X+8で、より好ましくはX+2≦Y≦X+6である。Y≦X+11、Y>50の範囲では、透過率が減少する一方白画像表示に着色が確認され、視認性が低下する。X<15の範囲では、内部拡散効果が不十分でギラツキが発現する。好ましい範囲は、18<X<40、より好ましくは25≦X≦35である。
次に、本最良形態に係る光学積層体の製造方法について詳述する。ここで、所望の面積分散バラツキ度を有する光学機能層を得るに際しては、透光性微粒子を分散させる光学機能層用塗料の粘度、乾燥温度及び透明微粒子の含有量が重要である。
まず、光学機能層用塗料の粘度に関しては、当該粘度を下げると、塗料中に分散される透光性微粒子の凝集が生じやすくなり、面積分散バラツキが大きくなってしまう。他方、粘度を上げると、形成される光学機能層の良好な面形状を得ることが困難になる。具体的には、当該光学機能層用塗料の粘度は、5〜200Pa・sの範囲とするのが好適であり、10〜150Pa・sの範囲とするのがより好適であり、20〜100Pa・sの範囲とするのが更に好適である。また、使用する溶媒としては、例えば、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、トルエン、IPA(イソプロパノール)、酢酸エチル、酢酸メチル、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)等を挙げることができる。
乾燥温度に関しては、乾燥温度を低くすると塗膜中に分散している透明微粒子の凝集が生じ面積分散バラツキが大きくなってしまう一方、乾燥温度を高くすると塗膜中に分散されているラジカル重合開始剤の昇華が生じ乾燥後の高機能層の面強度が十分に得ることが困難になる。具体的には、乾燥条件に関しては、溶媒の乾燥(揮発)速度にもよるが、60〜120℃で0.5〜20分の速度で乾燥させることが好適である。
光学積層体の製造方法のその他に関しては、従来の光学積層体のそれと同様の手法が適用され得る。例えば、透光性基体上に樹脂層を形成する方法に特に制限はなく、例えば、透光性基体上に、透光性微粒子を含む放射線硬化型樹脂組成物が含有される塗料を塗工し、乾燥後、硬化処理して表面に微細な凹凸形状を有する樹脂層を作成することにより行う。透光性基体上に塗料を塗工する手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。
本発明の実施例及び比較例を以下に説明する。なお、「部」は「重量部」を意味するものとする。
実施例1
樹脂層用塗料として表1の塗料成分からなる混合物をディスパーにて1時間分散することによって得られた塗料を、膜厚80μm、全光線透過率92%からなる透明性基体のTACの片面上に、リバースコーティング方式にて塗布し、100℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気中で120W/cm集光型高圧水銀灯1灯で紫外線照射(照射距離10cm、照射時間30秒)を行い、塗工膜を硬化させた。このようにして、厚さ7μmの樹脂層を有する実施例1の光学機能層フィルムを得た。図1は、実施例1により作製した光学機能層フィルムの透光性微粒子の分散の様子を示した電子写真である。ここで、図中の四角囲みは、50μm四方の区画である。尚、電子顕微鏡にて観察したところ、透明微粒子は、1〜20μmの範囲から外れるものは確認されなかった(以下、すべての例に関しても同様)。
Figure 2008276205
実施例2
樹脂層用塗料成分を表2の塗料成分としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ7μmの樹脂層を有する実施例2の光学機能層フィルムを得た。
Figure 2008276205
実施例3
ニトロセルロース量を35重量部にした以外は、実施例1と同様にして、厚さ7μmの樹脂層を有する実施例3の光学機能層フィルムを得た。
実施例4
ニトロセルロース量を8.75重量部にした以外は、実施例1と同様にして、厚さ7μmの樹脂層を有する実施例4の光学機能層フィルムを得た。
比較例1
樹脂層用塗料成分を表3の塗料成分とし、60℃で30秒間乾燥させたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ7μmの樹脂層を有する比較例1の光学機能層フィルムを得た。図2は、比較例1により作製した光学機能層フィルムの透光性微粒子の分散の様子を示した電子写真である。尚、図中の四角囲みは、50μm四方の区画である。
Figure 2008276205
比較例2
樹脂層用塗料成分を表4の塗料成分としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ7μmの樹脂層を有する比較例2の光学機能層フィルムを得た。
Figure 2008276205
比較例3
樹脂層用塗料成分を表5の塗料成分としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ7μmの樹脂層を有する比較例3の光学機能層フィルムを得た。
Figure 2008276205
比較例4
樹脂層用塗料成分を表6の塗料成分としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ7μmの樹脂層を有する比較例4の光学機能層フィルムを得た。
Figure 2008276205
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた光学積層体(光学機能層フィルム)を用い、全光線透過率、透過像鮮明度(透過画像鮮明度)、防眩性、コントラスト及びギラツキについて、下記方法により測定及び評価した。
全光線透過率
JIS K7105に従い、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定
透過像鮮明度
JIS K7105に従い、写像性測定器(商品名:ICM−1DP、スガ試験機社製)を用い、測定器を透過モードに設定し、光学くし幅0.5mmにて測定
ヘイズ値
ヘイズ値は、JIS K7105に従い、ヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。
「内部ヘイズ値」は、光学積層フィルムの微細凹凸形状表面に、粘着剤付透明性シートを貼り合わせた状態のもののヘイズ値から粘着剤付透明性シートのヘイズ値を引いた値である。
内部ヘイズを測定する際に使用した粘着剤付透明性シートは、以下の通りである。
透明性シート:成分 ポリエチレンテレフタラート(PET)
厚さ 38μm
粘着材層 :成分 アクリル系粘着剤
厚さ 10μm
粘着剤付透明性シートのヘイズ 3.42
防眩性
防眩性は、透過画像鮮明度の値が0〜30のとき◎、31〜70のとき○、71〜100のとき×とした。
コントラスト
コントラストは各実施例及び各比較例の光学積層体形成面と反対面に、無色透明な粘着層を介して液晶ディスプレイ(商品名:LC−37GX1W、シャープ社製)の画面表面に貼り合せ、液晶ディスプレイ画面の正面上方60°の方向から蛍光灯(商品名:HH4125GL、ナショナル社製)にて液晶ディスプレイ表面の照度が200ルクスとなるようにした後、液晶ディスプレイを白表示及び黒表示としたときの輝度を色彩輝度計(商品名:BM−5A、トプコン社製)にて測定し、得られた黒表示時の輝度(cd/m)と白表示時の輝度(cd/m)を以下の式にて算出した時の値が、600〜800のとき×、801〜1000のとき○、1001〜1200のとき◎とした。
コントラスト=白表示の輝度/黒表示の輝度
ギラツキ
ギラツキは、各実施例及び各比較例の光学積層体形成面と反対面に、無色透明な粘着層を介して解像度が50ppiの液晶ディスプレイ(商品名:LC−32GD4、シャープ社製)と、解像度が100ppiの液晶ディスプレイ(商品名:LL−T1620−B、シャープ社製)と、解像度が120ppiの液晶ディスプレイ(商品名:LC−37GX1W、シャープ社製)と、解像度が140ppiの液晶ディスプレイ(商品名:VGN−TX72B、ソニー社製)と、解像度が150ppiの液晶ディスプレイ(商品名:nw8240−PM780、日本ヒューレットパッカード社製)と、解像度が200ppiの液晶ディスプレイ(商品名:PC−CV50FW、シャープ社製)の画面表面にそれぞれ貼り合わせ、暗室にて液晶ディスプレイを緑表示とした後、各液晶TVの法線方向から解像度200ppiのCCDカメラ(CV−200C、キーエンス社製)にて撮影した画像において、輝度バラツキが確認されない時の解像度の値が、0〜50ppiのとき×、51〜140ppiのとき○、141〜200ppiのとき◎とした。
上記評価方法による評価結果を表7に示す。
Figure 2008276205
以上のように、光学機能層中の透光性微粒子の面積分散バラツキを適切な範囲に制御することにより、防眩性、コントラスト、色再現性及びギラツキをバランスよく満足する光学積層体を提供することができる。
図1は、実施例1により作製した光学機能フィルムの透光性微粒子の分散の様子を示した図である。 図2は、比較例1により作製した光学機能フィルムの透光性微粒子の分散の様子を示した図である。

Claims (4)

  1. 透光性基体の片面又は両面に、直接又は他の層を介して、少なくとも透光性微粒子を含有する光学機能層を設けた光学積層体において、前記透光性微粒子の光学機能層中における面積分散バラツキの標準偏差が0.04〜0.20の範囲にあることを特徴とする光学積層体。
  2. 前記透光性微粒子が、その個数の95%以上が電子顕微鏡による粒径の実測値で1〜20μmの範囲にある透光性球状樹脂微粒子である、請求項1記載の光学積層体。
  3. 前記光学機能層が、少なくとも放射線硬化型樹脂と、1種又は複数種の低屈折性透光性微粒子及び1種又は複数種の高屈折性透光性微粒子とを含有する、請求項1又は2記載の光学積層体。
  4. 前記放射線硬化型樹脂と前記低屈折性透光性微粒子の屈折率差が±0.05以下の範囲にあり、且つ、前記放射線硬化型樹脂と前記高屈折性透光性微粒子の屈折率差が0.05以上の範囲にある、請求項3記載の光学積層体。
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