JP2008276135A - 光学系及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料選択の余地が相対的に広い遮光板を備え、且つ、ゴーストの発生を高いレベルで防止する。
【解決手段】複数の光学系3a,3bと複数の撮像領域4a,4bとが一対一に対応して配置されている。互いに隣り合う光学系の光路間には遮光板7が設置されている。遮光板は、その光学系の光路側の面に並べられた複数の円柱状レンズ20と、複数の円柱状レンズを、その光路側と反対側の面で保持する樹脂21とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は光学レンズを用いて撮像領域上に被写体像を結像させる光学系に関する。また、本発明は、対象物(被写体)の画像を取得したり、対象物までの距離を測定したりする、複数の光学系を備えた撮像装置に関する。
水平方向又は垂直方向に並べて配置された2つの光学系を用いて前方の被写体を撮像し、得られた2つの画像間の視差を検出し三角測量の原理を利用して被写体までの距離を測定する複眼測距システムは、自動車の車間距離測定や、カメラの自動焦点システムに用いられている。
この複眼測距システムでは、それぞれの光軸が互いに平行となるように配置された一対の光学系と、一対の光学系がそれぞれ被写体像を結像する一対の撮像素子とを備えた複眼撮像装置が用いられる(例えば特許文献1参照)。
特許文献2には、一対の光学系間に、それぞれの光路を互いに分離するための遮光部材が設けられた複眼撮像装置が開示されている。これを図8を用いて説明する。図8において、111は一対の凸レンズを含む凸レンズペア、112は一対の凹レンズを含む凹レンズペア、113は一対の凸レンズを含む凸レンズペアである。凸レンズペア111、凹レンズペア112、及び凸レンズペア113のそれぞれの一方の3枚のレンズは光軸101a上に配置されて第1光学系を構成し、他方の3枚のレンズは光軸101b上に配置されて第2光学系を構成する。第1光学系及び第2光学系は第1撮像素子102a及び第2撮像素子102b上に被写体像をそれぞれ結像する。凸レンズペア113は鏡筒103に固定されている。一方、凸レンズペア111及び凹レンズペア112は、ズーミング及びフォーカシングを可能にするために、光軸101a,101b方向に移動可能に鏡筒103に保持されている。第1光学系及び第2光学系の間には、それぞれの光路を互いに分離するための遮光部材106,107,108が設けられている。凸レンズペア111と凹レンズペア112との間の遮光部材106、及び、凹レンズペア112と凸レンズペア113との間の遮光部材107は、遮光板を「乙」字状に折り返すことで伸縮自在である。また、凸レンズペア111を通過しない光が第1撮像素子102a及び第2撮像素子102bに入射するのを防止するために、第1光学系及び第2光学系は鏡筒103を構成する遮光部材109で取り囲まれている。
図8の複眼撮像装置では、遮光部材106,107,108を設けることにより、一方の光学系から他方の光学系に不要光が入射するのを防止できるので、一対の光軸101a,101b間距離を小さくすることができ、複眼撮像装置を小さくすることができる。
一般に遮光部材106,107,108,109には、光を通過させない遮光性と、光を反射させない低反射性とが要求される。低反射性を実現するために、通常、遮光部材の表面は、光の反射を抑えるために光を吸収する塗装(例えばつや消し塗装)が施されたり、光を散乱させるために粗面化されたりする。しかしながら、図8の複眼撮像装置の遮光部材106,107,108,109の表面にこのような処理を施しても、遮光部材106,107,108,109で反射した不要光が撮像素子102a,102bに入射するのを完全に防止することはできない。撮像素子102a,102bの一方にこのような不要光が入射すると、不要光が入射した撮像素子が撮影した画像にノイズ(ゴースト)が発生する。このゴーストは、画像を劣化させるとともに、撮像素子102a,102bがそれぞれ撮影した2つの画像を比較して被写体までの距離を測定する際の障害となり、距離測定の精度が劣化する。
特許文献3には、ゴーストの発生をより高いレベルで防止する遮光板が開示されている。これを図9を用いて説明する。この遮光板120は、プリズム層121と光吸収層122とを備える。プリズム層121の表面には、鏡面の斜面を備えた多数の三角プリズムが形成されている。光吸収層122は、透明なバインダ樹脂中に光吸収体を分散させてなり、プリズム層121と密着している。プリズム層121及び光吸収層122の屈折率はいずれも1.5程度でほぼ等しい。
プリズム層121に入射した光131は、プリズム層121にその鏡面121aから入射し、プリズム層121と光吸収層122との界面でほとんど反射することなく光吸収層122に導かれ、光吸収層122内で減衰する。また、光131と異なる角度でプリズム層121に入射した光132は、プリズム層121にその鏡面121aから入射し、光132の入射方向に対向しない鏡面121bで全反射し、プリズム層121と光吸収層122との界面を通過して光吸収層122に導かれ、光吸収層122内で減衰する。鏡面121aに入射した光の一部は、プリズム層121に入射せずに鏡面121aで反射されるが、その反射光133は図9の紙面の上側に向かう。
従って、図9において、上側にレンズ、下側に撮像素子を配置すると、レンズを通過した光が遮光板120で仮に反射されたとしても、その反射光133が撮像素子側に向かうのを防止できるので、ゴーストの発生を高いレベルで防止することができる。
特開平4―43911号公報 特開平7―154663号公報 特開2004−333565号公報
しかしながら、図9の遮光板120では、プリズム層121に入射した光を光吸収層122に導くために、プリズム層121及び光吸収層122の屈折率をほぼ同じにする必要がある。
しかしながら、例えばプリズム層121と光吸収層122のバインダ樹脂とに同じ材料を用いた場合、バインダ樹脂中に光吸収体(例えばカーボン)を分散させると屈折率が変化するので、プリズム層121の屈折率と光吸収層122の屈折率とを同じにすることはできない。
このように、プリズム層121及び光吸収層122の屈折率をほぼ同じにするのは困難であり、これを実現しようとすると、これらに使用できる材料の選択余地が狭まってしまう。
本発明は、材料選択の余地が相対的に広い遮光板を備え、且つ、ゴーストの発生が高いレベルで防止された光学系及び撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の光学系は、光学レンズを備え、前記光学レンズが撮像領域上に被写体像を結像する光学系であって、前記光学レンズから前記撮像領域に至る光路を外界から分離するための遮光板を更に備え、前記遮光板は、その前記光路側の面に並べられた複数の円柱状レンズと、前記複数の円柱状レンズを、その前記光路側と反対側の面で保持する樹脂とを有することを特徴とする。
本発明の第2の光学系は、光学レンズを備え、前記光学レンズが撮像領域上に被写体像を結像する光学系であって、前記光学レンズから前記撮像領域に至る光路を外界から分離するための遮光板を更に備え、前記遮光板は、その前記光路側の面に並べられた複数の球状レンズと、前記複数の球状レンズを、その前記光路側と反対側の面で保持する樹脂とを有することを特徴とする。
本発明の第1の撮像装置は、それぞれの光軸が互いに平行となるように配置された複数の光学系と、前記複数の光学系と一対一に対応し、対応する前記光学系の光軸に対して略垂直な受光面をそれぞれ有する複数の撮像領域と、前記複数の撮像領域から出力される複数の画像情報に対して所定の処理を行う情報処理部と、互いに隣り合う前記光学系の光路間に設置された遮光板とを備えた撮像装置であって、前記遮光板は、その前記光路側の面に並べられた複数の円柱状レンズと、前記複数の円柱状レンズを、その前記光路側と反対側の面で保持する樹脂とを有することを特徴とする。
本発明の第2の撮像装置は、それぞれの光軸が互いに平行となるように配置された複数の光学系と、前記複数の光学系と一対一に対応し、対応する前記光学系の光軸に対して略垂直な受光面をそれぞれ有する複数の撮像領域と、前記複数の撮像領域から出力される複数の画像情報に対して所定の処理を行う情報処理部と、互いに隣り合う前記光学系の光路間に設置された遮光板とを備えた撮像装置であって、前記遮光板は、その前記光路側の面に並べられた複数の球状レンズと、前記複数の球状レンズを、その前記光路側と反対側の面で保持する樹脂とを有することを特徴とする。
本発明によれば、撮像領域に不要光が入射することを抑制できるので、ゴーストの発生を高いレベルで防止することができる。従って、ゴーストのない高品質の画像の取得や、対象物までの高精度な距離測定を実現することができる。
更に、円柱状又は球状のレンズ、及びこれを保持する樹脂の材料選択の余地が広く、高い設計の自由度を確保することができる。
本発明において、前記複数の円柱状レンズ又は前記複数の球状レンズの前記光路側と反対側の前記面が、遮光性を有する樹脂で覆われていることが好ましい。これにより、円柱状レンズ又は球状レンズと樹脂との界面を通過して樹脂内に入射した光を確実に減衰させることができるので、遮光板に入射した後光路側に反射する光の量を少なくすることができる。その結果、撮像領域に入射する不要光を更に低減することができる。
以下、本発明を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置1の概略構成を示した断面図である。図1において、1は複眼方式の撮像装置、2は撮像装置1の鏡筒、3は鏡筒2に保持されたレンズアレイ、3aはレンズアレイ3に形成された第1光学レンズ、3bはレンズアレイ3に形成された第2光学レンズ、4は固体撮像素子、4aは固体撮像素子4上の第1撮像領域、4bは固体撮像素子4上の第2撮像領域、5は固体撮像素子4が搭載された基板、6は鏡筒2に形成されたフード、7は遮光板、10aは第1光学レンズ3aの光軸、10bは第2光学レンズ3bの光軸である。光軸10aと光軸10bとは互いに平行である。第1撮像領域4aは光軸10a上に設けられ、その受光面は光軸10aと直交する。同様に、第2撮像領域4bは光軸10b上に設けられ、その受光面は光軸10bと直交する。第1光学レンズ3aが第1光学系を構成し、第2光学レンズ3bが第2光学系を構成する。
以下の説明の便宜のために、光軸10a,10bと平行な軸をZ軸、Z軸と直交し、光軸10aと光軸10bとを結ぶ直線と平行な軸をX軸とする。
第1光学レンズ3aに入射した被写体(不図示)からの光線は、第1光学レンズ3aで集光されて、第1撮像領域4a上に被写体像を結像する。同様に、第2光学レンズ3bに入射した被写体からの光線は、第2光学レンズ3bで集光されて、第2撮像領域4b上に被写体像を結像する。固体撮像素子4は、第1撮像領域4a及び第2撮像領域4bに入射した光線を光電変換して、第1撮像領域4a及び第2撮像領域4bに結像された2つの画像を2つの画像情報として情報処理部(不図示)に出力する。
情報処理部は2つの画像情報に対して所定の処理を行う。例えば、情報処理部は、2つの画像のうちの一方を基準画像とし、他方を被比較画像とし、基準画像を複数のブロックに分割し、基準画像の各ブロックに対応する同一サイズのブロックを被比較画像中で探索する(パターンマッチング)。これより、ブロックごとに2つの画像間の視差を演算する。そして、得られた視差を元に三角測量の原理を利用して、対象物(被写体)までの距離を演算する。あるいは、被比較画像を2つの画像間の視差量だけ補正して基準画像と合成して、高精細な1つの画像を得ても良い。
図2を用いて本実施形態の撮像装置が被写体までの距離を求める方法を説明する。
図2において、15は有限距離に設置された被写体、16aは第1光学レンズ3aにより固体撮像素子4上に結像された被写体15の像、16bは第2光学レンズ3bにより固体撮像素子4上に結像された被写体15の像、10aは第1光学レンズ3aの光軸、10bは第2光学レンズ3bの光軸、18aは固体撮像素子4上にある第1光学レンズ3aの撮像中心、18bは固体撮像素子4上にある第2光学レンズ3bの撮像中心である。
第1光学レンズ3aの光軸10a上の有限距離にある被写体15が発する光線は、第1光学レンズ3aで集光され、固体撮像素子4上に像16aとして結像する。同様に被写体15が発した光線は、第2光学レンズ3bで集光され、固体撮像素子4上に像16bとして結像する。ところが、被写体15は第2光学レンズ3bの光軸10bから離れた場所に存在するため、固体撮像素子4上の撮像中心18bから視差Δだけ離れた位置に像16bが結像される。
ここで、Lを被写体距離、Bを基線長(即ち、第1光学レンズ3aの撮像中心18aと第2光学レンズ3bの撮像中心18bとの間の距離)、fを光学系の焦点距離(これは光学レンズ3a、3bとも同一である)、Δを視差量とすると、次の近似式(1)が成立する。
L≒B・f/Δ (1)
従って、視差量Δを求めることにより、被写体距離Lを求めることができる。
被写体距離Lを正確に求めるためには、第1撮像領域4a及び第2撮像領域4bが撮像した2つ画像から視差量Δを正確に求める必要がある。
しかしながら、第1光学レンズ3a及び第2光学レンズ3bを通過した光が、遮光板7又は鏡筒2の内壁面に入射し、その反射光が第1撮像領域4a及び第2撮像領域4bにそれぞれ入射すると、第1撮像領域4a及び第2撮像領域4bが撮像する画像にノイズ(ゴースト)が発生する。第1光学レンズ3aよりなる第1光学系と、第2光学レンズ3bよりなる第2光学系とでは、光学レンズを通過した光に対する遮光板7及び鏡筒2の内壁面の配置が異なるため、同じ被写体からの光であっても、ゴースト発生状態が第1光学系と第2光学系とでは全く異なったものとなる。従って、第1撮像領域4a及び第2撮像領域4bが撮像した2つの画像間でのパターンマッチングを正確に行うことができず、その結果、視差量Δの演算精度が劣化してしまう。
従って、遮光板7及び鏡筒2の内面は、入射した光を反射させない低反射性に加えて、仮に光が反射したとしても、その反射光が撮像領域4a,4bに入射するのを可能な限り防止することが、視差量Δ及び被写体距離Lを正確に求めるために重要である。
本実施形態の撮像装置1の遮光板7の断面図を図3に示す。
遮光板7は、芯材22と、芯材22の両面に付与された樹脂21と、樹脂21を介して芯材22に保持された複数の円柱状のマイクロレンズ20とを備える。芯材22は、所望の機械的強度を有し、光不透過性の材料からなることが好ましい。樹脂21としては、バインダ樹脂成分に例えばカーボン粒子、黒色酸化鉄、黒色有機材料などの光吸収特性を有する材質を分散してなる低反射特性を有する樹脂(低反射樹脂)が好ましい。マイクロレンズ20は、例えば高純度ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の高い透明性を有する材料からなり、その長手方向がZ軸と直交する平面と平行になるように配置されている。複数のマイクロレンズ20の外径はほぼ同一であり、その中心軸がZ軸と平行な一直線上に並ぶように固定されている。マイクロレンズ20の、光学レンズから固体撮像素子4に至る光路とは反対側の面は樹脂21で覆われている。
このような遮光板7は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、平板上に必要数のマイクロレンズ20を互いに密着して平行に並べる。次いで、このマイクロレンズ20の片面(上面)に接着剤(例えば紫外線硬化性樹脂)を塗布する。芯材22の両面に、このように片面に接着剤が付与された複数のマイクロレンズ20をそれぞれ積層する。次いで、接着剤を硬化する。硬化方法は使用する接着剤の種類に応じて選択される。その後、両面に複数のマイクロレンズ20が付着した芯材22を所定の大きさに切断して、遮光板7を得る。上記において、個々のマイクロレンズ20が別体で形成されている必要はなく、複数のマイクロレンズ20が一体に形成されたマイクロレンズアレイを用いることも可能である。
遮光板7の機能を図4を用いて説明する。
図4は、遮光板7の一部の拡大断面図である。23は図4の紙面上方に配置された光学レンズ(不図示)を通過して遮光板7の表面に入射する代表光線、24は空気とマイクロレンズ20との界面での表面屈折効果で屈折された後にマイクロレンズ20内を進行する光線、25はマイクロレンズ20と樹脂21との界面で反射した光線、26はマイクロレンズ20と空気との界面で屈折された後に空気中を進行する光線を、それぞれ表す。
図4の紙面上方に配置された光学レンズ(不図示)を通過した被写体からの光線(以下、入射光線という)23は、遮光板7の表面に設けられたマイクロレンズ20の表面上の点Aにて屈折されてマイクロレンズ20内に入射する。
マイクロレンズ20内に入射した光線(以下、第1光線という)24は、マイクロレンズ20と樹脂21との界面上の点Bに至る。一実施例ではマイクロレンズ20と樹脂21の屈折率が共に1.5程度であるため、第1光線24の大部分はマイクロレンズ20と樹脂21との界面を通過して樹脂21内に導かれて光のエネルギーが熱のエネルギーに変換され、残りは点Bで反射され光線(以下、第2光線という)25となる。
第2光線25は、マイクロレンズ20と空気との界面上の点Cで屈折され、入射光線23とほぼ平行な方向に、光線(以下、出射光線という)26として出射する。
以上のように、本実施形態の遮光板7によれば、遮光板7に入射する入射光線23の大部分は樹脂21内に導かれ熱エネルギーに変換される。残りの僅かは、出射光線26としてマイクロレンズ20から出射するが、その出射方向は、固体撮像素子4とは反対側(光学レンズ側)である。即ち、遮光板7は、光学レンズを通過した光線がたとえ入射しても、固体撮像素子4側に反射される光線を大幅に低減できるという、撮像領域側への低反射性を有している。その結果、撮像された画像中のゴーストの発生可能性を大幅に低減できる。
入射光線23と出射光線26との関係について、マクロレンズ20付近の拡大断面図を示した図5を用いて説明する。入射光線23は、点Aよりマイクロレンズ20内に入射する。入射光線23と点Aでのマイクロレンズ20の法線とがなす角をθ0とし、第1光線24と点Aでのマイクロレンズ20の法線とがなす角をθ1とし、入射光線23の相対速度の逆数をn0、第1の光線24の相対速度の逆数をn1とすると、
0・sin(θ0)=n1・sin(θ1) ・・・(2)
が成立する。
点Bでのマイクロレンズ20の法線と、第1光線24及び第2の光線25とがなす角はそれぞれθ1である。
第2光線25と点Cでのマイクロレンズ20の法線とがなす角はθ1である。更に、出射光線26と点Cでのマイクロレンズ20の法線とがなす角をθ2とし、第2光線25の相対速度の逆数をn1、出射光線26の相対速度の逆数をn0すると、
0・sin(θ2)=n1・sin(θ1) ・・・(3)
が成立する。
式(2)及び式(3)より、θ0=θ2が成立する。
また、点Aでの法線と点Cでの法線とがなす角をαとすると、
2・θ1=(1/2)・α
が成立する。
さらに、入射光線23と出射光線26とがなす角をβとすると、
β=α−(θ0+θ2) ・・・(5)
が成立する。
従って、式(2)〜式(5)より、
β=4・sin-1(n0/n1・sin(θ0))−2・θ0
の関係を得ることが出来る。
ここで、n0/n1=0.667とすると、入射光線23の角θ0と、出射光線26と入射光線23とがなす角βとの関係は図6のようになる。図6より、入射光線23と出射光線26とがなす角βの最大値は23度となり、本構成では、出射光線26は入射光線23とほぼ同一方向に出射することがわかる。
従って、図1の撮像装置において、光学レンズ3a、3bから遮光板7のマイクロレンズ20に入射した光線は、固体撮像素子4側ではなく、光学レンズ3a,3b側に出射されるので、固体撮像素子4側に不要光が入射することで撮影した画像にゴーストが発生するのを防止できる。
また、例えばマイクロレンズ20の材料として透明性の高い材料を用い、且つ樹脂21の材料として光吸収特性を有する粒子又は粉体を含有させた樹脂を用いることにより、マイクロレンズ20と樹脂21との屈折率差が大きくなると、図4の点Bに入射した第1光線24のうち、マイクロレンズ20と樹脂21との界面で反射される光の割合が高くなる。この場合、この界面を通過して樹脂21に入射した光は、樹脂21中の光吸収材料で熱エネルギーに確実に変換され、この界面でマイクロレンズ20側に反射した光は、光学レンズ側に向かって出射する。このように、マイクロレンズ20の屈折率とこれを保持する樹脂21の屈折率とが一致していなくても、不要光が固体撮像素子4に入射するのを防止できる。従って、マイクロレンズ20及び樹脂21の材料の選択余地が広い。
マイクロレンズ20を出射した出射光線26が光学レンズ3a,3bを含むレンズアレイ3等に入射し反射されて固体撮像素子4に入射する可能性がある。このため、光学レンズ3a,3b及びレンズアレイ3の固体撮像素子4側の面に反射防止膜を形成することが好ましい。これにより固体撮像素子4に入射する不要光を更に低減することができる。
入射光線23のマイクロレンズ20の外面に対する入射角によっては、入射光線23がマイクロレンズ20の表面で全反射されて固体撮像素子4に入射する可能性がある。従って、マイクロレンズ20の表面(特に、樹脂21で覆われていない部分)には反射防止膜が形成されていることが好ましい。特に、光学レンズ3a,3bからZ軸方向に遠く離れたマイクロレンズ20ほど入射光線23の入射角が大きくなるので、このようなマイクロレンズ20には反射防止膜が形成されることが特に好ましい。反射防止膜としては、SiO2、アルミナ、フッ化マグネシウム、酸化チタンなど反射防止膜として周知の材料を用いることができる。また、その形成方法は、蒸着、スパッタ等の薄膜形成方法や、スピンコート、印刷等の厚膜形成方法を、形成する膜の材料等を考慮して適宜選択して用いることができる。
以上のように、図1に示した本発明の複眼方式の撮像装置によれば、光学レンズ3a,3bを通過し遮光板7で反射され固体撮像素子4に入射する不要光を著しく低減することができるので、このような不要光によって発生するゴーストの発生を防止することができる。これにより、2つの撮像領域4a,4bが撮像した2つの画像を用いたパターンマッチングによって得られる視差分布の精度を著しく向上することができるので、被写体までの測距精度を向上することが可能となる。また、ゴーストの発生を防止できることから、高品位の画像を取得することも可能となる。
上記の説明では、芯材22の両面に樹脂21を介して複数のマイクロレンズ20を配置した遮光板を、図1に示す互いに隣り合う光学系間の遮光板7として使用する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、光学レンズ3a,3bから撮像領域4a,4bに至る光路を外界から分離するための鏡筒2の内面に、樹脂21を介して複数のマイクロレンズ20を上記と同様に固定しても良い。また、図1に示すような複数の光学系を有する複眼方式の撮像装置ではなく、単一の光学系を有する単眼方式の撮像装置において、その光学レンズから撮像領域に至る光路を外界から分離するための鏡筒の内面に、樹脂を介して複数のマイクロレンズを上記と同様に固定しても良い。このように撮像装置の鏡筒の内面に複数のマイクロレンズを配置した場合にも、光学レンズを通過し鏡筒の内面に入射した光が撮像領域側に反射されるのを防止することができる。
上記の説明では、芯材22の表面に円柱状のマイクロレンズ20を設ける例を示したが、マイクロレンズの形状はこれに限定されず、例えば図7に示すように球状のマイクロレンズ27を芯材22の表面を覆うように樹脂21介して固定しても良い。球状のマイクロレンズ27を用いる場合、円柱状のマイクロレンズ20を球状のマイクロレンズ27に置き換えて上記の説明をそのまま、或いは自明の変更を適宜加えて適用することができ、上記と同様の効果を得ることができる。
本発明の利用分野は特に制限はないが、被写体の画像を高品位で取得したり、被写体までの距離を高精度で測定したりすることを可能にするので、例えば、モバイル機器用カメラ、監視カメラ、車載用カメラ、デジタルムービーカメラ、デジタルスチールカメラなど撮像素子を利用する光学系及び撮像装置に利用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置の概略構成を示した断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る撮像装置において、被写体までの距離を三角測量の原理に基づいて求める方法を説明する図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る撮像装置において、遮光板の概略構造を示した断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る撮像装置において、遮光板の機能を説明する一部拡大断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る撮像装置において、マクロレンズ付近の拡大断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る撮像装置において、入射光線の角に対する出射光線の出射方向を示す図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る撮像装置において、遮光板の別の概略構造を示した断面図である。 図8は、従来の複眼撮像装置の一例の概略構成を示した断面図である。 図9は、従来の複眼撮像装置の別の例に使用される遮光板の概略構成を示した断面図である。
符号の説明
1 撮像装置
2 鏡筒
3 レンズアレイ
3a 第1光学レンズ
3b 第2光学レンズ
4 固体撮像素子
4a 第1撮像領域
4b 第2の撮像領域
5 基板
6 フード
7 遮光板
10a 第1光学レンズの光軸
10b 第2光学レンズの光軸
15 有限距離に設置された被写体
16a 第1光学レンズにより固体撮像素子上に結像された被写体像
16b 第2光学レンズにより固体撮像素子上に結像された被写体像
18a 第1光学レンズの撮像中心
18b 第2光学レンズの撮像中心
20 円柱状のマイクロレンズ
21 樹脂
22 芯材
23 光学レンズを通過して遮光板の表面に入射した代表光線
24 空気とマイクロレンズとの界面で屈折されてマイクロレンズ内を進行する光線(第1光線)
25 マイクロレンズと樹脂との界面で反射した光線(第2光線)
26 マイクロレンズと空気との界面で屈折されて空気中を進行する光線
27 球状のマイクロレンズ

Claims (8)

  1. 光学レンズを備え、前記光学レンズが撮像領域上に被写体像を結像する光学系であって、
    前記光学レンズから前記撮像領域に至る光路を外界から分離するための遮光板を更に備え、
    前記遮光板は、その前記光路側の面に並べられた複数の円柱状レンズと、前記複数の円柱状レンズを、その前記光路側と反対側の面で保持する樹脂とを有することを特徴とする光学系。
  2. 光学レンズを備え、前記光学レンズが撮像領域上に被写体像を結像する光学系であって、
    前記光学レンズから前記撮像領域に至る光路を外界から分離するための遮光板を更に備え、
    前記遮光板は、その前記光路側の面に並べられた複数の球状レンズと、前記複数の球状レンズを、その前記光路側と反対側の面で保持する樹脂とを有することを特徴とする光学系。
  3. 前記複数の円柱状レンズの前記光路側と反対側の前記面が、遮光性を有する樹脂で覆われている請求項1に記載の光学系。
  4. 前記複数の球状レンズの前記光路側と反対側の前記面が、遮光性を有する樹脂で覆われている請求項2に記載の光学系。
  5. それぞれの光軸が互いに平行となるように配置された複数の光学系と、
    前記複数の光学系と一対一に対応し、対応する前記光学系の光軸に対して略垂直な受光面をそれぞれ有する複数の撮像領域と、
    前記複数の撮像領域から出力される複数の画像情報に対して所定の処理を行う情報処理部と、
    互いに隣り合う前記光学系の光路間に設置された遮光板とを備えた撮像装置であって、
    前記遮光板は、その前記光路側の面に並べられた複数の円柱状レンズと、前記複数の円柱状レンズを、その前記光路側と反対側の面で保持する樹脂とを有することを特徴とする撮像装置。
  6. それぞれの光軸が互いに平行となるように配置された複数の光学系と、
    前記複数の光学系と一対一に対応し、対応する前記光学系の光軸に対して略垂直な受光面をそれぞれ有する複数の撮像領域と、
    前記複数の撮像領域から出力される複数の画像情報に対して所定の処理を行う情報処理部と、
    互いに隣り合う前記光学系の光路間に設置された遮光板とを備えた撮像装置であって、
    前記遮光板は、その前記光路側の面に並べられた複数の球状レンズと、前記複数の球状レンズを、その前記光路側と反対側の面で保持する樹脂とを有することを特徴とする撮像装置。
  7. 前記複数の円柱状レンズの前記光路側と反対側の前記面が、遮光性を有する樹脂で覆われている請求項5に記載の撮像装置。
  8. 前記複数の球状レンズの前記光路側と反対側の前記面が、遮光性を有する樹脂で覆われている請求項6に記載の撮像装置。
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