JP2008275972A - プラズモン導波路とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズモン導波路の製造を、簡易な方法で、高効率且つ低コストで実現することを可能にする。
【解決手段】表面に所定のパターンで複数の微細孔12が開口したプラズモン導波路1の誘電体基材11に、局在プラズモンを誘起しうる大きさの複数の微細金属体20が、隣接する微細金属体20にプラズモン導波がおこる離間距離を有して充填されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細金属体がプラズモンを導波可能なように配列されたプラズモン導波路およびその製造方法に関するものである。
情報の大容量化に伴って光学システムの集積化が進み、ナノスケールの光デバイスの開発が進められている。従来、光の回折限界により、その空間分解能は光の波長程度に制限されるため、ナノスケールの光デバイスの実現は困難とされていたが、近年、ナノオーダの微細金属体に生じる局在プラズモンを利用することにより、光の回折限界以下の領域で光の伝送を可能にしたプラズモン導波路が提案されている。
プラズモン導波路は、ナノオーダの微細金属体がナノオーダの間隔で配列されたものであり、ある微細金属体に生じた局在プラズモンが、隣接する微細金属体に次々と局在プラズモンを誘起していく現象を利用して、光をナノオーダの微小領域で伝送させるものである。また、微細金属体の配列パターンや大きさに変化を持たせることにより、光の分岐、結合、遅延等の制御をすることも可能である。
プラズモン導波路は、プラズモン導波路へのプラズモンの入力の高効率化が課題とされており、高効率かつ安定したプラズモン導波が可能なプラズモン導波路が提案されている。特許文献1には、伝搬効率の伝搬方向依存性を低減させたプラズモン導波路(プラズモンポラリトン導波路)として、プラズモン導波路を構成する光入射端の微小金属粒子に、表面を周回して移動する表面電荷を発生させるように、局在プラズモン誘起手段として表面プラズモン導波路を近接して配置させたプラズモン導波路が開示されている。
特許文献2には、金属膜表面に誘起された表面プラズモン光をプラズモンレンズにより集光させてから微小金属微細構造からなるプラズモン導波路の光入射端側の金属微細構造に照射して、局在プラズモンを誘起させる光伝送装置が開示されている。
特許文献3には、プラズモン導波路を構成する光入射端の微小金属粒子又は金属細線に、2次元構造を有して配置された金属開口を設けて入射光の結合効率を高めたプラズモン結合素子が開示されている。
特開2005−351941号公報 特開2006−23410号公報 特開2006−163188号公報
特許文献1から3に記載されているプラズモン導波路は、プラズモン導波路の入射端に高効率に局在プラズモンを誘起させるために種々の構成としたものであり、プラズモン導波路自体は、いずれも微小な領域にナノオーダの微細金属体がプラズモンを導波可能な間隔を有して所望のパターンで配列されたもので、その製造には精密な微細加工技術を要する。
上記特許文献1には具体的な製造方法の記載はない。特許文献2には、近接場リソグラフィによるパターニングや、集束イオンビーム法(FIB法)や電子ビーム描画法(EB法)により金属を微細加工する方法により製造できることが記載されている。近接場リソグラフィを用いる方法では、多くの工程を必要とする上、近接場露光をするために複雑な装置構成を必要とする。また、直接FIBやEB等で金属を加工する方法では、装置コストが高く、また例えば局在プラズモンを高効率に誘起可能な金属であるAu等は、加工性が良くなく、加工に非常に多くの時間がかかるため、量産化に対応することが難しい。
特許文献3には、金属微粒子の配列を集束イオンビーム法(FIB法)によりカーボン等にパターンを形成した後に金属コートする方法、電子ビーム描画法(EB法)やナノインプリント、AFMのカンチレバー等を用いた金属微細加工法等で行うことが記載されているが、形成されたパターンの微粒子の部分にだけ金属コートを施すには、同様のパターンのマスクを作製してそれを用いて微粒子部分にだけコーティングするなど、多くの工程を要する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な方法で、高効率且つ低コストにて製造することができるプラズモン導波路及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明のプラズモン導波路は、表面に所定のパターンで複数の微細孔が開口した誘電体基材と、この誘電体基材の微細孔内に充填された、局在プラズモンを誘起しうる大きさの複数の微細金属体とを備え、互いに隣接する微細金属体間の距離が、微細金属体同士にプラズモン導波がおこる大きさに設定されていることを特徴とするものである。
本明細書において、「誘電体基材」は、その形状は問わず、誘電体基板でもよいし誘電体層でもよい。
前記微細金属体は、誘電体基材の微細孔内に充填された充填部と、その充填部上に基材表面より突出して形成され、充填部の径よりも大きく、且つ局在プラズモンを誘起しうる大きさの径を有する頭部を備えた突出部とからなるものであることが好ましい。
本明細書において、充填部及び突出部の「径」とは、各部の最大幅を意味する。
前記複数の微細孔は、互いに異なる孔径を有する複数の該微細孔を含んでいてもよく、前記誘電体基材の裏面に到達して開孔された貫通孔であってもよい。
前記誘電体基材の好適な態様としては、被陽極酸化金属体の少なくとも一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体からなり、前記複数の微細孔は、前記陽極酸化の過程で該金属酸化物体内に形成されたものが挙げられる。
本発明のプラズモン導波路の製造方法は、複数の微細金属体が、この微細金属体に誘起された局在プラズモンを、互いに隣接する微細金属体に導波可能なように近接して配列されたプラズモン導波路の製造方法において、製造しようとするプラズモン導波路の複数の微細金属体の配列パターンと略同一パターンで配列された複数の微細孔を表面に有し、裏面に電極を備えた誘電体基材を用意し、複数の微細孔の少なくとも一部に、電極を用いてメッキ処理により金属を充填することを特徴とするものである。
特開2001−9800号公報には、複数種の細孔を有する陽極酸化膜の細孔内に種々の充填物を充填することによって機能性を持たせたナノ構造体が開示されている。ここで複数種の細孔とは、具体的には略規則配列された口径の異なる細孔を意味しており、このナノ構造体は、光の波長程度の微細周期構造によって形成されるフォトニック結晶構造を利用し、口径差によってフォトニックバンドギャップや光の局在状態を変化させるものである。上記公報には、このナノ構造体において充填物として磁性体を用いた場合は、細孔径差によって磁化の向きを反転させるに必要な磁場の強さが変化する現象を利用したデバイスに、充填物として発光材料を用いた場合は、発光材料の自然放出が制御された高性能な発光デバイス等とすることができることが記載されており、従って、口径の異なる細孔を有した微細周期構造を有する複数の細孔内に磁性体や発光材料を充填させたものは公知である。
これに対し、本発明は、プラズモンを誘起可能であり、且つプラズモンを導波可能であれば周期構造を有していなくてもよく、略規則配列した周期構造を対象とした上記特開2001−9800号公報に記載の発明とは異なる。実際、特開2001−9800号公報には、プラズモン導波路への適用については一切記載がない。
本発明のプラズモン導波路は、表面に所定のパターンで複数の微細孔が開口した誘電体基材に局在プラズモンを誘起しうる大きさの複数の微細金属体が、隣接する微細金属体にプラズモン導波がおこる離間距離を有して充填されたものであるから、所定のパターンで複数の微細孔が開口した誘電体基材を用意し、その微細孔内に金属を充填することにより作製することができる。誘電体基材は金属等に比して加工性が良好であるため、金属を直接パターニングする方法に比してパターニングプロセスは簡易かつ高効率であり、金属の充填も例えば電解メッキ処理等の簡易で低コストなプロセスにて行える。従って本発明によれば、簡易な方法で、高効率且つ低コストにて製造することができるプラズモン導波路を提供することができる。
図面を参照して、本発明に係る一実施形態のプラズモン導波路について説明する。図1(a)は全体斜視図であり、微細金属体の充填形態をわかりやすくするために一つの微細孔12の一部を切り取ってその断面を示している。図1(b)は(a)におけるA−A’断面図である。図2及び図3は、本実施形態のプラズモン導波路の製造工程図であり、図2は斜視図(図1(a)と同様に一部断面を示してある。)、図3は図2におけるA−A’断面図である。
プラズモン導波路1は、表面に所定のパターンで複数の微細孔12が開口した誘電体基材11と、微細孔12内に充填されている充填部21と、微細孔12上に基材表面11sより突出して形成され、充填部21の径よりも大きく、且つ、局在プラズモンを誘起しうる大きさの径を有する頭部22hを備えた突出部22とからなる微細金属体20と、誘電体基材11の裏面に形成された導電体30とにより構成されている。プラズモン導波路1は、光入射端の微細金属体20inに局在プラズモン誘起手段により局在プラズモンが誘起されると、隣接する微細金属体20に次々と局在プラズモンが誘起されていき、プラズモンが導波されるものである。
プラズモン導波路1では、誘電体基材11の複数の微細孔12に充填された微細金属体20にプラズモンが導波されるものであるので、導波路の配列パターンは、微細孔12の配列パターンとなる。微細孔12の配列パターンは、互いに隣接する微細孔12内に充填された微細金属体20同士にプラズモンが導波可能であれば所望のパターンでよい。微細金属体20の大きさによって導波速度が変わるので、複数の微細孔12を孔径の異なる複数の微細孔を含むものとすることにより、遅延や加速等の制御をすることができる。また、隣接する微細金属体20の数を変化させることによってプラズモンを分岐させたり、逆に結合させたりすることも可能である。プラズモンが導波可能な条件については後記する。
局在プラズモン誘起手段としては、微細金属体20を構成する金属に局在プラズモンを誘起可能な波長の光を含む光を照射する光照射手段を用いてもよいし、直接プラズモンを用いて光入射端の微細金属体20inにプラズモンを誘起させるように、特許文献1に記載の表面プラズモン導波路や、特許文献2に記載のプラズモンレンズを用いてもよい。
図2及び図3を用いてプラズモン導波路1の製造工程について説明する。
まず、図2(a)及び(b)に示されるように、基材表面11sに所定のパターンで開口され、基材表面11sから基材裏面11rに到達して略ストレートに開孔された貫通孔である複数の微細孔12を有する誘電体基材11を用意する(図2(a),図2(b))。誘電体基材11の厚みは特に制限なく、微細孔12から微細金属体20が剥がれ落ちない程度の厚みを有していればよい。
微細孔12の形成方法としては特に制限されず、表面全面を一括処理でき、大面積化に対応でき、高価な装置を必要としない起点制御陽極酸化法や、樹脂等の基板に転写成型法により形成する方法等が挙げられる。
まず、起点制御陽極酸化法により誘電体基材11を形成する場合について説明する。誘電体基材11は、アルミニウム(Al)を主成分とし、微少不純物を含んでいてもよい被陽極酸化金属体10を起点制御陽極酸化法によりすべて陽極酸化して得られたアルミナ(Al)層(金属酸化物体)11である。図4にその製造工程を示してある。
被陽極酸化金属体10の形状は制限されず、板状等が挙げられる。また、支持体の上に被陽極酸化金属体10が層状に成膜されたものなど、支持体付きの形態で用いることも差し支えない。
陽極酸化は、例えば、被陽極酸化金属体10を陽極とし、カーボンやアルミニウム等を陰極(対向電極)として、これらを陽極酸化用電解液に浸漬させ、陽極と陰極の間に電圧を印加することで実施できる。電解液としては制限されず、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等の酸を、1種又は2種以上含む酸性電解液が好ましく用いられる。
最初に、図4(a)に示されるように被陽極酸化金属体10の表面10sに、微細金属体20の配列パターンと同様のパターンで凸部が形成されたのモールド40によりスタンピングして陽極酸化の起点を形成する。モールド40としては、被陽極酸化金属体10より硬質ものであれば制限されず、石英やSi、及びTi、Ni、Mo、W等からなる硬質の合金等が挙げられる。
スタンピングにより微細金属体20の配列パターンで陽極酸化の起点が形成された被陽極酸化金属体10(図4(b))を陽極酸化すると、図4(c)に示されるように、表面10s(図示上面)から該面に対して略垂直方向に酸化反応が進行し、アルミナ層11が生成され、起点を中心としてアルミナ層表面11sから深さ方向に微細孔12が開孔される。微細孔12の径は、起点の径に応じた大きさとなることから、モールド40のパターンに応じた複数の微細孔12を容易に形成することができる。
陽極酸化により生成されるアルミナ層11は、通常平面視略正六角形状の微細柱状体が隣接して配列した構造を有するものとなり、各微細柱状体の略中心部に、表面11sから深さ方向に微細孔12が開孔されるが、本実施形態のようにあらかじめ起点となる凹部を形成しておくと、起点を中心として微細孔12を開孔させることができる。
また、各微細孔12の底面は、図示するように丸みを帯びた形状を有している。陽極酸化により生成されるアルミナ層の構造は、益田秀樹、「陽極酸化法によるメソポーラスアルミナの調製と機能材料としての応用」、材料技術Vol.15,No.10、1997年、p.34等に記載されている。
本実施形態では、被陽極酸化金属体10がすべて陽極酸化されるまで陽極酸化を実施する。電解液としてシュウ酸を用いる場合、好適な陽極酸化条件例としては、電解液濃度0.5M、液温15℃、印加電圧40Vが挙げられる。例えばこのような条件にて被陽極酸化金属体10をすべて陽極酸化されるまで陽極酸化を実施することにより、平面視略同一形状の貫通孔である多数の微細孔12が、基材表面11sにおいて開口してパターン配列されたアルミナ層11(誘電体基材)を得ることができる(図4(d))。
通常、互いに隣接する微細孔12同士のピッチは10〜500nmの範囲で、また微細孔の孔径は、5〜400nmの範囲でそれぞれ制御可能である。特開2001−9800号公報や特開2001−138300号公報には、微細孔の形成位置や孔径をより細かく制御する方法が開示されている。これらの方法を用いることにより、上記範囲内において任意の孔径及び深さを有する微細孔を起点の位置に形成することができる。
一方、転写成型法により誘電体基材11を製造する方法では、樹脂等の基板を用意し、起点制御陽極酸化法と同様に、微細金属体20の配列パターンと同様のパターンで凸部が形成されたモールド50を用いて転写成型することにより微細孔12を形成する。この際、モールド50は、微細孔12の深さと同程度の厚みを有してパターニングされている必要がある。モールド50としては、上記起点制御陽極酸化法で用いたモールド40と同様の材質のものが挙げられるが、光硬化方式の転写成型法の場合、モールド50は透光性材料である必要がある。
次に、図2(b)及び図3(b)に示されるように、上記のようにして製造された誘電体基材11の基材裏面11rに導電体13を形成する。導電体13の形成方法は特に制限されず、蒸着等により任意の厚みで形成することができる。導電体13の材料は制限なく、任意の金属やITO(インジウム錫酸化物)等の導電性の材料が挙げられる。
次に、図2(c)及び図3(c)に示されるように、充填部21と突出部22とからなる微細金属体20を、誘電体基材11の微細孔12内に充填する。微細金属体20の充填方法は特に制限ないが、簡易に微細金属体20を形成できることから、電気メッキ処理が好ましい。導電体13を電極とした電気メッキ処理により、電場が強い微細孔12の底部から優先的に金属を析出させることができるので、電気メッキ処理を継続して行うことにより、微細孔12内に金属が充填されて微細金属体20の充填部21が形成される(図2(c)、図3(c))。充填部21が形成された後、更に電気メッキ処理を続けると、微細孔12から充填金属が溢れるが、微細孔12付近の電場が強いことから、継続して溢れた金属が微細孔12周辺に等方的にメッキされ、充填部21上に基材表面11sより突出し、充填部21の径よりも大きい径を有する頭部22hを備えた突出部22が形成される(図2(d)、図3(d))。
微細金属体20は、局在プラズモンを誘起しうる大きさを有している。局在プラズモンは、照射される光の波長以下の金属微細構造において誘起されると言われていることから、微細金属体20は光の波長以下の大きさであることが好ましい。局在プラズモンを誘起可能な光の波長を考慮すると、10nm以上300nm以下の範囲であることが好ましい。
また隣接する微細金属体20同士の離間距離wは、誘起されたプラズモンを互いに導波可能である大きさに設定されて充填されている。プラズモン導波路として機能するには、導波の際の損失値が大きすぎると情報伝送の信頼性が低くなることから、できるだけ損失が少ない方が好ましい。従って「プラズモンを導波可能である」とは、隣接する微細金属体20へ導波する際の損失が10%以下である必要がある。
局在プラズモンは、局在プラズモンを生じる微細金属体20の粒子径と略同一径の範囲内に影響を与えるとされているが、上記の損失値を実現するためには、隣接する微細金属体20同士の離間距離は微細金属体の粒子径未満である事、より低損失で導波させるには、10nm以下であることがより好ましい。
図示されるように、本実施形態において微細金属体20は、微細孔12内に充填されている充填部21と誘電体基材表面11sより突出して形成され、微細孔12の径より大きな径を有する頭部22hを備えた突出部22とからなるものである。かかる構成では、頭部22hの大きさを制御して、比較的容易に微細金属体20の離間距離を10nm以下にすることができるため、微細孔12同士の間隔によらず、プラズモン導波可能な離間距離を有して微細金属体20を充填させることが可能である。従って、微細金属体20は、微細孔12内に充填されている充填部21と誘電体基材表面11sより突出して形成され、微細孔12の径より大きな径を有する頭部22hを備えた突出部22とからなるものであることが好ましい。突出部22は頭部22hのみからなる構成としても構わないし、頭部22hの下部に、頭部22hよりも径の小さい細径部を有して、頭部22hが基材表面11sから離間されていても構わない。
微細孔12同士が中に充填されている金属間でプラズモン導波が起こりうる距離となるように近接している場合には、突出部22を有さず、充填部21だけの構成とすることが可能である。その場合、充填部21の充填形態は制限されず、例えば図2(c)及び図3(c)に示されるように微細孔12の一部にのみ充填されていてもよいし、微細孔12全部に充填されていてもよい。
プラズモン導波路1は、微細金属体20において局在プラズモンを励起させてそれを隣接する微細金属体20に導波させるものであるので、微細金属体20としては、局在プラズモンを生じる金属が好ましく、Au,Ag,Cu,Pt,Ni,Ti等が挙げられ、電場増強効果の高いAu,Ag等が特に好ましい。
以上のようにして、プラズモン導波路1は製造することができる。
プラズモン導波路1は、表面に所定のパターンで複数の微細孔12が開口した誘電体基材11に局在プラズモンを誘起しうる大きさの複数の微細金属体20が、隣接する微細金属体20にプラズモン導波がおこる離間距離wを有して充填されたものであるから、所定のパターンで複数の微細孔12が開口した誘電体基材11を用意し、その微細孔内に金属を充填することにより作製することができる。誘電体基材11は金属等に比して加工性が良好であるため、金属を直接パターニングする方法に比してパターニングプロセスは簡易かつ高効率であり、金属の充填も例えば電解メッキ処理等の簡易で低コストなプロセスにて行える。従って本発明によれば、簡易な方法で、高効率且つ低コストにて製造することができるプラズモン導波路1を提供することができる。
(設計変更)
上記実施形態では、誘電体基材11への微細孔12の形成方法として、起点制御陽極酸化法及び転写成型法について説明したが、ガラスや樹脂等の基板の表面に、集束イオンビーム(FIB)法、電子ビーム(EB)法等の電子描画技術により規則配列した複数の凹部を描画する方法や近接場リソグラフィ法等を用いてもよい。これらの方法を用いる場合でも、被加工物が加工性の良好な誘電体であるため、金属を直接加工する従来の方法に比して簡易で高効率にパターニングすることができる。
また、誘電体基材の裏面に形成された導電体13を有する場合について説明したが、導電体13はなくても構わない。電気メッキ処理等により導電体13を用いて金属を充填する場合にも、金属充填後除去した構成としてもよい。
起点制御陽極酸化法において、微細孔12を貫通化させる方法として陽極酸化を微細孔12が貫通化するまで実施する方法について説明したが、貫通化させる方法は特に制限されない。例えば、陽極酸化を貫通化させるまで実施せず、微細孔12を非貫通孔とし、誘電体基材裏面11r側から誘電体基材11を除去する方法や、同様に微細孔12を非貫通孔とし、エッチング処理により微細孔12の底部の誘電体基材11を除去する方法等により貫通化させてもよい。
また、誘電体基材11の製造に用いる被陽極酸化金属体10の主成分としてAlのみを挙げたが、陽極酸化可能であれば、任意の金属が使用できる。Al以外では、Ti、Ta、Hf、Zr、Si、In、Zn等が使用できる。被陽極酸化金属体10は、陽極酸化可能な金属を2種以上含むものであってもよい。
また、起点の形成を、モールドを用いたスタンピングにより行う場合について説明したが、FIB法やEB法等による直接描画技術によって形成してもよい。
上記実施形態では、微細孔12が貫通孔である場合について説明したが、有底の非貫通孔であってもよい。電気メッキ処理により微細金属体20を充填する場合は、微細孔12の底部の誘電体基材11の厚みは、電気メッキ処理が可能な範囲内の厚みに制限される。起点制御陽極酸化法を用いる場合は、非陽極酸化部分を残して陽極酸化実施することにより容易に有底の非貫通孔である複数の微細孔12を有する誘電体基材11を形成することができる。この場合、非陽極酸化部分と微細孔12の底部との間に存在する誘電体基材11は、電気メッキ処理可能な範囲内の厚みを有しているので、非陽極酸化部分を導電体13としてそのまま利用し、微細金属体20を電気メッキ処理により充填することができる。
上記実施形態では、プラズモン導波路のみを製造する方法について説明したが、プラズモンレンズ等のプラズモン誘起手段等も同時にパターニングして、プラズモン導波路と同時に製造してもよい。
本発明のプラズモン導波路は、プラズモン導波路を利用した光入出力デバイス、高集積化デバイス等に好ましく利用可能である。
(a)は本発明にかかる一実施形態のプラズモン導波路の斜視図、(b)は(a)におけるA−A’断面図 (a)〜(d)は図1のプラズモン導波路の製造工程を示す斜視図 (a)〜(d)は図2におけるA−A’断面図 起点制御陽極酸化法による誘電体基材の製造工程図
符号の説明
1 プラズモン導波路
10 被陽極酸化金属体
11 誘電体基材(金属酸化物体)
11s 基材表面
11r 基材裏面
12 微細孔
20 微細金属体
21 充填部
22 突出部
22h 頭部
30 導電体
w 隣接する微細金属体間の距離

Claims (9)

  1. 表面に所定のパターンで複数の微細孔が開口した誘電体基材と、
    該誘電体基材の前記微細孔内に充填された、局在プラズモンを誘起しうる大きさの複数の微細金属体とを備え、
    互いに隣接する該微細金属体間の距離が、該微細金属体同士にプラズモン導波がおこる大きさに設定されていることを特徴とするプラズモン導波路。
  2. 前記微細金属体は、前記該誘電体基材の前記微細孔内に充填された充填部と、該充填部上に前記基材表面より突出して形成され、該充填部の径よりも大きく、且つ局在プラズモンを誘起しうる大きさの径を有する頭部を備えた突出部とからなるものであることを特徴とする請求項1に記載のプラズモン導波路。
  3. 前記微細金属体は、前記誘電体基材の前記微細孔内にメッキ処理を施して形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズモン導波路。
  4. 前記複数の微細孔は、互いに異なる孔径を有する複数の該微細孔を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズモン導波路。
  5. 前記誘電体基材において、前記複数の微細孔は前記誘電体基材の裏面に到達して開孔された貫通孔であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズモン導波路。
  6. 前記誘電体基材は、被陽極酸化金属体の少なくとも一部を陽極酸化して得られる金属酸化物体からなり、前記複数の微細孔は、前記陽極酸化の過程で該金属酸化物体内に形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラズモン導波路。
  7. 前記誘電体基材の複数の微細孔は、転写成型法により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラズモン導波路
  8. 更に、前記誘電体基材の裏面に導電体を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプラズモン導波路。
  9. 複数の微細金属体が、該微細金属体に誘起された局在プラズモンを、互いに隣接する前記微細金属体に導波可能なように近接して配列されたプラズモン導波路の製造方法において、
    製造しようとするプラズモン導波路の複数の微細金属体の配列パターンと略同一パターンで配列された複数の微細孔を表面に有し、裏面に電極を備えた誘電体基材を用意し、
    前記複数の微細孔の少なくとも一部に、前記電極を用いてメッキ処理により金属を充填することを特徴とするプラズモン導波路の製造方法。
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