JP2008274401A - 無機膜とその製造方法、圧電素子、液体吐出装置、スパッタリングターゲット、及びスパッタリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】面内方向に組成分布を有する膜を簡易に低コストに成膜することが可能な成膜技術を提供する。
【解決手段】無機膜53は、面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜されたものである。スパッタリングターゲットの好適な態様としては、組成が略均一なターゲットの表面の所定箇所に、該ターゲットより面積が小さく、かつ該ターゲットの組成とは異なる単数又は複数のターゲットチップが取り付けられたものが挙げられる。他の好適な態様としては、互いに接合する形状に加工された組成の異なる複数のターゲットが接合されたものが挙げられる。
【選択図】図5
【解決手段】無機膜53は、面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜されたものである。スパッタリングターゲットの好適な態様としては、組成が略均一なターゲットの表面の所定箇所に、該ターゲットより面積が小さく、かつ該ターゲットの組成とは異なる単数又は複数のターゲットチップが取り付けられたものが挙げられる。他の好適な態様としては、互いに接合する形状に加工された組成の異なる複数のターゲットが接合されたものが挙げられる。
【選択図】図5
Description
本発明は、圧電体膜等の無機膜とその製造方法、圧電体膜を用いた圧電素子及び液体吐出装置に関するものである。本発明はまた、圧電体膜等の無機膜の成膜に用いて好適なスパッタリングターゲット、及びこれを用いたスパッタリング装置に関するものである。
非特許文献1に記載されているように、機能性薄膜の材料設計では従来より、接合剥がれの抑制等を目的として、膜厚方向に組成を傾斜させることが行われてきた。面内方向については、特性ばらつきが起こらないように組成のばらつきをなくすことに努力が払われており、面内方向に組成を積極的に傾斜させることはなされていなかった。
今後の機能性薄膜の材料設計においては、面内方向に組成を積極的に傾斜させることが必要となる場合が生じてくると思われる。例えば、同一膜中に組成及び機能の異なる複数の部分がパターン形成された機能性薄膜は、種々の用途に有用と考えられる。かかる組成パターンを有する膜のパターニングは多数の工程を含むフォトリソグラフィ法等により行うことができるが、所望の組成パターンを有する膜を一度に成膜できれば、製造にかかる工程数やコストを格段に削減でき、好ましい。
機能性薄膜の材料設計ではまた、より高性能な薄膜を得るために組成を最適化することが求められる。従来は、最適組成を見出すために、組成を変えた成膜と評価を何度も繰り返すことを余儀なくされていた。例えば、ある添加物量は0.7モル%が最適であった場合、はじめに0〜10モル%の範囲内で1モル%刻みに添加物量の異なる多くの膜を成膜し、0〜2%辺りに最適点がありそうだと目星をつけた後、その上でより細かく組成を振ることが必要であった。かかる方法は非常に非効率的であり、時間と手間を要する。また、最終的に最適組成が見出されればよいが、ある添加量で特異的に機能が発現する膜のような場合、離散的に組成を振ることで、最適組成が見逃されてしまう恐れもある。面内方向に組成分布を有する膜を成膜できれば、多数のサンプルを作製する必要がなくなり、組成探索が非常に容易となる。
近年、鯉沼・川崎らによって、特許文献1に記載の分子層エピタキシー薄膜作製装置が開発され、注目を集めている。この装置は、複数の成膜基板を保持し成長位置に搬送する基板ホルダを備え、成膜基板ごとに成長温度、圧力及び供給原料を制御してエピタキシャル膜を成膜するというものである。この装置では、様々な組成の複数の膜を同時に作製することができる。この装置は1つの基板に対して1つの組成の膜を成膜するものである。
特許文献2には、マスクを駆動させながら成膜を行うことによって、同一面内に組成分布を有する膜を成膜することが可能な成膜装置が開示されている。特許文献2には、実施形態としてレーザ蒸着装置が記載されている(段落0012)。
特許文献3には、電場あるいは磁場を制御して蒸着イオンの飛ぶ方向を制御することによって、同一面内に組成分布を有する膜を成膜することが可能な成膜装置が開示されている。特許文献3には、実施形態としてスパッタリング装置が記載されている(段落0064)。
特許文献4には、同時に複数の材料(スパッタリング法ではターゲットに相当)を用い、各材料の送達角度を制御することによって、1つの基板の異なる領域に異なる材料を成膜することが可能な成膜装置が開示されている。この装置は、インクジェット、スパッタリング、レーザ蒸着、CVD、分子線エピタキシー、プラズマ溶射、イオンビーム蒸着等に適用可能であることが記載されている(段落0009等)。
特許3018000号公報
特開2002-69613号公報
特開2006-057117号公報
特表2004-508927号公報
「傾斜機能材料の開発と応用」、上村 誠一編集、シーエムシー出版
特許文献2に記載の装置では、マスクの駆動制御系が非常に複雑で高価である。特許文献3に記載の装置では、電場あるいは磁場の制御系が非常に複雑で高価である。特許文献2に記載の装置ではまた、基板に必ずマスクによって成膜されない部分が生じるため、基板の全面成膜が難しく、できたとしても長時間を要する。
特許文献4に記載の装置をスパッタリング装置に適用する場合、同時に複数のターゲットを用いて成膜を行うため、ターゲットごとに高価なプラズマ発生電源を必要とし、しかもこれら電源を同時にオンにする必要があるため、電力量が非常に大きくなり、現実的ではない。
一般に使用されている装置を特許文献2〜4に記載の成膜装置に改造することも難しい。そのため、はじめから専用の装置設計を行う必要があり、いずれも非常に高コストな装置となってしまう。
また、特許文献2〜4に記載の成膜装置を用いて、成膜に時間を要する3μm以上の比較的厚い膜を成膜することは難しく、かかる厚膜を成膜したという報告例は一切ない。特に、一度に全面成膜できない特許文献2に記載の装置では、3μm以上の比較的厚い膜を成膜することは難しい。特に、成膜速度が比較的遅い酸化物材料、例えばPb・Zr・Ti・Oを主成分とするPZT系材料を3μm以上の厚さで成膜することは容易ではない。PZT系等の圧電体膜では、3μm以上の膜厚がないと充分に変位量が評価できないため、かかる膜においても、面内方向に組成分布を有する膜を簡易に低コストに成膜できる成膜技術が確立されることが好ましい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、面内方向に組成分布を有する膜を簡易に低コストに成膜することが可能な成膜技術、及びこの技術を用いて成膜された無機膜を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の無機膜は、面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜されたものであることを特徴とするものである。
本明細書において、スパッタリングターゲットの「組成分布が略均一である」とは、すべての構成元素の面内方向の最高濃度と最低濃度との差が最高濃度100%に対して30%以内であることを意味する。スパッタリングターゲットが「組成分布を有する」とは、少なくとも1つの構成元素の面内方向の最高濃度と最低濃度との差がその範囲よりも大きいことを意味するものとする。
スパッタリングターゲットにおける面内方向の組成変化は、連続的な変化でもよいし、段階的な変化でもよく、これらの組合せでも構わない。
本明細書において、スパッタリングターゲットの「組成分布が略均一である」とは、すべての構成元素の面内方向の最高濃度と最低濃度との差が最高濃度100%に対して30%以内であることを意味する。スパッタリングターゲットが「組成分布を有する」とは、少なくとも1つの構成元素の面内方向の最高濃度と最低濃度との差がその範囲よりも大きいことを意味するものとする。
スパッタリングターゲットにおける面内方向の組成変化は、連続的な変化でもよいし、段階的な変化でもよく、これらの組合せでも構わない。
前記スパッタリングターゲットの好適な態様としては、組成が略均一なターゲットの表面の所定箇所に、該ターゲットより面積が小さく、かつ該ターゲットの組成とは異なる単数又は複数のターゲットチップが取り付けられたものが挙げられる。他の好適な態様としては、互いに接合する形状に加工された組成の異なる複数のターゲットが接合されたものが挙げられる。
面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲット自体、及びこれを用いるスパッタリング装置も新規である。
本発明の第2の無機膜は、3.0μm以上の膜厚を有し、かつ、少なくとも1つの構成元素について、最高濃度と最低濃度との差が最高濃度100%に対して20%以上である面内方向の濃度分布を有することを特徴とするものである。
本発明は、金属膜、半導体膜、絶縁体膜、及びこれらの複合膜に有効である。本発明の技術は、酸化物膜に有効である。
本発明は、圧電体膜に有効である。
本発明は、下記一般式(P)で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる圧電体膜(不可避不純物を含んでいてもよい)に有効である。
ABO3・・・(P)
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,La,Sr,Bi,Li,Na,Ca,Cd,Mg,及びKからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe,Ni,及びランタニド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素元素、
Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
本発明は、多数の柱状体からなる柱状構造膜に有効である。
本発明は、圧電体膜に有効である。
本発明は、下記一般式(P)で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる圧電体膜(不可避不純物を含んでいてもよい)に有効である。
ABO3・・・(P)
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,La,Sr,Bi,Li,Na,Ca,Cd,Mg,及びKからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe,Ni,及びランタニド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素元素、
Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
本発明は、多数の柱状体からなる柱状構造膜に有効である。
本発明の無機膜の製造方法は、面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜を行うことを特徴とするものである。
本発明の無機膜の製造方法において、前記スパッタリングターゲットと成膜基板との間に、前記スパッタリングターゲットの特定領域から前記成膜基板の特定領域に対するスパッタリングを遮蔽する単数又は複数の遮蔽板を設置して、成膜を行うことが好ましい。この場合、前記遮蔽板を前記スパッタリングターゲットの表面の法線方向に対して±30°以内の角度で設置して、成膜を行うことが好ましい。
本発明の圧電素子は、圧電体膜からなる上記の本発明の第1又は第2の無機膜と、該無機膜に対して電界を印加する電極とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の液体吐出装置は、上記の本発明の圧電素子と、
液体が貯留される液体貯留室及び該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口を有する液体貯留吐出部材とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の液体吐出装置は、上記の本発明の圧電素子と、
液体が貯留される液体貯留室及び該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口を有する液体貯留吐出部材とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の無機膜は、面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜されたものである。面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲット自体が新規である。
本発明の無機膜の成膜では、ターゲット自体に組成分布を持たせるので、特許文献2及び3の装置のように、蒸着イオンの飛ぶ方向を制御するための複雑な制御系を要しない。また、ターゲットさえ交換すればよいので、一般に使用されているスパッタリング装置をそのまま用いることができる。したがって、本発明によれば、面内方向に組成分布を有する膜を簡易に低コストに成膜することが可能である。本発明では、特許文献2〜4の成膜装置では成膜が難しかった3μm以上の比較的厚い膜の成膜も可能である。
本発明では、ターゲットの組成分布を自由に設計できるので、膜の組成分布の設計は自由自在である。また、用いるスパッタリングターゲットの組成分布から、どのような組成分布の膜が成膜されるかは、シミュレーションによってある程度予測可能である。
本発明の技術によれば、リソグラフィ工程を要しない微細パターニングが可能となる。また、最適な組成探索が非常に容易となる。
本発明の技術によれば、リソグラフィ工程を要しない微細パターニングが可能となる。また、最適な組成探索が非常に容易となる。
「無機膜とその製造方法、第1実施形態のスパッタリング装置」
本発明の無機膜は、面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜されたものであることを特徴とするものである。
本発明の無機膜は、面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜されたものであることを特徴とするものである。
図面を参照して、本発明に係る第1実施形態のスパッタリング装置及びこれを用いた無機膜の製造方法について説明する。本実施形態では、RF電源を用いるRFスパッタリング装置を例として説明する。本発明は、DC電源を用いるDCスパッタリング装置にも適用可能である。図1Aは装置全体の概略断面図、図1Bは成膜中の様子を模式的に示す図である。図2A及び図2Bはスパッタリングターゲットの構成例を示す平面図である。
図1Aに示すように、スパッタリング装置1は、内部に、成膜基板Bを保持すると共に成膜基板Bを所定温度に加熱することができる静電チャック等の基板ホルダ11と、プラズマを発生させるプラズマ電極(カソード電極)12とが備えられた真空容器10から概略構成されている。
基板ホルダ11とプラズマ電極12とは互いに対向するように離間配置され、プラズマ電極12上にスパッタリングターゲット20が装着されるようになっている。プラズマ電極12はRF電源13に接続されている。
真空容器10には、真空容器10内に成膜に必要なガスGを導入するガス導入管14と、真空容器10内のガスの排気Vを行うガス排出管15とが取り付けられている。ガスGとしては、Ar、又はAr/O2混合ガス等が使用される。
図1Bに模式的に示すように、プラズマ電極12の放電により真空容器10内に導入されたガスGがプラズマ化され、Arイオン等のプラスイオンIpが生成する。生成したプラスイオンIpはターゲット20をスパッタする。プラスイオンIpにスパッタされたターゲット20の構成元素Tpは、ターゲット20から放出され中性あるいはイオン化された状態で基板Bに蒸着される。この蒸着を所定時間実施することで、所定厚の膜が成膜される。図中、符号Pがプラズマ空間、符号Mが成膜中の膜を示している。
本実施形態の装置1では、面内方向に特定の組成分布を有するスパッタリングターゲット20を用いて成膜が行われる。
スパッタリングターゲット20としては、図2Aに示すように、組成が略均一なターゲット21の表面の所定箇所に、ターゲット21より面積が小さく、かつターゲット21の組成とは異なる複数のターゲットチップ22が取り付けられたものが挙げられる。ターゲットチップ22はターゲット21に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。図示する例では、円板状のターゲット21上に計6個の同一形状の角型のターゲットチップ22が一列に取り付けられているが、ターゲット21の形状、各ターゲットチップ22の形状、ターゲットチップ22の数及び取付位置は任意である。ターゲットチップ22は単数でもよい。ターゲット21とターゲットチップ22の組成の組合せは任意である。
スパッタリングターゲット20としては、図2Bに示すように、互いに接合する形状に加工された組成の異なる複数のターゲットが接合されたものでもよい。図2Bに示すスパッタリングターゲット20は、組成の異なる2種類のターゲット23,24を用意し、これらをダイシング装置等を用いて互いに接合する形状に切断加工し、これらを同一のバッキングプレート25には貼り付けて固定したものである。複数種類のターゲットをどのような形状で接合するかは任意に設計できる。ターゲット23,24の組成の組合せは任意である。
面内方向に特定の組成分布を有するスパッタリングターゲット20は、組成の異なる複数種類の原料粉末を用意し、これらの原料粉末をあるパターンで配置して成型を行い、その後焼結させることでも得られる。この方法では、異なる種類の原料粉末を用いた部分間の界面で反応が起こるため、急激な組成変化の少ないスパッタリングターゲット20が得られる。但し、スパッタリングターゲット20の組成分布の制御が難しくなる傾向にある。
図2A又は図2Bに示した上記スパッタリングターゲット20を用いて成膜を行うことにより、面内方向に特定の組成分布を有する本発明の無機膜を成膜することができる。
本実施形態のスパッタリング装置1及びこれを用いたスパッタリング方法は、任意の無機膜の成膜に適用することができる。適用可能な無機膜としては、金属膜、半導体膜、絶縁体膜、及びこれらの複合膜が挙げられる。
半導体膜としては、半導体レーザの活性層に使用される発光性半導体膜、及び液晶装置やEL装置等に搭載されるTFTの活性層に使用される半導体膜等が挙げられる。
絶縁体膜としては、誘電体膜、焦電体膜、圧電体膜、及び強誘電体膜等が挙げられる。
半導体膜としては、半導体レーザの活性層に使用される発光性半導体膜、及び液晶装置やEL装置等に搭載されるTFTの活性層に使用される半導体膜等が挙げられる。
絶縁体膜としては、誘電体膜、焦電体膜、圧電体膜、及び強誘電体膜等が挙げられる。
本実施形態のスパッタリング装置1及びスパッタリング方法では、特許文献2〜4に記載の成膜装置では成膜が難しかった3μm以上の比較的厚い膜の成膜も可能である。
本実施形態のスパッタリング装置1及びスパッタリング方法では、成膜速度が比較的遅い酸化物膜に有効であり、成膜速度が比較的遅い酸化物膜を3μm以上の比較的厚さで成膜することも可能である。
本実施形態のスパッタリング装置1及びスパッタリング方法では、成膜速度が比較的遅く、3μm以上の比較的厚さで成膜する必要がある圧電体膜の成膜に有効である。
本実施形態のスパッタリング装置1及びスパッタリング方法では、成膜速度が比較的遅い酸化物膜に有効であり、成膜速度が比較的遅い酸化物膜を3μm以上の比較的厚さで成膜することも可能である。
本実施形態のスパッタリング装置1及びスパッタリング方法では、成膜速度が比較的遅く、3μm以上の比較的厚さで成膜する必要がある圧電体膜の成膜に有効である。
圧電体膜としては、下記一般式(P)で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる圧電体膜(不可避不純物を含んでいてもよい)が挙げられる。下記組成のペロブスカイト型酸化物は強誘電体である。
ABO3・・・(P)
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,La,Sr,Bi,Li,Na,Ca,Cd,Mg,及びKからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe,Ni,及びランタニド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素元素、
Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
ABO3・・・(P)
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,La,Sr,Bi,Li,Na,Ca,Cd,Mg,及びKからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe,Ni,及びランタニド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素元素、
Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。)
上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物としては、
チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ジルコニウム酸鉛、チタン酸鉛ランタン、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、ニッケルニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、亜鉛ニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛等の鉛含有化合物、及びこれらの混晶系;
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム等の非鉛含有化合物、及びこれらの混晶系が挙げられる。
チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ジルコニウム酸鉛、チタン酸鉛ランタン、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、ニッケルニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、亜鉛ニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛等の鉛含有化合物、及びこれらの混晶系;
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム等の非鉛含有化合物、及びこれらの混晶系が挙げられる。
本実施形態のスパッタリング装置1及びスパッタリング方法では、成膜速度が比較的遅いPZT系圧電体膜を3μm以上の比較的厚さで成膜することも可能である。
本実施形態のスパッタリング装置1及びスパッタリング方法では、多数の柱状体からなる柱状構造膜を成膜することも可能である。例えば、柱状構造膜からなり、面内方向に特定の組成分布を有する圧電体膜を成膜することができる。
本実施形態のスパッタリング装置1及びスパッタリング方法では、少なくとも1つの構成元素について、面内方向の最高濃度と最低濃度との差が20%以上である膜を成膜することができる(後記実施例1−1等を参照)。ここで言う「最高濃度と最低濃度との差」は最高濃度を100%としたときの差である。
本実施形態のスパッタリング装置1及びスパッタリング方法では、3.0μm以上の膜厚を有し、かつ、少なくとも1つの構成元素について、最高濃度と最低濃度との差が20%以上である面内方向の濃度分布を有する無機膜を成膜することができるが、かかる無機膜自体が新規である。
なお、本発明者は、面内方向の組成が略均一なターゲットを用いた成膜では、一般に最高濃度と最低濃度との差が8%程度以下のばらつきが生じ、ごくまれに16%程度のばらつきが生じることがあることを見出している。
本実施形態では、面内方向に特定の組成分布を有するスパッタリングターゲット20を用いて成膜を行う構成としている。本実施形態では、ターゲット20自体に組成分布を持たせるので、特許文献2及び3の装置のように、蒸着イオンの飛ぶ方向を制御するための複雑な制御系を要しない。また、ターゲット20さえ交換すればよいので、一般に使用されているスパッタリング装置をそのまま用いることができる。したがって、本実施形態によれば、面内方向に特定の組成分布を有する膜を簡易に低コストに成膜することが可能である。本実施形態の装置及び方法では、特許文献2〜4に記載の成膜装置では成膜が難しかった3μm以上の比較的厚い膜の成膜も可能である。
本実施形態ではまた、ターゲット20の組成分布は自由に設計できるので、膜の組成分布の設計は自由自在である。また、用いるスパッタリングターゲット20の組成分布から、どのような組成分布の膜が成膜されるかは、シミュレーションによってある程度予測可能である(後記実施例1−1等を参照)。
本実施形態の技術によれば、リソグラフィ工程を要しない微細パターニングが可能となる。例えば、図3A及び図3Bに示すように、同一膜中に組成及び機能の異なる部分31と32とがパターン形成された無機膜を一度の成膜で形成することができる。図3A及び図3Bは膜の平面図である。この方法では、リソグラフィ工程を要しないので、パターニングにかかる工程数やコストを格段に削減できる。機能の異なる部分31と32の組合せとしては、電極等の導電部と絶縁部、発熱部と非発熱部、高機能を有するが応力が発生しやすい高機能応力発生部と高機能応力発生部で発生する応力を緩和する応力緩和部等が挙げられる。組成及び機能の異なる部分31と32との境界が明確である場合について図示してあるが、境界は明確でなくてもよい。
本実施形態の技術によれば、最適な組成探索も非常に容易となる。例えば、リラクサー系の圧電体膜であれば、PMN(又はPNN、又はPZN)、PZ、及びPTを頂点とする三角図から、これらの組成比を振って、組成の最適化を行うことがなされているが、かかる組成探索が非常に容易となる(PMN=PbMg1/3Nb2/3O3、PNN=PbNi1/3Nb2/3O3、PZN=PbZn1/3Nb2/3O3、PZ=PbZnO3、PT=PbTiO3)。
「第2実施形態のスパッタリング装置」
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態のスパッタリング装置及びこれを用いた無機膜の製造方法について説明する。本実施形態の装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。図4Aは図1Aに対応する図であり、図4Bはスパッタリングターゲット20とその近傍の平面図である。
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態のスパッタリング装置及びこれを用いた無機膜の製造方法について説明する。本実施形態の装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明は省略する。図4Aは図1Aに対応する図であり、図4Bはスパッタリングターゲット20とその近傍の平面図である。
本実施形態のスパッタリング装置2が第1実施形態と異なる点は、スパッタリングターゲット20と成膜基板Bとの間に、スパッタリングターゲット20の特定領域から成膜基板Bの特定領域に対するスパッタリングを遮蔽する遮蔽板41を備えている点である。
スパッタリングターゲット20の構成は第1実施形態と同様であり、面内方向に特定の組成分布を有するものである。具体的には、スパッタリングターゲット20は、図2Aに示したように、組成が略均一なターゲット21の表面の所定箇所に、ターゲット21より面積が小さく、かつターゲット21の組成とは異なる複数のターゲットチップ22が取り付けられたもの、あるいは図2Bに示したように、互いに接合する形状に加工された組成の異なる複数のターゲット23,24が接合されたものである。
図4Bに示すように、本実施形態の装置2では、スパッタリングターゲット20の側方に互いに対向する一対のバネ部材42,43を設置し、これらの上に遮蔽板41を載置させることで、遮蔽板41を保持している。遮蔽板41を保持する保持部材としてバネ部材42,43を用いる場合、遮蔽板41の設置及び設置位置の変更が容易であり、好ましい。
遮蔽板41の枚数と設置箇所、及びその保持構造は、図示する例に限らず、任意に設計できる。遮蔽板41は複数設けてもよい。図示する例では、遮蔽板41の下端をスパッタリングターゲット20と密着させているが、遮蔽板41とスパッタリングターゲット20との間には空隙を設けてもよい。
遮蔽板41は絶縁性を有していてもよいし、導電性を有していてもよい。但し、プラズマ電位に対する影響が小さいことから、遮蔽板41は少なくとも表面が絶縁性を有することが好ましい。遮蔽板41としては例えば、ガラス板、及び表面酸化膜(SiO2)を有するSi基板等が好ましい。
遮蔽板41は、スパッタリングターゲット20の表面の法線方向に対して±30°以内の角度で設置されることが好ましい。遮蔽板41を横置きあるいはそれに近い状態にすると、遮蔽板41がスパッタリングターゲット20のマスクとして機能して、ターゲット20の有効面積が低下するため、成膜効率が低下し、好ましくない。遮蔽板41を横置きあるいはそれに近い状態にすると、プラズマ電位への影響が大きくなる傾向にあり、所望の成膜条件からずれてしまう恐れもある。本発明者は、遮蔽板41をスパッタリングターゲット20の表面の法線方向に対して±30°以内の角度で設置することにより、スパッタリングターゲット20の有効面積のロスがなく、安定的な成膜が可能であることを見出している。
本実施形態においても、面内方向に特定の組成分布を有するスパッタリングターゲット20を用いて成膜を行う構成としているので、第1実施形態と同様、面内方向に特定の組成分布を有する膜を簡易に低コストに成膜することが可能である。
本実施形態の装置及び方法においても、成膜速度が比較的遅いPZT系圧電体膜を3μm以上の比較的厚さで成膜することが可能である。本実施形態の装置及び方法においても、多数の柱状体からなる柱状構造膜を成膜することも可能である。例えば、柱状構造膜からなり、面内方向に組成分布を有する圧電体膜を成膜することができる。
本実施形態の装置及び方法においても、ターゲット20の組成分布は自由に設計できるので、膜の組成分布の設計は自由自在である。
本実施形態ではさらに、スパッタリングターゲット20と成膜基板Bとの間に、スパッタリングターゲット20の特定領域から成膜基板Bの特定領域に対するスパッタリングを遮蔽する遮蔽板41を備える構成としているので、膜の面内方向の組成変化を大きくすることができる(後記実施例2−1等を参照)。具体的には、少なくとも1つの構成元素について、面内方向の最高濃度と最低濃度との差が20%以上である膜を容易に成膜することができる(後記実施例2−1等を参照)。ここで言う「最高濃度と最低濃度との差」は最高濃度100%に対する差である。
用いるスパッタリングターゲット20の組成分布と遮蔽板41の大きさと設置位置から、どのような組成分布の膜が成膜されるかは、シミュレーションによってある程度予測可能である(後記実施例2−1等を参照)。
第1実施形態と同様、本実施形態の技術によれば、リソグラフィ工程を要しない微細パターニングが可能となる。また、最適な組成探索が非常に容易となる。
第1実施形態と同様、本実施形態の技術によれば、リソグラフィ工程を要しない微細パターニングが可能となる。また、最適な組成探索が非常に容易となる。
(設計変更)
本発明は上記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
例えば、第1又は第2実施形態のスパッタリング装置と特許文献2に記載されているようなマスクとを組合せても構わない。マスクは駆動してもしなくてもよい。この場合には、ターゲットの有効面積が低下して成膜効率が低下するが、膜の面内方向の組成変化を大きくすることができる。
本発明は上記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
例えば、第1又は第2実施形態のスパッタリング装置と特許文献2に記載されているようなマスクとを組合せても構わない。マスクは駆動してもしなくてもよい。この場合には、ターゲットの有効面積が低下して成膜効率が低下するが、膜の面内方向の組成変化を大きくすることができる。
「圧電素子、及びインクジェット式記録ヘッド」
図面を参照して、本発明に係る実施形態の圧電素子、及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造について説明する。図5はインクジェット式記録ヘッドの要部断面図(圧電素子の厚み方向の断面図)である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
図面を参照して、本発明に係る実施形態の圧電素子、及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造について説明する。図5はインクジェット式記録ヘッドの要部断面図(圧電素子の厚み方向の断面図)である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
図5に示す圧電素子3は、基板51の表面に、下部電極52と圧電体膜(無機膜)53と上部電極54とが順次積層された素子である。圧電体膜53には、下部電極52と上部電極54とにより厚み方向に電界が印加されるようになっている。
圧電アクチュエータ4は、圧電素子3の基板51の裏面に、圧電体膜53の伸縮により振動する振動板56が取り付けられたものである。インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)5は、概略、圧電アクチュエータ4の裏面に、インクが貯留されるインク室(液体貯留室)61及びインク室61から外部にインクが吐出されるインク吐出口(液体吐出口)62を有するインクノズル(液体貯留吐出部材)60が取り付けられたものである。
インクジェット式記録ヘッド5では、圧電素子3に印加する電界強度を増減させて圧電素子3を伸縮させ、これによってインク室61からのインクの吐出や吐出量の制御が行われる。
インクジェット式記録ヘッド5では、圧電素子3に印加する電界強度を増減させて圧電素子3を伸縮させ、これによってインク室61からのインクの吐出や吐出量の制御が行われる。
基板51とは独立した部材の振動板56及びインクノズル60を取り付ける代わりに、基板51の一部を振動板56及びインクノズル60に加工してもよい。例えば、基板51がSOI基板等の積層基板からなる場合には、基板51を裏面側からエッチングしてインク室61を形成し、基板自体の加工により振動板56とインクノズル60とを形成することができる。
基板51としては特に制限なく、シリコン,ガラス,ステンレス(SUS),イットリウム安定化ジルコニア(YSZ),アルミナ,サファイヤ,及びシリコンカーバイド等の基板が挙げられる。基板51としては、シリコン基板上にSiO2膜とSi活性層とが順次積層されたSOI基板等の積層基板を用いてもよい。
下部電極52の主成分としては特に制限なく、Au,Pt,Ir,IrO2,RuO2,LaNiO3,及びSrRuO3等の金属又は金属酸化物、及びこれらの組合せが挙げられる。上部電極54の主成分としては特に制限なく、下部電極20で例示した材料,Al,Ta,Cr,Cu等の一般的に半導体プロセスで用いられている電極材料、及びこれらの組合せが挙げられる。下部電極52と上部電極54の厚みは特に制限なく、50〜500nmであることが好ましい。
一般に、インクジェット式記録ヘッドでは、圧電素子の圧電変形によりインク室を加圧してインクノズルからインクを吐出する際に、圧電素子の周縁部はインクノズルに拘束され、圧電素子の中央部がインク室側に若干撓んだ状態となる。この状態では、圧電体膜の周縁部に応力がかかりやすい。そのため、長期使用後繰り返し変位駆動によって、圧電体膜の応力が強くかかる部分とそうでない部分との間にクラックが発生するなどの機械的耐久性の問題が生じる恐れがある。
本実施形態において、圧電体膜53は本発明の成膜技術により成膜されたものである。すなわち、圧電体膜53は、面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜されたものであり、少なくともインク室61の壁面61Wの位置Wより外側部分を含む周縁部53Aがその他の部分である主要部53Bよりもヤング率の小さい組成を有している。ヤング率は機械的強度の1つの指標である。なお、ここで言う「周縁部のヤング率」及び「主要部のヤング率」は、それぞれの組成のバルク材料のヤング率でもって、規定するものとする。圧電体膜53の組成例は先に説明したので、ここでは省略する。
本発明者は、圧電体膜53において、インク室61の壁面位置Wに最も応力がかかりやすいことを見出している。したがって、少なくともインク室61の壁面位置Wより外側部分を含む周縁部53Aの組成を変えて、その機械的強度を高めることで、圧電体膜53の機械的耐久性を高めることができる。
機械的強度を高める周縁部53Aは、インク室61の壁面位置Wよりも若干内側部分まで含まれるようにすることが好ましい。ただし、圧電変形が良好に起らなければならない主要部53Bの面積は充分に確保する必要がある。具体的には、インク室61の幅をXとしたとき、機械的強度を高める周縁部53Aの内端位置Eは、壁面位置Wから壁面位置Wより0.2×X内側の位置までの範囲内に設定することが好ましい。
例えば、PZT系等のPb含有圧電材料では、Pb含量が高くなると、結晶粒径が大きくなりヤング率が大きくなる傾向にある。また、Nb等のドナイオンをドープしたPZT系では、ドナイオン含量が高くなると、ヤング率が大きくなる傾向にある。したがって、PZT系であれば、主要部53Bよりも周縁部53AのPb含量を相対的に下げる、あるいは主要部53Bよりも周縁部53Aのドナイオン含量を相対的に下げる(周縁部53Aはドナイオンをノンドープとしてもよい)等の組成分布を持たせることで、周縁部53Aの機械的強度を高めることができる。
周縁部53Aのヤング率は特に制限なく、主要部53Bのヤング率の80%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
周縁部53Aのヤング率は特に制限なく、主要部53Bのヤング率の80%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
周縁部53Aは、内端側(主要部53B側)から外端側に向けて組成分布を有していることが好ましい。周縁部53Aと主要部53Bとの間で組成が急激に変化するよりも、組成変化がなだらかである方が、周縁部53Aと主要部53Bとの境界部分にかかる応力が緩和され、好ましい。
本実施形態の圧電素子3及びインクジェット式記録ヘッド5は、以上のように構成されている。
本実施形態では、圧電体膜53に面内方向の組成分布を持たせて、応力のかかりやすい周縁部53Aの機械的強度を高める構成としている。したがって、本実施形態の圧電素子3は、機械的耐久性に優れたものとなる。本発明の成膜技術を用いることにより、周縁部53Aとその他の部分である主要部53Bとの組成が異なる圧電体膜53を一工程で簡易に成膜することができる。
本実施形態では、圧電体膜53に面内方向の組成分布を持たせて、応力のかかりやすい周縁部53Aの機械的強度を高める構成としている。したがって、本実施形態の圧電素子3は、機械的耐久性に優れたものとなる。本発明の成膜技術を用いることにより、周縁部53Aとその他の部分である主要部53Bとの組成が異なる圧電体膜53を一工程で簡易に成膜することができる。
「インクジェット式記録装置」
図6及び図7を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド5を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図6は装置全体図であり、図7は部分上面図である。
図6及び図7を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド5を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図6は装置全体図であり、図7は部分上面図である。
図示するインクジェット式記録装置100は、インクの色ごとに設けられた複数のインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という)5K,5C,5M,5Yを有する印字部102と、各ヘッド5K,5C,5M,5Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、印字部102のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部102による印字結果を読み取る印字検出部124と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とから概略構成されている。
印字部102をなすヘッド5K,5C,5M,5Yが、各々上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド5である。
デカール処理部120では、巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130により記録紙116に熱が与えられて、デカール処理が実施される。
ロール紙を使用する装置では、図6のように、デカール処理部120の後段に裁断用のカッター128が設けられ、このカッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置される。カット紙を使用する装置では、カッター128は不要である。
ロール紙を使用する装置では、図6のように、デカール処理部120の後段に裁断用のカッター128が設けられ、このカッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置される。カット紙を使用する装置では、カッター128は不要である。
デカール処理され、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)となるよう構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示略)が形成されている。ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図示略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図6上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図6の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部102の上流側に、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後に乾きやすくなる。
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部102の上流側に、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後に乾きやすくなる。
印字部102は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図7を参照)。各印字ヘッド5K,5C,5M,5Yは、インクジェット式記録装置100が対象とする最大サイズの記録紙116の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙116の送り方向に沿って上流側から、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド5K,5C,5M,5Yが配置されている。記録紙116を搬送しつつ各ヘッド5K,5C,5M,5Yからそれぞれ色インクを吐出することにより、記録紙116上にカラー画像が記録される。
印字検出部124は、印字部102の打滴結果を撮像するラインセンサ等からなり、ラインセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まり等の吐出不良を検出する。
印字検出部124の後段には、印字された画像面を乾燥させる加熱ファン等からなる後乾燥部142が設けられている。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
印字検出部124の後段には、印字された画像面を乾燥させる加熱ファン等からなる後乾燥部142が設けられている。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部142の後段には、画像表面の光沢度を制御するために、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144では、画像面を加熱しながら、所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で画像面を加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして得られたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット式記録装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示略)が設けられている。
大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列にプリントする場合には、カッター148を設けて、テスト印字の部分を切り離す構成とすればよい。
インクジェット記記録装置100は、以上のように構成されている。
大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列にプリントする場合には、カッター148を設けて、テスト印字の部分を切り離す構成とすればよい。
インクジェット記記録装置100は、以上のように構成されている。
本発明に係る実施例について説明する。
(実施例1−1)
上記第1実施形態のスパッタリング装置を用いて成膜を実施した。詳細には、図8Aに平面図を示すように、スパッタリングターゲットとして、90mmφのPZT(Pb1.3Zr0.52Ti0.48O3)ターゲット上に、中心から30mmのところに、1mm厚・5mm角のNb2O5焼結体ターゲットチップを計6枚一列に互いに離間させて配置したものを用意した。成膜基板としては、イリジウム下部電極を成膜したシリコン基板(25mm角)を用意した。図8Bに示すように、基板中心とターゲット中心とを位置合わせし、ターゲット−基板間距離(TS間距離)Lを60mmとした。200WのRF電力を投入して4時間成膜を行い、4μm厚のNbドープPZT圧電体膜の成膜を行った。得られた圧電体膜の膜厚の面内ばらつきは4.0±0.2μm以内であり、略均一厚の圧電体膜が得られた。
上記第1実施形態のスパッタリング装置を用いて成膜を実施した。詳細には、図8Aに平面図を示すように、スパッタリングターゲットとして、90mmφのPZT(Pb1.3Zr0.52Ti0.48O3)ターゲット上に、中心から30mmのところに、1mm厚・5mm角のNb2O5焼結体ターゲットチップを計6枚一列に互いに離間させて配置したものを用意した。成膜基板としては、イリジウム下部電極を成膜したシリコン基板(25mm角)を用意した。図8Bに示すように、基板中心とターゲット中心とを位置合わせし、ターゲット−基板間距離(TS間距離)Lを60mmとした。200WのRF電力を投入して4時間成膜を行い、4μm厚のNbドープPZT圧電体膜の成膜を行った。得られた圧電体膜の膜厚の面内ばらつきは4.0±0.2μm以内であり、略均一厚の圧電体膜が得られた。
<組成分布>
EDX測定を実施して、得られた膜におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合(モル%)の分布を測定した。結果を図9に示す。図9は膜の平面図であり、膜面9箇所におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合のデータ分布を示してある。図示するように、膜面位置によってNb量の異なる圧電体膜が得られた。膜の両端におけるNb量の差は30%程度であった。
EDX測定を実施して、得られた膜におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合(モル%)の分布を測定した。結果を図9に示す。図9は膜の平面図であり、膜面9箇所におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合のデータ分布を示してある。図示するように、膜面位置によってNb量の異なる圧電体膜が得られた。膜の両端におけるNb量の差は30%程度であった。
本発明者は別途、略均一組成の90mmφのPZTNターゲット(Pb1.3(Zr0.52Ti0.48)0.88Nb0.12O3)を用いて、上記と同様に成膜及び評価を実施した。このときに成膜された膜は、膜面全体でNb/(Zr+Ti+Nb)の割合が12〜13モル%と略均一であった。この場合の最高濃度と最低濃度との差は8%程度である。
組成が略均一なターゲットの表面に、該ターゲットより面積が小さく、かつ該ターゲットの組成とは異なるターゲットチップが取り付けられたスパッタリングターゲットを用いて成膜を行うことにより、面内方向に組成分布を有する膜を成膜できることが示された。
<シミュレーション>
本実施例では、スパッタリングターゲットとして、PZTターゲット上に、複数のNb2O5焼結体ターゲットチップを一列に配置したものを用いたので、ターゲットチップの配列方向に対して垂直方向とスパッタリングターゲットの表面の法線方向との2次元シミュレーションを実施した。図10に示すように、基板中心を原点とし、基板面においてターゲットチップの配列方向に対して垂直方向をx軸とし、Nb2O5焼結体ターゲットチップのx軸方向の位置をa(mm)とした。ターゲット中心から見て、ターゲットチップを置いた側をx軸の−側とした。
本実施例では、スパッタリングターゲットとして、PZTターゲット上に、複数のNb2O5焼結体ターゲットチップを一列に配置したものを用いたので、ターゲットチップの配列方向に対して垂直方向とスパッタリングターゲットの表面の法線方向との2次元シミュレーションを実施した。図10に示すように、基板中心を原点とし、基板面においてターゲットチップの配列方向に対して垂直方向をx軸とし、Nb2O5焼結体ターゲットチップのx軸方向の位置をa(mm)とした。ターゲット中心から見て、ターゲットチップを置いた側をx軸の−側とした。
Nb2O5焼結体ターゲットチップからスパッタリング粒子(=Nbイオン粒子)が180°方向に等方的に飛ぶと仮定すると、Nb2O5焼結体ターゲットチップからdθの方向に飛んでいくスパッタリング粒子の割合は下記式(1)で表され、基板平面上の任意の地点x(mm)におけるチップ成分の濃度(=Nb濃度)は下記式(2)で表される。下記式(2)に基づけば、−∞<x<+∞のチップ成分の濃度を積分したものが、チップからのすべてのスパッタリング粒子の合計を示すこととなる(式(3))。
Nb2O5ターゲットチップをPZTターゲット中心a=0(mm)に取り付けた場合と、a=−30(mm)に取り付けた場合について、基板平面上の任意の地点x(mm)におけるチップ成分の濃度(=Nb濃度)のシミュレーション結果を図11A(−50≦x≦50)及び図11B(−12.5≦x≦12.5)に示す。図11Bは、基板サイズ内(25mm角)のデータである。
a=0(mm)としたときの最高Nb濃度と最低Nb濃度との差は4%程度であるのに対し、a=−30(mm)としたときの最高Nb濃度と最低Nb濃度との差は30%程度と求められた。この結果は上記実測データと略一致している。用いるスパッタリングターゲットの組成分布から、どのような組成分布の膜が成膜されるかは、シミュレーションによってある程度予測可能であることが示された。
(実施例1−2)
スパッタリングターゲットとして、90mmφのPZT(Pb1.3Zr0.52Ti0.48O3)ターゲット上に、中心から30mmのところに、1mm厚・5mm角のNb2O5焼結体ターゲットチップを計10枚一列に互いに離間させて配置したものを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、圧電体膜の成膜を実施した。
スパッタリングターゲットとして、90mmφのPZT(Pb1.3Zr0.52Ti0.48O3)ターゲット上に、中心から30mmのところに、1mm厚・5mm角のNb2O5焼結体ターゲットチップを計10枚一列に互いに離間させて配置したものを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、圧電体膜の成膜を実施した。
<組成分布>
実施例1−1と同様にEDX測定を実施して、得られた膜におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合(モル%)の分布を測定した。結果を図12に示す。図12は膜の平面図であり、膜面12箇所におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合のデータ分布を示してある。図示するように、膜面位置によってNb量の異なる圧電体膜が得られた。Nb2O5ターゲットチップの個数を増加させた本実施例では、実施例1−1よりも最高Nb濃度と最低Nb濃度との差を大きくすることができた。
実施例1−1と同様にEDX測定を実施して、得られた膜におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合(モル%)の分布を測定した。結果を図12に示す。図12は膜の平面図であり、膜面12箇所におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合のデータ分布を示してある。図示するように、膜面位置によってNb量の異なる圧電体膜が得られた。Nb2O5ターゲットチップの個数を増加させた本実施例では、実施例1−1よりも最高Nb濃度と最低Nb濃度との差を大きくすることができた。
<基板平面上の特定地点におけるチップ成分の絶対濃度の予測>
実施例1−1及び実施例1−2の条件について各々、1個の5mm角のNb2O5ターゲットチップのNb濃度を1として、実施例1−1で説明したのと同様に、基板平面上の任意の地点x(mm)におけるNb濃度のシミュレーションを実施した。このシミュレーション条件では、チップを6個用いた実施例1−1では、基板平面上の任意の地点x(mm)におけるNb濃度のx=−∞〜+∞における積分値は6となり、チップを10個用いた実施例1−2では、同積分値は10となる。
実施例1−1及び実施例1−2の条件について各々、1個の5mm角のNb2O5ターゲットチップのNb濃度を1として、実施例1−1で説明したのと同様に、基板平面上の任意の地点x(mm)におけるNb濃度のシミュレーションを実施した。このシミュレーション条件では、チップを6個用いた実施例1−1では、基板平面上の任意の地点x(mm)におけるNb濃度のx=−∞〜+∞における積分値は6となり、チップを10個用いた実施例1−2では、同積分値は10となる。
実施例1−1及び実施例1−2の条件について各々、基板上のx=−12(mm)とx=12(mm)の地点におけるNb濃度をシミュレーションで求めた。これら地点におけるNb濃度のシミュレーション値と、同じ地点におけるNb濃度のEDXによる実測値(実測Nb濃度はBサイト中のNb濃度である。)との関係をプロットしたのが図13である。図13に示すように、チップ濃度を変えたときの基板平面上の特定地点における実測Nb濃度の検量線が得られれば、シミュレーションから、任意の濃度のチップを用いたときの基板平面上の特定地点におけるチップ成分の絶対濃度を予測することが可能である。
(実施例2−1)
上記第2実施形態のスパッタリング装置を用いて成膜を実施した。詳細には、図14Aに平面図を示すように、スパッタリングターゲットとして、PZTターゲット上に、中心から10mm、20mm、及び30mmの位置にNb2O5焼結体ターゲットチップを2枚ずつ、計6枚配置したものを用意し(PZTターゲットのサイズ、Nb2O5焼結体ターゲットチップのサイズは実施例1−1と同様)、さらにこのスパッタリングターゲット上に垂直に遮蔽板を設置した以外は実施例1−1と同様にして、圧電体膜の成膜を実施した。
上記第2実施形態のスパッタリング装置を用いて成膜を実施した。詳細には、図14Aに平面図を示すように、スパッタリングターゲットとして、PZTターゲット上に、中心から10mm、20mm、及び30mmの位置にNb2O5焼結体ターゲットチップを2枚ずつ、計6枚配置したものを用意し(PZTターゲットのサイズ、Nb2O5焼結体ターゲットチップのサイズは実施例1−1と同様)、さらにこのスパッタリングターゲット上に垂直に遮蔽板を設置した以外は実施例1−1と同様にして、圧電体膜の成膜を実施した。
遮蔽板は、スパッタリングターゲットの中心を通り、Nb2O5焼結体ターゲットチップの配列パターンと平行になるように、配置した。遮蔽板としては、高さ40mm、厚さ0.6mmのガラス板を用いた。図14Bに、基板とスパッタリングターゲットと遮蔽板の位置関係を示す。
<組成分布>
実施例1−1と同様にEDX測定を実施して、得られた膜におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合(モル%)の分布を測定した。結果を図15に示す。図15は膜の平面図であり、膜面12箇所におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合のデータ分布を示してある。図示するように、膜面位置によってNb量の異なる圧電体膜が得られた。膜の左右でNb量が大きく異なり、最高Nb濃度は最低Nb濃度の3〜4倍程度であった。
実施例1−1と同様にEDX測定を実施して、得られた膜におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合(モル%)の分布を測定した。結果を図15に示す。図15は膜の平面図であり、膜面12箇所におけるNb/(Zr+Ti+Nb)の割合のデータ分布を示してある。図示するように、膜面位置によってNb量の異なる圧電体膜が得られた。膜の左右でNb量が大きく異なり、最高Nb濃度は最低Nb濃度の3〜4倍程度であった。
<シミュレーション>
実施例2−1においても、ターゲットチップの配列方向に対して垂直方向とスパッタリングターゲットの表面の法線方向との2次元シミュレーションを実施した。
実施例2−1においても、ターゲットチップの配列方向に対して垂直方向とスパッタリングターゲットの表面の法線方向との2次元シミュレーションを実施した。
はじめに、図16A及び図16Bに示すように、実施例1−1と同様に、スパッタリングターゲットとして、PZTターゲット上に、中心から20mmのところにNb2O5焼結体ターゲットチップを計6枚一列に互いに離間させて配置したものを用いる場合について、シミュレーションを実施した(a=−20(mm))。この場合、Nb2O5ターゲットチップと遮蔽板との位置関係を考慮すれば、x≧10(mm)の位置にはNb粒子が蒸着されない。この条件で、遮蔽板の有無について各々シミュレーションを実施した結果を図17に示す。
Nb2O5焼結体ターゲットチップの設置位置a=−10、−20、−30(mm)に変えて、遮蔽板有りの条件で同様のシミュレーションを実施した結果を図18に示す。さらに、遮蔽板有りの条件で、a=−10(mm)、a=−20(mm)、及びa=−30(mm)に同時にNb2O5焼結体ターゲットチップを設置した場合(実施例2−1の実験条件と同一条件)のシミュレーション結果を同図に示す。
図18は、Nb濃度の全積分を1としたときのシミュレーション結果である。すなわち、a=−10、a=−20、及びa=−30に同時にNb2O5チップを設置した場合のシミュレーション結果は、a=−10にのみNb2O5チップを設置した場合のシミュレーション結果、a=−20にのみNb2O5チップを設置した場合のシミュレーション結果、a=−30にのみNb2O5チップを設置した場合のシミュレーション結果をそれぞれ1/3にして、これらを足し合わせたものとなっている。
シミュレーション結果と実測データとは完全一致ではないが、傾向は同様であった。用いるスパッタリングターゲットの組成分布と遮蔽板の大きさと設置位置から、どのような組成分布の膜が成膜されるかは、シミュレーションによってある程度予測可能であることが示された。
(実施例2−2)
図19に示すように、スパッタリングターゲットとして、PZTターゲット上に、遮蔽板の左方には、中心から10mm、20mm、30mmのところにNiO焼結体ターゲットチップ(チップ1)を2枚ずつ、計6枚配置し、遮蔽板の右方には、中心から10mm、20mm、30mmのところにNb2O5焼結体ターゲットチップ(チップ2)を2枚ずつ、計6枚配置する条件とする以外は、実施例2−1と同様の条件として、シミュレーションを実施した。
図19に示すように、スパッタリングターゲットとして、PZTターゲット上に、遮蔽板の左方には、中心から10mm、20mm、30mmのところにNiO焼結体ターゲットチップ(チップ1)を2枚ずつ、計6枚配置し、遮蔽板の右方には、中心から10mm、20mm、30mmのところにNb2O5焼結体ターゲットチップ(チップ2)を2枚ずつ、計6枚配置する条件とする以外は、実施例2−1と同様の条件として、シミュレーションを実施した。
結果を図20に示す。遮蔽板を境に異なる組成の焼結体ターゲットチップを配置することで、左右の添加物が異なる膜を成膜できることが示された。NiO焼結体ターゲットチップの代わりに、MgO焼結体ターゲットチップあるいはZnO焼結体ターゲットチップ等を用いることができる。
(実施例3)
<シミュレーション>
実施例1及び実施例2では2次元シミュレーションを行った場合について説明したが、本実施例では3次元シミュレーションを実施した。3次元シミュレーションにより、任意の位置にターゲットチップを設置した場合の膜の組成分布をある程度予測可能となる。
<シミュレーション>
実施例1及び実施例2では2次元シミュレーションを行った場合について説明したが、本実施例では3次元シミュレーションを実施した。3次元シミュレーションにより、任意の位置にターゲットチップを設置した場合の膜の組成分布をある程度予測可能となる。
スパッタリングターゲットとして、PZTターゲット上に、Nb2O5焼結体ターゲットチップを計3枚配置する場合(PZTターゲットのサイズ、Nb2O5焼結体ターゲットチップのサイズは実施例1−1と同様)について、シミュレーションを実施した。図21に平面図を示すように、ターゲットに平行な面をxy平面とし、複数のターゲットチップをx軸に平行に設置し、遮蔽板をy軸上に設置する場合を考えた。図示する例では、(5,−35)、(10,−35)、(15,−35)の座標に計3枚のターゲットチップを設置している。
図22に示すように、ターゲットチップのx軸方向の位置をa(mm)、y軸方向の位置をb(mm)とした。Nb2O5焼結体ターゲットチップからスパッタリング粒子(=Nbイオン粒子)が360°方向に等方的に飛ぶと仮定すると、Nb2O5焼結体ターゲットチップからdΩの方向に飛んでいくスパッタリング粒子の割合は下記式(4)で表され、基板平面上の任意の地点(x,y)におけるチップ成分の濃度(=Nb濃度)は下記式(5)で表される。下記式(5)に基づけば、−∞<x<+∞、−∞<y<+∞のチップ成分の濃度を積分したものが、チップからのすべてのスパッタリング粒子の合計を示すこととなる(式(6))。
(5,−35)、(10,−35)、(15,−35)の座標に計3枚のターゲットチップを設置した場合について、基板平面上の任意の地点(x,y)におけるチップ成分の濃度のシミュレーション結果を図23A及び図23Bに示す。図23Aは遮蔽板無しの条件、図23Bは遮蔽板有りの条件におけるシミュレーション結果である。
<組成分布>
(5,−35)、(10,−35)、(15,−35)の座標に計3枚のNb2O5ターゲットチップを設置し、遮蔽板有りの条件で成膜した場合について、実施例1−1と同様にEDX測定を実施して、得られた膜の(x,y)におけるNb濃度を測定した。結果を図24に示す。この図には図23Bに示したシミュレーション結果を合わせて図示してある。シミュレーション結果と実測データとは完全一致ではないが、傾向は同様であった。本発明者は、遮蔽板無しの条件では、シミュレーション結果と実測データとは略一致することを確認している。
(5,−35)、(10,−35)、(15,−35)の座標に計3枚のNb2O5ターゲットチップを設置し、遮蔽板有りの条件で成膜した場合について、実施例1−1と同様にEDX測定を実施して、得られた膜の(x,y)におけるNb濃度を測定した。結果を図24に示す。この図には図23Bに示したシミュレーション結果を合わせて図示してある。シミュレーション結果と実測データとは完全一致ではないが、傾向は同様であった。本発明者は、遮蔽板無しの条件では、シミュレーション結果と実測データとは略一致することを確認している。
本発明の技術は、圧電体膜等の無機膜の成膜に好ましく適用することができる。
1,2 スパッタリング装置
20 スパッタリングターゲット
21 組成が略均一なターゲット
22 ターゲットチップ
23,24 互いに接合する形状に加工された組成の異なる複数のターゲット
41 遮蔽板
B 成膜基板
M 成膜中の膜
3 圧電素子
5 インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)
52 下部電極
53 圧電体膜(無機膜)
54 上部電極
60 インクノズル(液体貯留吐出部材)
61 インク室(液体貯留室)
62 インク吐出口(液体吐出口)
100 インクジェット式記録装置
20 スパッタリングターゲット
21 組成が略均一なターゲット
22 ターゲットチップ
23,24 互いに接合する形状に加工された組成の異なる複数のターゲット
41 遮蔽板
B 成膜基板
M 成膜中の膜
3 圧電素子
5 インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)
52 下部電極
53 圧電体膜(無機膜)
54 上部電極
60 インクノズル(液体貯留吐出部材)
61 インク室(液体貯留室)
62 インク吐出口(液体吐出口)
100 インクジェット式記録装置
Claims (22)
- 面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜されたものであることを特徴とする無機膜。
- 前記スパッタリングターゲットとして、組成が略均一なターゲットの表面の所定箇所に、該ターゲットより面積が小さく、かつ該ターゲットの組成とは異なる単数又は複数のターゲットチップが取り付けられたものを用いて成膜されたものであることを特徴とする請求項1に記載の無機膜。
- 前記スパッタリングターゲットとして、互いに接合する形状に加工された組成の異なる複数のターゲットが接合されたものを用いて成膜されたものであることを特徴とする請求項1に記載の無機膜。
- 3.0μm以上の膜厚を有し、かつ、少なくとも1つの構成元素について、最高濃度と最低濃度との差が最高濃度100%に対して20%以上である面内方向の濃度分布を有することを特徴とする無機膜。
- 金属膜、半導体膜、絶縁体膜、及びこれらの複合膜のうちいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機膜。
- 酸化物膜であることを特徴とする請求項5に記載の無機膜。
- 圧電体膜であることを特徴とする請求項5又は6に記載の無機膜。
- 下記一般式(P)で表される1種又は2種以上のペロブスカイト型酸化物からなる(不可避不純物を含んでいてもよい)ことを特徴とする請求項7に記載の無機膜。
ABO3・・・(P)
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,La,Sr,Bi,Li,Na,Ca,Cd,Mg,及びKからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe,Ni,及びランタニド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素元素、
Aサイト元素の総モル数及びBサイト元素の総モル数の、酸素原子のモル数に対する比は、それぞれ1:3が標準であるが、ペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1:3からずれてもよい。) - 多数の柱状体からなる柱状構造膜であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の無機膜。
- 面内方向に組成分布を有するスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜を行うことを特徴とする無機膜の製造方法。
- 前記スパッタリングターゲットとして、組成が略均一なターゲットの表面の所定箇所に、該ターゲットより面積が小さく、かつ該ターゲットの組成とは異なる単数又は複数のターゲットチップが取り付けられたものを用いることを特徴とする請求項10に記載の無機膜の製造方法。
- 前記スパッタリングターゲットとして、互いに接合する形状に加工された組成の異なる複数のターゲットが接合されたものを用いることを特徴とする請求項10に記載の無機膜の製造方法。
- 前記スパッタリングターゲットと成膜基板との間に、前記スパッタリングターゲットの特定領域から前記成膜基板の特定領域に対するスパッタリングを遮蔽する単数又は複数の遮蔽板を設置して、成膜を行うことを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の無機膜の製造方法。
- 前記遮蔽板を前記スパッタリングターゲットの表面の法線方向に対して±30°以内の角度で設置して、成膜を行うことを特徴とする請求項13に記載の無機膜の製造方法。
- 請求項7又は8に記載の無機膜と、該無機膜に対して電界を印加する電極とを備えたことを特徴とする圧電素子。
- 請求項15に記載の圧電素子と、
液体が貯留される液体貯留室及び該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口を有する液体貯留吐出部材とを備えたことを特徴とする液体吐出装置。 - 面内方向に組成分布を有することを特徴とするスパッタリングターゲット。
- 組成が略均一なターゲットの表面の所定箇所に、該ターゲットより面積が小さく、かつ該ターゲットの組成とは異なる単数又は複数のターゲットチップが取り付けられたものであることを特徴とする請求項17に記載のスパッタリングターゲット。
- 互いに接合する形状に加工された組成の異なる複数のターゲットが接合されたものであることを特徴とする請求項17に記載のスパッタリングターゲット。
- 請求項17〜19のいずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いるものであることを特徴とするスパッタリング装置。
- 前記スパッタリングターゲットと成膜基板との間に設置され、前記スパッタリングターゲットの特定領域から前記成膜基板の特定領域に対するスパッタリングを遮蔽する単数又は複数の遮蔽板を備えたことを特徴とする請求項20に記載のスパッタリング装置。
- 前記遮蔽板は、前記スパッタリングターゲットの表面の法線方向に対して±30°以内の角度で設置されることを特徴とする請求項21に記載のスパッタリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008035769A JP2008274401A (ja) | 2007-04-02 | 2008-02-18 | 無機膜とその製造方法、圧電素子、液体吐出装置、スパッタリングターゲット、及びスパッタリング装置 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP4885333B1 (ja) * | 2010-09-03 | 2012-02-29 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 強磁性材スパッタリングターゲット |
CN103590013A (zh) * | 2013-11-04 | 2014-02-19 | 南昌工程学院 | 一种用解析法预测成分制备Fe-Ga合金薄膜的方法 |
JP2015029006A (ja) * | 2013-07-30 | 2015-02-12 | 京セラ株式会社 | 圧電アクチュエータ基板、それを用いた液体吐出ヘッドおよび記録装置 |
WO2021103478A1 (zh) * | 2019-11-28 | 2021-06-03 | 肇庆市华师大光电产业研究院 | 一种铋酸铜薄膜的制备方法 |
-
2008
- 2008-02-18 JP JP2008035769A patent/JP2008274401A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4885333B1 (ja) * | 2010-09-03 | 2012-02-29 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 強磁性材スパッタリングターゲット |
WO2012029331A1 (ja) * | 2010-09-03 | 2012-03-08 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 強磁性材スパッタリングターゲット |
CN103038388A (zh) * | 2010-09-03 | 2013-04-10 | 吉坤日矿日石金属株式会社 | 强磁性材料溅射靶 |
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WO2021103478A1 (zh) * | 2019-11-28 | 2021-06-03 | 肇庆市华师大光电产业研究院 | 一种铋酸铜薄膜的制备方法 |
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