JP2008271465A - 携帯通信端末、位置特定システム、位置特定サーバ - Google Patents

携帯通信端末、位置特定システム、位置特定サーバ Download PDF

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Kosuke Tsujita
孝介 辻田
Hiromi Hirata
裕己 平田
Kenji Oi
健治 大井
Kyoichi Takano
恭一 高埜
Kazuaki Okamoto
一晃 岡本
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Abstract

【課題】屋内環境において位置を簡易に特定する技術を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態の位置特定システム100は、音源からの音声信号を携帯通信端末10に取得させることによって、音声信号の受信位置を特定する。具体的には、音源の情報を記憶する携帯通信端末10において、音源からの音声信号を取得し、取得した音声信号の情報と、あらかじめ記憶している音源の情報とを比較して、音源の設置される位置をもとに、音声信号の受信位置を特定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、位置特定技術に関し、特に、端末の位置を特定する携帯通信端末、位置特定システム、位置特定サーバに関する。
携帯通信端末の普及が進む現在、携帯通信端末を利用して、そのユーザの周囲の状況情報を管理者等に伝達する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−157666号公報
携帯通信端末を携帯するユーザの周囲の状況情報として代表的なものは、ユーザの位置情報であるが、現在、GPS(Global Positioning System)を利用して、携帯通信端末等の位置を特定することが可能である。また、無線基地局と携帯通信端末との通信により携帯通信端末の位置を特定することも可能である。
しかし、前述したGPSを利用した位置特定では、建物内の位置を特定する場合、特定する位置の精度が悪化しやすい。また、無線基地局を利用した位置特定では、建物内に無線基地局を設置する必要があるため、認可および高額な費用が必要とされ、簡易な実現が困難である。
本発明はこうした状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、屋内環境において位置を簡易に特定する技術を提供することである。
本発明のある態様は、携帯通信端末に関する。この携帯通信端末は、音源が設置される位置の情報と、音源から出力される音声の内容の情報とを対応づけながら記憶する記憶部と、音源からの音声信号を取得する取得部と、取得した音声信号の音声の内容をもとに、記憶部を参照することによって、音声信号を出力した音源と、その音源の位置とを特定する特定部と、特定部により特定された位置を通知する通知部と、を備える。
携帯通信端末とは、持ち運び可能で、他の通信機器・通信ネットワーク・通信端末等との通信が可能な機器をいう。本明細書において、情報通信端末には、少なくとも携帯電話端末が含まれる。その他、通信が可能で、スケジュール・住所録・メモなどの情報を携帯して扱うための携帯情報端末も含まれる概念である。
本発明の別の態様も、携帯通信端末に関する。この携帯通信端末は、複数の音源のそれぞれに対して、設置される位置の情報と、出力される音声の内容の情報と、出力される音量の情報とを対応づけながら記憶する記憶部と、複数の音源のそれぞれから受信した音声信号を取得する取得部と、取得した音声信号を音声の音源単位に分離するとともに、分離した音声の音源単位に音量を測定する導出部と、導出部において分離した音声の内容をもとに、記憶部を参照することによって、設置される位置と、出力される音量と、測定した音量とを対応付けた後、出力される音量と測定した音量とをもとに各音源からの距離を導出し、各音源からの距離と設置される位置とをもとに音声信号を受信した位置を特定する特定部と、特定部により特定された位置を通知する通知部と、を備える。
本発明のさらに別の態様は、位置特定システムに関する。この位置特定システムは、音源から音声信号を受信して、その音声信号を出力する第1の携帯通信端末と、第1の携帯通信端末から音声信号を取得して、その音声信号をもとに第1の携帯通信端末の位置を特定して通知する第2の携帯通信端末と、を備える。第2の携帯通信端末は、取得した音声信号の音声の内容をもとに、音源が設置される位置の情報と、音源から出力される音声の内容の情報とを対応づけながら記憶するメモリを参照することによって、音声信号を出力した音源と、その音源の位置とを特定することで、第1の携帯通信端末が音声信号を受信した位置を特定する。
本発明のさらに別の態様は、位置特定サーバに関する。この位置特定サーバは、音源が設置される位置の情報と、音源から出力される音声の内容の情報とを対応づけながら記憶する記憶部と、音源からの音声信号を取得する取得部と、取得した音声信号の音声の内容をもとに、記憶部を参照することによって、音声信号を出力した音源と、その音源の位置とを特定する特定部と、特定部により特定された位置を通知する通知部と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システム、プログラム、プログラムを格納した記憶媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、屋内環境において位置を簡易に特定できる。
以下、本発明の実施形態を説明する前に、実施形態の概要を説明する。現在、ショッピングセンター等の大規模な建物が多く建設されており、その建物内で子供や老人等(以下、「被保護者」と呼ぶ。)の所在が不明になった場合、保護者が被保護者を探すのが困難な状況が多く発生している。被保護者は、携帯通信端末を持っていたとしても、そもそも携帯通信端末の操作が困難な場合もあり、また、携帯通信端末を操作できたとしても現在位置を保護者に伝えることが困難な場合もある。そのため、被保護者に負担をかけることなく、保護者が被保護者の位置を特定できる技術が求められている。前述のごとく、GPSや無線基地局を利用した位置の特定では、特に建物内の場合、特定できる位置の精度が悪化しやすく、また、認可や高額な費用が必要とされ、簡易な実現が困難であるという課題があった。
ここでは、この課題を解決する技術として、固定した音源から出力された音声信号をもとに位置を特定する。周囲の音声をもとに位置を特定するため、建物内であっても精度よく位置を特定することができる。また、無線基地局のような高額な新規インフラを導入する必要は無く、スピーカのような既存のインフラを活用できるため、低コストで簡易な実現が可能となる。以下、実施形態を開示する。
図1は、本発明の実施形態に係る位置特定システムの構成例を示す図である。位置特定システム100は、携帯通信端末10、音源装置12と総称される第1の音源装置12a、第2の音源装置12b、第3の音源装置12cとを含む。携帯通信端末10は、基本的な機能として携帯電話端末機能を備え、付加的な機能として図示しないマイクで音源装置12からの音声信号を受信して現在の位置を特定する。基本的な機能としての携帯電話端末機能は公知の技術であるため、以下説明を省略する。音源装置12は、特定の位置に設置される装置であり、予め定められた内容の音声を、予め定められた音量で出力する。
図2は、本発明の実施形態に係る携帯通信端末10の構成を示す機能ブロック図である。携帯通信端末10は、取得部20、通知部30、記憶部40、導出部50、特定部60、判定部70を備える。これらの構成は、ハードウェアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。なお、後述する図12においても同様である。
取得部20は、複数の音源のそれぞれから受信した音声信号を取得する。具体的には、図示しないマイクで音声信号を取得してアナログの電気信号に変換し、その電気信号をアナログ−デジタル変換によりデジタルの音声信号に変換する。なお、この音声信号は、通常、複数の音源からの音声が混じり合った音声(以下、「混合音声」と呼ぶ。)の信号(以下、「混合音声信号」と呼ぶ。)である。また、単一の音源の音声とその信号を、それぞれ「要素音声」、「要素音声信号」と呼ぶことにする。以下、特に断らない場合、「音声信号」、「混合音声信号」、および「要素音声信号」には、アナログ、デジタル両方の音声信号が含まれるものとする。
記憶部40は、複数の音源のそれぞれに対して、設置される位置の情報と、出力される要素音声の内容の情報と、出力される音量の情報とを対応付けながら記憶する。図3は、記憶部が記憶するデータの構造を例示した図である。同図において、音源欄200は、各音源名を示す。座標欄202は、音源の位置を示すデータを格納する領域である。このデータは、記憶部が保持する図示しない地図情報に含まれる、特定の地点の識別情報であってもよい。例えば、図3の座標欄202のように、図示しない地図の特定の地点を原点とし、そこからXY座標軸で音源の位置を特定してもよい。また、経度・緯度で音源の位置を特定してもよい。
キーワード欄204は、要素音声の内容の情報に相当し、各音源を識別するためのデータを格納する領域である。この例では、音声に含まれる言葉であって、音源を一意に特定できる言葉が格納されている。なお、キーワード欄204に格納されるデータは、音楽データでもよく、または他の要素音声と区別可能な周波数や周期を示すデータでもよい。音量欄206は、各音源で出力する音声の音量を保持する。以下、図3で例示した、記憶部40が記憶するデータを、「登録音源テーブル」と、登録音源テーブルに保持される音源、座標、キーワード、音量とが対応づけられた各レコードを「登録音源レコード」と、登録音源レコードに保持される音源のキーワード欄204の内容を、「キーワード」と呼ぶことにする。図2による説明に戻る。
導出部50は、取得部20が取得した混合音声信号を、音源単位に分離して要素音声信号を抽出するとともに、要素音声の音量を測定する。例えば、図1の3つの音源装置12の混合音声信号から、第1の音源装置12aの要素音声信号と、第2の音源装置12bの要素音声信号と、第3の音源装置12cの要素音声信号とを分離する。なお、以降の説明において、図1の第1の音源装置12a、第2の音源装置12b、および第3の音源装置12cは、それぞれ、図3の音源A、音源B、音源Cに対応するものとする。また、携帯通信端末10の地点での第1の音源装置12a、第2の音源装置12b、および第3の音源装置12cの要素音声の音量は、それぞれ、a’、b’、c’であるものとする。
混合音声信号を、要素音声信号に分離するのは、公知の技術を使用する。例えば、独立成分分析を用いて音源分離を行ってもよく、指向特性を制御することによって所望の音源を取得してもよく、また、フーリエ変換による周波数解析を用いて特定の周波数の音声を取得してもよい。音量の測定は、例えば、要素音声信号を抽出した後、その電力の大きさを測定することにより算出できる。
特定部60は、導出部50において取得した要素音声の内容をもとに、記憶部40を参照して、その音声の内容を有する特定の登録音源レコードを取得し、音源が設置される位置と、音源より出力される音量と、測定された要素音声の音量を対応づける。具体的には、例えば、導出部50において、要素音声として「本日は全店特売日」が抽出された場合、特定部60は、図3の登録音源テーブルを参照して、その要素音声が有するキーワードに対応する音源Aの登録音源レコードを取得する。次に、音源Aの座標「15,40」と、音源Aが出力する音量「a」と、導出部50において測定された音量「a’」とを対応づける。
次に、特定部60は、音源より出力される音量と測定した音量とをもとに音源からの距離を導出する。この例では、音量aと音量a’の大きさに基づいて音源Aからの距離を求めることができる。一般に、音声信号の電力の減衰は距離の二乗に反比例するため、距離をrとすると、例えば、a’=a/4πrの式に基づき距離rの値を導出できる。なお、建物の中での音声信号の電力の減衰は、音源から音声信号受信位置までの、建物の構造等の環境に依存するため、携帯通信端末10を設置する建物内で事前に音源からの距離と減衰との関係を算出しておくことが望ましい。以上の処理を各要素音声の信号それぞれに行うことで、複数の音源からの距離を導出する。最後に、特定部60は、各音源からの距離と音源が設置される位置とをもとに、例えば三点測量を行い、音声信号を受信した位置を特定する。
通知部30は、特定部60により特定された位置を他の主体に通知する。他の主体は、例えば、携帯通信端末10が備えるユーザインタフェイスでもよいし、他のシステム・ハードウェア・ソフトウェアであってもよい。例えば、通知部30は、図示しないディスプレイ、スピーカを介して特定された位置を通知する。図4は、通知部30により通知された位置情報がディスプレイに表示された画面例である。同図では、位置を特定する対象としてショッピングセンターの全体領域208において、音声信号受信位置210が特定された状態を示している。この表示は、通知部30により通知された位置情報を、図示しない表示部が地図情報と対応づけてディスプレイに表示させたものである。
判定部70については後述する。
位置の特定における携帯通信端末10の動作について、以下、図5および図6を用いてさらに具体的に説明する。
図5は、図2の携帯通信端末10における音声信号の受信位置を特定する処理の流れを示すフローチャートである。まず、取得部20は、各音源が出力する音声が混じり合った混声音声の信号を取得する(S2)。導出部50は、混合音声信号から、音源装置12の音源それぞれの要素音声信号に分離し、さらに、各要素音声の音量を測定する(S4)。この例の場合、前述したように、各音源に係る要素音声の音量はそれぞれa’、b’、c’として測定される。特定部60は、要素音声毎に、各音源からの距離を算出する(S6、S8、およびS10)。最後に特定部60は、各音源からの距離をもとに、音声信号を受信した位置を特定する(S12)。この例では、第1の音源装置12aの座標「15,40」からの距離、第2の音源装置12bの座標「35,50」からの距離、および第3の音源装置12cの座標「10,10」からの距離をもとに位置を特定する。
図6は、図5のS8のステップを詳細に説明するフローチャートである。特定部60は、記憶部40が記憶する登録音源レコードを参照し(S22)、要素音声の内容、例えば「本日は全店特売日」が、登録音源レコードのキーワードを含んでいるかを確認する(S24)。含んでいなかった場合(S24のN)、登録された音源からの音声ではないため、その要素音声の処理を終了する。含んでいた場合(S24のY)、そのキーワードに対応する音源の設置される位置と、出力される音量とを登録音源レコードから取得し、それらと測定した音量とを対応づける(S26)。そして、音源から出力される音量と測定した音量とをもとに各音源からの距離を導出する(S28)。この例では、第1の音源装置12aからの音声信号に関し、出力される音量はaであり、測定した音量はa’である。したがって、音量aと音量a’の大きさに基づいて、第1の音源装置12aから携帯通信端末10までの距離を求めることができる。第2の音源装置12bから携帯通信端末10までの距離、および第3の音源装置12cから携帯通信端末10までの距離についても、同様に、音量bと音量b’、および音量cと音量c’の大きさに基づいて導出することができる。
本実施の形態によれば、音声データをもとに音声信号を受信した位置を特定するので、GPSを利用する場合と異なり、建物内であっても精度よく位置を特定することができる。また、建物内に高額な無線基地局等を新たに設置する必要がなく、例えば建物内に既に設置されている音源と、その音源から発せられる広告音声や案内音声等の既存のインフラを活用できる。また、携帯通信端末10を導入する事業者等の導入コストを低減させ、位置特定システム100の簡易な実現を可能にする。
次に、変形例として、音声信号の受信位置特定の精度を高める方法について説明する。図7は、位置特定の精度が悪化する状況を模式的に例示した図である。同図では、第1の音源装置214a、第2の音源装置214b、第3の音源装置214c、および会話をしている人である音源216からの音声信号を、音声信号受信位置212で受信している。なお、音声信号受信位置212では、第4の音源装置214dからの音声信号は受信できないこととする。また、第1の音源装置214a、第2の音源装置214b、第3の音源装置214c、第4の音源装置214dは、それぞれ、図3の音源A、音源B、音源C、音源Dに対応することとする。また音源216からの要素音声の内容には、音源Dのキーワードである「冬物大セール」という言葉が含まれているものとし、音声信号受信位置212でのその要素音声の音量はx’であるとする。
通常、音源216の音声の内容は、記憶部40が持つキーワードを含まないため、前述した図6のS24のステップにおいて排除できる。しかし、この例の場合、図3の登録音源テーブルには、音源Dのキーワードとして「冬物大セール」という言葉が登録されているため、図6のS24のステップでは排除できない。したがって、特定部60は、第4の音源装置214dから音量がx’の大きさで音声が届いているものとして第4の音源装置214dからの距離を導出し、それを含めて音声信号の受信位置を特定しようとする。その結果、実際の音声信号受信位置212と算出される音声信号受信位置とのずれが大きくなる場合がある。
図7の音源216は、代表的には通行人のような移動する物体であり、移動する物体が発生する音声は、例えばドップラー効果により、固定音源の音声とは音声の波形が異なる。具体的には、移動する物体が音声信号受信位置212に対し接近する場合には、その物体が発する音声信号の周期は短くなり、逆に離れる場合にはその音声信号の周期は長くなる。したがって、携帯通信端末10は、音声の波形を比較することにより、位置特定において排除すべき音源、例えば移動する物体の、要素音声を除外できる。
この変形例にかかる携帯通信端末10の構成は、前述した図2の構成と同様のタイプである。つまり、記憶部40が記憶する登録音源テーブルのキーワード欄204には、要素音声の波形の情報が含まれる。音声の波形の情報とは、音声信号の周期や周波数の情報である。判定部70は、導出部50において分離された音声信号をもとに、キーワードに対応する部分の波形を抽出し、記憶部40が記憶するキーワードの音声の波形と比較し、波形の差異が所定の閾値よりも大きい音声を排除対象音声として判定する。例えば、判定部70は、前述した2つの音声の波形を並べて比較し、周期の長短や周波数の高低での差異を累積する。そして累積された差異が所定の閾値を超えた場合、導出部50において分離された音声信号を、排除対象音声とする。特定部60は、判定部70により排除対象音声として判定された音声を、音声信号の受信位置を特定する処理から除外する。なお、この閾値についても、建物内の場所が違えば通行人の移動速度は異なり、したがって最適な閾値は異なると考えられるため、建物内の場所に応じて、事前に最適な閾値を測定しておくことが望ましい。
図8は、この変形例における図6のフローチャートに相当するフローチャートである。図8のS32、S34、S38、S40については、それぞれ、図6のS22、S24、S26、S28と同様であるため、S36について説明する。特定部60が、要素音声の内容がいずれかの登録音源レコードのキーワードを含むことを確認した後(S34のY)、判定部70は、その要素音声の波形と、登録音源レコードのキーワードの音声の波形とを比較して、その差異が所定の閾値の範囲内であるかを判定する(S36)。差異の大きさが閾値の範囲を超えていた場合(S36のN)、判定部70はその要素音声を排除対象音声と判定し、特定部60はその要素音声の処理を終了する。差異の大きさが閾値の範囲内である場合(S36のY)、特定部60はその要素音声に対する前述した距離算出の処理を続行する。
また、別の変形例として、音声信号の受信位置特定の精度をさらに高める方法について説明する。位置特定において排除すべき音源、図7の例では音源216が、例えば偶然に停止して会話をしていたときに音声信号を受信した場合など、音声の波形の差異が大きくならずに、その音源の排除ができないことも考えられる。しかし一般的に、移動する人の会話に代表される排除すべき音源の音声においては、キーワードを繰り返す回数は少ないと考えられる。したがって、携帯通信端末10は、要素音声の内容におけるキーワードの繰り返し回数と、所定の繰り返し回数の閾値とを比較することにより、位置特定において排除すべき音源の要素音声をさらに精度よく特定できる。
この変形例にかかる携帯通信端末10の構成も、前述した図2の構成と同様のタイプである。つまり、前述した判定部70は、さらに、導出部50において分離した音声の内容をもとに、統計的な語彙解析を行い、キーワード等、同じ言葉の繰り返しの回数が所定の閾値に満たない音声を、排除対象音声として判定する。例えば、判定部70は、繰り返し回数を保持する記憶領域を有し、導出部50において分離した音声信号に、キーワードの音声信号が所定の期間に何回含まれるかを、波形の一致回数を計測することで算出する。
図9は、この変形例における図6のフローチャートに相当するフローチャートである。図9のS42、S44、S50、S52については、それぞれ、図6のS22、S24、S26、S28と同様であり、図9のS46については図8のS36と同様であるため、S48について説明する。判定部70は、波形の差異が所定の閾値の範囲内であると判定した後(S46のY)、さらに、要素音声におけるキーワードの繰り返しの回数が閾値以上であるかを判定する(S48)。閾値に満たない場合(S48のN)、判定部70はその要素音声を排除対象音声と判定し、特定部60はその要素音声の処理を終了する。閾値以上である場合(S48のY)、特定部60はその要素音声に対する前述した距離算出の処理を続行する。
図10は、図7の例での各要素音声におけるキーワードの繰り返し回数の測定結果である。音源欄220は、図3の音源欄200に対応する。キーワードの繰り返し回数欄222は、音声信号を受信した期間中における、図3のキーワード欄204のキーワードを繰り返した回数を保持する。この場合、繰り返し回数の閾値が例えば4であれば、音源A・B・Cに係る各要素音声での距離算出は続行し、音源Dに係る要素音声、図7における音源216の要素音声、は排除することができる。この閾値は、音声信号を受信する時間や、キーワードの長さ、音源から発せられる要素音声全体の長さ等に応じて、音源毎に決定されることが望ましいが、固定値として決定されてもよい。
このように、音声の波形の差異やキーワードの繰り返し回数をもとに排除対象音声の決定をする判定部70をさらに備えることにより、携帯通信端末10は、音声信号の受信位置の特定の精度をさらに高めることができる。
なお、先の変形例で説明した、要素音声の波形と、登録音源レコードのキーワードの音声の波形とを比較を行わない場合であっても、本変形例で説明した、要素音声の内容におけるキーワードの繰り返し回数と、所定の繰り返し回数の閾値とを比較してもよい。例えば、人の会話等排除すべき音源は、同じキーワードを繰り返すことは少ないため、本変形例で説明した、キーワードの繰り返し回数を比較するだけであっても、位置特定において排除すべき音源の要素音声を特定することができる。
図11は、さらに別の変形例に係る位置特定システムの構成例を示す図である。位置特定システム1000は、第1の携帯通信端末1100、第2の携帯通信端末1200、および図1と同様の音源装置12を含む。第1の携帯通信端末1100は、基本的な機能として携帯電話端末機能を備え、付加的な機能として図示しないマイクで音源装置12からの音声信号を受信して、その音声信号を出力する。第2の携帯通信端末1200は、基本的な機能として携帯電話端末機能を備え、付加的な機能として、第1の携帯通信端末1100から音声信号を取得し、それをもとに第1の携帯通信端末1100の音声信号受信位置を特定する。音源装置12については図1で説明した内容と同じである。なお、第1の携帯通信端末1100と、第2の携帯通信端末1200とは、携帯電話ネットワーク、LAN、WAN、インターネット等を含む通信ネットワーク1300を介して接続される。
図12は、この変形例に係る第1の携帯通信端末1100の構成例を示す機能ブロック図である。第1の携帯通信端末1100は、マイク1110と、処理部1120と、送信部1130と、センサ1140と、移動判定部1150とを有する。
マイク1110は、複数の音源のそれぞれから音声信号を受信する。処理部1120は、取得された音声信号をアナログの電気信号に変換し、その電気信号をアナログ−デジタル変換によりデジタルの音声信号に変換する。送信部1130は、デジタルに変換された音声信号をパケットに変換し、通信ネットワーク1300を介して、第2の携帯通信端末1200に対し送信する。センサ1140は、例えば加速度センサや風速センサといった第1の携帯通信端末1100の移動状態を判定できる情報を出力するセンサである。移動判定部1150は、センサ1140の出力情報をもとに、第1の携帯通信端末1100の移動状態を判定し、移動状態を停止中と判定した場合に、マイク1110に音声信号を受信させ、または後述する図示しない記憶部に音声信号を記憶させる。
第2の携帯通信端末1200の構成は、前述した図1の携帯通信端末10と同様のタイプである。図1では、直接音源から音声信号を受信していたところ、本変形例では、第1の携帯通信端末1100が受信した音声信号を、通信ネットワーク1300を介して音声信号を取得している。しかし、音声信号に基づき特定する位置は、第1の携帯通信端末1100の現在位置であり、言い換えれば、音源からの音声信号を受信した位置である。これは、図1の携帯通信端末10も、本変形例の第2の携帯通信端末1200も同様である。したがって、図1の携帯通信端末10も、本変形例の第2の携帯通信端末1200も同様の機能を提供するため、その構成も同様となる。
この変形例にかかる位置特定システム1000により、第2の携帯通信端末1200の使用者は、第1の携帯通信端末1100の使用者の位置を特定できる。その結果、所在が不明になった被保護者を保護者が捜し出すことが容易になり、例えば、ショッピングセンターにおける買い物客の利便性を向上させることができる。
また、第1の携帯通信端末1100が、複数の音源から音声信号を受信する契機は、第2の携帯通信端末1200から発せられる要求信号に基づいてもよい。この場合、第1の携帯通信端末1100の使用者に、音声信号を受信させるための操作などの負担を課すことなく、第2の携帯通信端末1200は、第1の携帯通信端末1100の位置を特定することができる。したがって、第1の携帯通信端末1100の使用者が、携帯通信端末の操作に不慣れな被保護者である場合にも、第2の携帯通信端末1200の使用者である保護者は、自らの操作により被保護者の位置を特定できる。
なお、第1の携帯通信端末1100は、音声信号を一旦記憶する図示しない記憶部を有してもよい。この場合、通信ネットワーク1300の通信状況が悪い場合など、何らかの原因で、音声信号を受信したタイミングで第2の携帯通信端末1200にその音声信号を送信できない場合にも、通信ネットワーク1300の通信状況回復後に音声信号を再送することが可能になる。これにより第1の携帯通信端末1100から第2の携帯通信端末1200への音声信号の送信における耐障害性および確実性を向上させ、各端末の使用者の利便性を向上させることができる。
また、第1の携帯通信端末1100の使用者が移動していた場合には、各音源からの距離が音声信号の受信中にも変化するため、音声信号の受信位置の特定は難しい場合がある。この課題に対応するため、第1の携帯通信端末1100は、所定のセンサ1140と移動判定部1150とを備える。
本変形例の構成によれば、第1の携帯通信端末1100が停止した状態にあるときに受信した音声信号をもとに、第2の携帯通信端末1200で位置を特定することができる。その結果、第1の携帯通信端末1100の位置を特定する精度を高めることができる。
なお、移動判定部1150は、第2の携帯通信端末1200が有してもよい。この場合、第1の携帯通信端末1100からは音声信号とともにセンサ1140の出力情報が送信され、第2の携帯通信端末1200はそれらを取得して、センサ1140の出力情報により第1の携帯通信端末1100が停止中と判定されることを条件に、位置特定の処理を行うことになる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
前述した実施形態では、複数の音源のそれぞれから受信した音声信号をもとに、各音源からの距離を導出し、各音源の位置と各音源からの距離から、音声信号の受信位置を特定していた。しかし、例えば、特定の音源のすぐ近くに携帯通信端末がある場合など、音声信号が特定の音源に限定され、特定の音源の近くであるというレベルで位置を特定すればよい場合には、位置特定のための処理を大幅に簡略化できる。これにより、位置の特定にかかる処理時間が短縮でき、ユーザからの位置特定の要求に対するレスポンスタイムを向上できる。つまり、音声信号を受信した大まかな位置を迅速に特定できる。
この変形例にかかる携帯通信端末は、図2の構成でいえば、取得部20と、通知部30と、記憶部40と、特定部60とを備える。記憶部40は、音源が設置される位置の情報と、音源から出力される音声の内容の情報とを対応づけながら記憶する。図3の登録音源テーブルでいえば、音量欄206がない登録音源テーブルを記憶する。取得部20は、音源からの音声信号を取得する。特定部60は、記憶部40の登録音源テーブルを参照して、取得した音声が有するキーワードに対応する音源の登録音源レコードを取得し、その音源が設置される位置を特定する。通知部30は、特定部60が特定した位置を他の主体に通知する。
また、前述した実施形態では、携帯通信端末の中で、位置の特定処理を行っていたが、変形例として、位置を特定するのは、位置特定サーバであってもよい。この場合、位置特定サーバの構成は、携帯通信端末10および第2の携帯通信端末1200と同様になる。これにより、携帯通信端末は音声信号を取得し、その音声信号を送信すれば、位置特定サーバから位置情報を取得できるため、携帯通信端末が備えるべき機能は大幅に削減される。例えば、前述した第2の携帯通信端末1200は、第1の携帯通信端末1100に音声信号を要求し、音声信号を取得したら、それを位置特定サーバに渡すことで、その位置特定サーバから第1の携帯通信端末1100の位置情報を取得することができる。
これにより、例えば、ショッピングセンターの事業者は、位置特定サーバによる位置特定サービスを買い物客に提供し、買い物客は自身の携帯電話端末等でそのサービスを享受することができる。その結果、買い物客の利便性を向上させることができる。
また、前述した実施形態では、音源から出力される音声の内容の情報は、人間が理解できる言葉であったが、変形例として、その言葉に加えて、またはその言葉に代えて、特定の周波数の音声信号または特定の発信周期の音声信号が含まれてもよい。この場合、例えばフーリエ変換による周波数解析により、音声信号に含まれる周波数の成分を抽出でき、その成分に基づいて音源を特定することができる。人間の会話等の影響を受けにくくなり、位置特定の精度を向上させることができる。
また、前述した実施形態では、携帯通信端末として、基本的な機能として携帯電話端末機能を備える携帯通信端末10、第1の携帯通信端末1100、および第2の携帯通信端末1200を例に説明したが、これらの携帯通信端末は、位置を特定するための専用端末であってもよい。例えば、第1の携帯通信端末1100は、マイクで音源装置からの音声信号を受信して、その音声信号を出力する専用端末であってもよく、携帯通信端末10および第2の携帯通信端末1200は、音声信号を取得し、それをもとに音声信号受信位置を特定する専用端末であってもよい。
本発明の実施形態に係る位置特定システムの構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る携帯通信端末の機能ブロック図である。 記憶部が記憶するデータの構造を例示した図である。 通知部により通知された位置情報がディスプレイに表示された画面例である。 図2の携帯通信端末における音声信号の受信位置を特定する処理の流れを示すフローチャートである。 図5のS8のステップを詳細に説明するフローチャートである。 位置特定の精度が悪化する状況を模式的に例示した図である。 変形例における図6のフローチャートに相当するフローチャートである。 変形例における図6のフローチャートに相当するフローチャートである。 図7の例での各要素音声におけるキーワードの繰り返し回数の測定結果である。 変形例に係る位置特定システムの構成例を示す図である。 変形例に係る第1の携帯通信端末の構成例を示す機能ブロック図である。
符号の説明
10 携帯通信端末、12 音源装置、20 取得部、30 通知部、40 記憶部、50 導出部、60 特定部、70 判定部、100 位置特定システム、200 音源欄、202 座標欄、204 キーワード欄、206 音量欄、208 全体領域、210 音声信号受信位置、212 音声信号受信位置、214 音源装置、216 音源、220 音源欄、222 キーワードの繰り返し回数欄、1000 位置特定システム、1100 第1の携帯通信端末、1110 マイク、1120 処理部、1130 送信部、1140 センサ、1150 移動判定部、1200 第2の携帯通信端末、1300 通信ネットワーク。

Claims (8)

  1. 音源が設置される位置の情報と、前記音源から出力される音声の内容の情報とを対応づけながら記憶する記憶部と、
    音源からの音声信号を取得する取得部と、
    取得した音声信号の音声の内容をもとに、前記記憶部を参照することによって、前記音声信号を出力した音源と、その音源の位置とを特定する特定部と、
    前記特定部により特定された位置を通知する通知部と、
    を備えることを特徴とする携帯通信端末。
  2. 複数の音源のそれぞれに対して、設置される位置の情報と、出力される音声の内容の情報と、出力される音量の情報とを対応づけながら記憶する記憶部と、
    複数の音源のそれぞれから受信した音声信号を取得する取得部と、
    取得した音声信号を音声の音源単位に分離するとともに、分離した音声の音源単位に音量を測定する導出部と、
    前記導出部において分離した音声の内容をもとに、前記記憶部を参照することによって、設置される位置と、出力される音量と、測定した音量とを対応付けた後、出力される音量と測定した音量とをもとに各音源からの距離を導出し、各音源からの距離と設置される位置とをもとに音声信号を受信した位置を特定する特定部と、
    前記特定部により特定された位置を通知する通知部と、
    を備えることを特徴とする携帯通信端末。
  3. 前記導出部において分離した音声の波形と、前記記憶部により記憶された音声の波形とを比較し、波形の差異が所定の閾値よりも大きい音声を排除対象音声として判定する判定部をさらに備え、
    前記特定部は、前記判定部により排除対象音声として判定された音声を、音声信号の受信位置を特定する処理から除外することを特徴とする請求項2に記載の携帯通信端末。
  4. 前記導出部において分離した音声の内容に対して、統計的な語彙解析を行い、同じ内容の繰り返しの回数が所定の閾値に満たない音声を、排除対象音声として判定する判定部をさらに備え、
    前記特定部は、前記判定部により排除対象音声として判定された音声を、音声信号の受信位置を特定する処理から除外することを特徴とする請求項2に記載の携帯通信端末。
  5. 前記特定部により特定される音声信号の受信位置は、建物内部の位置であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の携帯通信端末。
  6. 音源から音声信号を受信して、その音声信号を出力する第1の携帯通信端末と、
    前記第1の携帯通信端末から音声信号を取得して、その音声信号をもとに第1の携帯通信端末の位置を特定して通知する第2の携帯通信端末と、
    を備え、
    前記第2の携帯通信端末は、
    取得した音声信号の音声の内容をもとに、音源が設置される位置の情報と、前記音源から出力される音声の内容の情報とを対応づけながら記憶するメモリを参照することによって、前記音声信号を出力した音源と、その音源の位置とを特定することで、第1の携帯通信端末が音声信号を受信した位置を特定することを特徴とする位置特定システム。
  7. 前記第1の携帯通信端末は、移動しているか停止しているかを判定し、停止している場合に、受信した音声信号を出力することを特徴とする請求項6に記載の位置特定システム。
  8. 音源が設置される位置の情報と、前記音源から出力される音声の内容の情報とを対応づけながら記憶する記憶部と、
    音源からの音声信号を取得する取得部と、
    取得した音声信号の音声の内容をもとに、前記記憶部を参照することによって、前記音声信号を出力した音源と、その音源の位置とを特定する特定部と、
    前記特定部により特定された位置を通知する通知部と、
    を備えることを特徴とする位置特定サーバ。
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