JP2008271365A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原稿を読取部の副走査方向に沿って予め定められた領域ごとに順次処理して、該原稿の地色がカラーか、グレーか、無記入紙かを判定し、判定不能である場合には、判定に要する閾値等を再設定して原稿の地色を判定する。判定結果に応じてブロック処理を開始する。ブロック処理の開始が遅れた場合には、報知部がユーザに知らせる。
【選択図】図3
Description
以下、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置としてコピー機を例に図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るコピー機10の構成例を示す斜視図である。このコピー機10は、原稿を読み取って画像データを生成し、該画像データに基づいて記録紙に描画するものである。なお、図1をはじめとする以下の図には本発明に関係する要素及び/又は機能のみが示されている。また、ここでは表色系としてYCbCr表色系を用いているが、これに限定されるものでなく、L*a*b*表色系等の他の表色系も適用可能である。
図3は、ASIC21を示すブロック図であり、図4は、ASIC21が処理する原稿の範囲を示す例である。ここで、原稿40の短辺方向が読取部13の主走査方向(CCDラインセンサの配列方向)、長辺方向が副走査方向(CCDラインセンサの配列方向と垂直な方向)である。ASIC21は、読取部13が生成する画像データによって表される原稿40を予め定められた複数の領域に分割して、それぞれの領域に対応する処理を実行する。
(1)前処理1:
前処理1領域41において原稿の地色の有無と、その地色の色差平面における領域及び輝度の領域を判定する。
(2)前処理2:
前処理1で地色原稿だと判定された場合に、前処理2領域42においてブロック処理で使用する閾値を決定する。
(3)ブロック処理:
前処理1及び前処理2で得られた結果を受けて、読み取られた画像がカラーであるか、モノクロであるか、グレーであるか、無記入紙であるかを判定する。なお、ここでいうカラー画像とは、地色のみが有彩色である場合は含まないものとする。
(4)画像判定用データの記録:
ソフトウェアにより画像データの種類を判定するために、以下のデータを記録する。
(a)地色の判定と地色のCbCr色差平面における領域を記録;
(b)地色エリアにおけるYCbCrの最大値及び最小値を記録;
(c)各輝度エリアにおけるトータル輝度カウンタ値を記録;
(d)各カラーエリアにおけるトータルカラーカウンタ値を記録;
(e)ブロック処理におけるカラーブロック番号とカラー判定エリアを記録;
(f)ブロック処理におけるグレーブロック番号とグレー判定エリアを記録。
(1)前処理1で1つの領域のカウント数が第1地色判定閾値を超えている;
(2)隣接する領域のカウント数の総和が第2地色判定閾値を超えている。
<色相マスク>
図7は、色相マスクを示す図である。色相マスク71は、CbCr平面70の中心の無彩領域に対してマスク71aを掛けるものであり、更にこのマスク71aをブロック処理で使用するマスクとして選択した場合には、地色を検出した領域(以下、「地色領域」と称する)72に対して拡張されたマスク71bを適用する。
図9は、地色マスクを示す図である。地色マスク91は、色相マスク71と同様に地色が検出されたときに、地色マスク91を選択しておくことにより、ブロック処理で使用する。地色マスク91は、色相マスク71と併せて使用され、前処理1及び前処理2で検出される地色領域に対して次のように決定する。すなわち、
(1)地色の中心座標92の絶対値が大きい方をx軸、小さい方をy軸と設定する。
(2)中心座標92が、y=x/8からy=xの8分の1刻みの傾きの直線93a〜93hのうち、どの領域に存在するかを検知する。
(3)地色の領域のxの中心座標及びyの最小値の座標から色相マスク71に向けて、地色の中心座標92よりも1つ上に存在する直線(図9では直線93d)と平行な直線94dを引く。この直線94dより上(+y方向)側でかつ色相マスク71を含む上側をマスク領域とする。
(4)上記(3)と同様に、地色の領域のxの中心座標及びyの最大値の座標から色相マスク71に向けて、地色の中心座標92よりも1つ下に存在する直線(図9では直線93e)と平行な直線94eを引く。この直線94eより下(−y方向)側でかつx座標がゼロ以上の領域をマスク領域とする。
(5)上記(3)、(4)で設定される2つのマスク領域が重複する領域と、地色の領域のx,y座標の最大値及び最小値によって囲まれる方形領域95とを含む領域を地色マスク91とする。
図10は、ゼロエリアマスクを示す図である。マスクは、上述の色相マスク71及び地色マスク91の外、ゼロエリアマスク101を設定することも可能とする。ゼロエリアマスク101は、Cbが正の領域において、ゼロエリアマスク101に覆われる領域を無彩とするマスクである。地色の領域102が特定できたときに、CbCr平面上での回転行列により領域102を回転させ、ゼロエリアマスク101内に移動させることにより、地色の領域102を無彩と判定する。このマスクは他のマスク(本実施形態においては色相マスク71及び地色マスク91)と併用することができる。また、前処理及び/又はブロック処理のどちらにも有効となる。
ブロック処理における輝度の各閾値は、前処理の地色の輝度の範囲から決定する。なお、地色検出をOFFにしている場合は、予め定められたデフォルト値が適用される。
前処理1では輝度領域を16分割し、その中で最もカウント数の多い領域を検知して、該領域を地色領域と判定する。原稿の地色の輝度の分布は、原稿の種類等により広範囲に亘ったり、若しくは2つの領域にまたがったりする可能性があるため、ここでは最もカウント数が多い領域を検知することで大まかに地色の領域を判定する。ただし、カウント数が第1地色判定閾値に満たなかった場合は、地色であると判断するに十分なカウント数が得られたなかったと判断してフラグGBGF(Gray Back Ground Fail)を立てる。
前処理2では、前処理1で最もカウント数の多い領域の前後を含めた領域について、カウント数がレジスタに予め設定されている値を超えた場合、以後その領域における輝度を極値記録部307が記録する最大最小値の対象とする。ただし、記録するのは、カウント数が超えた後で、それまでのその領域の極値を記録するわけではない。また、輝度が地色輝度領域に入った場合のみ、カラーの地色におけるCbCrの極値記録を行う。なお、ここでの最大のカウント値が前処理1でのカウント数の最大値の4分の1に満たない場合は、カウント数不足と見なし、地色判定エラーGBGFを立てる。無彩の地色の有無は、地色の輝度から判断する。
前処理1,2が終了しても、レジスタに記憶されているBPSE(Block Process Start Enable)フラグを0(OFF)にしており、前処理2の終了以降に1(ON)にする。このとき、以下のエラーステータスのフラグが1つでも立っている場合には処理ライン数が未だBlock Process Start Lineに達していないものとして、以降の処理でエラーが解消された(Block Process Start Lineに達した)ときにブロック処理を開始する。また、エラーステータスが立っていない(既に処理ライン数がBlock Process Start Lineに達している)場合には、そのラインからブロック処理を開始する。
(1)CBGF(Color BackGround Fail):カラーの地色の有無を判定することができなかったことを示すフラグであり、前処理1で、地色のカウント数が第1地色閾値を超えたが第2地色閾値を超えなかった場合、すなわち、有彩色を検知したが、地色を検知しなかったときに立つ。
(2)GBGF(Gray BackGround Fail):グレーの地色の有無を判定することができなかったことを示すフラグであり、前処理1で地色のカウント数が最低カウント数を超えなかった場合、又は前処理2で前処理1の地色のカウント数の4分の1を超えなかった場合。すなわち、判定に十分なカウント数が得られなかったときに立つ。
(3)BGMF(BackGround Mask Fail):地色を検出したが、その領域が広がり過ぎており、地色用のマスクの形成に失敗したことを示すフラグであり、前処理2で採取した地色の分布範囲(CbCrの最大値及び最小値)において、その中心が色相マスクの外側にあり、かつyの最大値の移動係数又はyの移動係数の最小値がxの移動係数の半分よりも大きい場合に立つ。
(4)MMUD(Max Min UnDetected):地色を検知したにもかかわらず、最大値・最小値が検知できなかったことを示すフラグが立つ。
各ブロック(第1ブロック処理領域43、第2ブロック処理領域44、…)において、輝度の分布からグレーの可能性が高いブロックについては、該ブロックがグレーであるかどうかを判断する材料となるデータの記録を行う。まず、モノクロの文字の原稿の輝度の分布(図5参照)の傾向として、グレーの部分が輝度によらず安定しており、文字の濃度に当たる全黒の領域のカウント数にピークが現れる(ヒストグラム50a)。又は、ピークは存在しなくとも、グレーの最大値に対してカウント数が少ないといった傾向がある(ヒストグラム50b)。その外、全体における全黒の存在する割合が比較的低いといった傾向がある。
(1)各領域のカウント数が、地色より1段階暗い領域(図5においては領域B)から全白の領域(同領域0)を除く領域における最大カウント数が最小カウント数を超えており、なおかつその最大カウント数に予め定められた係数(例えば、本実施形態においては0.5)を乗じたカウント数を超えている領域にフラグを立てた場合に、レジスタに予め設定されている領域よりも暗い領域(同領域1)にフラグが立っていない(ヒストグラム50bの場合)。
(2)ブロックのグレーカウントが予め定められたグレーカウント閾値(第1閾値)を超えている。
コピー機10は、以上のような構成を備えることにより、以下のような動作を行う。図11及び図12は、画像種別の判定手順を示すフローチャートである。このフローチャートでは、コピー機10が画像種別の判定を行うための処理動作のみを示し、その他の処理動作については図示及び説明を省略している。また、特に記載のない場合は、コピー機10における一連の処理動作は、MPU23の制御下で自動的に行われる。
以上のように、原稿40の地色を判定し、その判定結果が判定不能である場合には、画像処理に先んじて閾値等を再設定し、再判定するので、メモリ容量を増大させてプリスキャン等を行うことなく原稿40の地色を判定し、判定結果に応じた処理を行うことが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、原稿が読取部13によって読み取られた場合を例に説明したが、ディジタルカメラ等から読み込まれたRGB表色系のRAWデータに基づいて、行列変換部303がYCbCr表色系に変換した後に、ASIC21が画像処理を行っても良い。また、PC(Personal Computer)等からJPEG形式の画像ファイルを読み取って、該画像ファイルをデコードしてYCbCrを取り出した後に、ASIC21が画像処理を行っても良い。
13 読取部
19 報知部
21 ASIC
305 色相判定カウンタ
306 輝度カウンタ
307 極値記録部
308 地色検知部
309 カラーマスク設定部
310 輝度閾値設定部
311 ブロック記録部
Claims (7)
- 原稿を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られた原稿の地色判定に要する閾値を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている閾値に基づいて前記原稿の地色を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて以降の画像処理を行う画像処理部と、
を備え、
前記判定部の判定結果が判定不能である場合には、前記画像処理に先んじて前記閾値を再設定し、前記判定部が再判定する、画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置であって、
前記判定部は、前記読取部の副走査方向に沿って予め定められた第1の領域において前記原稿の地色を判定し、判定結果が判定不能である場合には、前記読取部の副走査方向に沿って予め定められた第2の領域において再判定を行う、画像処理装置。 - 請求項1又は請求項2記載の画像処理装置であって、
前記判定部が最初に判定不能と判定したことを検出して、前記画像処理装置のユーザに報知する報知部を更に備える、画像処理装置。 - 請求項3記載の画像処理装置であって、
前記報知部は、前記判定部が最初に判定不能と判定してから予め定められた時間が経過しても判定不能であるときに、前記画像処理装置のユーザに報知する、画像処理装置。 - 請求項3又は請求項4記載の画像処理装置であって、
前記報知部は、前記判定部によって予め定められた数の領域を処理しても判定不能であるときに、画像処理装置のユーザに報知する、画像処理装置。 - 請求項1ないし請求項5の何れか記載の画像処理装置であって、
前記判定部が判定する地色は、カラー、グレー、無記入紙の何れかである、画像処理装置。 - 原稿を読み取る読取工程と、
前記読取工程によって読み取られる原稿の地色を判定する判定工程と、
前記判定工程での判定結果が判定不能である場合には、地色判定に要する閾値を再設定する再設定工程と、
前記再設定工程で再設定された閾値に基づいて前記原稿の地色を再判定する再判定工程と、
前記判定工程又は前記再判定工程での判定結果に応じて画像処理を行う画像処理工程と
を備える、画像処理方法。
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