JP2008270497A - 部分多層フレキシブルプリント配線板 - Google Patents

部分多層フレキシブルプリント配線板 Download PDF

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Yoshihide Sekito
由英 関藤
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板が一体化した部分多層フレキシブルプリント配線板を保護する感光性カバーレイが、フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板の両方に絶縁保護膜として積層されており、微細加工が可能であり、硬化したときの反りや収縮が小さく、薄膜で電気絶縁性にも優れる部分多層フレキシブルプリント配線板を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも、配線パターンが形成されたフレキシブルプリント配線板(A)、多層プリント配線板(B)、及び、感光性カバーレイ(C)からなる部分多層フレキシブルプリント配線板であって、前記(A)と(B)が一体化しており、前記(C)が(A)と(B)の両方に絶縁保護膜として積層されていることを特徴とする部分多層フレキシブルプリント配線板を用いることで上記問題点を改善することができる。
【選択図】 なし

Description

この発明は、フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板が一体化した部分多層フレキシブルプリント配線板を保護する感光性カバーレイが、両方に絶縁保護膜として積層されている部分多層フレキシブルプリント配線板であって、さらには感光性カバーレイが低温で硬化可能であって、低反り、低弾性率であり、電気・電子用途の絶縁材料として好適に用いることのできる、アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物から得られた硬化膜である、部分多層フレキシブルプリント配線板に関するものである。
近年、携帯電話及びデジタルビデオカメラなどの電子機器の高機能化、高性能化、小型化、軽量化が進んでおり、電子部品の小型化や軽量化が求められている。例えば、電子部品を実装する配線板は、リジッド配線板に比べ、軽量で可とう性のあるフレキシブルプリント配線板の需要が年々増加している。
ところが、上記フレキシブルプリント配線板は、実装密度を上げるために多層化すると、基板全体が剛直になり、柔軟性が低下するため、多層化することができないという設計上の欠点がある。
近年では、これに対してフレキシブルプリント配線板の上記問題を克服するために、部分多層フレキシブルプリント配線板が提案されている。これは高密度化が比較的容易な多層プリント配線板(以下多層部と称する)と、柔軟性に優れるフレキシブルプリント配線板(以下フレックス部と称する)から構成される多層プリント配線板の1種であり、多層プリント配線板により実装密度が向上し、小型化、軽量化が可能であり、柔軟性を有するフレキシブルプリント配線板により基板を自由に折り曲げることができ、必要なところに配線を収納することが可能なため、設計の自由度が高いという特徴がある。
上記部分多層フレキシブルプリント配線板のフレックス部には、フレキシブルプリント配線板上に形成された配線パターンを保護する目的で、カバーレイフィルムが積層され、多層部には多層プリント配線板上に形成された配線パターンを保護する目的で感光性のカバーコートインク(一般には、ソルダーレジストとも称する)が積層されているため、製造工程が複雑で、効率が悪いという欠点がある。
また、上記カバーレイフィルムはポリイミドフィルムに接着剤を塗布したものであり、種々の電気特性や耐薬品性などに優れるものであるが、微細な基板配線用に適合させるには、カバーレイフィルムを打ち抜きにより微細加工した後に、熱圧着させる方法がとられるが、微細パターン化や位置精度に限界があり、また、配線幅が微細になると、回路間の隙間を接着剤で完全に埋め込むことは困難なため、より微細加工を行うには感光性カバーレイが求められている。
一方、上記感光性のカバーコートインクは、感光性を有することから微細加工性には優れる。しかし、このインクはエポキシ樹脂などを主体としており、絶縁材料としては電気絶縁性に優れるが、屈曲性等の機械特性に乏しくフレキシブル回路基板用に用いるのは難しい。特に、フレキシブルプリント配線板用途に使用されるポリイミドフィルムといった柔軟で屈曲性に富むフィルム基材の片面に塗工するとフィルムがそり上がる問題があった。
近年では、この感光性のカバーコートインクに、ポリイミド樹脂を用いたものも提案されている。例えば、シロキサンジアミンを用いたポリイミド樹脂を含有する感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照。)。 また、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液からなる感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3〜4参照。)。さらに、末端ハーフエステル化イミドシロキサンオリゴマーを用いた感光性樹脂組成物もしくはプラズマエッチングレジストが提案されている(例えば、特許文献5〜8参照。)。
特開平9−100350 特開2002−162740 特開平2−50161 特開2005−148611 特開2000−212446 特開2001−89656 特開2001−125273 特開2001−215702
ところが、上記の特許文献1〜3では、ポリイミド型やその前駆体であるポリアミド酸型のカバーコートインクは、硬化温度が高くなり、しかも、硬化膜の弾性率が高く、フレキシブルプリント配線板表面に塗工した際に、フレキシブルプリント配線板がそり上がる問題があった。また、特許文献4では上記問題に加えて、ポリアミド酸の側鎖にアクリル樹脂を反応させており、その官能基を除去するのに高温(300℃以上)の温度が必要であり、一般的なフレキシブルプリント配線板表面の絶縁保護フィルムとして使用することが出来ない問題もあった。
また、特許文献5〜8に記載されている末端ハーフエステル化イミドシロキサンオリゴマーを用いた場合、末端ハーフエステル化イミドシロキサンオリゴマーの硬化物の弾性率が高く、フレキシブルプリント配線板表面に塗布するとそりが大きく問題であった。
上記状況に鑑み、本発明の課題は、フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板が一体化した部分多層フレキシブルプリント配線板を保護する感光性カバーレイが、フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板の両方に絶縁保護膜として積層されており、さらには感光性カバーレイにより微細加工が可能であり、感光性カバーレイを配線パターンの絶縁層として積層し、硬化したときの反りや収縮が小さく、薄膜で電気絶縁性にも優れる部分多層フレキシブルプリント配線板を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記感光性カバーレイを部分多層フレキシブルプリント配線板のフレックス部と多層部の両方に保護絶縁膜として用いることで上記課題を解決しうることを見出した。
すなわちこの発明は、少なくとも、配線パターンが形成されたフレキシブルプリント配線板(A)、多層プリント配線板(B)、及び、感光性カバーレイ(C)からなる部分多層フレキシブルプリント配線板であって、前記(A)と(B)が一体化しており、前記(C)が(A)と(B)の両方に絶縁保護膜として積層されていることを特徴とする部分多層フレキシブルプリント配線板である。
また、前記フレキシブルプリント配線板(A)の少なくとも片面の一部に前記多層プリント配線板(B)が形成されていることを特徴とする部分多層フレキシブルプリント配線板である。
また、前記感光性カバーレイ(C)が、少なくとも(D)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー、(E)ジアミノ化合物、(F)光重合開始剤、及び、(G)感光性樹脂を含有する感光性樹脂組成物から得られた硬化膜であることを特徴とする部分多層フレキシブルプリント配線板である。
また、前記感光性カバーレイ(C)が、感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して得られる感光性カバーレイインクから得られた硬化膜であることを特徴とする部分多層フレキシブルプリント配線板である。
本願発明の部分多層フレキシブルプリント配線板は、フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板が一体化した部分多層フレキシブルプリント配線板を保護する感光性カバーレイが、フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板の両方に絶縁保護膜として積層されている部分多層フレキシブルプリント配線板であって、さらには感光性カバーレイが低温で硬化可能であって、低反り、低弾性率であり、電気・電子用途の絶縁材料として好適に用いることのできる、アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物から得られた硬化膜である部分多層フレキシブルプリント配線板を提供することにある。
本願発明の構成は、少なくとも、配線パターンが形成されたフレキシブルプリント配線板(A)、多層プリント配線板(B)、及び、感光性カバーレイ(C)からなる部分多層フレキシブルプリント配線板であって、前記(A)と(B)が一体化しており、前記(C)が(A)と(B)の両方に絶縁保護膜として積層されていることを特徴とする部分多層フレキシブルプリント配線板である。前記(A)と(B)の両方に前記(C)が一括して積層することが可能となるため、前記(A)と(B)に別々の絶縁保護膜を積層する場合に比べ、製造プロセスの大幅な簡略化や効率化が可能となる。
<(A)フレキシブルプリント配線板>
本願発明における、フレキシブルプリント配線板とは、可とう性や絶縁性に優れたポリイミドなどのベースフィルム表面の片面または両面に、銅などの導電性材料からなる配線パターンが形成された配線板である。一般的には、長尺のベースフィルムをロールツーロールで、接着剤塗布、乾燥、銅箔ラミネーティング、接着剤硬化、配線パターン形成(レジスト塗布、銅エッチング、レジスト剥離)というような加工工程により製造される。また、上記工程以外にも、フレキシブルプリント配線板を製造する上で公知の加工工程を組み合わせることができる。
ベースフィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは5〜125μm、より好ましくは10〜75μm、特に好ましくは12〜50μmである。上記範囲内に厚みを設定することにより、フィルムの取り扱いが容易となるので好ましい。
<(B)多層プリント配線板>
本願発明における、多層プリント配線板とは、配線パターンが形成された配線板上に絶縁層などを介してさらに配線板を積層し、配線パターンを形成する工程を繰り返すことにより得られる配線板である。一般的には、(1)ガラスエポキシ積層板やポリイミドフィルムなどのベース基材上に、銅などの導電性材料からなる金属層を積層した金属張り積層板の金属層をエッチングすることにより配線パターンを形成する工程、(2)前記配線パターン上に、絶縁層などを積層し、さらにベース基材と金属層、または金属張り積層板を積層した後、加熱しながら加圧する工程、および(3)最外層となる金属層をエッチングすることにより配線パターンを形成する工程により製造され、(2)及び(3)の工程を繰り返すことにより、任意の層数の多層プリント配線板が製造される。また、上記工程以外にも、多層プリント配線板を製造する上で公知の加工工程を組み合わせることができる。本願発明における、多層プリント配線板は特に限定はされないが、ガラスエポキシ積層板を用いた場合、剛性や寸法安定性に優れるので好ましい。また、ポリイミドフィルムを用いた場合、薄膜・軽量化に優れるので好ましい。
<一体化>
本願発明における、フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板が一体化した部分多層フレキシブルプリント配線板とは、少なくとも一箇所以上の可とう性を有する部分と、部品を搭載したり固定するための剛直な部分とからなる構成を有する多層プリント配線板である。前記フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板が一体化した部分多層フレキシブルプリント配線板は公知の方法により形成することができる。例えば、フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板を電気的に接続する方法、またはフレキシブルプリント配線板の少なくとも片面の一部に多層プリント配線板が形成されている方法を用いることができる。もちろん前記方法は、フレキシブルプリント配線板の両面の一部に多層プリント配線板が形成されていてもよい。
<(C)感光性カバーレイ>
本願発明における、感光性カバーレイとは、接着剤層を必要とすることなく配線パターンが形成されたプリント配線板上に直接積層することができ、フォトマスクを乗せて露光し、アルカリ水溶液を用いて現像することにより微細加工をすることができ、加熱硬化後にプリント配線板上に形成された配線パターンを保護する絶縁膜となる感光性樹脂組成物である。また、前記感光性カバーレイが、少なくとも(D)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー、(E)ジアミノ化合物、(F)光重合開始剤、及び、(G)感光性樹脂を含有する感光性樹脂組成物から得られた硬化膜であることが、シロキサン構造の柔軟性によりフレキシブルプリント配線板の反りを低減することができ、また、耐熱性や電気絶縁性に優れるイミド環が含有されることによりプリント配線板の耐熱性や電気絶縁性を向上させることができるため好ましい。尚、前記感光性カバーレイの積層方法は、特に限定はされないが、感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して得られる感光性カバーレイインクを用いた場合、微細配線間の隙間の埋め込み性が優れるので好ましい。
<(D)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー>
本願発明の末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーとは、末端にテトラカルボン酸を有し、内部にはシロキサン構造を有し、イミド環が閉環している、オリゴマーである。これらの構造であれば特に限定はされないが、好ましくは、下記一般式(1)で示されるシロキサンジアミンと、
Figure 2008270497
(式中、R,Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基もしくは芳香族基を示す。mは1〜40の整数、nは1〜20の整数を示す。)
下記一般式(2)で示されるテトラカルボン酸二無水物及び水を、
Figure 2008270497
(式中、Rは4価の有機基を示す。)
モル比でシロキサンジアミンのモル数/テトラカルボン酸二無水物のモル数≦0.80となるように反応して得られる内部はイミド環を有しており、末端がカルボン酸のシロキサンイミドオリゴマーである。より具体的には、本願発明に好適に用いられるシロキサンジアミンとテトラカルボン酸二無水物のモル比は、1未満、より好ましくは、0.20以上0.80以下であり、特に好ましくは0.25以上0.70以下である。尚、上記範囲に添加量を制御して反応させることで、末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの分子量を最適な範囲に制御することができるので好ましい。0.80より大きい場合には、オリゴマーの分子量が大きくなり感光性樹脂組成物に用いた場合に、現像することが困難になる場合がある。また、本願発明の末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの合成の際には、水を反応させることが必須である。
好適には平均分子量(ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量)が2万以下、特に平均分子量が800〜20000程度の末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマ−である。
更に本願発明では、上記イミド化の際に水を反応させて、末端の酸無水物基を開環させることで末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー(内部はイミド環を有しており、末端がカルボン酸の構造をとる)を得ることが好適に用いられる。但し、上記イミド化反応を行った後に、水を反応させて末端の酸無水物基を開環して末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーを得る方法を用いても良い。
尚、本願発明におけるテトラカルボン酸二無水物とシロキサンジアミンのモル比が0.50未満の場合、過剰なテトラカルボン酸二無水物の末端無水物基が開環したテトラカルボン酸が並存することになるが、本願発明ではこのようなテトラカルボン酸が並存していても何ら問題無い。
上記(D)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの原料として用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば3,3’,4,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’―オキシジフタル酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’―ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
特に好ましくは、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、3,3’,4,4’―ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’―オキシジフタル酸二無水物を用いることで得られる末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの有機溶剤への溶解性を向上させることができるとともに、ポリイミド樹脂の耐薬品性を向上させる上で好ましい。
特に好ましくは、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物を用いることが感光性樹脂等との相溶性の観点から最も好ましい。
また、本願発明に用いられるシロキサンジアミンは、下記一般式(1)で表されるシロキサンジアミン用いることが好ましく、
Figure 2008270497
(式中、R,Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基もしくは芳香族基を示す。mは1〜40の整数、nは1〜20の整数を示す。)
特に本願発明に用いられるシロキサンジアミンの構造は、R,Rがメチル基、エチル基、フェニル基であって、mは1〜40、nが2以上であるものが好ましく用いられる。
特に好ましくは、R,Rがメチル基であって、mが1〜20、nが3のシロキサンジアミンもしくは、R,Rがメチル基もしくはフェニル基であって、n=3、m=9〜12であるシロキサンジアミンが好適に用いられる。このジアミンを用いることで、イミド化温度を低下させることができると共に、ポリイミド樹脂の電気絶縁信頼性を向上させることができ、更に、良好なアルカリ溶液現像性を付与することができる。
末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの製造方法としては、種々の方法が挙げられる。その代表的な方法を下記に例記する。
方法1:テトラカルボン酸二無水物を有機溶剤中に分散もしくは溶解させた溶液中に、一般式(1)で示されるシロキサンジアミンを添加して反応させてポリアミド酸溶液を作製する。テトラカルボン酸二無水物とシロキサンジアミンの反応が終了した後、得られたポリアミド酸溶液を100℃以上300℃以下、より好ましくは、150℃以上250℃以下に加熱して脱水・イミド化を行い続いて、反応溶液を150℃以下に冷却して水を投入する。より好ましくは、20℃以上150℃以下、特に好ましくは、40℃以上100℃以下である。尚、イミド化の際には、トルエン、ヘキサン等の溶剤と共沸させながら反応系内から除去することもできる。水の投入量は、使用するテトラカルボン酸二無水物のモル量よりも多い事が好ましい。
尚、本方法で用いられる溶剤は、沸点が100℃以上である溶剤を用いることが好ましい。尚、各工程の反応時間は用いる原料により変化するため、適宜選定することが好ましい。
方法2:テトラカルボン酸ニ無水物を有機溶剤中に分散もしくは溶解させた溶液中に、一般式(1)で示されるシロキサンジアミンを添加して反応させてポリアミド酸溶液を作製する。このポリアミド酸溶液中にイミド化の触媒(好ましくは3級アミンであるピリジン、ピコリン、イソキノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が用いられる)及び脱水剤(無水酢酸等)を添加して60℃以上180℃以下に加熱して、イミド化する。このイミド化を行った溶液に水を投入する、或いは、このイミド化を行った溶液を水に投入することで固体状に析出させる。析出させた粒子を沈殿・ろ過・乾燥することで末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーを得ることができる。尚、析出しない場合には、溶剤を減圧乾燥装置等で溶剤を除去することで製造することができる。
方法3:テトラカルボン酸ニ無水物を有機溶剤中に分散もしくは溶解させた溶液中に、一般式(1)で示されるシロキサンジアミンを添加して反応させてポリアミド酸溶液を作製する。このポリアミド酸溶液を100℃以上250℃以下に加熱した真空減圧乾燥機中に入れて加熱・乾燥を行いながら真空に引くことでイミド化を行う。この樹脂を水と反応させることで末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーを得ることができる。
以上の方法が好ましく用いられるが、上記方法に係らず、内部がイミド環を有しており、末端がカルボン酸である末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーが得られる方法であればどのような方法を用いても問題がない。
また、反応させる水の添加量は、使用したテトラカルボン酸二無水物のモル量の2.0倍以上300倍以下、より好ましくは、2.0倍以上200倍以下の水を添加して、開環することが好ましい。水の添加量は多く含むことが好ましい。但し、反応の方法によっては上記範囲以外でも問題が無い。適宜最適な量を選定することが好ましい。
尚、上記の末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの合成に用いられる溶剤としては、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン、メチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、γ―ブチロラクトンやN−メチル−2−ピロリドン、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテル等のエーテル類の溶剤を用いることもできる。尚、必要に応じて低沸点のヘキサン、アセトン、トルエン、キシレン等も併用するこができる。
中でも特に対称グリコールジエーテル類がオリゴマーの溶解性が高いので好ましい。
<(E)ジアミノ化合物>
本願発明における、(E)ジアミノ化合物とは、アミノ基を2つ以上有する化合物である。好ましくは、下記一般式(3)で示される芳香族ジアミンである。
Figure 2008270497
(式中、Rは、2価の有機基である。)。
上記ジアミノ化合物の中で、より具体的には、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルフィド、3,3’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] −1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−P−アミノベンゾエート、ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、トリメチレン―ビス(4−アミノベンゾエート)、p-フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、m−フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、ビスフェノールA−ビス(4−アミノベンゾエート)、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、[ビス(4-アミノ-2-カルボキシ)フェニル]メタン、 [ビス(4-アミノ-3-カルボキシ)フェニル]メタン、[ビス(3-アミノ-4-カルボキシ)フェニル]メタン、 [ビス(3-アミノ-5-カルボキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4‘−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルスルフォン、2,3−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール等のジアミノフェノール類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシビフェニル等のヒドロキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン等のジヒドロキシジフェニルメタン類、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル]プロパン等のビス[ヒドロキシフェニル]プロパン類、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン等のビス[ヒヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のヒドロキシジフェニルエーテル類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン等のジヒドロキシジフェニルスルフォン類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジフェニルスルフィド類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジフェニルスルホキシド類、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス[(ヒドロキシフェニル)フェニル]アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル等のビス(ヒドキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン化合物、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル等のビス(ヒドキシフェノキシ)ビフェニル化合物類をあげることができる。
特に本願発明のプリント配線板上に感光性カバーレイとして積層される感光性樹脂組成物に好適に用いることのできるジアミンは、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] −1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−P−アミノベンゾエート、ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、トリメチレン―ビス(4−アミノベンゾエート)、p-フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、m−フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、ビスフェノールA−ビス(4−アミノベンゾエート)が好適に用いられる。上記芳香族ジアミンを用いることで感光性樹脂組成物の耐熱性が向上するので好ましい。
本願発明におけるジアミノ化合物の配合量は、感光性樹脂組成物における(D)成分と(E)成分が、
(a)(D)成分の酸二無水物のモル量、
(b)(D)成分のシロキサンジアミンのモル量、
(c)(E)成分のジアミンのモル量
とした場合に、(a)/((b)+(c))が0.80以上1.20以下になるように配合されていることが好ましい。
上記範囲内にすることでジアミン化合物により、末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーの鎖延長反応が進み易くなり、感光性樹脂組成物中に高分子量のポリイミド樹脂が生成し易くなり、感光性樹脂組成物の硬化後の耐熱性・耐薬品性・耐屈曲性が向上するので好ましい。
<(F)光重合開始剤>
本願発明における(F)光重合開始剤とは、光を照射されることにより光を吸収して活性化し、開裂反応または水素引き抜き反応または電子移動などの反応を起こし、これらの反応によりラジカルや水素イオンなど光重合反応を開始する物質を生成させる化合物である。
例えば、ミヒラ−ズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’,4’’−トリス(ジメチルアミノ)トリフェニルメタン、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、アセトフェノン、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾインイソブチルエ−テル、2−t−ブチルアントラキノン、1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノン、メチルアントラキノン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジアセチルベンジル、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジルジエチルケタ−ル、2(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2[2’(5’’−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、ジ(テトラアルキルアンモニウム)−4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルフォネ−ト、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、ビス(n5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、1,2−オクタノンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、ヨード二ウム,(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシオム)などで、これらを単独で又は2種類以上組合せて使用することができる。
本願発明における光重合開始剤の使用量は、(D)成分と(E)成分を合計した固形分100重量部に対して(F)成分が、0.1〜50重量部となるように配合することが好ましい。特に好ましくは、0.1〜10重量部である。上記範囲よりも少ない場合には、光照射時のアクリル樹脂の硬化反応が起こりにくく起こりにくい場合があり、硬化が不十分となる場合がある。また、多い場合には、光照射量の調整が難しくなる場合があり、過露光状態となり良好な解像性が得られない場合がある。そのため、光硬化反応を効率良く進めるためには上記範囲内に調整することが好ましい。
<(G)感光性樹脂>
本願発明における(G)感光性樹脂とは、光重合開始剤により化学結合が形成される樹脂である。その中でも分子内に不飽和二重結合を少なくとも1つ有する樹脂であることが好ましい。更には、前記不飽和二重結合とは、アクリル基(CH2=CH−基)、メタアクリロイル基(CH=C(CH3)−基)もしくはビニル基(−CH=CH−基)であることが好ましい。
例えばビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、ラウリルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、1 − アクリロイルオキシプロピル−2−フタレート、イソステアリルアクリレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−メキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールメタクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル]プロパン、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、エトキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸トリ(エタンアクリレート)、ペンタスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、イソシアヌル酸トリアリル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリル1,3,5−ベンゼンカルボキシレート、トリアリルアミン、トリアリルシトレート、トリアリルフォスフェート、アロバービタル、ジアリルアミン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジスルフィド、ジアリルエーテル、ザリルシアルレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、1,3−ジアリロキシ−2−プロパノール、ジアリルスルフィドジアリルマレエート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジメタクリレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジアクリレート、等が好ましいが、これらに限定されない。特に、ジアクリレートあるいはメタアクリレートの一分子中に含まれるEO(エチレンオキサイド)の繰り返し単位が、2〜50の範囲のものが好ましく、さらに好ましくは2〜40である。EOの繰り返し単位が2〜50の範囲の物を使用することにより、アルカリ水溶液に代表される水系現像液への溶解性が向上し、現像時間が短縮される。更に、感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜中に応力が残りにくく、本願発明のプリント配線板上に積層した際に、プリント配線板の反りを抑えることができるなどの特徴を有する。
特に、上記EO変性のジアクリレート或いは、ジメタクリレートと、アクリル基もしくは、メタクリル基を3以上有するアクリル樹脂を併用することが現像性を高める上で特に好ましく、例えばエトキシ化イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリル樹脂が好適に用いられる。
また、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、アクリル酸ダイマー、ペンタエスリトールトリ及びテトラアクリレート等の分子構造骨格中にヒドロキシル基、カルボニル基を有する物も好適に用いられる。
この他、エポキシ変性のアクリル(メタクリル)樹脂や、ウレタン変性のアクリル(メタクリル)樹脂、ポリエステル変性のアクリル(メタクリル)樹脂等どのような感光性樹脂を用いても良い。
<(D)〜(G)の混合方法>
前記の感光性樹脂組成物は、前記各成分(D)〜(G)を均一に混合して得られる。均一に混合する方法としては、例えば3本ロール、ビーズミル装置等の一般的な混練装置を用いて混合すればよい。また、溶液の粘度が低い場合には、一般的な攪拌装置を用いて混合してもよい。
<その他の成分>
前記の感光性樹脂組成物には、さらに必要に応じてエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、充填剤、接着助剤、レベリング剤、重合禁止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、消泡剤等の各種添加剤を加えることができる。充填剤としては、シリカ、マイカ、タルク、硫酸バリウム、ワラストナイト、炭酸カルシウムなどの微細な無機充填剤、微細な有機ポリマ−充填剤を含有させてもよい。含有量は適宜選定することが好ましい。
<感光性樹脂組成物溶液>
前記の感光性樹脂組成物は、種々の有機溶剤に溶解性が高く、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン、メチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、γ―ブチロラクトンやN−メチル−2−ピロリドン、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテル等のエーテル類の溶剤を用いることもできる。尚、必要に応じて低沸点のヘキサン、アセトン、トルエン、キシレン等も併用するこができる。
中でも特に対称グリコールジエーテル類が感光性樹脂組成物の溶解性が高いので好ましい。
前記の感光性樹脂組成物溶液は、(D)成分、(E)成分、(F)成分、(G)成分の全固形分100重量部に対して、有機溶剤が、10重量部以上100重量部以下で配合されていることが好ましい。
この範囲内の感光性樹脂組成物溶液にすることで塗布・乾燥後の膜減り率が小さくなるので好ましい。
<感光性樹脂組成物の使用方法>
前記の感光性樹脂組成物を直接に、もしくは、前記の感光性樹脂組成物溶液を調整した後に、以下のようにして部分多層フレキシブルプリント配線板上に積層することができる。先ず前記の感光性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥して有機溶媒を除去する。基板への塗布はスクリ−ン印刷、カ−テンロ−ル、リバ−スロ−ル、スプレーコーティング、スピンナーを利用した回転塗布等により行うことができる。塗布膜(好ましくは厚み:5〜100μm、特に10〜100μm)の乾燥は120℃以下、好ましくは40〜100℃で行う。乾燥後、乾燥塗布膜にネガ型のフォトマスクを置き、紫外線、可視光線、電子線などの活性光線を照射する。次いで、未露光部分をシャワー、パドル、浸漬または超音波等の各種方式を用い、現像液で洗い出すことによりレリ−フパタ−ンを得ることができる。なお、現像装置の噴霧圧力や流速、エッチング液の温度によりパターンが露出するまでの時間が異なる為、適宜最適な装置条件を見出すことが好ましい。
前記現像液としては、アルカリ水溶液を使用することが好ましく。この現像液には、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶媒が含有されていてもよい。上記のアルカリ性水溶液を与えるアルカリ性化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムイオンの、水酸化物または炭酸塩や炭酸水素塩、アミン化合物などが挙げられ、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、トリイソプロパノ−ルアミン、トリイソプロピルアミンなどを挙げることができ、水溶液が塩基性を呈するものであればこれ以外の化合物も当然使用することができる。本願発明の感光性樹脂組成物の現像工程に好適に用いることのできる、アルカリ性化合物の濃度は、0.01〜20重量%、特に好ましくは、0.02〜10重量%とすることが好ましい。また、現像液の温度は感光性樹脂組成物の組成や、アルカリ現像液の組成に依存しており、一般的には0℃以上80℃以下、より一般的には、10℃以上60℃以下で使用することが好ましい。
前記現像工程によって形成したレリ−フパタ−ンは、リンスして不用な残分を除去する。リンス液としては、水、酸性水溶液などが挙げられる。
次に、加熱硬化処理を行うことにより末端カルボン酸シロキサンイミドオリゴマーをジアミノ化合物で鎖延長ことにより、耐熱性に富む硬化膜を得ることができる。硬化膜は配線厚み等を考慮して決定されるが、厚みが2〜50μm程度であることが好ましい。このときの最終硬化温度は配線等の酸化を防ぎ、配線と基材との密着性を低下させないことを目的として低温で加熱してイミド化できることが望まれている。
このときにかける加熱硬化温度は100℃以上250℃以下であることが好ましく、更に好ましくは120℃以上200℃以下であることが望ましく、特に好ましくは130℃以上190℃以下である。最終加熱温度が高くなると配線の酸化劣化が進むので望ましくない。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(合成例1)
2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(以下BPADAと略す)200g(0.384mol)を1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン154gに分散し、80℃に保った。これにシロキサンジアミン(信越化学社製:製品名KF8010、分子量830、一般式(2)中のR、Rがメチル基、n=3、m=6〜11である。)を159g(0.192mol)投入し、30分間均一攪拌を行った。次いで、140℃に加熱して1時間均一攪拌を行い、180℃に昇温させて3時間加熱還流を行いイミド化反応を行った。80℃まで冷却し水を27.7g(1.54mol)投入し、5時間加熱還流を行った。このようにして、末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマーを含む、末端テトラカルボン酸樹脂を得た。この溶液の固形分濃度は66重量%、溶液の粘度は23℃で100ポイズであった。この末端テトラカルボン酸樹脂溶液は、1ヶ月間室温で放置しておいても、粘度の変化は殆ど無く安定的な溶液であった。この合成樹脂を樹脂Aと略す。
(合成例2)
合成例1で反応後に投入する水をメタノールに変更し、ハーフエステル化した。この合成樹脂を樹脂Bと略す。
(実施例1〜4)
合成例1で得られた末端テトラカルボン酸樹脂にジアミノ化合物、光重合開始剤、感光性樹脂、エポキシ樹脂、フィラー、有機溶剤を添加して感光性樹脂組成物を作製した。それぞれの構成原料の樹脂固形分での配合量及び原料の種類を表1に記載する。なお、表中の溶媒である1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタンは上記合成樹脂溶液等に含まれる溶剤等も含めた全溶剤量である。
感光性樹脂組成物ははじめに一般的な攪拌翼のついた攪拌装置で混合し、その溶液を3本ロールミルで2回パスし均一な溶液とした。グラインドメーターにて粒子径を測定したところ、いずれも10μm以下であった。混合溶液を脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して下記評価を実施した。評価結果を表2に記載する。
Figure 2008270497
※1 チバスペシャルティケミカルズ社製 製品名IRGACURE 819 ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
※2 新中村化学社製 製品名NKエステルBPE−500 EO変性ビスフェノールAジアクリレート 分子量が500
※3 大日本インキ株式会社製 クレゾールノボラック型の多官能エポキシ樹脂
※4 日本アエロジル株式会社製 シリカ粒子。
(部分多層フレキシブルプリント配線板上への塗膜の作製)
フレキシブル銅貼り積層板(銅箔の厚み12μm、ポリイミドフィルムは株式会社カネカ製アピカル25NPI、ポリイミド系接着剤で銅箔を接着している)上にドライフィルムレジストを積層後、ライン幅/スペース幅=100μm/100μmのネガ型フォトマスクを置いて露光、現像、銅箔エッチング、およびレジスト剥離をすることによりライン幅/スペース幅=100μm/100μmの櫛形パターンをポリイミドフィルム上に作製した。次いで、銅箔がエッチングされたポリイミドフィルム上の一部に、厚みが100μmの多層プリント配線板用プリプレグ及び厚みが12μmの銅箔を積層し、180℃で加熱しながら加圧することにより接着した。さらに、多層プリント配線板用プリプレグ及び銅箔を前記と同様の方法で接着することにより、フレキシブルプリント配線板と多層プリント配線板が一体化した部分多層フレキシブルプリント配線板を作製した。この部分多層フレキシブルプリント配線板を、10容量%の硫酸水溶液中に1分間浸漬した後、純水で洗浄し銅箔の表面処理を行った。
次いで、上記感光性樹脂組成物を、スクリーン印刷により、上記作製した部分多層フレキシブルプリント配線板上に最終乾燥厚みが25μmになるように塗布し、80℃で20分乾燥した後、300mJ/cm2の紫外線を照射して露光した。露光終了後、1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃に加熱した溶液を用いて、1.0kgf/mm2の吐出圧でスプレー現像を行った。現像後、純粋で十分洗浄した後、170℃のオーブン中で60分加熱乾燥させて、感光性カバーレイ層により保護された部分多層フレキシブルプリント配線板を作製した。
(感光性評価)
感光性樹脂組成物の感光性の評価は、上記感光性樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、75μmのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製:商品名75NPI)に最終乾燥厚みが25μmになるように100mm×100mmの面積に流延・塗布し、80℃で20分乾燥した後、50mm×50mmの面積のライン幅/スペース幅=100μm/100μmのネガ型フォトマスクを置いて300mJ/cm2の紫外線を照射して露光した。露光終了後、1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃に加熱した溶液を用いて、1.0kgf/mm2の吐出圧でスプレー現像を行った。現像後、純粋で十分洗浄した後、170℃のオーブン中で60分加熱乾燥させて感光性樹脂組成物の硬化膜を作製した。得られた硬化膜の表面観察を行い判定した。
ポリイミドフィルム表面に
〇:くっきりとしたライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けており、ライン部の剥離に伴うラインの揺れが発生しておらず、スペース部にも溶解残りが無いもの。
△:くっきりとしたライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けており、ライン部に剥離に伴うラインの揺れが発生しているが、スペース部には溶解残りが無いもの。
×:くっきりとしたライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けておらず、ライン部が剥離しており、しかも、スペース部には溶解残りが発生しているもの。
(屈曲性)
上記(部分多層フレキシブルプリント配線板上への塗膜の作製)の項目と同様の方法で、感光性カバーレイ層により保護された部分多層フレキシブルプリント配線板を作製した。この部分多層フレキシブルプリント配線板のフレックス部を180°に10回折り曲げて塗膜を目視で確認してクラックの確認を行った。
○:硬化膜にクラックが無いもの
△:硬化膜に若干クラックがあるもの
×:硬化膜にクラックがあるもの。
(ハンダ耐熱性)
上記(部分多層フレキシブルプリント配線板上への塗膜の作製)の項目と同様の方法で、感光性カバーレイ層により保護された部分多層フレキシブルプリント配線板を作製した。上記部分多層フレキシブルプリント配線板を260℃で完全に溶解してある半田浴に感光性樹脂組成物の硬化膜が塗工してある面が接する様に浮かべて10秒後に引き上げた。その操作を3回行い、硬化膜の接着強度をJIS K5400に従って碁盤目テープ法で評価した。
碁盤目テープ法で剥がれの無いものを○、
升目の95%以上が残存している場合を△、
升目の残存量が80%未満のものを×とした。
(耐湿絶縁性)
フレキシブル銅貼り積層板(銅箔の厚み12μm、ポリイミドフィルムは株式会社カネカ製アピカル25NPI、ポリイミド系接着剤で銅箔を接着している)及び銅張り積層板(銅箔の厚み18μm、松下電工株式会社製R−1705)、上にドライフィルムレジストを積層後、ライン幅/スペース幅=100μm/100μmのネガ型フォトマスクを置いて露光、現像、銅箔エッチング、およびレジスト剥離をすることによりライン幅/スペース幅=100μm/100μmの櫛形パターンを作製し、フレキシブルプリント配線板及びリッジドプリント配線板を作製した。次いで、上記感光性樹脂組成物を、スクリーン印刷により、上記作製したフレキシブルプリント配線板及びリジッドプリント配線板上に最終乾燥厚みが25μmになるように塗布し、80℃で20分乾燥した後、300mJ/cm2の紫外線を照射して露光した。露光終了後、1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃に加熱した溶液を用いて、1.0kgf/mm2の吐出圧でスプレー現像を行った。現像後、純粋で十分洗浄した後、170℃のオーブン中で60分加熱乾燥させて、感光性カバーレイ層により保護されたフレキシブルプリント配線板及びリジッドプリント配線板を作製した。85℃、85%RHの環境試験機中で試験片の両端子部分に100Vの直流電流を印加し、絶縁抵抗値の変化やマイグレーションの発生などを観察した。
○:試験開始後、500時間以上で10の6乗以上の抵抗値を示し、マイグレーション、デンドライトなどの発生が無いもの
×:試験開始後、500時間以上でマイグレーション、デンドライトなどの発生があるもの。
Figure 2008270497

Claims (4)

  1. 少なくとも、配線パターンが形成されたフレキシブルプリント配線板(A)、多層プリント配線板(B)、及び、感光性カバーレイ(C)からなる部分多層フレキシブルプリント配線板であって、前記(A)と(B)が一体化しており、前記(C)が(A)と(B)の両方に絶縁保護膜として積層されていることを特徴とする部分多層フレキシブルプリント配線板。
  2. 前記フレキシブルプリント配線板(A)の少なくとも片面の一部に前記多層プリント配線板(B)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の部分多層フレキシブルプリント配線板。
  3. 前記感光性カバーレイ(C)が、少なくとも(D)末端テトラカルボン酸シロキサンイミドオリゴマー、(E)ジアミノ化合物、(F)光重合開始剤、及び、(G)感光性樹脂を含有する感光性樹脂組成物から得られた硬化膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の部分多層フレキシブルプリント配線板。
  4. 前記感光性カバーレイ(C)が、感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して得られる感光性カバーレイインクから得られた硬化膜であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の部分多層フレキシブルプリント配線板。
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