JP2008268126A - 電波監視装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基準DISPLAYラインと広帯域周波数スペクトル信号を比較して、その基準DISPLAYラインより受信電力が高い電波を検出し、その電波の諸元を算出するビーム検出前処理部7を設け、ビーム検出前処理部7により検出された電波の諸元から最適DISPLAYラインを設定し、その最適DISPLAYラインと広帯域周波数スペクトル信号を比較して、その最適DISPLAYラインより受信電力が高い電波を検出し、その電波の諸元を算出する。
【選択図】図1
Description
このとき、表示されている周波数帯の電波が、予め観測者によって認知されている既知の電波の諸元と一致するか否かの判断は、観測者が、マニュアルで周波数マーカー等を操作して、一つ一つの電波に照準を合わせることにより判定するようにしている。
トリガー機能として、例えば、下記の(1)〜(3)の方法が開発されている。
(1)所定レベルの検出トリガーを設定して、その検出トリガーを超える電力の電波を検出するレベルマスクトリガ方法
(2)観測者が手動で所定の周波数内に所定レベルの検出トリガーを設定し、所定の周波数内で検出トリガーを超える電力の電波を検出する周波数マスクトリガ方法
(3)測定器(スペクトルアナライザ)のマーカーピークサーチ機能を使用して、電力のピーク検出し、そのピークを含む電波にゲートを設ける方法(例えば、特許文献1を参照)。
(2)の周波数マスクトリガ方法では、周波数的なマスクを設定して、照合する必要がない電波をマスクすることができるが、周波数的なマスクを設定するに際して、観測者が所望の電波がどの周波数に発生するかを予測する必要がある。このため、到来方向が未知の電波の検出に使用するには不便であり、また、観測者が周波数的なマスクを設定するには多くの手間を要する課題があった。
(3)のマーカーピークサーチ機能を使用する方法では、マーカーを一つ一つの電波に手動で設定したり、マーカーを手動で除外したりする必要があるため、多大な手間が発生する課題があった。また、周波数を点でサーチするため、狭帯域信号の場合には、検出を取りこぼす可能性があるなどの課題もあった。
図1はこの発明の実施の形態1による電波監視装置を示す構成図であり、図において、スペクトル変換部1はA/Dコンバータ2、ディジタルダウンコンバータ3及びFFT処理部4から構成されており、ディジタル変調又はアナログ変調されている無線変調信号を受信し、その無線変調信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する処理を実施する。なお、スペクトル変換部1はスペクトル変換手段を構成している。
ディジタルダウンコンバータ3はA/Dコンバータ2から出力されたディジタル信号の周波数を中間周波数に下げる処理を実施する。
FFT処理部4はディジタルダウンコンバータ3から出力されたディジタル信号に対するFFT(高速フーリエ変換)処理を実施して、そのディジタル信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する処理を実施する。
周波数領域平均化部6は周波数領域に窓を設け、隣接するFFTポイント間で窓平均を実施することにより、時間領域平均化部5による時間平均化後の周波数スペクトルを周波数領域で平均化して、広帯域周波数スペクトル信号を出力する。
なお、時間領域平均化部5及び周波数領域平均化部6から平均化手段が構成されている。
受信レベル比較部9は検出トリガー選択部8により選択されたDISPLAYライン(基準DISPLAYライン又は最適DISPLAYライン)と周波数領域平均化部6から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較する処理を実施する。
仮中心周波数・仮帯域推定部11は電波検出フラグ生成部10により設定された電波検出フラグを参照して、検出された各電波の諸元(例えば、中心周波数、帯域、電力)を算出する処理を実施する。
電波検出フラグ生成部14は受信レベル比較部13の比較結果が、広帯域周波数スペクトル信号の電力が後方保護段数以上、DISPLAYラインを上回っている旨を示していれば、電波検出フラグをONに設定(電波の検出に相当)し、広帯域周波数スペクトル信号の電力が前方保護段数以上、DISPLAYラインを下回っている旨を示していれば、電波検出フラグをOFFに設定(電波の非検出に相当)する処理を実施する。
最適DISPLAYライン保持部17は最適DISPLAYライン設定部15により設定された最適DISPLAYラインを時間的に累積し、累積した最適DISPLAYラインの中で、最も大きい最適DISPLAYラインをビーム検出前処理部7の検出トリガー選択部8に出力する処理を実施する。
図2(1)は無線変調信号に対するFFT処理等を実施して得られる広帯域周波数スペクトル信号を測定し、測定開始時点の電波発生状況を記録して、その発生電波に対する検出トリガーである最適DISPLAYライン(または、周波数レベルトリガマスク)を自動的に生成している例を示している。
図2(2)は検出トリガーを反転して、測定開始時点において電波が発生していない周波数領域に電波が発生したときに、電波を検出する最適DISPLAYライン(または、周波数レベルトリガマスク)を設定している例を示している。
図2(3)は周波数レベルトリガマスクを手動で設定変更している例を示している。
スペクトル変換部1は、ディジタル変調又はアナログ変調されている無線変調信号を受信すると、その無線変調信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する処理を実施する。
即ち、スペクトル変換部1のA/Dコンバータ2は、無線変調信号を受信すると、その無線変調信号に対するアナログ/ディジタル変換処理を実施することにより、その無線変調信号をディジタル信号(時間領域の信号)に変換する。
FFT処理部4は、ディジタルダウンコンバータ3による周波数変換後のディジタル信号を入力すると、そのディジタル信号に対するFFT処理を実施して、そのディジタル信号を時間領域の信号から周波数領域の信号(周波数スペクトル)に変換する処理を実施する。
周波数領域平均化部6は、周波数領域に窓を設けて、隣接するFFTポイント間で窓平均を実施することにより、時間領域平均化部5による時間平均化後の周波数スペクトルを周波数領域で平均化して、平均化後の周波数スペクトルである広帯域周波数スペクトル信号をビーム検出前処理部7及びビーム検出後処理部12に出力する。
以下、ビーム検出前処理部7の処理内容を具体的に説明する。
ただし、ビーム検出後処理部12が後述する処理を実施して、最適DISPLAYラインを設定すると、その最適DISPLAYラインを選択して、受信レベル比較部9に出力する。
ここで、図3はビーム検出前処理部7の処理内容を示す説明図である。
図3では、基準DISPLAYラインが3.8dBに設定され、電波検出の後方保護段数が“4”、前方保護段数が“4”に設定されている例を示している。
また、前方保護段数は、広帯域周波数スペクトル信号の電力が突発的にDISPLAYラインを下回っても、電波の非検出認定を行わず、広帯域周波数スペクトル信号の電力が、所定回数連続して、DISPLAYラインを下回ったとき、電波の非検出を認定するようにするために設けられた所定回数である。
図3では、FFTポイント番号=3492のとき、電波検出フラグがONに設定(広帯域周波数スペクトル信号の電力が、連続して“4”以上、DISPLAYラインを上回っている)され、FFTポイント番号=3527のとき、電波検出フラグがOFFに設定(広帯域周波数スペクトル信号の電力が、連続して“4”以上、DISPLAYラインを下回っている)されている例を示している。
minf=検出フラグON位置−後方保護段数+FFT窓半値
=3492−4+3
=3491
maxf=検出フラグOFF位置−前方保護段数−FFT窓半値
=3527−4−3
=3520
図3の例では、平均FFTにおける窓を7ポイントとしているので、FFT窓半値は、7ポイントの半値の3ポイントである。
中心周波数=(maxf−minf)/FFTポイント数×ADCf
帯域=(maxf−minf)/(2×FFTポイント数×ADCf)
電力=miff〜maxf間のFFT出力電力の最大値
ただし、ADCfは、A/Dコンバータ2のサンプリング周波数である。
仮中心周波数・仮帯域推定部11は、上記のようにして、電波の諸元を算出すると、電波の中心周波数を仮中心周波数としてビーム検出後処理部12に出力し、電波の帯域を仮帯域としてビーム検出後処理部12に出力する。
図4は例えばIF信号の140MHzを中心とする±20MHzの広帯域電波の電波発生状況を示しており、図5〜図7は各電波にスポットを当てて拡大表示している。
図5では広帯域(1Msps)1波を電波検出している例を示し、図6では狭帯域(32ksps)1波を電波検出している例を示している。
また、図7では狭帯域(32ksps)複数波(27波)を電波検出している例を示している。
図6では、140.0MHz〜140.5MHz間で32kspsの1波の電波に対して、DISPLAYレベルを超える1波の電波を検出している。
図7では、141.0MHz〜144.0MHz間で32kspsの27波の電波に対して、DISPLAYレベルを超える25波の電波を検出している。
以下、ビーム検出後処理部12の処理内容を具体的に説明する。
即ち、受信レベル比較部13は、例えば、各電波の帯域の平均電力を求め、その平均電力を基準DISPLAYラインに設定する。
受信レベル比較部13は、基準DISPLAYラインを設定すると、ビーム検出前処理部7の受信レベル比較部9と同様に、その基準DISPLAYラインと周波数領域平均化部6から出力された広帯域周波数スペクトル信号の比較処理を実施する。
また、電波検出フラグ生成部14は、電波検出フラグ生成部10と同様に、電波の検出フラグON位置及び検出フラグOFF位置から交差点minf,maxfを算出する。
即ち、最適DISPLAYライン設定部15は、中心周波数・帯域推定部16により算出された中心周波数が低い電波から順番に、当該電波に対する最適DISPLAYラインを設定する。
最適DISPLAYライン設定部15は、最初に中心周波数が最も低い電波である電波Aの帯域(minf〜minx間の帯域)のa%(例えば、75%)程度(bws〜bwe)の平均電力を算出する。
bws
=bw[bwnum].min
+(int)((bw[bwnum].max
−bw[bwnum].min)*1/8−1)
bwe
=bw[bwnum].min
+(int)((bw[bwnum].max
−bw[bwnum].min)*7/8+1)
ただし、bwnumは電波Aの電波番号である。
また、bw[bwnum].minは周波数がminfであるときの電波Aの電力、bw[bwnum].maxは周波数がmaxfであるときの電波Aの電力である。
ただし、雑音レベルの最小値は、例えば、周波数領域平均化部6から出力された広帯域周波数スペクトル信号の電力レベルを全帯域間で比較して、その最小値を雑音レベルの最小値として取得するようにしてもよいし、観測者が手動で設定するようにしてもよい。
一方、電波Aの帯域内の平均電力よりXdBだけ低い電力が、雑音レベルの最小値よりYdBだけ高い電力より高ければ、電波Aの帯域内の平均電力よりXdBだけ低い電力を最適DISPLAYラインに設定する。
ここでは、電力を比較して、高い方の電力を最適DISPLAYラインに設定するものについて示したが、これに限るものではなく、例えば、後述する最適DISPLAYライン保持部17に保持されているDISPLAYラインよりXdBだけ低い電力を最適DISPLAYラインに設定するようにしてもよい。
最適DISPLAYライン設定部15は、最適DISPLAYラインを設定すると、その最適DISPLAYラインを受信レベル比較部13及び最適DISPLAYライン保持部17に出力する。
また、電波検出フラグ生成部14は、電波の検出フラグON位置及び検出フラグOFF位置から交差点minf,maxfを算出する。
以降、受信レベル比較部13、電波検出フラグ生成部14、中心周波数・帯域推定部16及び最適DISPLAYライン設定部15で、同様の処理が繰り返されるが、この処理のループは、中心周波数・帯域推定部16により推定される電波の諸元が収束するまで(前回の推定値と今回の推定値との差分が規定値未満になるまで)行われる。
即ち、最適DISPLAYライン保持部17は、最適DISPLAYライン設定部15が最適DISPLAYラインを設定する毎に、新たに設定された最適DISPLAYラインと現在保持している最適DISPLAYラインを比較し、大きい方の最適DISPLAYラインを選択して、その最適DISPLAYラインを保持するとともに、その最適DISPLAYラインをビーム検出前処理部7の検出トリガー選択部8に出力する。
これにより、以降、検出トリガー選択部8は、最適DISPLAYラインを選択して、その最適DISPLAYラインを受信レベル比較部9,13に出力する。
上記実施の形態1では、最適DISPLAYライン保持部17が最適DISPLAYライン設定部15により設定された最適DISPLAYラインの中で、最も大きい最適DISPLAYラインをビーム検出前処理部7の検出トリガー選択部8に出力するものについて示したが、最適DISPLAYライン保持部17が最適DISPLAYライン設定部15により設定された最適DISPLAYラインの設定変更を受け付ける機能(例えば、マウスやキーボードからなるマンマシンインタフェース)を実装し、観測者が手動で最適DISPLAYラインの設定を変更することができるようにしてもよい。
これにより、不法電波を検出する際の自由度を高めることができる効果を奏する。
上記実施の形態1では、受信レベル比較部13が最適DISPLAYライン設定部15により設定された最適DISPLAYラインと周波数領域平均化部6から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較するものについて示したが、図9に示すように、受信レベル比較部13が最適DISPLAYライン設定部15により設定された最適DISPLAYラインを反転し、反転した最適DISPLAYラインと周波数領域平均化部6から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較するようにしてもよい。
上記実施の形態1では、ビーム検出後処理部12の受信レベル比較部13が、最適DISPLAYライン設定部15により各電波の帯域毎に設定された最適DISPLAYラインと周波数領域平均化部6から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較して、その最適DISPLAYラインより受信電力が高い電波を検出するものについて示したが、受信レベル比較部13が、最適DISPLAYライン設定部15により既に最適DISPLAYラインが設定されている帯域については電波の検出処理を実施せず(電波の検出をマスクする)、最適DISPLAYライン設定部15により未だ最適DISPLAYラインが設定されていない帯域について、基準DISPLAYラインと周波数領域平均化部6から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較して、その最適DISPLAYラインより受信電力が高い電波を検出し、その電波の諸元を算出するようにしてもよい。
Claims (9)
- 無線変調信号を受信し、上記無線変調信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換するスペクトル変換手段と、上記スペクトル変換手段により変換された周波数領域の信号に対する平均化処理を実施して、平均化処理後の信号である広帯域周波数スペクトル信号を出力する平均化手段と、予め設定された基準電力レベルと上記平均化手段から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較して、上記基準電力レベルより受信電力が高い電波を検出し、上記電波の諸元を算出する電波仮検出手段と、上記電波仮検出手段により検出された電波の諸元から適正基準レベルを設定し、上記適正基準レベルと上記平均化手段から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較して、上記適正基準レベルより受信電力が高い電波を検出し、上記電波の諸元を算出する電波本検出手段とを備えた電波監視装置。
- 電波本検出手段は、電波仮検出手段により検出された各電波の帯域毎に適正基準レベルを設定し、各帯域の適正基準レベルと平均化手段から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較して、各帯域の適正基準電力レベルより受信電力が高い電波を検出することを特徴とする請求項1記載の電波監視装置。
- 電波本検出手段は、電波仮検出手段により電波の諸元として、上記電波の帯域が算出される場合、上記帯域内の平均電力より所定レベルだけ低い電力を適正基準レベルに設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電波監視装置。
- 電波本検出手段は、電波仮検出手段により電波の諸元として、上記電波の帯域が算出される場合、上記帯域内の平均電力より所定レベルだけ低い電力と、雑音レベルの最小値より所定レベルだけ高い電力とを比較し、高い方の電力を適正基準レベルに設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電波監視装置。
- 電波仮検出手段は、電波本検出手段により既に適正基準レベルが設定されている場合、予め設定された基準電力レベルの代わりに、上記適正基準レベルと平均化手段から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較して、上記適正基準レベルより受信電力が高い電波を検出し、上記電波の諸元を算出することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の電波監視装置。
- 電波本検出手段は、設定した適正基準レベルを時間的に累積し、累積した適正基準レベルの中で、最も大きい適正基準レベルを電波仮検出手段に出力することを特徴とする請求項5記載の電波監視装置。
- 電波本検出手段は、適正基準レベルの設定変更を受け付ける機能を備えていることを特徴とする請求項6記載の電波監視装置。
- 電波本検出手段は、設定後の適正基準レベルを反転し、反転した適正基準レベルと平均化手段から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較して、反転した適正基準レベルより受信電力が高い電波を検出し、上記電波の諸元を算出することを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の電波監視装置。
- 電波本検出手段は、電波仮検出手段により検出された各電波の帯域毎に適正基準レベルを設定する処理を実施し、既に適正基準レベルの設定処理を実施した帯域については電波の検出処理を実施せず、未だ適正基準レベルの設定処理を実施していない帯域について、基準電力レベルと平均化手段から出力された広帯域周波数スペクトル信号を比較して、上記基準電力レベルより受信電力が高い電波を検出し、上記電波の諸元を算出することを特徴とする請求項1記載の電波監視装置。
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