JP2008266354A - ゴム組成物及びそれを用いたvリブドベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】注水時の動力伝達性及び静音性に優れ、かつ、屈曲疲労性、耐熱性、耐摩耗性に優れた高耐久性の動力伝動用ベルト及びそれに使用するゴム組成物を提供する。
【解決手段】エチレン・α‐オレフィンエラストマー100質量部に対して、粉状のポリウレタンが5〜30質量部配合されているゴム組成物及びそれからなるVリブドベルト1である。
【選択図】図1
【解決手段】エチレン・α‐オレフィンエラストマー100質量部に対して、粉状のポリウレタンが5〜30質量部配合されているゴム組成物及びそれからなるVリブドベルト1である。
【選択図】図1
Description
本発明は駆動装置などの動力伝動に用いられる動力伝動ベルトに関する。
自動車用エンジン等に使用される動力伝動ベルトとしては、最近ではエチレン・プロピレン系ゴム(EPM)或いはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のエチレン・α‐オレフィンゴムが、優れた耐久性を有しているとともに、比較的に安価なポリマーであり、脱ハロゲンという要求を満たしていることからも有望視されている。具体的には、α‐β‐不飽和有機酸の金属塩で補強されたエチレン・α‐オレフィンエラストマーを使用した動力伝動用ベルトが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
特表平9−500930号公報
しかしながら、エチレン・α−オレフィンエラストマーは、クロロプレンゴムやアクリロニトリルゴムなどの極性ゴムに比べて水との濡れ性が悪く水をはじきやすい為、被水時にベルトとプーリの間の水の浸入状態が均一でない。そして、水が浸入していない箇所においては、摩擦係数が低下せずベルトがプーリに密着した状態であるが、水が浸入した箇所においては、部分的に摩擦係数が低下してベルトとプーリとの間でスリップが生じる為、スティックスリップ音が生じやすいという問題があった。
本発明の目的は、注水時の動力伝達性及び静音性に優れ、かつ、屈曲疲労性、耐熱性、耐摩耗性に優れた高耐久性の動力伝動用ベルトを提供することである。
本発明は、エチレン・α‐オレフィンエラストマー100質量部に対して、粉状のポリウレタンが5〜30質量部配合されていることを特徴とするゴム組成物にある。
請求項2に記載の発明は、前記ポリウレタンを密閉式混練機でエチレン・α−オレフィンエラストマー中に微分散させた請求項1に記載のゴム組成物にある。
請求項3に記載の発明は、前記ポリウレタンがパラフェニレンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールの1種又は2種以上からなるプレポリマーに硬化剤を配合してなるポリウレタンエラストマーが用いられる請求項1又は2に記載のゴム組成物にある。
更に本発明は、ベルト長手方向に沿って心線を接着ゴム層に埋設し、該接着ゴム層に隣接して伝動面側には圧縮ゴム層を配置し、背面側には伸張ゴム層を配置したVリブドベルトにおいて、少なくとも前記圧縮ゴム層が請求項1から3のいずれかに記載のゴム組成物からなるVリブドベルトである。
請求項5に記載の発明は、前記Vリブドベルトの動力伝達面にポリウレタン組成物が表出している請求項4に記載のVリブドベルトにある。
本発明は、エチレン・α‐オレフィンエラストマー100質量部に対して、粉状のポリウレタンが5〜30質量部配合されたゴム組成物であることから、水との接触角が小さくなり、親水性を高めることができる。
請求項2に記載の発明は、前記ポリウレタンを密閉式混練機でエチレン・α−オレフィンエラストマー中に微分散させた請求項1に記載のゴム組成物であることから、機械的強度の低下及び物性のばらつきを抑制できるという効果がある。
請求項3に記載の発明は、前記ポリウレタンがパラフェニレンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールの1種又は2種以上からなるプレポリマーに硬化剤を配合してなるポリウレタンエラストマーが用いられる請求項1又は2に記載のゴム組成物であることから、耐熱性が向上し、自動車のエンジン周りに用いることが好適となる。
請求項4に記載の発明は、ベルト長手方向に沿って心線を接着ゴム層に埋設し、該接着ゴム層に隣接して伝動面側には圧縮ゴム層を配置し、背面側には伸張ゴム層を配置したVリブドベルトにおいて、少なくとも前記圧縮ゴム層が請求項1から3のいずれかに記載のゴム組成物からなるVリブドベルトであることから、エチレン・α‐オレフィンエラストマーからなる摩擦伝動ベルトにおいて、水との親和性が高まり、スティック‐スリップによる異音の発生を抑制する効果がある。
請求項5に記載の発明は、前記Vリブドベルトの動力伝達面にポリウレタン組成物が表出している請求項4に記載のVリブドベルトであるから、Vリブドベルトの動力伝達面の親水性が高まり、水をはじくことがなく、スティックスリップを防止することができる。
本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、エチレン・α‐オレフィンエラストマーにポリウレタンを配合したゴム組成物と、そのゴム組成物からなるVリブドベルトである。具体的にはVリブドベルト1の断面斜視図を図1に示す。
図1に示すように、Vリブドベルト1は、心線2をベルト長手方向に沿って埋設した接着層3と、この接着層3の一方の面に設けられた圧縮層4と、接着層3の他方の面を被覆するカバー帆布からなる伸張層5とを有する。そして圧縮層4には、ベルト長手方向に延びる断面略三角形状の複数のリブ部6が設けられている。ここで摩擦伝動面は圧縮層4の表層を言う。
ここで圧縮層4は、エチレン・α‐オレフィンエラストマー100質量部に対して、粉状のポリウレタンが5〜30質量部配合されたゴム組成物としている。ここで、粉状のポリウレタンが5質量部より少ないと、組成物の親和性が十分に付与できず、一方粉状のポリウレタンが30質量部を越えると、組成物の機械的強度が低下する。又、粉状のポリウレタンの分散性が悪くなり、ベルトの動力伝達面にポリウレタンが表出しない箇所も出てくるため、濡れ性が悪くなり、スティック‐スリップによる異音の発生を抑制する効果がなくなる。
エチレン・α‐オレフィンエラストマーとしては、エチレンとα‐オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、或いはオクテン)の共重合体、或いは、エチレンと上記α‐オレフィンと非共役ジエンの共重合体などであり、具体的にはEPMやEPDMなどのゴムを言う。上記ジエン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロぺンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエンが挙げられる。
ポリウレタンとしては、熱硬化性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタンのどちらでも良く、例えば、熱硬化性ポリウレタンの場合は、トリレンジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとを反応させて得られるプレポリマーを硬化剤で所定時間所定温度で硬化させて得られるものを使用する。
プレポリマーとしては、従来から提供されているものを特に制限されることなく使用することができるものであるが、イソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート(TDI)若しくはジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などを好適に用いることができ、ポリオールとしては耐湿性や耐水性に優れるとともに、強靭な物性とヒステリシスロスの小さい特性を有する成形品が得られるポリテトラメチレングリコール(PTMG)を好適に用いることができる。
また本発明において硬化剤としては、特に限定されるものではないが、1,4‐フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、1,5−ナフタレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジクロロ‐4,4´−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−3,5‐ビス(メチルチオ)‐2,6‐ジアミノベンゼン、1‐メチル‐3,5´−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、4,4´−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4´−メチレン−ビス−(オルト−クロロアニリン)、4,4´−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)、トリメチレングリコール−ジ−パラ−アミノベンゾエート、4,4´−メチレン‐ビス‐(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4´−ジアミノジフェニルスルホンなど、1級アミン、2級アミン、3級アミンのアミン化合物を例示することができる。アミン系硬化剤の配合量は、アミン系硬化剤中のNH2のモル数とイソシアネート中のNCOのモル数の比であるα値(NH2/NCO)が1付近になるように、好ましくは0.90〜1.10の範囲になるように設定するのが良い。一般にα値は0.95付近が硬化物の物性が最も良好であり、α値が上記の範囲から外れると、硬化物の物性が低下する傾向が見られる。
又、本発明において、より好ましくは耐熱性ポリウレタンを使用する。耐熱性ポリウレタンとしては、パラフェニレンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールの1種又は2種以上からなるプレポリマーに硬化剤を配合してなるポリウレタンエラストマーを用いることができ、具体的にはポリテトラメチレングリコール(PTMG)を好適に用いることができる。硬化剤としては、前記一般的にウレタンに使用されるものが使用できる。
そして、上記プレポリマーと硬化剤とを混合攪拌し、所定時間所定温度条件下で硬化させ、ポリウレタン組成物を得る。そして、前記ポリウレタン組成物を研磨機等で研磨する、或いは冷凍粉砕などにより粉末化して用いる。この場合、通常平均粒径は100μm〜500μmとなる。の微細化した粉状のポリウレタンを得る。平均粒径が500μmより大きくなると、機械的強度が得られず、ゴム組成物の強度、耐摩耗性を低下させるだけではなく、粉末状ポリウレタンとEPDMの界面から亀裂が生じやすい為、ベルト寿命が低下して十分な機能が得られないためである。
前記ポリウレタン粉末は、新たにポリウレタン組成物を作製するだけではなく、スクラップを利用することもできる。ポリウレタン製ベルトをベルト製造工程で発生するベルト屑を粉砕したもの、或いは、成形スリーブを回転させつつ研磨ホイールによりV溝に削ったときに発生する粉末状の研削屑であり、平均一次粒径が500μm以下のもの、好ましくは10〜100μmである。平均粒径が10μmより小さくなると、エラストマー中に微分散させるのが困難になるという問題がある。
スクラップのポリウレタンをリサイクルする方法としては、ウレタン製歯付ベルトの製造工程等で発生するベルト屑を冷凍粉砕などにより粉末化して用いる場合があり、この場合通常100〜500μmの範囲に入る。一方、ポリVベルトの製造工程で発生する研磨粉を用いる場合があるが、この場合、発生したウレタン粉をそのまま、或いは篩いにかけて使用し、通常バフ粉の平均一次粒径は30〜100μmである。
ここで、用いるポリウレタンは、熱硬化性ポリウレタンのみならず、熱可塑性ポリウレタンも使用可能である。
この熱可塑性ポリウレタンエラストマーを生成する為のイソシアネート化合物としては、トルエンジイソシアネートやメチレンジイソシアネート等が使用される。又、ポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクトン系ポリオール等が使用される。
上記粉末状ポリウレタンは、エチレン・α‐オレフィンエラストマー100質量部に対して5〜30質量部の割合で配合される。配合量が5質量部未満の添加ではリサイクル材としての使用量が少なくなるばかりか、エラストマーに親水性を付与できないという問題があり、30質量部を越えて添加すると未加硫ゴムのスコーチタイムの減少、粘度の上昇やゴムシートの粘着性の低下などにより加工性に問題が生じる。
エチレン・α‐オレフィンエラストマーのみからなるゴム組成物は、親水性が低いため、被水時にベルトとプーリの間の水の浸水状態が均一でなくなるが、粉末状ポリウレタンを配合し、ベルト表面に親水性のポリウレタンが表出することより、浸水時にベルトの濡れ性が均一となり、ベルトとプーリ間のスティックスリップを防ぐことができる。このとき、粉末状ポリウレタンを30質量部を越えて配合した場合は、分散性が悪くなり、ポリウレタンが表出しない箇所も出てくることから、浸水時のベルトの濡れ性が均一とならず、ベルトとプーリ間のスティックスリップを防ぐことができない。
エチレン・α‐オレフィンエラストマーのみからなるゴム組成物は、親水性が低いため、被水時にベルトとプーリの間の水の浸水状態が均一でなくなるが、粉末状ポリウレタンを配合し、ベルト表面に親水性のポリウレタンが表出することより、浸水時にベルトの濡れ性が均一となり、ベルトとプーリ間のスティックスリップを防ぐことができる。このとき、粉末状ポリウレタンを30質量部を越えて配合した場合は、分散性が悪くなり、ポリウレタンが表出しない箇所も出てくることから、浸水時のベルトの濡れ性が均一とならず、ベルトとプーリ間のスティックスリップを防ぐことができない。
前記圧縮ゴムを形成するゴム配合物は、前記エチレン・α‐オレフィンエラストマー、粉末状ポリウレタンの他に通常のゴム配合物に配合される配合剤、即ち加硫剤、加硫促進剤、カーボンブラック、老化防止剤、補強用短繊維等が適宜配合される。
前記加硫促進剤は、新ゴムの加硫度を増大させ、再生ゴムによる物性低下を防止する目的で有効に利用される。加硫促進剤の配合量は特に限定されないが、新ゴム100重量部に対して0.5〜3重量部が好ましい。加硫促進剤としては、N,N'-m-フェニレンジマレイミド、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア、トリメチルチオウレア、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド等があり、中でもN,N'-m-フェニレンジマレイミドが最も好ましい。
前記カーボンブラックは、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF等の品種の中で、ローエッジVベルト等の動力伝動用ベルトの使用環境を考慮すると、耐磨耗性に優れたSAF、ISAF、HAF等を採用することが好ましい。しかし、耐磨耗性に優れたカーボンブラックは平均一次粒径が小さいため、ゴム内部での発熱が大きくなり、ゴムの早期劣化につながる問題がある。そのため、適度に大きな平均一次粒径を有するFEF、GPF等を用いることが好ましい。カーボンブラックの添加量は、新ゴム100重量部に対して40重量部以下が好ましい。添加量が40重量部を超えると、ゴムの諸物性のバランスがくずれ、特に引裂強さが悪化する。
前記各種配合剤を混練する方法は、バンバリーミキサー、ロール、ニーダーを用いて行われ、再生ゴムも他の配合剤と同様に投入され、混練される。とりわけ、バンバリーミキサーで混練すると、良分散となり、好ましい。
又、本発明では、動力伝動用ベルトとしてVリブドベルトが好適に使用される。このVリブドベルト1は、上記でも記載したように通常のものであり、カバー帆布からなる伸張ゴム層5と、コードよりなる心線2を埋設した接着層3、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層4からなっている。この圧縮ゴム層4は、ベルト長手方向に延びる断面略三角形である台形の複数のリブ部6を有している。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1〜3、比較例1,2
まず、熱硬化性ポリウレタンとして、トリレンジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとを反応させて得られるプレポリマーであるコロネート4095(日本ポリウレタン社製、イソシアネート含有率:6.3%)100質量部と3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン(MOCA、イハラケミカル社製)18質量部を120°Cの条件下で3時間硬化し、得られた熱硬化物を研磨機(砥材:GC、粒度:0060)で研磨し、平均粒径100μm以下の微細化した熱硬化ポリウレタンを得た。
実施例1〜3、比較例1,2
まず、熱硬化性ポリウレタンとして、トリレンジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとを反応させて得られるプレポリマーであるコロネート4095(日本ポリウレタン社製、イソシアネート含有率:6.3%)100質量部と3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン(MOCA、イハラケミカル社製)18質量部を120°Cの条件下で3時間硬化し、得られた熱硬化物を研磨機(砥材:GC、粒度:0060)で研磨し、平均粒径100μm以下の微細化した熱硬化ポリウレタンを得た。
合成ゴムには表1に示す配合としたエチレン・α‐オレフィンエラストマー(IP3640:デュポン・ダウエラストマージャパン製)を用い、微細化された熱硬化ポリウレタンをエチレン・α‐オレフィンエラストマー100質量部に対して30質量部加え、カーボンブラック、パラフィンオイル、有機過酸化物、その他薬品をバンバリーミキサーにて混練りし、この組成物を電気プレス機で170°Cの温度で20分間加硫を行うことによりゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物の硬度はJIS−K6253、破断強度はJIS‐K6251、摩耗試験はJIS‐K6264により測定した。水との接触角は協和界面科学株式会社製の全自動接触角計(CA‐W型)で、液滴法を用い滴下した水滴の投影写真からΦ/2法により図2のように接触角を算出した。測定は滴下60秒後の接触角を算出した。これらの結果は表1に示す。
得られたゴム組成物の硬度はJIS−K6253、破断強度はJIS‐K6251、摩耗試験はJIS‐K6264により測定した。水との接触角は協和界面科学株式会社製の全自動接触角計(CA‐W型)で、液滴法を用い滴下した水滴の投影写真からΦ/2法により図2のように接触角を算出した。測定は滴下60秒後の接触角を算出した。これらの結果は表1に示す。
実施例4〜6
次に、耐熱性ウレタンとして、ポリオール成分が平均分子量が2,044のポリカーボネートとカプロラクトンとの共重合体ポリオール(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン982R)を100質量部用いた。
次に、耐熱性ウレタンとして、ポリオール成分が平均分子量が2,044のポリカーボネートとカプロラクトンとの共重合体ポリオール(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名ニッポラン982R)を100質量部用いた。
ポリイソシアネート成分として、パラフェニレンジイソシアネート(=PPDI、デュポン社製)を15.6質量部用いた。
硬化剤として、2,2´,3,3´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン(=TCDAM、イハラケミカル工業株式会社製)を12.9質量部用いた。
そして、上記と同様にエチレン・α‐オレフィンエラストマー(IP3640:デュポン・ダウエラストマージャパン製)を用い、微細化された耐熱性ポリウレタンをエチレン・α‐オレフィンエラストマー100質量部に対して30質量部加え、カーボンブラック、パラフィンオイル、有機過酸化物、その他薬品をバンバリーミキサーにて混練りし、その組成物を電気プレス機で170°Cの温度で20分間加硫を行うことによりゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物の硬度はJIS‐K6253、破断強度はJIS‐K6251、摩耗試験はJIS‐K6264により測定した。水との接触角は協和界面科学株式会社製の全自動接触角計(CA‐W型)で、液滴法を用い滴下した水滴の投影写真からΦ/2法により図2のように接触角を算出した。測定は滴下60秒後の接触角を算出した。これらの結果は表1に示す。
得られたゴム組成物の硬度はJIS‐K6253、破断強度はJIS‐K6251、摩耗試験はJIS‐K6264により測定した。水との接触角は協和界面科学株式会社製の全自動接触角計(CA‐W型)で、液滴法を用い滴下した水滴の投影写真からΦ/2法により図2のように接触角を算出した。測定は滴下60秒後の接触角を算出した。これらの結果は表1に示す。
表1の結果から、実施例は、ウレタン研削屑が入っていない比較例1に比べて水との接触角が小さくなっていることがわかる。又、ウレタン研削屑が60質量部入った比較例2は、ウレタン研削屑を60質量部混ぜると分散性が悪くなり、かえってウレタンが表面に出ない箇所も出てくるため、水との接触角が大きくなったと考えられる。
又、該ゴム組成物を用いてカットエッジタイプのコグドVベルトを作製した。本実施例で作製したコグドVベルトは、表面に1プライの帆布を積層した圧縮ゴム層と、表面に1プライの帆布を積層した伸張ゴム層と、両ゴム層間にポリエステル繊維ロープからなる心線を埋設した接着ゴム層を配置した構成からなる。又、圧縮ゴム層、伸張ゴム層には短繊維が含有されてなり、ベルト幅方向に配向している。
ベルトの製造方法は公知の方法であり、先ず、所定の間隔で溝部を設けた円筒状ドラムの周囲に1プライの補強布、未加硫圧縮ゴムシート、未加硫接着ゴムシートを巻き付けた後、この上に心線となるロープを螺旋状にスピニングし、さらに未加硫伸張ゴムシート、1プライの補強布を巻き付けて積層体(未加硫ベルトスリーブ)を得た後、これ加硫して加硫ベルトスリーブを得る。このようにして得られた加硫ベルとスリーブをカッターにより所定の幅に切断し、個々のVリブドベルトに仕上げた。
このようにして得られた実施例4〜6のベルトの耐熱耐久試験を実施した。耐熱耐久試験の評価に用いた走行試験機は、駆動プーリ(直径120mm)、アイドラープーリ(直径85mm)、テンションプーリ(直径45mm)を順に配置して構成したものである。そして、試験機の各プーリにVリブドベルトを懸架し、アイドラープーリへの巻き掛け角度を90°にして、雰囲気温度120°C、駆動プーリの回転数4900rpm、ベルト張力559N/3リブの試験条件で、駆動プーリに荷重を付与してVリブドベルトを500時間走行させ、圧縮層に発生したクラック数を調べた。実施例4〜6は全て500時間走行し、クラック等の問題もなく打ち切った。
本発明は、ベルトの製造工程で発生する屑をリサイクルしたゴム組成物を用いて耐摩耗性、耐屈曲性、水との濡れ性を備えた低コストの動力伝動用ベルトに適用することができる。
1 Vリブドベルト
2 心線
3 接着層
4 圧縮層
5 伸張層
6 リブ部
7 心線
2 心線
3 接着層
4 圧縮層
5 伸張層
6 リブ部
7 心線
Claims (5)
- エチレン・α‐オレフィンエラストマー100質量部に対して、粉状のポリウレタンが5〜30質量部配合されていることを特徴とするゴム組成物。
- 前記ポリウレタンを密閉式混練機でエチレン・α−オレフィンエラストマー中に微分散させた請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記ポリウレタンがパラフェニレンジイソシアネートと、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールの1種又は2種以上からなるプレポリマーに硬化剤を配合してなるポリウレタンエラストマーが用いられる請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- ベルト長手方向に沿って心線を接着ゴム層に埋設し、該接着ゴム層に隣接して伝動面側には圧縮ゴム層を配置し、背面側には伸張ゴム層を配置したVリブドベルトにおいて、少なくとも前記圧縮ゴム層が請求項1から3のいずれかに記載のゴム組成物からなることを特徴とするVリブドベルト。
- 前記Vリブドベルトの動力伝達面にポリウレタン組成物が表出している請求項4に記載のVリブドベルト。
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