JP2008266209A - 固体型殺菌剤及び人体施用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】パラベン等の殺菌剤を大幅に減量、又は完全に使用することなく、優れた殺菌性、幅広い殺菌スペクトル、審美性を備え、安全性、保湿性等の高い人体施用組成物、及びこの人体施用組成物を容易に調製することができる固体型殺菌剤を提供する。
【解決手段】特定のクオタニウム塩、スチリル化合物のうちの少なくとも一種以上を炭素数2〜3のアルコールに加温下で溶解してなる高濃度溶液と、(2)ポリエチレングリコールと、を加温下で混合したのち、冷却固化することによって、固体型殺菌剤を調製する。また、この固体型殺菌剤を、他の構成成分と混合することによって、人体施用組成物を容易に調製する。
【選択図】なし

Description

この発明は、高い殺菌力と広い殺菌スペクトルとを備え、化粧品などに容易に配合できる固体型殺菌剤、及びこの固体型殺菌剤を含む人体施用組成物に関する。
化粧品、外用医薬品、外用医薬部外品などの人体施用組成物には、防腐殺菌剤として、一般的にパラベン類、安息香酸及びその塩類、サリチル酸及びその塩類等が使用されている。
ただ、これらの防腐殺菌剤は皮膚刺激性が高く安全性が低いため、使用配合範囲に制限があるという欠点を有していた。例えば、パラベンや安息香酸塩類の使用制限濃度は1%、安息香酸やサリチル酸の使用制限濃度は0.2%である。また、これらの防腐殺菌剤は、その殺菌効果がpHにより影響され易くて安定化しない、界面活性剤などの他の配合剤と併用すると殺菌力が著しく低下する、などの問題点があった。さらに、これらの防腐殺菌剤を制限範囲内で配合した各種化粧品であっても、その累積使用によって皮膚障害やアレルギー反応が生じることがあり、大きな社会問題にもなっていた。
そこで、消費者の安全性に対する指向に応えるため、化粧品などに防腐殺菌剤を全く配合しないことや、その配合量を極端に低減することが求められるようになっており、現在までにも様々な試みがなされてきた。
具体的には、複数の固体型殺菌剤を使用して、それらの相乗効果を生じさせ、防腐殺菌剤の使用量を軽減する方法が例示できる。また、これら防腐殺菌剤は水相に存在する量により効果が左右されることから、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコールを添加して、防腐殺菌剤の水相への分配を高める方法も例示できる。
ただし、防腐殺菌剤と多価アルコールとの併用により殺菌効果は向上するものの、その効果は多価アルコールを大量に配合しなければ発揮できなかった。例えば、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコールは10重量%以上、グリセリンは30重量%以上配合しないと防腐殺菌効果を発揮できない。しかし、これだけの量を配合することは他の成分との兼ね合いを考えると事実上不可能であった。
ところで、微量でも安定した殺菌効果を示し、皮膚刺激性が低くて安全性が高い物質のとして、クオタニウム73、クオタニウム51、クオタニウム45等のクオタニウム塩、一部のスチリル化合物(例えば、INCI名ジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリュームアイオダイド)が従来から使用されている。
なお、クオタニウム73及びスチリル化合物は優れた殺菌剤としてすでに多くの報告があり、これらよりも殺菌作用はやや劣るものの、クオタニウム51は発毛、育毛作用を併せ持つことが報告されており、クオタニウム45は皮膚用として整肌効果のあることが報告されている。
また、これらクオタニウム塩等は、少量で効果を示すものの、カチオン性の塩のため水やアルコールに対する溶解性が極めて低いが、他の防腐殺菌剤と異なり微量で効果があるため、エタノール溶液や、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール等の可溶化剤を使用して使用して溶解性の改善が行われている。なお、これらクオタニウム塩は作用効果の面から化粧品で0.002重量%、医薬部外品で0.005重量%配合することを法規上の上限としている。
さらに、クオタニウム塩等は、幅広い殺菌スペクトルを供えているものの、グラム陽性菌に対する殺菌性に比べ、グラム陰性菌への殺菌性がやや劣っている。そのため、従来はパラベン等の固体型殺菌剤と併用することにより、グラム陰性菌への殺菌性を高めていた。しかし、この場合には、パラベン等の防腐殺菌剤を大幅に減量すること、又は完全に排除することはできなかった(例えば、特許文献1)。
一方、発明者らは、化粧品原料として一般的に使用されているポリエチレングリコールにクオタニウム塩等を90〜100℃の高温下で一定時間攪拌しながら混合し、これを冷却固化してなる固体型殺菌剤を化粧品等に使用すること、をすでに試みている。
しかし、この固体型殺菌剤は、混合中は澄明であるものの固化後は暗色化してしまうこと、吸光光度の測定からクオタニウム塩等の多くが分解しており殺菌力が期待できないことから、化粧品等への使用は実用的でなかった。
特開平11−322591号公報
そこで、この発明は、パラベン等の有害な防腐殺菌剤を大幅に減量、又は完全に使用することなく、優れた殺菌性、幅広い殺菌スペクトル、審美性を備え、かつ安全性の高い人体施用組成物を提供すること、及びこの人体施用組成物を容易に調製することができる固体型殺菌剤を提供することを課題とする。
発明者らは、クオタニウム塩等を加温下でアルコールに溶解したのちに、これと、ポリエチレングリコールとを加温下で混合したのち、冷却固化すれば、クオタニウム塩等と、ポリエチレングリコールとが容易に混合し化学的に安定した固体型殺菌剤を調製できること、及びこの固体型殺菌剤を使用すれば優れた殺菌性と幅広い殺菌スペクトルとを備え、安全性の高い人体施用組成物を容易に調製できることを見出し、この発明を完成させた。
すなわち、請求項1に記載の固体型殺菌剤は、(1)特定のクオタニウム塩、スチリル化合物のうちの少なくとも一種以上を炭素数2〜3のアルコールに加温下で溶解してなる高濃度溶液と、(2)ポリエチレングリコールと、を加温下で混合したのち、冷却固化してなるものである。
また、請求項2に記載の人体施用組成物は、請求項1に記載の固体型殺菌剤を含むものである。なお、人体施用組成物とは、化粧品、医薬部外品、外用医薬部外品など人体の外部に直接施用する組成物を意味する。
この発明の固体型殺菌剤は、微量で殺菌力に優れたクオタニウム塩等と、ポリエチレングリコールとを含むものであり、これを化粧品などの人体施用組成物に含有させることによって、優れた殺菌性、幅広い殺菌スペクトル、審美性を備え、安全性等の高い人体施用組成物を容易に調製することができるようになった。また、この人体施用組成物は、パラベン等の従来からある防腐殺菌剤を含んでいないため、累積使用による皮膚障害やアレルギー反応を引き起こす可能性はほとんどない。そのため、これらの疾病が生じることを理由に化粧等ができなかった人でも、化粧等ができるようになった。
1.固体型殺菌剤
この発明にかかる固体型殺菌剤は、(1)高濃度溶液と、(2)ポリエチレングリコール(PEG)とを加温下で混合してなるものである。以下にその詳細について説明する。
(1)高濃度溶液
特定のクオタニウム塩及び特定のスチリル化合物のうちの少なくとも一種以上を炭素数2〜3のアルコールに加温下で溶解したものである。
(i)クオタニウム塩及びスチリル化合物
この発明で使用するクオタニウム塩は、以下のその殺菌性や安全性が確認されている下記のクオタニウム73(化1)、クオタニウム51(化2)及びクオタニウム45(化3)である。また、この発明で使用するスチリル化合物は、INCI名ジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリュームアイオダイド(化4)である。なお、クオタニウム塩及びスチリル化合物は、用途に応じて、その一種を単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2008266209
Figure 2008266209
Figure 2008266209
Figure 2008266209
(ii)炭素数2〜3のアルコール
この発明で使用する炭素数2〜3のアルコールとは、エタノール又はプロパノールのことであり、これらの中でも前記のクオタニウム塩やスチリル化合物の溶解度が高く、安全性、汎用性を備えていることからエタノールが好ましい。なお、これらのアルコールは、用途に応じて、その一種を単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
(iii)溶解方法
クオタニウム塩、スチリル化合物は加温下で炭素数2〜3のアルコールに溶解する。ここで、加温温度は使用するクオタニウム塩、スチリル化合物及び炭素数2〜3のアルコールによって異なるものの、クオタニウム塩、スチリル化合物の分解を抑制するため75℃以下が好ましく、溶解度を高めるため65℃以上が好ましい。
また、高濃度溶液中のクオタニウム塩、スチリル化合物の濃度は、後述する人体施用組成物がその効果を生じるように、固体型殺菌剤中の高濃度溶液の含有量、人体施用組成物中の固体型殺菌剤の含有量などを勘案して設定すればよい。ただし、高濃度溶液は希釈して使用するため、なるべく高濃度、できれば飽和濃度に近い濃度であることが好ましい。
なお、クオタニウム塩、スチリル化合物は、古くから化粧品、医薬部外品等に殺菌、育毛、ニキビ治療薬など低濃度で幅広い菌種に対して殺菌活性を持つ物質の材料として、多多方面で長年にわたって使用されおり、その安全性は極めて高いことが確認されている。
そのため、固体型殺菌剤中のクオタニウム塩等の含有量については、その用途に応じて自由に変更することができ特に限定する必要はないが、殺菌効果を考慮すると、0.01重量%〜2.00重量%が好ましく、0.01重量%〜1.00重量%がより好ましい。
より具体的には、クオタニウム73だけを使用するときには、その含有量が、PEG4,000とPEG6,000との総含有量に対して、0.02〜1.00重量%であることが好ましい。これは、アルコールへの溶解量をなるべく高くするとともに、固体型殺菌剤からクオタニウム塩等を再析出させないためである。
また、クオタニウム51、クオタニウム45、またはジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリュームアイオダイドを組み合わせて使用するときには、その総含有量が、PEG4,000とPEG6,000との総含有量に対して、0.02〜2.00重量%であることが好ましい。これは、クタニウム73に比し、アルコールへの溶解性がよいからである。
クオタニウム51とクオタニウム73とを組み合わせて使用するときには、その総含有量が、PEG4,000とPEG6,000との総含有量に対して、0.02〜2.00重量%であることが好ましい。これは、単品としての使用量を低減できるからである。
クオタニウム45とクオタニウム73とを組み合わせて使用するときには、その総含有量が、PEG4,000とPEG6,000との総含有量に対して、前記と同様の理由から、0.02〜2.00重量%であることが好ましい。
クオタニウム51、クオタニウム45、クオタニウム73及びジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリュームアイオダイドを組み合わせて使用するときには、その総含有量が、PEG4,000とPEG6,000との総含有量に対して、0.02〜2.00重量%であることが好ましい。これは、4品混合する場合、単品としての使用量を低減できるからである。
なお、人体施用組成物中のクオタニウム塩、スチリル化合物の含有量については、法律上の理由から、0.002重量%〜0.005重量%が好ましい。
(2)ポリエチレングリコール
ポリエチレングリコールは、エチレンオキシドのアルカリによりラジカル重合、プロトン開始によるカチオン重合によって合成した水溶性の高分子である。ポリエチレングリコールは含有する高分子の分子量によって、正確には含有する高分子のガウス曲線様の分子量分布によって、PEG6,000、PEG4,000などに分類することができる。例えばPEG6,000の平均分子量は7,300〜9,300であり、PEG4,000の平均分子量は2,700〜3,400である。
これらのポリエチレングリコールの中でも、PEG6,000、PEG4,000の使用が好ましい。これは、PEG6,000、PEG4,000の溶解点、凝固点が本発明に最も適しているからである。
(3)混合方法
(i)混合方法
前記(1)高濃度溶液と(2)ポリエチレングリコールとを、定法によって加温下で混合したのち冷却固化する。ここで、固体後の形状は錠剤型などの定型を有するものであってもよく、粉末や顆粒状など流動性を有するものであってもよい。
また、混合する際の加温温度は、使用するクオタニウム塩、スチリル化合物及び炭素数2〜3のアルコールによって異なるものの、クオタニウム塩、スチリル化合物の分解を抑制するため75℃以下が好ましく、クオタニウム塩等のポリエチレングリコールへの溶解度を高めて均一に混合するため、70℃℃以上が好ましい。なお、混合したのちに、冷却してなる固化物を粉砕して、40℃程度か40℃前後の温度で真空吸引することにより、高濃度溶液の調製で使用したアルコールを除去してもよい。
このようにして調製された固体型殺菌剤は、取り扱いが極めて容易であり、常温で変質、分解することなく安定しており、冷蔵庫中はもちろん、遮光瓶中に入れておけば室温でも保管できる便利な材料である。また、この固体型殺菌剤は、固体であるため、取り扱いや秤量が容易であり、溶解性も高いため、人体施用組成物を調製する際にも容易に配合することができる。
2.人体施用組成物
この発明の人体施用組成物とは、前記固体型殺菌剤を含むものである。具体的には、前記固体型殺菌剤を公知の有効成分や吸収促進剤とともに、公知の方法によって調製した液剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、ゲル剤などのことであり、より具体的には洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、シャンプー、ヘアトリートメントなどの皮膚用・頭髪用の化粧品、美白、しみやそばかすの予防などの特定の使用目的とした外用医薬部外品、ニキビやアトピー治療用の医薬品などのことである。
以下に、この発明の固体型殺菌剤、人体施用組成物を実施例として具体的に調製し、その特性を試験した。なお、この発明は、いかなる意味においても以下の実施例に限定されるものではない。
(1)経時安定性試験
(i)検量線の作成
クオタニウム73 5mgを精秤し、エタノール200mlに70℃で加温しながら溶解して溶液を調製し、この溶液10mlを精製水100mlに希釈した。つぎに、この溶液を順次段階希釈した希釈溶液列を調製した。さらに、この希釈溶液列のAbs.Max 411±2nmを分光光度計で測定し、検量線を作成した。
また、同様にして、クオタニウム51、クオタニウム45、ジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリュウムイオダイドについても検量線を作成した。なお、クオタニウム51のAbs.Maxは404±2nm、クオタニウム45のAbs.Maxは363±2nm、ジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリュウムイオダイドのAbs.Maxは480±2nmであるとして測定し、検量線を作成した。
(ii)固体型殺菌剤の調製
クオタニウム塩等、アルコール、ポリエチレングリコールを含む固体型殺菌剤を調製した。具体的には、例えば、クオタニウム73 0.2gをイソプロパノール5.0mlに70〜75℃の加温下で溶解して高濃度溶液とし、この高濃度溶液を70℃の加温下でポリエチレングリコールと混合したのち、常温で冷却固化することによって調製した。なお、固体型殺菌剤の剤型は、定型(錠剤型、型ワク枠型)、粉末、顆粒状のものを調製した。また、「PEG4,000」はpH6.8(5%Aq)、凝固点56℃、平均分子量3360のもの、「PEG6,000」はpH6.8(5%Aq)、凝固点60℃、平均分子量8360のものを使用した。
なお、このようにして作成した固体型殺菌剤中のクオタニウム塩等の濃度が、分光光度計と前記検量線によって測定できることを、安定試験を開始する前に確認した。例えば、クオタニウム73を0.02重量%含む固体型殺菌剤の粉末1gをメスフラスコ中に入れ、50mlのエタノールを加えて、精製水で100mlにメスアップして溶解した。この溶解液を、測定範囲に収まるように精製水で段階的に希釈した。これらの希釈液のAbs.Max 411±2nmにおける吸光度を分光光度計で測定し、検量線から含有量を算出した。その結果、クオタニウム73の濃度が0.02%±0.001重量%の範囲内にあることが分かった。この結果及び他の固体型殺菌剤における同様の結果から、前記検量線を使用することにより、クオタニウム塩等の濃度を正確に測定できることを確認した。
(iii)経時安定性の測定
このようにして調製した固体型殺菌剤中のクオタニウム塩濃度を、調製時、半月、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の室内に常温で保管したものと、冷蔵庫内の冷暗所に保管したものに分けて安定性試験を行った。また、温度37℃、湿度60%、壁面に2灯の20wの蛍光灯を取り付けた恒温庫に各固体型殺菌剤を保管し、調製時、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月にクオタニウム塩の濃度を測定する強制的経時安定試験も行った。
その結果、クオタニウム45だけを含有する固体型殺菌剤について、強制的経時安定試験を行った場合に、6ヶ月後にその濃度が試験開始時の99.70±0.20に減少したことを除いて、吸光度の減衰、変質による吸光度曲線の変化は一切認められず、固体型殺菌剤が長期間安定していることを確認した。
(2)刺激性試験
(i)固体型殺菌剤の調製
下記の表1に示す配合割合(表中の値はW/W%)で、クオタニウム塩、アルコール、ポリエチレングリコールを含む固体型殺菌剤を調製した。具体的には、クオタニウム塩をアルコールに70〜75℃の加温下で溶解して高濃度溶液とし、この高濃度溶液を75℃の加温下でポリエチレングリコールと混合したのち、常温で冷却固化することによって各実施例を調製した。
Figure 2008266209
(ii)刺激性試験
実施例1から実施例3の固体型殺菌剤に対してそれぞれ5匹ずつ、計15匹のモルモットを使用して行った。具体的には、実施例1から実施例3の固体型殺菌剤を生理食塩水で10倍に希釈し、この希釈液をモルモットの背部に塗って皮膚の炎症を調べた。その結果、いずれの固体型殺菌剤についても皮膚に対する刺激は殆どなかった。
(3)殺菌性試験
複数の固体型殺菌剤を調製し、その最小発育阻止濃度(MIC)を測定することにより、その殺菌力を試験した。
(i)固体型殺菌剤の調製
下記の表2に示す配合割合(表中の値はW/W%)で、クオタニウム塩等、アルコール、ポリエチレングリコールを含む固体型殺菌剤を調製した。具体的には、クオタニウム塩をアルコールに70℃の加温下で溶解して高濃度溶液とし、この高濃度溶液を70〜75℃の加温下でポリエチレングリコールと混合したのち、常温で冷却固化することによって各実施例を調製した。
Figure 2008266209
(ii)MICの測定
まず、前記6種の固体型殺菌剤それぞれについて、生理食塩水で希釈してクオタニウム塩の濃度が0.02%の水溶液(規定溶液)を調製した。そして、各規定溶液を生理食塩水で段階的にさらに希釈して段階希釈系列(クオタニウム塩の濃度が0.02〜0.0005%)を作成した。また、供試菌をブイヨン培地で約18時間2回前培養した培養液を濁度計で測定して108cells/mlと仮定し、SCD培地で約105cells/mlに希釈したものを菌懸濁液として準備した。なお、供試菌としてはEscherichia coli IFO3972(大腸菌)及びStaphylococcus aureus IFO13276(黄色ブドウ状球菌)を使用した。また、菌数はコロニーカウント法により確認した。
つぎに、乾熱滅菌済みの15ml容試験管に、各種濃度に調整した希釈液とSCD培地をそれぞれ1.4mlずつ入れ、103cells/mlとなるように菌懸濁液70μlを接種し、35℃で24時間培養を行った。培養完了後、菌の増殖を目視にて判断したのち、完全に菌の増殖が阻止された濃度のものを1g採取し、寒天培地中24時間培養して完全阻止を確認してMICとした。その結果を表3に示す。
Figure 2008266209
表3の結果から、クオタニウム73を含む実施例4は0.0005〜0.005%で、クオタニウム51を含む実施例5は0.001〜0.01%で、クオタニウム45を含む実施例6は0.005〜0.015%で、スチリル化合物(化4)を含む実施例7は0.00025〜0.0025%でS.aureus及びE.coliの増殖を抑制できることが分かった。また、各固体型殺菌剤のMICは、各固体型殺菌剤が含むクオタニウム塩等のMIC値とほぼ同等の値を示していることも分かった。さらに、比較的殺菌活性の弱いクオタニウム51や45にクオタニウム73やスチリル化合物(化4)を混合した固体型殺菌剤(実施例8、実施例9)でも、充分高い殺菌活性が得られた。
これらの結果から、各固体型殺菌剤は高い殺菌性を備えているとともに、固体型殺菌剤に調製しても含有するクオタニウム塩等の殺菌力は低下しないことが確認できた。また、複数のクオタニウム塩等を混合することによって、殺菌力を向上させることができるので、複数のクオタニウム塩を含む人体施用組成物を製造する場合には、クオタニウム塩等を人体施用組成物にそれぞれ個別に配合するのではなく、複数のクオタニウム塩を含む固体型殺菌剤を調製し、調製した固体型殺菌剤を配合したほうが簡便であることが確認できた。
(4)溶解性試験
クオタニウム塩の溶解方法を変えて固体型殺菌剤を調製したのち、固体型殺菌剤に含まれるクオタニウム塩の濃度を測定することにより、溶解方法の違いが固体型殺菌剤中のクオタニウム塩の濃度に与える影響を調べた。
(i)クオタニウム73
まず、クオタニウム73、0.01gをエタノール5gに70℃の加温下で溶解したのち、これをPEG 6,000、94.99gに70〜75℃の加温下で混合して、この発明の固体型殺菌剤を調製した。また、クオタニウム73、0.01gをPEG 6,000、99.99gに90〜95℃の加温下で強制的に加熱混合して、比較対照となる固体型殺菌剤を調製した。
つぎに、調製した固体型殺菌剤1.0gをエタノール100mlに溶解し、希釈液の吸光度を、測定波長を変えながら測定した。その結果を図1に示す。なお、(a)はこの発明の固体型殺菌剤の吸光度を測定した結果であり、(b)は比較対照となる固体型殺菌剤の吸光度を測定した結果である。
図1から、吸収極大波長である411nm付近の吸光度を(a)と(b)の間で比較すると、(a)に比して(b)は明らかに濃度の低減が認められた。この結果から、この発明の固体型殺菌剤は、比較対照となる固体型殺菌剤と比較して、クオタニウム塩が分解していないことが確認できた。なお、(a)の溶液が淡黄色であるのに対して、(b)は暗褐黄色であり、審美性の点においても、この発明の固体型殺菌剤の方が優れていることが確認できた。
クオタニウム51を使用して、同様の方法により溶解方法の違いが固体型殺菌剤中のクオタニウム塩の濃度に与える影響を調べた。
(ii)クオタニウム51
まず、クオタニウム51、0.01gをエタノール5gに70℃の加温下で溶解したのち、これをPEG 6,000、94.99gに70〜75℃の加温下で混合して、この発明の固体型殺菌剤を調製した。また、クオタニウム51、0.01gをPEG 6,000、 99.99gに90〜95℃の加温下で強制的に加熱混合して、比較対照となる固体型殺菌剤を調製した。
つぎに、調製した固体型殺菌剤1.0gをエタノール100mlに溶解し、希釈液の吸光度を測定波長を変えながら測定した。その結果を図2に示す。なお、(a)はこの発明の固体型殺菌剤の吸光度を測定した結果であり、(b)は比較対照となる固体型殺菌剤の吸光度を測定した結果である。
図2から、吸収極大波長である404nm付近の吸光度を(a)と(b)の間で比較すると、有意な差異が認められた。すなわち、この発明の固体型殺菌剤と比較対照となる固体型殺菌剤では、そのオタニウム51の濃度が有意の差異があることが分かった。この結果から、この発明の固体型殺菌剤は、比較対照となる固体型殺菌剤と比較して、クオタニウム塩が分解していないことが確認できた。なお、(a)の溶液が淡黄色であるのに対して、(b)は暗褐黄色であり、審美性の点においても、この発明の固体型殺菌剤の方が優れていることが確認できた。
(5)使用感等の試験
(i)人体施用組成物の調製
人体施用組成物を以下の表4〜表9に記載の処方に従って、定法により調製した。
Figure 2008266209
Figure 2008266209
Figure 2008266209
Figure 2008266209
Figure 2008266209
Figure 2008266209
(ii)使用感等の試験
調製したヘアトニック(表5に記載)は、男女それぞれ5人ずつに10名に1日1回3週間に渡って、頭部に振り掛けて、その後すぐにマッサージすることによって使用してもらい、その使用感、清涼感、刺激性の有無、かゆみの発生について感応評価をしてもらった。また、O/W型クリーム(表7に記載)は、女性10名に1日1回2週間に渡って、顔面に塗布して、すり込む形で試用してもらい、使用感、しっとり感、かゆみ、刺激の発生などについて感応評価をしてもらった。
その結果、何れの被験者にも使用による赤みや炎症の発生等の問題が生じることはなく、使用感も良好であるとの回答をえた。また、刺激性については、大部分の人からは刺激をあまり感じないとの回答をえた。ただ、O/W型クリームを使用した被験者のうちの一人から口まわり、顎下部分で、極めて低いが刺激を感じるとの回答があった。以上の結果から、前記のヘアトニック及びO/W型クリームは使用感に優れ、刺激性も低いことが確認できた。
溶解方法の違いが、固体型殺菌剤に含まれるクオタニウム73の分解に与える影響を示す図である。なお、(a)はこの発明の固体型殺菌剤の吸光度を測定した結果であり、(b)は比較対照となる固体型殺菌剤の吸光度を測定した結果である。 溶解方法の違いが、固体型殺菌剤に含まれるクオタニウム51の分解に与える影響を示す図である。なお、(a)はこの発明の固体型殺菌剤の吸光度を測定した結果であり、(b)は比較対照となる固体型殺菌剤の吸光度を測定した結果である。

Claims (2)

  1. (1)次式1(化1)で示されるクオタニウム73、次式2(化2)で示されるクオタニウム51、次式3(化3)で示されるクオタニウム45及び次式4(化4)で示されるスチリル化合物のうちの少なくとも一種以上を炭素数2〜3のアルコールに加温下で溶解してなる高濃度溶液と、
    (2)ポリエチレングリコールと、
    を加温下で混合したのち、冷却固化してなる固体型殺菌剤。
    Figure 2008266209
    Figure 2008266209
    Figure 2008266209
    Figure 2008266209
  2. 請求項1に記載の固体型殺菌剤を含有する人体施用組成物。
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