JP2008266203A - 活性酸素種消去酵素群の活性を向上させる方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】科学的根拠に基づいた作用機作および高い安全性を有し,安価で広く利用できることが可能な活性酸素種(ROS)消去酵素群の活性を向上させる方法を提供する。
【解決手段】 ROS消去酵素を有する生物に,エリスリトール,マンニトール,ソルビトール,キシリトール,から成る群から選ばれる1種または2種以上の物質により,投与濃度0.01%〜10%において,スーパーオキシドジスムターゼ,カタラーゼ,ペルオキシダーゼ等のROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進を惹起させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、喫煙等の生活習慣、加齢、疾病、精神的ストレス等により低下する活性酸素種(Reactive Oxygen Species:ROS)消去酵素の発現をエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールにより誘導することを特徴とする、ROS消去酵素活性を向上させる方法に関する。また、本発明は、上記機作を利用し、ROSが関与する疾病の予防・治療を補完する方法に関する。
生物体は、生命エネルギーを得るために酸素呼吸を行っているが、これは同時に、常に酸化ストレスに暴露されていることに他ならない。この酸化ストレスは、酸素分子のうち、分子内に不対電子を有し反応性に富んだROSによりもたらされるものである。通常、ROS濃度はこれらROS消去酵素により、極低濃度に維持されている。しかし、喫煙等の生活習慣、加齢、疾病、精神的ストレス等により相対的に生体内におけるROS生成量がROS消去酵素の活性量を上回ると、余剰のROSが細胞に対し傷害を起こし、これが様々な疾病の直接的な原因とされている。
酸素呼吸を行う生物は、ROSを消去するための機構として、ROS消去酵素群を備えている。当該ROS消去酵素としては、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)(EC1.15.1.1)、カタラーゼ(EC1.11.1.6)、ペルオキシダーゼ(EC1.11.1.7)、グルタチオンペルオキシダーゼ(EC1.11.1.9)等が挙げられるが、生物種によりその詳細は異なる。スパーオキシドジスムターゼを例にとると、ラットおよびヒトはCu/Zn型、Mn型およびEC型の3型3種のSODを、シロイナズナはCu/Zn型、Mn型およびFe型の3型8種類ものSODを備えていることが知られている。
近年、特にSOD活性と疾病の発症との関連性が注目されている。例えばWerner症候群、筋萎縮性側索硬化症はSOD活性の低下により発症することが、また、メイラード反応は、SOD活性を著しく低下させることから、糖尿病患者のSOD活性は低下することが報告されている(非特許文献1)。また、SOD活性の低下は酸化ストレスに対する防御能も低下させることから、さらに種々の疾病を合併症として誘発する。
ROSが引き起こす疾病を改善する方法としては、生体内の余剰のROSを捕捉し、ROSの細胞傷害能を消去する方法、もしくはROS消去酵素系の活性を向上させ、健常時と同様にROSを消去する方法が有効である。
生体内の余剰のROSを捕捉し、ROSの細胞傷害能を消去する方法として、ビリルビン、尿酸、ビタミンE、カロテノイド、イソフラボノイド、フェノール類、アスコルビン酸等に代表される一連の抗酸化物質を摂取する方法が挙げられる(非特許文献2)。これら抗酸化物質は細胞よりも酸化傷害を受けやすい物質であり、いわば細胞の身代わりとしてROSと優先的に反応することで、ROSの細胞傷害能を消去させるものであり、ラジカルスカベンジャーと呼称される。これら抗酸化物質を含有する食品が、いわゆるSOD様食品であり、消費者の広い支持を得ている。しかしながら、これらの物質の反応性が高いが故に不安定であり、SOD様食品に含有している油脂等により、保存中に酸化や分解等の化学変化を受けるため、生体に入るまでにラジカル消去のための有効量を維持することが難しく、更に、生体に摂取されたとしても、前述同様に種々の反応を受けるため、選択的にROSの細胞傷害能を消去することが困難である。一方で、化学的に安定な糖アルコールの一種であるマンニトール、ソルビトール、キシリトールがヒドロキシルラジカル(HO・)捕獲剤として使用できることが提案されている(特許文献1)。同様にエリスリトールにもヒドロキシルラジカル、スーパーオキシドアニオン(O2−)、ヒドロペルオキシラジカル(HOO・)などのROS、脂質ペルオキシラジカル、脂質アルコキシラジカル等に対する当該ラジカルスカベンジャーとしての機能が見出され、食品、食品添加物、化粧品、疾病の予防及び/又は治療に用いるための医薬への利用が提案されている(特許文献2)。しかしながら、これら一連の糖アルコールのラジカルスカベンジャーとしての有効性は、いずれもin vitroにて実証されているのみで、実際に生体内にてROSを捕捉し、その細胞傷害能を消去した直接的な証拠が得られておらず、その作用機序も不明である。また、上記抗酸化物質は、ROSを補足すると反応機構上、自らが新たなラジカル種となるため、ROSの細胞傷害能を完全に消去できるか否かについては疑問が残る。
ROS消去酵素系の活性を向上させ、健常時と同様にROSを消去する方法として、ROS消去酵素系、特にSOD、カタラーゼに対し、活性促進効果を示す各種生薬の抽出物(特許文献3)、マンネンタケ属きのこの抽出物(特許文献4)、トコフェリルリン酸塩(特許文献5)を摂取する方法が開示されている。即ち、前項の抗酸化物質による生体内の余剰のROSの細胞傷害能を直接的に消去する方法とは異なり、上記ROS消去酵素活性促進物質は、SOD活性、カタラーゼ活性を促進させるトリガー物質として作用し、かつ微量にてROSを間接的に消去する特長を有する。しかしながら、上記各種生薬の抽出物、マンネンタケ属きのこの抽出物は、天然物からの抽出法により得られるもので食経験上問題なく、広く食品へ利用できると考えられるが、一方で、当該ROS消去酵素系の活性を促進させための有効成分含量が不確定であり、従ってその作用機序も不明瞭である。さらに、有効成分の含量が、収穫場所・収穫時期の影響を受け、一定ではないため、均質的な製剤化が困難である。また、トコフェリルリン酸塩は前述の2抽出物とは異なり、有効成分が特定され、また、その分子構造も解明されているため、ROS消去酵素系の活性促進の機序も推測可能である。しかし、合成法を採る製造上からも食経験上からも、その安全性が担保されておらず、現実的には明細書内実施例にもあるように、その用途はクリーム剤などに限定されるものと考えられる。このようにROS消去酵素系の活性を向上させてROSを消去する方法は、前項の抗酸化物質によるROSの消去法に比し、ROSを水と酸素にまで導き、無毒化させるため、機序的に優れているものの、当該活性促進効果を示す物質の報告例が少なく、機序が解明されており、且つ高い安全性が担保され、広く飲食物に供することができる物質は皆無であった。
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本発明においては、科学的根拠に基づいた機作および高い安全性を有し、安価で広く利用できることが可能な活性酸素種消去酵素群の活性を向上させる方法を提供することを目的とした。
上記課題を解決すべく、ROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進を惹起させる物質を検索するために、DNAマイクロアレイによるトランスクリプトーム解析および代謝物解析をスクリーニング方法として利用し、該当物質の検索を行った。
DNAマイクロアレイとは、数万から数十万に区切られたスライドガラス上にDNAの部分配列を高密度に配置、固定したものである。これを利用することで、発現している遺伝子を検出することができる。今回は、シロイナズナあるいはラットをモデル生物として用い、これを任意の物質で栽培あるいは飼育し、栽培後あるいは飼育後の細胞から抽出したmRNAを逆転写酵素でcDNAに変換したもの(ターゲット)とをハイブリダイゼーションすることによって、モデル生物細胞内で発現している遺伝子情報を網羅的に検出する、いわゆるトランスクリプトーム解析を行った。さらに、モデル生物細胞内のROS消去酵素タンパク質を分離・精製し、さらに当該酵素活性を測定することで、本トランスクリプトーム解析により得られた結果を直接的に検証した。
2%ショ糖含有MS培地組成に終濃度0〜2%となるように一連の物質を添加した培地で生育させたシロイナズナの根部からRNAを抽出し、上記DNAマイクロアレイに供した。また、コーンスターチを主成分とするコントロール食に終濃度0〜10%となるように一連の糖アルコールを添加した飼料で生育させたSDラットの肝細胞からRNAを抽出し、同様に上記DNAマイクロアレイに供した。モデル生物細胞内のROS消去酵素タンパク質はAKT Aexplorer(FPLC)を用いて分離・精製した。SOD活性測定はSOD Assay Kit−WSTを用い、標準プロトコールに則して行った。
DNAマイクロアレイの結果、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールを供した検体からは、ROS消去酵素の誘導を示す結果が得られた。特に、エリスリトールを供した検体からは、SODが強く誘導されている結果を得た。即ち、エリスリトールによるROS消去の機序は、一連の抗酸化物質のようにラジカルスカベンジャーとしてROSを無毒化するのではなく、ROS消去酵素活性を促進させるものである。しかしながら、ROS消去酵素活性を促進させる点においては、各種生薬の抽出物やマンネンタケ属きのこの抽出物やトコフェリルリン酸塩と同様であるが、エリスリトールはROS消去酵素そのものを誘導して活性を促進させる点において異なり、従って、従来には無いまったく新しいタイプのROS消去機序である。また、メタボローム解析によってROS消去酵素群を対照よりも高いレベルで検出しており、さらに実際のROS消去活性測定値も高値を示したことから、これら得られた結果は、上記ROS消去酵素の誘導を支持するものであった。なお、特許文献1および特許文献2には、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールが、自らROSを捕捉し、ROSの細胞傷害能を消去する旨が記載されているが、当該エリスリトールがROS消去酵素群、特にSODの増加または活性を惹起させる旨は記載されていない。
本発明者は、これらの結果より、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールが、ROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進を惹起することを明らかにし、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、ROS消去酵素を有する生物に、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールを投与することにより、ROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進を惹起する方法を提供するものである。さらに、ROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進を惹起することにより、ROSが原因である疾病の予防および/又は治療を補完する方法を提供するものである。さらには、ROS消去酵素群の酵素量が増加または酵素活性促進を惹起することにより、抗酸化力が付与された生物、植物を提供するものである。
本発明により、種々の疾病に関与していると言われているROSを消去する一連の酵素群の活性を惹起させることが可能となるため、ヒトを含む生物の疾病リスクを低減させることができる他、家畜や家禽類をはじめとする農林水産物の抗酸化力を向上させ、SOD様食品あるいは食品素材を提供することができる。
本発明のエリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールを投与することで、これを摂取した生体内にROS消去酵素群、特にROS消去酵素の増加または酵素活性促進をもたらすことができる。当該目的において、例えば、ROSが原因である疾病の予防および/または治療に有効な程度に惹起させることを特徴とする疾病の予防および/または治療を補完する場合には、注射剤、点滴剤、塗布剤、貼付剤の他、日常食する食品あるいは食品素材、飲料にエリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールを添加すればよい。同様に、家畜や家禽類を成育させる場合には、注射剤の他、日常供給する餌あるいは供給水に前述の糖アルコール類を添加すればよく、また、植物を生育させる場合には、葉面塗布剤、農薬剤の他、日常の散布水に前述の糖アルコール類を添加すればよい。この際食品、食品素材、飲料、餌、供給水、散布水に添加するエリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールの濃度は0.01重量%以上とすることが好ましく、0.05〜10重量%がより好ましい。当該添加量が0.01重量%未満では、ROS消去酵素の増加または酵素活性促進効果は十分には期待できない。投与の頻度は特に制限はなく、通常の摂食、飲水、散水の頻度と同等で十分である。
上記ROS消去酵素の増加または酵素活性促進効果を示すエリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールの注射剤、点滴剤、塗布剤、貼付剤、葉面塗布剤、農薬剤、食品、食品素材、飲料、餌、供給水、散布水に添加する方法は、特に限定されないが、これらの糖アルコール類単独あるいは他の糖類や糖アルコール類をバルク剤として製剤化したものを直接溶解させる方法の他、特に固形物に対しては当該糖アルコール類をあるいは糖アルコール製剤の水溶液に含浸させる方法等が挙げられる。
本発明は、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールを食品または食品素材に利用し、ROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進を惹起させることができる。また、ROSが原因である疾病の予防・治療を補完する本発明の方法は、安全性が担保された素材が従来にはないユニークかつ科学的論拠に裏付けされた機序にて発効し、さらに、微量にて著効を示す極めて優れた方法であり、低コストにてヒトや動植物の健康増進、ROSに対する耐性をコンディション維持に広く用いることが可能である。さらには、コンディションが良好な生物、植物を得ることができる。
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
2%ショ糖含有MS培地組成に終濃度0〜2%となるように一連の糖アルコールを添加した培地で生育させたシロイナズナの根部からTotal RNAを抽出し、ジーンフロンティア社のシロイナズナDNAチップ(搭載遺伝子数:30、480遺伝子、1遺伝子あたりのプローブ数6、プローブ長60mer)によりトランスクリプトーム解析を行った。この結果、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトール添加群において、SODをはじめとするROS消去酵素、特にエリスリトール群において、Cu/Zn型SODおよびSOD Cu Chaperone遺伝子などが多数Up−regulateされていた。
コーンスターチ552.5重量部、カゼイン250重量部、ミネラル混合物35重量部、ビタミン混合物10重量部、重酒石酸コリン2.5重量部、コーンオイル50重量部、粉末セルロース100重両部からなるコントロール食もしくは粉末セルロースを終濃度0〜10%となるように一連の糖アルコールに置換した飼料で30日間生育させた後、と殺したSD系ラットの肝臓を摘出し、肝細胞からTotal RNAを抽出し、ジーンフロンティア社のラットDNAチップ(搭載遺伝子数:21、205遺伝子、遺伝子あたりのプローブ数9、プローブ長60mer)によりトランスクリプトーム解析を行った。この結果、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトール添加群において、SODをはじめとするROS消去酵素、特にエリスリトール群において、Cu/Zn型SODおよびSOD Cu Chaperone遺伝子などが多数Up−regulateされていた。
実施例1にて生育させたシロイナズナの根部を破砕後、水抽出画分を凍結乾燥後、0.1Mリン酸カルシウム緩衝液にて溶解したものを試料とし、同仁化学研究所のSOD Assay Kit−WSTを用い、標準プロトコールに則してSOD活性を測定した。この結果、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトール添加群において、コントロール群に比し、SOD活性の促進が見られた。特にエリスリトール群のSOD活性は2〜5倍に増加していた。
実施例2にて飼育させたラットの肝臓を破砕後、生理食塩水抽出画分を凍結乾燥後、実施例3の方法に則してSOD活性を測定した。この結果、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトール添加群において、コントロール群に比し、SOD活性の促進が見られた。特にエリスリトール群のSOD活性は2倍程度増加していた。
本発明は、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールをROS消去酵素を有する生物に投与することにより、ROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進を惹起させることができる。ROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進することにより、ROSが関与する疾病リスクを低減することができる。エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールは、食品または食品素材として利用される安全な物質であり、本発明は高い安全性を有している。また、ROSが原因である疾病の予防及び/または治療を補完する本発明の方法は、安全性が担保され、従来にはないユニークかつ科学的論拠に裏付けされた機序にて発効し、さらに、微量にて著効を示す極めて優れた方法であり、低コストにて動物、植物、ヒトの健康増進やコンディション維持に広く用いることが可能である。従って、本発明は、食品、医薬品、医薬品添加物、化粧品、飼料添加物、肥料添加物として、広く利用することができる。

Claims (4)

  1. スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ等の活性酸素種(ROS)消去酵素を有する生物に、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、から成る群から選ばれる1種または2種以上の物質により、投与濃度0.01%〜10%において,ROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進を惹起する方法。
  2. 請求項1の方法を利用して、生物におけるROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進をROSが原因である疾病の予防および/または治療に有効な程度に惹起させることを特徴とする疾病の予防および/または治療を補完する方法 。
  3. ROS消去酵素を有する生物に、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、から成る群から選ばれる1種または2種以上の物質を投与することにより、ROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進を惹起し、抗酸化力を賦与した生物。
  4. ROS消去酵素を有する植物に、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、から成る群から選ばれる1種または2種以上の物質を投与することにより、ROS消去酵素群の酵素量増加または酵素活性促進を惹起し、抗酸化力を賦与した植物。
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